JP2011130764A - 胚様体分化制御剤 - Google Patents

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【課題】胚様体の分化制御を図る手段を提供する。
【解決手段】糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸を有効成分として含有する胚様体分化制御剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、糖鎖関連遺伝子発現の制御による胚様体の分化制御に関する。
近年、幹細胞の研究は、発生・分化に関するメカニズム解明や再生医療などにおいて非常に重要な役割を担っている。
幹細胞は、その出現時期により胚性幹細胞、胎児性幹細胞、成体幹細胞に分類される。その中でも胚性幹細胞(ES細胞)は、胎盤を除くすべての細胞種に分化する能力を有するため、再生医療のための細胞ソースとして注目されており、ES細胞をin vitroで種々の分化細胞に誘導する研究が盛んに行われている。
ES細胞から特定の細胞種に分化誘導させる場合、その中間段階において、初期胚に類似した構造を有する胚様体(embryoid body:EB)と呼ばれる球形の細胞塊が形成される。目的細胞への分化効率や分化した細胞の機能発現は、胚様体に大きく影響を受けるものと考えられる。そのため、胚様体の分化状態を制御することは、ES細胞をベースとした再生医療等の実用化において重要な課題となっている。
一方、糖鎖は、細胞の生存に必須であるばかりでなく、がん、免疫、発生・分化や感染症などにおいて特に重要な役割を果たしていることが報告されている。発生分化の過程においては、その分化程度や状態に敏感に影響され、糖鎖を合成する糖転移酵素遺伝子の発現パターンが変化し、合成される糖鎖構造も変化することが知られている。
たとえば、糖転移酵素EXT1が細胞の分化制御に関与することが報告されている(特許文献1)。
しかしながら、胚様体の分化に関与する種々の糖鎖又は糖鎖関連遺伝子については報告がなされておらず、かかる糖鎖又は糖鎖関連遺伝子を利用した胚様体分化制御の手段の開発が望まれていた。
特開2007−325542号
本発明の課題は、胚様体の分化制御に関与する糖鎖関連遺伝子を同定し、それらを利用して分化制御を図る手段を提供することである。
本発明者らは、上記課題解決のために鋭意検討を行い、所定の糖鎖関連遺伝子の発現を制御することにより、胚様体の分化を制御できることを見いだし、本発明を完成させた。
本発明の要旨は以下の通りである。
〔1〕糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸を有効成分として含有する胚様体分化制御剤。
〔2〕糖鎖関連遺伝子が、β4GalNAcT3、MGAT5、galectin3、galectin7、GlcCer synthase、ST3GalV、Core1β3GalT1及びβ3GlcNAcTVからなる群から選ばれる、〔1〕に記載の胚様体分化制御剤。
〔3〕β4GalNAcT3の発現を抑制する核酸を有効成分として含有し、胚様体の未分化性を解除するために用いられる、〔2〕に記載の胚様体分化制御剤。
〔4〕胚様体の外胚葉への分化を抑制し、内胚葉への分化を促進するために用いられる、〔3〕に記載の胚様体分化制御剤。
〔5〕有効成分がsiRNA又は該siRNAの発現ベクターである、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の胚様体分化制御剤。
〔6〕胚様体が哺乳類のES細胞に由来する、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の胚様体分化制御剤。
〔7〕幹細胞に対して糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸を導入し、該幹細胞に由来する胚様体の分化を制御することを特徴とする胚様体分化制御方法。
〔8〕糖鎖関連遺伝子が、β4GalNAcT3、MGAT5、galectin3、galectin7、GlcCer synthase、ST3GalV、Core1β3GalT1及びβ3GlcNAcTVからなる群から選ばれる、〔7〕に記載の胚様体分化制御方法。
〔9〕幹細胞に対してβ4GalNAcT3の発現を抑制する核酸を導入し、該幹細胞に由来する胚様体の未分化性を解除する、〔8〕に記載の胚様体分化制御方法。
〔10〕外胚葉への分化を抑制し、内胚葉への分化を促進する、〔9〕に記載の胚様体分化制御方法。
〔11〕糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸がsiRNA又は該siRNAの発現ベクターである、〔7〕〜〔10〕のいずれかに記載の胚様体分化制御方法。
〔12〕幹細胞が哺乳類のES細胞である、〔7〕〜〔11〕のいずれかに記載の胚様体分化制御方法。
〔13〕請求項7〜12のいずれか1項に記載の胚様体分化制御方法で分化制御された細胞。
