JP2011132830A - シングルスクリュー圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】容積比が可変なシングルスクリュー圧縮機において、定格負荷の運転状態においても部分負荷の運転状態においても吐出流体の圧力損失及び効率低下を防止する。
【解決手段】シングルスクリュー圧縮機(1)は、スクリューロータ(40)と、該スクリューロータ(40)を回転可能に収納するシリンダ壁(31)を備えたケーシング(30)と、スクリューロータ(40)を負荷に応じて運転容量可変に駆動する駆動機構(26)と、シリンダ壁(31)に形成されたスライド溝(33)においてスクリューロータ(40)の外周面に対向すると共に軸方向に移動可能に設けられ、運転容量に応じて軸方向に移動して吐出開始位置を調整するスライドバルブ(4)とを備えている。上記スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)を、部分負荷の運転状態におけるスライド位置において対向するスクリューランド(42)に対応した方向に延びるように形成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、シングルスクリュー圧縮機に関し、特に、吸入容積と吐出容積との比率(容積比:VI)を調整する可変VI機構(容積比調整機構)のスライドバルブの構造に係るものである。
従来より、スクリューロータの回転運動によって冷媒を圧縮する圧縮機構を備えたシングルスクリュー圧縮機(図9参照)が知られている。このシングルスクリュー圧縮機(以下、スクリュー圧縮機という)(100)は、ケーシング(130)が有するシリンダ壁(131)の中で回転するスクリューロータ(140)に、上記シリンダ壁(131)の開口を通じてゲートロータ(150)が噛み合うことにより、圧縮室(123)が形成されるようになっている。スクリューロータ(140)は一端(図の左側端部)が吸入側になっており、他端(図の右側端部)が吐出側になっている。そして、スクリューロータ(140)の吸入側がゲートロータ(150)で閉じ切られると、スクリューロータ(140)の螺旋溝に低圧ガスが封入された圧縮室(123)が形成され、そこからさらにスクリューロータ(140)が回転することによってその圧縮室(123)が縮小しながら吐出側へ移動して吐出口(125)と連通すると、高圧になったガスがケーシング(130)の吐出側に流出する。
このスクリュー圧縮機(100)において、吸入容積と吐出容積との比率(容積比:VI)を調整する可変VI機構(容積比調整機構)(103)として、スクリューロータ(140)の軸方向に沿って移動するスライドバルブ(104)を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。上記スライドバルブ(104)は、スクリューロータ(140)の軸方向へスライドさせて高圧ガスが吐出開始(圧縮完了)される位置を変更することにより吐出容積を変化させて、吸入容積に対する吐出容積の比率を変更するものである。
上記スクリュー圧縮機(100)は、インバータ制御をすることで、図示していない電動機の回転速度を変更し、それによって運転容量を制御するように構成されている。そして、その運転容量(単位時間当たりの冷媒吐出量)は、冷媒回路の利用側の負荷に応じて制御される。このとき、上記可変VI機構(103)のスライドバルブ(104)は、負荷に応じて制御される運転容量に対して、最適の圧縮効率が得られる容積比(圧縮比)になるように制御される。そのため、運転状態が定格負荷(100%負荷)状態であるか部分負荷状態であるかによって変化する運転容量に応じて、スライドバルブ(104)は、スクリューロータ(140)の軸方向へ位置が変化する(図10(A)、(B)参照)。
ところで、スライドバルブ(104)の吐出側端面(104a)は、吐出流体の圧力損失が小さくなるように対向するスクリューランド(142)(スクリューロータ(140)の螺旋溝の間の山の頂上に沿った面)に対応した形状に形成することが好ましい。しかしながら、スクリューランド(142)は、吸入側から吐出側に亘って角度及び幅が一様でない。そのため、従来は、運転容量が最大となる定格負荷時の吐出流体の圧力損失を効果的に低減するべく、図10(A)に示すように、スライドバルブ(104)の吐出側端面(104a)を定格負荷時に対向するスクリューランド(142)の傾きに対応した形状に形成していた。
特許第4147891号公報
しかしながら、スライドバルブ(104)の吐出側端面(104a)を定格負荷時に対向するスクリューランド(142)の傾きに対応した形状にすると、その傾きが急であるため、図10(B)に示すように、部分負荷時に吐出側端面(104a)が対向する傾斜の緩やかなスクリューランド(142)に跨ってしまう。そのため、部分負荷時にスクリューランド(142)を挟んで隣り合う圧縮室同士が連通して所期の圧縮比が得られず、効率低下を招く虞があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、容積比が可変であるシングルスクリュー圧縮機において、定格負荷の運転状態においても部分負荷の運転状態においても吐出流体の圧力損失及び効率低下を防止することにある。
第1の発明は、外周面に一端が流体の吸入側となり他端が吐出側となる螺旋溝(41)が形成されたスクリューロータ(40)と、該スクリューロータ(40)を回転可能に収納するシリンダ壁(31)と、上記スクリューロータ(40)を負荷に応じて回転速度可変に駆動する駆動機構(26)と、上記シリンダ壁(31)に形成されたスライド溝(33)において上記スクリューロータ(40)の外周面に対向すると共に軸方向に移動可能に設けられ、上記回転速度に応じて軸方向に移動して吐出開始位置を調整するスライドバルブ(4)とを備えたシングルスクリュー圧縮機であって、上記スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、定格負荷よりも小さい部分負荷の運転状態におけるスライド位置において対向するスクリューロータ(40)のランド(42)の延伸方向に対応した方向に延びるように形成されている。
