JP2011126906A - ワルファリンカリウム含有医薬組成物とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、ワルファリンカリウム含有医薬組成物において、ワルファリンカリウムを含有する核と、三ニ酸化鉄及び/または黄色三ニ酸化鉄を含有し、前記核を被覆する被膜とを含む医薬組成物及びその製造法である。
【選択図】なし
Description
さらに酸化チタンとともにタルクを配合することにより、製剤の色調変化も抑制している(特許文献1)。また、ソファルコンとともに食用黄色5号、酸化チタンまたは三二酸化鉄を精製水を用いて湿式造粒することにより、光に対するソファルコンの含量低下を抑制させた細粒剤が開示されている(特許文献2)。
また、ビタミンKを配合してなる核に、中間被膜、さらに三二酸化鉄及び酸化チタンを分散させたメチルセルロース水溶液を転動流動法によりコーティングした顆粒剤(特許文献3)、あるいはアラニジピンを含有する顆粒を酸化チタン、食用黄色5号及び黄色三二酸化鉄を精製水を用いてコーティングすることにより光分解物の生成量を抑制したアラニジピン含有の顆粒剤が開示されている(特許文献4)。
すなわち、本発明は、(1)ワルファリンカリウムを含有する核と、(2)三二酸化鉄及び/または黄色三二酸化鉄を含有し、前記核を被覆する被膜とを含む医薬組成物を提供する。本発明の好ましい態様は、前記核は、さらに三二酸化鉄及び/または黄色三二酸化鉄を含有する医薬組成物である。または、前記核は、賦形剤及び結合剤を、さらに含有する医薬組成物である。本発明のさらに好ましい態様は、医薬組成物において、三二酸化鉄及び/または黄色三二酸化鉄の配合量が、ワルファリンカリウム1質量部に対して0.05〜15質量部である医薬組成物である。特に好ましい態様としては、また、核と被膜を有する医薬組成物であって、三二酸化鉄及び/または黄色三二酸化鉄についての核と被膜への配合比は、核中の三二酸化鉄及び/または黄色三二酸化鉄1質量部に対して、被膜中の三二酸化鉄及び/または黄色三二酸化鉄が0.1〜100質量部である。また、本発明の医薬組成物は、核と被膜の間に、さらに中間被膜を含む医薬組成物である。本発明のさらに好ましい態様は、前記医薬組成物は、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤またはドライシロップ剤である。特に、好ましい態様は、細粒剤または顆粒剤である。
<素顆粒の調製>
以下の方法で核として素顆粒を調製した。滅菌精製水600gにワルファリンカリウム20gを添加し、溶解させた溶液を乳糖8680g、D-マンニトール1000g、ヒドロキシプロピルセルロース-L(以下、HPC-Lとする)300gの混合物に練合機で攪拌しながら徐々に添加して練合した。さらに、練合して得られた混合物を円筒造粒機で0.5mmのスクリーンを用いて円柱状に造粒し、さらに流動層乾燥機で60℃で乾燥させた後、22号篩を通過し、42号篩に残留した素顆粒を得た。
<中間被膜で被覆した素顆粒の調製>
HPC-L24g、乳糖796g、タルク100g、酸化チタン80gを無水エタノール10000gに溶解または分散させ、中間被膜用のコーティング液を得た。素顆粒1500gを中間被膜用のコーティング液3300g(中間皮膜として300g)を用いて遠心流動型造粒コーティング装置で被覆造粒し、素顆粒に中間被膜を施した。
<顆粒剤の調製>
HPC-L96g、乳糖3174g、タルク400g、酸化チタン320g、三二酸化鉄10gを無水エタノール8000g中に溶解または分散させ、皮膜用のコーティング液を得た。中間被膜を施した素顆粒を皮膜用のコーティング液900g(皮膜として300g)を用いて遠心流動型造粒コーティング装置で被覆造粒し、さらに60℃で乾燥させ、22号篩を通過し、42号篩に残留させて、顆粒剤を得た。
実施例1と同様の方法で、皮膜用のコーティング液を3600g(皮膜として1200g)を用いて、顆粒剤を得た。
<素顆粒の調製>
滅菌精製水600gにワルファリンカリウム20gを添加し、溶解させた溶液を乳糖8680g、D-マンニトール1000g、HPC-L300gを用い、実施例1と同様の方法で素顆粒を得た。
<中間被膜で被覆した素顆粒の調製>