本発明により、非常に簡便に胚様体分化を制御・管理することができ、ES細胞をベースとする再生医療の実現に貢献することができる。
本発明分化制御剤を作用させた胚様体における各種胚葉マーカー遺伝子のmRNA発現量を示す図である。 本発明分化制御剤を作用させた胚様体における各種胚葉マーカー遺伝子のmRNA発現量を示す図である。 本発明分化制御剤を作用させた胚様体における各種胚葉マーカー遺伝子のmRNA発現量を示す図である。 本発明分化制御剤を作用させた胚様体における各種胚葉マーカー遺伝子のmRNA発現量を示す図である。 本発明分化制御剤を作用させた胚様体における各種胚葉マーカー遺伝子のmRNA発現量を示す図である。 本発明分化制御剤を作用させた胚様体における各種胚葉マーカー遺伝子のmRNA発現量を示す図である。 本発明分化制御剤を作用させた胚様体における各種胚葉マーカー遺伝子のmRNA発現量を示す図である。 本発明分化制御剤を作用させた胚様体における各種胚葉マーカー遺伝子のmRNA発現量を示す図である。 β4GalNAcT3−KDにおけるLacdiNAcの量をFACS分析で調べた結果を示す図である。図9中、aは陰性対照の結果を示し、bはβ4GalNAcT3−KDの結果を示す。 β4GalNAcT3−KDにおけるALP活性を調べた結果を示す図である。図10中、aは陰性対照の結果を示し、bはβ4GalNAcT3−KDの結果を示す。 β4GalNAcT3−KDにおける未分化マーカーOct3/4のmRNA発現量をリアルタイムPCRにより調べた結果を示す図である。図11中、aは陰性対照の結果を示し、bはβ4GalNAcT3−KDの結果を示す。 β4GalNAcT3−KDにおける未分化マーカーNanogのmRNA発現量をリアルタイムPCRにより調べた結果を示す図である。図12中、aは陰性対照の結果を示し、bはβ4GalNAcT3−KDの結果を示す。 LIF非存在下で培養して未分化性を解除したマウスES細胞において、LacdiNAcの量を調べた結果を示す図である。aはLIF存在下で培養した結果を示し、bはLIF非存在下で培養した結果を示す。 β4GalNAcT3−KDの細胞増殖速度を調べた結果である。aは陰性対照の結果を示し、bはβ4GalNAcT3−KDの結果を示す。 β4GalNAcT3−KDにおけるリン酸化STAT3の量をウェスタンブロットにより調べた結果を示す図である。aは陰性対照の結果を示し、bはβ4GalNAcT3−KDの結果を示す。
以下、発明を実施するための形態により、本発明を詳説する。
本明細書において「胚様体」とは、ヒトやマウス等の哺乳類由来のES細胞やiPS細胞などの多能性幹細胞を、浮遊培養等の手法により分化させた際に形成される胚様の形態をした細胞塊のことを指す。
[本発明の分化制御剤]
本発明の分化制御剤は、所定の糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸を有効成分として含有することを特徴とする。
当該糖鎖関連遺伝子としては、目的とする分化状態に応じて、N結合型糖鎖、ムチン型糖鎖、ガレクチン、糖脂質、LacDiNAc、ルイス糖鎖、ラクトサミン糖鎖等の合成に関与する遺伝子を任意に選択することができる。例えば、MGAT1、MGAT2、MGAT3、MGAT4A、MGAT4B、MGAT4C、MGAT5、FUT8、ppGalNAcT1、ppGalNAcT2、ppGalNAcT3、ppGalNAcT4、ppGalNAcT5、ppGalNAcT6、ppGalNAcT7、ppGalNAcT9、ppGalNAcT10、ppGalNAcT11、ppGalNAcT12、ppGalNAcT13、Core1β3GalT1、Core1β3GalT2、Core2GnT1、Core2GnT2、galactin1、galactin2、galactin3、galactin4、galactin7、galactin8、galactin9、galactin12、GalCerT、GM2/GD2、β3GalT3、GlcCerT、β3GnT5、β3GalT4、ST3Gal5、β4GalT3、β4GalT4、β4GaT6、β3GalT1、FUT4、FUT7、FUT9、β4GalNAcT3、iGnT、β3GnT2、β3GnT3、β3GnT4、β3GalT2、β3GalT5、β4GalT1、β4GalT2、β4GalT4、β4GalT5等、種々の遺伝子とすることができる。
かかる遺伝子の中でもMGAT5は、その発現を抑制することにより、胚様体におけるすべての胚葉(原始内胚葉、遠位内胚葉、近位内胚葉、原始外胚葉、中胚葉、外胚葉)への分化を抑制することが可能である。したがって、MGAT5の発現を抑制する核酸は、例えば、胚様体の分化を抑制するための薬剤(未分化性を維持するための薬剤)の有効成分として用いることができる。
