JP2011131998A - エレベータ制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】保守点検作業の作業効率を大幅に改善し、迅速な作業を実現できるエレベータ制御システムを提供する。
【解決手段】エレベータ停止階の乗り場に、保守点検作業者が操作可能なかご上乗り込みキースイッチ21を設ける。エレベータ制御盤16は、いずれかの階床のかご上乗り込みキースイッチ21が操作されると、エレベータの運転モードを保守点検モードへと切替えるとともに、かご上乗り込みキースイッチ21が操作された階床をかご上乗り込み階床として認識する。そして、かご上乗り込み階床のかご着床位置から所定距離だけ乗りかご1を下降させて、その階床で保守点検作業者がかご上に乗り込めるようにする。
【選択図】図2
【解決手段】エレベータ停止階の乗り場に、保守点検作業者が操作可能なかご上乗り込みキースイッチ21を設ける。エレベータ制御盤16は、いずれかの階床のかご上乗り込みキースイッチ21が操作されると、エレベータの運転モードを保守点検モードへと切替えるとともに、かご上乗り込みキースイッチ21が操作された階床をかご上乗り込み階床として認識する。そして、かご上乗り込み階床のかご着床位置から所定距離だけ乗りかご1を下降させて、その階床で保守点検作業者がかご上に乗り込めるようにする。
【選択図】図2
Description
本発明は、保守点検作業時におけるエレベータの動作を制御するエレベータ制御システムに関するものである。
建物の複数階床間に亘って利用者を搬送するエレベータにおいては、利用者の安全性を確保するために、定期的に保守点検作業を実施することが義務付けられている。エレベータの保守点検作業時にはエレベータのサービスが停止されるので、サービス停止による利用者への影響を極力少なくするために、保守点検作業は効率的且つ迅速に行うことが求められている。
従来の一般的な保守点検作業の作業手順は、以下のようになっている。すなわち、作業者は、まず昇降路の上部などに設けられている機械室内に入り込み、機械室に設置されているエレベータ制御盤のモード切替えスイッチを操作して、エレベータの運転モードを通常運転モードから保守点検モードへと切替える。ここで、通常運転モードとは、エレベータのサービスを行う際に選択される通常の運転モードであり、乗り場呼びやかご呼びを登録し、これら呼びに対する応答として、乗りかごを通常の運転速度で目的階床へと移動させるモードである。一方、保守点検モードとは、作業者が保守点検作業を行う際に選択される運転モードであり、乗り場呼びやかご呼びの受け付けを行わず、作業者が手動上昇スイッチや手動下降スイッチを操作した場合にのみ、そのスイッチ操作に応じて点検用低速運転にて乗りかごを移動させるモードである。なお、手動上昇スイッチや手動下降スイッチは、通常、機械室に設置されている制御盤と、かご上に設置されているかご上操作盤との双方に設けられている。
次に、作業者は、機械室から昇降路を見下ろしながら、手動上昇スイッチや手動下降スイッチを操作して、作業者自身が所望の階床の乗り場からかご上に乗り込むのに最適な位置(乗りかごの上面が乗り場の床面とほぼ一致する位置)へと乗りかごを移動させる。その後、作業者は、乗りかごが停止している階床の乗り場まで階段を使って移動し、その乗り場の乗り場ドアのロックを専用の解除キーを用いて解除し、乗り場ドアを開放して、停止している乗りかごのかご上に乗り込む。そして、作業者は、かご上にて手動上昇スイッチや手動下降スイッチの操作により乗りかごを作業しやすい位置に移動させながら、昇降路内部に設置されている各種機器や乗りかご周囲の各種機器などの保守点検作業を行う。
以上のような従来の一般的な保守点検作業では、作業者が機械室とかご上に乗り込もうとしている階床の乗り場との間を階段を使って往復する必要があること、また、機械室から目視にて乗りかごの位置を確認しながら所望の位置に正確に乗りかごを移動させることが難しく、かご上に乗り込める位置に乗りかごを移動させる操作に手間取ることなどから、作業効率の悪化を招いており、改善が求められていた。
このような従来の一般的な保守点検作業における問題点を解消し、保守点検作業の作業効率を向上させるための技術としては、例えば特許文献1に記載されている技術が知られている。この特許文献1に記載の技術は、乗りかご内の利用者がかご呼びを行うためのかご操作盤に、エレベータの運転モードを切替えるためのスイッチや、点検位置を選択するためのスイッチを設け、このかご操作盤に設けられたスイッチの操作によりエレベータの運転モードが保守点検モードに切替えられて、点検位置としてかご上が選択されると、そのスイッチ操作が行われてから所定時間が経過した後に、乗りかごを予め定めた所定距離だけ下降させて、かご上に乗り込むのに最適な位置へと移動させるようにしている。したがって、作業者は、任意の階床にてかご内に乗り込んでかご操作盤のスイッチを操作した後、乗り場に降りて所定時間が経過するまで待機すれば、かご上に乗り込むのに最適な位置へと乗りかごが自動的に移動するので、機械室まで移動して運転モードの切替えや手動による乗りかごの移動操作を行う必要がなく、従来の一般的な方法に比べて作業効率の改善が見込まれる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、かご上に乗り込み可能な位置に乗りかごを移動させるためには、作業者が乗りかご内に乗り込んでスイッチ操作を行い、その後、乗りかごから乗り場に降りて待機する必要があり、作業効率の点で改善の余地が残されている。すなわち、かご上に乗り込み可能な位置へと乗りかごが移動する間は、作業者は乗り場で待機する必要があるが、特許文献1に記載の技術では、乗りかごを移動させるためのスイッチ操作をかご内で行うようにしているため、乗りかごへの乗り降りが必要となり、効率的でない。
