JP2011128395A - 反射防止フィルムの製造方法及び製造装置 - Google Patents

反射防止フィルムの製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】微細な凹凸構造を持つ反射防止層に欠陥を生じさせない効率的な反射防止フィルムの製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】成形用スタンパーの少なくとも三辺に当接して該成形用スタンパーを所定位置に載置するためのガイド部材を備えた専用パレットに、成形用スタンパーを載置する工程(A)と、成形用スタンパーの一辺に沿って電離放射線硬化性樹脂を載せる工程(B)と、成形用スタンパー上に基材フィルムを載せる工程(C)と、電離放射線硬化性樹脂上の基材フィルムの上から、押圧部材を押圧しながら移動させ、電離放射線硬化性樹脂を成形用スタンパーからこぼさないで成形用スタンパーの全面に引き延ばす工程(D)と、基材フィルム側から電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂を硬化する工程(E)と、硬化後の電離放射線硬化性樹脂と基材フィルムとの一体物を成形用スタンパーから引き剥がす工程(F)と、をその順で有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射防止フィルムの製造方法及び製造装置に関し、さらに詳しくは、微細な凹凸構造を持つ反射防止層に欠陥を生じさせない、反射防止フィルムの製造方法及び製造装置に関する。
反射防止フィルムとして、モスアイ構造の反射防止層を有するものが知られている。モスアイ構造とは、文字通り「蛾(moth)の目」の形態に似た微細な突起を有した凹凸構造のことである。モスアイ構造を持つ反射防止層は、例えばその突起が可視光領域の波長より小さい周期で形成されている場合に、入射する光に対して屈折率に傾斜をもつものと等価になって急激な屈折率差が無くなるという特性を利用したものであり、入射した光をほとんど反射しない。
モスアイ構造の反射防止層は、モスアイ構造の賦形型を有する成形用スタンパーを用い、その成形用スタンパー上に樹脂を塗布した後に硬化することにより樹脂層表面にモスアイ構造を転写して形成されている。成形用スタンパーの作製方法としては、例えば、レーザー干渉法による作製方法、フォトリソグラフィプロセスによる作製方法、陽極酸化法による作製方法(特許文献1参照)、ナノ粒子形成による作製方法、ドライエッチングによる作製方法等が検討されている。これらの作製方法で製造された成形用スタンパーは、いずれの場合であっても極めて微細な凹凸構造を有するので、その成形用スタンパーを用いて繰り返し反射防止フィルムを製造するためには、樹脂を塗布した後の成形用スタンパーの賦形型に異物等が付着するのを極力防ぐことが必要である。
特表2003−531962号公報
成形用スタンパーを用いた従来の反射防止フィルムは、図1及び図2に示すように、(ア)成形用スタンパー102の四辺を専用パレット101にテープ103で固定し、(イ)成形用スタンパーの所定の部位に紫外線硬化性樹脂を多めに載せ、(ウ)成形用スタンパー上に基材フィルムを載せ、(エ)紫外線硬化性樹脂上の基材フィルムの上からロールを押圧しながら移動させて紫外線硬化性樹脂を成形用スタンパーの全面に引き延ばし、(オ)基材フィルム側から紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化し、(カ)硬化後の紫外線硬化性樹脂と基材フィルムとの一体物を成形用スタンパーから引き剥がす、という手順で製造されていた。
しかしながら、上記製造方法において、成形用スタンパー102の四辺を止めるテープ103は、止めた端部に硬化後の紫外線硬化性樹脂が一部付着し、その付着樹脂が一体物を引き剥がした後に樹脂たまり又は樹脂カスとなって賦形型を汚染し易いという問題があった。また、テープ103の端部に付着した硬化樹脂をきっかけとして、テープ端面に露出している粘着成分が一体物の引き剥がしと同時に飛散し易いという問題もあった。また、テープ103に付着した樹脂は酸素阻害を受け易く、そのため一部未硬化の樹脂が残って周辺部を汚染するという問題があった。その結果、成形用スタンパー102の賦形型上に飛散した粘着成分が乗ったり樹脂が残ったりして目詰まりを起こし、モスアイ構造に欠陥が生じて所望の反射防止層が得られないという問題があった。また、樹脂カスが飛散して反射防止層の基底部(凹凸構造のベース部分のこと。)に混入するという問題があった。
こうした問題に対し、本発明者は、図3に示すように、テープに代えてガイド部材3を専用パレット1上に設け、そのガイド部材3が成形用スタンパー2の四辺に当接するようにして成形用スタンパー2を載置させた。本発明者は、図3に示す態様の成形用スタンパー2を図1に示す工程に供して検討する際、先ず、成形用スタンパーの全面を有効賦形領域とするために、ガイド部材3上に電離放射線硬化性樹脂を載せ、その後、そのガイド部材3まで覆うやや大きめの基材フィルムを載せた後に押圧部材で成形用スタンパーの全面に引き延ばした。しかし、電離放射線硬化性樹脂がガイド部材3と成形用スタンパー2との隙間に入り込み、硬化後の樹脂の樹脂カスや酸素阻害を受けた未硬化の樹脂が一体物の引き剥がし時に飛び散って成形用スタンパーの賦形型を汚染し、その結果、賦形型に目詰まりを起こして転写後の凹凸構造に欠陥を生じさせ、所望の反射防止層が得られないという問題が生じた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、微細な凹凸構造を持つ反射防止層に欠陥を生じさせない効率的な反射防止フィルムの製造方法及び製造装置を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る反射防止フィルムの製造方法は、微細な凹凸構造の反射防止層を有する反射防止フィルムを製造する方法であって、成形用スタンパーの少なくとも三辺に当接して該成形用スタンパーを所定位置に載置するためのガイド部材を備えた専用パレットに、前記成形用スタンパーを載置する工程(A)と、前記成形用スタンパーの一辺に沿って電離放射線硬化性樹脂を載せる工程(B)と、前記成形用スタンパー上に基材フィルムを載せる工程(C)と、前記電離放射線硬化性樹脂上の基材フィルムの上から、押圧部材を押圧しながら移動させ、前記電離放射線硬化性樹脂を前記成形用スタンパーからこぼさないで該成形用スタンパーの全面に引き延ばす工程(D)と、前記基材フィルム側から電離放射線を照射して前記電離放射線硬化性樹脂を硬化する工程(E)と、硬化後の前記電離放射線硬化性樹脂と前記基材フィルムとの一体物を前記成形用スタンパーから引き剥がす工程(F)と、をその順で有することを特徴とする。
この発明によれば、前記ガイド部材を備えた専用パレットを用いたので、従来のテープ止めしていたときの問題を解消することができるとともに、成形用スタンパーの載置及び取り外しが容易であり、交換及びメンテナンス等に便利である。また、電離放射線硬化性樹脂を成形用スタンパーの一辺に沿って載せるので、例えばガイド部材に載せる場合のようなガイド部材と成形用スタンパーとの隙間に樹脂が入り込むことが無く、樹脂の飛び散り等の問題を防ぐことができる。また、その電離放射線硬化性樹脂の量を、引き延ばし工程で樹脂がこぼれない所定量とするので、樹脂を成形用スタンパーの全面に引き延ばす工程時に、樹脂が成形用スタンパーからこぼれることがない。その結果、引き剥がし時に、こぼれた樹脂が成形用スタンパーの賦形型に飛び散って汚染する等の問題を防ぐことができる。こうした本発明によれば、成形用スタンパーの賦形型の目詰まり等を極力なくすことができるので、欠陥のない微細な凹凸構造を持つ反射防止層を有する反射防止フィルムを効率的に製造することができる。
本発明に係る反射防止フィルムの製造方法において、前記電離放射線硬化性樹脂を、前記成形用スタンパーの一辺に沿った所定長さH及び所定幅Wからなる長方形領域に載せる。
この発明によれば、電離放射線硬化性樹脂を上記長方形領域に載せるので、押圧部材での引き延ばし時に電離放射線硬化性樹脂が成形用スタンパーからこぼれないようにして、成形用スタンパーの一辺側から他辺側に向かって押圧部材で引き延ばすことができる。