HPC-L24g、乳糖796g、タルク100g、酸化チタン80gを無水エタノール2000gに溶解または分散させ、中間被膜用のコーティング液を得た。素顆粒1250gを中間被膜用のコーティング液750g(中間皮膜として250g)を用いて遠心流動型造粒コーティング装置で被覆造粒し、素顆粒に中間被膜を施した。
<顆粒剤の調製>
HPC-L72g、乳糖2358g、タルク300g、酸化チタン240g、三二酸化鉄30gを無水エタノール6000g中に溶解または分散させ、皮膜用のコーティング液を得た。中間被膜で被覆した素顆粒を皮膜用のコーティング液2250g(皮膜として750g)を用いて遠心流動型造粒コーティング装置で被覆造粒し、さらに棚式乾燥機で60℃で乾燥させ、22号篩を通過し、42号篩に残留させて、顆粒剤を得た。
実施例3と同様の方法で調製した素顆粒1250g及び中間被膜用のコーティング液750g(中間用皮膜として250g)を用いて得られた中間被膜で被覆した素顆粒を調製し、以下の皮膜用のコーティング液2250g(皮膜として750g)を用いて遠心流動型造粒コーティング装置で被覆造粒し、さらに棚式乾燥機で60℃で乾燥させ、22号篩を通過し、42号篩に残留させて、顆粒剤を得た。
(皮膜用のコーティング液の調製)
HPC-L72g、乳糖2328g、タルク300g、酸化チタン240g、三二酸化鉄60gの組成比である皮膜を無水エタノール6000g中に溶解または分散させ、コーティング液を得た。
実施例1で調製した素顆粒1250gを実施例3で調製した被膜用のコーティング液750g(皮膜として250g)を用いて遠心流動型造粒コーティング装置で被覆造粒し、さらに棚式乾燥機で60℃で乾燥させ、22号篩を通過し、42号篩に残留させて、顆粒剤を得た。
実施例1で調製した素顆粒1250gを実施例3で調製した被膜用のコーティング液2250g(皮膜として750g)を用いて遠心流動型造粒コーティング装置で被覆造粒し、さらに棚式乾燥機で60℃で乾燥させ、22号篩を通過し、42号篩に残留させて、顆粒剤を得た。
実施例1の素顆粒1500gを、HPC-L22.5g、乳糖592.5g、タルク75g、酸化チタン60gを無水エタノール1500g中に溶解または分散させた被膜用のコーティング液で遠心流動型造粒コーティング装置で被覆造粒し、さらに棚式乾燥機で60℃で乾燥させ、22号篩を通過し、42号篩に残留させて、顆粒剤を得た。
<保存試験>
実施例1、実施例2で得た顆粒を用いて保存試験を行った。各顆粒3gをそれぞれ別の透明なシャーレに均一に広げ、120万lx・hの光照射条件下(25℃60%RH)で保存した。また、各顆粒約10gをそれぞれ別の遮光ガラスビンに充填し密閉して冷所保存した。保存後、ワルファリンカリウム含量の定量及び製剤の外観評価を以下の方法で行った。比較として、参考例1及び実施例1で調製した素顆粒も同様に試験を実施した。
<定量法>
ワルファリンカリウムの定量は、以下の方法で行った。
<試料溶液の調製>
(1)ワルファリンカリウム1mg相当分の顆粒を精密に量り、50mLの褐色のメスフラスコに入れた。(2)精製水を約40mL加えて、スターラーで約15分間攪拌した。(3)スターラーバーを取り除き、精製水を加えて正確に50mLにし、その後よく振り混ぜた。(4)(3)で調製した液約10mLを10000rpmで10分間遠心分離した。(5)(4)の上澄を5mLのシリンジに入れ、0.45μmのフイルターで濾過し、初流1mLを除いたろ液を試料溶液とした。
<標準溶液の調製>
ワルファリンカリウム約50mgを精密に量り、精製水を加えて正確に50mLとし、よく振り混ぜ、完全に溶解したことを目視確認した。さらに、ワルファリンカリウム濃度が0.02mg/mLになるように精製水で希釈した。
<HPLC条件>
波長:283nm、カラム(推奨):ODS-A、4.6×75mm、3μm、YMC、移動相:水/メタノール/リン酸(460/540/1)、カラム温度:35℃付近の一定温度流速:1.0mL/min、注入量:50μL。
(外観評価)
目視観察を行い、冷所保存品と比較して、5段階で評価した。
(-):変化なし
(±):僅かに変化が認められる
(+):変化が認められる
(2+):大きく変化が認められる
(3+):著しく変化が認められる
<素顆粒の調製>
