JP2011131464A - 紙管の製造方法及び当該紙管を巻芯とするロール状衛生用紙 - Google Patents

紙管の製造方法及び当該紙管を巻芯とするロール状衛生用紙 Download PDF

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Abstract

【課題】紙管の芯材となる帯状紙以外の帯状紙を用いることなく、簡易な設備により、衛生用紙に印刷インクが滲み出し難い紙管を製造し得る紙管の製造方法を提供する。
【解決手段】紙管1の芯材となる帯状紙2のうち紙管1の最外層に配置される帯状紙2の直下に配置される帯状紙2には表面に印刷6を施して印刷帯状紙8とし、印刷帯状紙8をマンドレルシャフト4の軸線Lに対して斜め方向dに送り込み、マンドレルシャフト4に対しスパイラル状に巻き付けるとともに、紙管1の最外層に配置される帯状紙2は非印刷帯状紙10とし、その裏面には接着剤12を塗工し、非印刷帯状紙10をマンドレルシャフト4の軸線L方向に対して斜め方向dに送り込み、印刷帯状紙8とは相互に位置をずらしながら、印刷帯状紙8の表面に非印刷帯状紙10をスパイラル状に巻き付けて両帯状紙を相互に重畳させ、両帯状紙を相互に貼り合わせて紙管1を得る紙管の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、トイレットペーパー、キッチンタオル等のロール状衛生用紙の巻芯として用いられる紙管の製造方法及び当該紙管を有するロール状衛生用紙に関するものである。
トイレットペーパー、キッチンタオル等のロール状衛生用紙は、例えば巻芯となる長尺の芯管の外周面に接着剤を塗工し、その塗工部を介して幅広な衛生用紙の始端部を接着固定し、長尺芯管に対して製品長さ分だけの幅広衛生用紙を巻き取ってロールとした後、そのロールの外周面に幅広衛生用紙の終端部を固定して幅広のロール状衛生用紙(ログ)を形成し、最後にログソー等の切断刃でログを製品幅に切断することで製造することができる(例えば特許文献1及び2参照)。
前記製法においては芯管としてボール紙等の厚紙からなる紙管が用いられることが多い。このような紙管の製造方法としては、マンドレルシャフトの軸線に対して斜め方向に複数枚の帯状紙を送り込み、前記複数枚の帯状紙をマンドレルシャフトに対してスパイラル状に巻き付け、前記複数状の帯状紙を相互に貼り合わせることによって長尺の紙管を得る方法が知られている(例えば特許文献3〜5参照)。
実開平6−86687号公報 特開2005−87788号公報 特開昭51−100321号公報 特開昭52−042927号公報 特許第2762255号公報
ところで、前記紙管の外表面には所定の情報を表示する目的で何らかの印刷が施されることがある。例えば紙管の製品番号を特定するためにロットナンバーが印字されるのがその一例である。
しかし、前記のように紙管の外表面に印刷を施した場合、紙管に対して衛生用紙を接着固定する際に接着剤中に印刷インクが溶出し、その印刷インクが衛生用紙に滲み出すため衛生用紙を汚損するという問題があった。特に、気温が低い冬場は接着剤が乾き難く、接着剤中に印刷インクが溶出し易くなるため、前記の問題が顕在化する傾向にある。このように印刷インクが衛生用紙に滲み出した場合、機能面、衛生面又は美観の問題で、最後の一巻きまで衛生用紙を使い切ることができなくなり、無駄が生ずる点において好ましくない。
特許文献3に記載の製造方法は、印刷が施された紙管の外周面に対し透明又は半透明の帯状紙(透光性帯状紙)を更に巻き付けて貼り合わせることにより、特許文献4又は5に記載の製造方法は、紙管の外周面に対し、印刷が施された透光性帯状紙を印刷面が内側となるように更に巻き付けて貼り合わせることにより、印刷面が衛生用紙を接着させる面に露出しないように構成している。従って、ある程度印刷インクの滲み出しが抑制されると考えられる。
しかしながら、特許文献3〜5に記載の製造方法は紙管の芯材となる帯状紙に加えて透光性帯状紙を用いるため、マンドレルに送り込む帯状紙の系統が増加することになる(紙管の芯材となる帯状紙が2系統であれば少なくとも3系統となる。)。従って、製造設備が大型化・複雑化し、製造が困難となることに加え、透光性帯状紙の分だけ紙管の製造コストが上昇するという課題があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、紙管の芯材となる帯状紙以外の帯状紙を用いることなく、簡易な設備により、衛生用紙に印刷インクが滲み出し難い紙管を製造し得る紙管の製造方法及びその紙管を巻芯とするロール状衛生用紙を提供するものである。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した結果、紙管の芯材となる複数枚の帯状紙として印刷が施された印刷帯状紙と印刷が施されていない非印刷帯状紙を用い、マンドレルシャフトにスパイラル状に巻き付けられた印刷帯状紙の表面に相互に位置をずらしながら非印刷帯状紙をスパイラル状に巻き付けて両帯状紙を重畳させ、両帯状紙を相互に貼り合わせることにより、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、以下に示す紙管の製造方法及び当該紙管を巻芯とするロール状衛生用紙が提供される。