上記シングルスクリュー圧縮機では、スライドバルブ(4)は、負荷の増大に従って吐出開始位置を遅らせるべく軸方向の吐出側に移動する。つまり、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、定格負荷時には、スクリューロータ(40)のランド(42)の幅広で且つ傾斜角度が急な部分と対向する一方、定格負荷よりも小さい部分負荷時には、スクリューロータ(40)のランド(42)の幅狭で且つ傾斜角度が緩やかな部分と対向する。
第1の発明では、部分負荷時に、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)が対向するスクリューロータ(40)のランド(42)を跨ぐことがなく、隣り合う圧縮室(螺旋溝(41))同士が連通しない。また、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)が部分負荷時に対向するスクリューロータ(40)のランド(42)は、定格負荷時に対向するランド(42)よりも傾斜角度が緩やかであるため、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)を部分負荷時に対向するランド(42)の傾斜に対応させると、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)が定格負荷時に対向するランド(42)を跨ぐこともなくなり、隣り合う圧縮室(螺旋溝(41))同士が連通しない。つまり、部分負荷時だけでなく定格負荷時においても、スクリューロータ(40)のランド(42)を挟んで隣り合う圧縮室同士が連通しなくなる。
第2の発明は、第1の発明において、上記スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、負荷率50%以上75%以下の運転状態におけるスライド位置において対向するスクリューロータ(40)のランド(42)の延伸方向に対応した方向に延びるように形成されている。
第3の発明は、第2の発明において、上記スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、負荷率50%以上75%以下の運転状態におけるスライド位置において対向するスクリューロータ(40)のランド(42)の吸入側端に対応した方向に延びるように形成されている。
第4の発明は、第3の発明において、上記スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、負荷率50%以上75%以下の運転状態におけるスライド位置において対向するスクリューロータ(40)のランド(42)の吸入側端に対応した曲面形状に形成されている。
ここで、冷凍装置の成績係数(COP)として、期間成績係数が知られている。この期間成績係数は、年間を通じれば、負荷の大きい期間や小さい期間、その中間の期間などがあることから、それぞれの負荷時のCOPに重み付けをして、年間のCOPを求める考え方である。この期間成績係数には、例えば米国冷凍空調工業会で定められているIPLV(Integrated Part Load Value)があり、このIPLVは、定格負荷(負荷率100%)時のCOPをA、負荷率75%時のCOPをB、負荷率50%時のCOPをC、そして負荷率25%時のCOPをDとすると、
IPLV=0.01A+0.42B+0.45C+0.12D
で求められると定められている。このことは、IPLVの対象になっている全ての冷凍機を平均すれば、年間の運転時間の45%が負荷率50%運転、年間の運転時間の42%が負荷率75%運転で、負荷率25%運転と負荷率100%運転は、それぞれ年間の運転時間の12%と1%であると考えられていることを意味している。
重み付けの数値は米国と日本とでは多少相違すると考えられるが、その大小関係は概ね等しくなると考えられる。よって、期間成績係数を求めるときに部分負荷時のCOPを重視すべきことに変わりはなく、特に、年間における累積出現頻度の高い負荷率50%以上75%以下の運転状態でのCOPを重視することが好ましいと考えられる。
そこで、上記第2乃至第4の発明では、負荷率50%以上75%以下の運転状態でスライドバルブ(4)が対向するスクリューロータ(40)のランド(42)に対応した方向に延びるようにスライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)を形成している。これにより、負荷率50%以上75%以下の運転状態での吐出流体の圧力損失及び効率低下が防止されるため、期間成績係数が向上する。
特に、上記第3の発明では、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)が負荷率50%以上75%以下の運転状態においてスライドバルブ(4)が対向するスクリューロータ(40)のランド(42)の吸入側端に対応した形状に形成され、さらに第4の発明では、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)が負荷率50%以上75%以下の運転状態においてスライドバルブ(4)が対向するスクリューロータ(40)のランド(42)の吸入側端に対応した曲面形状に形成されている。このようにスライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)が形成されることにより、負荷率50%以上75%以下の運転状態における吐出流体の圧力損失及び効率低下がより確実に防止されて上記負荷率におけるCOPがより向上することとなる。
第5の発明は、第1の発明において、上記スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、上記スクリューロータ(40)のランド(42)の最も幅の狭い幅狭部(42a)の延伸方向に対応した方向に延びるように形成されている。
第5の発明では、幅及び角度が一様でないスクリューロータ(40)のランド(42)の幅狭部(42a)は、他の部分に比べて幅が狭く且つ傾斜角度が緩やかである。そのため、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)をスクリューロータ(40)のランド(42)の幅狭部(42a)の延伸方向に対応した方向に延びるように構成すると、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)がスクリューロータ(40)のランド(42)のいずれの部分と対向しても、該ランド(42)に跨がらず、隣り合う圧縮室(螺旋溝(41))同士が連通しない。
