JP2011127045A - セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光学的異方性が小さく実質的に光学的等方性であり、液晶表示装置の光ムラ発生を抑止できるセルロースアシレートフィルムを提供する。
【解決手段】セルロースアシレート及びポリエステル系オリゴマーを含有するセルロースアシレートフィルムであって、セルロースアシレートに対してポリエステル系オリゴマーを30質量%以上含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置に関する。
従来、セルロースアシレートフィルムはその強靭性と難燃性から写真用支持体や各種光学材料に用いられてきた。近年は、液晶表示装置用の光学透明フィルムとして多く用いられている。セルロースアシレートフィルムは、光学的に透明性が高いことと、光学的に等方性が高いことから、液晶表示装置のように偏光を取り扱う装置用の光学材料として優れており、これまで偏光子の保護フィルムや、斜め方向からの見た表示を良化(視野角補償)できる光学補償フィルムの支持体として用いられてきた。
最近の液晶表示装置においては、視野角特性の改善がより強く要求されるようになっており、偏光子の保護フィルムや光学補償フィルムの支持体などの光学透明フィルムは、より光学的に等方性であることが求められている。光学的に等方性であるとは、光学フィルムの複屈折と厚みの積で表されるレターデーション値が小さいことを意味する。とりわけ、斜め方向からの表示良化のためには、面内のレタデーション(Re)だけでなく、膜厚方向のレターデーション(Rth)の絶対値を小さくする必要がある。具体的には光学透明フィルムの光学特性を評価した際に、フィルム正面から測定したReが小さく、角度を変えて測定してもそのReが変化しないことが要求される。
特許文献1には、セルロースアシレートフィルムのReやRthの低減することをその目的の1つとして、セルロースアシレートに対して両末端が水酸基であるポリエステルジオールを5質量%以上含有させる技術が開示されている。
液晶表示装置のスリム化が進むにつれ、表示面に円形状の光ムラが発生することが近年問題となりつつある。この光ムラの発生メカニズムは未だ不明確な点もあるが、1つの原因として、バックライト部材と液晶パネル(特に、バックライト側偏光板)とが接触することが挙げられている。特許文献2には、バックライト側偏光板のバックライト側保護フィルム表面に凹凸を設けることで、バックライト部材との接触を防ぎ、光ムラ発生の抑止を図る方法が開示されている。
特開2009−098764号公報 特開2009−169393号公報
特許文献2では偏光板の保護フィルムとしてPETフィルムが用いているため、偏光板加工性に難があり、偏光板加工性が良好なセルロースアシレートフィルムを用いた場合でも、光ムラ発生を抑止できる技術が望まれる。
また、液晶表示装置の表示品質の向上において、斜め方向から見たときの光漏れを防ぐことが求められる。特許文献1に記載のポリエステルジオールを含有するセルロースアシレートフィルムを液晶表示装置に用いた場合、ポリエステルジオールの含有量が増すとRthが負に大きくなりすぎ、斜め方向から見たときの光漏れが悪化することが分かった。
本発明は、光学的異方性が小さく実質的に光学的等方性であり、液晶表示装置の光ムラ発生を抑止でき、更に斜め方向からの光漏れを低減できるセルロースアシレートフィルムを提供することである。
本発明の別の目的は、光学的異方性が小さく実質的に光学的等方性のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板を提供することである。本発明の更に別の目的は、これらセルロースアシレートフィルムや偏光板を用い、光ムラ及び光漏れが改善された液晶表示装置を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、セルロースアシレートフィルムにおいて、特定のポリエステル系オリゴマーをセルロースアシレートに対して特定量含有させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の手段により達成することができる。
(1)
セルロースアシレート及びポリエステル系オリゴマー含有するセルロースアシレートフィルムであって、前記セルロースアシレートに対して前記ポリエステル系オリゴマーを30質量%以上含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
(2)
前記ポリエステル系オリゴマーが、炭素数が2〜10のグリコールと炭素数が4〜10の二塩基酸とから合成されることを特徴とする上記(1)記載のセルロースアシレートフィルム。
(3)
前記ポリエステル系オリゴマーを2種以上含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のセルロースアシレートフィルム。
(4)
前記ポリステル系オリゴマーの少なくとも1種は芳香環を含むポリエステル系オリゴマーであることを特徴とする上記(3)のセルロースアシレートフィルム。
(5)
前記ポリエステルオリゴマーの少なくとも1種は芳香環を含むポリエステル系オリゴマーであり、他の少なくとも1種は芳香環を含まないポリエステル系オリゴマーであることを特徴とする上記(3)記載のセルロースアシレートフィルム。
(6)
前記芳香環を含むポリエステル系オリゴマーを形成する前記二塩基酸が、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸との混合物であり、該脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸の平均炭素数が4〜10であることを特徴とする上記(4)又は(5)に記載のセルロースアシレートフィルム。
(7)
引っ張り弾性率が3GPa未満であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
(8)
下記式(I)及び下記式(II)で定義されるRe及びRthが、波長590nmにおいて下記式(III)及び下記式(IV)を満たすことを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
式(I) Re=(nx−ny)×d
式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
式(III) |Re|<10
式(IV) |Rth|<25
式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さ(nm)である。
(9)
上記(1)〜(8)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムを少なくとも1枚含むことを特徴とする偏光板。
(10)
上記(9)の偏光板を少なくとも1枚含むことを特徴とする液晶表示装置。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、実質的に光学的等方性なフィルムとして偏光板や液晶表示装置に用いることができる。本発明のセルロースアシレートフィルムを用いることで、液晶表示装置の光ムラ発生や斜め方向からの光漏れを改善することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値1)〜(数値2)」及び「(数値1)乃至(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、セルロースアシレート及びポリエステル系オリゴマー含有するセルロースアシレートフィルムであって、前記セルロースアシレートに対して前記ポリエステル系オリゴマーを30質量%以上含有する。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、ポリエステル系オリゴマーを上記の量含有させることで、所望の光学的等方性を発現させ、かつ液晶表示装置の光ムラや斜め方向からの光漏れを改善することができる。
