JP2011127437A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】気筒内に向けて供給される気体を冷却するための冷却装置の使用形態を切り換える際の燃焼状態の悪化を防止できる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン負荷が低負荷から高負荷に移行してEGRクーラへのEGRガス流量を増加させる際、シリンダ壁温度が十分に上昇するまでEGRクーラバイパスバルブの切り換えを遅延させる。また、エンジン負荷が高負荷から低負荷に移行してEGRクーラへのEGRガス流量を減少させる際、シリンダ壁温度が十分に下降するまでEGRクーラバイパスバルブの切り換えを遅延させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車等に搭載される内燃機関の制御装置に係る。特に、本発明は、気筒内に向けて供給される気体(例えばEGRガスや吸入空気)を冷却するための冷却装置の使用形態の改良に関する。
従来より、ディーゼルエンジン等に代表される内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ場合もある)には、排気ガスの一部を吸気通路に還流させる排気還流(EGR:ExhaustGas Recirculation)装置が備えられている(例えば下記の特許文献1及び特許文献2を参照)。このEGR装置によって気筒内に向けて排気ガスを還流させることにより、気筒内の酸素濃度や酸素密度を低下させる。これにより、燃焼室内での燃焼時における燃焼温度(火炎温度)を低下させることでNOxの生成を抑制して、排気エミッションの改善を図るようにしている。
また、上記EGR装置は、吸気通路に還流させる排気ガスを冷却するための冷却装置としてEGRクーラを有している。このEGRクーラによって排気ガスのガス容量(ガスの比重量)を大きく確保し、排気還流による効果(排気エミッション改善効果)の増大を図ることができる。
また、EGR装置には、EGRクーラをバイパスさせて排気ガスを吸気通路に還流させるための(排気ガスを冷却することなく吸気通路に還流させるための)クーラバイパス通路が備えられている。更に、EGR装置には、排気ガスの流れをEGRクーラ側とクーラバイパス通路側とで切り換え可能なクーラバイパスバルブも備えられている。
このクーラバイパスバルブの切り換え動作により、例えば、エンジンの高負荷運転時には、排気ガスをEGRクーラに流して冷却した後、吸気通路に還流させる一方、エンジンの低負荷運転時には、排気ガスをクーラバイパス通路に流し、排気ガスを冷却することなく吸気通路に還流させるようにしている。
尚、気筒内に向けて供給される気体を冷却するための冷却装置としては、上記EGRクーラ以外に、ターボチャージャで圧縮された吸気を冷却するためのインタークーラも挙げられる。このような吸気系の構成においても上記EGR装置と同様に、インタークーラをバイパスして吸気を流すためのクーラバイパス通路や、吸気の流れをインタークーラ側とクーラバイパス通路側とで切り換え可能なクーラバイパスバルブが備えられている(特許文献2を参照)。
特開2007−138810号公報 特開2009−115068号公報
ところが、単にエンジン負荷の変化と同時に、上記クーラ側への気体の流れとクーラバイパス通路側への気体の流れとを切り換えた場合、以下に述べるような不具合が生じる可能性があることを本発明の発明者は見出した。以下では、EGRクーラの場合を例に挙げて説明する。
エンジンが低負荷運転から高負荷運転に切り換わる場合を考える。この場合、エンジンが低負荷運転にある際には、排気ガスがクーラバイパス通路に流され、この排気ガスを冷却することなく吸気通路に還流させている。この状態から、エンジンが高負荷運転に移行すると、それと同時に、クーラバイパスバルブが切り換わり、排気ガスがEGRクーラに流され、この排気ガスを冷却して吸気通路に還流させることになる。
この場合、エンジン負荷の変化と略同時に、還流される排気ガスの温度は低くなる(EGRクーラに流されることで排気ガスの温度は低くなる)。また、エンジンが低負荷運転から高負荷運転に切り換わった直後では、燃焼室内温度の大部分を支配するシリンダ壁温は未だ低負荷運転時の温度、つまり、比較的低い温度(高負荷運転時に比べて低い温度)となっている。更に、このエンジンが低負荷運転から高負荷運転に切り換わった直後は、燃焼室内で発生した熱量のうちのかなりの量がシリンダの熱容量によってシリンダに吸収されることになるので、このシリンダ壁温の上昇には時間を要し、この高負荷運転が所定時間継続されるまでは、シリンダ壁温及び燃焼室内温度は高負荷運転に適した温度よりも低くなっている。更に、EGRクーラやそれに接続されている配管の熱容量の影響によっても、還流される排気ガス温度は低下することになる。
このため、エンジンが低負荷運転から高負荷運転に切り換わった直後にあっては、比較的低い温度の気筒内に向けてEGRクーラによって冷却された比較的低温度の排気ガスが還流されることになる。
一方、燃焼室内での混合気の着火時期や燃焼速度は燃焼室内温度等によって大きく左右される。このため、上記のようなエンジン負荷の変化直後にあっては、燃焼室内温度が適正な温度よりも低くなっており、混合気の着火遅れや燃焼速度の低下を招いてしまうことになる。このような着火遅れや燃焼速度の低下が生じると、トルク不足、燃焼音の増大、排気エミッションの悪化などが懸念される状況となる。また、場合によっては失火や白煙の排出等を招いてしまう可能性もある。
上記不具合は、EGRクーラの切り換え動作(エンジン負荷に応じて排気をEGRクーラに流す動作とEGRクーラをバイパスさせる動作との切り換え)に限らず、上記インタークーラの切り換え動作(エンジン負荷に応じて吸気をインタークーラに流す動作とインタークーラをバイパスさせる動作との切り換え)においても同様に生じる可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、気筒内に向けて供給される気体を冷却するための冷却装置の使用形態を切り換える際の燃焼状態の悪化を防止できる内燃機関の制御装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、気筒内に向けて供給される気体を冷却するための冷却装置への気体流通状態を変化させる場合、燃焼室内温度または燃焼室内温度に相関のあるパラメータ(例えばシリンダ壁温度やその変化量等)に基づいて、この冷却装置への気体流通状態を変化させるタイミングや単位時間当たりにおける変化量を変更するようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、気筒内に向けて供給される気体を冷却するための冷却装置と、この冷却装置を迂回して上記気体を気筒内に向けて供給するための迂回通路と、上記冷却装置側及び迂回通路側における上記気体の流量を調整する流量調整手段とを備えた内燃機関の制御装置を前提とする。この内燃機関の制御装置に対し、上記流量調整手段によって上記冷却装置側及び迂回通路側における上記気体の流量を変更するに際し、気筒内の温度または気筒内の温度に相関のあるパラメータに基づいて、この流量調整手段による上記冷却装置側及び迂回通路側の上記気体の流量の変更を制限する流量変更制限手段を備えさせている。