[1]紙管の芯材となる複数枚の帯状紙のうち前記紙管の最外層に配置される帯状紙の直下に配置される帯状紙にはその表面に印刷を施して印刷帯状紙とし、前記印刷帯状紙をマンドレルシャフトの軸線に対して斜め方向に送り込み、前記マンドレルシャフトに対しスパイラル状に巻き付けるとともに、前記紙管の最外層に配置される帯状紙はその表面に印刷が施されていない非印刷帯状紙とし、前記非印刷帯状紙の裏面には接着剤を塗工して接着層を形成し、前記非印刷帯状紙を前記マンドレルシャフトの軸線方向に対して斜め方向に送り込み、前記マンドレルシャフトに巻き付けられた前記印刷帯状紙とは相互に位置をずらしながら、前記マンドレルシャフトに巻き付けられた前記印刷帯状紙の表面に前記非印刷帯状紙をスパイラル状に巻き付けて両帯状紙を相互に重畳させ、前記接着層により両帯状紙を相互に貼り合わせて紙管を得る紙管の製造方法。
[2]前記印刷帯状紙及び前記非印刷帯状紙として、厚さ180〜500μm、密度0.4〜1.5g/cmの範囲内の単層漉き帯状紙を用い、前記非印刷帯状紙の裏面に、固形分40〜50%、粘度500〜4000mPa・sの範囲内の酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤を、塗工量10〜30g/mの範囲内で塗工して前記接着層を形成する前記[1]に記載の紙管の製造方法。
[3]巻芯となる紙管に対して長尺衛生用紙がロール状に巻き取られてなるロール状衛生用紙であって、前記紙管が、芯材として表面に印刷が施された印刷帯状紙と、表面に印刷が施されていない非印刷帯状紙とを有し、前記非印刷帯状紙は前記紙管の最外層に、前記印刷帯状紙は前記非印刷帯状紙の直下に配置され、スパイラル状に巻回された前記印刷帯状紙の表面に、前記印刷帯状紙とは相互に位置をずらすように前記非印刷帯状紙がスパイラル状に巻回されて両帯状紙が重畳されており、接着層により両帯状紙が相互に貼り合わされているロール状衛生用紙。
本発明に係る紙管の製造方法は、紙管の芯材となる帯状紙以外の帯状紙を用いることなく、簡易な設備により、衛生用紙に印刷インクが滲み出し難い紙管を製造することができる。また、本発明に係るロール状衛生用紙は紙管から衛生用紙への印刷インクの滲み出しが効果的に抑制されるため、衛生用紙が汚損され難い。従って、最後の一巻きまで衛生用紙を使い切ることができ、無駄が生じ難い。
本発明に係る製造方法の一の実施形態を模式的に示す概略工程図である。 本発明に係る製造方法により得られる紙管の一例を模式的に示す概略斜視図である。 本発明に係るロール状衛生用紙を製造する工程の一例を模式的に示す概略工程図である。
以下、本発明に係る紙管の製造方法及び当該紙管を巻芯とするロール状衛生用紙を実施するための形態について図面を参照しながら具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備える紙管の製造方法及びロール状衛生用紙を広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
[1]定義等:
「紙管」とは、紙を芯材とする管状体であり、芯材となる複数枚の帯状紙が相互に位置をずらすようにスパイラル状に巻回され、これらの帯状紙が相互に貼り合わされてなるものを意味するものとする(このような紙管は「スパイラル紙管」と称される場合がある。)。
「ロール状衛生用紙」とは、巻芯となる紙管に対して長尺衛生用紙がロール状に巻き取られてなる形態の衛生用紙を意味するものとする。具体的な製品としては、ロール状トイレットペーパー、ロール状キッチンタオル等が含まれる。
[2]本発明に係る製造方法の特徴:
本発明に係る製造方法においては、図1に示すように紙管1の芯材となる複数枚の帯状紙2として、表面に印刷6が施された印刷帯状紙8及び表面に印刷が施されていない非印刷帯状紙10を用い、マンドレルシャフト4にスパイラル状に巻き付けられた印刷帯状紙8の表面に、印刷帯状紙8と相互に位置をずらしながら非印刷帯状紙10をスパイラル状に巻き付けて両帯状紙を重畳させ、印刷帯状紙8と非印刷帯状紙10とを相互に貼り合わせる。この際、非印刷帯状紙10を紙管1の最外層に、印刷帯状紙8を非印刷帯状紙10の直下に配置する。