本発明によれば、定格負荷の運転状態においても部分負荷の運転状態においても、スクリューロータ(40)のランド(42)を挟んで隣り合う圧縮室同士の連通を防止することができる。従って、部分負荷時及び定格負荷時の吐出流体の圧力損失及び効率低下を防止することができる。
また、第2乃至第4の発明によれば、特に、年間における累積出現頻度の高い負荷率50%以上75%以下の運転状態における吐出流体の圧力損失及び効率低下を確実に防止することができるため、期間成績係数の向上を図ると共に期間消費電力量を大幅に低減することができる。
また、第5の発明によれば、スライドバルブ(4)の全ての可動域において、吐出流体の圧力損失及び効率低下を防止することができる。従って、部分負荷時及び定格負荷時の吐出流体の圧力損失及び効率低下を防止することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るスクリュー圧縮機の要部の構成を定格負荷に対応する高VI運転状態で示す縦断面図である。 図2は、図1のスクリュー圧縮機の要部の構成を部分負荷に対応する低VI運転状態で示す縦断面図である。 図3は、図1のIII−III線における横断面図である。 図4は、スクリュー圧縮機の要部を抜き出して示す斜視図である。 図5は、スクリュー圧縮機のスクリューロータを示す斜視図である。 図6は、スライドバルブの動作状態を示す展開図であり、図6(A)は定格負荷の運転状態、図6(B)は負荷率75%の運転状態、図6(C)は負荷率50%の運転状態、図6(D)は負荷率25%の運転状態を示している。 図7は、スクリュー圧縮機の圧縮機構の動作を示す平面図であり、図7(A)は吸込行程を示し、図7(B)は圧縮行程を示し、図7(C)は吐出行程を示している。 図8は、実施形態2に係るスライドバルブとスクリューロータとの関係を示す展開図である。 図9は、従来のスクリュー圧縮機の縦断面図である。 図10は、従来のスクリュー圧縮機のスライドバルブの動作状態を示す展開図であり、図10(A)は定格負荷の運転状態、図10(B)は部分負荷の運転状態を示している。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本実施形態のシングルスクリュー圧縮機(1)(以下、単にスクリュー圧縮機と言う。)は、冷凍サイクルを行う冷媒回路に設けられて冷媒を圧縮するためのものである。
上記スクリュー圧縮機(1)は、圧縮機構(20)と、この圧縮機構(20)における吸入容積と吐出容積との比率(容積比:VI)を調整する可変VI機構(容積比調整機構)(3)とを備えている。
〈圧縮機構〉
上記圧縮機構(20)は、図1〜図3に示すように、上記スクリュー圧縮機(1)のケーシング(30)内に形成されたシリンダ壁(31)と、このシリンダ壁(31)の中に回転可能に配置された1つのスクリューロータ(40)と、このスクリューロータ(40)に噛み合う2つのゲートロータ(50)とを備えている。
上記ケーシング(30)内には、上記圧縮機構(20)の吸入口(24)に臨む吸入室(S1)と該圧縮機構(20)の吐出口(25)に臨む吐出室(S2)とが区画形成されている。上記シリンダ壁(31)における周方向の2カ所には、径方向外側に膨出するとともに上記吸入室(S1)と吐出室(S2)とを連通するように連通部(32)が形成されている。この連通部(32)には、シリンダ壁(31)の軸方向沿いにのびるスライド溝(33)が含まれ、このスライド溝(33)に、後述するスライドバルブ(4)が軸方向へ移動可能に装着されている。そして、上記スライド溝(33)とスライドバルブ(4)により、上記可変VI機構(3)が構成されている。なお、上記吐出口(25)には、スライドバルブ(4)に形成されているバルブ側吐出口(27)と、シリンダ壁(31)に形成されているシリンダ側吐出口(28)とが含まれている。
上記スクリューロータ(40)には、図示していない電動機から延びる駆動軸(21)が挿通している。スクリューロータ(40)と駆動軸(21)は、キー(22)によって連結され、スクリューロータ(40)が、上記電動機と駆動軸(21)からなる駆動機構(26)で駆動されるようになっている。駆動軸(21)は、スクリューロータ(40)と同軸上に配置されている。駆動軸(21)の先端部は、圧縮機構(20)の吐出側(図1における駆動軸(21)の軸方向を左右方向とした場合の右側)に位置するベアリングホルダ(60)に回転自在に支持されている。このベアリングホルダ(60)は、ボールベアリング(61)を介して駆動軸(21)を支持している。また、上記スクリューロータ(40)は、シリンダ壁(31)に回転可能に嵌合しており、その外周面がシリンダ壁(31)の内周面と油膜を介して摺接している。
上記電動機は、インバータ制御により回転速度を調整することができるように構成されている。このことにより、上記スクリュー圧縮機(1)は、電動機の回転速度を調整して運転容量を変更することができるようになっている。スクリュー圧縮機(1)の運転容量(単位時間当たりの冷媒吐出量)は、冷媒回路の利用側の負荷に応じて制御される。その際、上記可変VI機構(3)のスライドバルブ(4)は、負荷に応じて制御される運転容量に対して、最適の圧縮効率が得られる容積比(圧縮比)になるように制御される。具体的には、運転状態が定格負荷状態(負荷率100%の状態)であるか部分負荷状態(負荷率が100%未満の状態)であるかによって変化する運転容量に応じて、スライドバルブ(4)は、スクリューロータ(40)の軸方向へ位置が変化する。なお、上記スクリュー圧縮機(1)において、上記スライドバルブ(4)は、定格負荷の運転状態(図1の状態)と部分負荷の運転状態(図2の状態)とを比較すると、負荷の小さい運転状態の方が上記シリンダ側吐出口(28)の面積が大きくなるように、図1において左側(吸入側)へ位置が変化する。
図4,図5に示すスクリューロータ(40)は、概ね円柱状に形成された金属製の部材である。スクリューロータ(40)の外周面には、スクリューロータ(40)の一端(流体(冷媒)の吸入側の端部)から他端(吐出側の端部)へ向かって螺旋状に延びる螺旋溝(41)が複数本(本実施形態では、6本)形成されている。
