JP2011132625A - プロテクタ - Google Patents

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譲二 青山
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Abstract

【課題】乗員の前後両側に膨張部を有するエアバッグを備えた着用型で、膨張用ガスを前後両面の膨張部に円滑に流動させるプロテクタを提供すること。
【解決手段】プロテクタPは、乗物に乗車している乗員Dに着用させる構成として、作動時に内部に膨張用ガスGを流入させて、乗員Dの外周側を覆い可能に膨張するエアバッグ48を、備えている。エアバッグが乗員Dが着用しているプロテクタP内に折り畳まれて収納されるとともに、上流側部位49の下端部にインフレーター40が配置されている。インナーチューブ51が上流側部位49の下端部に配置され、上流側部位49と下流側部位60との各膨張部に膨張用ガスG供給する。膨張用ガスGを供給するガス流出孔の開口面積は、上流側ガス流出孔を上流側ガス流出孔より小さくした。
【選択図】図10

Description

本発明は、乗物に乗車している乗員に着用させる構成として、作動時に内部に膨張用ガスを流入させて、乗員の外周側を覆い可能に膨張するエアバッグを、備える構成のプロテクタに関する。
従来、エアバッグを備えたプロテクタとしては、少なくとも背当て部と肩掛け部と腹当て部とが一連につながるように袋状に形成し、背当て部に配置したインフレーターからの膨張用ガスを背当て部から一連につながる肩掛け部を通して腹当て部に至るまで充填可能とした構成のものがあった。(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−184135号公報
しかし、膨張用ガスは、乗員の背面側の背当て部に配置されたインフレーターから供給される膨張用ガスは、肩掛け部を経由して流動方向は略逆U字状に曲折して、乗員の前面側の腹当て部までを膨張させなければならない。この場合、乗員の背当て部側にも膨張部を設けた構成であると、膨張用ガスは、インフレーターに近い背当て部側の膨張部内に優先的に流入させられるため、肩掛け部によって曲折させられたガスを流入させる乗員の前方側に配置した腹当て部の迅速な膨張や十分な内圧確保という点に、改善の余地があった。
特に、従来技術のプロテクタは、通常時においてもエアバッグを折り畳んで収納しているものではなく、展開状態で配置されていることから、エアバッグの折りを解いて膨張用ガスを各膨張部内に流入させる必要がないため、流入抵抗が小さいため、比較的円滑に膨張部内に流動させることが可能であるが、通常時にエアバッグを折り畳んで収納した場合においては、折りを解く時の抵抗があるため、膨張部の展開が円滑にならないことがあるため、膨張部内への膨張用ガスの円滑な流入には改善の余地があった。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載のプロテクタは、乗物に乗車している乗員に着用させる構成として、作動時に内部に膨張用ガスを流入させて、前記乗員の外周側を覆い可能に膨張するエアバッグ装置を、備える構成のプロテクタであって、
前記エアバッグ装置が、前記乗員の着用しているプロテクタ本体内に折り畳まれて収納されるとともに、前記膨張用ガスの流れの上流側に位置する上流側部位と、前記膨張用ガスの流れの下流側に位置する下流側部位と、を備えるとともに、膨張完了時に、前記下流側部位の位置で屈曲されて略逆U字状とされるエアバッグと、前記エアバッグに前記膨張用ガスを供給するインフレーターと、を備えて構成され、前記上流側部位には、展開膨張して前記プロテクタ本体から突出する背中保護部が設けられるとともに、内側には、前記乗員の上下方向に沿って下端側から上端側にかけてインナーチューブが配置され、前記インフレーターは、前記インナーチューブ内に前記膨張用ガスを供給可能に、前記上流側部位の下端側に配置されるとともに、前記インナーチューブには、下端側から前記膨張用ガスが流入可能に前記インフレーターに接続され、前記背中保護部には、前記膨張用ガスを供給する上流側ガス流出孔と、前記下流側部位に前記膨張用ガスを供給する下流側ガス流出孔と、が設けられて構成され、 前記上流側ガス流出孔の開口面積は、前記下流側ガス流出孔の開口面積より、小さくされていることを要旨とする。
上記の構成によれば、インナーチューブ内を下端から上端に向けて流動する膨張用ガスは、上流側部位において、上流側ガス流出孔から背中保護部に供給され、さらに、上端に形成された下流側ガス流出孔から、下流側部位に供給される。そして、上流側ガス流出孔は、下流側ガス流出孔より開口面積が小さくされているため、膨張用ガスは、下流側部位へも円滑に供給されて、インフレーターからは遠い位置に配置された下流側部位においても、エアバッグの展開膨張を円滑に行うことができる。
請求項2に記載のプロテクタにおいては、請求項1に記載の発明において、前記エアバッグは、上下方向に対して左右対称形状とされて、前記背中保護部は、前記プロテクタから左右方向に突出する左側膨張部と右側膨張部とを備え、前記インナーチューブには、前記左側膨張部と前記右側膨張部ともそれぞれに、前記膨張用ガスを供給する上流側左ガス流出孔と上流側右ガス流出孔と、が形成されるとともに、上端側には、下流側部位の左右側に、前記膨張用ガスを供給する、下流側左ガス流出孔と下流側右ガス流出孔と、が形成されており、前記上流側左ガス流出孔の開口面積は、前記下流側左ガス流出孔の開口面積より小さく、前記上流側右ガス流出孔の開口面積は、前記下流側右ガス流出孔の開口面積より小さくされていることを要旨とする。
上記の構成によれば、インナーチューブの上端側の下流側ガス流出孔は、下流側左ガス流出孔と右側ガス流出孔とされているので、インナーチューブ内を下方から上方に向けて流動した膨張用ガスの流れは、下流側左ガス流出孔と右側ガス流出孔によって、分岐させられ、左右対称とされたエアバッグの下流側部位の展開膨張をなお一層円滑なものにすることができる。また、背中保護部も左右対称とされて、左側膨張部と右側膨張部とを備え、それぞれ左側膨張部と右側膨張部とに対応して設けられた上流側左ガス流出孔と右側ガス流出孔の開口面積は、下流側左ガス流出孔と下流側右ガス流出孔の開口面積より小さくされている。こうすることで、インフレーターから遠い位置に配置された下流側部位においても、エアバッグの展開膨張を円滑に行うことができる。
