JP2011124615A - 半導体集積回路、半導体装置及び電子機器 - Google Patents

半導体集積回路、半導体装置及び電子機器 Download PDF

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篤 中村
Kazuyuki Sakata
和之 坂田
Seiji Yamamoto
誠二 山本
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豊 釆女
Motohiro Suwa
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Abstract

【課題】内部動作に起因する半導体基板の電位的変動を抑制することが容易な半導体集積回路を提供する。
【解決手段】半導体集積回路(1)の内部において、外部電源端子(Pvcc)と半導体基板(Psub)との間および外部グランド端子(Pvss)と半導体基板との間の何れか一方又は双方に可変インピーダンス回路(VZ)を配置し、可変インピーダンス回路に対するインピーダンスの設定に従って、半導体集積回路に形成されたトランジスタの動作に応じて半導体基板に生起される電源電圧側の変動成分とグランド電圧側の変動成分とをバランスさせるようにその変動成分の大きさや波形を決定する。半導体集積回路の電源及びグランド側の変動に起因して半導体基板に与えられる変動成分が抑えられることにより、半導体基板を通して外部でコモンモード電流経路が形成されることを抑制することが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体集積回路の動作に起因するEMC(Electro Magnetic Compatibility:電磁的両立性)若しくはEMI(Electro Magnetic Interference:電磁的干渉)対策の技術に関し、例えばマイクロコンピュータチップ、マイクロコンピュータデバイス、さらにはマイクロコンピュータ応用機器に適用して有効な技術に関する。
特許文献1には車載用電子機器における電源供給及び信号インタフェース用のハーネスを流れるコモンモード電流によって不要電磁放射が発生するという課題を解決するための発明が記載される。即ち、マイクロコンピュータを搭載した電子回路基板がノイズ源になり、この電子回路基板上の電源及びグランド電圧の高周波変動成分が実装基板から寄生容量を介して外部に漏れ、これが、電子回路基板に接続するハーネスに帰還してコモンモード電流ループを形成することによって、ハーネスがモノポールアンテナとして作用されることにより不要電磁放射が発生する。これを抑制するために、電子回路基板とハーネスとの接続点の電圧が0となるように電子回路基板における電源配線及びグランド配線のインダクタンス及び寄生容量を調整することによって、ハーネスにコモンモード電流が流れないようにしたものである。
国際公開WO2006/112010A1
しかしながら、近年の半導体集積回路の高速化により、半導体集積回路の実装基板に対する対策では不十分であることが本発明者によって認識された。すなわち、半導体集積回路の電源電圧及びグランド電圧の変動に起因する影響を、実装基板の電源配線やグランド配線のインダクタンス成分や寄生容量成分を調整するだけではEMI対策に限界がある。
本発明の目的は、内部動作に起因する半導体基板の電位的変動を抑制することが容易な半導体集積回路を提供することにある。
本発明の別の目的は、半導体集積回路の内部動作に起因する半導体基板の電位的変動を抑制することが容易な半導体装置を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、不要電磁放射の発生を確実に抑制することに貢献することができる電子機器を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、半導体集積回路の内部において、外部電源端子と半導体基板との間および外部グランド端子と半導体基板との間の何れか一方又は双方に可変インピーダンス回路を配置し、可変インピーダンス回路に対するインピーダンスの設定に従って、半導体集積回路に形成されたトランジスタの動作に応じて半導体基板に生起される電源電圧側の変動成分とグランド電圧側の変動成分とをバランスさせるようにその変動成分の大きさや波形を決定する。
これにより、半導体集積回路の電源及びグランド側の変動に起因して半導体基板に与えられる変動成分が抑えられることにより、半導体基板を通して外部でコモンモード電流経路が形成されることを抑制することが可能になる。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、半導体集積回路の内部動作に起因する半導体基板の電位的変動を抑制することが容易である。そしてこの半導体集積回路をパッケージングした半導体装置を実装基板に実装した電子機器においては不要電磁放射の発生を確実に抑制することに貢献することができる。
図1は本発明の実施に形態におけるEMI保護機能を原理的に示す概略説明図である。 図2はトリプルウェル構造においてPvcc−Psub間に可変インピーダンス回路を設けた半導体集積回路の等価回路図である。 図3はダブルウェル構造においてPvss−Psub間に可変インピーダンス回路を設けた半導体集積回路の等価回路図である。 図4はトリプルウェル構造においてPvss−Psub間に可変インピーダンス回路を設けた半導体集積回路の等価回路図である。 図5はトリプルウェル構造においてPvcc−Psub間に可変インピーダンス回路を設けた図2の等価回路に対するデバイス構造などを例示する説明図である。 図6は図5に対応する回路図である。 図7は図5に適用する可変インピーダンス回路の一例を示す回路図である。 図8は図5に適用する可変インピーダンス回路の別の例を示す回路図である。 図9は図8の可変インピーダンス回路を構成する可変インピーダンスユニットの別の例を示す回路図である。 図10は図8の可変インピーダンス回路を構成する可変インピーダンスユニットのさらに別の例を示す回路図である。 図11はダブルウェル構造においてPvss−Psub間に可変インピーダンス回路を設けた図3の等価回路に対するデバイス構造などを例示する説明図である。 図12は図11に対応する回路図である。 図13は図11に適用する可変抵抗回路を例示する回路図である。 図14は図11に適用する可変抵抗回路の別の例を示す回路図である。 図15は図11に適用する可変抵抗回路のさらに別の例を示す回路図である。 図16はトリプルウェル構造においてPvss−Psub間に可変インピーダンス回路を設けた図4の等価回路に対するデバイス構造などを例示する説明図である。 図17は図16に対応する回路図である。 図18は図16に適用する可変抵抗回路を例示する回路図である。 図19は図16に適用する可変抵抗回路を例示する回路図である。 図20はトリプルウェル構造においてPvss−Psub間とPvcc−Psub間の双方に可変インピーダンス回路VZを設けた回路構成を例示する回路図である。 図21は可変インピーダンス回路におけるインピーダンスをダイナミックに変更可能にする例を示すブロック図である。 図22は半導体集積回路1のI/Oセル領域における未使用領域に可変インピーダンス回路を配置したときの説明図である。 図23は半導体チップの四隅のコーナ領域に可変インピーダンス回路を配置したときの説明図である。 図24は電源遮断ブロック毎の電源遮断スイッチ配置領域毎にインピーダンス設定される可変インピーダンス回路を設ける例を示す説明図である。 図25は可変インピーダンス回路によるPsub(Pvss2)の高周波ノイズに対する抑制効果についてシミュレーションによる評価を行ったときの回路モデルの説明図である。 図26は図25の回路モデルを用いてPSUBの収束性に関するシミュレーションを行ったときの良好な結果を例示する説明図である。 図27は図25の回路モデルを用いてPSUBの収束性に関するシミュレーションを行ったときの良好な別の結果を例示する説明図である。 図28は可変インピーダンス回路によるPsub(Pvss2)の高周波ノイズに対する抑制効果についてシミュレーションによる評価を行ったときの別の回路モデルの説明図である。 図29は図28の回路モデルを用いてPSUBの収束性に関するシミュレーションを行ったときの良好な結果を例示する説明図である。 図30は本実施の形態に係る半導体集積回路を用いた半導体装置としての半導体集積回路デバイスを例示する平面図である。 図31は図30の半導体集積回路デバイスの側面図である。 図32は本実施の形態に係る半導体集積回路デバイスを適用した電子機器を例示する説明図である。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る半導体集積回路は、半導体基板に複数のウェル領域が形成され、外部電源端子(Pvcc)から供給される電源電圧(VCC)と外部グランド端子(Pvss)から供給されるグランド電圧(VSS)とを動作電源として動作されるトランジスタが前記ウェル領域に形成され、前記外部電源端子と前記半導体基板との間および前記外部グランド端子と前記半導体基板との間の何れか一方又は双方に可変インピーダンス回路(VZ)が接続される。