上記スクリューロータ(40)の各螺旋溝(41)は、図5における左端(吸入側の端部)が始端となり、同図における右端が終端(流体の吐出側)となっている。また、スクリューロータ(40)は、同図における左端部がテーパー状に形成されている。図5に示すスクリューロータ(40)では、テーパー面状に形成されたその左端面に螺旋溝(41)の始端が開口する一方、その右端面に螺旋溝(41)の終端は開口していない。
上記各ゲートロータ(50)は、樹脂製の部材である。各ゲートロータ(50)には、長方形板状に形成された複数枚(本実施形態では、11枚)のゲート(51)が放射状に設けられている。各ゲートロータ(50)は、シリンダ壁(31)の外側に、スクリューロータ(40)の回転軸に対して軸対称となるように配置されている。つまり、本実施形態のスクリュー圧縮機(1)では、二つのゲートロータ(50)が、スクリューロータ(40)の回転中心軸周りに等角度間隔(本実施形態では180°間隔)で配置されている。各ゲートロータ(50)の軸心は、スクリューロータ(40)の軸心と直交している。各ゲートロータ(50)は、ゲート(51)がシリンダ壁(31)の一部(図示せず)を貫通してスクリューロータ(40)の螺旋溝(41)に噛み合うように配置されている。
上記ゲートロータ(50)は、金属製のロータ支持部材(55)に取り付けられている(図4を参照)。ロータ支持部材(55)は、基部(56)とアーム部(57)と軸部(58)とを備えている。基部(56)は、やや肉厚の円板状に形成されている。アーム部(57)は、ゲートロータ(50)のゲート(51)と同数だけ設けられており、基部(56)の外周面から外側へ向かって放射状に延びている。軸部(58)は、棒状に形成されて基部(56)に立設されている。軸部(58)の中心軸は、基部(56)の中心軸と一致している。ゲートロータ(50)は、基部(56)及びアーム部(57)における軸部(58)とは反対側の面に取り付けられている。各アーム部(57)は、ゲート(51)の背面に当接している。
上記ゲートロータ(50)が取り付けられたロータ支持部材(55)は、シリンダ壁(31)に隣接してケーシング(30)内に区画形成されたゲートロータ室(90)に収容されている(図3を参照)。図3におけるスクリューロータ(40)の右側に配置されたロータ支持部材(55)は、ゲートロータ(50)が下端側となる姿勢で設置されている。一方、同図におけるスクリューロータ(40)の左側に配置されたロータ支持部材(55)は、ゲートロータ(50)が上端側となる姿勢で設置されている。各ロータ支持部材(55)の軸部(58)は、ゲートロータ室(90)内の軸受ハウジング(91)にボールベアリング(92,93)を介して回転自在に支持されている。なお、各ゲートロータ室(90)は、吸入室(S1)に連通している。
上記圧縮機構(20)では、シリンダ壁(31)の内周面と、スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)と、ゲートロータ(50)のゲート(51)とによって囲まれた空間が圧縮室(23)になる。圧縮室(23)は、図3における水平方向の中心線よりも上側に位置する第1圧縮室(23a)と、その中心線よりも下側に位置する第2圧縮室(23b)とから構成されている(図5を参照)。スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)は、吸入側端において吸入室(S1)に開放されており、この開放部分が上記圧縮機構(20)の吸入口(24)になっている。
〈可変VI機構(容積比調整機構)〉
上記可変VI機構(3)は、上述したシリンダ壁(31)の連通部(32)のスライド溝(33)と、このスライド溝(33)に摺動自在に嵌合するように収容されたスライドバルブ(4)に加え、上記ベアリングホルダ(60)の吐出側に固定されて上記吐出室(S2)に位置する油圧シリンダ(5)を含んでいる(図1,2を参照)。
上記スライドバルブ(4)は、第1及び第2圧縮室(23a,23b)の両方に設けられている。上述したように、上記スライドバルブ(4)と上記シリンダ壁(31)には、上記圧縮機構(20)の吐出口(25)を構成するバルブ側吐出口(27)とシリンダ側吐出口(28)がそれぞれ形成されており、この吐出口(25)により、上記圧縮室(23)と上記吐出室(S2)とが連通している。また、上記スライドバルブ(4)は、その内面がシリンダ壁(31)の内周面の一部を構成するとともに、シリンダ壁(31)の軸心方向にスライド可能に構成されている。上記スライドバルブ(4)の一端は上記吐出室(S2)に面し、他端は上記吸入室(S1)に面している。
上記油圧シリンダ(5)は、シリンダチューブ(6)と、該シリンダチューブ(6)内に装填されたピストン(7)と、該ピストン(7)のピストンロッド(8)に連結されたアーム(9)と、該アーム(9)と上記スライドバルブ(4)とを連結する連結ロッド(10a)と、アーム(9)を図1の右方向(アーム(9)をケーシング(30)から引き離す方向)に付勢するスプリング(10b)とを備えている。また、上記シリンダチューブ(6)内におけるピストン(7)の両側には第1シリンダ室(11)(図1におけるピストン(7)の左側)と第2シリンダ室(12)(図1におけるピストン(7)の右側)とが形成されている。そして、上記油圧シリンダ(5)は、ピストン(7)の左右のシリンダ室(11,12)の圧力を調整することによって、スライドバルブ(4)の位置を調整するように構成されている。
スライドバルブ(4)がスライドすると、吐出口(25)の開度が変化して圧縮行程の終了位置(吐出行程の開始位置)が変化するようになっている。例えば、図1は、スライドバルブ(4)が右寄りにスライドした状態を示し、この状態では吐出口(25)が螺旋溝(41)のほぼ終端付近で開口している。この状態は、定格負荷の運転状態に対応した状態(高VI運転状態)である。スクリュー圧縮機(1)では、この状態が最も吐出のタイミングが遅い状態であり、圧縮比が最も大きくなる。
また、図2は、スライドバルブ(4)が左寄りにスライドした状態を示し、この状態では、吐出口(25)が螺旋溝(41)の中間寄りで開口している。この状態は、部分負荷の運転状態に対応した状態(低VI運転状態)である。この状態では、前記高VI運転状態(図1を参照)よりも吐出のタイミングが早くなり、高VI運転状態よりも圧縮比は小さくなる。