本発明に係る反射防止フィルムの製造方法において、前記長方形領域の所定長さHを12等分して12領域としたとき、該長方形領域の両端から少なくとも2番目の領域それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量を、少なくとも中央の4領域それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量よりも多くする。
この発明によれば、長方形領域を等分して12領域としたとき、長方形領域の両端から少なくとも2番目の領域それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量を、少なくとも中央の4領域それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量よりも多くしたので、押圧部材での引き延ばし時に電離放射線硬化性樹脂が成形用スタンパーからこぼれないようにして、成形用スタンパーの一辺側から他辺側に向かって押圧部材で引き延ばすことができる。
本発明に係る反射防止フィルムの製造方法において、前記成形用スタンパーが、可視光領域の波長より小さい周期からなる突起を有し且つ該突起の高さが150nm〜450nmの反射防止層を形成するための賦形型を有し、該成形用スタンパーから前記一体物を引き剥がすときの引き剥がし強度が0.020〜2.0N/25mmである。
この発明によれば、成形用スタンパーの賦形型が上記態様であることが好ましく、その結果、反射防止性のよいモスアイ構造の反射防止層を形成することができる。また、引き剥がし強度が上記範囲内であるので、引き剥がし時に過大な力が必要ではなく、その結果、微細な凹凸構造に欠陥を生じさせる樹脂のカケ又は離散を防ぐことができる。
本発明に係る反射防止フィルムの製造方法において、製造される反射防止フィルムが、基材フィルムと、該基材フィルム上に設けられた電離放射線硬化性樹脂からなる反射防止層とを有し、前記反射防止層は、可視光領域の波長より小さい周期からなる突起を有し、該突起の高さが150nm〜450nmである。
この発明によれば、反射防止フィルムの製造時に、その凹凸構造を賦形する成形用スタンパーからの剥離強度が0.020〜2.0N/25mmとなるので、目詰まりと欠陥のない反射防止フィルムとして提供することができる。
上記課題を解決するための本発明に係る反射防止フィルムの製造装置は、微細な凹凸構造の反射防止層を有する反射防止フィルムを製造する装置であって、成形用スタンパーの少なくとも三辺に当接して該成形用スタンパーを所定位置に載置するためのガイド部材を備えた専用パレットに、該成形用スタンパーを載置するための載置台(a)と、前記成形用スタンパーの一辺に沿って電離放射線硬化性樹脂を載せる樹脂載せ装置(b)と、前記成形用スタンパー上に基材フィルムを載せる搭載装置(c)と、前記電離放射線硬化性樹脂上の基材フィルムの上から、押圧部材を押圧しながら移動させ、前記電離放射線硬化性樹脂を前記成形用スタンパーからこぼさないで該成形用スタンパーの全面に引き延ばす樹脂引き延ばし装置(d)と、前記基材フィルム側から電離放射線を照射して前記電離放射線硬化性樹脂を硬化する硬化装置(e)と、硬化後の前記電離放射線硬化性樹脂と前記基材フィルムとの一体物を前記成形用スタンパーから引き剥がす引き剥がし台(f)と、前記成形用スタンパーを載置した専用パレットを前記(a)〜(f)の順で搬送する搬送装置(g)と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、載置台において、前記ガイド部材を備えた専用パレットに成形用スタンパーを載置するので、従来のテープ止めしていたときの問題を解消することができるとともに、成形用スタンパーの載置及び取り外しも容易であり、交換及びメンテナンス等に便利である。また、樹脂載せ装置において、電離放射線硬化性樹脂を成形用スタンパーの一辺に沿って載せるので、例えばガイド部材に載せる場合のようなガイド部材と成形用スタンパーとの隙間に樹脂が入り込むことが無く、樹脂の飛び散り等の問題を防ぐことができる。また、樹脂載せ装置において、電離放射線硬化性樹脂の量を、引き延ばし工程で樹脂がこぼれない量としたので、樹脂を成形用スタンパーの全面に引き延ばす際に、樹脂が成形用スタンパーからこぼれることがない。その結果、引き剥がし時に、こぼれた樹脂が成形用スタンパーの賦形型に飛び散って汚染する等の問題を防ぐことができる。本発明に係る装置を用いれば、成形用スタンパーの賦形型の目詰まり等を極力なくすことができるので、欠陥のない微細な凹凸構造を持つ反射防止層を有する反射防止フィルムを効率的に製造することができる。
本発明に係る反射防止フィルムの製造装置を構成する前記樹脂載せ装置において、前記電離放射線硬化性樹脂を前記成形用スタンパーの一辺に沿った所定長さH及び所定幅Wからなる長方形領域に載せ、前記電離放射線硬化性樹脂を載せるための樹脂流下ノズルが、前記成形用スタンパーの一辺に沿って等間隔で複数配置された固定型多連ディスペンサノズル、又は、前記成形用スタンパーの一辺に沿って移動する移動型ディスペンサノズルである。
この発明によれば、樹脂載せ装置において、電離放射線硬化性樹脂を上記長方形領域に載せ、その長方形領域に電離放射線硬化性樹脂を載せるための樹脂流下ノズルを固定型多連ディスペンサノズル又は移動型ディスペンサノズルとしたので、押圧部材での引き延ばし時に電離放射線硬化性樹脂が成形用スタンパーからこぼれない所定量を前記所定部位に載せることができる。その結果、電離放射線硬化性樹脂が成形用スタンパーからこぼれない態様で、成形用スタンパーの一辺側から他辺側に向かって押圧部材で引き延ばすことができる。
本発明に係る反射防止フィルムの製造装置を構成する前記樹脂載せ装置において、前記固定型多連ディスペンサノズル又は前記移動型ディスペンサノズルを制御して、前記長方形領域を長手方向に12等分して12領域としたとき、該長方形領域の両端から少なくとも2番目の領域それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量を、少なくとも中央の4領域それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量よりも多くする。
この発明によれば、固定型多連ディスペンサノズル又は移動型ディスペンサノズルを制御して、長方形領域を長手方向に12領域としたときの両端から少なくとも2番目の領域それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量を、少なくとも中央の4領域それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量よりも多くしたので、押圧部材での引き延ばし時に電離放射線硬化性樹脂が成形用スタンパーからこぼれない。その結果、電離放射線硬化性樹脂を、成形用スタンパーからこぼすことなく、成形用スタンパーの一辺側から他辺側に向かって押圧部材で引き延ばすことができる。
本発明に係る反射防止フィルムの製造装置において、前記成形用スタンパーが、可視光領域の波長より小さい周期からなる突起を有し且つ該突起の高さが150nm〜450nmの反射防止層を形成するための賦形型を有し、該成形用スタンパーから前記一体物を引き剥がすときの引き剥がし強度が0.020〜2.0N/25mmである。
この発明によれば、成形用スタンパーの賦形型が上記態様であることが好ましく、その結果、反射防止性のよいモスアイ構造の反射防止層を形成することができる。また、引き剥がし強度が上記範囲内であるので、引き剥がし時に過大な力が必要ではなく、その結果、微細な凹凸構造に欠陥を生じさせる樹脂のカケ又は離散を防ぐことができる。
本発明に係る反射防止フィルムの製造方法及び製造装置によれば、成形用スタンパーの賦形型の目詰まり等を極力なくすことができるので、欠陥のない微細な凹凸構造を持つ反射防止層を有する反射防止フィルムを効率的に製造することができる。
本発明で製造される反射防止フィルムは、その凹凸構造を賦形する成形用スタンパーからの剥離強度が0.020〜2.0N/25mmとなる。その結果、引き剥がし時に過大な力が必要ではなく、その結果、微細な凹凸構造に欠陥を生じさせる樹脂のカケや離散を防ぐことができ、目詰まりと欠陥のない反射防止フィルムとして提供することができる。
