JP2011127262A - 電界紡糸方法および電界紡糸装置 - Google Patents

電界紡糸方法および電界紡糸装置 Download PDF

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Abstract

【課題】新規な電界紡糸方法およびこの新規な電界紡糸方法が適用可能な電界紡糸装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の電界中にノズルから紡糸溶液をスプレーして紡糸する電界紡糸方法は、補助電極を主電極に対しノズル側に配置して主電極と電気的に接続し、ノズルから補助電極に向けて紡糸溶液をスプレーして紡糸する。また、電界紡糸装置は、紡糸溶液をスプレーするノズルと、該ノズルとの間に電界を形成する主電極と、該主電極に対しノズル側に離間して配置されて主電極と電気的に接続される補助電極と、を有しており、補助電極は、主電極に対しノズル側に離間して配置される円環状の本体部と、該本体部から主電極に向けて延在して該主電極と電気的に接続される脚部と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、新規な電界紡糸方法に関する。また、本発明は、この新規な電界紡糸方法が適用可能な電界紡糸装置に関する。
電場を利用した紡糸技術である電界紡糸(エレクトロスピニング)法は常温・大気圧下で簡便にナノ〜マイクロスケールの直径を持つ繊維を形成することが可能であり、ナノファイバーの連続製造に有効な手段である。アミノ基やカルボキシル基などの荷電基を有する高分子弱電解質繊維の作製について報告が行われているが、スルホン酸基や4級アンモニウム基などの荷電基を有する強電解質高分子の繊維化は難しいとされてきた。これは、強電解質を荷電基とする高分子電解質溶液では電気伝導度が高いため、電圧を印加したときに溶液内に電流が発生し、ノズル表面での電界集中による溶液の帯電が妨げられるためであると考えられる。このような問題をさけるために特許文献1に記載の方法では、電界紡糸法によって作製した高分子繊維にスルホン酸基や4級塩基の導入を行うことによって、強電解質を荷電基とする高分子繊維を製造している。また電界紡糸法を用いた高分子電解質のワンステップでの繊維化については、特許文献2に紡糸液への中性高分子の添加やゾル・ゲル反応前駆体の添加による帯電緩和現象の抑制が提案されている。
特開2006−334469号公報 特開2007−327148号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、荷電基を導入する後処理としての反応工程を必要とるため、製造コストの上昇につながる。また、特許文献2に記載の方法では、このような方法を用いて紡糸できた場合においても、電解質を含む繊維は、ノズルと捕集部である対電極間の電気力線の影響を受けて対電極基板上から垂直にナノファイバーが成長するため、これまで、撚糸を行うことはできてもワンステップでのシートの作製が困難であった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、新規な電界紡糸方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、この新規な電界紡糸方法が適用可能な電界紡糸装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、ノズルと主電極との間に電界を形成して前記ノズルから前記主電極に向けて紡糸溶液をスプレーして紡糸する電界紡糸方法であって、補助電極を前記主電極に対し前記ノズル側に配置して前記主電極と電気的に接続し、前記ノズルから前記補助電極に向けて前記紡糸溶液をスプレーして紡糸する、ことを特徴としている。
また、上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、電界中に紡糸溶液をスプレーして紡糸する電界紡糸装置において、前記紡糸溶液をスプレーするノズルと、該ノズルとの間に電界を形成する主電極と、該主電極に対し前記ノズル側に離間して配置されて前記主電極と電気的に接続される補助電極と、を有することを特徴としている。
また、前記補助電極は、前記主電極に対し前記ノズル側に離間して配置される円環状の本体部と、該本体部から前記主電極に向けて延在して該主電極と電気的に接続される脚部と、を有することを特徴としている。
本発明は、電解質を含むナノ〜マイクロスケールの直径を持つ繊維が集積したシート状材料の製造に関するものである。本発明は、電解質を含む極細繊維からなるシート状材料の新規な製造法を提供することを目的とする。具体的には、電界紡糸法を用いて、ナノ〜マイクロスケールの直径を持つ電解質を含む極細繊維を集積することによって得られるシート状材料を効率良く製造する方法を提供することを目的とする。従来の電界紡糸法を用いた電解質を含む高分子の繊維製造においては、繊維の製造はできても、繊維の集積によるワンステップでのシートの製造ができないという欠点を有していた。本発明では、電界紡糸装置の主電極上に補助電極を設置することによって、ワンステップで電解質ナノファイバーのシート化に成功した。