前記のような方法によれば、図2に示すような非印刷帯状紙10によって印刷帯状紙8の表面が被覆された構造の紙管1を得ることができる。図2に示すような構造の紙管1は衛生用紙固定用の接着剤が塗工される外周面に印刷帯状紙8(即ち印刷インク)が露出しておらず、衛生用紙固定用の接着剤と印刷インクが直接接触しない。また、芯材となる帯状紙としては特許文献3〜5に記載の透光性帯状紙のような薄紙ではなく厚紙が用いられることが一般的であり、接着剤の浸透を抑制する効果も高い。従って、ロール状衛生用紙の製造時において衛生用紙への印刷インクの滲み出しを効果的に抑制することができる。
また、本発明に係る製造方法においては、図1に示すように紙管1の芯材となる印刷帯状紙8及び非印刷帯状紙10によって紙管1を得ることができ、芯材以外の帯状紙(例えば特許文献3〜5に記載の透光性帯状紙のような専ら印刷層を被覆するために用いられる帯状紙等)を必要としない。従って、マンドレルシャフトに送り込む帯状紙の系統を増加させることなく、通常の紙管と同様の簡易な設備により、衛生用紙への印刷インクの滲み出しを抑制可能な紙管1を得ることができる。
なお、印刷帯状紙に印刷されるロットナンバー等の表示は紙管内側から照明を当てることにより、又は印刷帯状紙に表面に貼り合わされた非印刷帯状紙を剥離することにより、紙管の外表面側から視認することができる。
[3]本発明に係る製造方法の実施形態:
本発明に係る製造方法は、図1に示すように紙管1の芯材となる帯状紙2のうち一部の帯状紙に印刷6を施す工程、印刷帯状紙8をスパイラル状に巻き付ける工程、非印刷帯状紙10に接着剤12を塗工する工程、非印刷帯状紙10をスパイラル状に巻き付ける工程及び印刷帯状紙8と非印刷帯状紙10を貼り合わせる工程を必須工程として備え、必要に応じて切断工程等の他の工程を備えるものである。
[3−1]帯状紙:
本発明の製造方法においては、図1に示すように紙管1の芯材となる複数枚の帯状紙2を用いる。この複数枚の帯状紙2として、表面に印刷6が施された印刷帯状紙8と表面に印刷が施されていない非印刷帯状紙10とが用いられる。即ち、少なくとも2枚の帯状紙2を用いることが必要である。但し、使用する帯状紙は2枚に限られず、3枚以上使用することもできる。なお、印刷帯状紙と非印刷帯状紙の原紙は異なるものを用いてもよいが、通常は同じものが用いられる。
「紙管の芯材となる」とは、ここにいう「帯状紙」には紙管の芯材として機能する帯状紙のみが含まれ、芯材以外の帯状紙(例えば特許文献3〜5に記載の透光性帯状紙のような専ら印刷層を被覆するために用いられる帯状紙等)は含まれないことを意味するものである。紙管の芯材となる紙としては、例えば紙管原紙、段ボール原紙及びクラフト紙等を挙げることができる。
「帯状紙」とは細長い形状の紙である。ロール状衛生用紙の巻芯となる紙管の製造に際しては幅70〜85mmの帯状紙が用いられることが多い。
具体的には、厚さ180〜500μm、密度0.4〜1.5g/cmの範囲内の単層漉き帯状紙を用いることが好ましい。帯状紙を適切な厚さ及び密度とすることにより、印刷インクが帯状紙を浸透して紙管の外表面に滲み出す事態を十分に抑制することができ、紙管内側から照明を当てた際に印刷内容を容易に確認することができる。また、単層漉き帯状紙を用いることにより、紙管の外表面側に配置された帯状紙を剥がして印刷内容を確認する際に、帯状紙の層間剥離がなく、帯状紙を綺麗に剥がすことができる。
厚さが180μm未満又は密度が0.4g/cm未満であると、印刷インクが当該帯状紙の内部を浸透して紙管の外表面に滲み出すおそれがある。また、芯材としての強度を十分に確保することができない場合がある。一方、厚さが500μm、密度が1.5g/cmを超えると、帯状紙をマンドレルシャフトに巻き付けることが困難となるおそれがある。また、紙管内側から照明を当てた際に印刷内容を容易に確認することができない場合がある。更に、必要以上の紙原料を使用することになりコスト増に繋がる場合がある。
前記条件を満たす紙としては、王子製紙社製の商品名「TPコア原紙」(厚さ:229μm、密度0.65g/cm、実米坪149.7g/m、引張強度(縦)8.1kN/m、引張強度(横)3.6kN/m、伸び(縦)1.8%、伸び(横)4.3%)等を好適に用いることができる。なお、ここにいう「厚さ」及び「密度」はJIS P8188に記載の方法に準拠して測定した「厚さ」及び「密度」を意味するものとする。