また、特許文献1に記載の技術では、乗りかご内でスイッチ操作を行った作業者が安全に乗り場に降りるまでの十分な時間を考慮して、スイッチ操作が行われてから所定時間が経過した段階で乗りかごを移動させるようにしているので、作業者が乗り場で待機する時間が長くなり、このことが迅速な作業の妨げとなるといった問題もある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、保守点検作業の作業効率を大幅に改善し、迅速な作業を実現することができるエレベータ制御システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかるエレベータ制御システムは、エレベータ停止階の乗り場に設けられ、エレベータの保守点検作業者が操作可能な入力手段と、前記入力手段の操作に応じて、エレベータの運転モードを通常運転モードから保守点検モードへと切替えるモード切替え手段と、エレベータ停止階のうちで前記入力手段が操作された階床を、前記保守点検作業者がかご上に乗り込むかご上乗り込み階床として認識する認識手段と、前記モード切替え手段によりエレベータの運転モードが保守点検モードに切替えられた場合に、前記認識手段で認識されたかご上乗り込み階床からかご上に乗り込むことが可能な位置へと乗りかごを移動させる移動制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るエレベータ制御システムによれば、保守点検作業の作業効率を大幅に改善し、迅速な作業を実現することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるエレベータ制御システムの最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は本発明の一適用例を例示的に示したものであり、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態の構成要素は、当業者が容易に置換可能なもの或いは実質的に同一のものに適宜変更することができる。
図1は、本発明が適用されるエレベータの一例を示す概略構成図である。この図1に示すエレベータは、建物の1階から4階の間で乗りかご1を昇降させて利用者を搬送するものであり、乗りかご1とつり合おもり2とをメインロープ3で連結し、電動機Mに連結された駆動綱車4およびそらせ車5にメインロープ3を架け渡して、電動機Mにより回転駆動される駆動綱車4とメインロープ3との間の摩擦力を利用して乗りかご1を昇降路6内で昇降させる、いわゆるトラクション方式のエレベータである。
このエレベータは、建物の1階から4階の各階をサービス対象の階床(エレベータ停止階)としており、各階床の乗り場H1〜H4には、それぞれ、エレベータの利用者による乗り場呼びを受け付ける乗り場操作盤7や、乗り場と昇降路6との間を開閉可能に仕切る乗り場ドア8が設けられている。また、各乗り場H1〜H4における乗り場ヘッダの内側(昇降路6側)には、乗り場ドアのロック/アンロックに応じてオン/オフが切替わる乗り場ドアロック確認スイッチ9が設置され、さらにその上部の空きスペースには、昇降路6内部を照明する照明装置10と、乗りかご1が存在しない状態で乗り場ドア8が開放された場合に危険を知らせるブザー11とが設置されている。
また、乗りかご1の内部には、乗りかご1内に乗り込んだ利用者がかご呼びを行うためのかご操作盤12が設けられている。また、乗りかご1のかご上には、かご上に乗り込んだ保守点検作業者が操作する手動上昇スイッチや手動下降スイッチ(インスペクションスイッチ)を有するかご上操作盤13が設けられている。
また、昇降路6の内部には、エレベータ停止階となる1階から4階のそれぞれに対応して、各階の所定の着床位置に乗りかご1が着床したことを検出するかご着床検出装置14がそれぞれ設けられている。さらに、昇降路6の上部には機械室15が設けられており、この機械室15内に、上記の電動機Mや駆動綱車4、そらせ車5などとともに、エレベータ全体の動作を統括的に制御するエレベータ制御盤16が設置されている。
以上のように構成されるエレベータでは、乗り場H1〜H4の利用者により乗り場操作盤7を利用した乗り場呼びが行われた場合や、乗りかご1内に乗り込んだ利用者によりかご操作盤12を利用したかご呼びが行われた場合に、エレベータ制御盤16がこれらの呼びを登録する。そして、エレベータ制御盤16は、乗りかご1の移動方向や呼びの位置に基づいて、乗りかご1が合理的に移動しながらそれぞれの呼びに応答するように乗りかご1の着床順序を定め、電動機Mを駆動制御して、乗りかご1を目的階床へと順次移動させる。乗りかご1が目的階床に着床すると、その着床がかご着床検出装置14により検出され、乗りかご1のドアが開放される。乗りかご1が着床した階床の乗り場ドア8は、乗りかご1のドアに連動して開放され、これにより、乗り場で待機している利用者は乗りかご1内に乗り込むことが可能となり、また、乗りかご1内の利用者が乗り場に降りることが可能となる。
このようなエレベータは、利用者の安全性確保のために保守点検作業者によって定期的に保守点検作業が行われるが、保守点検作業時にはエレベータのサービス停止が余儀なくされるため、保守点検作業を効率的且つ迅速に行ってサービス停止による利用者への影響を極力少なくすることが求められている。本実施の形態にかかるエレベータ制御システムは、このような要望に応え、保守点検作業の作業効率を大幅に改善し、迅速な作業を実現することができるようにしたものである。
図2は、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムの全体構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかるエレベータ制御システムは、エレベータの動作を統括的に制御するエレベータ制御盤16を中心に構成された制御システムであり、エレベータ停止階のうちの2階から4階の乗り場H2〜H4にそれぞれ設置されたかご上乗り込みキースイッチ21と、各エレベータ停止階の乗り場H1〜H4にそれぞれ設置された表示装置22とが、エレベータ制御盤16に接続されている。また、エレベータ制御盤16には、エレベータ停止階ごとに設けられた乗り場ドアロック確認スイッチ9、照明装置10、ブザー11、かご着床検出装置14がそれぞれ接続されている。
かご上乗り込みキースイッチ21は、エレベータの保守点検作業者が所持する専用の鍵によってのみ操作が可能なキースイッチであり、2階の乗り場H2に設けられた乗り場操作盤7と、3階の乗り場H3に設置された乗り場操作盤7と、4階の乗り場H4に設けられた乗り場操作盤7とにそれぞれ組み込まれて設置されている。具体的には、2階から4階の乗り場H2〜H4の乗り場操作盤7には、例えば図3に示すように、利用者が乗り場呼びを行うための呼びボタン23が設けられており、この呼びボタン23の下部に、かご上乗り込みキースイッチ21が組み込まれている。なお、図3は最上階となる4階の乗り場H4の乗り場操作盤7を例示しており、2階の乗り場H2と3階の乗り場H3に設置される乗り場操作盤7には、利用者が下階へ移動する際に操作する下向き矢印の呼びボタン23のほかに、上階へ移動する際に操作する上向き矢印の呼びボタンも設けられている。