請求項3に記載のプロテクタにおいては、請求項2に記載の発明において、前記左側膨張部と、前記右側膨張部とは、前記上流側部位の上下方向に沿ってそれぞれ複数個設けられ、前記上流側左ガス流出孔と、前記上流側右ガス流出孔は、複数の前記左側膨張部と前記右側膨張部のそれぞれに対応して形成されており、複数の前記上流側左ガス流出孔の開口面積を足した合計面積は、前記下流側左ガス流出孔の開口面積より小さく、 複数の前記上流側右ガス流出孔の開口面積を足した合計面積は、前記下流側右ガス流出孔の開口面積より小さくされていることを特徴とする請求項2に記載のプロテクタ。
上記の構成によれば、背中保護部における左側膨張部と右側膨張部とは、上下方向にそって複数個設けられ、そのそれぞれに対応して、上流側左ガス流出孔と上流側右ガス流出孔も複数個設けられている。そして、複数個設けられた上流側左ガス流出孔の開口面積を足した合計面積は、下流側左ガス流出孔の開口面積より小さくされ、複数個設けられた上流側右ガス流出孔の開口面積を足した合計面積は、下流側右ガス流出孔の開口面積より小さくする、構成とした。こうすることにより、上流側部位における背中保護部を複数とした場合でも、下流側部位への膨張用ガスの供給を円滑として、エアバッグの展開膨張を円滑に行うことが可能となる。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、プロテクタ本体内に折り畳んで収納され、膨張完了時に略逆U字状に屈曲させられたエアバッグにおいて、上流側の下端側に配置されたインフレーターからの膨張用ガスを、上流側から下流側に向けて円滑に流動させ、エアバッグの上流側部位のみならず、下流側部位の展開膨張も円滑にすることを目的とする。
本発明の一実施形態であるプロテクタを着用している乗員と自動二輪車とを示す側面図である。 実施形態のプロテクタを前方側から見た概略斜視図である。 実施形態のプロテクタを後方側から見た概略斜視図である。 図2のIV−IV部位の断面図である。 図2のV−V部位の断面図である。 図2のVI−VI部位の断面図である。 図3のVII−VII部位の断面図である。 図3のVIII−VIII部位の断面図である。 実施形態のプロテクタに使用されるエアバッグを平らに展開した状態図を示す平面図である。 図9のエアバッグ内に配置されるインナーチューブを示す平面図である。 自動二輪車の走行時に、実施形態のプロテクタのエアバッグが膨張を完了させた状態を示す側面図である。 実施形態のプロテクタにおいて、エアバッグが膨張を完了させた状態を示す前方側から見た概略斜視図である。 実施形態のプロテクタにおいて、エアバッグが膨張を完了させた状態を示す後方側から見た概略斜視図である。 図13のIX−IX部位の断面図である。 図14のX−X部位の断面図である。
以下、本発明の一実施形態お図面を基づいて説明すると、実施形態のプロテクタPは、図1に示すように、乗物としての自動二輪車(以下、単に「二輪車」という)Vを運転している乗員Dが着用するためのものである。実施形態の場合、乗員Dが運転している二輪車Vは、スクータ型のものであり、乗員Dの着座するシート3と、シート3の前方のハンドル1と、の間に、乗員の足を載せるステップ2と、備える構成とされている。
なお、本明細書での上下前後左右の方向は、プロテクタPを着用している乗員Dを基準としており、乗員Dが二輪車Vを運転している状態では、二輪車Vを運転している乗員Dの上下前後左右の方向と一致している。
実施形態の二輪車Vには、プロテクタPのエアバッグ装置39におけるインフレーター40に、作動信号を出力する制御回路5が、配置されている。制御回路5は、図1に示すように、二輪車Vにおける車体Bの所定個所に配置されるもので、車体Bの所定個所に配置されて、二輪車Vの加速度や加速の方向等を検知可能な加速度検知センサ6と、電気的に接続されている。また、制御回路5は、エアバッグ装置39のインフレーター40を作動させるための作動信号を発信する図示しない発信機を、有しており、インフレーター40との無線により電気的に接続されている。
実施形態のプロテクタPは、図2、図3に示すように、乗員Dの着用するプロテクタ本体10と、プロテクタ本体10内に内蔵されるエアバッグ装置39と、を備えている。
プロテクタ本体10は、実施形態の場合、図2、図3に示すように、着用時の乗員Dの上半身を肩部から胴部にかけて覆うベストタイプとされるもので、ベスト11と、ベスト11に支持されるカバープレート22と、を備えて構成されている。
ベスト11は、着用時に乗員Dの上半身を、頭部と腕部とを除いた略全域にわたって覆う袖なし状とされている。ベスト11は、実施形態の場合、通気性の良好なメッシュ状の織布から構成されるベスト本体12と、ベスト本体12の外周側を覆うように配置されるととも、カバープレート22を取り付けて保持する保持パッド15と、を備えている。実施形態の場合、ベスト本体12は、乗員Dの上半身における前面を覆う部位の左右の中央に配置されて所定のスライダの操作で開閉可能なファスナー13により、前開きで着用可能な構成とされている(図2参照)。
保持パッド15は、カバープレート22に対応した位置に、配置されるもので、乗員Dの上半身の前面側における左半分の領域に配置される前左側部16と、乗員Dの上半身の前面側における右半分の領域に配置される前右側部17と、乗員Dの上半身の項面側における左右方向の中央付近の領域において上下方向に沿って配置される後側部18と、を備えている。各前左側部16、前右側部17、後側部18は、外側形状を、カバープレート22における後述する各前左カバー部24、前右カバー部25、後面カバー部28を保持可能に、各前左カバー部24、前右カバー部25、後面カバー部28の外形形状より若干大きくした形状として、圧縮ポリウレタン等の合成樹脂から、形成されている。(図2〜図5、図7、図8参照)。また、各前左側部16、前右側部17、後側部18は、ベスト本体12を構成する織布と同様の織布により、外周側を覆われ、この織布の周縁をベスト本体12に縫着させることにより、ベスト本体12に取り付けられている。(図4、図5、7、8参照)
また、実施形態のベスト11には、前左側部16及び後側部18と、前右側部17及び後側部18と、を、それぞれ、連結し、かつ、長さ調整を可能とされるベルト部19、19が、ベスト11の下端付近であって、着用時における乗員Dの脇腹付近となる位置に、配設されている(図1〜図3参照)。そして、乗員Dは、ベスト11の着用時に、このベルト部19、19の長さを調整することにより、保持パッド15(前左側部16、前右側部17、後側部18)の位置調整を行うことができ、乗員Dは、保持パッド15に保持されるカバープレート22の乗員Dに対する位置ずれや、保持パッド15と乗員Dとの間に隙間が生じることとを、抑えられた状態で、ベスト11を着用することができる。
