JP2011128393A - 電子楽器用コントローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】パッド部への押圧操作が安定しないことによる不具合を解消する電子楽器用コントローラを提供することを目的とする。
【解決手段】制御部120は、今回押下操作位置と前回押下操作位置との移動距離が予め設定した移動距離範囲内に存在しないと判定した場合には、現在の押下位置に割り当てられている音程情報を出力する。その一方で、この移動距離が予め設定した移動距離範囲内に存在すると判定した場合には、現在押下位置より以前に押下位置に割り当てられていて現在押下位置に割り当てられている音程情報とは異なる前回の押下位置に割り当てられている音程情報を出力するので、複数の音程情報の境目付近をパッド操作しても発音が不安定とはならなくなる。
【選択図】図5
【解決手段】制御部120は、今回押下操作位置と前回押下操作位置との移動距離が予め設定した移動距離範囲内に存在しないと判定した場合には、現在の押下位置に割り当てられている音程情報を出力する。その一方で、この移動距離が予め設定した移動距離範囲内に存在すると判定した場合には、現在押下位置より以前に押下位置に割り当てられていて現在押下位置に割り当てられている音程情報とは異なる前回の押下位置に割り当てられている音程情報を出力するので、複数の音程情報の境目付近をパッド操作しても発音が不安定とはならなくなる。
【選択図】図5
Description
本発明は、電子楽器に設けて発音制御を行うためのコントローラに係わり、特に、電子楽器の音程操作用パッド等に利用して好敵なコントローラに関する。
従来よりパッドのタッチ操作によって、指定された音程の音出力を行う楽器装置が各種提案されている。例えば、或る押下操作が継続されている場合に、或る基準位置からの距離に応じた電圧を出力する押下位置検出装置が出力可能な範囲の電圧信号を複数の範囲に分け、この分けた複数の電圧範囲のそれぞれとこれに対応する音程情報および真の位置情報とを対応付けて記憶するテーブルの記憶内容を参照して、押下位置検出装置から出力された電圧信号が属する電圧範囲に対応する音程情報を、求めた差分「D」だけシフトした音程として音出力を行う楽器装置が提案されていた(例えば、特許文献1参照。)。そして、この楽器装置によれば、ファーストタッチが正確な押下位置でなくとも、以後、それを基準として音程をシフトして押下操作による音出力を行え操作不慣れな初心者をサポートすることができるものであった。
しかしながら、従来の押下位置検出装置を用いて、これを指の腹等でなぞるようにして操作する場合、例えば「ドー」と発音させることを意図した場合に、操作者の意図に反して「ドレドー」等と発音してしまうことがあった。これは、パッド操作を行う場合、或る音程とこれに隣接する他の音程との境目付近で指が意図せずに微妙に移動することによるものである。また、このようなパッド操作が安定しないことは、意図しない音程情報が出力されるだけには留まらない。つまり、パッド部へ割り当てられる情報は音程情報に限らないため、パッド部への押下操作であるパッド操作の不安定さによる意図しない発音制御が行われてしまうという課題があった。
そこで、本発明は、パッド部への押圧操作が安定しないことによる不具合を解消する電子楽器用コントローラを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基準点からの押圧位置に応じた電圧信号を出力する押圧位置検出手段を備え、検出可能な押圧位置を複数の位置範囲に分け、この分けられたそれぞれの位置範囲毎に異なる、発音制御のための情報である発音制御情報を割り当てた電子楽器用コントローラにおいて、
前記押圧位置検出手段の出力電圧を参照して、今回の現在の押圧位置と前回の押圧位置との移動距離を算出する算出手段と、
この移動距離が予め設定した移動距離範囲内に存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を考慮して発音制御情報を出力する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記移動距離が前記予め設定した移動距離範囲内に存在しないと判定した場合には、前記今回の押圧位置に割り当てられている発音制御情報を出力する一方、 前記移動距離が前記予め設定した移動距離範囲内に存在すると判定した場合には、前記前回の押圧位置に割り当てられていて前記今回の押圧位置に割り当てられている発音制御情報とは異なる前記前回の押下位置に割り当てられている発音制御情報を出力することを特徴とすることを特徴とするようにした。そして、前記発音制御情報は、具体例としては、前記押下位置検出手段の検出可能な押下位置を複数の位置範囲のそれぞれに異なるように割り当てた音程情報である。