この特定事項により、内燃機関の負荷変化などに伴って、上記冷却装置側及び迂回通路側における上記気体の流量を流量調整手段によって変更する場合、変動後の負荷に応じた適正な気筒内温度に到達するまで流量調整手段による上記冷却装置側及び迂回通路側の上記気体の流量の変更を制限(切り換え動作の遅延や単位時間当たりにおける流量変化を制限)する。これにより、例えば内燃機関の負荷が低負荷から高負荷に移行した場合に、高負荷に適した温度よりも低い温度での燃焼を招いてしまうことが防止される。これにより、負荷に応じた燃焼温度が早期に得られ、混合気の着火遅れや燃焼速度の低下を招いてしまうことがなくなる。また、内燃機関の負荷が高負荷から低負荷に移行した場合にも、低負荷に適した温度よりも高い温度での燃焼を招いてしまうことが防止されることになる。
上記気体の流量の変更を制限する具体的な手法としては以下の2タイプが挙げられる。先ず、上記流量調整手段が、上記気体を冷却装置側に流す状態と上記迂回通路側に流す状態とを切り換え可能な構成とされている場合に、上記気筒内の温度または気筒内の温度に相関のあるパラメータに基づいて、上記流量変更制限手段が、上記流量調整手段による上記気体流れの切り換えタイミングの遅延時間を変更する構成としたものである。
また、上記流量調整手段が、上記気筒内に向けて供給される上記気体の量に対する上記迂回通路側に流す気体の量の割合であるバイパス率を調整可能な構成とされている場合に、上記気筒内の温度または気筒内の温度に相関のあるパラメータに基づいて、上記流量変更制限手段が、上記流量調整手段により調整される上記バイパス率の単位時間当たりの変化量を変更する構成としたものである。
何れの構成においても、気体の流量の変更を制限することにより、負荷に応じた燃焼温度を得ることができ、燃焼室内での安定した燃焼を実現することができる。
また、前者の構成(気体流れの切り換えタイミングの遅延時間を変更するもの)の場合において遅延時間を変更するための具体的な構成としては以下のものが挙げられる。つまり、上記気筒内の温度または気筒内の温度に相関のあるパラメータに基づき、気筒内温度の変化量が大きくなる状況であるほど、上記流量調整手段による上記気体流れの切り換えタイミングの遅延時間を長く設定するよう上記流量変更制限手段を構成したものである。
内燃機関の負荷変化量が大きい場合等であって気筒内温度の変化量が大きくなる状況では、その変化後の負荷に適した燃焼室内温度に到達するまでの時間を長く要する可能性が高い。このため、そのような場合には、気体流れの切り換えタイミングの遅延時間を長く設定している。これにより、如何なる気筒内温度の変化状態にあっても、負荷に応じた燃焼温度を早期に得ることができる。
この場合、更に、上記気体を迂回通路側に流している状態から冷却装置側に流す状態となるように上記流量調整手段を切り換える場合には、上記気体を冷却装置側に流している状態から迂回通路側に流す状態となるように上記流量調整手段を切り換える場合よりも上記気体流れの切り換えタイミングの遅延時間を長く設定するよう上記流量変更制限手段を構成することが好ましい。
上記気体を迂回通路側に流している状態から冷却装置側に流す状態となるように上記流量調整手段を切り換える場合には、シリンダや冷却装置の熱容量によって燃焼室内温度が十分に上昇するまでに時間を要する。一方、上記気体を冷却装置側に流している状態から迂回通路側に流す状態となるように上記流量調整手段を切り換える場合には、迂回通路の熱容量等によって気体が冷却され比較的早期に燃焼室内温度が下降することになる。この点に鑑み、本解決手段では、前者の場合にあっては後者の場合に比べて切り換えタイミングの遅延時間を長く設定している。これにより、流量調整手段の切り換え動作に適した気体流れの切り換えタイミングを設定でき、よりいっそう適切な燃焼室内温度での燃焼を実現することができる。
上記バイパス率の単位時間当たりの変化量を変更するための具体的な構成としては以下のものが挙げられる。つまり、上記気筒内の温度または気筒内の温度に相関のあるパラメータに基づき、気筒内温度の変化量が大きくなる状況であるほど、上記流量調整手段により変更されるバイパス率の単位時間当たりの変化量を小さく設定するよう上記流量変更制限手段を構成したものである。
上述した如く、内燃機関の負荷変化量が大きい場合等であって気筒内温度の変化量が大きくなる状況では、その変化後の負荷に適した燃焼室内温度に到達するまでの時間を長く要する可能性が高い。このため、そのような場合には、バイパス率の単位時間当たりの変化量を小さく設定している。これにより、如何なる気筒内温度の変化状態にあっても、負荷に応じた燃焼温度を早期に得ることができる。
この場合、更に、上記バイパス率を小さくする場合には、バイパス率を大きくする場合よりもバイパス率の単位時間当たりの変化量を小さく設定するよう上記流量変更制限手段を構成することが好ましい。
上記バイパス率を小さくする場合には、シリンダや冷却装置の熱容量によって燃焼室内温度が十分に上昇するまでに時間を要する。一方、バイパス率を大きくする場合には、迂回通路の熱容量等によって気体が冷却され比較的早期に燃焼室内温度が下降することになる。この点に鑑み、本解決手段では、前者の場合にあっては後者の場合に比べてバイパス率の単位時間当たりの変化量を小さく設定している。これにより、バイパス率の変化方向(バイパス率を大きくする変更方向及び小さくする変更方向)に適した気体流れの調整を行うことができ、よりいっそう適切な燃焼室内温度での燃焼を実現することができる。
より具体的な構成として、上記気筒内の温度に相関のあるパラメータとしては、シリンダ壁温度、ピストン頂面温度、または、内燃機関の構成部品の熱容量に起因する冷損が挙げられる。
また、上記冷却装置としては、気筒内に向けて排気ガスを還流させる排気還流装置に備えられたEGRクーラや、過給機で過給された吸入空気を冷却するインタークーラが挙げられる。
本発明では、気筒内に向けて供給される気体を冷却するための冷却装置への気体流通状態を変化させる場合、燃焼室内の温度または燃焼室内温度に相関のあるパラメータに基づいて、この冷却装置への気体流通状態を変化させるタイミングや単位時間当たりにおける変化量を変更するようにしている。このため、変化後の運転状態に適した燃焼室内の温度を迅速に得ることができ、混合気の着火遅れや燃焼速度の低下を抑制することができる。
実施形態に係るエンジン及びその制御系統の概略構成図である。 第1実施形態におけるクーラバイパス制御の手順を示すフローチャート図である。 第2実施形態におけるクーラバイパス制御の手順を示すフローチャート図である。 第3実施形態におけるクーラバイパス制御の手順を示すフローチャート図である。 変形例に係るエンジン及びその吸排気系を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型多気筒(例えば直列4気筒)ディーゼルエンジン(圧縮自着火式内燃機関)に本発明を適用した場合について説明する。
−エンジンの構成−
先ず、本実施形態に係るディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)の概略構成について説明する。図1は本実施形態に係るエンジン1及びその制御系統の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係るエンジン1は、燃料供給系2、燃焼室3、吸気系6、排気系7等を主要部とするディーゼルエンジンシステムとして構成されている。
燃料供給系2は、サプライポンプ21、コモンレール22、インジェクタ(燃料噴射弁)23、遮断弁24、燃料添加弁26、機関燃料通路27、添加燃料通路28等を備えて構成されている。