カバープレート22は、保持パッド15に連結されるようにしてベスト11に保持されて、プロテクタPの着用時に、乗員Dの所定個所の外方を覆うように、配置されている。実施形態の場合、カバープレート22は、相互に分離して構成されるとともに、乗員Dの前面側において乗員Dの胸部を覆うように配置される前面カバー部23と、乗員Dの後面側において乗員Dの脊椎を覆うように脊椎に沿って配置される後面カバー部28とを備えている。
前面カバー部23は、プロテクタPの着用時に、乗員Dの胸部を覆うように配置されている。実施形態の場合、ベスト11が前開きであり、このベスト11に取り付けられる構成であることから、前面カバー部23は、左右に分割されており、乗員Dの左側の胸部を覆う前左カバー部24と、乗員Dの右側の胸部を覆う前右カバー部25と、から構成されている(図2参照)。前左カバー部24、前右カバー部25は、左右対称とされて、それぞれ、乗員Dの鎖骨の下方からウエスト付近にかけての、胸部全体を覆うような形状とされて、構成されている。前左カバー部24、前右カバー部25は、乗員Dを保護可能な剛性を有して構成され、実施形態の場合、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂から、形成されている。また、各前左カバー部24、前右カバー部25と、前左カバー部24、前右カバー部25とを保持する前左側部16、前右側部17と、の間には、それぞれ、エアバッグ48における後述する下流側部位60である胸保護部62L、62Rが平らに展開された状態で収納され、胸保護部62L、62Rから下方に連なるように配置される腹部保護部68L、68Rが、カクタス折りにより、胸保護部62L、62R内に入れ込まれるようにして、折り畳まれて収納されて収納されている。(図2、図5参照)
そして、実施形態の場合、前左カバー部24、前右カバー部25は、ファスナー13側となる左右方向の内縁24a、25a側が、それぞれ保持パッド15における前左側部16、前右側部17のファスナー13側となる内縁16a、17aにそれぞれ連結され、左右方向の外縁24b、25b側が、それぞれ保持パッド15における前左側部16、前右側部17の左右方向の外縁16b、17bに、連結されることにより、保持パッド15(ベスト11)に保持されている。前左カバー部24、前右カバー部25の内縁24a、25aと、前左側部16、前右側部17の内縁16a、17aとの連結、および、前左カバー部24、前右カバー部25の左右方向の外縁24b、25bと、前左側部16、前右側部17の外縁16b、17bとの連結は、ともに、前左カバー部24、前右カバー部25の内縁24a、25aの上下方向に沿ったライン、および、前左カバー部24、前右カバー部25の外縁24b、25bの上下方向に沿ったラインで、逢着することによって前左カバー部24、前右カバー部25が保持パッド15の前左側部16、前右側部17に対して連結されている。
エアバッグ48の膨張時には、前左側部16、前右側部17と前左カバー部24、前右カバー部25は、胸保護部62L、62Rによって押圧され、前左側部16、前右側部17が乗員に接近する方向へ、前左カバー部24、前右カバー部25が乗員から離隔する方向へ撓むように変形して、前左側部16、前右側部17と、前左カバー部24、前右カバー部25との間隙が広がって大きくなり、腹部膨張部68L、68Rが下方に向かって突出しつつ展開膨張する。なお、前左カバー部24、前右カバー部25は、上述の通り剛性を有する合成樹脂から形成されているので、変形量(撓み量)は、前左側部16、前右側部17と比較して、変形量(撓み量)は小さく、エアバッグ48の膨張時でもわずかに変形するだけである。(図15参照)
後面カバー部28は、図3に示すように、プロテクタPの着用時に、乗員Dの脊椎を覆うもので、乗員Dの後面側におけるベスト11の左右方向の略中央となる位置において、脊椎を覆うように上下に略沿って配置されている。実施形態の場合、後面カバー部28は、脊椎(上下方向)に沿って断続的に配置される複数のカバーピース29と、カバーピース29の間に配置される軟質カバー部34と、から、構成されている。この後面カバー部28と保持パッド15における後側部18との間には、エアバッグ48における後述する脊椎保護部50が、平らに展開された状態で収納されることになり(図7参照)、後面カバー部28において、軟質カバー34に覆われる領域には、平らに展開した脊椎保護部50とともに、膨張完了時に脊椎保護部50から左右両側に連なるように配置される背中保護部52が、折り畳まれて収納されている(図8参照)。
各カバーピース29は、乗員Dを保護可能な剛性を有した板状として構成されており、前面カバー部23と同様に、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂から、形成されている。実施形態の場合、カバーピース29は、乗員Dの着用時に、肩甲骨間付近となる位置と、尾てい骨の上方となる位置と、その略中間となる位置と、の3個所に、配置されており、下端部となる尾てい骨上方付近には、上下方向に沿って2個並設されて、計4個所、配置されている。
各カバーピース29は、図3、図7に示すように、カバー本体30と、カバー本体30の左右両縁側から延びてカバーピース29を保持パッド15の後側部18に取り付ける取付片部31と、を備えている。カバー本体30は、左右方向に沿った帯状とされるとともに、左右方向の中央を後方側に向かって突出させるように、左右方向に沿って湾曲して構成されている。取付片部31は、カバー本体30の左右両縁側から延びる板状とされて、上下方向に沿って後側部18と逢着することによって、後側部18に連結されている(図3、図7参照)。
軟質カバー部34は、図3に示すように、カバーピース29U、29C間の隙間と、カバーピース29C、29DU間の間隙と、を、それぞれ塞ぐような2個所に、配設されている。各軟質カバー部34(34U、34D)は、カバーピース29におけるカバー本体30に連なって配置されるカバー本体35と、カバー本体35の左右両縁側から延びるように配置される取付片部36と、を備える構成とされている(図8参照)。
カバー本体35は、カバーピース29におけるカバー本体部30と同様に、左右方向の中央を後方に向かって突出させるように、左右方向に沿って湾曲して構成されている。取付片部36は、上下で隣接するカバーピース29U、29C、29DUの取付片部31の裏面側に重なる領域を有し、取付片部31と脊椎保護部50とを逢着することによって後側部18に共止めされている。