前記押圧位置検出手段の出力電圧を参照して、今回の現在の押圧位置と前回の押圧位置との移動距離を算出する算出手段と、
この移動距離が予め設定した移動距離範囲内に存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を考慮して発音制御情報を出力する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記移動距離が前記予め設定した移動距離範囲内に存在しないと判定した場合には、前記今回の押圧位置に割り当てられている発音制御情報を出力する一方、 前記移動距離が前記予め設定した移動距離範囲内に存在すると判定した場合には、前記前回の押圧位置に割り当てられていて前記今回の押圧位置に割り当てられている発音制御情報とは異なる前記前回の押下位置に割り当てられている発音制御情報を出力することを特徴とすることを特徴とするようにした。そして、前記発音制御情報は、具体例としては、前記押下位置検出手段の検出可能な押下位置を複数の位置範囲のそれぞれに異なるように割り当てた音程情報である。
この発明によれば、算出手段が、押下位置検出手段の出力電圧を参照して、今回の押下位置と前回の押下位置との移動距離を算出し、判定手段が、この移動距離が予め設定した移動距離範囲内に存在するか否かを判定する。そして、制御手段は、移動距離が予め設定した移動距離範囲内に存在しないと判定した場合には、今回の押下位置に割り当てられている発音制御情報を出力する。一方、移動距離が予め設定した移動距離範囲内に存在すると判定した場合には、前回の押下位置に割り当てられていて前記今回の押下位置に割り当てられている発音制御情報とは異なる前回の押下位置に割り当てられている発音制御情報を出力する。したがって、例えば、複数の音程情報が割り当てられている場合、その境目付近をパッド操作しても発音が不安定とはならなくなる。
また、前記押圧位置検出手段を一次元で基準点からの押圧位置に応じた電圧信号を出力する手段とし、前記移動距離範囲内とは1次元上の或る位置と他の或る位置までの距離内であってこの二つの位置間に前記前回の押圧位置が存在するものとした構成や、前記押圧位置検出手段をX方向とこれに垂直なY方向で規定される2次元で、XY座標系の或る基準点からの押圧位置に応じた電圧信号を出力する手段とし、前記移動距離範囲内とは、前記X方向での1次元上の或る位置から他の或る位置までの距離内であってこの二つの位置間に前記前回の押圧位置が存在するものとした構成とすれば良い。更に、前記押圧位置検出手段を 押圧位置に応じた電圧信号を出力するパッド部と、このパッド部からの電圧信号をアナログデジタル信号に変換するA/D変換器とを含んだ構成とし、前記パッド部の押圧可能位置範囲に対応する最左端部から最右端部までの押圧の内、前記最左端部に対する前記A/D変換器で得られるデジタル信号が「0」から始まるようにする変換手段を更に備えた構成とすることも挙げられる。
本発明によれば、パッド操作が安定しないことによる不具合を解消する電子楽器用コントローラを提供することができるという効果が得られる。
以下、本発明を実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態においては、本願発明のコントローラー100の一例として、基準点からの一次元の押圧位置情報をその電圧から得るパッド部150を備え、パッド操作(即ち、パッド部150の上面を指の腹等で押圧する操作)による押圧位置に応じて異なる音程(ノート番号に対応する)が出力される電子楽器に適用した場合を想定して説明する。但し、発音制御情報は音程情報に限られなく、また、パッド部150を2次元における基準点(0,0)からの距離(x,y)とすることもできる。
(構成)