[3−2]印刷工程:
本発明の製造方法においては、図1に示すように紙管1の芯材となる複数枚の帯状紙2のうち紙管1の最外層に配置される帯状紙2の直下に配置される帯状紙2の表面に印刷6を施して印刷帯状紙8とする。この印刷により紙管の一部に必要情報を表示することができる。
図1に示すように印刷6は帯状紙2の表面、即ち紙管1の外側に位置する面に施される。このような構造とすることで、紙管内側から照明を当てることにより、又は紙管1から非印刷帯状紙10を剥離することにより、紙管1の外表面側から前記必要情報を容易に視認することができる。
印刷の方法は特に限定されず、従来公知の印刷方法,例えばフレキソ印刷等の凸版印刷、オフセット印刷等の平版印刷、グラビア印刷等の凹版印刷、シルクスクリーン印刷等の孔版印刷の他、インクジェットプリンターによる印刷等の無版印刷等の印刷方法を採用することができる。印刷により表示される必要情報も特に限定されるものではなくロットナンバーの他、原紙幅に対する位置情報、製造工場、機械番号等の各種情報を表示することができる。
図1に示す製造方法は、インクジェットプリンター14により帯状紙2の表面に紙管1のロットナンバーを表示する印刷6を施した例である。この例では、印刷インクとして、日立社製のJP−K32A(エタノール75〜85質量%、クロム錯塩染料5〜10質量%)を、印刷インクの補助液として日立社製のTH−TYPE D(エタノール99〜100質量%)を、インクジェットプリンターとして日立社製のインクジェットプリンターを用いた。
[3−3]印刷帯状紙巻き付け工程:
本発明の製造方法においては、図1に示すように印刷帯状紙8をマンドレルシャフト4の軸線Lに対して斜め方向dに送り込み、マンドレルシャフト4に対しスパイラル状に巻き付ける。
「マンドレルシャフト」とは帯状紙を巻き付けるための円柱状又は円筒状の芯棒である。通常は鉄等の金属により構成される。「軸線」とは円柱状又は円筒状のマンドレルシャフトの中心軸(回転軸)に相当する線を意味する。図1に示すように軸線Lに対して斜め方向dに帯状紙2を送り込むことでスパイラル紙管を得られる。マンドレルシャフトの外径は紙管の内径と略一致する寸法に形成される。
マンドレルシャフト4にはベルト22を駆動させるためのプーリー18,20が付設されている。プーリー18,20が矢印方向に回転することによりプーリー18,20とマンドレルシャフト4に架け渡されたベルト22が走行し、帯状紙2(印刷帯状紙8及び非印刷帯状紙10)が引き出されるとともにマンドレルシャフト4に対してスパイラル状に巻き付けられ、両帯状紙が相互に貼り合わされ、図1下側に向かって送り出される。
本発明の製造方法においては、マンドレルシャフト、プーリー、ベルトとも従来、紙管の製造に用いられてきたものと同様のものを用いることができる。
「斜め方向」とはマンドレルシャフトの軸線と平行する方向及び直交する方向以外の方向を意味する。角度は限定されないが、マンドレルシャフトの軸線に対し下向き45度±40度の角度で印刷帯状紙8を送り込むことが好ましい。図1に示す製造方法はマンドレルシャフト4の軸線Lに対し下向き45度の角度で印刷帯状紙8を送り込む方法を採用した例である。
印刷帯状紙の枚数は特に限定されないが、1枚とすることが好ましく、印刷帯状紙の側縁同士を相互に隣接させ、かつ、印刷帯状紙の側縁部同士が重畳しないようにマンドレルシャフトに対して巻き付けることが好ましい。即ち、印刷帯状紙は単層で巻き付けることが好ましい。こうすることにより、紙管内側から照明を当てた際に印刷内容を容易に確認することができる。
但し、印刷帯状紙を巻き付ける前に予め紙管の芯材となる他の帯状紙をマンドレルシャフトに巻き付けておき、当該帯状紙の表面に印刷帯状紙を巻き付けてもよい。この場合、紙管内側から照明を当てた際の印刷内容の視認性を確保するために、他の帯状紙の枚数を1枚に止めることが好ましい。この場合、紙管全体としては非印刷帯状紙(最外層)、印刷帯状紙(2番目の層)、他の帯状紙(最内層)の3枚の帯状紙が用いられることになる。
[3−4]接着剤塗工工程:
前記印刷工程及び印刷帯状紙巻き付け工程と並行して、本発明の製造方法においては、図1に示すように複数枚の帯状紙2のうち最外層に配置される帯状紙2はその表面に印刷を施さない非印刷帯状紙10とし、その非印刷帯状紙10の裏面には接着剤12を塗工して接着層を形成する。この接着層により印刷帯状紙8と非印刷帯状紙10を貼り合わせて紙管1を得ることが可能となる。
図1に示すように接着剤12の塗工は非印刷帯状紙10の裏面、即ち紙管1の内側に位置する面に施される。このような構造とすることで、非印刷帯状紙10と印刷帯状紙8とを貼り合わせることが可能となる。