galactin3は、その発現を抑制することにより、原始内胚葉及び中胚葉への分化を抑制すること、並びに外胚葉への分化を促進させることが可能である。したがって、galactin3の発現を抑制する核酸は、例えば、胚様体の分化を促進するための薬剤(未分化性を解除するための薬剤)の有効成分として用いることができる。また、胚様体の外胚葉への分化を促進するための薬剤の有効成分としても好適に使用することができる。
galactin7は、その発現を抑制することにより、原始内胚葉、遠位内胚葉、近位内胚葉及び中胚葉への分化を抑制すること、並びに外胚葉への分化を促進させることが可能であり、特に中胚葉への分化を強力に抑制する。したがって、galactin7の発現を抑制する核酸は、例えば、胚様体の分化を促進するための薬剤の有効成分として使用することができる。また、胚様体の外胚葉への分化を促進するための薬剤や中胚葉への分化を抑制するための薬剤の有効成分としても好適に使用することができる。
β4GalNAcT3は、その発現を抑制することにより、原始外胚葉、中胚葉及び外胚葉への分化を抑制すること、並びに原始内胚葉、遠位内胚葉、近位内胚葉(すなわち胚体外内胚葉)への分化を促進させることが可能であり、特に外胚葉への分化を強く抑制する。したがって、β4GalNAcT3の発現を抑制する核酸は、例えば、胚様体の分化を促進するための薬剤として使用することができ、胚様体の内胚葉への分化を促進するための薬剤や外胚葉への分化を抑制するための薬剤の有効成分としても好適に使用することができる。
GlcCer synthaseは、その発現を抑制することにより、遠位内胚葉、原始外胚葉、中胚葉及び外胚葉への分化を抑制すること、並びに原始内胚葉への分化を促進させることが可能であり、特に原始外胚葉、中胚葉及び外胚葉への分化を強く抑制する。したがって、GlcCer synthaseの発現を抑制する核酸は、例えば、胚様体の分化を促進するための薬剤の有効成分として使用することができる。また、胚様体の原始内胚葉への分化を促進するための薬剤の有効成分としても好適に使用することができる。
ST3GalVは、その発現を抑制することにより、原始外胚葉、中胚葉及び外胚葉への分化を抑制すること、並びに原始内胚葉、遠位内胚葉、近位内胚葉(すなわち胚体外内胚葉)への分化を促進させることが可能であり、特に外胚葉への分化を強力に抑制する。したがって、ST3GalVの遺伝子発現を抑制する核酸は、例えば、胚様体の分化を促進するための薬剤の有効成分として使用することができる。また、胚様体の内胚葉への分化を促進するための薬剤や外胚葉への分化を抑制するための薬剤の有効成分としても好適に使用することができる。
Core1β3GalT1は、その発現を抑制することにより、原始内胚葉、原始外胚葉及び中胚葉への分化を抑制すること、並びに遠位内胚葉、近位内胚葉への分化を促進させることが可能であり、特に中胚葉への分化を強力に抑制する。したがって、ST3GalVの遺伝子発現を抑制する核酸は、例えば、胚様体の分化を促進するための薬剤の有効成分として使用することができる。また、胚様体の中胚葉への分化を抑制するための薬剤の有効成分としても好適に使用することができる。
β3GlcNAcTVは、その発現を抑制することにより、外胚葉への分化を抑制すること、及び原始内胚葉への分化を促進させることが可能である。したがって、β3GlcNAcTVの遺伝子発現を抑制する核酸は、例えば、胚様体の分化を促進するための薬剤として使用することができる。また、胚様体の原始内胚葉への分化を促進するための薬剤や外胚葉への分化を抑制するための薬剤としても好適に使用することができる。
本発明の分化制御剤の有効成分である核酸は、所定の糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸であれば、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、1本鎖、2本鎖であるかを問わず、いずれをも包含するものとする。また、ペプチド核酸(PNA:peptide nucleic acid)等の化学合成核酸アナログも本発明の核酸に含まれる。
「糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸」としては、RNA干渉(RNA interference、以下RNAiと記す)の効果により糖鎖関連遺伝子発現を阻害する機能を有する核酸を用いることができる。RNAiを利用した遺伝子発現の抑制は、効果が安定である、実験が容易である、費用が安価である等の利点を有する点で好ましい。
RNAiに用いる核酸は、糖鎖関連遺伝子又は当該遺伝子の部分領域と完全な相同性を有することが好ましいが、必ずしも完全同一である必要はない。