図1はコントローラ100を備えた電子楽器装置1の構成図である。CPU20は装置全体の制御を統括する機能を有する。CPU20には、その動作プログラム等が不揮発的に記憶されているROM25、ワークエリア等に使用されるRAM30が接続されている。CPU20が音源部40を駆動制御することによって、所望の音楽信号をD/A変換器45によってデジタルアナログ変換してスピーカ50から放音可能に構成されている。また、CPU20には各種の操作指示を行うための操作部60も接続され、ユーザが操作した操作態様を把握可能に構成されている。そして、CPU20はコントローラ100に接続されている。また、後に説明するように、コントローラ100からは基準点から押圧位置までの距離に応じた電圧信号がA/D変換されて出力されて、制御部120がこのデジタル情報に対応する音程情報をCPU20に送信可能に構成されている。
図1はコントローラ100を備えた電子楽器装置1の構成図である。CPU20は装置全体の制御を統括する機能を有する。CPU20には、その動作プログラム等が不揮発的に記憶されているROM25、ワークエリア等に使用されるRAM30が接続されている。CPU20が音源部40を駆動制御することによって、所望の音楽信号をD/A変換器45によってデジタルアナログ変換してスピーカ50から放音可能に構成されている。また、CPU20には各種の操作指示を行うための操作部60も接続され、ユーザが操作した操作態様を把握可能に構成されている。そして、CPU20はコントローラ100に接続されている。また、後に説明するように、コントローラ100からは基準点から押圧位置までの距離に応じた電圧信号がA/D変換されて出力されて、制御部120がこのデジタル情報に対応する音程情報をCPU20に送信可能に構成されている。
図2はパッド部150の外観断面図である。フィルム102の表面部には押下操作方向である図中の矢印方向(平面視なら左右方向)に延びる薄肉の抵抗体105が設けられている。一方、フィルム102に対向して設けられているフィルム101の裏面には、抵抗体105が延びる方向に同一方向に延びる導体110が設けられている。なお、図2では不図示であるが、抵抗体105の一方の端部は接地されると共に他方の端部には基準電圧Vrが印加されている。
図3はパッド部150の動作を説明する模式的な説明図である。図3(a)に示すように、抵抗体105の一端は接地される一方、他端には基準電圧Vrが供給されている。この状態で抵抗体105と導体110とが対向するように構成されている。したがって、符号Pxで図示するように、導体110の押下操作を行うとその押下位置に対応する電圧「Vx」が出力されることになる。なお、押下位置は「0」を基準点としたものである。したがって、図3(b)に示すように基準点「0」からの距離xに応じてリニアに変化する出力電圧Vxを得ることが可能になる。基準点から押下点までの距離に応じて単調に出力電圧Vxが変化するので、逆に、出力電圧が検出されれば基準点からの距離xが把握されるようになっている。なお、パッド部150への押下操作がない場合にはその出力電圧は「0(V)」又は「Vr(V)」となる。
図4はコントローラ100の構成図である。コントローラ100は、パッド部150とA/D変換器160と制御部120とを有して構成される。A/D変換器160はパッド部150からの電圧をアナログデジタル変換する。例えば7ビットのデジタル変換を行えば「0」から「127」まで128段階のデジタルデータとなる。図3(b)を見て分かるように、基準点からの押圧位置とパッド出力電圧は線形の関係にあるので、この場合には128種類の押圧位置情報が生成され、これが制御部120に渡される。
そして、制御部120は、それぞれのデジタルデータ(それぞれの位置範囲)毎に異なる音程が割り当てられていることを把握して、押圧位置情報に応じた音程情報を出力する。
(動作)
次に、図5を参照して、コントローラ100の制御部120の動作を説明する。先ず、パッド部150に対する押圧操作(パッドオン操作)が行われると、ステップS500において、そのパッドオン操作によって押圧された位置である現在の位置情報(NewValue)を取得する。この現在位置情報が今回位置情報となる。次に、ステップS505において、前回のパッド操作による位置情報(OldValue)からの移動距離を算出して変数「ValueDelta」に代入する。前回の位置情報は前の位置情報である。この移動距離の算出、代入は具体的には「NewValue とOldValueとの差」を求めて変数「ValueDelta」に代入する処理である。なお、前回とは今回を基準として過去一番近いパッド操作であってそれによる出力電圧が今回とは異なる時のことである。次いで、ステップS510において、パッドオン操作した後に、一度以上ノート番号(音程情報)が変更されたことがあるか否かを判定する。ノート番号が変更されていると判断された場合(Yes)、この場合には、操作者が意図する音程変更操作が行われたとしてステップS520に移行する一方、これ以外の場合(No)には、操作者が意図しない音程変更操作が行われたとしてステップS515に移行して補正処理を行うか否かを判定する。