本実施形態では、冷媒回路の運転状態に応じてスクリュー圧縮機(1)が最も高効率となるように最適のVI値が選択されて、スライドバルブ(4)の位置が調整されるようになっている。このとき、図示しない制御機構により、運転状態(利用側の負荷)に応じて、インバータ制御で電動機の回転数が制御され、容量制御が行われている。
なお、スライドバルブ(4)には、その動作中の位置にかかわらず、内周面がバルブガイド(15)の外周面と摺接するように回り止め(図示せず)が施されている。このことにより、スライドバルブ(4)の内周面は、ケーシング(30)のシリンダ壁(31)の内周面と同一円筒上に位置する状態に保持される。そのため、この実施形態において、スライドバルブ(4)が回転してしまうことはなく、スライドバルブ(4)の内周面とスクリューロータ(40)の外周面は干渉しない。
一方、上記吐出口(25)を構成するシリンダ側吐出口(28)は、図6(A)〜図6(D)に示すように、主吐出ポート(28a)と副吐出ポート(28b,28c,28d)とを含んでいる。主吐出ポート(28a)は、定格負荷の運転状態におけるスライドバルブ(4)の位置に合わせて開口形状が定められたポートであって、図6(A)〜図6(D)に示しているように、定格負荷の運転状態と部分負荷の運転状態のいずれでもスライドバルブ(4)に閉塞されずに開放されて、流体が吐出されるポートである。また、副吐出ポート(28b,28c,28d)は、部分負荷の運転状態におけるスライドバルブ(4)の位置に合わせて開口形状が定められたポートであって、定格負荷の運転状態でスライドバルブ(4)に閉塞される一方、部分負荷の運転状態でスライドバルブ(4)から開放されて流体が吐出されるポートである。
本実施形態では、上記副吐出ポート(28b,28c,28d)として、複数の部分負荷運転状態に対応するように複数のポートが設けられている。具体的には、上記副吐出ポート(28b,28c,28d)は、負荷率75%、負荷率50%及び負荷率25%の運転状態に対応する3つのポートからなっている。主吐出ポート(28a)と各副吐出ポート(28b,28c,28d)は、互いに離れた位置に形成されている。
図6(A)〜図6(D)は、スクリューロータ(40)を展開した状態でスライドバルブ(4)とシリンダ側吐出口(28)との位置関係を示す図である。負荷率75%の運転状態に対応する副吐出ポート(28b)(第1副吐出ポート(28b)という)は、スライドバルブ(4)によって、図6(A)に示すように定格負荷運転状態で閉塞される一方、図6(B)〜図6(D)に示すように負荷率75%と負荷率50%と負荷率25%の運転状態で開放される位置に形成されている。負荷率50%の運転状態に対応する副吐出ポート(28c)(第2副吐出ポート(28c)という)は、スライドバルブ(4)によって、図6(A)及び図6(B)に示すように定格負荷と負荷率75%の運転状態で閉塞される一方、図6(C)及び図6(D)に示すように負荷率50%と負荷率25%の運転状態で開放される位置に形成されている。また、負荷率25%の運転状態に対応する副吐出ポート(28d)(第3副吐出ポート(28d)という)は、スライドバルブ(4)によって、図6(A)〜図6(C)に示すように定格負荷と負荷率75%と負荷率50%の運転状態で閉塞される一方、図6(D)に示すように負荷率25%の運転状態で開放される位置に形成されている。
一方、上記スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、部分負荷の運転状態におけるスライドバルブ(4)が対向するスクリューランド(42)(スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)の間の山の頂上に沿った面)の延伸方向に対応する方向に延びるように形成されている。具体的には、本実施形態では、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、図6(B)及び図6(C)に示すように、負荷率50%以上75%以下の運転状態で対向するスクリューランド(42)の傾き(この傾きは、図6(B)及び図6(C)の吐出側端面(4a)のコーナーの2つのポイントP,Qをスクリューランド(42)の吸入側端に軸直角方向へ投影したポイントP’、Q’を結ぶ線分P’Q’に対応する傾きである)に基づいて定められている。つまり、スクリューロータ(40)が回転してスクリューランド(42)の吸入側端の線分P’Q’がスライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)の位置に来たときに、線分PQと重なるようになっている。また、上記各副吐出ポート(28b,28c,28d)の側面は、上記スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)の傾斜に沿うように傾斜して形成されている。
なお、上記各副吐出ポート(28b,28c,28d)は、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)の傾斜の基準になっているスクリューランド(42)の該当部分(線分P’Q’に対応する部分)よりも狭い幅に形成されている。さらに、上記複数の副吐出ポート(28b,28c,28d)は、吐出側から吸入側に向かうほど幅が狭くなるように形成されている。これは、図6(A)〜図6(D)に示すように、スライドバルブ(4)の可動域において、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)が対向するスクリューランド(42)の幅が吐出側から吸入側に向かって細くなっているのに合わせて、各副吐出ポート(28b,28c,28d)の幅を設定したものである。
このように、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)を、上述のように負荷率50%以上75%以下の運転状態の際に対向するスクリューランド(42)の吸入側端の傾斜に対応するように形成している理由は、以下の通りである。