本発明に係る反射防止フィルムの製造方法の工程順を示すフロー図である。 従来適用された成形用スタンパーの固定方法を示す模式的な斜視図である。 本発明で適用した成形用スタンパーの固定方法を示す模式的な斜視図である。 本発明に係る反射防止フィルムの製造方法の説明図である 樹脂載せ工程と引き延ばし工程を説明する模式的な平面図である。 樹脂載せ工程と引き延ばし工程を説明する模式的な断面図である。 電離放射線硬化性樹脂の所定量を流下した後の形態を示す平面図である。 引き剥がし工程を説明する模式的な斜視図である。 本発明に係る反射防止フィルムの一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る反射防止フィルムの他の一例を示す模式的な断面図である。
以下、本発明に係る反射防止フィルムの製造方法及び製造装置について、図面を参照しつつ具体的に説明する。なお、以下の説明と図面は本発明の実施形態を示すものであって、本発明の要旨を含む変形例が本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。
[製造方法及び製造装置]
本発明に係る製造方法及び製造装置で得られる反射防止フィルム10は、図9及び図10に示すように、基材フィルム11と、基材フィルム11上に設けられた電離放射線硬化性樹脂からなる反射防止層12とを少なくとも有する。そして、反射防止層12の表面には、反射防止能をもたらす微細な凹凸構造13が賦形されている。
こうした反射防止フィルム10を製造する本発明に係る製造方法は、図1及び図4に示すように、成形用スタンパー2の少なくとも三辺に当接してその成形用スタンパー2を所定位置に載置するためのガイド部材3を備えた専用パレット1に、成形用スタンパー2を載置する工程(A)と、成形用スタンパー2の一辺に沿って電離放射線硬化性樹脂14を載せる工程(B)と、成形用スタンパー2上に基材フィルム11を載せる工程(C)と、電離放射線硬化性樹脂14上の基材フィルム11の上から、押圧部材5を押圧しながら移動させ、電離放射線硬化性樹脂14を成形用スタンパー2からこぼさないで成形用スタンパー2の全面に引き延ばす工程(D)と、基材フィルム11側から電離放射線6を照射して電離放射線硬化性樹脂14を硬化する工程(E)と、硬化後の電離放射線硬化性樹脂14と基材フィルム11との一体物を成形用スタンパー2から引き剥がす工程(F)と、をその順で有する。
同様に、反射防止フィルム10を製造する本発明に係る製造装置は、図1及び図4に示すように、成形用スタンパー2の少なくとも三辺に当接して該成形用スタンパー2を所定位置に載置するためのガイド部材3を備えた専用パレット1に、成形用スタンパー2を載置するための載置台21(a)と、成形用スタンパー2の一辺に沿って電離放射線硬化性樹脂14を載せる樹脂載せ装置4(b)と、成形用スタンパー2上に基材フィルム11を載せる搭載装置(c)と、電離放射線硬化性樹脂14上の基材フィルム11の上から、押圧部材5を押圧しながら移動させ、電離放射線硬化性樹脂14を成形用スタンパー2からこぼさないで成形用スタンパー2の全面に引き延ばす樹脂引き延ばし装置(d)と、基材フィルム11側から電離放射線6を照射して電離放射線硬化性樹脂14を硬化する硬化装置(e)と、硬化後の電離放射線硬化性樹脂14と基材フィルム11との一体物10’を成形用スタンパー2から引き剥がす引き剥がし台9(f)と、成形用スタンパー2を載置した専用パレット1を(a)〜(f)の順で搬送する搬送装置(g)と、を備えている。
以下、各構成要素について詳しく説明する。
(載置工程・載置台)
載置工程(A)は、成形用スタンパー2の少なくとも三辺に当接してその成形用スタンパー2を所定位置に載置するためのガイド部材3を備えた専用パレット1に、成形用スタンパー2を載置する工程であり、載置台8は、この載置工程(A)を行う台である。
専用パレット1は、成形用スタンパー2を載置し、各工程を順次経由して戻ってくる工程部材である。専用パレット1は、通常、ステンレス鋼、アルミニウム合金板等の金属板で構成されている。専用パレット1の大きさは、図3に示すように、成形用スタンパー2の周りにガイド部材3を設けることができる大きさであればよく、特に限定されない。
成形用スタンパー2は、その成形用スタンパー2上で引き延ばされる電離放射線硬化性樹脂14の硬化物に、反射防止能を有する微細な凹凸構造13を賦形するための版である。成形用スタンパー2の賦形型23は、従来公知の各種の方法で作製されてなるものである。例えば、レーザー干渉法による作製方法、フォトリソグラフィプロセスによる作製方法、陽極酸化法による作製方法、ナノ粒子形成による作製方法、ドライエッチングによる作製方法等を挙げることができる。これらの方法で賦形型23を形成してなる成形用スタンパー2は、いずれの場合であっても極めて微細な凹凸構造13の賦形型として好ましく用いることができる。
中でも、陽極酸化法で賦形型23を形成した成形用スタンパー2を好ましく用いることができる。陽極酸化法で賦形型23を形成した成形用スタンパー2は、アルミニウム板又はその合金板(以下「アルミニウム板」という。)を陽極酸化して形成したもの、又は硝子板にアルミニウム膜若しくはその合金膜を成膜した後にその膜を陽極酸化したものであり、具体的には、前記特許文献1に記載のように、先ず、アルミニウム板(合金板を含む)又はアルミニウム膜(合金膜を含む)を陽極酸化して細孔を有する陽極酸化皮膜を形成し、次に、エッチングして細孔径を拡大し、次に、2度目の陽極酸化を行って細孔内にさらに細孔を形成し、次に、エッチングして細孔径を拡大し、さらに必要に応じてこうした細孔径拡大処理を繰り返して、所望の細孔(釣鐘状の凹部)を有する賦形型23を形成してなるものである。この方法は、大面積の成形用スタンパー2を形成することができる点で有利である。
なお、作製された成形用スタンパー2は、可視光領域の波長より小さい周期、好ましくは380nm以下の周期(ピッチ)からなる突起15を有し且つその突起15の高さhが150nm〜450nmの反射防止層12(図9参照)を形成するための賦形型23を有している。この賦形型を持つ成形用スタンパー2は、可視光領域の波長より小さい周期(ピッチ)からなる突起15を有し且つその突起15の高さhが150nm〜450nmの反射防止層12を形成することができる。賦形型23を有する成形用スタンパー2は、賦形した一体物10’を引きが剥がす際の引き剥がし強度Fを後述の0.020〜2.0N/25mmの範囲とすることができるので、引き剥がし時に過大な力が必要ではなく、その結果、微細な凹凸構造13に欠陥を生じさせる樹脂のカケ又は離散を防ぐことができる。
成形用スタンパー2は、その製法に由来する各種の材質で形成することができ、例えば上記したように陽極酸化法で作製する場合には、アルミニウム板(合金板を含む)、又は硝子板等の絶縁体若しくはSUS等のアルミニウム以外の金属若しくは金属酸化物を基体とし、該基体上にアルミニウム膜(合金膜を含む)を形成したものが用いられる。成形用スタンパーの厚さは特に限定されないが、概ね0.5mm〜10mm程度である。基体上にアルミニウム膜を形成する場合のアルミニウム膜の厚さも特に限定されないが、概ね500nm〜1.5μmである。
成形用スタンパー2の大きさは反射防止フィルム10に要求される反射防止領域の大きさに応じて任意である。ここで、反射防止領域とは、反射防止層12が形成された有効領域であり、その形状は平面視で四辺形(長方形又は正方形)である。通常は、図3に示す成形用スタンパー2の全面に賦形型23が形成されている。なお、成形用スタンパー2の周縁部は、賦形型が形成されていないか、やや乱れた賦形型になっている部分があってもよい。そうした部分は、最終的には、切断されることが多い。具体的には、反射防止フィルム10が例えばディスプレイの前面フィルムとして用いられる場合には、そのディスプレイのサイズを1又は2以上(多数含む。)含むサイズとなる。
成形用スタンパー2の質量も特に限定されず、図8に示す態様の引き剥がし工程で、一体物10’を成形用スタンパー2から引き剥がす力Fによっても浮き上がらない程度の質量であることが望ましい。引き剥がし工程で成形用スタンパー2が浮き上がると、引き剥がし時における一体物10’と成形用スタンパー2との引き剥がし角度等が変化して工程条件が変動するため、微細な凹凸構造13に欠陥が生じて正確に賦形できず、歩留まりが低下するおそれがある。なお、図8に示すように、成形用スタンパー2は、その成形用スタンパー2から一体物10’を引き剥がすときの引き剥がし強度Fが0.020〜2.0N/25mmの範囲であることが好ましく、したがって、成形用スタンパー2の質量は、その引き剥がし強度Fを超える値であることが望ましい。例えば、幅L1の成形用スタンパー2の引き剥がし強度Fが0.020N/25cmであれば、成形用スタンパー2の質量(kg)は0.020N÷9.8×(L1/25)を超えるものとなり、また、幅L1の成形用スタンパー2の引き剥がし強度Fが2.0N/25cmであれば、成形用スタンパー2の質量(kg)は、2.0N÷9.8×(L1/25)を超えるものとなる。こうした質量の成形用スタンパー2は、上記引き剥がし強度でも浮き上がることがない。