半導体集積回路が動作されると、それに応じて電源電圧及びグランド電圧が歪む。例えばCMOS回路の入力論理値の反転による遷移動作中に電源側からグランド側へ貫通電流が流れ、内蔵発振回路の動作によって電源電圧及びグランド電圧が周期的に変動し、また、外部への出力動作などによって電源電圧やグランド電圧が大きく歪む。電源電圧及びグランド電圧の変動成分は寄生容量や寄生抵抗を介して半導体基板にも伝播される。このとき、前記可変インピーダンス回路はそれに設定されるインピーダンスにしたがって電源電圧の変動成分とグランド電圧の変動成分をバランスさせて相殺するように、その変動成分の大きさや波形を決定する。半導体集積回路の電源及びグランド側の変動に起因して半導体基板に与えられる変動成分が抑えられることにより、半導体基板若しくは半導体基板への給電端子を通して外部でコモンモード電流経路が形成されることを抑制することが可能になる。
外部電源端子と半導体基板との間および外部グランド端子と半導体基板との間の双方に可変インピーダンス回路を配置すれば、それぞれのインピーダンス調整代は小さくて済む。何れか一方に可変インピーダンス回路を配置する場合には、インピーダンス調整代は大きくしなければならないが、可変インピーダンス回路の個数は少なくて済む。
〔2〕項1の半導体集積回路において、前記トランジスタの動作に応じて前記半導体基板に生起される第1の電源電圧側の第1の変動成分と第2の電源電圧側の第2の変動成分とを相殺するためのインピーダンスを決める制御データを保持して前記可変インピーダンス回路に与える記憶回路(20)を有する。記憶回路はプログラマブルに書換え可能であってもよいし、ワンタイム書き換えのみが可能であってもよい。
〔3〕項2の半導体集積回路において、第1の変動成分及び第2の変動成分は容量成分及び抵抗成分を介して前記半導体基板に生起される電圧及び電流成分である。
〔4〕項3の半導体集積回路において、前記複数のウェル領域は、第1導電型の第1半導体ウェル領域(PW)及び第2導電型の第2半導体ウェル領域(NW)であって、第1導電型(P)の半導体基板(Psub)に配置された第2導電型(N)の半導体領域(DNW)に形成される。
〔5〕項4の半導体集積回路において、前記半導体基板は前記外部電源端子及び外部グランド端子とは異なる外部基板給電端子(Pvss2)から給電され、前記可変インピーダンス回路は可変容量回路(Ccnt)と可変抵抗回路(Rcnt)の直列回路である。外部電源端子及び外部グランド端子とは異なる外部基板給電端子から半導体基板への基板給電を行うから、その点においても半導体基板の安定化が図られる。
〔6〕項4の半導体集積回路において、前記第1導電型がP型、前記第2導電型がN型のとき、前記半導体基板は外部基板給電端子から前記グランド電圧が供給される。
〔7〕項4の半導体集積回路において、前記半導体基板はその導電型に応じて前記外部電源端子又は前記外部グランド端子の一方から前記可変インピーダンス回路を介して給電され、当該可変インピーダンス回路は可変抵抗回路(Rcnt)である。
〔8〕項7の半導体集積回路において、前記半導体基板は、前記第1導電型がP型、前記第2導電型がN型のとき、前記可変抵抗回路を介して前記外部グランド端子から前記グランド電圧が供給される。
〔9〕項7の半導体集積回路において、半導体基板への給電に利用されていない前記外部電源端子又は前記外部グランド端子の他方の端子と前記半導体基板との間に配置された前記可変インピーダンス回路は、可変容量回路(Ccnt)と可変抵抗回路(Rcnt)の直列回路である。
〔10〕項3の半導体集積回路において、前記複数の半導体ウェル領域は、第1導電型(P)の半導体基板(Psub)に形成された第1導電型の第1ウェル領域(PW)と、前記半導体基板に形成された第2導電型(N)の第2ウェル領域(NW)であり、前記半導体基板はその導電型に応じて前記外部電源端子又は前記外部グランド端子の一方から前記可変インピーダンス回路を介して給電され、当該可変インピーダンス回路は可変抵抗回路である。可変インピーダンス回路は半導体基板と給電ラインとを容量結合することを要しない。
〔11〕項10の半導体集積回路において、前記第1導電型がP型、前記第2導電型がN型のとき、前記半導体基板は前記外部グランド端子からの前記グランド電圧が前記可変抵抗回路を介して供給される。
〔12〕項10の半導体集積回路において、半導体基板への給電に利用されていない前記外部電源端子又は前記外部グランド端子の他方の端子と前記半導体基板との間に配置された前記可変インピーダンス回路は、可変容量回路と可変抵抗回路の直列回路である
〔13〕項1の半導体集積回路を用いる半導体装置は、その半導体集積回路と、当該半導体集積回路を封止するパッケージと、前記半導体集積回路の外部端子に接続され前記パッケージの外に露出するリード端子と、を有する。上記半導体集積回路においてはその回路動作によって電源電圧及びグランド電圧が周期的に変動しても半導体基板の電位が安定化されるから、その周期的な変動に起因して高周波ノイズ成分が半導体基板からパッケーの外部に漏れてコモンモード電流経路が形成される事態を抑制することができる。
〔14〕項13の半導体装置を用いた電子機器は、その半導体装置のリード端子を介して前記半導体装置が実装される実装基板と、前記実装基板に搭載されたその他の半導体装置とを有する。実装基板上で半導体集積回路の電源端子に接続する電源パターンおよび当該半導体集積回路のグランド端子に接続するグランドパターン等にコモンモード電流が帰還してコモンモード電流ループが形成される事態を半導体基板側から抑制でき、実装基板の電源及びグランドパターンに対するコモンモード電流ループ対策を、半導体装置側から保証することができ、不要電磁放射の発生を確実に抑制することに貢献することができる。
〔15〕<Pvss2給電DNW, Pvcc-Psub間and/orPvss-Psub間にVZ>
本発明の別の実施の形態に係る半導体集積回路は、外部基板給電端子(Pvss2)から供給される第1の電圧(VSS)が印加され第1の導電型(P)を有する半導体基板(Psub)と、前記半導体基板に形成され第1の外部電源端子(Pvcc)から供給される第2の電圧(VCC)が印加され第2の導電型(N)を有する第3ウェル領域(DNW)と、前記第3ウェル領域に形成され第2の外部電源端子(Pvss)から供給される第1の電圧(VSS)が印加され第1の導電型を有する第1ウェル領域(PW)と、前記第3ウェル領域に形成され前記第1の電圧(VCC)が印加され第2の導電型を有する第2ウェル領域(NW)と、前記第1のウェル領域(PW)に形成され第2導電型(N)チャネルが選択的に誘起される第1の電界効果トランジスタ(NMOS)と、前記第2のウェル領域(NW)に形成され第1導電型(P)チャネルが選択的に誘起される第2の電界効果トランジスタ(PMOS)とを備える。さらに、前記第1の外部電源端子(Pvcc)と前記半導体基板との間を容量成分を介して結合する可変インピーダンス回路(VZ)と、前記第2の外部電源端子(Pvss)と前記半導体基板との間を容量成分を介して結合する可変インピーダンス回路(VZ)との何れか一方又は双方を有する。
これにより、可変インピーダンス回路はそれに設定されるインピーダンスにしたがって電源電圧の変動成分とグランド電圧の変動成分をバランスさせて相殺するように、その変動成分の大きさや波形を決定する。半導体集積回路の電源及びグランド側の変動に起因して半導体基板に与えられる変動成分が抑えられることにより、半導体基板若しくは外部基板給電端子を通して外部でコモンモード電流経路が形成されることを抑制することが可能になる。