2階から4階の乗り場H2〜H4の乗り場操作盤7に組み込まれたかご上乗り込みキースイッチ21は、保守点検作業者が、乗りかご1のかご上に乗り込む階床(以下、かご上乗り込み階床という。)を指定し、且つ、エレベータの運転モードを通常運転モードから保守点検モードへと切替えることを指示するためのスイッチである。本実施の形態にかかるエレベータ制御システムでは、このようなかご上乗り込みキースイッチ21を2階から4階の各乗り場H2〜H4にそれぞれ設置することによって、保守点検作業者が、かご上に乗り込もうと考える任意の階床の乗り場での操作により、エレベータの運転モードを保守点検モードに切替えて、その乗り場からかご上に乗り込むのに最適な位置に乗りかご1を自動で移動させることができるようにしている。
なお、本実施の形態で説明するエレベータが設置された建物は1階が最下階であり、1階では乗りかご1を通常の着床位置よりもさらに下降させてかご上に乗り込むのに最適な位置に移動させるスペースが確保できない。このため、1階はかご上乗り込み階床の対象外とし、1階の乗り場H1にはかご上乗り込みキースイッチ21が設けられていない。ただし、1階はエレベータの基準階とされており、1階の乗り場操作盤7には、図4に示すように、利用者が乗り場呼びを行うための呼びボタン23の下部に、エレベータの管理者がエレベータの起動/停止を指示するためのキースイッチであるパーキングスイッチ24が設けられている。
一般的なエレベータにおいては、基準階となる階床の乗り場にパーキングスイッチが組み込まれた乗り場操作盤、その他の階床の乗り場にはパーキングスイッチのない乗り場操作盤をそれぞれ設置しており、これらの乗り場操作盤は、それぞれ各部品が一体に組み付けられたユニットの状態で準備されている。本実施の形態では、基準階となる1階の乗り場H1には基準階用のパーキングスイッチ24が設けられた乗り場操作盤7をそのまま用い、2階から4階の乗り場H2〜H4には、基準階用の乗り場操作盤7のパーキングスイッチ24をかご上乗り込みキースイッチ21に付け替える、もしくは、パーキングスイッチ24をかご上乗り込みキースイッチ21として流用して結線のみを変更したものを用いるようにしている。これにより、2階から4階の乗り場H2〜H4に設置する乗り場操作盤7に対して、新たにかご上乗り込みキースイッチ21を組み込むための加工を施す必要がなく、かご上乗り込みキースイッチ21の設置が極めて容易となる。
なお、本実施の形態においては、基準階となる1階を除いて、2階から4階の全ての階床の乗り場H2〜H4にかご上乗り込みキースイッチ21を組み込んだ乗り場操作盤7を設置するようにしているが、必ずしも2階から4階の階床の乗り場H2〜H4の全てにかご上乗り込みキースイッチ21を組み込んだ乗り場操作盤7を設置する必要はなく、一部の乗り場にのみ設置するようにしてもよい。
表示装置22は、エレベータ制御盤16の制御機能として実現される後述の表示制御部35による制御のもとで、後述のかご上乗り込み階床認識部32によってかご上乗り込み階床として認識された階床番号を表示するものであり、各エレベータ停止階の乗り場H1〜H4の乗り場操作盤7にそれぞれ組み込まれて設置されている。具体的には、表示装置22は、例えば図3および図4に示したように、乗り場操作盤7の呼びボタン23の上部のスペースに組み込まれる。ここで、一般的な乗り場操作盤では、呼びボタンの上部のスペースに階床表示器を組み込んで、この階床表示器により乗りかごが着床しているかご着床階床(乗りかごの現在の位置)を表示しているものが多い。本実施の形態では、このような一般的な乗り場操作盤で用いられている階床表示器を、かご上乗り込み階床を表示する表示装置22として利用するようにしている。つまり、本実施の形態における表示装置22は、エレベータの運転モードが通常運転モードの場合には、一般的な乗り場操作盤の階床表示器と同様に乗りかご1が着床しているかご着床階床を表示し、エレベータの運転モードが保守点検モードの場合には、かご上乗り込み階床認識部32によって認識されたかご上乗り込み階床を表示する。
乗り場ドアロック確認スイッチ9は、乗り場ドア8のロック機構に連動して作動するスイッチであり、各エレベータ停止階の乗り場H1〜H4の乗り場ヘッダ内側に、それぞれ、乗り場ドア8のロック機構とともに設けられている。具体的には、乗り場ドア8のロック機構は、例えば図5(a)および図5(b)に示すように、乗り場ドア8に設置された可動レバー25と乗り場ヘッダ18に固定された係合部材26との組み合わせで構成され、可動レバー25が係合部材26に係合されることで、乗り場ドア8がロックされる構造となっている。そして、このロック機構の係合部材26と一体に、乗り場ドアロック確認スイッチ9が設けられている。一方、可動レバー25には、係合部材26に係合した状態、つまり乗り場ドア8が閉じてロックされた状態のときに乗り場ドア確認スイッチ9をオンする導電性押圧片25aが設けられている。乗り場ドア確認スイッチ9は、図5(c)に示すように、2つの接点端子9a,9bを有しており、可動レバー25が係合部材26に係合して乗り場ドア8がロックされた状態のときに、可動レバー25に設けられた導電性押圧片25aによって2つの接点端子9a,9bが導通することによってオンとなる。
照明装置10は、エレベータ制御盤16の制御機能として実現される後述の照明制御部37による制御のもとで、エレベータの保守点検作業時に昇降路6内部を照明するものであり、各エレベータ停止階の乗り場H1〜H4の乗り場ヘッダ18内側(昇降路6側)の上部の空きスペースにそれぞれ設置されている。具体的には、各乗り場H1〜H4の昇降路6側には、例えば図6に示すように、乗り場ヘッダ18を支持するL字鋼などからなる梁19が架設されており、この梁19の上側が空きスペースとなっている。照明装置10は、この乗り場ヘッダ18を支持する梁19上の空きスペースに設置される。
ブザー11は、エレベータ制御盤16の制御機能として実現される後述の警報制御部36による制御のもとで、乗りかご1が存在しない状態で乗り場ドア8が開放された場合に危険を知らせるものであり、各エレベータ停止階の乗り場H1〜H4の乗り場ヘッダ18内側(昇降路6側)の上部の空きスペース、具体的には、例えば図6に示したように、乗り場ヘッダ18を支持する梁19上の空きスペースに、照明装置10とともに設置されている。
かご着床検出装置14は、エレベータ停止階となる各階ごとの所定の着床位置に乗りかご1が着床したことを検出するものであり、昇降路6内部の各階に対応した位置にそれぞれ設けられている。かご着床検出装置14としては、例えば反射型光センサなどを用いることができる。かご着床検出装置14として反射型光センサを用いる場合、反射型光センサを各階ごとの所定の着床位置に設置するとともに、乗りかご1下部の反射型光センサと対向する位置に反射板を設置する。そして、反射型光センサの発光部から出射され、乗りかご1下部に設置した反射板にて反射された光を反射型光センサの受光部で受光することによって、乗りかご1が所定の着床位置に着床したことを検出する。