なお、成形用スタンパー2の一辺側には、陽極酸化時の陽極取り出しエリア(長方形)が設けられていてもよい。成形用スタンパー2に設けられた陽極取り出しエリアに例えば後述の硬化性樹脂を載せ、その後に引き延ばしを行えば、賦形型23上に硬化性樹脂を載せた後に引き延ばしを行ったものと比べ、得られた反射防止フィルムを投影光で観察した際に樹脂滴下跡が見えなくなるという利点がある。
ガイド部材3は、成形用スタンパー2の少なくとも三辺に当接してその成形用スタンパー2を所定位置(専用パレット1の中央位置)に載置するための部材である。ここで、少なくとも三辺とは、図5及び図6に示すように、押圧部材5の移動方向に設けられたガイド部材3’と、その移動方向に直交する方向に設けられたガイド部材3”,3”のことである。ガイド部材として、押圧部材5の移動方向の逆側のガイド部材3を除いたのは、そのガイド部材3には、押圧部材5の移動時に負荷がかからないからである。なお、ガイド部材3は、通常は、成形用スタンパー2の四辺に当接するように四つ設けられている。
ガイド部材3の材質は特に限定されず、例えば、アルミニウム板、SUS板、プラスチック板等のように、電離放射線が照射されても吸収熱の発生や形状変化等、工程に支障をきたさない材質であればよい。ガイド部材3の大きさは、図5等に示すように、成形用スタンパー2の各辺の略中央領域に所定の長さで成形用スタンパー2に当接する長さを有していればよく、その長さは特に限定されない。なお、図5等では、成形用スタンパー2の短辺長さL1の2分の1以上であり、長辺長さL2の2分の1以上の長さの例が記載されている。ガイド部材3の形状は、図5等に示すように、四辺形のものが通常用いられ、特にその形状は限定されない。なお、ガイド部材3は、後述する押圧部材5の移動の妨げにならない程度に成形用スタンパー2の高さと同じ若しくはそれよりも低いことが望ましい。ガイド部材3は、専用パレット1上に、接着剤又は粘着剤等によって固定されてもよいし、ネジ、ボルト・ナット等によって機械的に固定されてもよいし、マグネット等によって磁気的に固定されていてもよい。
なお、専用パレット1乃至成形用スタンパー2には、温調機構が設けられていてもよい。温調機構を有する専用パレット1乃至成形用スタンパー2を予め所定温度に設定し、その後に樹脂成形を行えば、雰囲気温度による樹脂粘度の変化に基づいた悪影響を抑制することができる。その結果、成形用スタンパー2において、常時安定した賦形エリアを確保することが可能となる。
以上のように、成形用スタンパー2を所定の位置に載置するためのガイド部材3を備えた専用パレット1を用いたので、従来のテープ止めしていたときの問題を解消することができるとともに、成形用スタンパー2の載置及び取り外しが容易であり、交換及びメンテナンス等に便利である。
専用パレット1への成形用スタンパー2の載置は、図4に示す載置台8で行われる。載置台8には、予め所定の位置(成形用スタンパー2を固定する位置)にガイド部材3が固定された専用パレット1が準備され、その専用パレット1に成形用スタンパー2がガイド部材3によって位置固定された態様で載置される。載置された成形用スタンパー2は、搬送装置によって次工程である樹脂載せ工程に移送される。
(樹脂載せ工程・装置)
樹脂載せ工程(B)は、図4に示すように、成形用スタンパー2の一辺に沿った所定の部位に所定量の電離放射線硬化性樹脂14を載せる工程である。電離放射線硬化性樹脂14を載せる所定の部位とは、図5〜図7に示すように、四辺形の成形用スタンパー2の一辺に沿った所定長さH及び所定幅Wからなる長方形領域である。その長方形領域(H×W)に電離放射線硬化性樹脂14を載せることにより、その後の押圧部材5での引き延ばし時に電離放射線硬化性樹脂14が成形用スタンパー2からこぼれないようにして、成形用スタンパー2の一辺側から他辺側に向かって押圧部材5の一回の引き延ばし移動(ワンパス)で電離放射線硬化性樹脂14を引き延ばすことができる。ここでは、電離放射線硬化性樹脂14を成形用スタンパー2上の所定の長方形領域に載せるので、例えばガイド部材3に載せる従来の場合のようなガイド部材3と成形用スタンパー2との隙間に樹脂が入り込むことが無く、樹脂の飛び散り等の問題を防ぐことができる。なお、成形用スタンパー2の一辺に沿った長方形領域(H×W)に電離放射線硬化性樹脂14を載せない場合は、ワンパスで電離放射線硬化性樹脂14を引き延ばすことができない。
より具体的には、図7に示すように、長方形領域(H×W)は、長さL1の短辺に沿って延びる長さHと、その短辺から所定の間隔S3を隔てて長辺方向に延びる幅Wとで構成されている。長さHは、長さL1の60%〜95%であり、両サイドの長辺から所定の間隔S1,S2を隔てて設けられている。その間隔S1,S2は、電離放射線硬化性樹脂14が成形用スタンパー2からこぼれないで且つワンパスで引き延ばされることを考慮して設定され、具体的には、その間隔S1,S2は、10mm〜100mm程度であることが好ましい。また、短辺からの間隔S3も電離放射線硬化性樹脂14が成形用スタンパー2からこぼれないで且つワンパスで引き延ばされることを考慮して設定され、具体的には、その間隔S3は、10mm〜100mm程度であることが好ましい。なお、本願では、成形用スタンパー2の短辺と長辺の関係が入れ替わったものであってもよい。
所定の部位(長方形領域)について、図7に示すように、その長方形領域の所定長さHを12等分して12領域(a1〜a12)としたとき、その長方形領域の両端から少なくとも2番目の領域(a2,a11)それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量を、少なくとも中央の4領域(a5,a6,a7,a8)それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量よりも多くする。長方形領域に載せる電離放射線硬化性樹脂の量をこのようにすることにより、押圧部材5での引き延ばし時に電離放射線硬化性樹脂14が成形用スタンパー2からこぼれないようにして、成形用スタンパー2の一辺側から他辺側に向かって押圧部材5で引き延ばすことができる。
上記関係で電離放射線硬化性樹脂14の量を調整することにより、電離放射線硬化性樹脂14を成形用スタンパー2の全面に引き延ばす工程時に、電離放射線硬化性樹脂14が成形用スタンパー2からこぼれることがない。その結果、引き剥がし時に、こぼれた電離放射線硬化性樹脂14が成形用スタンパー2の賦形型に飛び散って汚染する等の問題を防ぐことができる。なお、本願で「少なくとも中央の4領域(a5,a6,a7,a8)」とは、その4領域(a5,a6,a7,a8)に、a4領域とa9領域が含まれていてもよいし、さらにa3領域とa10領域が含まれていてもよい。また、長方形領域の両端にあるa1領域とa12領域は、通常、両端から2番目の領域(a2,a11)よりも樹脂量は少ない。
電離放射線硬化性樹脂14は、樹脂載せ装置4、具体的には樹脂流下ノズル(符号4を用いる)によって、成形用スタンパー2上に所定量が載せられる。樹脂流下ノズル4としては、さらに詳しくは、固定型多連ディスペンサノズル又は移動型ディスペンサノズルが用いられる。
固定型多連ディスペンサノズルは、成形用スタンパー2の一辺に沿って等間隔で2以上のノズルが連設されたものであり、例えば6連、8連、10連、12連等、各種の固定型多連ディスペンサノズルを用いることができる。固定型多連ディスペンサノズルでは、成形用スタンパー2に対する各ノズルの位置は固定しており、したがって、前記した関係となる所定量の電離放射線硬化性樹脂14を流下させるための制御は、各ノズルからの吐出量をそれぞれ制御して行われる。例えば、12連ノズルを用いた場合には、少なくとも5〜8番目のノズルからの吐出量に比べ、2番目と11番目のノズルからの吐出量を多めにして、例えば長方形領域の両端から少なくとも2番目の領域(a2,a11)それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量を、少なくとも中央の4領域(a5,a6,a7,a8)それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量よりも多くすることができる。