接着剤の種類、塗工量は従来公知のスパイラル紙管の製造に準じて適宜選択すればよい。接着剤としては、従来公知の紙用接着剤、具体的には酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤等の水溶性接着剤を好適に用いることができる。
中でも、固形分40〜50%、粘度500〜4000mPa・sの範囲内の酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤を用いることが好ましい。このような接着剤を用いることにより、紙管の外表面側に配置された帯状紙を剥がして印刷内容を確認する際に、帯状紙を綺麗に剥がすことができ、印刷内容を容易に確認することができる。具体的には、昭和高分子社製の商品名「ポリゾール 接着用−2620」(主成分:酢酸ビニル樹脂、固形分:42.0〜46.0%(105℃×1時間)、粘度:1500〜2500mPa・s(23℃、BH型粘度計、10rpm))、積水フーラー社製の商品名「JW−6601」(主成分:酢酸ビニル樹脂、固形分:44.5%、粘度:3000mPa・s(30℃))等を好適に用いることができる。
固形分が40%未満又は粘度が500mPa・s未満であると、印刷インクが接着剤に溶出し帯状紙の内部を浸透して紙管の外表面に滲み出すおそれがある。一方、固形分が50%又は粘度が4000mPa・sを超えると、接着剤の塗工が困難となる他、塗工ムラを生じ、接着強度が低下し、或いは確実に接着を行うことができない等の問題を生ずるおそれがある。
塗工量についても特に限定されないが、塗工量10〜30g/mの範囲内で接着剤を塗工して接着層を形成することが好ましい。塗工量が10g/m未満であると、接着強度が低下し、或いは確実に接着を行うことができない等の問題を生ずるおそれがある。一方、塗工量が30g/mを超えると、印刷インクが接着剤に溶出し帯状紙の内部を浸透して紙管の外表面に滲み出すおそれがある。なお、非印刷帯状紙の剥離を容易にするために、再剥離性接着剤を用いてもよい。
接着剤を塗工する方法についても特に限定されず、従来公知の接着剤塗工方法、例えば転写ローラー、塗布スポンジ等を用いて接着剤を塗工する方法を採用することができる。図1に示す製造方法は接着剤12を塗布スポンジ16に含浸させ、その塗布スポンジ16を非印刷帯状紙10の裏面に接触させることにより、非印刷帯状紙10の裏面に接着剤12を塗工する方法を採用した例である。
[3−5]非印刷帯状紙巻き付け工程:
本発明の製造方法においては、図1に示すように非印刷帯状紙10をマンドレルシャフト4の軸線L方向に対して斜め方向dに送り込み、マンドレルシャフト4に巻き付けられた印刷帯状紙8とは相互に位置をずらしながら、マンドレルシャフト4に巻き付けられた印刷帯状紙8の表面に非印刷帯状紙10をスパイラル状に巻き付ける。
従前の紙管の製造方法においては印刷部分を視認させるため印刷部分が紙管の外表面に露出するように、即ちマンドレルシャフト4に巻き付けられた非印刷帯状紙に対して印刷帯状紙を巻き付けていた。しかし、ロットナンバー等の表示はデザイン印刷等とは異なり、常時視認可能となっている必要はなく、製品不良等が発生した場合に確認できればよいと考えられる。従って、本発明の製造方法においてはマンドレルシャフト4に巻き付けられた印刷帯状紙の表面に非印刷帯状紙を巻き付けることとした。このような構造の紙管であっても印刷帯状紙に印刷されるロットナンバー等の表示は紙管内側から照明を当てることにより、又は非印刷帯状紙を剥離することにより確認することができる。
「印刷帯状紙とは相互に位置をずらしながら」とは、印刷帯状紙と非印刷帯状紙の巻き付け位置(即ち、巻き付けピッチ)がずれていることを意味する。こうすることにより、印刷帯状紙及び非印刷帯状紙として等幅の帯状紙を用いた場合でも、印刷帯状紙の継ぎ目をつなぎ合わせるように非印刷帯状紙が貼り合わされることになり、確実に紙管を形成することができる。巻き付け位置のずらし方は特に限定されないが、非印刷帯状紙と印刷帯状紙を確実に貼り合わせて紙管を形成するという観点から、図1又は図2に示す紙管1のように非印刷帯状紙10と印刷帯状紙8の巻付け位置を半ピッチずつずらすことが好ましい。
非印刷帯状紙はマンドレルシャフトに対してではなく、「マンドレルシャフトに巻き付けられた印刷帯状紙」に対してスパイラル状に巻き付ける。こうすることにより、印刷帯状紙の表面に施された印刷を非印刷帯状紙によって被覆することができる。