エレベータ制御盤16は、保守点検作業時におけるエレベータの動作を制御するための制御機能として、モード切替え部31と、かご上乗り込み階床認識部32と、保守点検用かご移動制御部33と、移動距離記憶部34と、表示制御部35と、警報制御部36と、照明制御部37とを有する。これらの各機能構成は、例えば、エレベータ制御盤16のプログラムROMなどに格納されたプログラムが演算装置(CPU)によって読み出され、エレベータ制御盤16のメインメモリ上にロードされることによって実現される。なお、これらの機能構成は、必ずしも全ての機能構成をエレベータ制御盤16において実現する必要はなく、複数のハードウェア上で分散して実現するようにしてもよい。
モード切替え部31は、保守点検作業者が専用の鍵を用いて、2階から4階の乗り場H2〜H4に設けられたかご上乗り込みキースイッチ21のいずれかを操作した場合に、その保守点検作業者によるかご上乗り込みキースイッチ21の操作に応じて、エレベータの運転モードを通常運転モードから保守点検モードへと切替える。
具体的には、モード切替え部31は、乗りかご1が着床している階床の乗り場に設けられたかご上乗り込みキースイッチ21が保守点検作業者によって操作された場合、かご上乗り込みキースイッチ21が操作された時点で、エレベータの運転モードを通常運転モードから保守点検モードへと切替える。保守点検モードは、上述したように、エレベータの利用者による乗り場呼びやかご呼びの受け付けを行わず、保守点検作業者が、かご上操作盤13やエレベータ制御盤16に設けられた手動上昇スイッチや手動下降スイッチを操作した場合にのみ、そのスイッチ操作に応じて点検用低速運転にて乗りかご1を移動させる運転モードである。したがって、この場合には、かご上乗り込みキースイッチ21が操作された後に、呼びに対する応答が行われることはない。
また、モード切替え部31は、乗りかご1が着床している階床とは異なる階床の乗り場に設けられたかご上乗り込みキースイッチ21が保守点検作業者によって操作された場合には、かご上乗り込みキースイッチ21が操作された後の新たな呼び登録を禁止するとともに、かご上乗り込みキースイッチ21が操作された時点で既に登録されている呼びに対する応答が全て終了したときに、エレベータの運転モードを通常運転モードから保守点検モードへと切替える。
かご上乗り込み階床認識部32は、かご上乗り込みキースイッチ21が設けられたエレベータ停止階である2階から4階のうちで、保守点検作業者によってかご上乗り込みキースイッチ21が操作された階床をかご上乗り込み階床として認識する。かご上乗り込みキースイッチ21が保守点検作業者により操作されると、当該かご上乗り込みキースイッチ21が操作されたことを示す信号とともに、当該かご上乗り込みキースイッチ21が設置されている階床を示す信号が、エレベータ操作盤16に入力される。かご上乗り込み階床認識部32は、このかご上乗り込みキースイッチ21から入力される信号に基づいて、かご上乗り込みキースイッチ21が操作された階床を判定し、その階床をかご上乗り込み階床として認識する。
保守点検用かご移動制御部33は、モード切替え部31によってエレベータの運転モードが通常運転モードから保守点検モードに切替えられた場合に、電動機Mを駆動制御して、かご上乗り込み階床認識部32により認識されたかご上乗り込み階床のかご着床位置から所定距離だけ乗りかご1を下降させ、図7に示すように、かご上に乗り込むのに最適な位置(以下、かご上乗り込み位置という。)へと乗りかご1を移動させる。なお、図7では、かご上乗り込み階床認識部32によって4階がかご上乗り込み階床として認識された場合の例を示している。
具体的には、保守点検用かご移動制御部33は、エレベータ停止階ごとに設けられたかご着床検出装置14の信号をもとに、現在の乗りかご1の着床位置を認識する。そして、乗りかご1の現在の着床位置が、かご上乗り込み階床認識部32により認識されたかご上乗り込み階床の着床位置であれば、乗りかご1をその着床位置から予め定められた所定距離だけ下降させる。この所定距離は、乗りかご1の通常の着床位置とかご上乗り込み位置との距離差分の情報として、移動距離記憶部34に予め記憶されている。保守点検用かご移動制御部33は、この移動距離記憶部34に記憶されている情報を読み込んで、その情報に基づき、乗りかご1をかご上乗り込み階床の着床位置からかご上乗り込み位置へと移動させる。
また、保守点検用かご移動制御部33は、乗りかご1が着床している階床とは異なる階床の乗り場に設けられたかご上乗り込みキースイッチ21が保守点検作業者によって操作された場合、つまり、かご上乗り込みキースイッチ21が操作された時点で既に登録されている呼びに対する応答が全て終了した段階でエレベータの運転モードが保守点検モードに切替えられ、保守点検モードに切替えられた時点での乗りかご1の着床位置が、かご上乗り込み階床認識部32により認識されたかご上乗り込み階床の着床位置とは異なる場合には、乗りかご1をその時点での着床位置からかご上乗り込み階床のかご着床位置まで移動させた後に、上記と同様に、かご上乗り込み階床のかご着床位置からかご上乗り込み位置へと乗りかご1を移動させる。
表示制御部35は、各エレベータ停止階の乗り場操作盤7に設けられた表示装置22の表示動作を制御して、この表示装置22に、かご上乗り込み階床認識部32によって認識されたかご上乗り込み階床の階床番号を表示させる。ここで、本実施の形態では、上述したように、一般的な乗り場操作盤で用いられている階床表示器を表示装置22として利用している。したがって、表示制御部35は、エレベータの運転モードが通常運転モードである間は、乗りかご1が着床しているかご着床階床の階床番号を表示装置22に表示させる。そして、モード切替え部31によりエレベータの運転モードが保守点検モードに切替えられた場合に、かご上乗り込み階床認識部32によって認識されたかご上乗り込み階床の階床番号を表示装置22に表示させる。