これら軟質カバー部34U、34Dは、カバーピース29よりも剛性を低くして、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の合成樹脂として、構成されるもので、カバー本体35の領域に、エアバッグ48の膨張時に破断可能な破断予定部(図符号省略)を、上下方向の全域にわたって、配設させた構成とされている。そして、これらの軟質カバー部34U、34Dは、エアバッグ48の展開膨張時に、破断予定部を破断させることによって左右方向で分断されて、背中保護部52(上側膨張部53、下側膨張部54)を、突出させるとともに、脊椎保護部50を部分的に露出させるような構成とされている。この背中保護部52は、図9に示すように、脊椎保護部50を中心として左右対称に形成され、上側膨張部53は、左上側膨張部53aと右上側膨張部53bと、から構成され、下側膨張部54は、左下側膨張部54aと右下側膨張部54bと、から構成されている。
後面カバー部28において、下端側に配置されるカバーピース29DUと後側部18との間には、エアバッグ48にガスを供給するインフレーター40が、配置されている(図3参照)。この下端側に配置されるカバーピース29DDは、カバー本体30の下端側に、後方から見て略半円状に突出させた突出部位30aを備える構成とされている。この突出部位30aは、周縁を、後側部18に結合されて、後側部18との間の隙間を設けないように、構成されている。
エアバッグ装置39は、カバープレート22の裏面側となるカバープレート22と保持パッド15との間に収納されるエアバッグ48と、エアバッグ48に膨張用ガスGを供給するインフレーター40と、カバープレート22と別体とされてエアバッグ48の外周側(表面側)を覆うエアバッグカバー42と、を備えて構成されている。
インフレーター40は、図3に示すように、後面カバー部28の下端側に配置されるカバーピース29DUの裏面側の領域に配置されている。すなわち、インフレーター40は、乗員DのプロテクタP着用時に、乗員Dの腰部の後方となる尾てい骨付近の後方に、配置されることとなる。実施形態の場合、インフレーター40は、外形形状を略円柱状としたシリンダタイプとして、軸上方を上下方向に沿わせるように配置されている。詳細に説明すれば、実施形態の場合、インフレーター40は、エアバッグ48における脊椎保護部50の下端50a側の部位に内蔵されて、エアバッグ48と接続されている。そして、インフレーター40は、図示しない取付ブラケットを有しており、この取付ブラケットに設けられるボルト等の取付手段をエアバッグ48から突出させて、後側部18の下端付近に取り付けられている。また、実施形態の場合、インフレーター40は、制御回路5からの作動信号を受信可能な図示しない受信機を備えて、制御回路5と無線電気的に接続される構成であり、制御回路5からの作動信号の受信時に、エアバッグ48に膨張用ガスを供給可能に、構成されている。
エアバッグカバー42は、カバープレート22と別体とされるとともに、カバープレート22から外れた領域でエアバッグ48の外周側を覆い、エアバッグ48の膨張時に、所定個所を破断させてエアバッグ48を突出可能に、構成されている。実施形態の場合、エアバッグカバー42は、図2、図3に示すように、ベスト11における前面カバー部23と後面カバー部28との間であって、乗員Dの左右の肩部を覆う領域に、前面カバー部23と後面カバー部28とを連結するように、配設されている。
詳細に説明すれば、エアバッグカバー42は、後面カバー部28から上下に延びて、後面カバー部28の上方の領域を覆うとともに、この領域から左右に分岐して、この分岐した左側部位43及び右側部位44を、それぞれ、前面カバー部23における前左カバー部24、前右カバー部25の上端側に連結させるようにして、構成されている。
そして、エアバッグカバー42は、各左側部位43、右側部位44によって、エアバッグ48における後述する首保護部56と肩保護部57L、57Rと鎖骨保護部58L,58Rとの外周側を覆うとともに、周縁を、接着剤等を利用して、ベスト本体12に取り付けられる構成とされている。実施形態の場合、首保護部56、肩保護部57L,57R、鎖骨保護部58L,58Rは、図6に示すように、折り畳まれた状態で、左側部43、右側部44に外周側を覆われることとなる。このエアバッグカバー42は、プロテクタPの非着用状態やエアバッグ装置39の非作動状態において、収納されるエアバッグ48(首保護部56、57L、57R、鎖骨保護部58L,58R)の損傷を防止可能な強度を有するような、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の合成樹脂のシート材から構成されている。エアバッグカバー42には、エアバッグ48の展開膨張時に、前後方向の全域にわたって左右方向側で分断可能に、エアバッグ48の展開膨張時に破断可能な破断予定部(図符号省略)が、前後方向の全域にわたって、連続的に形成されている。そして、エアバッグカバー42は、エアバッグ48の展開膨張時に、破断予定部を破断させ、各左側部43、右側部44を含めた全域を、左右方向で分断させて、首保護部56、肩保護部57L、57R、鎖骨保護部58L、58Rを突出させる構成である。
エアバッグ48は、カバープレート22の裏面側に収納されて、作動時に、カバープレート22から突出して膨張するように構成されるもので、実施形態の場合、ポリアミド糸やポリエステル糸等からなる織布に、シリコン等からなるコーティング剤を塗布させたコート布から、構成されている。実施形態の場合、エアバッグ48は、外周形状を同一として、膨張完了時に乗員D側から離れた側となる表面側に配置される表側壁部48aと、膨張完了時に乗員D側となる裏面側に配置される裏側壁部48bと、を有して構成され(図9参照)、これらの表面壁部48aと裏側壁部48bとの周縁相互を、全集にわたって逢着(結合)させて、内部に膨張用ガスを流入させて膨張可能な袋状とされている。
実施形態の場合、エアバッグ48は、膨張完了時に、乗員Dの上半身の表面(外周
)側を、背中側から左右の肩部を経て腹部にかけて、覆うように、乗員Dの側面から見て略逆U字状に乗員Dの上半身を覆うもので、膨張用ガスGの流れの上流側に位置する上流側部位49と、膨張用ガスGの流れの下流側に位置する下流側部位60と、を備えている。
上流側部位49は、実施形態の場合、インフレーター40から延びる脊椎保護部50(背中保護部52を含む)から構成され、下流側部位60は、肩保護部57L,57Rと鎖骨保護部58L,58Rとを含めた首保護部56にかけての領域及び、首保護部56(鎖骨保護部58L,58R)から下方に延びる胸保護部62L,62Rと腹部保護部68L,68Rとの領域から、構成されている。