次に、図5を参照して、コントローラ100の制御部120の動作を説明する。先ず、パッド部150に対する押圧操作(パッドオン操作)が行われると、ステップS500において、そのパッドオン操作によって押圧された位置である現在の位置情報(NewValue)を取得する。この現在位置情報が今回位置情報となる。次に、ステップS505において、前回のパッド操作による位置情報(OldValue)からの移動距離を算出して変数「ValueDelta」に代入する。前回の位置情報は前の位置情報である。この移動距離の算出、代入は具体的には「NewValue とOldValueとの差」を求めて変数「ValueDelta」に代入する処理である。なお、前回とは今回を基準として過去一番近いパッド操作であってそれによる出力電圧が今回とは異なる時のことである。次いで、ステップS510において、パッドオン操作した後に、一度以上ノート番号(音程情報)が変更されたことがあるか否かを判定する。ノート番号が変更されていると判断された場合(Yes)、この場合には、操作者が意図する音程変更操作が行われたとしてステップS520に移行する一方、これ以外の場合(No)には、操作者が意図しない音程変更操作が行われたとしてステップS515に移行して補正処理を行うか否かを判定する。
ステップS515では、先に求めた「ValueDelta」が「−2」以上で且つ「+2」以下か否かを判定する。なお、ここで「−2」、「+2」は現在位置とそれ以前の前回位置との移動距離が所定距離内にあるか否かを判定するための値であるが、他の値を設定しても良い。「ValueDelta」が「−2」以上で且つ「+2」以下である場合(Yes)にはステップS525に移行する一方、これ以外の場合(No)にはステップS520に移行する。そして、ステップS520では、変数「OldValue」に「NewValue」を代入して、今回の押圧位置情報で前回の押圧位置情報を更新する。一方、ステップS525においては、変数「NewValue」に「OldValue 」を代入して、今回位置情報の更新を行わず、前回位置情報をそのまま利用する。
そして、ステップS530においては音程(ノート番号に対応)を出力する。この場合、ステップS520から移行してきた場合には、新たな押圧位置情報に対応する音程情報を出力する一方、ステップS525から移行してきた場合には、現在位置よりも前の位置に対応する音程情報をCPU20に出力する。そして、音程情報を得たCPU20は、与えられた音程情報がスピーカ50から放音されるように音源部40を駆動制御する。
つまり、図6(a)に示すように、今回の押圧位置が前回の押下位置(Xp)に対して「−α」、「+α」の範囲内であれば、今回の押下位置を前回の押下位置と同じと見なして前回押下位置情報に割り当てられている音程情報を出力する(補正処理を実行する:図中の符号A参照)一方、これ以外の範囲の場合には今回の押圧位置情報(新たな押圧位置情報)に割り当てられている音程情報を出力する(不補正:図中の符号B、C参照)。但し、この「Xp−α」から「Xp+α」の範囲は、パッド部150を押下した時に、操作者(演奏者)の力の入れ加減や指が滑る等で発生する位置情報の変動(ばたつき)と判断する範囲とする。
このように、制御部120は、今回(現在)押圧操作位置と前回押圧操作位置との移動距離が予め設定した移動距離範囲内に存在しないと判定した場合には、今回の押下位置に割り当てられている音程情報を出力する一方、この移動距離が予め設定した移動距離範囲内に存在すると判定した場合には、前回押圧位置に割り当てられていて今回押下位置に割り当てられている音程情報とは異なる前回の押下位置に割り当てられている音程情報を出力するので、複数の音程情報の境目付近をパッド操作しても発音が不安定とはならなくなる。
図7は2次元のパッド部の構成の模式的説明図である。このパッド部は、自身の対向する辺に電極710、電極711が設けられた抵抗体701と、自身の対向する辺に電極713、電極714が設けられた抵抗体702とを重ね合わせて構成されてい、電極710と電極711との間には電圧源720からの電圧が印加可能とされていると共に、電極713と電極714との間には電圧源721からの電圧が印加可能とされている。なお、理解容易とするために図7においては抵抗を示す回路記号を図示している。