一方、移動型ディスペンサノズルは、成形用スタンパー2の一辺に沿って移動するノズルである。この移動型ディスペンサノズルは、1つのディスペンサノズルで構成されていてもよいし、2以上のディスペンサノズルで構成されていてもよい。移動型ディスペンサノズルでは、成形用スタンパー2に対する位置は固定しておらず、成形用スタンパー2の一辺の一方から他方に向かって、電離放射線硬化性樹脂14を流下しながら移動する。前記した関係となる所定量の電離放射線硬化性樹脂14を流下させるための制御は、移動中のノズルからの吐出量を制御して行われる。例えば、最初は多めに吐出し、中間点付近では少なめにし、最後に再び多めにして、長方形領域の両端から少なくとも2番目の領域(a2,a11)それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量を、少なくとも中央の4領域(a5,a6,a7,a8)それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量よりも多くすることができる。こうした制御は、移動速度と吐出量とを任意に設定して行われ、例えば一定の移動速度で移動させながら吐出量を変化させたり、移送速度を変化させながら一定の吐出量としたりして行われる。
このように、長方形領域(H×W)に所定量の電離放射線硬化性樹脂14を載せるための樹脂流下ノズル4を固定型多連ディスペンサノズル又は移動型ディスペンサノズルとしたので、後述する押圧部材5での引き延ばし時に電離放射線硬化性樹脂14が成形用スタンパー2からこぼれない量を制御して前記長方形領域(H×W)所定部位に載せることができる。その結果、電離放射線硬化性樹脂14が成形用スタンパー2からこぼれない態様で、成形用スタンパー2の一辺側から他辺側に向かって押圧部材5で引き延ばすことができる。
電離放射線硬化性樹脂14としては、電離放射線で架橋等の反応により重合硬化するモノマー(単量体)、或いはプレポリマーやオリゴマーが用いられる。モノマーとしては、例えば、ラジカル重合性モノマー、具体的には、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレートが挙げられる。また、プレポリマー(乃至はオリゴマー)としては、例えば、ラジカル重合性プレポリマー、具体的には、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、等の各種(メタ)アクリレートプレポリマー、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオール系プレポリマー、不飽和ポリエステルプレポリマー等が挙げられる。その他、カチオン重合性プレポリマー、例えば、ノボラック系型エポキシ樹脂プレポリマー、芳香族ビニルエーテル系樹脂プレポリマー等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートという表記は、アクリレート又はメタクリレートという意味である。これらモノマー、或いはプレポリマーは、要求される性能、塗布適性等に応じて、1種類単独で用いる他、モノマーを2種類以上混合したり、プレポリマーを2種類以上混合したり、或いはモノマー1種類以上とプレポリマー1種類以上とを混合して用いたりすることができる。
光重合開始剤としては、ラジカル重合性のモノマー又はプレポリマーの場合には、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン系等の化合物が、また、カチオン重合系のモノマー又はプレポリマーの場合には、メタロセン系、芳香族スルホニウム系、芳香族ヨードニウム系等の化合物が用いられる。これら光重合開始剤は、上記モノマー及び/又はプレポリマーからなる組成物100重量部に対して0.1〜5重量部程度添加する。
電離放射線としては、紫外線又は電子線が代表的なものであるが、この他、可視光線、X線、γ線等の電磁波、或いはα線等の荷電粒子線を用いることもできる。
電離放射線硬化性樹脂14には、必要に応じて適宜添加剤を添加する。添加剤としては、例えば、熱安定剤、ラジカル捕捉剤、可塑剤、界面活性剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、色素(着色染料、着色顔料)、体質顔料、光拡散剤等が挙げられる。
本発明では、電離放射線硬化性樹脂14を成形用スタンパー2に載せ、その後、後述するように、基材フィルム11を載せ、さらに押圧部材(ロール)5で基材フィルム11と電離放射線硬化性樹脂14とを押圧しながら移動させて引き延ばすことによって、釣鐘状の凹部に空気を残さずに充填させる。つまり、押圧部材5で基材フィルム11及び電離放射線硬化性樹脂14を押圧した状態で移動させる。電離放射線硬化性樹脂14の粘度は、5〜2000mPa・sの範囲であり、より好ましい粘度は、50〜1200mPa・sの範囲である。
こうして成形用スタンパー2上に電離放射線硬化性樹脂14を載せた後、搬送装置により、次工程である基材フィルム載せ工程に移送する。
(基材フィルム載せ工程・搭載装置)
基材フィルム載せ工程(C)は、図4に示すように、成形用スタンパー2上に電離放射線硬化性樹脂14を載せた後に、その成形用スタンパー2上に基材フィルム11を載せる工程である。例えば、基材フィルム11が積層されているスタッカから自動機又は手動で成形用スタンパー2上に供給する方法を挙げることができる。自動機としては、基材フィルム11の上面(基材フィルム11に反射防止層を形成しない非成形面のこと。)を例えば吸引保持して成形用スタンパー2上の所定位置に載せる装置を挙げることができる。基材フィルム11の大きさは、特に限定されないが、通常は、成形用スタンパー2と同じ又は同程度の大きさの枚葉状のフィルムである。
基材フィルム11は、所望の透明性、機械的強度、電離放射線硬化性樹脂14との接着性等の要求適性を勘案の上、各種材料の各種厚さのものを選択すればよい。基材フィルム11の厚さ形態としては、フィルム状でもシート状でも板状でもよい。通常は、樹脂製の透明フィルムが好ましく用いられる。そうした基材フィルム11としては、アクリル樹脂(ここでは、所謂、メタクリル樹脂も包含する概念として用いる)、ポリエステル樹脂等をベースとするフィルムが好ましいが、これに限定されない。樹脂材料としては、具体的には、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、テレフタル酸−エチレングリコール−1,4シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の含ハロゲン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン、(メタ)アクリロニトリル等が使用できる。中でも、二軸延伸PETフィルムが透明性、耐久性に優れ、しかもその後の工程で電離放射線照射処理や加熱処理を経た場合でも熱変形等しない耐熱性を有する点で好適である。また、液晶ディスプレイ向けの偏光板の保護表面フィルムとして使用する場合には、トリアセチルセルロースフィルムが好適である。
基材フィルム11の厚さは、通常は50μm〜3000μm程度が好ましいが、これに限定されない。基材フィルム11の光透過率としては、ディスプレイ装置の前面設置用では100%のものが理想であるが、透過率80%以上のものを選択することが好ましい。基材フィルム11の表面には、必要に応じて、上述した電離放射線硬化性樹脂14との密着性を改善するために易接着層を設けたり、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理等の表面処理を行ったりしてもよい。易接着層としては、基材フィルム11と電離放射線硬化性樹脂14との両方に接着性のある樹脂から構成する。易接着層の樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン等の樹脂の中から適宜選択する。