外部電源端子と半導体基板との間および外部グランド端子と半導体基板との間の双方に可変インピーダンス回路を配置すれば、それぞれのインピーダンス調整代は小さくて済む。何れか一方に可変インピーダンス回路を配置する場合には、インピーダンス調整代は大きくしなければならないが、可変インピーダンス回路の個数は少なくて済む。
第2の外部電源端子及び第3の外部電源端子とは異なる第1の外部電源端子から半導体基板への基板給電を行うから、その点においても半導体基板の安定化が図られる。
〔16〕項15の半導体集積回路において、前記第1の電圧はグランド電圧、前記第1の導電型はP型、前記第2の電圧は電源電圧、前記第2の導電型はN型である。
〔17〕項16の半導体集積回路において、前記可変インピーダンス回路は可変抵抗回路(Rcnt)と可変容量回路(Ccnt)との直列回路である。
〔18〕項15の半導体集積回路を用いる半導体装置は、その半導体集積回路と、当該半導体集積回路を封止するパッケージと、前記半導体集積回路の外部端子に接続され前記パッケージの外に露出するリード端子と、を有する。上記半導体集積回路においてはその回路動作によって電源電圧及びグランド電圧が周期的に変動しても半導体基板の電位が安定化されるから、その周期的な変動に起因して高周波ノイズ成分が半導体基板からパッケーの外部に漏れてコモンモード電流経路が生ずる事態を抑制することができる。
〔19〕項18の半導体装置を用いた電子機器は、その半導体装置のリード端子を介して前記半導体装置が実装される実装基板と、前記実装基板に搭載されたその他の半導体装置とを有する。実装基板上で半導体集積回路の電源端子に接続する電源パターンおよび当該半導体集積回路のグランド端子に接続するグランドパターン等にコモンモード電流が帰還してコモンモード電流ループが形成される事態を半導体基板側から抑制でき、実装基板の電源及びグランドパターンに対するコモンモード電流ループ対策を、半導体装置側から保証することができ、不要電磁放射の発生を確実に抑制することに貢献することができる。
〔20〕<Pvss給電DNW,Pvcc-Psub間and/orPvss-Psub間にVZ>
本発明の更に別の実施の形態に係る半導体集積回路は、第1の導電型(P)を有する半導体基板(Psub)と、前記半導体基板に形成され第1の外部電源端子(Pvcc)から供給される第2の電圧(VCC)が印加され第2の導電型(N)を有する第3ウェル領域(DNW)と、前記第3ウェル領域に形成され第2の外部電源端子(Pvss)から供給される第1の電圧(VSS)が印加され第1の導電型を有する第1ウェル領域(PW)と、前記第3ウェル領域に形成され前記第1の電圧(VCC)が印加され第2の導電型を有する第2ウェル領域(NW)と、第1のウェル領域(PW)に形成され第2導電型(N)チャネルが選択的に誘起される第1の電界効果トランジスタ(NMOS)と、前記第2のウェル領域(NW)に形成され第1導電型(P)チャネルが選択的に誘起される第2の電界効果トランジスタ(PMOS)とを備える。さらに、前記第1の外部電源端子(Pvcc)と前記半導体基板との間を少なくとも容量成分を介して結合する可変インピーダンス回路(VZ)と、前記第2の外部端子(Pvss)と前記半導体基板との間を結合する可変抵抗回路(Rcnt)との何れか一方又は双方を有する。
これにより、可変インピーダンス回路,可変抵抗回路はそれに設定されるインピーダンスにしたがって電源電圧の変動成分とグランド電圧の変動成分をバランスさせて相殺するように、その変動成分の大きさや波形を決定する。半導体集積回路の電源及びグランド側の変動に起因して半導体基板に与えられる変動成分が抑えられることにより、半導体基板を通して外部でコモンモード電流経路が形成されることを抑制することが可能になる。
第1の外部電源端子と半導体基板との間および第2の外部電源端子と半導体基板との間の双方に可変インピーダンス回路と可変抵抗回路を配置すれば、それぞれのインピーダンス調整代は小さくて済む。何れか一方に配置する場合には、インピーダンス調整代は大きくしなければならないが、配置する可変インピーダンス回路と可変抵抗回路の個数は少なくて済む。
〔21〕項20の半導体集積回路において、前記第1の電圧はグランド電圧、前記第1の導電型はP型、前記第2の電圧は電源電圧、前記第2の導電型はN型である。
〔22〕項21の半導体集積回路において、前記可変インピーダンス回路は可変抵抗回路と可変容量回路との直列回路である。
〔23〕項20の半導体集積回路を用いる半導体装置は、その半導体集積回路と、当該半導体集積回路を封止するパッケージと、前記半導体集積回路の外部端子に接続され前記パッケージの外に露出するリード端子と、を有する。上記半導体集積回路においてはその回路動作によって電源電圧及びグランド電圧が周期的に変動しても半導体基板の電位が安定化されるから、その周期的な変動に起因して高周波ノイズ成分が半導体基板からパッケーの外部に漏れてコモンモード電流ループが形成される事態を抑制することができる。
〔24〕項23の半導体装置を用いた電子機器は、その半導体装置のリード端子を介して前記半導体装置が実装される実装基板と、前記実装基板に搭載されたその他の半導体装置とを有する。実装基板上で半導体集積回路の電源端子に接続する電源パターンおよび当該半導体集積回路のグランド端子に接続するグランドパターン等にコモンモード電流が帰還してコモンモード電流ループが形成される事態を半導体基板側から抑制でき、実装基板の電源及びグランドパターンに対するコモンモード電流ループ対策を、半導体装置側から保証することができ、不要電磁放射の発生を確実に抑制することに貢献することができる。
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
《実施形態1:LSIにおけるEMI保護機能の原理的説明》
図1には本発明の実施の形態に係る半導体集積回路におけるEMI保護機能を原理的に示す概略説明図である。半導体集積回路(LSI)1は相補型MOS集積回路製造技術などによって単結晶シリコンのような1個の半導体基板に形成される。例えば半導体集積回路1は、p型の半導体基板(Psub)にダブルウェル若しくはトリプルウェル構造の図示を省略する複数のウェル領域が形成され、外部電源端子Pvccから供給される電源電圧VCCと外部グランド端子Pvssから供給されるグランド電圧VSSとを動作電源として動作されるトランジスタが前記ウェル領域に形成される。p型の半導体基板(Psub)に対するグランド電圧VSSの給電は、図1では外部基板給電端子Pvss2から行うように図示されているが、グランド端子Pvssから直接行ってもよい。特に図示はしないが、半導体集積回路1の外部において外部基板給電端子Pvss2とグランド端子Pvssには同じ経路からグランド電圧が供給される。
電源端子Pvccと半導体基板(Psub)の間には寄生抵抗や寄生容量などによるインピーダンスZccが形成され、同じくグランド端子Pvssと半導体基板(Psub)の間には寄生抵抗や寄生容量等によるインピーダンスZssが形成される。本実施の形態において、前記インピーダンスZccとZssの一方又は双方には可変インピーダンス回路VZが接続されている。
半導体集積回路1が動作されると、それに応じて電源電圧VCC及びグランド電圧VSSが歪む。例えばCMOS回路の入力論理値の反転による遷移動作中に電源側からグランド側へ貫通電流が流れ、内蔵発振回路の動作によって電源電圧及びグランド電圧が周期的に変動し、また、外部への出力動作などによって電源電圧やグランド電圧が大きく歪む。電源電圧VCC及びグランド電圧VSSの変動成分は寄生容量Rsや寄生抵抗Csを介して半導体基板Psubにも伝播される。このとき、前記可変インピーダンス回路VZはそれに設定されるインピーダンスにしたがって電源電圧VCCの変動成分とグランド電圧VSSの変動成分をバランスさせて相殺するように、その変動成分の大きさや波形を決定することになる。半導体集積回路1の電源及びグランド側の変動に起因して半導体基板(Psub)に与えられる変動成分が抑えられることにより、半導体基板(Psub)若しくは半導体基板への給電端子Pvss2を通して外部の寄生容量Cexを介してコモンモード電流経路が形成されたりすることを抑制することが可能になる。コモンモード電流経路の形成を抑制することができるので、その経路がアンテナとして動作することにより生ずることになるノイズ放射を抑制若しくは阻止することができる。