以上のように、乗り場操作盤7に設けられた表示装置22に対して、通常運転モードのときには乗りかご1の着床階床の階床番号、保守点検モードのときにはかご上乗り込み階床の階床番号をそれぞれ表示させるようにした場合、これらの表示形態が同一であると、乗りかご1が着床位置にあるのか、あるいはかご上乗り込み位置にあるのかが、表示装置22の表示からは認識できない。そこで、表示制御部35は、通常運転モードのときの乗りかご1の着床階床の階床番号と、保守点検モードのときのかご上乗り込み階床の階床番号とを、互いに異なる表示形態で表示装置22に表示させることが望ましい。具体的には、例えば、エレベータの運転モードが通常運転モードのときは、乗りかご1の着床階床の階床番号を通常の表示形態(常時点灯)で表示装置22に表示させ、エレベータの運転モードが保守点検モードのときは、かご上乗り込み階床の階床番号を点滅させた状態で表示装置22に表示させる。また、このような通常表示と点滅表示による区別のほか、例えば、表示色によって区別するようにしてもよい。
また、保守点検モードのときの表示装置22によるかご上乗り込み階床の階床番号の表示は、保守点検作業者に対してかご上に乗り込むことができる階床を認識させるための表示であるが、かご上乗り込み階床の乗り場操作盤7に設けられた表示装置22による表示と、その他の階床の乗り場操作盤7に設けられた表示装置22による表示とで表示形態が同一であると、例えば、保守点検作業者が一旦作業場から離れた後、再度作業場に戻ろうとしたときなどに、かご上乗り込み階床に戻ってきたかどうかを、表示装置22の表示から的確に認識できない場合がある。そこで、表示制御部35は、各エレベータ停止階の乗り場操作盤7に設けられた表示装置22にかご上乗り込み階床の階床番号を表示させる場合に、かご上乗り込み階床の乗り場操作盤7に設けられた表示装置22と、その他の階床の乗り場操作盤7に設けられた表示装置22とで、かご上乗り込み階床の階床番号を互いに異なる表示形態で表示させることが望ましい。具体的には、例えば、かご上乗り込み階床の乗り場操作盤7に設けられた表示装置22では、短い間隔で点滅させた階床番号を表示させ、その他の階床の乗り場操作盤7に設けられた表示装置22では、長い間隔でゆっくりと点滅させた状態で階床番号を表示させる。また、このような点滅表示の間隔による区別のほか、例えば、表示色によって区別するようにしてもよい。
警報制御部36は、各エレベータ停止階の乗り場ドア8のうち、乗りかご1が存在しない階床の乗り場ドア8が開放された場合に、その階床に設置されているブザー11を鳴動させる。具体的には、警報制御部36は、エレベータの運転モードが通常運転モードであればエレベータ停止階ごとに設けられたかご着床検出装置14の信号、保守点検モードであれば保守点検用かご移動制御部33からの情報に基づいて、現在の乗りかご1の位置を認識する。そして、警報制御部36は、各エレベータ停止階に設けられた乗り場ドアロック確認スイッチ9の状態を監視し、乗りかご1が存在しない階床の乗り場ドアロック確認スイッチ9がオンからオフに切り替わったら、その階床の乗り場ドア8の開放が開始されたと判断し、その階床に設置されているブザー11を鳴動させて、保守点検作業者に対して危険な状態にあることを報知する。
照明制御部37は、エレベータの運転モードが保守点検モードへと切替えられ、かご上乗り込み階床(つまり、かご上乗り込みキースイッチ21が操作された階床)の乗り場ドア8が開放されたときに、昇降路6内が十分な照度で均一に照明されるように、エレベータ停止階ごとに設けられた複数の照明装置10を一斉に点灯させる。具体的には、照明制御部37は、モード切替え部31によってエレベータの運転モードが保守点検モードへと切替えられ、かご上乗り込み階床認識部32により認識されたかご上乗り込み階床の乗り場ドアロック確認スイッチ9がオンからオフに切り替わったときに、エレベータ停止階ごとに設けられた複数の照明装置10を一斉に点灯させる。
図8は、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムにおいて、保守点検作業時にエレベータ制御盤16によって実行される一連の処理の流れを示すフローチャートである。以下、この図8のフローチャートに沿って、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムの動作について説明する。
まず、ステップS1では、かご上乗り込みキースイッチ21が設けられたいずれかの階床の乗り場において、保守点検作業者により乗り場操作盤7に設けられたかご上乗り込みキースイッチ21が操作されたか否かを判定する。ここで、かご上乗り込みキースイッチ21の操作が検出されない間は、スイッチ操作有無の判定を繰り返し、かご上乗り込みキースイッチ21の操作が検出されると、ステップS2に進む。
次に、ステップS2では、かご上乗り込みキースイッチ21が操作された階床が、乗りかご1が現在着床している階床であるか否かを判定する。ここで、乗りかご1が着床している階床においてかご上乗り込みキースイッチ21が操作されたと判定した場合はステップS3に進み、エレベータの運転モードを通常運転モードから保守点検モードへと切替える。一方、乗りかご1が着床している階床以外の他の階床においてかご上乗り込みキースイッチ21が操作されたと判定した場合にはステップS4に進み、それ以降の新たな呼び登録を禁止するとともに、現時点で登録されている呼びに応答して、乗りかご1を呼び登録されている階床へと順次移動させる。そして、全ての呼びに対する応答が終了した段階でステップS3に進み、エレベータの運転モードを通常運転モードから保守点検モードへと切替える。
次に、ステップS5では、かご上乗り込みキースイッチ21が操作された階床を、保守点検作業者が乗りかご1のかご上に乗り込むためのかご上乗り込み階床として認識する。そして、ステップS6において、各エレベータ停止階の乗り場操作盤7に設けられた表示装置22に、ステップS5で認識したかご上乗り込み階床の階床番号を表示させる。このとき、各階床の表示装置22による乗り込み階床の表示は、階床番号を点滅させて表示させるものとし、かご上乗り込み階床の表示装置22では短い間隔での点滅表示、かご上乗り込み階床以外の他の階床の表示装置22では、長い間隔のゆっくりとした点滅での表示とする。
次に、ステップS7では、乗りかご1の現在位置が、ステップS5で認識したかご上乗り込み階床の着床位置であるか否かを判定する。ここで、乗りかご1の現在位置がかご上乗り込み階床の着床位置であると判定した場合はステップS8に進み、乗りかご1を予め定めた所定距離だけ下降させて、かご上乗り込み位置へと移動させる。一方、乗りかご1の現在位置がかご上乗り込み階床の着床位置ではないと判定した場合にはステップS9に進み、乗りかご1をかご上乗り込み階床へと移動させる。そして、乗りかご1がかご上乗り込み階床に着床したらステップS8に進み、乗りかご1を予め定めた所定距離だけ下降させて、かご上乗り込み位置へと移動させる。