そして、パッド操作による押下位置を2次元で検出するには、電圧源720から電圧を供給する場合には電圧源721からの供給を停止させ、電極713から電圧V1を得て、次に、電圧源721からの電圧供給を行うと共に電圧源720からの電圧供給を停止させ、電極710から電圧V2を得る。ここで、図7に示すようにX−Y座標系を想定すると、電圧V1はY方向の基準位置からの距離に対応すると共に、電圧V2はX方向の基準位置からの距離に対応する。かくして、基準点(0,0)からの距離情報が2次元で把握可能になる。そして、図6(b)に示すように、前回の位置情報を(Xp、Yp)とすると、今回位置情報がX方向において「Xp−α」と「Xp+α」以内であり、且つ、Y方向において「Yp−β」と「Yp+β」以内であれば、上述したような補正処理を行いこれ以外の場合には不補正とすることも可能である。また、2次元での位置情報を得ても、補正処理を施すか否かをX方向の位置情報だけで判断することも可能である。
図12は他の電子楽器の構成例である。この電子楽器は楽音信号をA/D変換器70でアナログデジタル変換してCPU20に送り、CPU20はROM26に記録されているプログラムをRAM30をワークリアとして使用して所定の信号処理、例えば効果付加を行い、これを制御信号でカットオフ周波数が変更される可変フィルタ部80を通し、この可変フィルタ部80を通した信号をD/A変換器45でデジタルアナログ変換してスピーカ50から放音するものである。コントローラ101からは制御信号が出力されて可変フィルタ部80のカットオフ周波数が変更制御される。そして、コントローラ101に対するパッド操作によってカットオフ周波数が変更されるが、パッド操作による制御信号の変化は操作者の意図するものだけのものとなるため、安定したフィルタリングで操作者にとって所望の音出力を実現できるようになる。
このように、本発明のコントローラは、単に音程情報の安定出力に留まらず、パッド部が検出可能な押下位置を複数の位置範囲に分けて、この分けられたそれぞれの位置範囲毎に異なる発音制御のための情報である発音制御情報を割り当てるが、この発音制御情報を様々なものとすることが可能となる。
(他の形態)
次に、図8乃至図11を参照して他の形態について説明する。図8(a)の横軸はパッド部150の左端から右端までの押圧可能な範囲である「入力範囲」を示し、縦軸はパッド部150が出力可能な電圧範囲でA/D変換されたものを示し、その最小値はVmin、最大値はVmaxである。パッド部150からの電圧でA/D変換された電圧Vは、VminからVmaxまでの値を取り得る。ここで、符号Dで示す部分を見れば分かるように、入力範囲の最左端部では電圧が「0」にはなっていないため適切に押圧位置情報が得られない。そこで、制御部120は、図8(b)に示すように「N(V)=((Clip(V,Vmax,Vmin)−Vmin)×(Nmax−Nmin))/(Vmax−Vmin)+Nmin」(変換(1))(但し、Clip(A,B,C)はB>CでAがB以上の場合はB、C以下の場合はC、それ以外の場合はAの値をとる関数)なる変換を行うと、図8(b)のようになり、入力に対して、パッド部150からの電圧をA/D変換したものである数値「N」が、最小値Nminから最大値Nmaxまで取り得るようになり、しかも数値「N」は最左端部近傍の入力に対して「0」から始まるようになる。即ち、入力に対して押圧位置の情報が数値で、例えば「0」から「127」まで出力されるようになる。かくして、パッド部150の押圧可能ないずれの位置を押圧操作しても数値が得られるようになる。
次に、図8乃至図11を参照して他の形態について説明する。図8(a)の横軸はパッド部150の左端から右端までの押圧可能な範囲である「入力範囲」を示し、縦軸はパッド部150が出力可能な電圧範囲でA/D変換されたものを示し、その最小値はVmin、最大値はVmaxである。パッド部150からの電圧でA/D変換された電圧Vは、VminからVmaxまでの値を取り得る。ここで、符号Dで示す部分を見れば分かるように、入力範囲の最左端部では電圧が「0」にはなっていないため適切に押圧位置情報が得られない。そこで、制御部120は、図8(b)に示すように「N(V)=((Clip(V,Vmax,Vmin)−Vmin)×(Nmax−Nmin))/(Vmax−Vmin)+Nmin」(変換(1))(但し、Clip(A,B,C)はB>CでAがB以上の場合はB、C以下の場合はC、それ以外の場合はAの値をとる関数)なる変換を行うと、図8(b)のようになり、入力に対して、パッド部150からの電圧をA/D変換したものである数値「N」が、最小値Nminから最大値Nmaxまで取り得るようになり、しかも数値「N」は最左端部近傍の入力に対して「0」から始まるようになる。即ち、入力に対して押圧位置の情報が数値で、例えば「0」から「127」まで出力されるようになる。かくして、パッド部150の押圧可能ないずれの位置を押圧操作しても数値が得られるようになる。