ポリエステル系オリゴマーの含有量は、セルロースアシレートに対して30質量%以上80質量%以下が好ましく、35質量%以上60質量%以下が更に好ましい。含有量が80質量%以下であれば、フィルムからのブリードアウトを抑制しやすく好ましい。
なお、ポリエステル系オリゴマーを2種以上含有させる場合には、本発明のセルロースアシレートフィルムでは該2種以上のポリエステル系オリゴマーの合計の含有量が上記範囲に収まればよい。
[ポリエステル系オリゴマー]
本発明で用いられるポリエステル系オリゴマーについて説明する。
本発明におけるポリエステル系オリゴマーの数平均分子量(Mn)は、600〜2000であることが好ましく、600〜1500がより好ましく、600〜1200がさらに好ましい。ポリエステル系オリゴマーの数平均分子量は600以上であれば揮発性が低くなり、セルロースエステルフィルムの延伸時の高温条件下における揮散によるフィルム故障や工程汚染を生じにくくなる。また、2000以下であればセルロースエステルとの相溶性が高くなり、製膜時及び加熱延伸時のブリードアウトが生じにくくなる。
本発明におけるポリエステル系オリゴマーの数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定、評価することができる。
本発明で使用されるポリエステル系オリゴマーは、炭素数2〜10のグリコールと炭素数4〜10の二塩基酸とから合成することが好ましい。合成方法としては、二塩基酸とグリコールの脱水縮合反応、又は、グリコールへの無水二塩基酸の付加および脱水縮合反応などの公知の方法を利用することができる。
光ムラの改善の観点から、ポリエステル系オリゴマーは2種以上含有させることが好ましい。
斜め方向からの光漏れ改善の観点から、ポリエステル系オリゴマーを2種以上含有させる場合には、少なくとも1種は芳香環を含むポリエステル系オリゴマーであることが好ましい。更には、少なくとも1種は芳香環を含むポリエステル系オリゴマーであり、他の少なくとも1種は芳香環を含まないポリエステル系オリゴマーであることがより好ましい。
ここで、芳香環を含むポリエステル系オリゴマーは、二塩基酸である芳香族ジカルボン酸とグリコールとの合成により得られるポリエステル系オリゴマーであることが好ましい。
以下、本発明におけるポリエステル系オリゴマーの合成に好ましく用いることができる二塩基酸及びグリコールについて説明する。
(二塩基酸)
二塩基酸としては、脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸のいずれも用いることができる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、セバシン酸等が挙げられる。なかでも、コハク酸及びアジピン酸が好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。なかでも、フタル酸及びテレフタル酸が好ましく、テレフタル酸が特に好ましい。
本発明に用いる二塩基酸の炭素数は、4〜10であることが好ましく、4〜8であることがより好ましく、4〜6であることが好ましい。本発明では2種以上の二塩基酸の混合物を用いてもよく、この場合、2種以上の二塩基酸の平均炭素数が上記範囲となることが好ましい。二塩基酸の炭素数が上記範囲であれば、光ムラの改良に加えて、セルロースアシレートとの相溶性に優れ、セルロースアシレートフィルムの製膜時及び加熱延伸時においてもブリードアウトを生じにくいため好ましい。
脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸とを併用することも好ましい。具体的には、アジピン酸とフタル酸との併用、アジピン酸とテレフタル酸との併用、コハク酸とフタル酸との併用、コハク酸とテレフタル酸のとの併用が好ましく、コハク酸とフタル酸との併用、コハク酸とテレフタル酸との併用がより好ましい。脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸とを併用する場合、両者の比率(モル比)は95:5〜40:60が好ましく、55:45〜45:55がより好ましい。
(グリコール)
グリコール(ジオール)としては、脂肪族ジオール及び芳香族ジオールが挙げられ、脂肪族ジオールが好ましい。
脂肪族ジオールとしては、アルキルジオールまたは脂環式ジオール類を挙げることができ、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコールなどが挙げられる。
好ましい脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、及び1,3−プロパンジオールの少なくとも1種であり、特に好ましくは、エチレングリコール及び1,2−プロパンジオールの少なくとも1種である。2種用いる場合は、エチレングリコール及び1,2−プロパンジオールを用いることが好ましい。
グリコールの炭素数は、2〜10であることが好ましく、2〜6であることがより好ましく、2〜4であることが特に好ましい。2種以上のグリコールを用いる場合には、該2種以上の平均炭素数が上記範囲となることが好ましい。グリコールの炭素数が上記範囲であれば、光ムラの改良に加えて、セルロースアシレートとの相溶性に優れ、セルロースアシレートフィルムの製膜時及び加熱延伸時においてもブリードアウトを生じにくいため好ましい。
(封止)
本発明のポリエステル系オリゴマーの両末端は封止、未封止を問わない。
ポリエステル系オリゴマーの両末端が未封止の場合、該オリゴマーはポリエステルポリオールであることが好ましい。
ポリエステル系オリゴマーの両末端が封止されている場合、モノカルボン酸と反応させて封止することが好ましい。このとき、該オリゴマーの両末端はモノカルボン酸残基となっている。ここで、残基とは、オリゴマーの部分構造で、オリゴマーを形成している単量体の特徴を有する部分構造を表す。例えばモノカルボン酸R−COOHより形成されるモノカルボン酸残基はR−CO−である。好ましくは脂肪族モノカルボン酸残基であり、モノカルボン酸残基が炭素数2〜22の脂肪族モノカルボン酸残基であることがより好ましく、炭素数2〜3の脂肪族モノカルボン酸残基であることがさらに好ましく、炭素数2の脂肪族モノカルボン酸残基であることが特に好ましい。
ポリエステル系オリゴマーの両末端のモノカルボン酸残基の炭素数が3以下であると、揮発性が低下し、該オリゴマーの加熱による減量が大きくならず、工程汚染の発生や面状故障の発生を低減することができる。即ち、封止に用いるモノカルボン酸類としては脂肪族モノカルボン酸が好ましい。モノカルボン酸が炭素数2〜22の脂肪族モノカルボン酸であることがより好ましく、炭素数2〜3の脂肪族モノカルボン酸であることがさらに好ましく、炭素数2の脂肪族モノカルボン酸残基であることが特に好ましい。例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸及びその誘導体等が好ましく、酢酸またはプロピオン酸がより好ましく、酢酸(末端がアセチル基となる)が最も好ましい。封止に用いるモノカルボン酸は2種以上を混合してもよい。
両末端を封止した場合は常温での状態が固体形状となりにくく、ハンドリングが良好となり、また湿度安定性、偏光板耐久性に優れたセルロースエステルフィルムを得ることができる。
