JP2011122982A - 傾斜検出装置及び傾斜検出方法 - Google Patents

傾斜検出装置及び傾斜検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡潔な構成により微弱な傾斜ないし振動の検出を行う傾斜検出装置等を提供することである。
【解決手段】液体及び気体は、界面を形成するようにして互いに接する。発光ダイオードLED及びホトトランジスタPTは、発光ダイオードLEDが発光した光が気体に入射し、界面を透過して液体に入射し、次いでホトトランジスタPTに受光されるような位置関係になるように配置されている。ホトトランジスタPTは、発光ダイオードLEDが発光した光を受光し、受光した光の強度を表す信号を生成する。この信号の変化は発光ダイオードLEDの輝度の変化へと負帰還され、ホトトランジスタPTの受光量は所定量に収束する。トランジスタQ1は、発光ダイオードLEDに流れる電流の信号の大きさを表す信号を、界面の傾斜量を表す信号として生成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、傾斜検出装置及び傾斜検出方法に関する。
地震や衝突の衝撃などにより生ずる振動や傾斜を検出するための検出装置が、広く用いられている。そのような検出装置としては、例えば、液体が封入された容器の下方から、発光ダイオード等の光源が上方の液体中へと光を放射し、液面を透過したこの光がホトカプラ(ホトトランジスタ)等の受光器に入射するようにして、液面の振動による入射光の変動を検出する、というものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−47116号公報
特許文献1に記載された装置は、例えば液面の振動をホトトランジスタの受光量の変化として検出し、このホトトランジスタを線形領域(非飽和領域)で動作させることにより、受光量の変化を電気信号の電圧の変化へと変換する、という手法をとることになる。
具体的には、例えば発光ダイオードの発光量を一定とした上で、受光するホトトランジスタのコレクタ電流を負荷抵抗に流し、この負荷抵抗の両端間に電圧降下を生じさせることにより、ホトトランジスタの受光量の変化を表す電気信号を得る手法が考えられる。
また、同じく発光ダイオードの発光量を一定とした上で、ホトトランジスタのコレクタ電流を定電流源から供給する一方、この定電流源が供給する電流を電流−電圧変換器へと分流することにより、ホトトランジスタの受光量の変化を表す電気信号を得る手法も考えられる。
このうち、コレクタ電流を負荷抵抗に流す手法による場合、検出感度(すなわち、ホトトランジスタの受光量の変化量に対する電圧の変化量の比)を高めるためには、発光ダイオードの発光量を一定とした上で、受光するホトトランジスタのコレクタ電流を流す負荷抵抗の抵抗値を高くして、この負荷抵抗の両端間に生じる電圧降下を大きくする必要がある。
しかし、負荷抵抗の抵抗値が高いほど、このホトトランジスタからなる段の出力抵抗も高くなるため、ホトトランジスタから得られる信号は、次段の入力端の電気的特性による影響を受けやすくなる。また、この信号は電源電圧の変化や温度変化の影響も受けやすくなる。このため、例えば微弱な地震による傾斜ないし振動を特許文献1の装置により検出しようとしても、簡潔な構成で実現することは困難である。すなわち、段間を緩衝する緩衝段が必要になったり、電源電圧や温度変化の変化を補償するための複雑な回路構成が必要となったりする。
また、コレクタ電流を負荷抵抗に流す手法による場合は、ホトトランジスタの受光量の変動範囲として想定される範囲内の全域にわたりホトトランジスタが良好な線形性を保って動作しなければならない、という制約がある。従って、微弱な傾斜ないし振動をこの装置により検出しようとする場合は、例えば、ホトトランジスタの動作範囲がこの制約を満たすように電源電圧及び負荷抵抗の抵抗値を厳密に設定した上、十分な感度を得るために増幅段を更に設けるなど、複雑な回路構成をとる必要がある。
一方、電流−電圧変換器を用いる手法による場合は、発光ダイオードに電流を供給するための第1の定電流源と、ホトトランジスタ及び電流−電圧変換器へと電流を供給するための第2の定電流源とを用意する必要があり、回路構成が複雑化する。
また、電流−電圧変換器を用いる手法によったとしても、ホトトランジスタの受光量が変動することを前提としている以上、想定される当該変動の範囲内全域でホトトランジスタの良好な線形性を確保する必要はある。また、そのような線形性を確保しつつ、電流−電圧変換器から出力される信号の検出感度も十分高くなるようにする必要もある。
従って、微弱な傾斜ないし振動を検出しようとする場合は、これらの必要を満たすため、上述の第1の定電流源が供給する電流の量や、電流−電圧変換器を構成する回路素子の定数(例えば、この電流−電圧変換器を演算増幅器により構成するとして、この演算増幅器の出力端から反転入力端への帰還ループをなす抵抗器の抵抗値など)を厳密に設定する必要がある。
本発明は、上述の事情の下になされたもので、簡潔な構成により微弱な傾斜ないし振動の検出を行う傾斜検出装置、及び、そのような傾斜検出装置を実現するための傾斜検出方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願の第1の発明に係る傾斜検出装置は、
自らに供給された信号の強度により特定される輝度で発光する発光素子と、
前記発光素子が発光した光を受光し、受光した光の強度を表す信号を生成する光電変換素子と、
界面を形成して互いに接する第1及び第2の流体と、