次に、ステップS10では、ステップS5で認識したかご上乗り込み階床の乗り場ドア8が開放されたか否かを判定する。ここで、かご上乗り込み階床の乗り場ドア8が開放されたと判定した場合はステップS11に進み、エレベータ停止階ごとに設けられた複数の照明装置10を一斉に点灯させて昇降路6の内部を照明し、一連の処理を終了する。
一方、かご上乗り込み階床の乗り場ドア8が開放されていないと判定した場合にはステップS12に進んで、かご上乗り込み階床以外の他の階床の乗り場ドア8が開放されたか否かを判定する。ここで、かご上乗り込み階床以外の他の階床の乗り場ドア8が開放されたと判定した場合はステップS13に進み、乗り場ドア8が開放された階床のブザー11を鳴動させて保守点検作業者に対する警報を行い、その後、ステップS10に戻ってかご上乗り込み階床の乗り場ドア8が開放されたか否かを判定する。また、いずれの乗り場ドア8も開放されていないと判定した場合は、保守点検作業者に対する警報を行うことなく、ステップS10に戻ってかご上乗り込み階床の乗り場ドア8が開放されたか否かを判定する。そして、かご上乗り込み階床の乗り場ドア8が開放されたと判定したらステップS11に進み、エレベータ停止階ごとに設けられた複数の照明装置10を一斉に点灯させて昇降路6の内部を照明し、一連の処理を終了する。
次に、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムを利用した保守点検作業者の作業手順について簡単に説明する。保守点検作業者の作業手順は、乗りかご1が着床している階床でかご上乗り込みキースイッチ21を操作する場合と、乗りかご1が着床している階床以外の他の階床でかご上乗り込みキースイッチ21を操作する場合とでその内容が若干異なるので、以下では、前者を作業手順1、後者を作業手順2として、各々の作業手順を説明する。
(作業手順1)
作業手順1では、保守点検作業者は、まず、かご上に乗り込もうとする任意の階床の乗り場に赴き、その乗り場に設置されている乗り場操作盤7の呼びボタン23を操作して、乗り場呼びを行う。そして、この乗り場呼びへの応答により、乗りかご1が保守点検作業者のいる階床に着床し、乗り場ドア8および乗りかご1のドアが開放されたら、乗りかご1内に利用者が残っているかどうかを確認する。ここで、乗りかご1内に利用者が残っていれば、すぐに保守点検作業を行うことはできないため、全ての利用者が目的階床にて乗りかご1から降りるまで待機した後、改めて乗り場呼びを行う。一方、乗りかご1内に利用者が残っていなければ、乗り場操作盤7に設けられているかご上乗り込みキースイッチ21を専用の鍵を用いて操作する。
作業手順1では、保守点検作業者は、まず、かご上に乗り込もうとする任意の階床の乗り場に赴き、その乗り場に設置されている乗り場操作盤7の呼びボタン23を操作して、乗り場呼びを行う。そして、この乗り場呼びへの応答により、乗りかご1が保守点検作業者のいる階床に着床し、乗り場ドア8および乗りかご1のドアが開放されたら、乗りかご1内に利用者が残っているかどうかを確認する。ここで、乗りかご1内に利用者が残っていれば、すぐに保守点検作業を行うことはできないため、全ての利用者が目的階床にて乗りかご1から降りるまで待機した後、改めて乗り場呼びを行う。一方、乗りかご1内に利用者が残っていなければ、乗り場操作盤7に設けられているかご上乗り込みキースイッチ21を専用の鍵を用いて操作する。
保守点検作業者がかご上乗り込みキースイッチ21を操作すると、エレベータの運転モードが保守点検モードへと切り替わり、乗り場ドア8および乗りかご1のドアが閉じて、乗りかご1がかご上乗り込み位置へと自動的に移動する。また、表示装置22には、保守点検作業者のいる階床の階床番号が、かご上乗り込み階床を示す階床番号として点滅表示される。保守点検作業者は、この表示装置22の表示を確認した後、乗り場ドア8のドアロックを解除して乗り場ドア8を開放する。そして、かご上乗り込み位置に移動している乗りかご1のかご上に乗り込み、かご上操作盤13を利用しながら保守点検作業を行う。
(作業手順2)
作業手順2では、保守点検作業者は、まず、かご上に乗り込もうとする任意の階床の乗り場に赴き、その乗り場の乗り場操作盤7に設けられているかご上乗り込みキースイッチ21を専用の鍵を用いて操作する。なお、このとき、乗りかご1は保守点検作業者のいる階床には着床しておらず、また、未応答の呼び登録が残っているものとする。この状態では、エレベータの運転モードは通常運転モードに維持されているため、表示装置22には、乗りかご1が現在着床している階床の階床番号が表示されている。保守点検作業者は、この表示装置22の表示を確認して、エレベータの運転モードが通常運転モードに維持されていること、乗りかご1が他の階床に着床していることを認識し、エレベータの運転モードが保守点検モードに切り替わるまで待機する。
作業手順2では、保守点検作業者は、まず、かご上に乗り込もうとする任意の階床の乗り場に赴き、その乗り場の乗り場操作盤7に設けられているかご上乗り込みキースイッチ21を専用の鍵を用いて操作する。なお、このとき、乗りかご1は保守点検作業者のいる階床には着床しておらず、また、未応答の呼び登録が残っているものとする。この状態では、エレベータの運転モードは通常運転モードに維持されているため、表示装置22には、乗りかご1が現在着床している階床の階床番号が表示されている。保守点検作業者は、この表示装置22の表示を確認して、エレベータの運転モードが通常運転モードに維持されていること、乗りかご1が他の階床に着床していることを認識し、エレベータの運転モードが保守点検モードに切り替わるまで待機する。
その後、保守点検作業者がかご上乗り込みキースイッチ21を操作した時点で登録されていた全ての呼びへの応答が終了すると、エレベータの運転モードが保守点検モードへと切り替わり、乗りかご1が保守点検作業者のいる階床のかご上乗り込み位置へと自動的に移動する。また、表示装置22には、保守点検作業者のいる階床の階床番号が、かご上乗り込み階床を示す階床番号として点滅表示される。保守点検作業者は、この表示装置22の表示を確認した後、乗り場ドア8のドアロックを解除して乗り場ドア8を開放する。そして、かご上乗り込み位置に移動している乗りかご1のかご上に乗り込み、かご上操作盤13を利用しながら保守点検作業を行う。