[セルロースアシレート]
次に、本発明におけるセルロースアシレートについて説明する。
本発明に用いられるセルロースアシレートの原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えばプラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、本発明のセルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
上述のセルロースを原料に製造される本発明のセルロースアシレートについて説明する。
本発明のセルロースアシレートはセルロースの水酸基がアシル化されたもので、その置換基はアシル基の炭素原子数が2のアセチル基から炭素原子数が22のものまでいずれも用いることができる。本発明のセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素原子数3〜22の脂肪酸の置換度の測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じた方法や、NMR法を挙げることができる。
本発明のセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されないが、偏光板保護フィルム、光学フィルムの用途に用いる場合、アシル置換度が高い方がフィルムの透湿性や吸湿性に優れるため好ましい。このため、セルロースの水酸基へのアシル置換度が2.50〜3.00であることが好ましい。さらには置換度が2.70〜2.96であることが好ましく、2.80〜2.94であることがより好ましい。
セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素原子数3〜22の脂肪酸のうち、炭素数2〜22のアシル基としては、脂肪族基でも芳香族基でもよく特に限定されず、単一でも二種類以上の混合物でもよい。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましいアシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、へプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどが好ましく、アセチル、プロピオニル、ブタノイルがより好ましい。
これらの中でも、合成の容易さ、コスト、置換基分布の制御のしやすさなどの観点から、アセチル基、アセチル基とプロピル基の混合エステルが好ましく、アセチル基が特に好ましい。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であり、セルロースアセテートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。重合度が高すぎるとセルロースアシレートのドープ溶液の粘度が高くなり、流延によりフィルム作製が困難になる傾向がある。重合度が低すぎると作製したフィルムの強度が低下してしまう傾向がある。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。特開平9−95538に詳細に記載されている。
また、本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって評価され、その多分散性指数Mw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜4.0であることが好ましく、2.0〜3.5であることがさらに好ましく、2.3〜3.4であることが最も好ましい。
低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。なお、低分子成分の少ないセルロースアシレートを製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロース100質量部に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、分子量分布の点でも好ましい(分子量分布が狭い)セルロースアシレートを合成することができる。本発明のセルロースアシレートフィルムの製造時に使用される際には、セルロースアシレートの含水率は2質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1質量%以下であり、特に好ましくは0.7質量%以下である。一般に、セルロースアシレートは、水を含有しており、その含水率は2.5〜5質量%が知られている。本発明で上記のようなセルロースアシレートの含水率にするためには、乾燥することが必要であり、その方法は目的とする含水率になれば特に限定されない。本発明のこれらのセルロースアシレートに関しては、その原料綿や合成方法は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて7頁〜12頁に詳細に記載されている。
本発明では、セルロースアシレートは置換基、置換度、重合度、分子量分布などの観点で、単一あるいは異なる二種類以上のセルロースアシレートを混合して用いることができる。
[レターデーション調整剤]
本発明のセルロースエステルフィルムの光学異方性は、先述のポリエステル系オリゴマーの添加によってによって制御されるが、さらに異なる光学異方性調整剤を加えてもよい。例えば、公開特許公報 特開2006−30937号23ページから72ページに記載のRthを低減させる化合物が例に挙げられる。
[レターデーション]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、光学的異方性の小さいものが好ましい。具体的には、波長590nmで測定したReおよびRth(下記式(I)および式(II)にて定義される)が、式(III)及び式(IV)の両方を満たすように作られることが好ましい。この値は、セルロースエステル綿の置換度や、前述のポリエステル系オリゴマーの添加量、フィルムの膜厚などにより制御することができる。
式(I) Re=(nx―ny)×d
式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
式(III) |Re|<10
式(IV) |Rth|<25
式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さ(nm)である。
上記式(III)及び(IV)を満たすフィルムは光学異方性が小さいため、偏光板の保護フィルムとして好適に用いることができる。更に、保護フィルムとして用いられるセルロースアシレートフィルムを支持体として、他の機能層を設けることもできる。例えば、液晶表示装置の表示画面のコントラストを向上させたり、視野角特性や色味を改善したりする目的で、光学異方性層などを設けることができる。
Reは−5nm〜5nmがより好ましい。また、Rthは−15〜5nmがより好ましく、−10〜0nmが更に好ましい。本発明のセルロースアシレートフィルムを液晶表示装置の偏光板の液晶セル側保護フィルムとして用いる場合に、Re及びRthが上記範囲にあると、斜め方向からの光漏れがより改良され、表示品位を向上させることができる。
また、波長590nmにおける25℃80%RHでのRth値と25℃10%RH値との差分の絶対値ΔRthは、0〜15であることが好ましく、0〜10であることがより好ましく、0〜5であることが更に好ましい。ΔRthがこの範囲にあると斜め方向からの光ムラがより改良され、表示品位を向上させることができる。
Re及びRthは次のようにして測定できる。
ReはKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rthは前記Re、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、及び面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基にKOBRA 21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値はポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。
[マット剤微粒子]
本発明のセルロースアシレートフィルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5〜16nmと小さいものがフィルムのヘイズを下げることができより好ましい。見かけ比重は90〜200g/リットル以上が好ましく、100〜200g/リットル以上がさらに好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
これらの微粒子は、通常平均粒子径が0.1〜3.0μmの2次粒子を形成し、これらの微粒子はフィルム中では、1次粒子の凝集体として存在し、フィルム表面に0.1〜3.0μmの凹凸を形成させる。2次平均粒子径は0.2μm以上1.5μm以下が好ましく、0.4μm以上1.2μm以下がさらに好ましく、0.6μm以上1.1μm以下が最も好ましい。1次、2次粒子径はフィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子に外接する円の直径をもって粒径とした。また、場所を変えて粒子200個を観察し、その平均値をもって平均粒子径とした。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)などの市販品を使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でアエロジル200V、アエロジルR972Vが1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化珪素の微粒子であり、光学フィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
本発明において2次平均粒子径の小さな粒子を有するセルロースアシレートフィルムを得るために、微粒子の分散液を調製する際にいくつかの手法が考えられる。例えば、溶剤と微粒子を撹拌混合した微粒子分散液をあらかじめ作成し、この微粒子分散液を別途用意した少量のセルロースアシレート溶液に加えて撹拌溶解し、さらにメインのセルロースアシレートドープ液と混合する方法がある。この方法は二酸化珪素微粒子の分散性がよく、二酸化珪素微粒子が更に再凝集しにくい点で好ましい調製方法である。ほかにも、溶剤に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解した後、これに微粒子を加えて分散機で分散を行いこれを微粒子添加液とし、この微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する方法もある。本発明はこれらの方法に限定されないが、二酸化珪素微粒子を溶剤などと混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%が更に好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度が高い方が添加量に対する液濁度は低くなり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
最終的なセルロースアシレートのドープ溶液中でのマット剤の添加量は1m2あたり0.01〜1.0gが好ましく、0.03〜0.3gが更に好ましく、0.08〜0.16gが最も好ましい。また、セルロースアシレートフィルムが多層から形成される場合、内層への添加はせず、表層側のみに添加することが好ましく、この場合は、表層のマット剤の添加量としては0.001質量%以上0.2質量%以下が好ましく、0.01質量%以上0.1質量%以下がより好ましい。
分散に使用される溶剤としては低級アルコール類が好ましく、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースアシレートの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
[その他の添加剤]
前述のポリエステル系オリゴマー、レターデーション調整剤、マット粒子の他に、本発明のセルロースアシレートフィルムには、種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、剥離剤、赤外線吸収剤、波長分散調整剤など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開2001−151901号などに記載されている。さらにまた、赤外吸収染料としては例えば特開2001−194522号に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程において何れで添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開2001−151902号などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。これらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
[添加剤の添加量]
本発明のセルロースアシレートフィルムにおいては、前述のポリエステル系オリゴマーに加えてこれら他の添加剤を添加する場合、添加剤の総量は、セルロースアシレートに対して30質量%以上100質量%以下であることが好ましく、35質量%以上60質量%以下であることが好ましい。
[セルロースアシレートフィルムの製造方法]
(セルロースアシレート溶液の有機溶媒)
本発明では、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを製造することが好ましく、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムは製造される。本発明の主溶媒として好ましく用いられる有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、および炭素原子数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。
以上本発明のセルロースアシレートフィルムに対しては塩素系のハロゲン化炭化水素を主溶媒としても良いし、発明協会公開技報2001−1745(12頁〜16頁)に記載されているように、非塩素系溶媒を主溶媒としても良く、本発明のセルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
その他、本発明のセルロースアシレート溶液及びフィルムについての溶媒は、その溶解方法も含め以下の特許に開示されており、好ましい態様である。それらは、例えば、特開2000−95876、特開平12−95877、特開平10−324774、特開平8−152514、特開平10−330538、特開平9−95538、特開平9−95557、特開平10−235664、特開平12−63534、特開平11−21379、特開平10−182853、特開平10−278056、特開平10−279702、特開平10−323853、特開平10−237186、特開平11−60807、特開平11−152342、特開平11−292988、特開平11−60752、特開平11−60752などに記載されている。これらの特許によると本発明のセルロースアシレートに好ましい溶媒だけでなく、その溶液物性や共存させる共存物質についても記載があり、本発明においても好ましい態様である。