上記RNAiに用いる核酸としてsiRNA(短鎖二本鎖RNA)を用いる場合、その設計にあたっては、糖鎖関連遺伝子の任意の領域を標的候補とすることができる。例えば、胚様体がマウスES細胞に由来するものであれば、MGAT5遺伝子の塩基配列(Genbank Accession No. NM_145128)、galactin3遺伝子の塩基配列(Genbank Accession No. NM_010705)、galactin7遺伝子の塩基配列(Genbank Accession No. NM_008496)、β4GalNAcT3遺伝子の塩基配列(Genbank Accession No. NM_198884)、GlcCer synthase遺伝子の塩基配列(Genbank Accession No. NM_011673)、ST3GalV遺伝子の塩基配列(Genbank Accession No. NM_011375)、Core1β3GalT1遺伝子の塩基配列(Genbank Accession No. NM_052993)、β3GlcNAcTV(Genbank Accession No. NM_054052)等をもとに作製することができる。
より具体的には、上述した配列の一部の領域を標的とし、該領域と同一の塩基配列を有するsiRNAを作製することができ、例えば、MGAT5の遺伝子の塩基配列の一部領域(配列番号1)、galactin3遺伝子の塩基配列の一部領域(配列番号2)、galactin7遺伝子の塩基配列の一部領域(配列番号3)、β4GalNAcT3遺伝子の塩基配列の一部領域(配列番号4)、GlcCer synthase遺伝子の塩基配列の一部領域(配列番号5)、ST3GalV遺伝子の塩基配列の一部領域(配列番号6)、Core1β3GalT1遺伝子の塩基配列の一部領域(配列番号7)、β3GlcNAcTV遺伝子の塩基配列の一部領域(配列番号8)等と同一の配列を有するsiRNAを作製することができる。
また、上述した配列を標的にするsiRNAにおいて、1又は数個の塩基の置換、欠失、挿入又は転位を有するものであっても、上述の糖鎖関連遺伝子の発現を抑制する機能を有するものであれば、本発明の核酸に含まれる。なお、上記「数個」とは、構成する塩基全数の好ましくは20%未満(21塩基からなる核酸であれば4塩基以下)、より好ましくは10%未満(21塩基からなる核酸であれば2塩基以下)の整数を表す。また、上記「1又は数個」とは、1〜10個の整数、好ましくは1〜5個の整数を表わす。
さらに、これらのsiRNAの相補鎖とストリンジェントな条件下においてハイブリダイズしうる核酸も、本発明の核酸に包含される。ここで、ハイブリダイゼーションは、例えば、Sambrookら、Molecular Cloning, A Laboratory Manual,2d Ed., Cold Spring Harbor Laboratory(1989)に記載の方法により実施することができ、「ストリンジェントな条件」としては、例えば、6×SSC(1×SSCの組成:0.15M NaCl、0.015M クエン酸ナトリウム、pH7.0)、0.5%SDS、5×デンハルト、100μg/mlサケ精子DNAを含む溶液中、プローブとともに65℃で一晩保温するという条件などが挙げられる。また、「ストリンジェントな条件」として好ましくは、60℃、1×SSC、0.1%SDS、より好ましくは、60℃、0.1×SSC、0.1% SDSに相当する温度及び塩濃度で、1回、より好ましくは2〜3回洗浄する条件が挙げられる。
ここで、siRNAには、ショートヘアピンRNA(shRNA:short hairpin RNA)のような、分子内において二本鎖RNA構造を形成し得る分子も含む。
また、siRNAは、必ずしも標的配列に対する一組の二本鎖RNAである必要はなく、標的配列を含んだ領域に対する複数組の二本鎖RNAの混合物であってもよい。例えば、標的となる糖鎖関連遺伝子のmRNA全長又は全長に近い領域に対応する長鎖二本鎖RNAを予めDICER酵素で分解し、その分解産物を本発明の核酸として用いることができる。
さらに、「糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸」は、上述したRNAを発現し得る発現ベクターであっても良い。かかる発現ベクターとしては、例えば、二本鎖RNAの一方の鎖をコードするDNA及び他方の鎖をコードするDNAがそれぞれ発現し得るようにプロモーターと連結した構造を有するDNAが挙げられる。かかる発現ベクターは、当業者であれば、一般的な遺伝子工学技術により適宜作製することができる。発現ベクターとして、pBAsiやpiGENEといったNakedプラスミドベクター、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター等を好適に用いることができる。
「糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸」は、上述したものの他に、糖鎖関連遺伝子の転写産物又はその一部に対するアンチセンス核酸や、当該遺伝子の転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有する核酸等が挙げられる。
アンチセンス核酸の配列は、当該遺伝子又はその一部と相補的な配列であることが好ましいが、遺伝子発現を有効に抑制できる限りにおいて、完全同一でなくても良い。