実施形態の場合、エアバッグ48は、外形形状を、平らに展開した状態で、左右対称形として、構成されている。(図9参照)。そして、エアバッグ48は、膨張完了時に、上流側膨張部49における上端部位と、下流側部位60との中間部位にかけた部位で屈曲された略逆U字状とされて、乗員Dの外周面に沿うように配置されることとなる。詳細に説明すれば、エアバッグ48は、膨張完了時に、後面カバー部28の上端付近となる脊椎保護部50と首保護部56との境界部付近と、前左カバー部24、前右カバー部25の上端付近と、において、屈曲されることとなる。
脊椎保護部50は、プロテクタPの着用時に、乗員Dの脊椎を覆うように上下方向に沿って配置されるもので、平らに展開した状態で、カバープレート22における後面カバー部28の裏面側(後面カバー部28と保持パッド15における後側部18との間)に、収納されている。この脊椎保護部50は、下端50a側にインフレーター40を内蔵させて構成され、長手方向を上下に沿わせた略棒状として、後側部18と後面カバー部28との間に充満されるように、膨張を完了させる構成である(図15参照)。さらに、インフレーター40は、後述するインナーチューブ51の下端部に配置された状態で、脊椎保護部50の下端側に内蔵されている。
この脊椎保護部50は、膨張完了時の上端側を、後面カバー部28における上端側に配置されるカバーピース29Uの上縁と略一致させた位置に、配置させている。また、脊椎保護部50の左右両縁側は、カバーピース29U、29C、29DUの取付片部31および後側部18とを、縫製によって共縫いされている。すなわち、脊椎保護部50は、背中保護部52における後述する上側膨張部53(左上側保護部53a、右上側保護部53b)と、下側膨張部54(左下側保護部54a、右下側保護部54b)と、のそれぞれ上下両側、換言すれば、背中保護部52との境界付近を、カバーピース29U、29C、29DUとともに、後側部18に取り付けられており、展開膨張時に、背中保護部52(上側膨張部53及び下側膨張部54)を、円滑に突出させることができる。
また、この脊椎保護部50は、図9、図10に示すように、その内部に配設されたインナーチューブ51を含んで構成されている。インナーチューブ51は、脊椎保護部50内に挿入可能に、外形形状を、脊椎保護部50より若干小さな略筒状として構成されるもので、下端側を閉塞させて構成されるとともに、背中保護部52の上側膨張部53の左上側保護部53aへの膨張用ガスGの上流側ガス流出孔51a1、右上側保護部53bへの上流側ガス流出孔51b1と、下側保護部54の左下側保護部54aへの膨張用ガスGの上流側ガス流出孔51a2と右下側保護部54bへの上流側ガス流出孔51b2、及び、首保護部56への膨張用ガスGの下流側左ガス流出孔51a3と下流側右ガス流出孔51b3と、を備えて構成されている(図10参照)。
インナーチューブ51は、図10に示すように、上下方向に対して左右対称の外形形状とされ、上側膨張部53に対応する上流側ガス流出孔51a1、51b1、及び、下側膨張部54に対応する上流側ガス流出孔51a2、51b2は、ほぼ同じ開口面積となるよう形成されており、首保護部56に対応する下流側左ガス流出孔51a3と下流側右ガス流出孔51b3の開口面積もほぼ同じとされている。また、膨張用ガスGの上流側に配置される各上流側ガス流出孔51a1、51b1、51a2、51b2の開口面積は、下流側に配置される下流側左ガス流出孔51a3と下流側右ガス流出孔51b3の開口面積より小さく形成されている。さらに、図10で図示される、インナーチューブ51の左側に形成された上流側ガス流出孔51a1と上流側ガス流出孔51a2との開口面積を足した合計面積は、下流側左ガス流出孔51a3の1個の開口面積より小さく設定され、インナーチューブ51の右側に形成された上流側ガス流出孔51b1と上流側ガス流出孔54b2との開口面積を足した合計面積は、下流側右ガス流出孔51b3の1個の開口面積より小さく設定されている。こうすることにより、下流側部位60への膨張用ガスGの流入が円滑になり、下流側部位60におけるエアバッグ48(肩保護部57L,57Rと鎖骨保護部58L,58Rとを含めた首保護部56にかけての領域及び、首保護部56(鎖骨保護部58L,58R)から下方に延びる胸保護部62L,62Rと腹部保護部68L,68Rとの領域)の展開膨張を円滑にすることが可能となる。
なお、実施形態においては、背中保護部52は、上下方向に、上側膨張部53(左上側膨張部53a、右上側膨張部53b)と下側膨張部54(左下側膨張部54a、右下側膨張部54b)の左右対称の2対(4個)の膨張部を備える構成としたが、背中保護部52の膨張部は左右対称の1対(2個)(上側膨張部53あるいは下側膨張部54のいずれか一方のみか、あるいは、左上側膨張部53aと左下側膨張部54aとの連結及び右上側膨張部53bと右下側膨張部54bとの連結によって、背中保護部52の膨張部は1対(2個)にすることができる。)、左右対称3対(6個)以上の複数対とすることもできる。
そのいずれの場合においても、インナーチューブ51には、首保護部56への膨張用ガスGの下流側左ガス流出孔51a3と下流側右ガス流出孔51b3と、背中保護部52の1対あるいは複数対各膨張部への膨張用ガスGのガス流出孔が設けられ、1対の場合においては、背中保護部52の膨張部に設けられたガス流出孔のそれぞれの開口面積は、下流側左ガス流出孔56aおよび下流側右ガス流出孔56bのそれぞれの開口面積より小さく設定され、複数対の場合においては、図10を参照して、インナーチューブ51の左側に上下方向に設けられた複数の左側ガス流入孔の開口面積を足した合計面積は、下流側左ガス流出孔51a3の開口面積より小さく、インナーチューブ51の上下方向に複数設けられた複数の右側ガス流出孔の開口面積を足した合計面積は、右側ガス流入孔51b3の開口面積より小さく、設定されている。
換言すれば、インナーチューブ51には、下流側部位60における背中保護部52の膨張部へ向けた上下方向に左右対称の一対あるいは複数対の左方側ガス流出孔と右方側ガス流出孔と、上端側に上流側部位49おける首部膨張部56へ向けた上流側左ガス流出孔56aと上流側右ガス流出孔56bと、が設けられ、上流側の左方側ガス流出孔の開口面積を足した合計面積(左方側ガス流入孔が1対の場合には、1個のみ)は、上流側左ガス流出孔56aの開口面積より小さく、右方側ガス流入孔の開口面積を足した合計面積(右方側ガス流入孔が1対の場合には、1個のみ)は、右側ガス流出孔56bの開口面積より小さく、それぞれ形成されている。