(溶解工程)
本発明のセルロースアシレート溶液(ドープ)の調製は、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよく、さらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。本発明におけるセルロースアシレート溶液の調製、さらには溶解工程に伴う溶液濃縮、ろ過の各工程に関しては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている製造工程が好ましく用いられる。
(流延、乾燥、巻き取り工程)
次に、本発明のセルロースアシレート溶液を用いたフィルムの製造方法について述べる。本発明のセルロースアシレートフィルムを製造する方法及び設備は、従来セルローストリアセテートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて得られたフィルムを乾燥装置のロール群で機械的に搬送し乾燥を終了して巻き取り機でロール状に所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。別の態様としては、先述の金属支持体を0℃以下に冷却したドラムとし、ドラム上にダイから流延したドープをゲル化してから約1周した時点で剥ぎ取り、ピン状のテンターで延伸しながら搬送し、乾燥する方法など、ソルベントキャスト法で製膜する様々な方法をとることが可能である。
本発明のセルロースアシレートフィルムの主な用途である、電子ディスプレイ用の光学部材である機能性偏光板保護フィルムやハロゲン化銀写真感光材料に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらについては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁〜30頁に詳細に記載されており、流延(共流延を含む),金属支持体,乾燥,剥離などに分類され、本発明において好ましく用いることができる。
[フィルムの厚さ]
本発明の、セルロースアシレートフィルムの厚さは20〜120μmが好ましく、30〜90μmがさらに好ましく、35〜80μmが特に好ましい。また、液晶パネルに貼合する偏光子保護フィルムとして用いる場合は、光ムラを改良する上で、30〜80μmが好ましく、35〜65μmがより好ましく、35〜45μmであることが特に好ましい。更に、この範囲にあると温湿度変化に伴うパネルの反りが小さくすることができる。
[フィルムのヘイズ]
光学フィルムとしてフィルムの透明性は重要であり、本発明のセルロースアシレートフィルムのヘイズは、小さいほうが好ましく、0.01〜2.0%であることが好ましい。より好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。ヘイズの測定は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料40mm×80mmを、25℃,60%RHでヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)などを用いて、JIS K−6714に従って測定することができる。
[分光特性、分光透過率]
セルロースアシレートフィルムの試料13mm×40mmを、25℃、60%RHで分光光度計“U−3210”{(株)日立製作所}にて、波長300〜450nmにおける透過率を測定することができる。傾斜幅は72%の波長−5%の波長で求めることができる。限界波長は、(傾斜幅/2)+5%の波長で表し、吸収端は、透過率0.4%の波長で表すことができる。これより380nm及び350nmの透過率を評価することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、偏光板の液晶セルに面した保護フィルムの対向側に用いる場合には、上記方法により測定した波長380nmにおける分光透過率が45%以上95%以下であり、かつ波長350nmにおける分光透過率が10%以下であることが好ましい。
[ガラス転移温度]
本発明のセルロースアシレートフィルムのガラス転移温度は120℃以上が好ましく、更に140℃以上が好ましい。
ガラス転移温度は、示差走査型熱量計(DSC)を用いて昇温速度10℃/分で測定したときにフィルムのガラス転移に由来するベースラインが変化しはじめる温度と再びベースラインに戻る温度との平均値として求めることができる。
また、ガラス転移温度の測定は、以下の動的粘弾性測定装置を用いて求めることもできる。本発明のセルロースアシレートフィルム試料(未延伸)5mm×30mmを、25℃60%RHで2時間以上調湿した後に動的粘弾性測定装置(バイブロン:DVA−225(アイティー計測制御(株)製))で、つかみ間距離20mm、昇温速度2℃/分、測定温度範囲30℃〜250℃、周波数1Hzで測定し、縦軸に対数軸で貯蔵弾性率、横軸に線形軸で温度(℃)をとった時に、貯蔵弾性率が固体領域からガラス転移領域へ移行する際に見受けられる貯蔵弾性率の急激な減少を固体領域で直線1を引き、ガラス転移領域で直線2を引いたときの直線1と直線2の交点を、昇温時に貯蔵弾性率が急激に減少しフィルムが軟化し始める温度であり、ガラス転移領域に移行し始める温度であるため、ガラス転移温度Tg(動的粘弾性)とする。
[フィルムの平衡含水率]
本発明のセルロースアシレートフィルムの含水率(平衡含水率)は、偏光板の保護フィルムとして用いる際、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーとの接着性を損なわないために、膜厚のいかんに関わらず、25℃、80%RHにおける含水率が、0〜4質量%であることが好ましい。0.1〜3.5質量%であることがより好ましく、1〜3質量%であることが特に好ましい。平衡含水率が4質量%以下であれば、光学補償フィルムの支持体として用いる際に、レターデーションの湿度変化による依存性が大きくなりすぎることがなく好ましい。
含水率の測定法は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料7mm×35mmを水分測定器、試料乾燥装置“CA−03”及び“VA−05”{共に三菱化学(株)製}にてカールフィッシャー法で測定した。水分量(g)を試料質量(g)で除して算出した。
[フィルムの透湿度]
フィルムの透湿度は、JIS Z−0208をもとに、60℃、95%RHの条件において測定される。
透湿度は、セルロースアシレートフィルムの膜厚が厚ければ小さくなり、膜厚が薄ければ大きくなる。そこで膜厚の異なるサンプルでは、基準を80μmに設け換算する必要がある。膜厚の換算は、下記数式に従って行うことができる。
数式:80μm換算の透湿度=実測の透湿度×実測の膜厚(μm)/80(μm)。
透湿度の測定法は、「高分子の物性II」(高分子実験講座4 共立出版)の285頁〜294頁「蒸気透過量の測定(質量法、温度計法、蒸気圧法、吸着量法)」に記載の方法を適用することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムの透湿度は、400〜5000g/m・24hであることが好ましい。400〜4000g/m・24hであることがより好ましく、400〜3500g/m・24hであることが特に好ましい。透湿度が4000g/m・24h以下であれば、フィルムのRe値、Rth値の湿度依存性の絶対値が0.5nm/%RHを超えるなどの不都合が生じることがなく、好ましい。