本発明の分化制御剤の有効成分となる核酸の合成は、当業者であれば本明細書中に開示されている情報に基づき適宜既存技術を用いて行うことができる。
なお「糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸」としては、上述した核酸の他に、当該糖鎖関連遺伝子の発現を促進させる機能を有する核酸や、当該糖鎖関連遺伝子を過剰発現し得る核酸を用いることができる。これらの核酸を用いることにより、当該糖鎖関連遺伝子発現抑制時の効果とは逆の効果を得ることが可能である。すなわち、遺伝子発現抑制時に分化促進効果を有するものは分化抑制効果を、同じく分化抑制効果を有するものは分化促進効果を得ることが可能である。
本発明の分化制御剤は、該分化制御剤の有効成分である核酸がES細胞やiPS細胞に導入されることで、該ES細胞やiPS細胞に由来する胚葉体中において、特定の遺伝子発現を直接又は間接的に制御することができる。本発明の分化制御剤の有効成分である核酸をES細胞やiPS細胞に導入する方法は通常の方法で行うことができる。本発明の分化制御剤は、単独で又は複数組み合わせて使用することにより、目的の分化状態にある細胞(細胞塊)を形成することが可能である。
本発明の分化制御剤は、有効成分である核酸の他、該核酸の安定化剤、緩衝液、防腐剤、塩等の他の成分を含有してもよい。また、本発明の分化制御剤は、レトロウイルスやアデノウイルス等の細胞感染能を有するウイルスの形態であってもよい。
[本発明の分化制御方法]
本発明の胚様体分化制御方法は、対象となる細胞に対して、糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸を導入し、当該胚様体の分化を制御することを特徴とする。
対象となる細胞とは、未分化な細胞又は脱分化した細胞であり、例えば、哺乳類の胚性幹細胞(ES細胞)、人工多能性幹細胞(iPS細胞)等が挙げられる。
本発明の胚様体分化制御方法に用いる「糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸」は、上記の胚様体分化制御剤において説明した糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸と同義である。
対象となる細胞に糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸を導入するための方法は、通常の方法を採用することができる。
糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸としてRNAi効果による阻害作用を有する核酸を用いる場合には、例えば、合成siRNAをES細胞等の細胞内に導入したり、siRNAを発現しうる発現ベクターをES細胞等の細胞内に導入して細胞内でsiRNAを形成させたりすることで、胚様体の分化を制御することができる。
糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸の発現ベクターへの挿入に際しては、核酸の機能を損なわない限りにおいて、制限酵素断片の連結や核酸の末端領域の一部切断を行ってもよい。また、かかる発現ベクターは、本発明の分化制御方法を適用する対象細胞で用いることのできるベクターであれば特に限定はされない。例えば、pBAsiやpiGENEといったNakedプラスミドベクター、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター等から、当業者であれば目的に合わせて適宜選択して使用することが容易である。
[本発明の細胞]
本発明の細胞は、上記本発明の分化制御方法により分化が制御された細胞である。該細胞には、分化開始前の細胞、分化過程の細胞、分化した細胞のいずれもが含まれる。本発明の細胞には、本発明の分化制御方法によって胚様体から分化した組織や器官に含まれる細胞をも含む。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の記述に限定されるものではない。
各種標的配列(配列番号1〜8)及びそれと相補的な配列を含むshRNA発現レトロウイルスベクターpSUPER.retro.puro(OligoEngine社製)並びに、陰性対照としてEGFP配列及びそれと相補的な配列を含む同ベクターをパッケージング細胞であるPLAT−E細胞にトランスフェクションし、レトロウイルスを産生させた。
産生させたレトロウイルスをマウスES細胞であるR1セルライン(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90(1993)8424−8428に記載、自然科学研究機構 生理学研究所 分子神経生理研究部門 より供与)に感染させた後、5日から7日間ピューロマイシン存在下でセレクションを続け、各種shRNA安定発現細胞を得た。
得られたshRNA安定発現細胞をleukemia inhibitory factor(LIF)非存在下、非接着性シャーレであるローセルバインディング6cmディッシュ(Nunc)にて4日から12日間培養し、経時的に回収した。