巻き付けの方法は印刷帯状紙巻き付け工程に準じて行うことができる。非印刷帯状紙同士を重畳させることなく単層で巻き付ける。本発明の製造方法においては非印刷帯状紙は最外層に配置され、その直下には印刷帯状紙が配置される。従って、非印刷帯状紙の枚数は1枚とする。即ち、紙管全体で用いられる帯状紙の枚数は印刷帯状紙及び非印刷帯状紙を含めて合計2〜3枚とすることが好ましい。このような方法によれば、2〜3層の紙層が積層された紙管を得ることができる。
[3−6]貼り合わせ工程:
本発明の製造方法においては、接着剤塗工工程において形成した接着層により印刷帯状紙と非印刷帯状紙を相互に貼り合わせて紙管を得る。図1に示すようにプーリー18,20を回転させベルト22を走行させることで、印刷帯状紙8と非印刷帯状紙10を相互に位置をずらしながらマンドレルシャフト4に対してスパイラル状に巻き付けることができ、両帯状紙を相互に貼り合わせることができる。
前記貼り合わせ工程によって、印刷帯状紙8と非印刷帯状紙10とが相互に貼り合わされた長尺の紙管(スパイラル巻回体26)が連続的に形成される。ロール状衛生用紙の種類により異なるが、紙管のサイズは外径35〜50mmφ、厚さ0.5〜1.5mmとすることが一般的である。
[3−7]切断工程:
図1に示すように貼り合わせ工程で形成されたスパイラル巻回体26は切断刃28で切断することにより長尺紙管とすることができる。
この切断工程においては、スパイラル巻回体を最終製品であるロール状衛生用紙の幅の10〜30倍の長さを有するものに切断し長尺紙管を得ることが好ましい。このような長尺紙管を用いることで一時に複数個のロール状衛生用紙を製造することが可能となる。
切断刃としては、後述するログ切断工程で用いられるログソー、バンドソーと同様のものを好適に用いることができる。
[3−8]印刷帯状紙と非印刷帯状紙の接着力及び紙質:
本発明に係る紙管の製造方法及びロール状衛生用紙にあっては、非印刷帯状紙を剥離したときに、非印刷帯状紙の一部又は非印刷帯状紙のみが剥離し、印刷帯状紙に印刷部が残存するように、印刷帯状紙と非印刷帯状紙との接着力(接着層による接着力)、非印刷帯状紙の紙質及び印刷帯状紙の紙質が設定されていることが好ましい。即ち、非印刷帯状紙を剥離したときに、その印刷帯状紙の一部が剥離しないように、印刷帯状紙と非印刷帯状紙との接着力、非印刷帯状紙の紙質及び印刷帯状紙の紙質が設定されていることが好ましい。これにより、非印刷帯状紙を剥離して印刷帯状紙への印刷内容を確実かつ容易に確認することができる。
[4]本発明に係るロール状衛生用紙の実施形態:
本発明に係るロール状衛生用紙は、既に説明した本発明に係る製造方法により得られた紙管を巻芯として用い、この巻芯(紙管)に対して長尺衛生用紙がロール状に巻き取られてなるものである。巻芯として本発明の製造方法に係る紙管を用いることで紙管から衛生用紙への印刷インクの滲み出しが効果的に抑制される。従って、印刷インクによって衛生用紙が汚損され難く、最後の一巻きまで衛生用紙を使い切ることができ、無駄が生じ難い。
[4−1]紙管:
本発明の製造方法により得られる紙管は、図1及び図2に示す紙管1のように、芯材として表面に印刷6が施された印刷帯状紙8及び表面に印刷が施されていない非印刷帯状紙10とを有し、非印刷帯状紙10は紙管1の最外層に、印刷帯状紙8は非印刷帯状紙10の直下に配置され、スパイラル状に巻回された印刷帯状紙8の表面に、印刷帯状紙8と相互に位置をずらすように非印刷帯状紙10がスパイラル状に巻回されて印刷帯状紙8と非印刷帯状紙10が重畳されており、接着層により印刷帯状紙8と非印刷帯状紙10が相互に貼り合わされているものである。
[4−2]長尺衛生用紙:
長尺衛生用紙としては、従来公知のトイレットペーパー用原紙、キッチンタオル用原紙を用いることができる。例えば、坪量10〜25g/mに抄紙されたトイレットペーパー用原紙等を好適に用いることができる。坪量が10g/m未満であると、適正な強度を確保することができない場合がある。一方、坪量が25g/mを超えると、柔軟性が損なわれ、触感が硬くなり過ぎる場合がある。
長尺衛生用紙としては、単層の長尺原紙を用いてもよいし(1プライ、シングル)、長尺原紙が2枚積層された2層の長尺原紙を用いてもよい(2プライ、ダブル)。更に、3枚以上の長尺原紙が積層された複層長尺原紙を用いることもできる(マルチプライ)。
長尺衛生用紙の長さ、即ち巻き取り長は、ロール状衛生用紙の種類によって異なる。例えば、ロール状トイレットペーパーの場合であれば25〜90m、ロール状キッチンタオルの場合であれば10〜20mとすることが一般的である。
製品幅はロール状衛生用紙の種類によって異なる。例えば、ロール状トイレットペーパーの場合であれば105〜114mm、ロール状キッチンタオルの場合であれば210〜228mmとすることが一般的である。