[フィルムの寸度変化]
本発明のセルロースアシレートフィルムの寸度安定性は、60℃、90%RHの条件下に24時間静置した場合(高湿)の寸度変化率、及び90℃、5%RHの条件下に24時間静置した場合(高温)の寸度変化率が、いずれも0.5%以下であることが好ましい。
より好ましくは0.3%以下であり、更に好ましくは0.15%以下である。
ている。
[フィルムの弾性率]
本発明のセルロースアシレートフィルムの引っ張り弾性率は、3.0GPa未満であることが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0GPaであり、更に好ましくは1.2〜2.8GPaである。具体的な測定方法としては、東洋ボールドウィン(株)製万能引っ張り試験機“STM T50BP”を用い、23℃、70RH%雰囲気中、引張速度10%/分で0.5%伸びにおける応力を測定し、弾性率を求めた。
[光弾性係数]
本発明のセルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして使用した場合には、偏光子の収縮による応力などにより複屈折(Re、Rth)が変化する場合がある。このような応力に伴う複屈折の変化は光弾性係数として測定できるが、その範囲は、15Br以下であることが好ましく、−3〜12Brであることがより好ましく、0〜11Brであることが更に好ましい。
[アルカリ鹸化処理によるフィルム表面の接触角]
本発明のセルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして用いる場合の表面処理の有効な手段の1つとしてアルカリ鹸化処理が挙げられる。この場合、アルカリ鹸化処理後のフィルム表面の接触角が55°以下であることが好ましい。より好ましくは50°以下であり、45°以下であることが更に好ましい。
[表面処理]
セルロースアシレートフィルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフィルムと各機能層(例えば、下塗層およびバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10-3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
[機能層]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、その用途として、例えば、光学用途と写真感光材料に適用される。特に光学用途が液晶表示装置であることが好ましく、液晶表示装置が、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、および該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも一枚の光学補償シートを配置した構成であることがさらに好ましい。これらの液晶表示装置としては、TN、IPS、FLC、AFLC、OCB、STN、ECB、VA及びHANが好ましい。
その際に前述の光学用途に本発明のセルロースアシレートフィルムを用いるに際し、各種の機能層を付与することが実施される。それらは、例えば、帯電防止層、硬化樹脂層(透明ハードコート層)、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層、配向層、液晶層などである。これらの機能層及びその材料としては、界面活性剤、滑り剤、マット剤、帯電防止層、ハードコート層などが挙げられ、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁〜45頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
[偏光板]
本発明のセルロースアシレートフィルムの用途について説明する。
本発明のセルロースアシレートフィルムを光学フィルムとして使用する場合、特に偏光板保護フィルム用として有用である。偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、特開平6−118232号に記載されているような易接着加工を施してもよい。
護フィルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。
偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。又、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の光学フィルムを適用した偏光板保護フィルムはどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムには透明ハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光板保護フィルムをこの部分に用いることが特に好ましい。
[光学補償フィルム]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、様々な用途で用いることができ、液晶表示装置の光学補償フィルムとして用いると特に効果がある。なお、光学補償フィルムとは、一般に液晶表示装置に用いられ、位相差を補償する光学材料のことを指し、位相差板、光学補償シートなどと同義である。光学補償フィルムは複屈折性を有し、液晶表示装置の表示画面の着色を取り除いたり、視野角特性を改善したりする目的で用いられる。
本発明のセルロースアシレートフィルムはRe及びRthが0<Re<10nmかつ|Rth|<25nmと光学的異方性を小さく作製すると、複屈折を持つ光学異方性層を併用すると光学異方性層の光学性能のみを主に発現することができ、好適に用いることができる。
したがって本発明のセルロースアシレートフィルムを液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体として用いる場合、併用する光学異方性層はどのような光学異方性層でもよい。本発明のセルロースアシレートフィルムが使用される液晶表示装置の液晶セルの光学性能や駆動方式に制限されず、光学補償フィルムとして要求される、どのような光学異方性層も併用することができる。併用される光学異方性層としては、液晶性化合物を含有する組成物から形成しても良いし、複屈折を持つポリマーフィルムから形成しても良い。前記液晶性化合物としては、ディスコティック液晶性化合物または棒状液晶性化合物が好ましい。
(一般的な液晶表示装置の構成)
セルロースアシレートフィルムを光学補償フィルムとして用いる場合は、偏光素子の透過軸と、セルロースアシレートフィルムからなる光学補償フィルムの遅相軸とをどのような角度で配置しても構わない。液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、および該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2mmの厚さを有する。
(液晶表示装置の種類)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明のセルロースアシレートフィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
(IPS型液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、IPSモードの液晶セルを有するIPS型液晶表示装置の光学補償シートの支持体、または偏光板の保護フィルムとしても特に有利に用いられる。これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。これらの態様において本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板は色味、コントラストの視野角による変化の低減に有効である。