回収した胚様体からcDNAを作成し、ABI PRISM(登録商標)7700 sequence detection systemを用いて常法に従ってリアルタイムPCRを行い、各種胚葉マーカー遺伝子の発現量を測定した。使用したプライマー及びプローブを下記表1に示す。なお、上記の各種shRNA安定発現細胞において、shRNAの標的遺伝子のmRNA量が、陰性対照のレトロウイルス感染細胞に比べて半分以下に減少していることをRT−PCRにより確認した。
Figure 2011130764
結果を図1〜図8に示す。グラフの縦軸は、胚様体における各種胚葉マーカー遺伝子のmRNA発現量をβアクチンのmRNA発現量で補正し、培養0日目における陰性対象のmRNAを1とした場合の相対値を示す。
MGAT5遺伝子配列の一部(配列番号1)を標的配列としたRNAiを行った胚様体においては、中胚葉マーカーT及びGoosecoidのmRNA発現量が、培養4日目に、陰性対象と比較して約1/2に減少していた。また、その他の胚葉マーカー(原始内胚葉、遠位内胚葉、近位内胚葉、原始外胚葉、外胚葉マーカー)においてもmRNA発現の減少が確認された。
galectin3遺伝子配列の一部(配列番号2)を標的配列としたRNAiを行った胚様体においては、原始内胚葉マーカーGata6並びに中胚葉マーカーT及びGoosecoidのmRNA発現が陰性対象と比較して減少していた。一方で、外胚葉マーカーMash1のmRNA発現は、培養12日目に、陰性対象と比較して約2倍に増加していた。
galectin7遺伝子配列の一部(配列番号3)を標的配列としたRNAiを行った胚様体においては、原始内胚葉マーカーGata6、遠位内胚葉マーカーLamininB1、近位内胚葉マーカーBmp2及び中胚葉マーカーT及びGoosecoidのmRNA発現が減少していた。特に中胚葉マーカーの発現減少は著しく、培養4日目に、陰性対象と比較してTで約1/5、Goosecoidで約1/3に減少していた。一方で、外胚葉マーカーのmRNA発現は、培養12日目に、陰性対象と比較してMash1で約2倍、Pax6で約1.3倍に増加していた。
β4GalNAcT3遺伝子配列の一部(配列番号4)を標的配列としたRNAiを行った胚様体においては、原始内胚葉マーカーGata6、遠位内胚葉マーカーLamininB1、近位内胚葉マーカーBmp2のmRNA発現が陰性対象と比較して増加していた。一方で、原始外胚葉マーカーFgf5のmRNA発現は、培養4日目に、陰性対象と比較して約2/3に減少していた。また、中胚葉マーカーのmRNA発現も、培養4日目に、陰性対象と比較してT及びGoosecoidで約2/3に減少していた。さらに、外胚葉マーカーのmRNAは、培養12日目に、陰性対象と比較してMash1で約2/3、Pax6で約1/2に減少していた。
GlcCer synthase遺伝子配列の一部(配列番号5)を標的配列としたRNAiを行った胚様体においては、原始内胚葉マーカーGata6のmRNA発現が増加したが、遠位内胚葉マーカーLamininB1のmRNA発現が、培養4日目に、陰性対象と比較して約3/5に減少していた。また、中胚葉マーカーのmRNA発現も、培養4日目に、陰性対象と比較してTで約3/5、Goosecoidで約1/2に減少していた。さらに、外胚葉マーカーのmRNAは、培養12日目に、陰性対象と比較してMash1で約2/3、Pax6で約1/3に減少していた。
ST3GalV遺伝子配列の一部(配列番号6)を標的配列としたRNAiを行った胚様体においては、原始内胚葉マーカーGata6、遠位内胚葉マーカーLamininB1、近位内胚葉マーカーBmp2のmRNA発現が陰性対象と比較して増加していた。特にBmp2では、培養4日目に、陰性対象の約2.4倍と著しく増加していた。一方で、原始外胚葉マーカーFgf5のmRNA発現は、培養4日目に、陰性対象と比較して約2/3に減少していた。また、中胚葉マーカーのmRNA発現も、培養4日目に、陰性対象と比較してTで約5/7、Goosecoidで約4/5に減少していた。さらに、外胚葉マーカーのmRNAは12日目に、陰性対象と比較してMash1で約2/3、Pax6で約1/2と著しく減少していた。
Core1β3GalT1遺伝子配列の一部(配列番号7)を標的配列としたRNAiを行った胚様体においては、中胚葉マーカーのmRNA発現が、培養4日目に、陰性対象と比較してT及びGoosecoidで約1/5と著しく減少していた。また、原始内胚葉マーカーGata6及び原始外胚葉マーカーFgf5においてもmRNA発現の減少が確認された。一方で、遠位内胚葉マーカーLamininB1、近位内胚葉マーカーBmp2は、培養8日目に、mRNA発現の増加が確認された。
β3GlcNAcTV遺伝子配列の一部(配列番号8)を標的配列としたRNAiを行った胚様体においては、培養12日目に、外胚葉マーカーの発現が、陰性対象と比較してMash1で4/5、Pax6で1/2に減少していた。