上記サプライポンプ21は、燃料タンクから燃料を汲み上げ、この汲み上げた燃料を高圧にした後、機関燃料通路27を介してコモンレール22に供給する。コモンレール22は、サプライポンプ21から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各インジェクタ23に分配する。インジェクタ23は、その内部に圧電素子(ピエゾ素子)を備え、適宜開弁して燃焼室3内に燃料を噴射供給するピエゾインジェクタにより構成されている。
また、上記サプライポンプ21は、燃料タンクから汲み上げた燃料の一部を、添加燃料通路28を介して燃料添加弁26に供給する。添加燃料通路28には、緊急時において添加燃料通路28を遮断して燃料添加を停止するための上記遮断弁24が備えられている。
吸気系6は、シリンダヘッドに形成された吸気ポート(図示省略)に接続される吸気マニホールド63を備え、この吸気マニホールド63に、吸気通路を構成する吸気管64が接続されている。また、この吸気通路には、上流側から順にエアクリーナ65、エアフローメータ43、スロットルバルブ62が配設されている。上記エアフローメータ43は、エアクリーナ65を介して吸気通路に流入される空気量に応じた電気信号を出力するようになっている。
排気系7は、シリンダヘッドに形成された排気ポート71に接続される排気マニホールド72を備え、この排気マニホールド72に対して、排気通路を構成する排気管73,74が接続されている。また、この排気通路には、NOx吸蔵触媒(NSR触媒:NOx Storage Reduction触媒)75及びDPNR触媒(Diesel Paticulate−NOx Reduction触媒)76を備えたマニバータ(排気浄化装置)77が配設されている。
更に、このエンジン1には、過給機(ターボチャージャ)5が設けられている。このターボチャージャ5は、タービンシャフト51を介して連結されたタービンホイール52及びコンプレッサホイール53を備えている。コンプレッサホイール53は吸気管64内部に臨んで配置され、タービンホイール52は排気管73内部に臨んで配置されている。このためターボチャージャ5は、タービンホイール52が受ける排気流(排気圧)を利用してコンプレッサホイール53を回転させ、吸気圧を高めるといった所謂過給動作を行うようになっている。本実施形態におけるターボチャージャ5は、可変ノズル式ターボチャージャであって、タービンホイール52側に可変ノズルベーン機構(図示省略)が設けられており、この可変ノズルベーン機構に備えられたノズルベーンの開度を調整することにより、エンジン1の過給圧を調整することができる。
上記吸気系6の吸気管64には、ターボチャージャ5での過給によって昇温した吸入空気を強制冷却するためのインタークーラ(冷却装置)61が設けられている。このインタークーラ61よりも更に下流側に設けられた上記スロットルバルブ62は、その開度を無段階に調整することができる電子制御式の開閉弁であり、所定の条件下において吸入空気の流路面積を絞り、この吸入空気の供給量を調整(低減)する機能を有している。
また、上記吸気管64には、上記インタークーラ61をバイパスするインタークーラバイパス通路(迂回通路)66が接続されている。つまり、このインタークーラバイパス通路66の上流端は吸気管64におけるインタークーラ61の上流側(コンプレッサホイール53側)に接続されており、インタークーラバイパス通路66の下流端は吸気管64におけるインタークーラ61の下流側(スロットルバルブ62側)に接続されている。更に、このインタークーラバイパス通路66の下流端と吸気管64との接続部分にはインタークーラバイパスバルブ(流量調整手段)67が設けられている。このインタークーラバイパスバルブ67は、吸気の流れをインタークーラ61側とインタークーラバイパス通路66側とで切り換え可能な電子制御式の開閉弁により構成されている。つまり、ターボチャージャ5によって圧縮された吸気をインタークーラ61に流すことで冷却する状態と、インタークーラバイパス通路66に流すことで冷却しない状態とが切り換え可能な構成とされている。
また、エンジン1には、吸気系6と排気系7とを接続する排気還流通路(EGR通路)8が設けられている。このEGR通路8は、排気の一部を適宜吸気系6に還流させて燃焼室3へ再度供給することにより燃焼温度を低下させ、これによってNOx発生量を低減させるものである。また、このEGR通路8には、電子制御によって無段階に開閉され、同通路を流れる排気流量を自在に調整することができるEGRバルブ81と、EGR通路8を通過(還流)する排気を冷却するためのEGRクーラ(冷却装置)82とが設けられている。
また、上記EGR通路8には、上記EGRクーラ82をバイパスするEGRクーラバイパス通路(迂回通路)83が接続されている。つまり、このEGRクーラバイパス通路83の上流端はEGR通路8におけるEGRクーラ82の上流側(排気マニホールド72側)に接続されており、EGRクーラバイパス通路83の下流端はEGR通路8におけるEGRクーラ82の下流側(EGRバルブ81側)に接続されている。更に、このEGRクーラバイパス通路83の下流端とEGR通路8との接続部分にはEGRクーラバイパスバルブ(流量調整手段)84が設けられている。このEGRクーラバイパスバルブ84は、EGRガスの流れをEGRクーラ82側とEGRクーラバイパス通路83側とで切り換え可能な電子制御式の開閉弁により構成されている。つまり、EGR通路8を流れてきたEGRガスをEGRクーラ82に流すことで冷却する状態と、EGRクーラバイパス通路83に流すことで冷却しない状態とが切り換え可能な構成とされている。
−センサ類−
エンジン1の各部位には、各種センサが取り付けられており、それぞれの部位の環境条件や、エンジン1の運転状態に関する信号を出力する。
例えば、上記エアフローメータ43は、吸気系6内のスロットルバルブ62上流において吸入空気の流量(吸入空気量)に応じた検出信号を出力する。吸気温センサ49は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気の温度に応じた検出信号を出力する。吸気圧センサ48は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気圧力に応じた検出信号を出力する。A/F(空燃比)センサ44は、排気系7のマニバータ77の下流において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。排気温センサ45は、同じく排気系7のマニバータ77の下流において排気ガスの温度(排気温度)に応じた検出信号を出力する。レール圧センサ41はコモンレール22内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。スロットル開度センサ42はスロットルバルブ62の開度を検出する。
−ECU−
ECU100は、CPU、ROM、RAM及びバックアップRAMなどを備えた周知の構成となっている。このECU100には、上記レール圧センサ41、スロットル開度センサ42、エアフローメータ43、A/Fセンサ44、排気温センサ45、吸気圧センサ48、吸気温センサ49が接続されている。さらに、このECU100には、エンジン1の冷却水温に応じた検出信号を出力する水温センサ46、アクセルペダルの踏み込み量に応じた検出信号を出力するアクセル開度センサ47、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)が一定角度回転する毎に検出信号(パルス)を出力するクランクポジションセンサ40、外気温度を検出する外気温センサ4A、大気圧力を検出する大気圧センサ4Bなどが接続されている。
また、ECU100は、上記インジェクタ23、燃料添加弁26、スロットルバルブ62、EGRバルブ81、インタークーラバイパスバルブ67、EGRクーラバイパスバルブ84などが接続され、これらを制御するようになっている。