まず、冷凍装置の成績係数(COP)として、期間成績係数という考え方が知られている。この期間成績係数は、年間を通じれば、負荷の大きい期間や小さい期間、その中間の期間などがあることから、それぞれの負荷時のCOPに重み付けをして、年間のCOPを求める考え方である。この期間成績係数には、例えば米国冷凍空調工業会で定められているIPLV(Integrated Part Load Value)があり、このIPLVは、定格負荷(負荷率100%)時のCOPをA、負荷率75%時のCOPをB、負荷率50%時のCOPをC、そして負荷率25%時のCOPをDとすると、
IPLV=0.01A+0.42B+0.45C+0.12D
で求められると定められている。このことは、IPLVの対象になっている全ての冷凍機を平均すれば、年間の運転時間の45%が負荷率50%運転、年間の運転時間の42%が負荷率75%運転で、負荷率25%運転と負荷率100%運転は、それぞれ年間の運転時間の12%と1%であると考えられていることを意味している。
重み付けの数値は米国と日本とでは多少相違すると考えられるが、その大小関係は概ね等しくなると考えられる。よって、期間成績係数を求めるときに部分負荷時のCOPを重視すべきことに変わりはなく、特に、年間における累積出現頻度の高い負荷率50%以上75%以下の運転状態でのCOPを重視することが好ましいと考えられる。
そこで、本実施形態では、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)を、負荷率50%以上75%以下の運転状態において、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)が対向するスクリューロータ(40)の吸入側端に対応する形状にしている。これにより、負荷率50%以上75%以下の運転状態において、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)が対向するスクリューランド(42)に跨って該スクリューランド(42)に隣り合う圧縮室(23)同士が連通してしまうことを確実に防止して、吐出抵抗を低減して吐出冷媒の圧力損失及び効率低下を防止することができる。このようにして、本実施形態では、負荷率50%以上75%以下の運転状態におけるCOPを向上させて期間成績係数を高められるようにしている。
−運転動作−
上記スクリュー圧縮機(1)における圧縮機構(20)及び可変VI機構(3)の運転動作について説明する。
〈圧縮機構〉
上記電動機を起動すると、駆動軸(21)が回転するのに伴ってスクリューロータ(40)が回転する。このスクリューロータ(40)の回転に伴ってゲートロータ(50)も回転し、上記圧縮機構(20)が吸入行程、圧縮行程および吐出行程を繰り返す。ここでは、図7においてドットを付した圧縮室(23)に着目して説明する。
図7(A)において、ドットを付した圧縮室(23)は、吸入室(S1)に連通している。また、この圧縮室(23)が形成されている螺旋溝(41)は、同図の下側に位置するゲートロータ(50)のゲート(51)と噛み合わされている。スクリューロータ(40)が回転すると、このゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって相対的に移動し、それに伴って圧縮室(23)の容積が拡大する。その結果、吸入室(S1)の低圧ガス冷媒が吸入口(24)を通じて圧縮室(23)へ吸い込まれる。
スクリューロータ(40)が更に回転すると、図7(B)の状態となる。同図において、ドットを付した圧縮室(23)は、閉じきり状態となっている。つまり、この圧縮室(23)が形成されている螺旋溝(41)は、同図の上側に位置するゲートロータ(50)のゲート(51)と噛み合わされ、このゲート(51)によって吸入室(S1)から仕切られている。そして、スクリューロータ(40)の回転に伴ってゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって移動すると、圧縮室(23)の容積が次第に縮小する。その結果、圧縮室(23)内のガス冷媒が圧縮される。
スクリューロータ(40)が更に回転すると、図7(C)の状態となる。同図において、ドットを付した圧縮室(23)は、吐出口(25)を介して吐出室(S2)と連通した状態となっている。そして、スクリューロータ(40)の回転に伴ってゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって移動すると、圧縮された冷媒ガスが圧縮室(23)から吐出室(S2)へ押し出されてゆく。
〈可変VI機構(容積比調整機構)〉
次に、可変VI機構(3)の動作について説明する。
上述したように、スクリュー圧縮機(1)の運転容量を調整するときにスライドバルブ(4)がスライドすると、吐出口(25)における吐出開始位置が変化し、その結果、吐出口(25)の開度が変化して圧縮行程の終了位置(吐出行程の開始位置)も変化する。
図1は、スライドバルブ(4)が右寄りにスライドした状態を示し、この状態では吐出口(25)が螺旋溝(41)のほぼ終端付近で開口し、冷凍装置を定格負荷で運転するのに対応した高VI運転状態になっている。スクリュー圧縮機(1)では、この状態が最も吐出のタイミングが遅い状態であり、圧縮比が最も大きくなる。
また、図2は、スライドバルブ(4)が左寄りにスライドした状態を示し、この状態では、吐出口(25)が螺旋溝(41)の中間寄りで開口し、冷凍装置を部分負荷で運転するのに対応した低VI運転状態になっている。これにより、前記高VI運転状態(図1を参照)よりも吐出のタイミングが早くなり、高VI運転状態よりも圧縮比は小さくなる。
ここで、スライドバルブ(4)が定格負荷の運転状態に対応する位置にある図6(A)の状態では、3つの副吐出ポート(28b,28c,28d)は全てスライドバルブ(4)によって閉塞され、主吐出ポート(28a)はスライドバルブ(4)に閉塞されずに開放されている。このとき、圧縮室(23)で圧縮された冷媒は、主吐出ポート(28a)を通って吐出室(S2)へ流出する。
スライドバルブ(4)が負荷率75%の運転状態に対応する位置にある図6(B)の状態では、第2副吐出ポート(28c)と第3副吐出ポート(28d)がスライドバルブ(4)によって閉塞され、主吐出ポート(28a)と第1副吐出ポート(28b)がスライドバルブ(4)から開放されている。このとき、圧縮室(23)で圧縮された冷媒は、主吐出ポート(28a)と第1副吐出ポート(28b)を通って吐出室(S2)へ流出する。