図9は、前回押圧位置が「P」であり、今回の押圧位置が「P−α」と「P+α」の範囲内の場合の数値を求める方法を説明している。なお、パッド部150からの電圧をA/D変換したものの内、「Vp」は「P」に対するもの、「V−ΔV」は「P−α」に対するもの、「V+ΔV」は「P+α」に対するものである。図9(b)を見て分かるように、制御部120は、今回の押圧位置が前回の押圧位置「P」として「P−α」と「P+α」の範囲内の場合には、前回の検出値Vpを今回の検出値とし、これに対応する数値「Np」を求める(変換(2))。これによれば、先に図5を参照して説明したように、音程情報の境目付近での操作の不安定さを解消することができる。これは、図5のステップS525と同様の機能を有するものとなっている。
図10は、今回の押圧位置が、図9で説明した「P−α」と「P+α」の範囲(補正範囲)を下回って検出電圧が超えた場合の処理の説明図であり「Vpb=Vp−ΔV」である。このケースでは、制御部120は、「V<Vpbの場合:V’=((Clip(V,Vmax,Vmin)−Vmin)/(Vpb−Vmin))×(Vp−Vmin)+Vmin」(変換(3a))、「V>Vpbの場合:V’=((Clip(V,Vmax,Vmin)−Vpb)/(Vmax−Vpb))×(Vmax−Vmin)+Vp」(変換(3b))、「V>Vpbの場合:V’=Vp」(変換(3c))(但し、Clip(A,B,C)はB>CでAがB以上の場合はB、C以下の場合はC、それ以外の場合はAの値をとる関数)なる変換を行う。その結果、図10(a)に示すように補正曲線は折れ線接続点P1を通り全体的に折れ線状となる(実際の関係は直線)。そして、前述した変換式(1)を用いてパッド部150の電圧をA/D変換したものを数値化すると図10(b)のようになる。このように補正を行うと、補正範囲を僅かに下回って補正が解除された場合でも、補正中と補正解除後の値の連続性が維持されるので、数値化された値に不連続点を生じないという効果が得られる。
図11は、今回の押圧位置が、図9で説明した「P−α」と「P+α」の範囲(補正範囲)を上回って検出電圧が超えた場合の処理の説明図であり「Vpb=Vp+ΔV」である。このケースでも、制御部120は、「V<Vpbの場合:V’=((Clip(V,Vmax,Vmin)−Vmin)/(Vpb−Vmin))×(Vp−Vmin)+Vmin」(変換(3a))、「V>Vpbの場合:V’=((Clip(V,Vmax,Vmin)−Vpb)/(Vmax−Vpb))×(Vmax−Vmin)+Vp」(変換(3b))、「V>Vpbの場合:V’=Vp」(変換(3c))(但し、Clip(A,B,C)はB>CでAがB以上の場合はB、C以下の場合はC、それ以外の場合はAの値をとる関数)なる変換を行う。その結果、図11(a)に示すように、補正曲線は折れ線接続点P2を通り全体的に折れ線状となる(実際の関係は直線)。そして、前述した変換式(1)を用いてパッド部110の電圧をA/D変換したものを数値化すると図11(b)のようになる。このように補正を行うと、補正範囲を僅かに上回って補正が解除された場合でも、補正中と補正解除後の値の連続性が維持されるので、数値化された値に不連続点を生じないという効果が得られる。
以上説明してきたように、本発明はパッド操作を行う各種の電子楽器に適用することができる。
20 CPU
25 ROM
30 RAM
40 音源部
45 D/A変換器
50 スピーカ
60 操作部
100 コントローラ
150 パッド部
120 制御部
160 A/D変換器
25 ROM
30 RAM
40 音源部
45 D/A変換器
50 スピーカ
60 操作部
100 コントローラ
150 パッド部
120 制御部
160 A/D変換器
Claims (6)