インナーチューブ51の下端部には、前述の通り、インフレーター40が内蔵されている。インナーチューブ51には、背中保護部52の上側膨張部53(左上側膨張部53a、右上側膨張部53b)に膨張用ガスGを供給する上流側ガス流出孔51a1、51b1と、背中保護部52の下側膨張部54(左下側膨張部54a、右下側膨張部54b)に膨張用ガスGを供給する上流側ガス流出孔51a2、51b2)とが、それぞれ形成されている。また、インフレーター40は、その上端部であって、各上流側ガス流出孔51a1、51a2、51b1、51b2が設けられた部位より下方側に、図示しないガス噴出口が配置されるように、インナーチューブ40の下端側に配置されている。
そして、エアバッグ装置39が作動すると、膨張用ガスGは、上流側部位49におけるインナーチューブ51内を上方へ向けて流動して脊椎保護部50が膨張するとともに、上流側ガス流出孔51a1、51a2、51b1、51b2から上流側部位49における背中保護部52(上側膨張部53、下側膨張部54)へ供給される。次いで、膨張用ガスGが、インナーチューブ51の上端まで流動すると、左側ガス流出孔56a、右側ガス流出孔56bから、下流側部位60における、首保護部56内に膨張用ガスGが供給される。さらに、下流側部位60では、首保護部56から、肩保護部57L、57Rと鎖骨保護部58L、58Rと胸保護部62L、62Rおよび腹部保護部68L、68Rへと膨張用ガスGが供給されるよう構成されている(図10参照)。
背中保護部52は、エアバッグ48の展開膨張時に、乗員Dの背中を覆うように配置されるもので、実施形態の場合、後面カバー部28における軟質カバー部34U、34Dに対応した上下2個所に配設され、それぞれ、軟質カバー部34U、34Dの裏面側(軟質カバー部34と後側部18との間)に折り畳まれて収納されている。
背中保護部52において、上側に配置される上側膨張部53は、膨張完了形状を、脊椎保護部50から左右両側に延びる左右方向に略沿った略棒状として構成されており、左右方向の幅寸法を縮めるように折り畳まれて、上側の軟質カバー部34Uと保持パッド15の後側部18との間に収納されている。実施形態の場合、上側膨張部53は、軟質カバー部34Uの開き時にカバーピース29U、29Cの間の隙間から突出可能な幅寸法に設定されるとともに、膨張完了時の左右方向の長さ寸法を、乗員Dの背中を広く覆い可能に、乗員Dの背中の左右の幅寸法より若干大きくして、構成されている。
背中保護部52において、下側に配置される下側保護部54は、膨張完了形状を、脊椎保護部50から左右両側に延びる領域と、その両端から下方に延びる領域と、を有した略U字状として構成されている。この下側保護部54は、上下方向の幅寸法を縮めるように折り畳まれて、下側の軟質カバー部34Dと後側部18との間に収納されている。
この下側保護部54は、詳細に説明すれば、膨張完了時に脊椎保護部50から左右両側に延びるように左右方向に略沿って配設される横棒部54aと、横棒部54aの両端側から下方に延びるように上下方向に略沿って配置される縦棒部54b、54bと、を備えている。
横棒部54aは、幅寸法を、上側膨張部53の幅寸法と略同一に設定されるとともに、膨張完了時の左右方向の長さ寸法を、上側膨張部53より若干大きく設定されている。各縦棒部54b、54bは、横棒部53aより幅広として、かつ、膨張完了時の下端を、下端側に配置されるカバーピース29DDの下縁よりやや上方となる位置に配置させるように構成されて、エアバッグ48の膨張完了時に、後面カバー部28におけるカバーピース29C、29DDの左右方向を広く覆って、乗員Dの背中の下部から腰部にかけてを覆うように配置される(図14参照)。
実施形態のプロテクタPでは、インフレーター40の作動時に、インナーチューブ51内に流入した膨張用ガスGによって脊椎保護部50が膨張すれば、軟質カバー部34U、34Dが、破断予定部を破断させて左右に分断されることとなる。さらに、各上流側ガス流出孔51a1、51b1、51a2、51b2から上側膨張部53(左上側膨張部53a、右上側膨張部53b)と下側膨張部54(左下側膨張部54a、右下側膨張部54b)内に膨張用ガスGが供給されて、上側膨張部53(左上側膨張部53a、右上側膨張部53b)と下側膨張部54(左下側膨張部54a、右下側膨張部54b)が、それぞれ、左右両側に突出するように展開膨張することとなる。
首保護部56は、図12、図13に示すように、エアバッグ48の膨張完了時に、乗員Dの首周辺を略全域にわたって覆うように構成されるもので、脊椎保護部50の上端から連なって、かつ、この脊椎保護部50の上端側の領域から左右に分岐し、前方に延びるように、配置されている。この首保護部56は、エアバッグ48を平らに展開した状態で、後述する胸保護部62L、62Rにかけて前後方向(上下方向)に略沿った略直線状に連なるように、外形形状を、長手方向を前後方向(上下方向)に沿わせた略U字形状として、構成されている(図9参照)。
肩保護部57L、57Rは、図12、図13に示すように、エアバッグ48の膨張完了時に、乗員Dの左右の肩部を覆うように構成されるもので、乗員Dの左右の肩部の上側を前面側から後面側にかけて覆い可能とするように、首保護部56から左右方向の外方に向かって膨出するような、左右方向側を幅広とした略長方形状として、構成されている。そして、各肩保護部57L、57Rは、膨張完了時における左右方向の外縁側を、乗員Dの肩部よりも左右方向に向かって突出させるように、構成されている。また、実施形態の場合、肩保護部57L、57Rの領域内には、膨張完了時の厚さを規制して保護エリアを広く確保可能なように、表側壁部48aと裏側壁部48bとを結合させて構成される区画部57aが形成されている(図9参照)。
実施形態の場合、区画部57aは、肩保護部57L、57Rの領域を2分割するように、前後の中央となる1個所に、左右方向に沿うような直線状として、形成されている(図9参照)。実施形態のエアバッグ48では、インフレーター40から吐出される膨張用ガスGは、図9に示すように、下流側部位首保護部56の領域内を前方(下方)に向かって流れることとなる。すなわち、各肩保護部57L、57Rは、首保護部56から、膨張用ガスGの流入方向に対して交差する方向側(左右方向の外方側)に膨出するように構成されており、また、胸保護部62L、62Rよりも、首保護部56を含めた左右方向(膨張用ガスGの流入方向に対して交差する方向と一致)側の幅寸法を大きくして構成されている。
また、実施形態では、首保護部56の下端側における胸保護部62L、62Rとの境界部位付近に、エアバッグ48の膨張完了時に、肩保護部57L、57Rとカバープレート22における前面カバー部23との間に配置されて、乗員Dの鎖骨を覆うような鎖骨保護部58L、58Rが、形成されている。この鎖骨保護部58L、58Rは、左右方向の幅寸法を、首保護部56より大きくして、かつ、肩保護部58L、58Rより小さな寸法として、構成されている。