また、基材フィルム11として、複合フィルムを用いてもよい。複合フィルムとしては、例えば図10に示すように、偏光子保護フィルム11aを用い、その一方の面にプライマー層11bを設け、他方の面に保護フィルム11cを設けたものを例示できる。なお、偏光子保護フィルム11aと保護フィルム11cとの間に接着層が設けられていてもよいし、偏光フィルム11aは、第1の偏光子保護フィルム/偏光子A/第2の偏光子保護フィルムの3層構造であってもよい。
成形用スタンパー2上に基材フィルム11を載せると、基材フィルム11の重さで電離放射線硬化性樹脂14は成形用スタンパー2上に広がる。載せた後の基材フィルム11は、成形用スタンパー2上に広がった樹脂に貼り付き、搬送時にずれることはない。電離放射線硬化性樹脂14の上にない基材フィルム11の他端側は、浮かしていてもよいし、そのまま成形用スタンパー2上に載っていてもよい。なお、成形用スタンパー2上への基材フィルム2の載置は、成形用スタンパー2上に電離放射線硬化性樹脂14を流下した後、その成形用スタンパー2上から電離放射線硬化性樹脂14が流れ出したり、成形用スタンパー2上に異物等が降塵しないように、できるだけ速やかに行うことが望ましい。例えば、成形用スタンパー2上に電離放射線硬化性樹脂14を流下した後、60秒以内に行うことが好ましい。
こうして成形用スタンパー2上に基材フィルム11を載せた後、搬送装置により、次工程である樹脂引き延ばし工程に移送する。
(樹脂引き延ばし工程・装置)
樹脂引き延ばし工程(D)は、図4〜図6に示すように、電離放射線硬化性樹脂14上の基材フィルム11の上から、押圧部材5で基材フィルム11と電離放射線硬化性樹脂14とを押圧しながら移動させ、電離放射線硬化性樹脂14を成形用スタンパー2からこぼさないで成形用スタンパー2の全面に引き延ばす工程である。
押圧部材5は特に限定されないが、通常、任意の直径からなるニップロールが用いられる。ニップロールは、温調機能を備えていてもよい。ニップロールを温調させながら押圧し且つ移動させることにより、電離放射線硬化性樹脂14の粘度を調整することができる。押圧部材5は、図5及び図6に示すように、電離放射線硬化性樹脂14が載った成形用スタンパー2の一辺側から対向辺側に向かってワンパスで移動する。その際、押圧部材5は、基材フィルム11を上方から下方に向かって押圧しながら移動する。この工程では、押圧部材5によって、電離放射線硬化性樹脂14を成形用スタンパー2からこぼさないで成形用スタンパー2の全面に引き延ばすことができる。
押圧部材5の押圧と移動は、例えば図5(A)及び図6(A)に示す態様で行うことができる。図5(A)及び図6(A)に示すように、長方形領域(H×W)に隣接する辺を当接するガイド部材3上にニップロール(符号5を用いる。)を配置し、その後、専用パレット1が搬送装置で移送されることにより、ニップロール5は成形用スタンパー2上の基材フィルム11を上方から押圧しながら回転し、基材フィルム11と成形用スタンパー2との間の電離放射線硬化性樹脂14をニップロール5の進行方向に引き延ばす。このときのニップロールの移動は、ニップロール自体の回転移動で行ってもよいし、専用パレット1が搬送装置で移送されることにより行ってもよい。
押圧部材5の押圧力は、電離放射線硬化性樹脂14の量等を考慮し、樹脂が成形用スタンパー2からこぼれないように、任意に設定される。押圧力が強すぎると、成形用スタンパー2から電離放射線硬化性樹脂14がこぼれてしまうことがある。一方、押圧力が弱いと、成形用スタンパー2上の全面に電離放射線硬化性樹脂14が行き渡らないことがある。
押圧部材5が相対的な移動は、成形用スタンパー2上の全面に電離放射線硬化性樹脂14を引き延ばす。ここで、全面とは、成形用スタンパー2に設けられた賦形型形成領域という意味であり、その賦形型が成形用スタンパー2の周縁にまで設けられている場合には、電離放射線硬化性樹脂14が成形用スタンパー2からこぼれないでその周縁まで引き延ばされる。また、例えば、賦形型が成形用スタンパー2の周縁から例えば10mm程度内側まで設けられている場合には、電離放射線硬化性樹脂14が成形用スタンパー2からこぼれないで周縁ギリギリの部分まで引き延ばされる。なお、引き延ばされた電離放射線硬化性樹脂14の周縁は、最終的には所定の寸法(製品寸法等)に規制するために切断される場合が多い。
電離放射線硬化性樹脂14の引き延ばしを成形用スタンパー2から「こぼさないで」行うことは、本発明の特徴的な要素の一つである。これを実現するためには、上述したように、電離放射線硬化性樹脂14を載せる位置、載せる量、載せる形状、押圧部材5の押圧力等を設定することにより実現することができる。そして、この要件を設定することができるように、本発明では、専用パレット1上にガイド部材3を設けて成形用スタンパー2を載置し、製造ラインに供していることに特徴がある。
樹脂引き延ばし装置の一例としては、押圧部材5としてニップロールが下方に押圧可能に筐体に保持され、その保持位置に、専用パレット1(成形用スタンパー2上に電離放射線硬化性樹脂14が載り、さらにその上に基材フィルム11が乗った態様の専用パレット1。)が搬送装置で移送される態様の装置を挙げることができる。
こうして電離放射線硬化性樹脂14を成形用スタンパー2の全面に引き延ばした後、搬送装置により、次工程である硬化工程に移送する。
(硬化工程・装置)
硬化工程(E)は、図4に示すように、基材フィルム11側から電離放射線6を照射して電離放射線硬化性樹脂14を硬化する工程である。基材フィルム11は電離放射線を透過するので、基材フィルム11側から電離放射線6が照射される。電離放射線6は、上述したように、紫外線又は電子線が代表的なものであるが、この他、可視光線、X線、γ線等の電磁波、或いはα線等の荷電粒子線を用いることもできる。電離放射線を照射する電離放射線照射装置7としては市販のものを用いることができるが、専用パレット1の移送方向に直交する方向に配置することにより、移送中にワンパスで硬化処理することができる。通常は、紫外線硬化性樹脂が用いられるので、電離放射線としては、波長365nmの紫外線を紫外線照射装置で照射して紫外線硬化性樹脂を硬化する。
こうして電離放射線硬化性樹脂14を硬化した後、搬送装置により、次工程である引き剥がし工程に移送する。
(引き剥がし工程・装置)
引き剥がし工程(F)は、図4及び図8に示すように、硬化後の電離放射線硬化性樹脂14と基材フィルム11との一体物10’を成形用スタンパー2から引き剥がす工程である。一体物10’の引き剥がしは、図8に示すように、一体物10’のいずすれか一辺を保持して上方に引き上げることにより行う。
このとき、既述したように、成形用スタンパー2の質量を調整し、一体物10’を成形用スタンパー2から引き剥がす力Fによっても浮き上がらないことが望ましい。引き剥がし工程で成形用スタンパー2が浮き上がると、引き剥がし時における一体物10’と成形用スタンパー2との引き剥がし角度等が変化して工程条件が変動するため、微細な凹凸構造13に欠陥が生じて正確に賦形できず、歩留まりが低下するおそれがある。成形用スタンパー2から一体物10’を引き剥がすときの引き剥がし強度Fは、0.020〜2.0N/25mmの範囲であることが好ましく、こうした引き剥がし強度Fで成形用スタンパー2が浮き上がらないように、成形用スタンパー2の質量が既述のように設定される。
なお、引き剥がし強度は、JIS K 6854−1を準拠した値であり、一体物10’を面に対して90°の方向に引き上げるときの幅25mmでの値で表される。実際には、25mm幅にしたときの実測値で評価することができる。
(その他の工程)
こうして引き剥がされた反射防止フィルム10は、その後に必要に応じて各種の工程を経て、製品としての反射防止フィルム10となる。例えば、周縁を切断する切断工程、反射防止層12を保護するための保護フィルム(マスキングフィルム)をその凹凸構造13上に設ける工程等を設けてもよい。
以上説明したように、本発明の反射防止フィルムの製造方法及び製造装置によれば、成形用スタンパー2の賦形型の目詰まり等を極力なくすことができるので、欠陥のない微細な凹凸構造13を持つ反射防止層12を有する反射防止フィルム10を効率的に製造することができる。
[反射防止フィルム]
反射防止フィルム10は、上記した本発明に係る製造方法及び製造装置で製造されたものであって、基材フィルム11と、基材フィルム11上に設けられた電離放射線硬化性樹脂からなる反射防止層12とを有している。そして、反射防止層12は、可視光領域の波長より小さい周期Pからなる突起15を有し、その突起15は、その高さhが150nm〜450nmである。