[4−3]製造方法:
本発明に係るロール状衛生用紙は、本発明の製造方法に係る紙管を巻芯として用いることを除いては、従来公知のロール状衛生用紙と同様の方法により製造することができる。例えば、以下に示すような方法により製造することができる。
[4−3a]長尺衛生用紙の紙管への接着固定:
第1の工程は、紙管の外周面に、紙管の長手方向に沿ってピックアップ糊を塗工してピックアップ糊塗工部を形成し、ピックアップ糊塗工部を介して、紙管の外周面に長尺原紙の始端部を接着固定する工程である。
長尺原紙としては通常の製品(トイレットペーパーの場合、幅114mm、長さ50〜60m程度)に比して、更に幅広かつ長尺な原紙(製品に対し、幅10〜60倍、長さ500〜2000倍程度。以下、「幅広長尺原紙」と記す。)を用いることが好ましい。このような幅広長尺原紙を用いることで大量生産、連続生産が可能となる。通常は前記幅広長尺原紙を大径に巻回した原反ロールから幅広長尺原紙を供給する。
この製造方法においては、紙管としてロール状衛生用紙の幅の10〜60倍の長さを有する長尺紙管を用いることが好ましい。このような長尺紙管を前記幅広長尺原紙とともに用いれば一時に複数個のロール状衛生用紙を製造することができる。
ピックアップ糊は、紙管の外周面に長尺原紙の始端部を接着固定するための接着剤である。接着剤の種類は特に限定されないが、長尺原紙を迅速に接着固定することができ、長尺原紙を巻き取る際の引張力にも耐え得る接着強度を有する接着剤であることが好ましい。このような接着剤としては水溶性接着剤が好ましく、セルロース誘導体接着剤が更に好ましい。市販のセルロース誘導体接着剤の中では、ウエットタックが強く、ピックアップ性に優れるという理由から、カネビノールTV976、カネビノールTV986(いずれも商品名、日本エヌエスシー社製)が特に好ましい。
「紙管の長手方向に沿って」とは、ピックアップ糊塗工部が紙管の軸方向と平行するように形成されていれば足り、長手方向の全域において連続的に形成されていることを要しない。
ピックアップ糊塗工部の形成は、従来公知の接着剤塗工方法によって形成することができる。例えば、コーターによる塗布、スプレーによる噴霧等を挙げることができる。中でも、所望の部位に確実に接着剤を塗工することができるという理由からコーターによる塗布が好ましい。
前記のように形成されたピックアップ糊塗工部を介して、紙管の外周面に長尺原紙の始端部を接着固定する。具体的には、ピックアップ糊塗工部が形成された紙管と長尺原紙とを圧接することにより接着固定を行う。なお、この接着は、ピックアップ糊塗工部が長尺原紙の始端から10〜150mm離れた位置に配置されるように行うことが好ましい。
このような工程は、例えば図3に示すようなワインダー50を用いて行うことができる。図3中、R1〜R5はロールを示す。
まず、図3のA部に示すように長尺紙管52に円筒状又は円柱(棒)状のマンドレルシャフト54を挿入し、長尺紙管52をマンドレルシャフト54に固定する。次いで、図3のB部に示すようにコーター56を用いて長尺紙管52にピックアップ糊58を塗工し、ピックアップ糊塗工部60を形成する。
更に、図3のC部に示すように長尺紙管52が固定されたマンドレルシャフト54を送出ローラー62の方へ移動させ、長尺紙管52に形成されたピックアップ糊塗工部60と送出ローラー62から送出された幅広長尺原紙64とを圧着させる。この操作により長尺紙管52と幅広長尺原紙64とを接着固定させることができる。
[4−3b]長尺衛生用紙の巻き取り:
第2の工程は、長尺原紙を製品長さ分だけ紙管に巻き取ってロールを形成し、長尺原紙の終端部又はロールの外周面に、長尺原紙又はロールの幅方向に沿ってテールシール糊を塗工してテールシール糊塗工部を形成し、テールシール糊塗工部を介して、ロールの外周面に長尺原紙の終端部を接着固定する工程である。前記のように長尺紙管と幅広長尺原紙を用いる場合には、幅広のロール状衛生用紙であるログが形成される。
テールシール糊はロールの外周面に長尺原紙の終端部を接着固定するための接着剤である。テールシール糊の種類は特に限定されるものではなく、長尺原紙を迅速に接着固定することができ、容易に剥離しない接着強度を有する接着剤であることが好ましい。このような接着剤としては、水溶性接着剤が好ましく、セルロース誘導体接着剤が更に好ましい。市販のセルロース誘導体接着剤の中では、ウエットタックが強く、乾燥性に優れるという理由から、カネビノールTV995、カネビノールTV997(いずれも商品名、日本エヌエスシー社製)が特に好ましい。