本発明によれば、電界紡糸法の主電極側に繊維捕集用の開口部を持つ補助電極を設置することによって集積した繊維から成るシートの作製が可能である。シートの厚さは電界紡糸の時間に応じて制御できる。また、電界紡糸法では繊維径の制御が可能であり、これによってシートの空孔径、空孔率、目付(繊維密度)、比表面積の制御も可能である。
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
本発明の電界紡糸方法および電界紡糸装置は、電界紡糸装置の捕集部である対電極上に補助電極を設置することによって、ワンステップで電解質ナノファイバーのシート化が可能となる。
本発明の実施の形態にかかる電界紡糸装置である。 図1の電界紡糸装置の補助電極の別例である。 図1の電界紡糸装置の補助電極での紡糸状態を示す写真である。 作製された電解質ナノファイバーシートの2次電子像のSEM写真である。 主電極のみでの捕集の様子の写真である。 補助電極のみでの捕集の様子の写真である。
以下、電界紡糸方法および電界紡糸装置にかかる発明を実施するための形態について説明する。
電界紡糸方法は、補助電極を主電極に対しノズル側に配置して主電極と電気的に接続し、ノズルから補助電極に向けて紡糸溶液をスプレーして紡糸する。
また、電界紡糸装置は、紡糸溶液をスプレーするノズルと、該ノズルとの間に電界を形成する主電極(ターゲット電極)と、該主電極に対しノズル側に離間して配置されて主電極と電気的に接続される補助電極(ファイバー捕集用電極)と、を有しており、補助電極は、主電極に対しノズル側に離間して配置される円環状の本体部と、該本体部から主電極に向けて延在して該主電極と電気的に接続される脚部と、を有する。
ノズルの材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、白金、金、酸化インジウムスズ、カーボン、シリコン等の導電性材料または半導体材料であることが好ましい。また、ノズル材料が絶縁性材料であってもノズル内に電極を設置することにより、電界紡糸を行うことができる。
また、ノズルの径は、10μm〜2mmの範囲内にあることが好ましい。ノズルの径が2mmより大きいと、低粘度の紡糸溶液が保持できないため好ましくない。ノズルの径が10μmより小さいと、高粘度の紡糸溶液が目詰まりを起こすため好ましくない。
また、吐出口は、穴形状に限らず、例えば、スリット形状、三角形状、二重ノズル形状なども含まれる。
また、主電極、補助電極、脚部の材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、白金、金、酸化インジウムスズ、カーボン、シリコン等の導電性材料または半導体材料であることが好ましい。
また、主電極の形状は、矩形板状であることが好ましいが、この限りではない。補助電極の形状は、円環状であることが好ましいが、楕円環状や三角形状、四角形状、五角形状等の多角形状、さらにはしご状や棒状のものを2本以上平行配置した形状等であってもよい。脚部の形状は、棒状であることが好ましいが、この限りではない。また、脚部は、少なくとも1本あればよく、複数であってもよい。
補助電極が円環状の場合、円環の内径は、1mm〜20cmの範囲内にあることが好ましい。円環の内径が20cmより大きいと、補助電極(円環)内にシートが形成しないため好ましくない。円環の内径を1mmより小さくすると、シートのハンドリングが困難になるため好ましくない。
主電極と補助電極の距離は、0.5〜40cmの範囲内にあることが好ましい。主電極と補助電極の距離が40cmより大きいと、主電極がファイバーのターゲットとなるための十分な電場強度が得られないため好ましくない。主電極と補助電極の距離が0.5cmより小さいと、紡糸された繊維の一部が主電極に付着するため好ましくない。
ノズルと補助電極までの距離は、10〜500mmの範囲内にあることが好ましい。ノズルと補助電極までの距離が500mmより大きいと、電界紡糸に必要な電場強度が得られない可能性があるため好ましくない。ノズルと補助電極までの距離が10mmより小さいとノズルと補助電極間にコロナ放電が起こるため好ましくない。
また、紡糸電圧は、2〜160kVの範囲内にあることが好ましい。紡糸電圧が160kVより大きいと、コロナ放電の影響により紡糸液のスプレー状態が不安定になるため好ましくない。紡糸電圧が2kVより小さいと、電界紡糸に必要な電場強度が得られない。
また、紡糸湿度は、0〜70相対%の範囲内にあることが好ましい。紡糸湿度が70相対%より大きいと、ノズル先端において電界紡糸に必要な電荷の誘起が起こらない可能性があるため好ましくない。
また、紡糸温度は、5〜50℃の範囲内にあることが好ましい。紡糸温度が50℃より高いと、紡糸溶液の溶媒が蒸発する可能性があるため好ましくない。紡糸温度が5℃より低いと、紡糸溶液の溶媒が凝固する可能性があるため好ましくない。
また、紡糸材としては、1種、または2種以上の高分子電解質の組み合わせであることが好ましい。高分子電解質とは多くの荷電基をもつ高分子化合物である。荷電基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などの負荷電基、アミノ基、ピリジル基、イミダゾール基、4級アンモニウム基、4級ピリジニウム塩基、4級イミダゾール基などの正荷電基、ベタイン基、ホスファチジルコリン基、アミノ酸基などの両性荷電基から選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせを採用することができる。