−EGRクーラバイパスバルブ84の制御−
次に、本実施形態において特徴とする制御であるEGRクーラバイパスバルブ84の制御(EGRクーラバイパス制御)について複数の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態について説明する。本実施形態におけるEGRクーラバイパスバルブ84の制御は、エンジン負荷の変化に応じてEGRクーラバイパスバルブ84を切り換える(EGRガスの流れをEGRクーラ82側とEGRクーラバイパス通路83側との間で切り換える)際の作動タイミングを制御するものである。より具体的には、シリンダ壁温度(気筒内の温度に相関のあるパラメータ)を推定し、そのシリンダ壁温度が、変化後のエンジン負荷に適した温度に到達するまで、または、その変化後の負荷に適した温度にある程度近付くまで、EGRクーラバイパスバルブ84の切り換え動作の開始を遅延させるものである(流量変更制限手段による気体の流量変更の制限動作)。
尚、ここでいう「エンジン負荷に適したシリンダ壁温度」とは、燃焼行程における混合気の着火遅れや燃焼速度の不足、または、混合気の過早着火や燃焼速度の過剰を招くことのないシリンダ壁温度であって、シリンダ壁温度がこの温度に達しておれば、トルク不足、燃焼音の増大、排気エミッションの悪化などが抑制できるものとなっている。
以下、図2のフローチャートに沿ってEGRクーラバイパスバルブ84の切り換え制御の手順について説明する。この図2に示すルーチンは、エンジン1の駆動中、上記ECU100において所定のサイクルタイム(例えば8msec)で繰り返し実行される。
先ず、ステップST1において、エンジン回転数NE及び燃料噴射量Qfinの読み込みを行う。このエンジン回転数NEは上記クランクポジションセンサ40からの出力信号に基づいて算出される。また、燃料噴射量Qfinは、エンジン負荷に応じ、所定の演算式による算出または燃料噴射量設定マップからの読み出しによって設定される。上記エンジン負荷はエンジン1の負荷率から求められる。この負荷率は、エンジン1の最大機関負荷に対する現在の負荷割合を示す値であって、エンジン1の吸入空気量(上記エアフローメータ43により検出される)に対応するパラメータとエンジン回転数NEとから算出される。
また、ステップST2では、外気温及び大気圧の読み込みを行う。これらは、上記外気温センサ4A及び大気圧センサ4Bからの検出信号によって取得される。
その後、ステップST3に移り、上記ステップST1で読み込んだエンジン回転数NE及び燃料噴射量Qfinを変数とする所定の演算式f1(NE,Qfin)によって基本シリンダ壁温度の算出を行う。この演算式f1(NE,Qfin)では、エンジン回転数NEが高いほど、また、燃料噴射量Qfinが多いほど、基本シリンダ壁温度としては高い値が算出されることになる。
その後、ステップST4において、上記ステップST3で算出した基本シリンダ壁温度CYBASE、及び、上記外気温THa、大気圧Patmを変数とする所定の演算式f2(CYBASE,THa,Patm)によって推定シリンダ壁温度の算出を行う。この演算式f2(CYBASE,THa,Patm)では、基本シリンダ壁温度CYBASEが高いほど、外気温THaが高いほど、また、大気圧Patmが高いほど、推定シリンダ壁温度としては高い値が算出されることになる。
ステップST5では、上記ステップST1で読み込んだエンジン回転数NE及び燃料噴射量Qfinを変数とする所定の演算式g1(NE,Qfin)によってクーラバイパス要求判定値を算出する。このクーラバイパス要求判定値は、上記EGRクーラ82をバイパスさせるように(EGRガスをEGRクーラバイパス通路83に流すように)EGRクーラバイパスバルブ84の切り換えを行うエンジン運転状態であるか否かを判定するための値である。例えば、このクーラバイパス要求判定値が所定の閾値以上である場合には、クーラバイパス要求は無い(エンジン運転状態はEGRガスをEGRクーラ82に流すべき運転状態である:例えば高負荷運転時)として、クーラバイパスOFFと判定される。逆に、このクーラバイパス要求判定値が所定の閾値未満である場合には、クーラバイパス要求が有る(エンジン運転状態はEGRガスをEGRクーラバイパス通路83に流すべき運転状態である:例えば低負荷運転時)として、クーラバイパスONと判定される。
このようにしてクーラバイパス要求判定値が求められた後、ステップST6に移行し、上記クーラバイパス要求判定値に基づく判定(クーラバイパス要求判定:クーラバイパスONまたはクーラバイパスOFFの判定)は、前回ルーチンでの判定と同じであるか否かが判別される。
そして、今回のクーラバイパス要求判定と前回のクーラバイパス要求判定とが同じであり(クーラバイパスONが維持されている、または、クーラバイパスOFFが維持されている)、ステップST6でYES判定された場合には、ステップST7に移り、上記ECU100のRAMに予め備えられたクーラ状態維持カウンタのカウンタ値を「0」にリセットし、本ルーチンを終了する。
このクーラ状態維持カウンタは、後述するように、クーラバイパス要求判定が切り換わった場合に、EGRクーラバイパスバルブ84の切り換えタイミングを調整するためにデクリメントされていくカウンタである。このクーラ状態維持カウンタのカウンタ値の設定動作及びデクリメント動作については後述する。
一方、今回のクーラバイパス要求判定と前回のクーラバイパス要求判定とが異なっており(クーラバイパスONからクーラバイパスOFFへの移行要求時(例えばエンジン負荷の低負荷から高負荷への移行時)、または、クーラバイパスOFFからクーラバイパスONへの移行要求時(例えばエンジン負荷の高負荷から低負荷への移行時))、ステップST6でNO判定された場合にはステップST8に移り、シリンダ壁温変化量算出動作に移る。
このシリンダ壁温変化量算出動作では、上記ステップST4で算出した推定シリンダ壁温度(今回のシリンダ壁温度)から、前回ルーチンで算出されていた推定シリンダ壁温度(前回のシリンダ壁温度)を減算し、これを「シリンダ壁温変化量」として設定する。このシリンダ壁温変化量は、エンジン負荷の変化の大きさに相関のある値として求められている。つまり、エンジン負荷の変化の大きさが大きい場合には、シリンダ壁温変化量としても大きな値が算出され、変化後の負荷に応じた温度に燃焼室内温度が到達するまでに比較的長い時間を要する(エンジン負荷の変化の大きさが小さい場合よりも長い時間を要する)として、後述するクーラ状態維持カウンタ値を大きな値として設定することになる。
尚、エンジン負荷が低負荷から高負荷に移った場合には(クーラバイパスONからクーラバイパスOFFへの移行要求時:実際には未だEGRクーラバイパスバルブ84の切り換えは行われていない)、燃焼室内への燃料噴射量の増量等に伴って燃焼室内温度が上昇するため、上記「シリンダ壁温変化量」は正の値となる。逆に、エンジン負荷が高負荷から低負荷に移った場合には(クーラバイパスOFFからクーラバイパスONへの移行要求時:実際には未だEGRクーラバイパスバルブ84の切り換えは行われていない)、燃焼室内への燃料噴射量の減量等に伴って燃焼室内温度が下降するため、上記「シリンダ壁温変化量」は負の値となる。
その後、ステップST9に移り、クーラ状態維持カウンタ値が「0」となっているか否かを判定する。後述するクーラ状態維持カウンタ値のデクリメント動作(ステップST11の動作)が開始されていない場合にはクーラ状態維持カウンタ値は「0」となっており、ステップST9ではYES判定され、ステップST10に移る。