図2乃至図4には前記インピーダンスZcc,Zss及び可変インピーダンス回路VZの具体例を等価回路で示す。
図2はp型の半導体基板(Psub)にディープNウェル領域(DNW)が形成され、そこにp型のPウェル領域(PW)とn型のNウェル領域(NW)が形成されたデバイス構造を持ち、インピーダンスZccの一部として可変インピーダンス回路VZが形成される。ここでは可変インピーダンス回路VZは、グランド電圧VSSが給電される半導体基板(Psub)と電源端子Pvccとの間に配置されるから、例えば可変抵抗回路Rcntと可変容量回路Ccntの直列回路によって構成される。可変容量回路Ccntは固定容量素子に置換してもよいし、また、可変容量回路だけで可変インピーダンス回路VZを構成してもよい。図中、Rsは半導体集積回路1における寄生抵抗、Csは半導体集積回路1における寄生容量を意味する。具体的なデバイス構造及び回路構成については図5乃至図10に基づいて後述する。
図3はp型の半導体基板(Psub)にp型のPウェル領域(PW)とn型のウェル領域(NW)が形成されたデバイス構造を持ち、インピーダンスZssの一部として可変インピーダンス回路VZが形成される。ここでは可変インピーダンス回路VZは、グランド電圧VSSが給電される半導体基板(Psub)とグランド端子Pvssとの間に配置されるから、例えば可変抵抗回路Rcntによって構成される。具体的なデバイス構造及び回路構成については図11乃至図15に基づいて後述する。
図4はp型の半導体基板(Psub)にディープNウェル領域(DNW)が形成され、そこにp型のPウェル領域(PW)とn型のウェル領域(NW)が形成されたデバイス構造を持ち、インピーダンスZssの一部として可変インピーダンス回路VZが形成される。ここでは可変インピーダンス回路VZは、グランド電圧VSSが給電される半導体基板(Psub)とグランド端子Pvssとの間に配置されるから、例えば可変抵抗回路Rcntによって構成される。グランド端子Pvssとは独立に外部基板給電端子Pvss2を持つ構造の電源分離という利点を十分に活用する場合には、特に図示はしないが、可変インピーダンス回路VZを、例えば可変抵抗回路Rcntと可変容量回路Ccntの直列回路によって構成してもよい。具体的なデバイス構造及び回路構成については図16乃至図19に基づいて後述する。
《実施形態2:トリプルウェル構造におけるPvcc−Psub間にVZ》
図5にはトリプルウェル構造においてPvcc−Psub間に可変インピーダンス回路VZを設けた図2の等価回路に対するデバイス構造などが例示され、図6には図5に対応する回路図が示される。
図5においてp+はp型の高濃度不純物領域、n+はn型の高濃度不純物領域である。図5において、半導体基板(Psub)10にはp型ウェル領域(PW)11を介して基板給電端子Pvss2からグランド電圧VSSが供給され、Psub10に形成された領域(DNW)12にはn型ウェル領域(NW)13を介して電源端子Pvccから電源電圧VCCが供給される。DNW12に形成されたNW14には電源電圧VCCが給電され、複数個のpチャンネル型MOSトランジスタ(PMOS)15が形成される。DNWに形成されたPW16にはグランド電圧VSSが給電され、複数個のnチャンネル型MOSトランジスタ(NMOS)17が形成される。図5に代表的に示されたPMOSとNMOSは例えばCMOSインバータを構成する。PMOS及びNMOSにおいてTSはソース電極、TDはドレイン電極、TGはゲート電極である。INPUTは上記CMOSインバータの入力信号、OUTPUTは上記CMOSインバータの出力信号である。同図には代表的に1個のCMOSインバータを図示したが、実際にはNW14に形成された複数個のPMOS15とPW16に形成された複数個のNMOS17によって種々の回路が構成される。18は素子分離領域である。
可変インピーダンス回路VZは電源端子PvccとPW11との間に接続される。可変インピーダンス回路VZを構成する可変抵抗回路Rcnt及び可変容量回路Ccntの値は記憶回路(MRY)20から出力される選択信号CNTによって決定される。記憶回路20はレーザヒューズのプログラム状態によって抵抗値と容量値を決定するプログラムリンクによって構成され、或いは、半導体集積回路1にオンチップされたシステムコントローラ又はCPUにより抵抗値と容量値を決定するための制御データが設定されるコントロールレジスタによって構成される。選択信号CNTは善意プログラムリンクのプログラム状態、若しくは設定された制御データの値に基づいて生成される。
図7には可変インピーダンス回路VZの一例が示される。可変抵抗回路Rcntは、抵抗素子Rvとpチャンネル型の選択MOSトランジスタMpvとの直列回路を複数個(例えばn+1個)並接続して構成され、選択信号CNT、例えばn+1ビットの選択信号CNT[0]〜CNT[n]によって、直列経路の選択数が可変とされる。可変容量回路Ccntは、容量素子Cvとnチャンネル型の選択MOSトランジスタMnvとの直列回路を複数個(例えばn+1個)並接続して構成され、選択信号CNT、例えばn+1ビットの選択信号CNTB[0]〜CNTB[n]によって、直列経路の選択数が可変とされる。選択信号CNTB[0]〜CNTB[n]は例えば選択信号CNT[0]〜CNT[n]の反転信号とされ、或いは選択信号CNTB[0]〜CNTB[n]は選択信号CNT[0]〜CNT[n]とは全く別個の信号であってもよい。選択信号CNTB[0]〜CNTB[n],CNT[0]〜CNT[n]は記憶回路20が保持する制御データに応じた値を持つ。
尚、抵抗素子Rvと選択MOSトランジスタMpvとの直列回路に代えて、選択するMOSトランジスタのオン抵抗に基づいて抵抗値を可変とする構成を採用してもよく、その場合にはMOSトランジスタのサイズ(ゲート電極の長さに対する幅の比)をそれぞれのMOSトランジスタに対して相違させることも可能である。容量素子Cvは、MOS容量、誘電体をポリシリコンで挟んで構成したポリシリコン・ポリシリコン間容量、配線間容量、PN接合容量などで構成すればよい。また、VCC側に容量素子とpチャンネル型の選択MOSトランジスタとの直列回路を用いた可変容量回路を配置し、VSS側に抵抗素子とnチャンネル型の選択MOSトランジスタとの直列回路を用いた可変抵抗回路を配置して構成することも可能である。
図8には可変インピーダンス回路VZの別の例が示される。ここでは並列接続された複数個の可変インピーダンスユニットVZUによって可変インピーダンス回路VZが構成される。それぞれの可変インピーダンスユニットVZUは抵抗素子RV及びnチャンネル型の選択MOSトランジスタMnvの直列回路を複数列並列した合成回路に容量素子Cvが直列接続されて構成され、選択信号CNT、例えばそれぞれに固有の選択信号CNT0[i:0],…,CNTm[i:0]によって、選択MOSトランジスタMnvがスイッチ制御される。特に制限されないが、それぞれの選択信号CNT0[i:0] ,…,CNTm[i:0]はi+1ビットの信号とされ、対応する可変インピーダンスユニットVZUのi+1個の選択MOSトランジスタMnvのスイッチ状態を選択する。可変インピーダンス回路VZに設定される抵抗値はオン状態の抵抗素子Rvの並列合成抵抗値とされ、可変インピーダンス回路VZに設定される容量値はオン状態の抵抗素子Rvに直列される容量素子Cvの並列合成容量値とされる。可変インピーダンスユニットVZUにおいて全ての抵抗素子Rvがオフ状態にされたとき当該可変インピーダンスユニットVZUの容量素子CvはPsub10から電気的に切り離される。
尚、抵抗素子Rvを用いずに選択MOSトランジスタMnvのオン抵抗を抵抗成分として用いるようにしてもよい。また、可変インピーダンスユニットVZUは、電源電圧VCC側から、容量素子、nチャンネル型MOSトランジスタ、抵抗素子、の順番でPsub10に至る配置に代えて、電源電圧VCC側から、抵抗素子、pチャンネル型MOSトランジスタ、容量素子の順番でPsub10に至る配置を採用してもよい。