また、|Rth|<25が好ましいが、さらに450〜650nmの領域において、Rthが0nm以下であることが、色味の変化が小さく、特に好ましい。
この態様においては、液晶セルの上下の前記偏光板の保護フィルムのうち、液晶セルと偏光板との間に配置された保護フィルム(セル側の保護フィルム)に本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板を液晶セルの上下に用いることが好ましい。また、更に好ましくは、偏光板の保護フィルムと液晶セルの間に光学異方性層のレターデーションの値を、液晶層のΔn・dの値の2倍以下に設定した光学異方性層を片側に配置するのが好ましい。
(ハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルム)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、ハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルムへ適用することができる。LCD、PDP、CRT、EL等のフラットパネルディスプレイの視認性を向上する目的で、本発明のセルロースアシレートフィルムの片面または両面にハードコート層、防眩層、反射防止層の何れかあるいは全てを付与することができる。このような防眩フィルム、反射防止フィルムとしての望ましい実施態様は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の54頁〜57頁に詳細に記載されており、本発明のセルロースアシレートフィルムを好ましく用いることができる。
(透明基板)
本発明におけるポリエステルジオールを用いれば、セルロースアシレートフィルムの光学的異方性をゼロに近く作ることができ、優れた透明性を持っていることから、液晶表示装置の液晶セルガラス基板の代替、すなわち駆動液晶を封入する透明基板としても用いることもできる。
液晶を封入する透明基板はガスバリア性に優れる必要があることから、必要に応じて本発明のセルロースアシレートフィルムの表面にガスバリアー層を設けてもよい。ガスバリアー層の形態や材質は特に限定されないが、本発明のセルロースアシレートフィルムの少なくとも片面にSiO2等を蒸着したり、あるいは塩化ビニリデン系ポリマーやビニルアルコール系ポリマーなど相対的にガスバリアー性の高いポリマーのコート層を設ける方法が考えられ、これらを適宜使用できる。
また液晶を封入する透明基板として用いるには、電圧印加によって液晶を駆動するための透明電極を設けてもよい。透明電極としては特に限定されないが、本発明のセルロースアシレートフィルムの少なくとも片面に、金属膜、金属酸化物膜などを積層することによって透明電極を設けることができる。中でも透明性、導電性、機械的特性の点から、金属酸化物膜が好ましく、なかでも酸化スズを主として酸化亜鉛を2〜15%含む酸化インジウムの薄膜が好ましく使用できる。これら技術の詳細は例えば、特開2001−125079や特開2000−227603などに公開されている。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例に限定されない。
[セルロースアシレートフィルムの作製]
(セルロースアシレートドープ調製)
下記表1に記載のアセチル置換度を有するセルロースアシレートは、セルロースに触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加して40℃でアシル化反応を行った。この時、カルボン酸の量を調整することでアセチル基の置換度を調整した。またアシル化後に40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
続いて、下記表1に記載のセルロースアシレート及び添加剤、更にシリカ粒子(Aerosol R972、日本アエロジル株式会社製)を溶媒(メチレンクロライド、メタノール、及び1−ブタノール(質量比81:18:1))と一緒にミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、ドープを調製した。いずれのドープにおいても、シリカ粒子はセルロースアシレートに対して0.1質量%添加した。また、表1中の添加剤の含有量(%)は、セルロースアシレートに対する質量%である。なお、溶媒の量は固形分濃度(ドープ中のセルロースアシレート、添加剤及びシリカ粒子の合計濃度)が25質量%となるように調製した。
(セルロースアシレートフィルムの作製)
上記のとおり調製したセルロースアシレートドープを流延口から−5℃に冷却したドラム上に流延した。溶媒含有率略70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの巾方向の両端をピンテンター(特開平4−1009号公報の図3に記載のピンテンター)で固定し、溶媒含有率が3〜5質量%の状態で、横方向(機械方向に垂直な方向)の延伸率が約3%となる間隔を保ちつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、下記表1に記載の厚みの実施例1〜23及び比較例1〜6のセルロースアシレートフィルムを作製した。
作製したセルロースアシレートフィルムのRe、Rth、ΔRth、光弾性係数、弾性率及び含水率を下記のとおり測定した。測定結果を下記表1に示す。
(レターデーション値)
作製したセルロースアシレートフィルムを、25℃・60%RHで2時間以上調湿し、複屈折測定装置(KOBRA 21ADH、王子計測器(株)製)を用いて、25℃60%RHでの波長590nmにおけるRe値及びRth値を測定した。
また、波長590nmにおける25℃80%RHでのRth値と25℃10%RH値とを測定し、その差分の絶対値をΔRthとして求めた。
(光弾性係数)
作製したセルロースアシレートフィルムから2cm×10cmのサンプルを切り出し、分光エリプソメーター(M−220、日本分光株式会社製)を用いて、サンプルに23℃で応力をかけながら、フィルム面内のレターデーション値を測定し、レターデーション値と応力の関数の傾きから算出した。
(弾性率)
東洋ボールドウィン(株)製万能引っ張り試験機“STM T50BP”を用い、23℃、70RH%雰囲気中、引張速度10%/分で0.5%伸びにおける応力を測定し、弾性率を求めた。
(含水率)
作製したセルロースアシレートフィルムから7mm×35mmのサンプルを切り出し、水分測定器、試料乾燥装置“CA−03”及び“VA−05”{共に三菱化学(株)製}にてカールフィッシャー法で含水率を測定した。
(偏光板の作製)
上記のとおり作製した実施例1〜23及び比較例1〜6のセルロースアセテートフィルムを、1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、アルカリけん化処理した実施例1のセルロースアシレートフィルムを1枚と、先述と同様にアルカリけん化処理した市販のセルロースアセテートフィルム(フジタック TD60UL;富士フイルム(株)製)を1枚用意して、偏光膜を間にして貼り合わせ、両面がセルロースアシレートフィルムよって保護された偏光板を得た。この際、両側のセルロースアシレートフィルムの遅相軸が偏光膜の透過軸と平行になるように貼り付けた。実施例2〜23及び比較例2〜23のセルロースアシレートフィルムについても同様に処理してそれぞれ偏光板を作製した。実施例1〜19のセルロースアシレートフィルムはいずれも延伸したポリビニルアルコールとの貼合性は十分であり、優れた偏光板加工適性を有していた。