ステップST10では、クーラ状態維持カウンタ値の設定動作を行う。このクーラ状態維持カウンタ値の設定動作は、先ず、上記ステップST8で算出したシリンダ壁温変化量CYHを変数とする所定の演算式g2(CYH)によってクーラ状態維持カウンタ基準値を算出する。そして、このクーラ状態維持カウンタ基準値を、今回の負荷変化に基づいてEGRクーラバイパスバルブ84の切り換えタイミングの遅延時間を規定するクーラ状態維持カウンタ値として設定する。
上記演算式g2(CYH)は、上記シリンダ壁温変化量CYHの絶対値が大きいほど大きな値として設定される。例えば、シリンダ壁温変化量が「+10℃」である場合にはクーラ状態維持カウンタ値としては「10」に設定され、シリンダ壁温変化量が「+5℃」である場合にはクーラ状態維持カウンタ値としては「5」に設定される。これら値はこれに限定されるものではなく、実験やシミュレーション等に基づいて設定される。
また、このシリンダ壁温変化量の絶対値が同じであっても、このシリンダ壁温変化量が正の値である場合には、負の値(絶対値を同じくする負の値)の場合よりもクーラ状態維持カウンタ値としては大きな値に設定される。例えば、上述した如くシリンダ壁温変化量が「+10℃」である場合にはクーラ状態維持カウンタ値としては「10」に設定されるのに対し、シリンダ壁温変化量が「−10℃」である場合にはクーラ状態維持カウンタ値としては「8」に設定される(本発明でいう、「気体を迂回通路側に流している状態から冷却装置側に流す状態となるように流量調整手段を切り換える場合には、上記気体を冷却装置側に流している状態から迂回通路側に流す状態となるように流量調整手段を切り換える場合よりも気体流れの切り換えタイミングの遅延時間を長く設定する動作」に相当)。上記各値もこれに限定されるものではなく、実験やシミュレーション等に基づいて設定される。
このようにして求められたクーラ状態維持カウンタ値は、次に、ステップST11において「1」だけデクリメントされ、新たなクーラ状態維持カウンタ値として上記RAMに記憶される。
ステップST12では、上記ステップST11で求められたクーラ状態維持カウンタ値が「0」以下になったか否かが判定される。つまり、上記ステップST10で設定されたクーラ状態維持カウンタ値がステップST11でデクリメントされていくことで、「0」以下に達したか否かが判定される。
クーラ状態維持カウンタ値が未だ「0」に達しておらず、ステップST12でNO判定された場合には、本ルーチンを一旦終了し、次回のルーチンで更にクーラ状態維持カウンタ値をデクリメントしていくことになる(次回ルーチンでのステップST11)。この場合、次回ルーチンにおけるステップST11でのデクリメント前はクーラ状態維持カウンタ値は「0」ではないため、ステップST9ではNO判定され、ステップST10でのクーラ状態維持カウンタ値の再設定は行うことなく、ステップST11においてクーラ状態維持カウンタ値がデクリメントされる。
この動作が繰り返されている間は、EGRクーラバイパスバルブ84の切り換え開始は遅延されていることになる。つまり、エンジン負荷が変化していてもEGRクーラバイパスバルブ84の切り換え開始を遅延させることで、エンジン負荷が高負荷から低負荷に移っている場合にはEGRガスをEGRクーラ82に流している状態が維持されることになり、また、エンジン負荷が低負荷から高負荷に移っている場合にはEGRガスをEGRクーラバイパス通路83に流している状態が維持されることになる。また、この遅延時間は上記クーラ状態維持カウンタ値によって設定されることになる。つまり、クーラ状態維持カウンタ値が大きな値として設定されているほど(上記シリンダ壁温変化量の絶対値が大きいほど、言い換えるとエンジン負荷の変化の大きさが大きいほど)上記遅延時間は長く設定されることになる。
そして、クーラ状態維持カウンタ値が「0」以下に達し、ステップST12でYES判定された場合には、ステップST13に移り、EGRクーラバイパスバルブ84の切り換えを開始させ、本ルーチンを終了する。
具体的には、エンジン負荷が低負荷から高負荷に移っている場合(クーラバイパスONからクーラバイパスOFFへの移行時)には、EGRガスをEGRクーラバイパス通路83に流している状態からEGRクーラ82に流す状態となるようにEGRクーラバイパスバルブ84を切り換える。逆に、エンジン負荷が高負荷から低負荷に移っている場合(クーラバイパスOFFからクーラバイパスONへの移行時)には、EGRガスをEGRクーラ82に流している状態からEGRクーラバイパス通路83に流す状態となるようにEGRクーラバイパスバルブ84を切り換える。
このように、本実施形態では、上記シリンダ壁温変化量に応じてクーラ状態維持カウンタ値を設定し、このクーラ状態維持カウンタ値をデクリメントしていく期間だけEGRクーラバイパスバルブ84の切り換え開始を遅延させている。つまり、エンジン負荷が変化してもEGRクーラバイパスバルブ84の切り換え開始を遅延させることで、EGRガスをEGRクーラ82に流している状態、または、EGRガスをEGRクーラバイパス通路83に流している状態を維持している。
このため、エンジン1の変動後の負荷に応じた適正なシリンダ壁温度またはその温度近傍に到達するまでEGRクーラバイパスバルブ84の切り換えは開始されないことになる。これにより、例えばエンジン1の負荷が低負荷から高負荷に移行した場合には、高負荷に適した温度よりも低い温度での燃焼が防止されることになる。これにより、負荷に応じた燃焼温度が早期に得られ、混合気の着火遅れや燃焼速度の低下を招いてしまうことがなくなる。また、エンジン1の負荷が高負荷から低負荷に移行した場合には、低負荷に適した温度よりも高い温度での燃焼が防止されることになる。以上のように、負荷に適した燃焼温度での燃焼が実現できるため、トルク不足、燃焼音の増大、排気エミッションの悪化などを回避することができる。また、失火や白煙の排出等も回避することができる。
また、上述した如く、シリンダ壁温変化量の絶対値が同じであっても、このシリンダ壁温変化量が正の値である場合には、負の値(絶対値を同じくする負の値)の場合よりもクーラ状態維持カウンタ値としては大きな値に設定している。つまり、EGRガスをEGRクーラバイパス通路83に流している状態からEGRクーラ82に流す状態となるようにEGRクーラバイパスバルブ84を切り換える場合には、シリンダやEGRクーラ82の熱容量によって燃焼室内温度が十分に上昇するまでに時間を要する。一方、EGRガスをEGRクーラ82に流している状態からEGRクーラバイパス通路83に流す状態となるようにEGRクーラバイパスバルブ84を切り換える場合には、EGRクーラバイパス通路83の熱容量等によってEGRガスが冷却され比較的早期に燃焼室内温度が下降することになる。このため、前者の場合にあっては後者の場合に比べてEGRクーラバイパスバルブ84の切り換えタイミングの遅延時間を長く設定している。これにより、EGRクーラバイパスバルブ84の切り換え動作に適したEGRガス流れの切り換えタイミングを設定でき、よりいっそう適切な燃焼室内温度での燃焼を実現することが可能になる。
(第2実施形態)
次に、EGRクーラバイパスバルブ84の切り換え制御の第2実施形態について説明する。本実施形態におけるEGRクーラバイパスバルブ84の切り換え制御も、上記第1実施形態の場合と同様に、エンジン1の負荷の変化に応じてEGRクーラバイパスバルブ84を切り換える際の作動タイミングを制御するものである。
以下、図3のフローチャートに沿ってEGRクーラバイパスバルブ84の切り換え制御の手順について説明する。この図3に示すルーチンは、エンジン1の駆動中、上記ECU100において所定のサイクルタイム(例えば8msec)で繰り返し実行される。