反射防止フィルム10を構成する基材フィルム11及び反射防止層12は、既述の製造方法及び製造装置の説明欄で挙げた各種の基材フィルム11(既述の複合フィルムを含む。図10参照。)及び反射防止層12(電離放射線硬化性樹脂14)を適用できるので、ここではその説明は省略する。反射防止層12の表面には多数の突起15が設けられ、その突起15を有する凹凸構造13は、既述した成形用スタンパー2が有する賦形型で賦形されたものである。なお、反射防止層12は、突起15を有する凹凸構造13と、その凹凸構造13のベース部分である基底部とで構成されている。基底部の厚さは、2〜30μmが望ましい。
反射防止層12の表面に設けられている突起15は、可視光領域の波長より小さい周期Pで設けられている。ここで、「可視光領域の波長」とは380nm〜780nmの波長であるので、「可視光領域以下の波長」とは380nm以下の波長のことを意味する。したがって、突起15は、380nm以下の周期(ピッチ)Pで設けられている。その周期Pは規則的でもよいし不規則的でもよいが、通常、50nm〜200nmの不規則な周期Pで設けられている場合が多い。こうした周期Pで突起15が設けられていることにより、入射する光に対して屈折率に傾斜をもつものと等価になって急激な屈折率差が無くなるので、入射した光をほとんど反射しない。この周期Pの調整は、成形用スタンパー2に設けた凹部の周期を反映したものであり、その周期Pの調整は成形用スタンパー2の凹部の周期をコントロールして行うことができる。
また、突起15の高さhが150nm〜450nmであるが、この範囲とすることにより、反射防止フィルムとして種々ディスプレイに適した構造体を得ることが可能となる。突起15の高さhが150nm未満では、可視光領域の長波長領域における反射防止機能が劣ることがあり、450nmを超えると、個々の突起構造が壊れ易く、スクラッチ等の外的衝撃に対して傷つきやすいことがある。突起15の高さhは、成形用スタンパー2に設けた凹部の深さを反映したものであり、その高さhの調整は成形用スタンパー2の凹部の深さをコントロールして行うことができる。
また、反射防止フィルム10は、電離放射線硬化性樹脂14を成形用スタンパー2の一辺に載せ、その位置からワンパスで引き延ばしているので、従来のような筋模様が見られないという顕著な特徴がある。
反射防止層12の突起15が上記周期P及び高さhで設けられた反射防止フィルム10は、成形用スタンパー2からの引き剥がし強度Fが0.020〜2.0N/25mmの範囲であることが好ましい。こうした引き剥がし強度Fとなる反射防止層12の凹凸構造13は、引き剥がし時に過大な力が必要ではなく、その結果、微細な凹凸構造13に欠陥を生じさせる樹脂のカケ又は離散を防ぐことができる。したがって、突起15の周期P及び高さhが上記範囲内であるということは、この範囲の引き剥がし強度Fで引き剥がしされることを意味するので、凹凸構造13に欠陥のない反射防止層12ということができる。
以下、本発明について実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
[実施例1]
専用パレット1として厚さ15mmのアルミ鋼板を用い、成形用スタンパー2として陽極酸化法で作製した成形用スタンパー2を用い、その成形用スタンパー2の周縁に当接して成形用スタンパー2を専用パレット1上に固定するための4つのガイド部材3を成形用スタンパー2の各辺に対応する位置に接着した。なお、成形用スタンパー2は、純アルミ(純度99.9%)を陽極酸化とエッチングを繰り返したものであり、凹部の周期は約110nm〜130nmの範囲であり、その深さは350nm〜400nmの範囲の、釣鐘状の凹部からなる賦形型23を有するものである。賦形型23を形成した後に、スピンコート法により離型剤(商品名:オプツールHD−1100、ダイキン化成販売株式会社社製)を賦形型表面に塗工して離型処理を施し、室温下にて24時間放置した。その後、余剰の離型剤を除去するために専用希釈剤にてリンスを行い、室温にて乾燥させた。成形用スタンパー2の大きさは、短辺長さL1が420mmで長辺長さL2が530mmで厚さ1.75mmで、その重さは1200gである。ガイド部材3は長方形であり、長辺長さは380mmで短辺長さは50mmで厚さは1.70mmである。
専用パレット1に成形用スタンパー2を載置した後、成形用スタンパー2の短辺側の辺から35mmの距離S3を隔てて、長辺に平行な幅W8mm×短辺に平行な長さH350mmの長方形領域に、紫外線硬化性樹脂14を流下させた。紫外線硬化性樹脂14は、アクリル樹脂系の硬化性樹脂を用い、移動型ディスペンサノズルを走査速度を変化させて短辺に沿って移動させながら、吐出量を制御して流下させた。具体的には、最初は多めに吐出し、中間点付近では少なめにし、最後に再び多めにして、図7に示す長方形領域の所定長さHを12等分して12領域(a1〜a12)としたとき、その両端から少なくとも2番目の領域(a2,a11)それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量を、少なくとも中央の4領域(a5,a6,a7,a8)それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量よりも多くなるように走査速度を変化させて吐出量を調整して流下させた。より具体的には、カッコ内を相対吐出量とすると、a1(5),a2(6),a3(5),a4(3)〜a9(3),a10(5),a11(6),a12(5)とした。なお、紫外線硬化性樹脂の粘度は500mPa・sec程度である。
紫外線硬化性樹脂を流下して60秒以内に、基材フィルム11として、厚さ125μmのPETフィルムを紫外線硬化性樹脂を流下した成形用スタンパー2上に載せ、その後、ニップロール5で基材フィルム11上から押圧しながらワンパスで移動させ、紫外線硬化性樹脂を成形用スタンパー2の全面に引き延ばした。このとき、紫外線硬化性樹脂が成形用スタンパー2からこぼれることはなかった。その後、基材フィルム11上から紫外線照射装置で波長365nmの紫外線を照射し、紫外線硬化性樹脂を硬化させた。硬化後の紫外線硬化性樹脂の厚さは突起構造を含めて13μmであった。その後、硬化した紫外線硬化性樹脂と基材フィルム11との一体物10’を成形用スタンパー2から引き剥がして、反射防止フィルム10を得た。このときの引き剥がし強度Fの実測値は約1.5Nであった。これを25mm幅に換算すると、約0.09N/25mmとなった。なお、引き剥がし強度は、JIS K 6854−1を準拠して測定した。
得られた反射防止フィルム10の反射防止層12の表面には、微細な突起15が、周期Pが110nm〜130nmで、高さhが280nm〜320nmの範囲で無数に設けられている。こうした凹凸構造13を持つ反射防止層12は、反射防止層12中に、実用の視認性において問題となるレベルの200μm以上の異物や成形用スタンパー2への目詰まりによる欠陥が全くなく、380nm〜780nmの可視光領域において絶対5度反射率が、0.3%以下であった。なお、上記の反射防止フィルムの製造を1000回繰り返し行っても、得られた1000枚の反射防止フィルムの品質は維持されていることを確認した。
[比較例1]
実施例1で用いた専用パレット1、成形用スタンパー2、ガイド部材3を準備し、実施例1と同様にして、専用パレット1に成形用スタンパー2をガイド部材3を用いて載置した。さらに、成形用スタンパー2とガイド部材3との隙間を埋めるために、10mm幅のPTFEテープを用いて成形用スタンパー周縁部とガイド部材端部を張り合わせた。
成形用スタンパー2の短辺側の辺から35mmの距離S3を隔てて、長辺に平行な幅W8mm×短辺に平行な長さH350mmの長方形領域に、実施例1と同じ紫外線硬化性樹脂14を実施例1と同様にして流下させた。このとき、図7に示す長方形領域の所定長さHを12等分して12領域(a1〜a12)としたとき、走査速度を一定として、各領域(a1〜a12)での樹脂量比率は一定とした。その後、実施例1と同様にして成形を行ったところ、成形用スタンパー2からPTFEテープ及びガイド部材3上に紫外線硬化性樹脂がはみだして成形された。