続いて、β4GalNAcT3遺伝子配列の一部(配列番号4)を標的配列としてRNAiを行ったマウスES細胞(以下、β4GalNAcT3−KDと呼ぶ。)について、その分化の態様をさらに詳細に調べた。なお、以下で陰性対照として使用しているのは、特に断りのない限り、EGFP配列を標的配列としてRNAiを行ったマウスES細胞である。
[β4GalNAcT3−KDに存在するLacdiNAcの解析]
β4GalNAcT3は、UDP−GalNAcをドナー基質、GlcNAcβ1−をアクセプター基質とし、β1−4結合によってGalNAcを転移し、GalNAcβ1−4GlcNAc構造(LacdiNAc構造)を合成する酵素である。そこで、β4GalNAcT3−KDにおけるLacdiNAcの量をFACS分析により調べた。
具体的には、β4GalNAcT3−KDをLIF存在下、ゼラチンコートディッシュ(Nunc)にて1日間培養後にピューロマイシン存在下で1日間培養した後、EDTAで処理して細胞を回収し、この細胞懸濁液をFACS緩衝液(0.5質量%ウシ血清アルブミン(BSA)及び0.1質量%アジ化ナトリウムを含むPBS溶液)で希釈したFITC標識WFAレクチン(EY社製)溶液中でインキュベートした。洗浄後、FACSAria Cell Sorter(ベクトンディッキンソン社製)を用いてFACS分析を行った。
結果を図9に示す。
図9に示すように、β4GalNAcT3−KDにおいて、陰性対照よりもLacdiNAc構造の存在量が減少(蛍光強度が減少)していることがわかった。
[β4GalNAcT3−KDのALP活性の解析]
未分化で自己複製能を有した状態のES細胞では、アルカリフォスファターゼ(ALP)が高レベルで発現していることが知られている。そこで、β4GalNAcT3−KDにおけるALP活性を調べた。
具体的には、β4GalNAcT3−KDをLIF存在下、ゼラチンコートディッシュ(Nunc)にて2日間培養した。その後低密度にまきなおしてから5日後に、BCIP−NBT溶液キット(ナカライテスク社製)を用いてALP活性を発色性基質により発色させた。顕微鏡下でALP陽性細胞数を数えることでALP陽性細胞数を測定した。
結果を図10に示す。
図10に示すように、β4GalNAcT3−KDにおいて陰性対照よりもALP陽性細胞数が減少していた。この結果は、β4GalNAcT3−KDは未分化性が維持できておらず、分化が促進されていることを示している。
[β4GalNAcT3−KDにおける未分化マーカー遺伝子のmRNA発現量の解析]
さらに、未分化マーカーであるOct3/4とNanogのmRNA量についてリアルタイムPCRにより調べた。
具体的には、β4GalNAcT3−KDをLIF存在下、ゼラチンコートディッシュ(Nunc)にて4日間培養した後回収し、回収した細胞からcDNAを作成し、ABI PRISM(登録商標)7700 sequence detection systemを用いて常法に従ってリアルタイムPCRを行った。使用したプライマー及びプローブを下記表2に示す。
Figure 2011130764
Oct3/4の結果を図11に、Nanogの結果を図12に示す。
図11及び12に示すように、いずれのマーカーについても、そのmRNA量が陰性対照に比べて顕著に低下していた。この結果も、β4GalNAcT3−KDは未分化性が維持できておらず、分化が促進されていることを支持する。
[LacdiNAcと未分化性の関係]
マウスES細胞をLIF非存在下で培養すると、LIF/STAT3シグナルが働かなくなり、その結果未分化性が維持できなくなって分化が促進されることが知られている。上述したように、β4GalNAcT3−KDではLacdiNAcの量が減少しており、未分化性も解除されている。実際にLIF非存在下で培養して未分化性を解除したマウスES細胞において、LacdiNAcの量がどのように変化するかを上記と同様にFACS分析により調べた。
結果を図13に示す。
図13に示すように、LIF非存在下で培養したES細胞では、LIF存在下で培養した場合に比べて、LacdiNAcの量が減少していることがわかった。この結果は、ES細胞の未分化性の維持にLacdiNAcが関与していることを示す。
[β4GalNAcT3−KDの増殖速度の解析]
β4GalNAcT3−KDをLIF存在下、ゼラチンコートディッシュ(Nunc)にて培養したときの増殖速度をCell Counting Kit−8(同仁化学社製)を用いて測定した。
結果を図14に示す。
図14に示すように、β4GalNAcT3−KDでは、陰性対照に比べて増殖速度が顕著に低下していた。一般に分化が開始された細胞は、未分化細胞に比べて増殖が遅くなる傾向がある。したがってこの結果もβ4GalNAcT3−KDにおいて未分化性が解除され、分化が促進されていることを支持する。
[β4GalNAcT3−KDにおけるLIF/STAT3シグナルの解析]