以下の方法で核として素顆粒を調製した。滅菌精製水810gにワルファリンカリウム24gを添加し、溶解させた溶液を乳糖11460g、D-マンニトール1320g、HPC-L396gの混合物に練合機で攪拌しながら徐々に添加して練合した。さらに、この練合物を円筒造粒機で0.5mmのスクリーンを用いて円柱状に造粒し、さらに流動層乾燥機で60℃で乾燥させた後、22号篩を通過し、42号篩に残留したものを素顆粒として得た。
<中間被膜で被覆した素顆粒の調製>
HPC-L36g、乳糖1194g、タルク150g、酸化チタン120gを無水エタノール3000gに溶解または分散させ、中間被膜用のコーティング液を得た。素顆粒1265gを中間被膜用のコーティング液1035g(中間皮膜として345g)を用いて遠心流動型造粒コーティング装置で被覆造粒し、素顆粒に中間被膜を施した。
<顆粒剤の調製>
HPC-L72g、乳糖2338g、タルク300g、酸化チタン240g、黄色三二酸化鉄50gを無水エタノール6000g中に溶解または分散させ、被膜用のコーティング液を得た。中間被膜で被覆した素顆粒を皮膜用のコーティング液690g(皮膜として230g)を用いて遠心流動型造粒コーティング装置で被覆造粒し、さらに60℃で乾燥させ、22号篩を通過し、42号篩に残留させて、顆粒剤を得た。
実施例7と同様の方法で、被膜用コーティング液2070g(皮膜として690g)を用いて、顆粒剤を得た。
実施例7と同様の方法で、中間被膜で被覆した素顆粒を調製し、さらに、以下に示す三二酸化鉄及び黄色三二酸化鉄を含有するコーティング液690g(皮膜として230g)を用いて遠心流動型造粒コーティング装置で被覆造粒した。さらに棚式乾燥機で60℃で乾燥させ、22号篩を通過し、42号篩に残留させて、顆粒剤を得た。
<被膜用のコーティング液の調製>
HPC-L72g、乳糖2348g、タルク300g、酸化チタン240g、三二酸化鉄4g、黄色三二酸化鉄36gの組成比である皮膜を無水エタノール6000g中に溶解または分散させ、コーティング液を得た。
実施例9と同様の方法で、被膜用のコーティング液として2070g(皮膜として690g)を用いて顆粒剤を得た。
実施例7と同様の方法で、中間被膜で被覆した素顆粒を調製し、さらに、以下に示す食用黄色5号を含有するコーティング液2070g(皮膜として690g)を用いて遠心流動型造粒コーティング装置で被覆造粒した。さらに棚式乾燥機で60℃で乾燥させ、22号篩を通過し、42号篩に残留させて、顆粒剤を得た。
<被膜用のコーティング液の調製>
HPC-L72g、乳糖2378g、タルク300g、酸化チタン240g、食用黄色5号10gの組成比である皮膜を無水エタノール6000g中に溶解または分散させ、コーティング液を得た。
(参考例3)
参考例2の被膜用のコーティング液における食用黄色5号10gの代わりに食用赤色102号10gを用いてコーティング液を得た。さらに、参考例2と同様の方法で顆粒剤を得た。
試験例1と同様な保存方法並びに評価方法を用いて、実施例7〜8、参考例2〜3を評価した。評価結果を表2に示した。その結果、黄色三二酸化鉄、あるいは黄色三二酸化鉄及び三二酸化鉄を含有する皮膜で被覆したワルファリンカリウム含有医薬組成物はワルファリンカリウム含量及び製剤の外観変化は少なく、光安定性に優れていた。一方、タール系色素で被覆した医薬組成物は、三二酸化鉄や黄色三二酸化鉄を含有した医薬組成物と比較して、光安定性に対する効果は低く、さらに外観観察では、商品性や識別性に影響を与えるほど著しい退色が認められた。
滅菌製精水740gにワルファリンカリウム16gを添加し、溶解させた溶液を予め乳糖と三二酸化鉄を比率49:1の割合で粉砕機を用いて粉砕した混合物800g、乳糖9624g、D-マンニトール1200g、HPC-L360gの混合物に練合機で攪拌しながら徐々に添加して練合した。次に、その練合物を円筒造粒機で0.5mmのスクリーンを用いて円柱状に造粒し、さらに流動層乾燥機で60℃で乾燥させた後、篩過した。22号篩を通過し、42号篩に残留した顆粒をワルファリンカリウム及び三二酸化鉄を含有する顆粒剤として得た。
滅菌製精水740gにワルファリンカリウム16gを添加し、溶解させた溶液を予め乳糖と三二酸化鉄を比率49:1の割合で粉砕機を用いて粉砕した混合物2400g、乳糖8024g、D-マンニトール1200g、HPC-L360gの混合物に練合機で攪拌しながら徐々に添加して練合した。次に、その練合物を円筒造粒機で0.5mmのスクリーンを用いて円柱状に造粒し、さらに流動層乾燥機で60℃で乾燥させた後、篩過した。22号を通過し、42号篩に残留した顆粒をワルファリンカリウム及び三二酸化鉄を含有する顆粒剤として得た。