また、図9に例示されるように、pチャンネル型MOSトランジスタのドレイン・ソース電極を一方の容量電極としゲート電極を他方の容量電極として容量素子Cvを構成し、抵抗素子をnチャンネル型の選択MOSトランジスタMnvのオン抵抗で代用させて、可変インピーダンスユニットVZUを構成してもよい。
また、図10に例示されるように、nチャンネル型MOSトランジスタのドレイン・ソース電極を一方の容量電極としゲート電極を他方の容量電極として容量素子Cvを構成し、抵抗素子をpチャンネル型の選択MOSトランジスタMpvのオン抵抗で代用させて、可変インピーダンスユニットVZUを構成してもよい。
図5に用いる可変インピーダンスユニットVZUは容量素子と選択スイッチを用いた可変容量だけで構成してもよい。
図5及び図6の構成によれば以下の作用効果を得る。半導体集積回路1が動作されると、例えばCMOSインバータの入力信号INPUTの論理値の反転による遷移動作中に電源側からグランド側へ貫通電流が流れ、また、外部への出力動作のために出力バッファのようなCMOSインバータの大電流出力動作によって電源電圧VCCが低下し、グランド電圧VSSが浮くように歪む。さらに、CMOS回路で構成される内蔵発振回路の発信動作によってその発振周波数に同期して電源電圧VCC及びグランド電圧VSSが周期的に変動する。電源電圧VCC及びグランド電圧VSSの高周波変動成分は寄生抵抗Rs及び寄生容量Csを介して半導体基板(Psub)10に伝播される。このとき、前記可変インピーダンス回路VZはそれに設定されるインピーダンスにしたがってPsub10上において電源電圧VCCの高周波変動成分とグランド電圧VSSの高周波変動成分をバランスさせて相殺するように、その変動成分の大きさや波形を決定することになる。電源電圧VCCの高周波変動成分が可変インピーダンス回路VZによってその大きさが調整されてPsub10に伝達され、それによって、Psub10上における電源電圧VCCとグランド電圧VSS側からの高周波変動成分を全体的に相殺する。グランド電圧VSSが給電されるPsub10は可変容量回路Rcntによって電源電圧VCCとは直流的に分離されている。以上により、半導体集積回路1の電源及びグランド側の変動に起因して半導体基板(Psub)10に与えられる高周波変動成分が抑えられることにより、半導体基板(Psub)10若しくは半導体基板10への給電端子Pvss2を通して外部でコモンモード電流経路が形成されたりすることを抑制することが可能になる。コモンモード電流経路の形成を抑制することができるので、その経路がアンテナとして動作することにより生ずることになるノイズ放射を抑制若しくは阻止することができる。
《実施形態3:ダブルウェル構造におけるPvss−Psub間にVZ》
図11にはダブルウェル構造においてPvss−Psub間に可変インピーダンス回路VZを設けた図3の等価回路に対するデバイス構造などが例示され、図12には図11に対応する回路図が示される。
図11において、半導体基板(Psub)10には直接n型のウェル領域(NW)14とp型ウェル領域(PW)16が形成され、それぞれに前記PMOS15、NMOS17が形成される。PW14には電源端子Pvccから電源電圧VCCが給電され、一方、NW16には可変インピーダンス回路VZを介してグランド端子Pvssからグランド電圧VSSが給電され、Psub10はPW16の電位が与えられる。図11の例はDNWによるグランド電圧VSSとPsub10の分離が行なわれていないので、可変インピーダンス回路VZは可変抵抗回路だけで構成される。仮に可変容量回路が挿入されるとPsubが直流的にフローティングなってしまうからである。可変抵抗回路Rcntの抵抗値は記憶回路20に記憶された制御データに従って決定される。
可変抵抗回路Rcntは図13に例示されるように、抵抗素子Rvとnチャンネル型の選択MOSトランジスタMnvとの直列回路を複数個(例えばn+1個)並接続して構成され、n+1ビットの選択信号CNT[0]〜CNT[n]によって直列経路の選択数が可変とされる。また、図14に例示されるように、グランド電圧VSSとPsub10の間に端子抵抗素子Rvの直列回路を配置し、順次その結合ノードをnチャンネル型の選択MOSトランジスタMnvで選択的にPsub10に導通させるように構成し、択一的に選択MOSトランジスタMnvをオン動作させることによって所要の抵抗値を得ることができる。或いは図15に例示されるように、グランド電圧VSSとPsub10の間に端子抵抗素子Rvの直列回路を配置し、それぞれの結合ノード間にnチャンネル型の選択MOSトランジスタMnvを並列接続してPsub10に導通可能に構成し、Psub10側から幾つの選択MOSトランジスタMnvを直列にオン動作させるかによって、所要の抵抗値を得ることができる。
その他の構成については、図5と同一機能を有する構成要素にそれと同一符号を附してその詳細な説明を省略する。
図11及び図12の構成によれば以下の作用効果を得る。半導体集積回路1が動作されると、上記同様に、例えばCMOSインバータの入力信号INPUTの論理値の反転による遷移動作中に電源側からグランド側へ貫通電流が流れ、また、外部への出力動作のために出力バッファのようなCMOSインバータの大電流出力動作によって電源電圧VCCが低下し、グランド電圧VSSが浮くように歪む。さらに、CMOS回路で構成される内蔵発振回路の発信動作によってその発振周波数に同期して電源電圧VCC及びグランド電圧VSSが周期的に変動する。電源電圧VCCの高周波変動成分は寄生抵抗Rs及び寄生容量Csを介して半導体基板(Psub)10に伝播される。このとき、前記可変インピーダンス回路VZは、それに設定されるインピーダンスにしたがってグランド電圧VSSの変動成分の大きさを調整してPsub10に伝達し、Psub1に伝達される電源電圧VCCの変動成分とグランド電圧VSSの変動成分をバランスさせて相殺するように作用する。以上により、半導体集積回路1の電源及びグランド側の変動に起因して半導体基板(Psub)10に与えられる変動成分が抑えられることにより、半導体基板(Psub)10若しくは半導体基板10への給電端子Pvss2を通して外部でコモンモード電流経路が形成されたりすることを抑制することが可能になる。コモンモード電流経路の形成を抑制することができるので、その経路がアンテナとして動作することにより生ずることになるノイズ放射を抑制若しくは阻止することができる。
《実施形態4:トリプルウェル構造におけるPvss−Psub間にVZ》
図16にはトリプルウェル構造においてPvss−Psub間に可変インピーダンス回路VZを設けた図4の等価回路に対するデバイス構造などが例示され、図17には図16に対応する回路図が示される。
図16において、半導体基板(Psub)10にはp型ウェル領域(PW)11を介して基板給電端子Pvss2からグランド電圧VSSが供給され、Psub10に形成された領域(DNW)12にはn型ウェル領域(NW)13を介して電源端子Pvccから電源電圧VCCが供給される。DNW12に形成されたNW14には電源電圧VCCが給電され、複数個のpチャンネル型MOSトランジスタ(PMOS)15が形成される。DNWに形成されたPW16にはグランド電圧VSSが給電され、複数個のnチャンネル型MOSトランジスタ(NMOS)17が形成される。
可変インピーダンス回路VZはグランド端子PvssとPW11との間に接続される。トリプルウェル構造ではDNW12によるグランド電圧VSSとPsub10の分離が実現されているので、グランド電圧端子Pvssに接続した可変インピーダンス回路VZは可変抵抗回路だけでもよいし、可変抵抗回路及び可変容量回路によって構成してもよい。図16では可変抵抗回路Rcntによって可変インピーダンス回路VZを構成している。可変容量回路を不要にできるので回路規模の縮小に有利である。但し、基板給電端子Pvss2をグランド端子Pvssとは別に設けてあっても半導体集積回路1の内部で双方の電圧経路が直流的に導通され、基板給電端子Pvss2とグランド端子Pvssを個別化する意義が薄れる。