LIF/STAT3シグナルは、マウスES細胞の未分化性を維持するために重要なシグナル経路であり、未分化状態ではLIF/STAT3シグナルが活性化されていることが知られている。そこで、β4GalNAcT3−KDにおけるLIF/STAT3シグナルの状態をウェスタンブロットにより調べた。
具体的には、β4GalNAcT3−KDをLIF存在下、ゼラチンコートディッシュ(Nunc)にて1日間培養後、ピューロマイシンの存在下で1日間培養した。続いて細胞を血清及びLIFの非存在下で4時間培養後、LIFを添加し、又は添加せずに20分培養してから回収し、溶解緩衝液(150mM NaCl、1%TritonX−100、1mMNVO、10mM NaF、プロテアーゼインヒビター(シグマ社製)を含む50mM Tris−HCl pH7.4)で溶解した。この細胞溶解液を10%SDS−PAGEにかけた後、PVDFメンブレン(ミリポア社製)にトランスファーした。このメンブレンをブロッキング後、プライマリー抗体として抗リン酸化STAT3抗体(マウスIgG、ベクトンディッキンソン社製)を、2次抗体としてペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体(Cell Signaling社製)をそれぞれ反応させた。洗浄後、メンブレン上のペルオキシダーゼをECL Plus試薬(GEヘルスケア社製)を用いて発色させた。なお、プライマリー抗体として抗STAT3抗体(マウスIgG、ベクトンディッキンソン社製)を用いて同様の実験を行った。リン酸化STAT3(p−STAT3)の量は、プライマリー抗体として抗STAT3抗体を用いたときのバンド強度に対する、プライマリー抗体として抗リン酸化STAT3抗体を用いたときのバンド強度の割合として評価した。なお、バンド強度はNIHimageで測定した。
結果を図15に示す。
図15に示すように、LIF存在下、β4GalNAcT3−KDでは陰性対照に比べてSTAT3のリン酸化が抑制されていることから、LIF/STAT3シグナルの働きが低下していることがわかる。この結果は、β4GalNAcT3−KDにおいて、LIF/STAT3シグナルを介した未分化性維持機構が抑制され、分化が促進されていることを示す。なお、図15の結果から、LIF非存在下では、STAT3のリン酸化が検出できないことも確認できた。
本発明は、非常に簡便に胚様体分化を制御・管理することを可能とするため、医療・バイオテクノロジーに関わる広範な技術に使用できる。特に再生医療分野において、特定の分化状態にある胚様体を意図的に作製することができると共に、胚様体の品質管理に利用することができる。

Claims (13)

  1. 糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸を有効成分として含有する胚様体分化制御剤。
  2. 糖鎖関連遺伝子が、β4GalNAcT3、MGAT5、galectin3、galectin7、GlcCer synthase、ST3GalV、Core1β3GalT1及びβ3GlcNAcTVからなる群から選ばれる、請求項1に記載の胚様体分化制御剤。
  3. β4GalNAcT3の発現を抑制する核酸を有効成分として含有し、胚様体の未分化性を解除するために用いられる、請求項2に記載の胚様体分化制御剤。
  4. 胚様体の外胚葉への分化を抑制し、内胚葉への分化を促進するために用いられる、請求項3に記載の胚様体分化制御剤。
  5. 有効成分がsiRNA又は該siRNAの発現ベクターである、請求項1〜4に記載の胚様体分化制御剤。
  6. 胚様体が哺乳類のES細胞に由来する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の胚様体分化制御剤。
  7. 幹細胞に対して糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸を導入し、該幹細胞に由来する胚様体の分化を制御することを特徴とする胚様体分化制御方法。
  8. 糖鎖関連遺伝子が、β4GalNAcT3、MGAT5、galectin3、galectin7、GlcCer synthase、ST3GalV、Core1β3GalT1及びβ3GlcNAcTVからなる群から選ばれる、請求項7に記載の胚様体分化制御方法。
  9. 幹細胞に対してβ4GalNAcT3の発現を抑制する核酸を導入し、該幹細胞に由来する胚様体の未分化性を解除する、請求項8に記載の胚様体分化制御方法。
  10. 外胚葉への分化を抑制し、内胚葉への分化を促進する、請求項9に記載の胚様体分化制御方法。
  11. 糖鎖関連遺伝子の発現を制御する核酸がsiRNA又は該siRNAの発現ベクターである、請求項7〜10のいずれか1項に記載の胚様体分化制御方法。
  12. 幹細胞が哺乳類のES細胞である、請求項7〜11のいずれか1項に記載の胚様体分化制御方法。
  13. 請求項7〜12のいずれか1項に記載の胚様体分化制御方法で分化制御された細胞。
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