三二酸化鉄を含有する核に、さらに三二酸化鉄を含有する被覆層を施した顆粒剤を以下の方法で得た。
<素顆粒の調製>
滅菌製精水740gにワルファリンカリウム16gを添加し、溶解させた溶液を予め乳糖と三二酸化鉄を比率49:1の割合で粉砕機を用いて粉砕した混合物2400g、乳糖8024g、D-マンニトール1200g、HPC-L360gの混合物に練合機で攪拌しながら徐々に添加して練合した。次に、その練合物を円筒造粒機で0.5mmのスクリーンを用いて円柱状に造粒し、さらに流動層乾燥機で60℃で乾燥させた後、篩過させ、22号を通過し、42号篩に残留した顆粒を得た。
<中間被膜で被覆した素顆粒の調製>
HPC-L7.2g、タルク22.8gを90%(重量比)含水エタノール480gに溶解または分散させ、中間皮膜用のコーティング液を得た。素顆粒450gを中間皮膜用のコーティング液510g(固形分として30g)を用いて、遠心流動型コーティング装置で被覆造粒し、素顆粒に中間皮膜を施した。
<顆粒剤の調製>
HPC-L3.0g、乳糖103.2g、タルク12.0g、三二酸化鉄1.8gを90%(重量比)含水エタノール300gに溶解または分散させ、被膜用のコーティング液を得た。中間皮膜被膜を施した顆粒を被膜用のコーティング液420g(固形分として120g)を用いて遠心流動型コーティング装置で被覆造粒し、さらに同装置を用いて60℃で乾燥させた。その後、22号篩を通過し、42号篩に残留した顆粒にタルク3.0g、アエロジル3.0gを添加し、混合させて顆粒剤を得た。
三二酸化鉄を含有する核に、さらに三二酸化鉄を含有する被覆層を施した顆粒剤を以下の方法で得た。
<素顆粒の調製>
滅菌製精水740gにワルファリンカリウム16gを添加し、溶解させた溶液を予め乳糖と三二酸化鉄を比率49:1の割合で粉砕機を用いて粉砕した混合物2400g、乳糖8024g、D-マンニトール1200g、HPC-L360gの混合物に練合機で攪拌しながら徐々に添加して練合した。次に、その練合物を円筒造粒機で0.5mmのスクリーンを用いて円柱状に造粒し、さらに流動層乾燥機で60℃で乾燥させた後、篩過させ、22号を通過し、42号篩に残留した顆粒を得た。
<中間被膜で被覆した素顆粒の調製>
HPC-L7.2g、タルク22.8gを90%(重量比)含水エタノール480gに溶解または分散させ、中間皮膜用のコーティング液を得た。素顆粒450gを中間皮膜用のコーティング液510g(固形分として30g)を用いて、遠心流動型コーティング装置で被覆造粒し、素顆粒に中間皮膜を施した。
<顆粒剤の調製>
HPC-L3.0g、乳糖101.4g、タルク12.0g、三二酸化鉄3.6gを90%(重量比)含水エタノール300gに溶解または分散させ、被膜用のコーティング液を得た。中間皮膜被膜を施した顆粒を被膜用のコーティング液420g(固形分として120g)を用いて遠心流動型コーティング装置で被覆造粒し、さらに同装置を用いて60℃で乾燥させた。その後、22号篩を通過し、42号篩に残留した顆粒にタルク3.0g、アエロジル3.0gを添加し、混合させて顆粒剤を得た。
複数の被覆層を有する顆粒剤を以下の方法で調製した。
<素顆粒の調製>
滅菌製精水740gにワルファリンカリウム16gを添加し、溶解させた溶液を予め乳糖と三二酸化鉄を比率49:1の割合で粉砕機を用いて粉砕した混合物2400g、乳糖8024g、D-マンニトール1200g、HPC-L360gの混合物に練合機で攪拌しながら徐々に添加して練合した。次に、その練合物を円筒造粒機で0.5mmのスクリーンを用いて円柱状に造粒し、さらに流動層乾燥機で60℃で乾燥させた後、篩過させ、22号を通過し、42号篩に残留した顆粒を得た。
<中間被膜で被覆した素顆粒の調製>
HPC-L7.2g、タルク22.8gを90%(質量比)含水エタノール480gに溶解または分散させ、中間皮膜用のコーティング液を得た。素顆粒450gを中間皮膜用のコーティング液510g(固形分として30g)を用いて遠心流動型コーティング装置で被覆造粒し、素顆粒に中間皮膜を施した。
<顆粒剤の調製>