スライドバルブ(4)が負荷率50%の運転状態に対応する位置にある図6(C)の状態では、第3副吐出ポート(28d)がスライドバルブ(4)によって閉塞され、主吐出ポート(28a)と第1副吐出ポート(28b)と第2副吐出ポート(28c)がスライドバルブ(4)から開放されている。このとき、圧縮室(23)で圧縮された冷媒は、主吐出ポート(28a)と第1副吐出ポート(28b)と第2副吐出ポート(28c)を通って吐出室(S2)へ流出する。
スライドバルブ(4)が負荷率25%の運転状態に対応する位置にある図6(D)の状態では、主吐出ポート(28a)と第1副吐出ポート(28b)と第2副吐出ポート(28c)と第3副吐出ポート(28d)がすべてスライドバルブ(4)から開放されている。このとき、圧縮室(23)で圧縮された冷媒は、主吐出ポート(28a)と第1副吐出ポート(28b)と第2副吐出ポート(28c)と第3副吐出ポート(28d)を通って吐出室(S2)へ流出する。
このように、本実施形態では、複数の部分負荷の運転状態のすべてにおいて、主吐出ポート(28a)からだけではなく、対応する副吐出ポート(28b,28c,28d)からも冷媒が吐出される。そのため、吐出抵抗が小さくなり、圧力損失が低減される。
ところで、スライドバルブ(4)の可動域において該スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)が対向するスクリューランド(42)は、吸入側から吐出側に向かって幅広になると共に傾斜角度が急になっている。つまり、スクリューランド(42)は、部分負荷時にスライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)が対向する部分よりも、定格負荷時に対向する部分の方が幅広で且つ傾斜が急になっている。そのため、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)を定格負荷時に対向するスクリューランド(42)の吸入側端の傾きに対応するように形成すると(図6(A)の仮想線を参照)、その傾きが急となる上、部分負荷の運転状態になったときに、図6(D)に仮想線で示すように隣り合う圧縮室(23)同士が連通してしまうことがある。隣り合う圧縮室(23)同士が連通すると、所期の圧縮比が得られなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)を、部分負荷時であって特に、年間における累積出現頻度の高い負荷率50%以上75%以下の運転状態に対向するスクリューランド(42)の吸入側端の傾き(線分P’Q’の傾き)に対応して傾斜させている。これにより、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、負荷率50%以上75%以下の運転状態におけるスライド位置において対向するスクリューランド(42)に跨がらなくなる。また、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、上記所定の負荷率よりも大きい負荷率(所定の負荷率以上100%以下)での運転状態におけるスライド位置において吐出側端面(4a)が対向するスクリューランド(42)にも跨がらなくなる。これにより、本実施形態では、部分負荷時(負荷率50%以上75%以下)においても定格負荷時(負荷率100%)においても隣り合う螺旋溝(41)(圧縮室(23))同士が連通しない。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)形状を、部分負荷時に対向するスクリューランド(42)の傾斜に対応させることにより、部分負荷時にも定格負荷時にも、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)が対向するスクリューランド(42)に跨らなくなるため、該スクリューランド(42)を挟んで隣り合う圧縮室(23,23)同士の連通を防止することができる。従って、部分負荷時及び定格負荷時の吐出流体の圧力損失及び効率低下を防止することができる。
また、本実施形態によれば、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)を、負荷率50%以上75%以下の運転状態におけるスライド位置において対向するスクリューランド(42)の吸入側端に対応した方向に延びるように形成している。これにより、特に、年間における累積出現頻度の高い負荷率50%以上75%以下の運転状態における吐出流体の圧力損失及び効率低下を確実に防止することができるため、期間成績係数の向上を図ると共に期間消費電力量を大幅に低減することができる。
《発明の実施形態2》
実施形態2は、実施形態1に係るスクリュー圧縮機(1)において、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)の形状を変更したものである。
具体的には、図8に示すように、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)の形状を、スクリューランド(42)の最も幅の狭い幅狭部(42a)に対応した方向に延びるように形成されている。より具体的には、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、スクリューランド(42)の幅狭部(42a)の傾き(この傾きは、図8の吐出側端面(4a)のコーナーの2つのポイントR,Sをスクリューランド(42)の幅狭部(42a)の吸入側端に軸方向へ投影したポイントR’、S’を結ぶ線分R’S’に対応する傾きである)に基づいて定められている。
ここで、幅及び角度が一様でないスクリューランド(42)の幅狭部(42a)は、他の部分に比べて幅が狭く且つ傾斜角度が緩やかである。そのため、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)をスクリューランド(42)の幅狭部(42a)に対応した方向に延びるように構成すると、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)がスクリューランド(42)のいずれの部分と対向しても、該スクリューランド(42)に跨がらなくなる。