そして、鎖骨保護部58L、58R及び肩保護部57L、57Rは、後述するテザー66を捩らないようにして、外縁側を首保護部56側に接近させるように蛇腹折りされて、首保護部56上に載置された状態で、外周側(表面側)を、エアバッグカバー42とベスト本体12との間に収納されている(図6参照)。
下流側部位60における胸保護部62L、62Rは、内縁62bを、鎖骨保護部58L、58Rの内縁と一致させるようにして、鎖骨保護部58L、58Rから下方に延びるように形成されている。実施形態の場合、各胸保護部62L、62Rは、プロテクタPの着用時に、乗員Dの左右の胸を覆うように上下方向に沿って配置されるもので、平らに展開した状態で、カバープレート22における各前左カバー部24、前右カバー部25の裏面側(前左カバー部24、前右カバー部25と保持パッド15における前左側部16、前右側部17との間)に、収納されている。
この胸保護部62L、62Rは、膨張完了形状を、長手方向を上下方向に沿わせた棒状として、構成されるもので、それぞれ、前左カバー部24、前右カバー部25と、前左側部17と、を離隔させるように、前左カバー部24、前右カバー部25と、前左側部16と、前右側部17と、の間で膨張することとなる。実施形態の場合、各胸保護部62L、62Rは、左右方向の幅寸法を、首保護部56を含めた肩保護部57L、57Rの左右方向の幅寸法より小さくするように、構成されている。また、実施形態の場合、各胸保護部62L、62Rは、左右方向の幅寸法を、前左カバー部24、前右カバー部25より若干小さくして構成されている。また、胸保護部62L、62Rの左右方向の内縁62b側は、上下方向への縫製による共縫いによって、前左カバー部24、前右カバー部25とともに、保持パッド15の前左側部16、前右側部17に取り付けられる構成である。
そして、胸保護部62L、62Rにおける上端62a付近には、流路面積を縮小させた幅狭流路部63L、63Rが、形成されている。実施形態の場合、この幅狭流路部63L、63Rは、各胸保護部62L、62Rにおける左右方向の外縁62cにおいて、鎖骨保護部58L、58Rとの境界付近に、部分的に内方に突出するような突出部62dを設けることにより、平らに展開した状態の左右方向の幅寸法L3を、胸保護部62L、62Rにおける下部側の領域を平らに展開した状態の左右方向の幅寸法L2よりも小さくして、流路断面積を縮小させるよう構成されている(図9参照)。
すなわち、狭幅流路部63L、63Rは、左右方向の寸法を、隣接している鎖骨保護部58L、58Rの左右方向の幅寸法よりも小さく設定されている。この狭幅流路部63L、63R(突出部62d)は、各胸保護部62L、62Rの保持パッド15への取付部位の上端より僅かに上方となる位置であって、前左カバー部24、前右カバー部25の上端と略一致した位置に、形成されている。そして、実施形態の場合、この狭幅流路部63L、63Rが、エアバッグ48の展開膨張時に、腹部保護部68L、68Rの揺動を抑制可能としている。
この胸保護部62L、63Rは、膨張完了時に、保持パッド15への取付部より上方に位置する狭幅流路部63L、63Rの部位を基点として、鎖骨保護部58L、58Rに対して屈曲されるように、配置されることとなり、また、前左カバー部24、前右カバー部25は、膨張する胸保護部62L、62Rによって、保持パッド15の前左側部16、前右前部17が乗員Dに向かって椀状に撓み、また、カバープレート22の前左カバー部24、前右カバー部も、乗員Dから離隔する方向へ若干撓むこととなる(図14参照)。
また、実施形態のエアバッグ48には、各胸保護部62L、62Rにおける突出部62d付近と、肩保護部57L、57Rの前縁57bと、を連結するテザー66が、配設されている。実施形態の場合、各テザー66は、エアバッグ48と別体の帯状の布材から構成されて、一端を、胸保護部62L、62Rの外縁62cにおける突出部62dの外方の領域となる縫い代の部位に連結させ、他端を、肩保護部57L、57Rの前縁57bにおける外縁近傍の領域となる縫い代の部位に連結させている。
このテザー66は、図9に示すように、長さ寸法L1を、を、エアバッグ48を平らに展開した状態で、胸保護部62L、62Rの外縁62cと、肩保護部57L、57Rの前縁57bと、を結んだ直線距離L0よりも小さく設定されている。そして、実施形態のエアバッグ48では、エアバッグ48の展開膨張時に、胸保護部62L、62Rにおける狭幅流路部63L、63Rの部位が、テザー66によって後方向に引っ張られるような態様となって、胸保護部62L、62Rが上流側部位49に対して略逆U字状の屈曲状態を維持することができる。
また、テザー66によって、エアバッグ48の膨張完了時に、肩保護部57L、57Rの前縁57b側における外縁側の部位が、内下方に向かって引っ張られるような態様となり、肩保護部57L、57Rを、乗員Dの肩部に沿って湾曲させて、肩部の上面側の隙間を最小とするよう覆って配置させることも可能となる。
また、腹部保護部68L、68Rは、下流側部位の先端側の部位を構成するもので、各胸保護部62L、62Rの下方において、各胸保護部62L、62Rから連なるように形成されている。
この腹部保護部68L、68Rは、下流側部位60の先端側(下端側)において、自由短として膨張するように構成されており、各前左カバー部24、前右カバー部25の裏面側(前左カバー部24、前右カバー部25と、保持パッド15における前左側部16、前右側部17との間)に折り畳まれて収納され、エアバッグ48の展開膨張時に、プロテクタ本体10(前左カバー部24、前右カバー部25)から下方に突出するように膨張して、乗員Dの腹部の外周側を覆う構成である。
実施形態のプロテクタPでは、インフレーター40の作動時に、各胸保護部62L、62Rが膨張すれば、各前左カバー部24、前右カバー部25の下縁と、前左側部16、前右側部17と、の間に生じる隙間から、各腹部保護部68L、68Rが、下方に突出するようになる。
実施形態の場合、各腹部保護部68L、68Rは、平らに展開した状態の左右方向の幅寸法L4を、胸保護部62L、62Rを平らに展開した状態の左右方向の幅寸法L2より大きくして、かつ、左右に幅広な略長方形状としてエアバッグ48の膨張完了時に、乗員Dの腹部を広く覆い可能に、構成されている(図9参照)。