その後引き続き上記の手法により成形を継続して実施したところ、得られた反射防止フィルムの反射防止層12中に200μm以上の樹脂カスが多数あることを確認した。この樹脂カスは、引きか剥がし時にテープ端部に付着していた硬化樹脂が引きちぎられ、微小な粉状となって成形用スタンパー上部に飛散し、それらが次の成形時にも成形用スタンパー上に残っていたことが原因と推測される。さらに成形を継続した結果、成形用スタンパー2が目詰まりしていることを確認した。目詰まり成分をフーリエ変換赤外分光法により成分分析を行った結果、PTFEテープの粘着成分であることを確認した。成形時に紫外線硬化樹脂が成形用スタンパー2からPTFEテープをまたいで硬化し、成形用スタンパー2から一体物を引き剥がす際に、PTFEテープ断面の粘着成分が同時に付着し、付着したものが成形用スタンパー上に落下し、その次の成形時に粘着成分が成形用スタンパーに目詰まりしたと考えられる。
[比較例2]
比較例1において、成形を継続的に実施した結果、テープの粘着成分による目詰まりの発生を確認した。そのため、専用パレット1への成形用スタンパー2の固定は、PTFEテープを用いず、実施例1と同様、専用パレット1上に4つのガイド部材3を接着し、それらのガイド部材3を成形用スタンパー2の周縁に当接して成形用スタンパー2を固定し、それ以外は比較例1と同様にして成形を行った。
一体物を成形用スタンパーから引き剥がしたとき、成形用スタンパーの周縁部、及び、引き剥がした一体物の成形用スタンパーとガイド部材の境界に相当する位置には、成形用スタンパーとガイド部材との間の段差があるため、樹脂だまりが発生し、基材に密着しきれない硬化樹脂が樹脂カスや糸くず状の硬化樹脂となって付着していた。さらに、成形用スタンパーの周縁部には十分に硬化していない液状の樹脂もみられた。この液状の樹脂は、前述の段差部の樹脂が硬化時に酸素阻害を受けて十分に硬化しなかったことが原因と考えられる。
[比較例3]
実施例1における成形用スタンパーを凹部の深さを520nm〜550nmの範囲にしたものを用いる以外は、実施例1と同様にして成形を行った。一体物を成形用スタンパーより引き剥がそうとしたところ、引き剥がすことができず、成形用スタンパーが専用パレットから浮き、反射防止フィルムを得ることができなかった。
1 専用パレット
2 成形用スタンパー
3,3’,3” ガイド部材
4 樹脂流下ノズル
5 押圧部材(押圧ロール)
6 電離放射線(UV)
7 電離放射線照射装置(UVランプ)
8 載置台
9 引き剥がし台
10 反射防止フィルム
10’ 一体物
11 基材フィルム
12 反射防止層
13 凹凸構造(モスアイ構造)
14 流下した後の電離放射線硬化性樹脂
15 突起
L1 成形用スタンパーの短辺長さ
L2 成形用スタンパーの長辺長さ
H 樹脂を流下する所定部位(長方形領域)の長さ
W 樹脂を流下する所定部位(長方形領域)の幅
a1〜a12 長方形領域の所定長さHを12等分して12領域とした各領域
S1,S2,S3 成形用スタンパーの辺からの距離
P 突起の周期
h 突起の高さ

Claims (9)

  1. 微細な凹凸構造の反射防止層を有する反射防止フィルムを製造する方法であって、
    成形用スタンパーの少なくとも三辺に当接して該成形用スタンパーを所定位置に載置するためのガイド部材を備えた専用パレットに、前記成形用スタンパーを載置する工程(A)と、
    前記成形用スタンパーの一辺に沿って電離放射線硬化性樹脂を載せる工程(B)と、
    前記成形用スタンパー上に基材フィルムを載せる工程(C)と、
    前記電離放射線硬化性樹脂上の基材フィルムの上から、押圧部材を押圧しながら移動させ、前記電離放射線硬化性樹脂を前記成形用スタンパーからこぼさないで該成形用スタンパーの全面に引き延ばす工程(D)と、
    前記基材フィルム側から電離放射線を照射して前記電離放射線硬化性樹脂を硬化する工程(E)と、
    硬化後の前記電離放射線硬化性樹脂と前記基材フィルムとの一体物を前記成形用スタンパーから引き剥がす工程(F)と、をその順で有することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
  2. 前記電離放射線硬化性樹脂を、前記成形用スタンパーの一辺に沿った所定長さH及び所定幅Wからなる長方形領域に載せる、請求項1に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  3. 前記長方形領域の所定長さHを12等分して12領域としたとき、該長方形領域の両端から少なくとも2番目の領域それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量を、少なくとも中央の4領域それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量よりも多くする、請求項2に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  4. 前記成形用スタンパーが、可視光領域の波長より小さい周期からなる突起を有し且つ該突起の高さが150nm〜450nmの反射防止層を形成するための賦形型を有し、該成形用スタンパーから前記一体物を引き剥がすときの引き剥がし強度が0.020〜2.0N/25mmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  5. 製造される反射防止フィルムが、基材フィルムと、該基材フィルム上に設けられた電離放射線硬化性樹脂からなる反射防止層とを有し、前記反射防止層は、可視光領域の波長より小さい周期からなる突起を有し、該突起の高さが150nm〜450nmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  6. 微細な凹凸構造の反射防止層を有する反射防止フィルムを製造する装置であって、
    成形用スタンパーの少なくとも三辺に当接して該成形用スタンパーを所定位置に載置するためのガイド部材を備えた専用パレットに、該成形用スタンパーを載置するための載置台(a)と、
    前記成形用スタンパーの一辺に沿って電離放射線硬化性樹脂を載せる樹脂載せ装置(b)と、
    前記成形用スタンパー上に基材フィルムを載せる搭載装置(c)と、
    前記電離放射線硬化性樹脂上の基材フィルムの上から、押圧部材を押圧しながら移動させ、前記電離放射線硬化性樹脂を前記成形用スタンパーからこぼさないで該成形用スタンパーの全面に引き延ばす樹脂引き延ばし装置(d)と、
    前記基材フィルム側から電離放射線を照射して前記電離放射線硬化性樹脂を硬化する硬化装置(e)と、
    硬化後の前記電離放射線硬化性樹脂と前記基材フィルムとの一体物を前記成形用スタンパーから引き剥がす引き剥がし台(f)と、
    前記成形用スタンパーを載置した専用パレットを前記(a)〜(f)の順で搬送する搬送装置(g)と、を備えたことを特徴とする反射防止フィルムの製造装置。
  7. 前記樹脂載せ装置において、
    前記電離放射線硬化性樹脂を前記成形用スタンパーの一辺に沿った所定長さH及び所定幅Wからなる長方形領域に載せ、
    前記電離放射線硬化性樹脂を載せるための樹脂流下ノズルが、前記成形用スタンパーの一辺に沿って等間隔で複数配置された固定型多連ディスペンサノズル、又は、前記成形用スタンパーの一辺に沿って移動する移動型ディスペンサノズルである、請求項6に記載の反射防止フィルムの製造装置。
  8. 前記樹脂載せ装置において、
    前記固定型多連ディスペンサノズル又は前記移動型ディスペンサノズルを制御して、前記長方形領域を長手方向に12等分して12領域としたとき、該長方形領域の両端から少なくとも2番目の領域それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量を、少なくとも中央の4領域それぞれに載せる電離放射線硬化性樹脂量よりも多くする、請求項7に記載の反射防止フィルムの製造装置。
  9. 前記成形用スタンパーが、可視光領域の波長より小さい周期からなる突起を有し且つ該突起の高さが150nm〜450nmの反射防止層を形成するための賦形型を有し、該成形用スタンパーから前記一体物を引き剥がすときの引き剥がし強度が0.020〜2.0N/25mmである、請求項6〜8のいずれか1項に記載の反射防止フィルムの製造装置。
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