図16に従えば、可変インピーダンス回路VZを構成する可変抵抗回路Rcntの値は前述の記憶回路(MRY)20から出力される選択信号CNTによって決定される。可変抵抗回路Rcntは、例えば図18に例示されるように、オン抵抗を抵抗成分として用いるnチャンネル型の選択MOSトランジスタMnvを並列に複数個配置して構成され、選択信号CNT、例えばn+1ビットの選択信号CNT[0]〜CNT[n]によってオン状態にするMOSトランジスタMnvが選択される。或いは図19に例示されるように、抵抗素子Rvとnチャンネル型の選択MOSトランジスタMnvとの直列回路を複数個(例えばn+1個)並接続して可変抵抗回路Rcntを構成し、選択信号CNT、例えばn+1ビットの選択信号CNT[0]〜CNT[n]によって、直列経路の選択数を制御すればよい。
その他の構成については、図5と同一機能を有する構成要素にそれと同一符号を附してその詳細な説明を省略する。
図16及び図17の構成によれば以下の作用効果を得る。半導体集積回路1が動作されると、例えばCMOSインバータの入力信号INPUTの論理値の反転による遷移動作中に電源側からグランド側へ貫通電流が流れ、また、外部への出力動作のために出力バッファのようなCMOSインバータの大電流出力動作によって電源電圧VCCが低下し、グランド電圧VSSが浮くように歪む。さらに、CMOS回路で構成される内蔵発振回路の発信動作によってその発振周波数に同期して電源電圧VCC及びグランド電圧VSSが周期的に変動する。電源電圧VCC及びグランド電圧VSSの高周波変動成分は寄生抵抗Rs及び寄生容量Csを介して半導体基板(Psub)10に伝播される。このとき、前記可変インピーダンス回路VZはそれに設定されるインピーダンスにしたがってPsub10上において電源電圧VCCの高周波変動成分とグランド電圧VSSの高周波変動成分をバランスさせて相殺するように、その変動成分の大きさや波形を決定することになる。グランド電圧VSSの高周波変動成分が可変インピーダンス回路VZによってその大きさが調整されてPsub10に伝達され、それによって、Psub10上における電源電圧VCCとグランド電圧VSS側からの高周波変動成分を全体的に相殺する。以上により、半導体集積回路1の電源及びグランド側の変動に起因して半導体基板(Psub)10に与えられる高周波変動成分が抑えられることにより、半導体基板(Psub)10若しくは半導体基板10への給電端子Pvss2を通して外部でコモンモード電流経路が形成されたりすることを抑制することが可能になる。コモンモード電流経路の形成を抑制することができるので、その経路がアンテナとして動作することにより生ずることになるノイズ放射を抑制若しくは阻止することができる。
尚、図16の構成においては基板給電端子Pvss2をグランド端子Pvssと分けて設けなくてもよい。
《実施形態5:トリプルウェル構造におけるPvss−Psub、Pvcc−Psub間にVZ》
図20にはトリプルウェル構造においてPvss−Psub間とPvcc−Psub間の双方に可変インピーダンス回路VZを設けた回路構成が例示される。この構成は図6と図17の構成を組合わせた構成に相当する。VZ_Aは電源端子PvccとPsub10の間に配置された可変インピーダンス回路であって、記憶回路20から出力される選択信号CNT_Aによってインピーダンスが決定される。VZ_Bはグランド端子PvssとPsub10の間に配置された可変インピーダンス回路であって、記憶回路20から出力される選択信号CNT_Bによってインピーダンスが決定される。可変インピーダンス回路VZ_Aは前記可変容量回路Ccntによって、又は前記可変容量回路Ccnt及び可変抵抗回路Rcntの直列回路によって構成される。可変インピーダンス回路VZ_Bは前記可変容量回路Ccntと前記可変抵抗回路Rcntとの何れか一方又は双方の直列回路によって構成される。その他の構成は前述と同様であり、図6、図16と同一機能を有する構成要素にそれと同一符号を附してその詳細な説明を省略する。
図20の構成によれば以下の作用効果を得る。半導体集積回路1が動作されると、例えばCMOSインバータの入力信号INPUTの論理値の反転による遷移動作中に電源側からグランド側へ貫通電流が流れ、また、外部への出力動作のために出力バッファのようなCMOSインバータの大電流出力動作によって電源電圧VCCが低下し、グランド電圧VSSが浮くように歪む。さらに、CMOS回路で構成される内蔵発振回路の発信動作によってその発振周波数に同期して電源電圧VCC及びグランド電圧VSSが周期的に変動する。電源電圧VCC及びグランド電圧VSSの高周波変動成分は寄生抵抗Rs及び寄生容量Csを介して半導体基板(Psub)10に伝播される。このとき、前記可変インピーダンス回路VZ_A,VZ_Bはそれに設定されるインピーダンスにしたがってPsub10上において電源電圧VCCの高周波変動成分とグランド電圧VSSの高周波変動成分をバランスさせて相殺するように、その変動成分の大きさや波形を決定することになる。電源電圧VCCの高周波変動成分は可変インピーダンス回路VZ_Aによってその大きさが調整されてPsub10に伝達され、グランド電圧VSSの高周波変動成分は可変インピーダンス回路VZ_Bによってその大きさが調整されてPsub10に伝達される。それによって、Psub10上における電源電圧VCCとグランド電圧VSS側からの高周波変動成分を全体的に相殺する。電源電圧VCCとグランド電圧VSSの両側から高周波変動成分を調整することができるので、その調整が容易であり、また、それぞれの可変インピーダンス回路VZ_A,VZ_Bのインピーダンス調整代を小さくできるから、VZ_A及びVZ_Bの2種類の可変インピーダンス回路を配置しなければならなくても可変インピーダンス回路の回路規模が図6又は図17の構成に対して2倍にまで増大することはない。
以上により、半導体集積回路1の電源及びグランド側の変動に起因して半導体基板(Psub)10に与えられる高周波変動成分が抑えられることにより、半導体基板(Psub)10若しくは半導体基板10への給電端子Pvss2を通して外部でコモンモード電流経路が形成されたりすることを抑制することが可能になる。コモンモード電流経路の形成を抑制することができるので、その経路がアンテナとして動作することにより生ずることになるノイズ放射を抑制若しくは阻止することができる。
《実施形態6:インピーダンスの自動調整》
図21には可変インピーダンス回路におけるインピーダンスをダイナミックに変更可能にする例が示される。例えば電源端子PvccとPsub10間のノイズを検出するノイズ検出回路30と、グランド端子PvssとPsub10間のノイズを検出するノイズ検出回路31とを設け、それぞれの検出結果に基づいて定期的に制御信号CNTを制御回路32で生成し、生成された制御信号CNTを可変インピーダンス回路VZに与えるように構成される。ノイズ検出回路30,31はノイズの振幅と周期を複数段階で検出すればよい。制御回路は、例えば検出信号毎に検出ノイズが大きいほどインピーダンスを大きくするように対応する可変インピーダンス回路のインピーダンスの設定を行えばよい。
《実施形態7:可変インピーダンス回路の配置》
半導体集積回路1の半導体基板(半導体チップ)に対する可変インピーダンス回路VZの配置は、例えば、図22に例示されるように半導体チップのコアになる回路領域以外の部分、例えば半導体チップの中央部のコアロジック領域の外側に配置される入出力セル領域(I/Oセル領域)に未使用領域が多くある場合には当該未使用領域40に可変インピーダンス回路VZを配置すれば面積効率が上がる。外部接続用のパッド(PAD)のピッチが大きい場合には往々にして未使用領域が多く存在するのでこれを活用すればよい。
また、I/Oセル領域に空き領域が少ない場合には、図23に例示されるように。半導体チップの四隅のコーナ領域41に可変インピーダンス回路VZを配置すればよい。