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムによれば、エレベータ停止階の乗り場に設けられたかご上乗り込みキースイッチ21が保守点検作業者により操作されると、エレベータの運転モードが通常運転モードから保守点検モードへと切替わり、かご上乗り込みキースイッチ21が操作された階床のかご上乗り込み位置に乗りかご1が移動するので、保守点検作業者はかご上に乗り込もうとする任意の階床の乗り場でかご上乗り込みキースイッチ21を操作するだけで、その階床からかご上に乗り込むことが可能となり、保守点検作業の作業効率を大幅に改善し、迅速な作業を実現することができる。
また、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムによれば、保守点検作業者が乗りかご1をかご上乗り込み位置へと移動させるために操作するスイッチとして、保守点検作業者が所持する鍵により操作が可能なかご上乗り込みキースイッチ21を用いるようにしているので、権限のない第三者による不正な操作を未然に防止することができる。
また、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムによれば、かご上乗り込みキースイッチ21を、乗り場操作盤7に組み込んだかたちでエレベータ停止階の乗り場に設置するようにしているので、設置が容易であるとともに、保守点検作業者の操作も容易となる。
また、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムによれば、かご上乗り込み階床に設置されているかご着床検出装置14からの情報により乗りかご1がかご上乗り込み階床に着床していることを検知し、その位置から移動距離記憶部34に記憶されている所定距離だけ乗りかご1を下降させることで、乗りかご1をかご上乗り込み位置へと移動させるようにしているので、かご上乗り込み位置への乗りかご1の移動を正確に行うことができる。
また、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムによれば、保守点検作業者によるかご上乗り込みキースイッチ21の操作に応じて決定されたかご上乗り込み階床の階床番号を表示装置22に表示させるようにしているので、例えば、保守点検作業者が一旦作業場を離れ、その後、作業場に戻ろうとしたときなどに、保守点検作業者に対してかご上乗り込み階床を的確に認識させることができる。
また、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムによれば、かご上乗り込み階床の階床番号を表示する表示装置22を、乗り場操作盤7に組み込んだかたちでエレベータ停止階の乗り場に設置するようにしているので、設置が容易であるとともに、保守点検作業者に対して見やすい表示を実現できる。
また、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムによれば、表示装置22として通常の階床表示器を利用し、エレベータの運転モードが通常運転モードの場合には乗りかご1が着床しているかご着床階床の階床番号を表示装置22に表示させ、エレベータの運転モードが保守点検モードの場合にかご上乗り込み階床の階床番号を表示装置22に表示させるようにしているので、部品点数を増加させることなく、保守点検作業者に対してかご上乗り込み階床を的確に認識させることができる。
また、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムによれば、エレベータの運転モードが通常運転モードの場合に表示するかご着床階床の階床番号と、エレベータの運転モードが保守点検モードの場合に表示するかご上乗り込み階床の階床番号とを、互いに異なる表示形態で表示装置22に表示させるようにしているので、保守点検作業者や利用者に対して、乗りかご1の現在位置とともに現在の運転モードが通常モードか保守点検モードかを的確に認識させることができる。
また、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムによれば、表示装置22にかご上乗り込み階床の階床番号を表示させる際に、かご上乗り込み階床に設置されている表示装置22による表示と、かご上乗り込み階床以外の他の階床に設置されている表示装置22による表示とで、表示形態を互いに異ならせるようにしているので、保守点検作業者に対して、今いる階床がかご上乗り込み階床となっているか否かを的確に認識させることができる。
また、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムによれば、エレベータの運転モードが保守点検モードの状態で、かご上乗り込み階床以外の他の階床において乗り場ドア8が開放された場合にブザー11を鳴動させて、保守点検作業者に対して警報を行うようにしているので、保守点検作業者に対して危険な状態にあることを的確に認識させることができる。
また、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムによれば、乗りかご1が存在していない階床の乗り場ドアロック確認スイッチ9がオンからオフに切替わったときに、その階床の乗り場ドア8の開放が開始されたと判断してブザー11を鳴動させるようにしているので、乗り場ドア8の不用意な開放を的確に検知して、適切なタイミングで警報を行うことができる。
また、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムによれば、かご上乗り込み位置の乗り場ドア8が開放されたときに、エレベータ停止階の各々に設置されている照明装置10を一斉に点灯させるようにしているので、保守点検作業者がかご上に乗り込むタイミングで昇降路6内の全体を照明することができ、かご上に乗り込んだ状態での保守点検作業を実施しやすくすることができる。
また、本実施の形態にかかるエレベータ制御システムによれば、乗りかご1が着床している階床とは異なる階床において保守点検作業者によりかご上の乗り込みキースイッチ21が操作された場合には、スイッチ操作後の新たな呼び登録を禁止するとともに、スイッチ操作時に既に登録されている呼びに対する応答が全て終了したときにエレベータの運転モードを通常運転モードから保守点検モードへと切替え、その後、乗りかご1をかご上乗り込み階床のかご着床位置まで移動させた後にかご上乗り込み位置へと移動させるようにしているので、エレベータが着床している階床と異なる階床でかご上乗り込みキースイッチ21が操作された場合にも対応させて、効率のよい保守点検作業を実現することができる。
以上のように、本発明にかかるエレベータ制御システムは、エレベータの保守点検作業を効率よく行うための技術として有用である。
1 乗りかご
6 昇降路
7 乗り場操作盤