従って、実施形態2によれば、スライドバルブ(4)の全ての可動域において、吐出流体の圧力損失を防止することができると共に、スクリューランド(42)を挟んで隣り合う圧縮室(23)同士の連通を抑制して効率低下を防止することができる。つまり、本発明の目的である部分負荷時及び定格負荷時の吐出流体の圧力損失及び効率低下を防止することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態1では、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)を、負荷率50%以上75%以下の運転状態において対向するスクリューランド(42)の延伸方向に対応する方向に延びるように形成していたが、これ以外の負荷率の運転状態において吐出側端面(4a)が対向するスクリューランド(42)の延伸方向に対応する方向に延びるように形成してもよい。例えば、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)を、負荷率25%の運転状態において対向するスクリューランド(42)の延伸方向に対応する方向に延びるように形成してもよい。
上述の場合、負荷率25%の運転状態における吐出流体の圧力損失及び効率低下を確実に防止することができる。また、期間成績係数における重みは、負荷率25%と負荷率100%とでは、負荷率25%の方が大きい(年間における累積出現頻度が高い)と考えられる。そのため、上述の場合であっても、スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)を、定格負荷時に対向するスクリューランド(42)の延伸方向に対応する方向に延びるように形成した場合に比べて期間成績係数の向上を図ることができると共に、期間消費電力量を低減することができる。
また、上記実施形態1及び2では、それぞれスライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、スクリューランド(42)の所定部分の吸入側端に対応した方向に延びるように形成されていたが、吐出側端に対応した方向に延びるように形成されていてもよく、吐出側端に対応した方向と吸入側端に対応した方向との間の方向に延びるように形成されていてもよい。
さらに、上記実施形態1及び2では、それぞれスライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、スクリューランド(42)の所定部分の吸入側端に対応した方向に延びる斜面に形成されていたが、スクリューランド(42)の所定部分の吸入側端に対応した曲面形状に形成することとしてもよい。このように形成することにより、所望の運転状態における吐出流体の圧力損失及び効率低下をより確実に防止することができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、吸入容積と吐出容積との比率を調整する可変VI機構(容積比調整機構)を備えたシングルスクリュー圧縮機について有用である。
1 シングルスクリュー圧縮機
3 可変VI機構
4 スライドバルブ
4a 吐出側端面
23 圧縮室
26 駆動機構
30 ケーシング
31 シリンダ壁
33 スライド溝
40 スクリューロータ
41 螺旋溝
42 スクリューランド(ランド)
42a 幅狭部

Claims (5)

  1. 外周面に一端が流体の吸入側となり他端が吐出側となる螺旋溝(41)が形成されたスクリューロータ(40)と、該スクリューロータ(40)を回転可能に収納するシリンダ壁(31)と、上記スクリューロータ(40)を負荷に応じて回転速度可変に駆動する駆動機構(26)と、上記シリンダ壁(31)に形成されたスライド溝(33)において上記スクリューロータ(40)の外周面に対向すると共に軸方向に移動可能に設けられ、上記回転速度に応じて軸方向に移動して吐出開始位置を調整するスライドバルブ(4)とを備えたシングルスクリュー圧縮機であって、
    上記スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、定格負荷よりも小さい部分負荷の運転状態におけるスライド位置において対向するスクリューロータ(40)のランド(42)の延伸方向に対応した方向に延びるように形成されている
    ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、負荷率50%以上75%以下の運転状態におけるスライド位置において対向するスクリューロータ(40)のランド(42)の延伸方向に対応した方向に延びるように形成されている
    ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
  3. 請求項2において、
    上記スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、負荷率50%以上75%以下の運転状態におけるスライド位置において対向するスクリューロータ(40)のランド(42)の吸入側端に対応した方向に延びるように形成されている
    ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
  4. 請求項3において、
    上記スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、負荷率50%以上75%以下の運転状態におけるスライド位置において対向するスクリューロータ(40)のランド(42)の吸入側端に対応した曲面形状に形成されている
    ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
  5. 請求項1において、
    上記スライドバルブ(4)の吐出側端面(4a)は、上記スクリューロータ(40)のランド(42)の最も幅の狭い幅狭部(42a)の延伸方向に対応した方向に延びるように形成されている
    ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
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