スタンバイ状態にされる回路部分で生ずるサブスレッショルドリーク電流を低減するために、例えば図24に例示されるように、機能ブロックBLK1,BLK2,BLK3の単位で選択的に電源遮断を行なう技術が採用されるに至っており、その場合には、電源遮断ブロックBLK1,BLK2,BLK3単位で可変インピーダンス回路を設けることが得策である。例えば、電源遮断ブロックBLK1,BLK2,BLK3毎の電源遮断スイッチ配置領域SWA1,SWA2,SWA3毎にインピーダンス設定される可変インピーダンス回路を設ける。例えば電源遮断ブロックBLK1,BLK2,BLK3毎にグランド電圧を遮断する構成においては、電源遮断ブロックBLK1,BLK2,BLK3毎のグランド電圧配線毎に個別にPsubに至るインピーダンス可変回路を設ける。電源遮断ブロックBLK1,BLK2,BLK3スタンバイ状態の設定態様に応じて、半導体集積回路全体のノイズ発生状態が変化するから、半導体集積回路全体を一つとして可変インピーダンス回路の設定を行う場合には、可変インピーダンスの動的な変化に容易に対応するのは難しい。図21のようなダイナミックにインピーダンスを設定する回路を用いても良好な追従性を植えるのは難しい。したがって、図24で説明したように、電源遮断ブロックBLK1,BLK2,BLK3単位で可変インピーダンス回路を設けてインピーダンスの設定を行えば、他の電源遮断ブロックにおける電源遮断状態に影響されず、Psubにおける高周波ノイズの抑制効果を保証することができる。
《実施形態8:シミュレーション結果》
可変インピーダンス回路VZによるPsub(Pvss2)の高周波ノイズに対する抑制効果についてシミュレーションによる評価を行った。その結果を簡単に説明する。シミュレーションに当たっては図25の回路モデルを考えた。図25においてVCCは電源配線、VSSはグランド配線、PSUBはp型の半導体基板を示す。Lv1,Lv2は電源配線VCCのインダクタ成分、Lg1,Lg2はグランド配線VSSのインダクタ成分、Cvgiは電源・グランド間のパスコンである。p型の半導体基板を用いた半導体集積回路では、電源配線VCCと半導体基板PSUBとの間を容量成分Cvisで表現し、半導体基板PSUBとグランド配線VSSとの間を小さな抵抗成分Rsgで表現することができる。ここでは、半導体基板PSUBを独立した配線によってパッケージの外に引き出してグランド電圧VSSに接続する場合を想定する。PSUB0は外部給電端子Pvss2に相当される。先ず、PSUB0を開放(抵抗Rsgoを1kΩに固定)とし、内部抵抗Rsgを振ったとき(抵抗値を変化させたとき)の、PSUB、電源電圧、グランド電位をシミュレーションし、その変動の収束性を比較した。即ち、半導体集積回路の動作に伴う電源電流の変化に対して、収束性が高ければ、実質的にノイズの影響が小さい、と判断することができる。図26は内部抵抗Rsgを現状の低抵抗(1mΩ)より、高い設定(1Ω)としたときに、PSUB、VCC、VSSの収束性が良好であることを一例として示しており、更に高い抵抗では再び劣化することを確認した。要するに、PSUBとグランドVSS間の抵抗Rsgを本来の内部抵抗よりの大きくすることによってPSUBなどの電位変動が早期に収束する。PSUBの電位変動がVSSの電位変動よりもVCCの電位変動に近いのはPSUBとVCCとの間のCvisによる容量結合の影響が強くなるためであると考えられる。
図27は、PSUB0を抵抗接続(抵抗Rsgoを1Ωに固定)とし、内部抵抗Rsgを振ったとき(抵抗値を変化させたとき)の、PSUB、電源電圧、グランド電位をシミュレーションし、その変動の収束性を表した図であり、図26に対応する。図26の結果などにより、抵抗RsgoにもPSUB、電源電圧、グランド電位の収束性に対する適値があり、1Ωで最も収束性が良かった。
図28は外部に引き出したPSUBを電源に対して容量Cvsoで接続し、グランドに対して容量Csgoで接続したモデルを想定する。このモデルにおいて、PSUBの収束性を検討するために、内部抵抗Rsgを現状の低抵抗(1mΩ)より高い設定(0.1Ω)としてPSUB、VCC,VSSの収束性をシミュレーションした結果、その収束性には最適点があり、内部抵抗Rsgを更に高い抵抗値とすると収束性は再び劣化することが確認された。図29は、Cvso=0.1μF、Csgo=0.1μF、Rsgo=0.1Ωとし、内部抵抗Rsgを振ったとき(抵抗値を変化させたとき)の、PSUB、電源電圧、グランド電位をシミュレーションし、その変動の収束性を表した図である。Rsgを0.1ΩにするとPSUBの変動は小さかった。
ごく一部のシミュレーション結果ではあるが、PSUBとVSSの間に抵抗成分を最適化することによってPSUBの電位変動を抑制することが可能であることを示している。特に図示はしないが容量成分についても同様である。
《実施形態9:半導体デバイス》
図30には上記半導体集積回路を用いた半導体装置としての半導体集積回路デバイスの平面が例示され、図31にはその半導体集積回路デバイスの側面が例示される。ここではPGA(Pin Grid Array)やBGA(Ball Grid Array)などのCSP(Chip Size Package)を一例とするが、QFP(Quad Flat Package)などにパッケージ形態を採用することは妨げられない。
半導体集積回路デバイス50は、前記半導体集積回路1と、当該半導体集積回路1を封止するパッケージ51と、前記半導体集積回路1の外部端子に接続され前記パッケージの外に露出するリード端子52と、を有する。パッケージ51は配線パターンが形成されたパッケージ基板51Aと封止樹脂51Bからなる。リード端子52は例えば金属バンプ電極によって構成される。当該半導体集積回路1の外部端子とパッケージ基板51Aの実装パターとは、特に制限されないが、ワイヤボンディングによって接続される。
前述のように、上記半導体集積回路1においてはその回路動作によって電源電圧VCC及びグランド電圧VSSが周期的に変動しても半導体基板の電位が安定化されるから、その周期的な変動に起因して高周波ノイズ成分が半導体集積回路1の半導体基板からパッケージ51の外部に漏れてコモンモード電流経路が形成される事態を抑制することができる。
《実施形態10:電子機器》
図32には本発明を適用した電子機器が例示される。この電子機器はエンジンやブレーキシステなどに関与する自動車の電子制御に用いられる車載用の電子機器であり、ガラスエポキシ樹脂基板に所要の配線パターンが形成された実装基板60に、マイクロコンピュータデバイス等の半導体集積回路デバイス50が実装され、電子機器は例えばワイヤハーネス61等を介して外部とインタフェースされる。実測基板60にはメモリデバイス等のその他の半導体集積回路デバイス62も実装されている。
ワイヤハーネス61は実装基板60に搭載された半導体集積回路デバイス50に動作電源を供給し、また、外部との信号インタフェースに利用される。マイクロコンピュータのような半導体集積回路デバイス50は例えばメガヘルツ若しくはギガヘルツ代の周波数に同期して動作され、その周期的な動作によってマイクロコンピュータの内部電源配線及びグランド配線にはノイズが周期的に発生され、また、外部出力動作などによって内部電源配線及びグランド配線には非同期のノイズが発生する。前述の如く半導体集積回路デバイス50の前記可変インピーダンス回路VZは、半導体基板上において電源電圧VCCの高周波変動成分とグランド電圧VSSの高周波変動成分をバランスさせて相殺するように作用する。このように、半導体集積回路デバイス50の半導体基板に与えられる高周波変動成分が抑えられることにより、半導体基板若しくは半導体基板への給電端子Pvss2を通して外部でコモンモード電流経路が形成されたりすることを抑制することが可能になる。要するに、実装基板60上で半導体集積回路デバイス50の電源端子に接続する電源パターンおよび当該半導体集積回路デバイス50のグランド端子に接続するグランドパターン等を含むワイヤハーネス61にコモンモード電流が帰還してコモンモード電流ループが形成される事態を半導体集積回路デバイスの半導体基板側から抑制できる。コモンモード電流経路の形成を抑制することができるので、その経路とされるワイヤハーネス61がアンテナとして動作することにより生ずることになる不要電磁放射の発生を抑制することができ、さらには、実装基板61の電源及びグランドパターンに対するコモンモード電流ループ対策を、半導体集積回路デバイス50側から保証することにもなる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、図12のダブルウェル構造においてNW14への電源電圧VCCの給電経路に可変抵抗回Rcnt路を追加してもよい。半導体集積回路はマイクロコンピュータに限定されず、システムオンチップの各種データ処理用の半導体集積として実現することが可能である。本発明に係る半導体集積回路及び半導体デバイスを適用する電子機器は車載用の電子機器に限定されず、家電用途、オフィース用途など、種々の用途の電子機器に適用可能である。また、半導体集積回路はCMOS集積回路に限定されず、BiCMOS回路などであっても良いことは言うまでもない。