- 基準点からの押圧位置に応じた電圧信号を出力する押圧位置検出手段を備え、検出可能な押圧位置を複数の位置範囲に分け、この分けられたそれぞれの位置範囲毎に異なる、発音制御のための情報である発音制御情報を割り当てた電子楽器用コントローラにおいて、
前記押圧位置検出手段の出力電圧を参照して、今回の現在の押圧位置と前回の押圧位置との移動距離を算出する算出手段と、
この移動距離が予め設定した移動距離範囲内に存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を考慮して発音制御情報を出力する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記移動距離が前記予め設定した移動距離範囲内に存在しないと判定した場合には、前記今回の押圧位置に割り当てられている発音制御情報を出力する一方、前記移動距離が前記予め設定した移動距離範囲内に存在すると判定した場合には、前記前回の押圧位置に割り当てられていて前記今回の押圧位置に割り当てられている発音制御情報とは異なる前記前回の押下位置に割り当てられている発音制御情報を出力することを特徴とする電子楽器用コントローラ。 - 請求項1に記載の電子楽器用コントローラにおいて、
前記算出手段は、
今回の現在の押圧位置と、この今回の押下操作を基準として過去に遡って一番近い押圧操作による押圧位置であって前記今回の押圧位置とは異なる押圧位置である前回の押圧位置との距離を移動距離として算出する手段であることを特徴とする電子楽器用コントローラ。 - 請求項1又は2に記載の電子楽器用コントローラにおいて、
前記発音制御情報は、
前記押圧位置検出手段の検出可能な押圧位置を複数の位置範囲のそれぞれに異なるように割り当てた音程情報であることを特徴とする電子楽器用コントローラ。 - 請求項1、2および3の内のいずれか一項に記載の電子楽器用コントローラにおいて、
前記押圧位置検出手段は、
一次元で基準点からの押圧位置に応じた電圧信号を出力する手段であり、
前記移動距離範囲内とは、1次元上の或る位置と他の或る位置までの距離内であってこの二つの位置間に前記前回の押圧位置が存在するものであるとしたことを特徴とする電子楽器用コントローラ。 - 請求項1、2および3の内のいずれか一項に記載の電子楽器用コントローラにおいて、
前記押圧位置検出手段は、
X方向とこれに垂直なY方向で規定される2次元で、XY座標系の或る基準点からの押圧位置に応じた電圧信号を出力する手段であり、
前記移動距離範囲内とは、前記X方向での1次元上の或る位置から他の或る位置までの距離内であってこの二つの位置間に前記前回の押圧位置が存在するものであるとしたことを特徴とする電子楽器用コントローラ。 - 請求項4に記載の電子楽器用コントローラにおいて、
前記押圧位置検出手段は、
押圧位置に応じた電圧信号を出力するパッド部と、このパッド部からの電圧信号をアナログデジタル信号に変換するA/D変換器とを含み、
前記パッド部の押圧可能位置範囲に対応する最左端部から最右端部までの押圧の内、前記最左端部に対する前記A/D変換器で得られるデジタル信号が「0」から始まるようにする変換手段を更に備えたことを特徴とする電子楽器用コントローラ。
Priority Applications (1)
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JP2009287141A JP2011128393A (ja) | 2009-12-18 | 2009-12-18 | 電子楽器用コントローラ |
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JP2000276138A (ja) * | 1999-03-23 | 2000-10-06 | Yamaha Corp | 楽音制御装置 |
JP2003195867A (ja) * | 2001-12-25 | 2003-07-09 | Casio Comput Co Ltd | 楽音制御装置及び楽音制御処理プログラム |
JP2007079018A (ja) * | 2005-09-13 | 2007-03-29 | Korg Inc | 楽器装置 |
-
2009
- 2009-12-18 JP JP2009287141A patent/JP2011128393A/ja active Pending
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