具体的な高分子電解質としては、パーフルオロスルホン酸とポリテトラフルオロエチレンの共重合体(例えば、Nafion(登録商標))、ポリスチレンスルホン酸及びその共重合体、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、硫酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルピリジン及びその4級化物、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウム、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン及びその4級化物、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの単独重合体及び共重合体、これら重合体のブレンドなどが挙げられるが、特にこれに限定されない。
また、紡糸材の溶媒としては高分子電解質を溶解するものであれば特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、ブタノール、酢酸、ギ酸などのプロトン性極性溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルム、トリクロロエチレン、ベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、トルエン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなどの無極性溶媒等から選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせであることが好ましい。
また、紡糸材の濃度は、0.1〜50質量%の範囲内にあることが好ましい。また、紡糸材の濃度は5〜20質量%の範囲内にあることがさらに好ましい。紡糸材の濃度が50質量%より大きいと、溶液電気伝導度の増加によって電荷の蓄積が妨げられ電圧印加時においてもスプレーが生じない可能性があるため好ましくない。紡糸材の濃度が0.1質量%より低いと、均一な繊維構造を形成することが難しくなるため好ましくない。
紡糸材のほかに添加材としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド等から選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせであることが好ましい。
添加材の濃度は、紡糸材比で0.1〜50質量%の範囲内にあることが好ましい。添加材の濃度が0.1質量%以上であると、添加材の効果によって紡糸性が向上するという利点がある。添加材の濃度が50質量%以下であると作製された繊維に含まれる高分子電解質の比率を大きくできるという利点がある。
紡糸溶液の供給流速は、1〜500μL/分の範囲内にあることが好ましい。紡糸溶液の供給流速が1μL/分以上であると、ノズル先端部分において溶液供給不足が起こらず安定したスプレー状態を長時間保持できるという利点がある。紡糸溶液の供給流速が500μL/分以下であるとノズル先端からの液垂れのない安定したスプレー状態を長時間保持できるという利点がある。
また、繊維の平均径は、5nm〜50μmの範囲内にあることが好ましい。平均繊維径が50μm以下であると、高分子電解質繊維及び高分子電解質繊維集合体の比表面積の増大効果が期待できる。平均繊維径が細くなるほど、この効果がより顕著になる。繊維径がナノオーダーになると繊維1本の機械的強度が十分でなくハンドリングも難しくなるため、平均繊維径は5nm以上あることが好ましく、50nm以上あることがさらに好ましい。
繊維集積シートの厚さは、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがさらに好ましい。繊維集積シートの厚さが1μm以上であると、繊維材料に由来する機能を発現するという利点がある。繊維集積シートの厚さが5μm以上であると、安定した自立膜が得られるという利点がある。
電解質を含む極細繊維からなるシート状の材料においては、極細繊維の持つ比表面積の大きさによって、電解質の持つイオン交換能や電気伝導性をはじめとする機能の向上が期待される。このような材料はイオン交換フィルタ、吸着フィルタ、触媒担持シートに使用される。さらに低分子および高分子電解質は、有機、無機、金属材料からなる、ナノ粒子やナノチューブ、ナノロッド、ナノワイヤなどの1次元ナノ材料の分散剤としても広く利用されていることから、電解質を含む高分子材料にナノ材料を均一に分散させることも可能である。ナノ材料をコンポジットしたナノファイバーシートは、導電性シート、電磁波吸収シート、フレキシブル電極、センサー基板、発光シートに使用される。
また、本発明は上述の発明を実施するための形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
つぎに、本発明にかかる実施例について具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
[実施例1](補助電極の効果)
<紡糸液の調製>