1 半導体集積回路(LSI)
Pvcc 外部電源端子
Pvss 外部グランド端子
VCC 電源電圧
VSS グランド電圧
Pvss2 外部基板給電端子
Zcc,Zss インピーダンス
VZ 可変インピーダンス回路
Rcnt 可変抵抗回路
Ccnt 可変容量回路
10 半導体基板(Psub)
11,16 p型ウェル領域(PW)
12 ディープNウェル領域(DNW)
13 n型ウェル領域(NW)
15 pチャンネル型MOSトランジスタ(PMOS)
17 nチャンネル型MOSトランジスタ(NMOS)
20 記憶回路(MRY)
CNT 選択信号
30,31 ノイズ検出回路
32 制御回路
40 未使用領域
BLK1,BLK2,BLK3 機能ブロック
SWA1,SWA2,SWA3 電源遮断スイッチ配置領域
50 半導体集積回路デバイス
51 パッケージ
51A パッケージ基板
51B 封止樹脂
52 リード端子
60 実装基板
61 ワイヤハーネス

Claims (24)

  1. 半導体基板に複数のウェル領域が形成され、外部電源端子から供給される電源電圧と外部グランド端子から供給されるグランド電圧とを動作電源として動作されるトランジスタが前記ウェル領域に形成された半導体集積回路であって、
    前記外部電源端子と前記半導体基板との間および前記外部グランド端子と前記半導体基板との間の何れか一方又は双方に可変インピーダンス回路が接続された、半導体集積回路。
  2. 前記トランジスタの動作に応じて前記半導体基板に生起される第1の電源電圧側の第1の変動成分と第2の電源電圧側の第2の変動成分とを相殺するためのインピーダンスを決める制御データを保持して前記可変インピーダンス回路に与える記憶回路を有する、請求項1記載の半導体装置。
  3. 第1の変動成分及び第2の変動成分は容量成分及び抵抗成分を介して前記半導体基板に生起される電圧及び電流成分である、請求項2記載の半導体集積回路。
  4. 前記複数のウェル領域は、第1導電型の第1ウェル領域及び第2導電型の第2ウェル領域であって、第1導電型の半導体基板に配置された第2導電型の第3ウェル領域に形成される、請求項3記載の半導体集積回路。
  5. 前記半導体基板は前記外部電源端子及び外部グランド端子とは異なる外部基板給電端子から給電され、前記可変インピーダンス回路は可変容量回路と可変抵抗回路の直列回路である、請求項4記載の半導体集積回路。
  6. 前記第1導電型がP型、前記第2導電型がN型のとき、前記半導体基板は外部基板給電端子から前記グランド電圧が供給される、請求項4記載の半導体集積回路。
  7. 前記半導体基板はその導電型に応じて前記外部電源端子又は前記外部グランド端子の一方から前記可変インピーダンス回路を介して給電され、当該可変インピーダンス回路は可変抵抗回路である、請求項4記載の半導体集積回路。
  8. 前記第1導電型がP型、前記第2導電型がN型のとき、前記半導体基板は、前記可変抵抗回路を介して前記外部グランド端子から前記グランド電圧が供給される、請求項7記載の半導体集積回路。
  9. 半導体基板への給電に利用されていない前記外部電源端子又は前記外部グランド端子の他方の端子と前記半導体基板との間に配置された前記可変インピーダンス回路は、可変容量回路と可変抵抗回路の直列回路である、請求項7記載の半導体集積回路。
  10. 前記複数の半導体ウェル領域は、第1導電型の半導体基板に形成された第1導電型の第1ウェル領域と、前記半導体基板に形成された第2導電型の第2ウェル領域とであり、
    前記半導体基板はその導電型に応じて前記外部電源端子又は前記外部グランド端子の一方から前記可変インピーダンス回路を介して給電され、当該可変インピーダンス回路は可変抵抗回路である、請求項3記載の半導体集積回路。
  11. 前記第1導電型がP型、前記第2導電型がN型のとき、前記半導体基板は前記外部グランド端子からの前記グランド電圧が前記可変抵抗回路を介して供給される、請求項10記載の半導体集積回路。
  12. 半導体基板への給電に利用されていない前記外部電源端子又は前記外部グランド端子の他方の端子と前記半導体基板との間に配置された前記可変インピーダンス回路は、可変容量回路と可変抵抗回路の直列回路である、請求項10記載の半導体集積回路。
  13. 請求項1記載の半導体集積回路と、前記半導体集積回路を封止するパッケージと、前記半導体集積回路の外部端子に接続され前記パッケージの外に露出するリード端子と、を有する半導体装置。
  14. 請求項13記載の半導体装置と、前記リード端子を介して前記半導体装置が実装される実装基板
    と、前記実装基板に搭載されたその他の半導体装置とを有する電子機器。
  15. 外部基板給電端子から供給される第1の電圧が印加され第1の導電型を有する半導体基板と、
    前記半導体基板に形成され第1の外部電源端子から供給される第2の電圧が印加され第2の導電型を有する第3ウェル領域と、
    前記第3ウェル領域に形成され第2の外部電源端子から供給される第1の電圧が印加され第1の導電型を有する第1ウェル領域と、
    前記第3ウェル領域に形成され前記第1の電圧が印加され第2の導電型を有する第2ウェル領域と、
    前記第1のウェル領域に形成され第2導電型(N)チャネルが選択的に誘起される第1の電界効果トランジスタと、
    前記第2のウェル領域に形成され第1導電型チャネルが選択的に誘起される第2の電界効果トランジスタと、
    前記第1の外部電源端子と前記半導体基板との間を容量成分を介して結合する可変インピーダンス回路と、前記第2の外部電源端子と前記半導体基板との間を容量成分を介して結合する可変インピーダンス回路との何れか一方又は双方と、を有する半導体集積回路。
  16. 前記第1の電圧はグランド電圧、前記第1の導電型はP型、前記第2の電圧は電源電圧、前記第2の導電型はN型である、請求項15記載の半導体集積回路。
  17. 前記可変インピーダンス回路は可変抵抗回路と可変容量回路との直列回路である、請求項16記載の半導体集積回路。
  18. 請求項15記載の半導体集積回路と、前記半導体集積回路を封止するパッケージと、前記半導体集積回路の外部端子に接続され前記パッケージの外に露出するリード端子と、を有する半導体装置。
  19. 請求項18記載の半導体装置と、前記リード端子を介して前記半導体装置が実装される実装基板
    と、前記実装基板に搭載されたその他の半導体装置とを有する電子機器。
  20. 第1の導電型を有する半導体基板と、
    前記半導体基板に形成され第1の外部電源端子から供給される第2の電圧が印加され第2の導電型を有する第3ウェル領域と、
    前記第3ウェル領域に形成され第2の外部電源端子から供給される第1の電圧が印加され第1の導電型を有する第1ウェル領域と、
    前記第3ウェル領域に形成され前記第1の電圧が印加され第2の導電型を有する第2ウェル領域と、
    第1のウェル領域に形成され第2導電型チャネルが選択的に誘起される第1の電界効果トランジスタと、
    前記第2のウェル領域に形成され第1導電型チャネルが選択的に誘起される第2の電界効果トランジスタと、
    前記第1の外部電源端子と前記半導体基板との間を少なくとも容量成分を介して結合する可変インピーダンス回路と、前記第2の外部端子と前記半導体基板との間を結合する可変抵抗回路との何れか一方又は双方と、を有する半導体集積回路。
  21. 前記第1の電圧はグランド電圧、前記第1の導電型はP型、前記第2の電圧は電源電圧、前記第2の導電型はN型である、請求項20記載の半導体集積回路。
  22. 前記可変インピーダンス回路は可変抵抗回路と可変容量回路との直列回路である、請求項21記載の半導体集積回路。
  23. 請求項20記載の半導体集積回路と、前記半導体集積回路を封止するパッケージと、前記半導体集積回路の外部端子に接続され前記パッケージの外に露出するリード端子と、を有する半導体装置。
  24. 請求項23記載の半導体装置と、前記リード端子を介して前記半導体装置が実装される実装基板と、前記実装基板に搭載されたその他の半導体装置とを有する電子機器。
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