先ず、ステップST21でエンジン回転数NE及び燃料噴射量Qfinの読み込み、ステップST22で外気温及び大気圧の読み込み、ステップST23で基本シリンダ壁温度の算出、ステップST24で基準シリンダ壁温度の算出、ステップST25でクーラバイパス要求判定値の算出、ステップST26でクーラバイパス要求判定が前回と同じであるか否かの判定をそれぞれ行う。これらステップST21〜ST26の動作は、上述した第1実施形態におけるステップST1〜ST6の動作と同様に行われるのでここでの説明は省略する。
そして、今回のクーラバイパス要求判定と前回のクーラバイパス要求判定とが同じであり、ステップST26でYES判定された場合には、ステップST27に移り、後述するクーラ状態維持フラグを「0」にリセットし、本ルーチンを終了する。
一方、今回のクーラバイパス要求判定と前回のクーラバイパス要求判定とが異なっており、ステップST26でNO判定された場合にはステップST28に移り、シリンダ実壁温度算出動作に移る。
このシリンダ実壁温度算出動作では、後述するクーラ状態維持フラグが「0」に設定されている場合と「1」に設定されている場合とで異なる動作となる。尚、クーラ状態維持フラグが「0」に設定されている場合(例えば制御の初期状態)には、エンジン負荷の変化に応じたクーラバイパス状態(クーラバイパスONまたはクーラバイパスOFF)となるようにEGRクーラバイパスバルブ84の切り換えを許可する状況にある。一方、クーラ状態維持フラグが「1」に設定されている場合には、クーラバイパス状態を変化させないようにEGRクーラバイパスバルブ84の切り換えを禁止する状況にある。
クーラ状態維持フラグが「0」に設定されている場合、先ず、前回ルーチンで算出されていた基準シリンダ壁温度を、今回のシリンダ実壁温度として設定する(シリンダ実壁温度=前回の基準シリンダ壁温度)。つまり、シリンダ実壁温度の初期化を行う。また、前回ルーチンで読み込まれた燃料噴射量Qfinを、今回の燃料噴射量基準値として設定する(燃料噴射量基準値=前回の燃料噴射量Qfin)。つまり、燃料噴射量基準値の初期化を行う。
また、以下の温度変化フラグの設定動作を行う。この温度変化フラグの設定動作としては、上記ステップST24で算出された基準シリンダ壁温度(今回の基準シリンダ壁温度)から上記シリンダ実壁温度を減算した値が「0」以上であるか否かを判定し、「0」以上(今回の基準シリンダ壁温度−シリンダ実壁温度≧0)である場合には、温度変化フラグを「1」にセットする。これはシリンダ壁温度が上昇する場合であって、クーラバイパスONからクーラバイパスOFFへの移行時に相当する。また、今回の基準シリンダ壁温度からシリンダ実壁温度を減算した値が「0」未満(今回の基準シリンダ壁温度−シリンダ実壁温度<0)である場合には、温度変化フラグを「0」にリセットする。これはシリンダ壁温度が下降する場合であって、クーラバイパスOFFからクーラバイパスONへの移行時に相当する。
一方、クーラ状態維持フラグが「1」に設定されている場合、先ず、上記燃料噴射変化量dQfinを変数とする所定の演算式h(dQfin)によってシリンダ壁温変化量を算出する。上記燃料噴射変化量dQfinは、上記ステップST21で読み込まれた燃料噴射量Qfin(今回の燃料噴射量Qfin)から、上記燃料噴射量基準値(前回ルーチンで読み込まれていた燃料噴射量Qfin(前回の燃料噴射量Qfin))を減算した値である(dQfin=今回の燃料噴射量Qfin−燃料噴射量基準値)。尚、上記シリンダ壁温変化量は、燃料噴射変化量dQfinの絶対値が大きいほど大きな値として算出される。
その後、シリンダ実壁温度の算出を行う。このシリンダ実壁温度の算出動作としては、現在のシリンダ実壁温度(前回ルーチンで算出されていたシリンダ基準壁温度)に上記シリンダ壁温変化量を加算することにより行われる(シリンダ実壁温度=前回のシリンダ実壁温度+シリンダ壁温変化量)。これにより、燃料噴射量の変化に伴うシリンダ壁温度(上記シリンダ実壁温度)が更新されることになる。
その後、ステップST29に移り、シリンダ壁温偏差の算出を行う。このシリンダ壁温偏差の算出動作では、上記今回の基準シリンダ壁温度から上記ステップST28で算出されたシリンダ実壁温度を減算することによって行われる。
次に、ステップST30において、クーラ状態維持フラグの設定が行われる。このクーラ状態維持フラグの設定動作は、上記シリンダ壁温偏差が、予め設定された第1基準偏差量(低温側の基準偏差量)及び第2基準偏差量(高温側の基準偏差量)との比較において異なる動作となる。
先ず、上記シリンダ壁温偏差が第1基準偏差量よりも小さい(シリンダ壁温偏差<第1基準偏差量)場合に、上記温度変化フラグが「1」にセットされておれば、クーラ状態維持フラグとしては「0」にリセットされる。これは、現在、クーラバイパスONであるので、クーラバイパスOFFに切り換えるための動作である。これに対し、上記温度変化フラグが「0」にリセットされておれば、クーラ状態維持フラグとしては「1」にセットされる。これは、現在、クーラバイパスOFFであるので、このクーラバイパスOFFを維持するための動作である。つまり、シリンダ実壁温度が未だ十分に低下していない、または、負荷変化によりシリンダ実壁温度が上昇しすぎているとして、クーラバイパスOFFとするようにクーラ状態維持フラグを設定している。
一方、上記シリンダ壁温偏差が第2基準偏差量よりも大きい(シリンダ壁温偏差>第2基準偏差量)場合に、上記温度変化フラグが「1」にセットされておれば、クーラ状態維持フラグとしては「1」にセットされる。これは、現在、クーラバイパスONであるので、このクーラバイパスONを維持するための動作である。これに対し、上記温度変化フラグが「0」にリセットされておれば、クーラ状態維持フラグとしては「0」にリセットされる。これは、現在、クーラバイパスOFFであるので、クーラバイパスONに切り換えるための動作である。つまり、シリンダ実壁温度が未だ十分に上昇していない、または、負荷変化によりシリンダ実壁温度が下降しすぎているとして、クーラバイパスONとするようにクーラ状態維持フラグを設定している。
更に、上記シリンダ壁温偏差が第1基準偏差量以上で且つ第2基準偏差量以下である(第1基準偏差量≦シリンダ壁温偏差≦第2基準偏差量)場合には、温度変化フラグに関わりなくクーラ状態維持フラグは「0」にリセットされる。これは、シリンダ実壁温度が所定範囲内(例えば変化後の負荷に適した温度範囲内)に収束したとし、この場合、上記クーラバイパス要求状態値に従ったクーラバイパスを実行することになる。
以上のようにしてクーラ状態維持フラグが設定された後、ステップST31において、EGRクーラバイパスバルブ84の切り換えによるクーラバイパス制御が実行される。具体的には、クーラ状態維持フラグが「0」にリセットされている場合には、上記ステップST25で算出されたクーラバイパス要求状態値に従ったクーラバイパス要求判定に基づいてEGRクーラバイパスバルブ84の切り換えを実行する。一方、クーラ状態維持フラグが「1」にリセットされている場合には、上記クーラバイパス要求状態値に従ったEGRクーラバイパスバルブ84の切り換えは実施せず、現在のEGRクーラバイパスバルブ84の切り換え状態を維持する。
このように、本実施形態においても上述した第1実施形態の場合と同様に、負荷に応じた燃焼温度が早期に得られ、混合気の着火遅れや燃焼速度の低下を招いてしまうことがなって、トルク不足、燃焼音の増大、排気エミッションの悪化などを回避することができる。また、失火や白煙の排出等も回避することができる。
(第3実施形態)