市販20質量%Nafion(登録商標)溶液(和光純薬製DE2021、溶媒は水34質量%と1−プロパノール44質量%)にポリビニルアルコール(PVA、和光純薬製、平均重合度1500)とイオン交換水を加えて紡糸液を調製した。この溶液では、電解質(Nafion(登録商標))濃度は7質量%、PVA濃度は3質量%である。また、Nafion(登録商標)はパーフルオロスルホン酸とポリテトラフルオロエチレン共重合体であり、強電解質であるスルホン酸基を荷電基とするフッ素系の高分子電解質である。化学的安定性とプロトン導電性に優れた高分子電解質であるため、イオン交換膜、イオン交換樹脂、燃料電池用電解質膜、センサー材料、触媒として使用されている。
<電解質繊維の作製>
電界紡糸法には図1に示すような装置を使用した。装置は、直流高圧安定化電源1(パルス電子工業製、HDV−20K)、シリンジポンプ2(ミナトコンセプト製、MCIP−III)を備えている。サンプル溶液は内径0.5mmのステンレススチール製のノズル3を取り付けた容量1mLのガラス製のシリンジ4に入れ、このシリンジ4をシリンジポンプ2に取り付ける。そして、アルミニウム製の平板状の主電極5上にアルミニウム製のリング状の補助電極6をアルミニウム製の脚部7を介して設置した。なお、図1ではノズル3と主電極5及び補助電極6の位置は縦方向に設置されているが、ノズル3を主電極5及び補助電極6に対して横方向に設置することも可能である。また、補助電極6の形状は、図2(A)から(G)に示す楕円環状や三角形状、四角形状、五角形状等の多角形状、さらにはしご状や棒状のものを2本以上平行配置した形状等であってもよい。電界紡糸条件は、印加電圧20kV、ノズル−主電極間距離10cm、シリンジ溶液供給流速3μL/分とした。また、主電極5と補助電極6の距離は5cmであり、補助電極6のリングの内径は6cmである。
<観察・測定方法>
紡糸状態については、ノズル先端部に250Wメタルハライドランプ(メジロプロシジョン製、LS−M250)を照射し、散乱像を用いて観察を行った。また、走査型電子顕微鏡(SEM、TOPCON製、SM−200)を用いて繊維の構造観察を行った。観察は加速電圧10kVの条件で行った。なお観察試料として、高分子繊維表面にファインコーター(日本電子製、JFC−1200)を用いて厚さ約5nmの金コートしたものを用いた。得られた2次電子像から繊維上の任意の200点の繊維径を測定し、平均繊維径を求めた。
<観察・測定結果>
電場印加後にノズル3の先端からの溶液の連続的な紡糸が確認され、図3に示すように作製された繊維Fは補助電極6のリング開口部に捕集された。数分間紡糸を行うことにより繊維が集積したシートを得ることができた。図4にSEM観察より得られた作製された電解質ナノファイバーシートの2次電子像を示す。作製されたシートを構成する繊維の平均繊維径は131nmであった。
電界紡糸装置の対電極に開口部を持つ補助電極を設置することによって、電解質ナノファイバーの捕集が実現し、ワンステップでのシート状材料の作製が可能になった。ここでは、補助電極6のリング開口部付近での電場形成が対電極基板から繊維の垂直成長を抑制し、補助電極6の開口部での繊維の捕集・集積によるシートの形成を可能にしたと考えられる。
[比較例1]
比較のため、補助電極6を使用せず主電極5のみを用いて図1の装置で電界紡糸を行った。電解質繊維の作製に使用した紡糸液および作製条件は実施例1と同じである。この場合、図5の主電極5のみでの捕集の様子の写真に示すように、繊維はノズル3−主電極5間の電気力線の影響を受けて主電極上から垂直に成長するためシート状材料の作製はできなかった。
[比較例2]
比較のため、図1の主電極5を使用せず補助電極6のみを用いて、図1の装置で電界紡糸を行った。電解質繊維の作製に使用した紡糸液および作製条件は実施例1と同じである。この場合、図6の補助電極6のみでの捕集の様子の写真に示すように、繊維はノズル3−補助電極6間の電気力線の影響を受けて補助電極6上からノズル3方向へ垂直に成長するためシート状材料の作製はできなかった。
1‥‥直流高圧安定化電源、2‥‥シリンジポンプ、3‥‥ノズル、4‥‥シリンジ、5‥‥主電極、6‥‥補助電極、7……脚部

Claims (3)

  1. ノズルと主電極との間に電界を形成して前記ノズルから前記主電極に向けて紡糸溶液をスプレーして紡糸する電界紡糸方法であって、
    補助電極を前記主電極に対し前記ノズル側に配置して前記主電極と電気的に接続し、
    前記ノズルから前記補助電極に向けて前記紡糸溶液をスプレーして紡糸する、
    ことを特徴とする電界紡糸方法。
  2. 電界中に紡糸溶液をスプレーして紡糸する電界紡糸装置において、
    前記紡糸溶液をスプレーするノズルと、
    該ノズルとの間に電界を形成する主電極と、
    該主電極に対し前記ノズル側に離間して配置されて前記主電極と電気的に接続される補助電極と、
    を有することを特徴とする電界紡糸装置。
  3. 前記補助電極は、前記主電極に対し前記ノズル側に離間して配置される円環状の本体部と、該本体部から前記主電極に向けて延在して該主電極と電気的に接続される脚部と、
    を有することを特徴とする電界紡糸装置。
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