また、実施例1のセルロースアシレートフィルムの替わりに市販の膜厚60μmのセルロースアシレートフィルム(フジタック TD60UL;富士フイルム(株)製)を用いて両面がフジタック TD60ULである偏光板を先述と同様にして作製した。以下、この偏光板をP−TDと呼ぶ。
なお、比較例1のセルロースアシレートフィルムについては、60℃90%RHの条件下で500時間保管した際の耐久性評価において、添加剤のブリードアウトが生じたため、これらセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板の作製は行わなかった。なお、他の実施例1〜23及び比較例2〜6のセルロースアシレートフィルムは、上記耐久性評価においても添加剤のブリードアウトは起こらなかった。
(IPS型液晶表示装置への実装)
市販のIPS−TVの偏光板を注意して剥がし、上記のとおり作製した偏光板を粘着剤を介しIPSセルの両側に設置した。ここで、実施例1〜23及び比較例2〜6セルロースアシレートフィルムがそれぞれIPSセルと偏光子との間に設置されるようにした。
以上のようにして作製した液晶表示装置の光漏れ及び光ムラを評価した。評価結果を下記表1に示す。
(斜め方向の光漏れ)
装置正面からの方位角方向45度、極角方向70度における黒表示時の光漏れ率を測定した。上記偏光板P−TDを用いた場合と比較して、以下の基準で評価した。
○ : P−TDを用いた場合の1/30未満
△ : P−TDを用いた場合の1/30以上1/10未満
× : P−TDを用いた場合の1/10以上
(正面方向の光ムラレベル)
装置正面から観察した場合の黒表示時の輝度ムラを観察し、以下の基準で評価した。
○ : 照度100lxの環境下でムラがほとんど視認されない
△ : 照度100lxの環境下で淡いムラが視認される
× : 照度100lxの環境下で明確なムラが視認される
××: 照度300lxの環境下で明確なムラが視認される
(斜め方向の光ムラレベル)
装置正面からの方位角方向45度、極角方向70度における黒表示時の輝度ムラ、色味ムラを観察し、以下の基準で評価した。
○ : 照度100lxの環境下でムラがほとんど視認されない
△ : 照度100lxの環境下で淡いムラが視認される
× : 照度100lxの環境下で明確なムラが視認される
××: 照度300lxの環境下で明確なムラが視認される
Figure 2011127045
表1の添加剤A〜Fは、下記表2に示すグリコールと二塩基酸との重縮合反応により得られるポリエステル系オリゴマーである。添加剤B、D、E及びFについては分子の両末端をアセチル基で封止している。
Figure 2011127045
表2中、AAはアジピン酸(炭素数6)、SAはコハク酸(炭素数4)、TPAはテレフタル酸(炭素数10)、PAはフタル酸(炭素数10)、EGはエチレングリコール(炭素数2)、PGは1,2−プロピレングリコール(炭素数3)、OHは水酸基、Acはアセチル基をあらわす。また、二塩基酸の比率はモル比である。
表1に示されるように、セルロースアシレートに対してポリエステル系オリゴマーを30質量%以上含有する本発明のセルロースアシレートフィルムは、Re及びRthが低く光学的等方性であり、液晶表示装置に用いた場合に光ムラや斜め方向の光漏れが改善されている。
また、比較例2〜4から分かるように、添加剤Aの含有量が増すにつれてRthが負に増加する傾向を示している。|Rth|が大きくなると、液晶表示装置の斜めから見た際の光漏れが大きくなるおそれがある。このように|Rth|を増大させるような手法は避けるのが一般的であるが、本発明では添加剤Aの含有量を多い場合であっても、他の添加剤との併用(実施例1〜5、実施例8〜10)、セルロースアシレートのアセチル置換度の調整(実施例13)により|Rth|の増加を抑え、かつ光ムラや光漏れを改善することができている。
(セルロースアセテートプロピオネートの作製、評価)
前記実施例1のセルロースアシレート(セルロースアセテート)を、セルロースアセテートプロピオネート(全置換度=2.68、アセチル置換度=0.18、プロピル置換度=2.50)に替えて、支持体として長さが100mのステンレス製のエンドレスバンドに流延ダイから流延し、ドープ中の溶剤比率が乾量基準で45質量%になった時点で流延支持体からフィルムとして剥離し、クリップを有したテンターで両端を固定しながらテンターの乾燥ゾーン内を搬送し、セルロースアシレートフィルムを製造したところ、実施例1のセルロースアセテートと同等の特性を有するフィルムを得ることができた。また、このフィルムを用いて実施例1と同様に偏光板を作製し、液晶表示装置に適用したところ、光ムラ及び斜め方向からの光漏れが改良された液晶表示装置が得られた。

Claims (10)

  1. セルロースアシレート及びポリエステル系オリゴマー含有するセルロースアシレートフィルムであって、前記セルロースアシレートに対して前記ポリエステル系オリゴマーを30質量%以上含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
  2. 前記ポリエステル系オリゴマーが、炭素数が2〜10のグリコールと炭素数が4〜10の二塩基酸とから合成されることを特徴とする請求項1記載のセルロースアシレートフィルム。
  3. 前記ポリエステル系オリゴマーを2種以上含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のセルロースアシレートフィルム。
  4. 前記ポリステル系オリゴマーの少なくとも1種は芳香環を含むポリエステル系オリゴマーであることを特徴とする請求項3のセルロースアシレートフィルム。
  5. 前記ポリエステルオリゴマーの少なくとも1種は芳香環を含むポリエステル系オリゴマーであり、他の少なくとも1種は芳香環を含まないポリエステル系オリゴマーであることを特徴とする請求項3記載のセルロースアシレートフィルム。
  6. 前記芳香環を含むポリエステル系オリゴマーを形成する前記二塩基酸が、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸との混合物であり、該脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸の平均炭素数が4〜10であることを特徴とする請求項4又は5に記載のセルロースアシレートフィルム。
  7. 引っ張り弾性率が3GPa未満であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
  8. 下記式(I)及び下記式(II)で定義されるRe及びRthが、波長590nmにおいて下記式(III)及び下記式(IV)を満たすことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
    式(I) Re=(nx―ny)×d
    式(II) Rth={(nx+ny)/2‐nz}×d
    式(III) |Re|<10
    式(IV) |Rth|<25
    式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さ(nm)である。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムを少なくとも1枚含むことを特徴とする偏光板。
  10. 請求項9の偏光板を少なくとも1枚含むことを特徴とする液晶表示装置。
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