実施形態のプロテクタPでは、二輪車Vの走行時において、制御回路5が、加速度センサ6により、二輪車Vの衝突を検知すれば、エアバッグ装置39のインフレーター40に作動信号が出力されて、インフレーター40が、エアバッグ48の内部に膨張用ガスGを吐出させるように、作動させるとことなり、エアバッグ48が、図11に示すように、膨張を完了させることとなる。
そして、実施形態のエアバッグ48は、乗員Dの着用しているプロテクタ本体10内に折り畳まれて収納される構成であり、着用時に嵩張らず、かつ、作動時には、インフレーター40からの膨張用ガスGは、インナーチューブ51に吐出された後、上流側ガス流出孔(上流側左ガス流出孔51a1、51a2、上流側右ガス流出孔51b1、51b2)から、背中保護部52(へ供給されて、背中保護部52(左上側膨張部53a、右上側膨張部53b、左下側膨張部54a、右下側膨張部54b)を展開膨張させ、さらに、下流側流出孔(下流側左ガス流出孔51a3、下流側右ガス流出孔51b3)から下流側部位60(肩保護部57L,57Rと鎖骨保護部58L,58Rとを含めた首保護部56にかけての領域及び、首保護部56(鎖骨保護部58L,58R)から下方に延びる胸保護部62L,62Rと腹部保護部68L,68Rとの領域)へ供給されて、下流側部位60を展開膨張させることとなる。
その際、上流側部位49における左上側膨張部53aと左下側膨張部54aのそれぞれに対応して形成された上流側左ガス流出孔(51a1、51a2)の開口面積を足した合計面積は、下流側左ガス流出孔51a3の開口面積より小さく設定され、上流側部位49における右上側膨張部53bと右下側膨張部54bのそれぞれに対応して上流側右ガス流出孔(51b1、51b2)の開口面積を足した合計面積は、下流側右ガス流出孔51b3の開口面積より小さく設定されている。
こうすることにより、下流側部位60(肩保護部57L,57Rと鎖骨保護部58L,58Rとを含めた首保護部56にかけての領域及び、首保護部56(鎖骨保護部58L,58R)から下方に延びる胸保護部62L,62Rと腹部保護部68L,68Rとの領域)へも膨張用ガスGの供給が円滑に行われ、エアバッグ48の下流側部位60の展開膨張も、上流側部位49と同様に円滑に行うことが可能となる。
なお、実施形態では、エアバッグ48の膨張完了時における容積を、下流側部位60(肩保護部57L,57Rと鎖骨保護部58L,58Rとを含めた首保護部56にかけての領域及び、首保護部56(鎖骨保護部58L,58R)から下方に延びる胸保護部62L,62Rと腹部保護部68L,68Rとの領域)を、上流側部位60の容積より大きくしたが、この場合でも、下流側部位60の円滑な展開膨張を実現することが可能にすることが可能となった。
なお、エアバッグ48の膨張完了時における容積を、実施形態では、下流側部位60の容積を、上流側部位49の容積より大きくする構成としたが、下流側部位の容積と上流側部位の容積をほぼ同様とした場合でも、同様の効果を得ることができる。換言すれば、エアバッグ48の膨張完了時における、下流側部位60の容積と上流側部位49の容積とは、ほぼ同じ容積とするか、あるいは、下流側部位60の容積を上流側部位49の容積より大きくすることが好ましい。
10 プロテクタ本体
11 ベスト
40 インフレーター
48 エアバッグ
49 上流側部位
50 脊椎保護部
51 インナーチューブ
51a1,51a2 上流側左ガス流出孔
51b1,51b2 上流側右ガス流出孔
51a3 下流側左ガス流出孔
51b3 下流側右ガス流出孔
52 背中保護部
53(53a,53b) 上側膨張部
54(54a,54b) 下側膨張部
56 首保護部
57L,57R 肩保護部
58L,58R 鎖骨保護部
60 下流側部位
62L,62R 胸部保護部
68L,58R 腹部保護部
D 乗員
P プロテクタ
V 自動二輪車

Claims (3)

  1. 乗物に乗車している乗員に着用させる構成として、作動時に内部に膨張用ガスを流入させて、前記乗員の外周側を覆い可能に膨張するエアバッグ装置を、備える構成のプロテクタであって、
    前記エアバッグ装置が、
    前記乗員の着用しているプロテクタ本体内に折り畳まれて収納されるとともに、前記膨張用ガスの流れの上流側に位置する上流側部位と、前記膨張用ガスの流れの下流側に位置する下流側部位と、を備えるとともに、膨張完了時に、前記下流側部位の位置で屈曲されて略逆U字状とされるエアバッグと、前記エアバッグに前記膨張用ガスを供給するインフレーターと、を備えて構成され、
    前記上流側部位には、展開膨張して前記プロテクタ本体から突出する背中保護部が設けられるとともに、内側には、前記乗員の上下方向に沿って下端側から上端側にかけてインナーチューブが配置され、
    前記インフレーターは、前記インナーチューブ内に前記膨張用ガスを供給可能に、前記上流側部位の下端側に配置され、
    前記インナーチューブには、下端側から前記膨張用ガスが流入可能に前記インフレーターに接続されるとともに、
    前記背中保護部には、前記膨張用ガスを供給する上流側ガス流出孔と、前記下流側部位に前記膨張用ガスを供給する下流側ガス流出孔と、が設けられて構成され、
    前記上流側ガス流出孔の開口面積は、前記下流側ガス流出孔の開口面積より、小さくされていること特徴とするプロテクタ。
  2. 前記エアバッグは、上下方向に対して左右対称形状とされて、
    前記背中保護部は、前記プロテクタから左右方向に突出する左側膨張部と右側膨張部とを備え、
    前記インナーチューブには、前記左側膨張部と前記右側膨張部とのそれぞれに、前記膨張用ガスを供給する上流側左ガス流出孔と上流側右ガス流出孔と、が形成されるとともに、上端側には、下流側部位の左右側に、前記膨張用ガスを供給する、下流側左ガス流出孔と下流側右ガス流出孔と、が形成されており、
    前記上流側左ガス流出孔の開口面積は、前記下流側左ガス流出孔の開口面積より小さく、前記上流側右ガス流出孔の開口面積は、前記下流側右ガス流出孔の開口面積より小さくされていることを特徴とする請求項1に記載のプロテクタ。
  3. 前記左側膨張部と、前記右側膨張部とは、前記上流側部位の上下方向に沿ってそれぞれ複数個設けられ、
    前記上流側左ガス流出孔と、前記上流側右ガス流出孔は、複数の前記左側膨張部と前記右側膨張部のそれぞれに対応して形成されており、
    複数の前記上流側左ガス流出孔の開口面積を足した合計面積は、前記下流側左ガス流出孔の開口面積より小さく、
    複数の前記上流側右ガス流出孔の開口面積を足した合計面積は、前記下流側右ガス流出孔の開口面積より小さくされていることを特徴とする請求項2に記載のプロテクタ。
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