次に、EGRクーラバイパスバルブ84の制御の第3実施形態について説明する。本実施形態におけるEGRクーラバイパスバルブ84の制御は、エンジン1の負荷の変化に応じてEGRクーラバイパスバルブ84によるEGRガスのバイパス率を変更していく際のバイパス率変更割合(単位時間当たりのバイパス率変化量)を制御するものである。つまり、上記EGRクーラバイパスバルブ84を開度調整自在なバルブで構成し、その開度を制御するものである。より具体的には、シリンダ壁温度を推定し、そのシリンダ壁温度が、変化後のエンジン負荷に適した温度に到達するまで、または、その変化後の負荷に適した温度にある程度近付くまで、バイパス率変更割合を小さく設定するものである(流量変更制限手段による気体の流量変更の制限動作)。尚、上記EGRガスのバイパス率は、EGRクーラバイパス通路83を流れているEGRガス量を、このEGRクーラバイパス通路83を流れているEGRガス量とEGRクーラ82を流れているEGRガス量との和(気筒内に向けて供給される気体の量)で除したものである。
以下、図4のフローチャートに沿ってEGRクーラバイパスバルブ84のバイパス率変更制御の手順について説明する。この図4に示すルーチンは、エンジン1の駆動中、上記ECU100において所定のサイクルタイム(例えば8msec)で繰り返し実行される。
先ず、ステップST41において、シリンダ壁温度の初期値を設定する。つまり、イグニッションキーの操作またはスタートスイッチの操作等のイグニッションON操作が行われた場合に、シリンダ壁温度として、上記水温センサ46により検出されている冷却水温に設定する。
その後、ステップST42でエンジン回転数NE及び燃料噴射量Qfinの読み込み、ステップST43で外気温及び大気圧の読み込み、ステップST44で基本シリンダ壁温度の算出、ステップST45で基準シリンダ壁温度の算出を行う。これらステップST42〜ST45の動作は、上述した第2実施形態におけるステップST21〜ST24の動作と同様に行われるのでここでの説明は省略する。
次に、ステップST46において、推定シリンダ壁温度の算出を行う。この推定シリンダ壁温度の算出動作では、先ず、上記ステップST42で読み込まれた燃料噴射量Qfin(今回の燃料噴射量Qfin)から、前回ルーチンで読み込まれていた燃料噴射量Qfin(前回の燃料噴射量Qfin)を減算して燃料噴射変化量dQfinを算出する。ここで、エンジン負荷が低負荷から高負荷に移っている場合には(クーラバイパス量大からクーラバイパス量小への移行要求時)、燃焼室内への燃料噴射量の増量に伴って燃料噴射変化量dQfinは正の値となる。逆に、エンジン負荷が高負荷から低負荷に移っている場合には(クーラバイパス量小からクーラバイパス量大への移行要求時)、燃焼室内への燃料噴射量の減量に伴って燃料噴射変化量dQfinは負の値となる。
また、このステップST46では、この求められた燃料噴射変化量dQfinを変数とする所定の演算式h(dQfin)によってシリンダ壁温変化量を算出する。このシリンダ壁温変化量は、燃料噴射変化量dQfinの絶対値が大きいほど大きな値として算出される。これは、燃料噴射量の変化量が多いほど燃焼室内での燃焼温度の変化が大きく、それに伴ってシリンダ壁温変化量も大きくなるためである。
更に、このステップST46では、前回ルーチンで算出されていたシリンダ壁温度に上記算出されたシリンダ壁温変化量を加算することで今回のシリンダ壁温度(推定シリンダ壁温度)を算出する。
ステップST47では、上記ステップST42で読み込んだエンジン回転数NE及び燃料噴射量Qfinによる所定の演算式g3(NE,Qfin)によって基本クーラバイパス率を算出する。この基本クーラバイパス率は、エンジン回転数NEが高いほど、また燃料噴射量Qfinが多いほど、低い値として設定される。
このようにして基本クーラバイパス率が求められた後、ステップST48に移行し、シリンダ壁温変化量算出動作に移る。
このシリンダ壁温変化量算出動作では、上記ステップST45で算出した基準シリンダ壁温度から、ステップST46で算出した推定シリンダ壁温度(今回のシリンダ壁温度)を減算し、これを「シリンダ壁温変化量」として設定する。このシリンダ壁温変化量は、エンジン負荷の変化の大きさに相関のある値として求められている。つまり、エンジン負荷の変化の大きさが大きい場合には、シリンダ壁温変化量としても大きな値が算出され、変化後の負荷に応じた温度に燃焼室内温度が到達するまでに比較的長い時間を要する(エンジン負荷の変化の大きさが小さい場合よりも長い時間を要する)として、後述する最終クーラバイパス率を小さな値として設定することになる。この場合、単位時間当たりのクーラバイパス率の変化も小さくなる。
尚、エンジン負荷が低負荷から高負荷に移った場合には、燃焼室内への燃料噴射量の増量等に伴って燃焼室内温度が上昇するため、上記「シリンダ壁温変化量」は負の値となる。逆に、エンジン負荷が高負荷から低負荷に移った場合には、燃焼室内への燃料噴射量の減量等に伴って燃焼室内温度が下降するため、上記「シリンダ壁温変化量」は正の値となる。
その後、ステップST49に移り、クーラバイパス率補正値の算出を行う。このクーラバイパス率補正値の算出動作は、上記ステップST48で算出したシリンダ壁温変化量CYHを変数とする所定の演算式g4(CYH)によってクーラバイパス率補正値が算出される。
このようにしてクーラバイパス率補正値を算出した後、ステップST50に移り、最終クーラバイパス率の算出を行う。具体的には、上記ステップST47で算出された基本クーラバイパス率に対して、上記ステップST49で算出されたクーラバイパス率補正値を加算し、これを最終クーラバイパス率として設定する。
その後、この最終クーラバイパス率を上記EGRクーラバイパスバルブ84のアクチュエータに出力し、この最終クーラバイパス率が得られるように上記EGRクーラバイパスバルブ84の開度変更を行って本ルーチンを終了する。
このように、本実施形態では、上記シリンダ壁温変化量に応じてクーラバイパス率補正値を算出し、このクーラバイパス率補正値によって単位時間当たり(1ルーチン当たり)のEGRクーラバイパスバルブ84の開度変化量(単位時間当たりのバイパス率変化量)を調整している。つまり、エンジン負荷が変化しても単位時間当たりのバイパス率変化量を小さく設定することで、EGRクーラ82やEGRクーラバイパス通路83を流れているEGRガスの量の変化を緩やかにしている。
このため、エンジン1の変動後の負荷に応じた適正なシリンダ壁温度に到達するまでバイパス率の変化は抑制されることになる。これにより、例えばエンジン1の負荷が低負荷から高負荷に移行した場合には、高負荷に適した温度よりも低い温度での燃焼が抑制されることになる。これにより、負荷に応じた燃焼温度が得られ、混合気の着火遅れや燃焼速度の低下を招いてしまうことがなくなる。また、エンジン1の負荷が高負荷から低負荷に移行した場合には、低負荷に適した温度よりも高い温度での燃焼が抑制されることになる。以上のように、本実施形態においても、負荷に適した燃焼温度での燃焼が実現できるため、トルク不足、燃焼音の増大、排気エミッションの悪化などを回避することができる。また、失火や白煙の排出等も回避することができる。
−変形例−
次に、本発明の変形例について説明する。
上述した各実施形態は、EGRクーラバイパスバルブ84の切り換え制御に本発明を適用したものであった。本発明は、上記インタークーラバイパスバルブ67の切り換え制御にも適用することが可能である。
また、EGRガスの供給系と吸気系とが互いに独立して配置されたものに限らず、これらが連通したエンジンに対しても本発明は適用可能である。