8 乗り場ドア
9 乗り場ドアロック確認スイッチ
10 照明装置(照明手段)
11 ブザー(警報手段)
14 かご着床検出装置(かご着床検出手段)
16 エレベータ制御盤
21 かご上乗り込みキースイッチ(入力手段)
22 表示装置(表示手段)
31 モード切替え部(モード切替え手段)
32 かご上乗り込み階床認識部(認識手段)
33 保守点検用かご移動制御部(移動制御手段)
34 移動距離記憶部(記憶手段)
35 表示制御部(表示手段)
36 警報制御部(警報手段)
37 照明制御部(照明制御手段)
6 昇降路
7 乗り場操作盤
8 乗り場ドア
9 乗り場ドアロック確認スイッチ
10 照明装置(照明手段)
11 ブザー(警報手段)
14 かご着床検出装置(かご着床検出手段)
16 エレベータ制御盤
21 かご上乗り込みキースイッチ(入力手段)
22 表示装置(表示手段)
31 モード切替え部(モード切替え手段)
32 かご上乗り込み階床認識部(認識手段)
33 保守点検用かご移動制御部(移動制御手段)
34 移動距離記憶部(記憶手段)
35 表示制御部(表示手段)
36 警報制御部(警報手段)
37 照明制御部(照明制御手段)
Claims (13)
- エレベータ停止階の乗り場に設けられ、エレベータの保守点検作業者が操作可能な入力手段と、
前記入力手段の操作に応じて、エレベータの運転モードを通常運転モードから保守点検モードへと切替えるモード切替え手段と、
エレベータ停止階のうちで前記入力手段が操作された階床を、前記保守点検作業者がかご上に乗り込むかご上乗り込み階床として認識する認識手段と、
前記モード切替え手段によりエレベータの運転モードが保守点検モードに切替えられた場合に、前記認識手段で認識されたかご上乗り込み階床からかご上に乗り込むことが可能な位置へと乗りかごを移動させる移動制御手段と、を備えることを特徴とするエレベータ制御システム。 - 前記入力手段は、エレベータの保守点検作業者が所持する鍵により操作が可能なキースイッチであることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ制御システム。
- 前記キースイッチは、エレベータ停止階の乗り場においてエレベータの利用者による乗り場呼びを受け付ける乗り場操作盤に組み込まれていることを特徴とする請求項2に記載のエレベータ制御システム。
- エレベータ停止階のかご着床位置に乗りかごが着床したことを検出するかご着床検出手段と、
かご着床位置からかご上に乗り込むことが可能な位置までの距離を記憶する記憶手段と、をさらに備え、
前記移動制御手段は、前記認識手段で認識されたかご上乗り込み階床において前記かご着床検出手段により着床が検出されている乗りかごを、前記記憶手段に記憶されている距離だけ下降させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のエレベータ制御システム。 - エレベータ停止階の乗り場に設けられ、前記認識手段で認識されたかご上乗り込み階床を表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のエレベータ制御システム。
- 前記表示手段は、エレベータ停止階の乗り場においてエレベータの利用者による乗り場呼びを受け付ける乗り場操作盤に組み込まれていることを特徴とする請求項5に記載のエレベータ制御システム。
- 前記表示手段は、エレベータの運転モードが通常運転モードの場合には乗りかごが着床しているかご着床階床を表示し、エレベータの運転モードが保守点検モードの場合に前記かご上乗り込み階床を表示することを特徴とする請求項5または6に記載のエレベータ制御システム。
- 前記表示手段は、エレベータの運転モードが通常運転モードの場合に表示する前記かご着床階床と、エレベータの運転モードが保守点検モードの場合に表示する前記かご上乗り込み階床とを、異なる表示形態で表示することを特徴とする請求項7に記載のエレベータ制御システム。
- 前記表示手段は、当該表示手段が設置されている階床が前記かご上乗り込み階床となっている場合と、当該表示手段が設置されている階床以外の他の階床が前記かご上乗り込み階床となっている場合とで、前記かご上乗り込み階床を異なる表示形態で表示することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載のエレベータ制御システム。
- エレベータの運転モードが保守点検モードの状態で、前記かご上乗り込み階床以外の他の階床において乗り場ドアの開放が開始された場合に警報を行う警報手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載のエレベータ制御システム。
- 乗り場ドアのロック/アンロックに応じてオン/オフが切替わる乗り場ドアロック確認スイッチをさらに備え、
前記警報手段は、前記乗り場ドアロック確認スイッチの状態変化に基づいて乗り場ドアの開放が開始されたと判断した場合に警報を行うことを特徴とする請求項10に記載のエレベータ制御システム。 - エレベータ停止階の各階床における乗り場から昇降路内を照明する複数の照明手段と、
前記複数の照明手段の動作を制御する照明制御手段と、をさらに備え、
前記照明制御手段は、前記かご上乗り込み階床における乗り場ドアが開放されたときに前記複数の照明手段を点灯させることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載のエレベータ制御システム。 - 前記モード切替え手段は、エレベータ停止階のうちで乗りかごが着床している階床とは異なる階床において前記入力手段が操作された場合には、前記入力手段が操作された後の新たな呼び登録を禁止するとともに、前記入力手段が操作された時点で既に登録されている呼びに対する応答が全て終了したときにエレベータの運転モードを通常運転モードから保守点検モードへと切替え、
前記移動制御手段は、エレベータ停止階のうちで乗りかごが着床している階床とは異なる階床において前記入力手段が操作された場合には、前記入力手段が操作された時点で既に登録されている呼びに対する応答が全て終了したときの乗りかごの位置から前記かご上乗り込み階床のかご着床位置まで乗りかごを移動させた後、前記かご上乗り込み階床のかご着床位置から所定距離だけ下降した位置に乗りかごを移動させることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載のエレベータ制御システム。
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