「長尺原紙の幅方向に沿って」とは、テールシール糊塗工部が長尺原紙の終端と平行するように形成されていれば足り、終端部において連続的に形成されていることを要しない。テールシール糊塗工部は、長尺原紙の終端部に形成してもよいし、ロールの外周面(具体的には、長尺原紙の終端部が当接する部分)に形成してもよい。テールシール糊塗工部は長尺原紙の終端から10〜50mm離れた位置、又はロールの外周面において長尺原紙の前記位置が当接される位置に形成することが好ましい。
前記工程をより具体的に説明すると、図3のD部に示すように、マンドレルシャフト54を図示されない噛み合わせのギア等によって長尺紙管52の周方向に回転させる。この回転により幅広長尺原紙64が長尺紙管52に対して巻き取られてロール66が形成される。幅広長尺原紙64は製品長さ分だけ長尺紙管52に巻き取られた後、切断される。この切断によって幅広長尺原紙の終端部が形成される。
次いで、図3のE部に示すようにコーター68を用いて幅広長尺原紙64の終端部にテールシール糊を塗工し、テールシール糊塗工部70を形成する。更に、幅広長尺原紙64の終端部に形成されたテールシール糊塗工部70とロール66の外周面とを圧着させる。この操作により幅広長尺原紙64の終端部とロール66の外周面とが接着固定され、幅広のロール状衛生用紙であるログ72を形成することができる。
[4−3c]ログの切断:
前記のように形成されたログを切断刃により製品幅に切断して最終製品であるロール状衛生用紙を得る。
「切断刃」としては、ログソー(丸刃)、バンドソー(平刃)等、従来公知の切断刃を用いることができる。刃の厚さとしては、2〜10mmのものが好適に用いられる。
本発明に係る紙管の製造方法は、ロール状トイレットペーパー、ロール状キッチンタオル等のロール状衛生用紙の巻芯となる紙管を製造する方法として好適に用いることができる。
1:紙管、2:帯状紙、4:マンドレルシャフト、6:印刷、8:印刷帯状紙、10:非印刷帯状紙、12:接着剤、14:インクジェットプリンター、16:塗布スポンジ、18,20:プーリー、22,24:ベルト、26:スパイラル巻回体、28:切断刃、50:ワインダー、52:長尺紙管、54:マンドレルシャフト、56:コーター、58:ピックアップ糊、60:ピックアップ糊塗工部、62:送出ローラー、64:幅広長尺原紙、66:ロール、68:コーター、70:テールシール糊塗工部、72:ログ、L:軸線、d:斜め方向、R1,R2,R3,R4,R5,R6:ロール。

Claims (3)

  1. 紙管の芯材となる複数枚の帯状紙のうち前記紙管の最外層に配置される帯状紙の直下に配置される帯状紙にはその表面に印刷を施して印刷帯状紙とし、前記印刷帯状紙をマンドレルシャフトの軸線に対して斜め方向に送り込み、前記マンドレルシャフトに対しスパイラル状に巻き付けるとともに、
    前記紙管の最外層に配置される帯状紙はその表面に印刷が施されていない非印刷帯状紙とし、前記非印刷帯状紙の裏面には接着剤を塗工して接着層を形成し、前記非印刷帯状紙を前記マンドレルシャフトの軸線方向に対して斜め方向に送り込み、前記マンドレルシャフトに巻き付けられた前記印刷帯状紙とは相互に位置をずらしながら、前記マンドレルシャフトに巻き付けられた前記印刷帯状紙の表面に前記非印刷帯状紙をスパイラル状に巻き付けて両帯状紙を相互に重畳させ、
    前記接着層により両帯状紙を相互に貼り合わせて紙管を得る紙管の製造方法。
  2. 前記印刷帯状紙及び前記非印刷帯状紙として、厚さ180〜500μm、密度0.4〜1.5g/cmの範囲内の単層漉き帯状紙を用い、
    前記非印刷帯状紙の裏面に、固形分40〜50%、粘度500〜4000mPa・sの範囲内の酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤を、塗工量10〜30g/mの範囲内で塗工して前記接着層を形成する請求項1に記載の紙管の製造方法。
  3. 巻芯となる紙管に対して長尺衛生用紙がロール状に巻き取られてなるロール状衛生用紙であって、
    前記紙管が、芯材として表面に印刷が施された印刷帯状紙と、表面に印刷が施されていない非印刷帯状紙とを有し、
    前記非印刷帯状紙は前記紙管の最外層に、前記印刷帯状紙は前記非印刷帯状紙の直下に配置され、
    スパイラル状に巻回された前記印刷帯状紙の表面に、前記印刷帯状紙とは相互に位置をずらすように前記非印刷帯状紙がスパイラル状に巻回されて両帯状紙が重畳されており、
    接着層により両帯状紙が相互に貼り合わされているロール状衛生用紙。
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