図5は、EGR通路8の下流端が吸気管64におけるターボチャージャ5の上流側(コンプレッサホイール53の上流側)に接続されたエンジン1の吸排気系を模式的に示す図である。この図5では、上記各実施形態における各部材と同一の部材については同じ符号を付し、ここでの説明を省略する。
このようにEGRガスの供給系と吸気系とが連通したエンジン1においては、還流されるEGRガスもターボチャージャ5によって過給されることになるため、吸気(EGRガスを含む)の充填効率を大幅に高めることができ、エンジン1の高出力化と排気エミッションの改善とを両立することが可能になる。
−他の実施形態−
以上説明した各実施形態及び変形例は、コモンレール式筒内直噴型多気筒(4気筒)ディーゼルエンジン1に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、例えば6気筒ディーゼルエンジンなど他の任意の気筒数のディーゼルエンジンにも適用可能である。また、ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジン等の他の内燃機関にも本発明は適用可能である。更には、本発明が適用可能なエンジンは、自動車用のエンジンに限るものでもない。
また、上記第1実施形態では、シリンダ壁温変化量の絶対値が同じであっても、このシリンダ壁温変化量が正の値である場合には、負の値(絶対値を同じくする負の値)の場合よりもクーラ状態維持カウンタ値としては大きな値に設定していた。本発明はこれに限らず、シリンダ壁温変化量の絶対値が同じであれば、シリンダ壁温変化量の正負に関わりなくクーラ状態維持カウンタ値を一律の値に設定するようにしてもよい。
また、上記第3実施形態では、シリンダ壁温変化量の絶対値が同じであれば、シリンダ壁温変化量の正負に関わりなくクーラバイパス率補正値を一律の値に設定していた。本発明はこれに限らず、シリンダ壁温変化量の絶対値が同じであっても、このシリンダ壁温変化量が正の値である場合には、負の値(絶対値を同じくする負の値)の場合よりもクーラバイパス率補正値を小さな値に設定するようにしてもよい(本発明でいう、「バイパス率を小さくする場合には、バイパス率を大きくする場合よりもバイパス率の単位時間当たりの変化量を小さく設定する動作」に相当)。
また、上記各実施形態では、気筒内の温度に相関のあるパラメータとしてシリンダ壁温度を挙げたが、これに限らず、ピストン頂面温度や、エンジン1の構成部品の熱容量に起因する冷損を上記パラメータとしてクーラバイパス制御を実行してもよい。この冷損をパラメータとする場合には、エンジン1の構成部品の熱容量が大きいほど冷損も大きいとして流量(クーラバイパス流量)の変更制限を大きくすることになる。
本発明は、EGRクーラをバイパスさせるEGRガス量の変更タイミングやインタークーラをバイパスさせる吸気量の変更タイミングをエンジン負荷に応じて変更して燃焼室内温度の適正化を図る制御に適用可能である。
1 エンジン(内燃機関)
3 燃焼室
61 インタークーラ(冷却装置)
66 インタークーラバイパス通路(迂回通路)
67 インタークーラバイパスバルブ(流量調整手段)
82 EGRクーラ(冷却装置)
83 EGRクーラバイパス通路(迂回通路)
84 EGRクーラバイパスバルブ(流量調整手段)
100 ECU

Claims (9)

  1. 気筒内に向けて供給される気体を冷却するための冷却装置と、この冷却装置を迂回して上記気体を気筒内に向けて供給するための迂回通路と、上記冷却装置側及び迂回通路側における上記気体の流量を調整する流量調整手段とを備えた内燃機関の制御装置において、
    上記流量調整手段によって上記冷却装置側及び迂回通路側における上記気体の流量を変更するに際し、気筒内の温度または気筒内の温度に相関のあるパラメータに基づいて、この流量調整手段による上記冷却装置側及び迂回通路側の上記気体の流量の変更を制限する流量変更制限手段を備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、
    上記流量調整手段は、上記気体を冷却装置側に流す状態と上記迂回通路側に流す状態とを切り換え可能に構成されており、
    上記流量変更制限手段は、上記気筒内の温度または気筒内の温度に相関のあるパラメータに基づいて、上記流量調整手段による上記気体流れの切り換えタイミングの遅延時間を変更するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項2記載の内燃機関の制御装置において、
    上記流量変更制限手段は、上記気筒内の温度または気筒内の温度に相関のあるパラメータに基づき、気筒内温度の変化量が大きくなる状況であるほど、上記流量調整手段による上記気体流れの切り換えタイミングの遅延時間を長く設定するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項2または3記載の内燃機関の制御装置において、
    上記流量変更制限手段は、上記気体を迂回通路側に流している状態から冷却装置側に流す状態となるように上記流量調整手段を切り換える場合には、上記気体を冷却装置側に流している状態から迂回通路側に流す状態となるように上記流量調整手段を切り換える場合よりも上記気体流れの切り換えタイミングの遅延時間を長く設定するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、
    上記流量調整手段は、上記気筒内に向けて供給される上記気体の量に対する上記迂回通路側に流す気体の量の割合であるバイパス率を調整可能に構成されており、
    上記流量変更制限手段は、上記気筒内の温度または気筒内の温度に相関のあるパラメータに基づいて、上記流量調整手段により調整される上記バイパス率の単位時間当たりの変化量を変更するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 請求項5記載の内燃機関の制御装置において、
    上記流量変更制限手段は、上記気筒内の温度または気筒内の温度に相関のあるパラメータに基づき、気筒内温度の変化量が大きくなる状況であるほど、上記流量調整手段により変更されるバイパス率の単位時間当たりの変化量を小さく設定するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  7. 請求項5または6記載の内燃機関の制御装置において、
    上記流量変更制限手段は、上記バイパス率を小さくする場合には、バイパス率を大きくする場合よりもバイパス率の単位時間当たりの変化量を小さく設定するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  8. 請求項1〜7のうち何れか一つに記載の内燃機関の制御装置において、
    上記気筒内の温度に相関のあるパラメータは、シリンダ壁温度、ピストン頂面温度、または、内燃機関の構成部品の熱容量に起因する冷損であることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  9. 請求項1〜8のうち何れか一つに記載の内燃機関の制御装置において、
    上記冷却装置は、気筒内に向けて排気ガスを還流させる排気還流装置に備えられたEGRクーラ、及び、過給機で過給された吸入空気を冷却するインタークーラのうちの少なくとも一方であることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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