HPC-L3.0g、乳糖89.4g、タルク12.0g、酸化チタン12.0g、三二酸化鉄3.6gを90%(重量比)含水エタノール300gに溶解または分散させ、第1層の被膜用のコーティング液を得た。中間皮膜被膜を施した顆粒を第1層の被膜用のコーティング液420g(固形分として120g)を用いて遠心流動型コーティング装置で被覆造粒し、中間皮膜被覆で被覆した顆粒に第1層の被膜を施した。続いて、HPC-L3.0g、乳糖102g、タルク12.0g、黄色三二酸化鉄3.0gを90%(重量比)含水エタノール300gに溶解または分散させ、第2層の被膜用のコーティング液を得た。第1層の被膜を施した顆粒を第2層の被膜用のコーティング液420g(固形分として120g)を用いて遠心流動型コーティング装置で被覆造粒し、さらに同装置を用いて60℃で乾燥させた。その後、22号篩を通過し、42号篩に残留した顆粒にタルク3.0gを添加し、混合させて顆粒剤を得た。
滅菌製精水740gにワルファリンカリウム16gを添加し、溶解させた溶液を乳糖10424g、D-マンニトール1200gヒドロキシプロピルセルロース360gの混合物に練合機で攪拌しながら徐々に添加して練合した。次に、その練合物を円筒造粒機で0.5mmのスクリーンを用いて円柱状に造粒し、さらに流動層乾燥機で60℃で乾燥させた後、篩過し、22号を通過し、42号篩に残留した顆粒を三二酸化鉄を含有しない顆粒剤として得た。
試験例1と同様な保存方法並びに評価方法を用いて、実施例11〜15、参考例4を評価した。評価結果を表3に示した。その結果、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄を含有するワルファリンカリウムを含有する医薬組成物は、参考例4と比べてワルファリンカリウムの含量変化は少なく、光安定性に優れていた。なお、参考例4は、保存試験により試験前と比較し退色し白色化したが、一方、実施例11〜14は、色調変化を認めなかった。本試験により被覆層を有さない顆粒剤、つまり、本発明の核に三二酸化鉄を含有しただけの製剤でも効果を認めた。
Claims (12)
- (1)ワルファリンカリウムを含有する核と、(2)三二酸化鉄及び/または黄色三二酸化鉄を含有し、前記核を被覆する被膜とを含む医薬組成物。
- 前記核は、三二酸化鉄及び/または黄色三二酸化鉄を、さらに含有する請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記核は、賦形剤及び結合剤を、さらに含有する請求項1または請求項2に記載の医薬組成物。
- 三二酸化鉄及び/または黄色三二酸化鉄の配合量が、ワルファリンカリウム1質量部に対して0.05〜15質量部である請求項1ないし請求項3のうち何れか1項に記載の医薬組成物。
- 前記核と前記被膜の間に、さらに中間被膜を含む請求項1ないし請求項4のうち何れか1項に記載の医薬組成物。
- ワルファリンカリウムと、三二酸化鉄及び/または黄色三二酸化鉄とを含む医薬組成物。
- ワルファリンカリウム1質量部に対し、三二酸化鉄及び/または黄色三二酸化鉄0.05〜15質量部を混合してなる請求項6に記載の医薬組成物。
- 医薬組成物は、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤またはドライシロップ剤である請求項1ないし請求項7のうち何れか1項に記載の医薬組成物。
- ワルファリンカリウムを含有する医薬組成物の製造方法であって、(a)ワルファリンカリウムを含有する核を形成する工程と、(b)前記核を被覆するように、三二酸化鉄及び/または黄色三二酸化鉄を含有する被膜を形成する工程と、を備える製造方法。
- 前記工程(a)において、三二酸化鉄及び/または黄色三二酸化鉄を、さらに含有する請求項9に記載の医薬組成物。
- 三二酸化鉄及び/または黄色三二酸化鉄の配合量は、ワルファリンカリウム1質量部に対して0.05〜15質量部である請求項9または請求項10に記載の製造方法。
- 医薬組成物は、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤またはドライシロップ剤である請求項9ないし請求項11のうち何れか1項に記載の製造方法。
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