前記光電変換素子が生成する信号に追随して変化する信号を前記発光素子へと供給することにより、前記光電変換素子が生成する信号の変化を前記発光素子の輝度の変化へと負帰還させ、前記光電変換素子の受光量を所定量に収束させる負帰還手段と、より構成され、
前記発光素子及び前記光電変換素子は、前記発光素子が発光した光が前記第1の流体に入射し、前記界面を透過して前記第2の流体に入射し、次いで光電変換素子に受光されるような位置関係になるように配置されており、
前記負帰還手段は、前記発光素子へと供給される前記信号の大きさを表す信号を、前記界面の傾斜量を表す信号として生成する、
ことを特徴とする。
前記光電変換素子は、受光した光の強度を表す電流を自らに流すものであってもよい。
この場合、前記負帰還手段は、例えば、発光素子用電流供給手段と、定電流源とを備えているものとした上で、
前記定電流源は、自らが発生する電流を、前記発光素子用電流供給手段へと供給される電流と前記光電変換素子に流れる電流とに分流し、
前記発光素子用電流供給手段は、自らに供給された電流の増減に従って増減する電流を前記発光素子に信号として供給するものであればよい。
前記光電変換素子が、受光した光の強度を表す電流を自らに流すものである場合の前記負帰還手段は、具体的には、バイポーラトランジスタと、定電流源とより構成されていればよい。
この場合、前記定電流源は、自らが発生する電流を、前記バイポーラトランジスタのベース電流と前記光電変換素子に流れる電流とに分流し、
前記バイポーラトランジスタは、自らのコレクタに流れるコレクタ電流を前記発光素子に信号として供給するようにすればよい。
前記傾斜検出装置は、外部の電源の電圧の増減に従って自己に流れる電流の量を増減させる補償用電流路を更に備えていてもよい。
そして、前記定電流源が、電界効果トランジスタと、前記電界効果トランジスタのチャネルに直列に接続された抵抗体と、当該抵抗体の両端間に生じた電圧を前記電界効果トランジスタのゲートに印加するバイアス手段と、より構成されていて、前記外部の電源より前記チャネル及び前記抵抗体に供給される電流を、自らが発生する電流として供給するものである場合、当該定電流源は、当該自らが発生する電流を、前記補償用電流路へと更に分流するようにしてもよい。
前記発光素子は、例えば発光ダイオードからなっていればよい。
また、前記光電変換素子は、例えばホトトランジスタからなっていればよい。
前記傾斜検出装置は、前記第1及び第2の流体を収容する容器を備えていてもよい。
この場合、前記容器は、可撓性のある支持体を介して、傾斜の検出対象である外部の目的物に固定されるものであってもよい。
前記傾斜検出装置は、光電変換素子が発生する信号の振幅が所定の範囲内にあるか否かを判別して、当該範囲内にあると判別したとき、検出対象の振動に起因して前記界面の傾斜が発生したことを示す信号を生成する比較手段をさらに備えていてもよい。
この場合、前記傾斜検出装置は、前記検出対象の振動が発生したことを示す信号が生成されたことに応答して、当該検出対象の振動が発生した旨を報知する報知手段をさらに備えていてもよい。
また、本願の第2の発明に係る傾斜検出方法は、
自らに供給された信号の強度により特定される輝度で発光する発光素子が発光した光が、界面を形成して第2の流体に接する第1の流体に入射し、前記界面を透過して前記第2の流体に入射し、次いで、光電変換素子が当該光を受光し、受光した当該光の強度を表す信号を生成し、
前記光電変換素子が生成する信号に追随して変化する信号を前記発光素子へと供給することにより、前記光電変換素子が生成する信号の変化を前記発光素子の輝度の変化へと負帰還させ、前記光電変換素子の受光量を所定量に収束させ、
前記発光素子へと供給される前記信号の大きさを表す信号を、前記界面の傾斜量を表す信号として生成する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、簡潔な構成により微弱な傾斜ないし振動の検出を行う傾斜検出装置、及び、そのような傾斜検出装置を実現するための傾斜検出方法が実現される。
本発明の実施の形態に係る地震感知器のブロック図である。 光電変換部の回路図である。 光電変換部の液体、気体、発光ダイオード、ホトトランジスタ及び容器を示す図である。 光電変換部の容器が支持体を介して目的物に取り付けられた状態を模式的に示す図である。 容器の傾斜角と光電変換部の出力端電位との関係を示すグラフである。 比較部及び出力部の回路図である。
以下、この発明の実施の形態に係る振動検出装置を、地震感知器を例として説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかる地震感知器の構成を示す図である。図示するように、この地震感知器は、光電変換部1と、比較部2と、出力部3とから構成されている。
光電変換部1は、例えば図2及び図3に示すように、液体S1と、気体S2と、容器Vと、発光ダイオードLEDと、ホトトランジスタPTと、トランジスタQ1及びQ2と、抵抗器R1及びR4〜R2とからなっている。なお、発光ダイオードLEDは、放射する光の方向に関して指向性を有しているものとする。
液体S1は、例えば水などの透明な液体からなっており、気体S2は、例えば空気からなっている。図3に示すように、液体S1及び気体S2は、容器Vに封入されており、液体S1と気体S2は、界面INTをなして互いに接している。
液体S1の種類、気体S2の種類、及び容器Vの形状は、経年変化に対する耐性あるいはコストなどの観点から適宜に選択されてよく、また、検出の目的である振動の波形や周波数特性などの特性に応じて、当該振動の検出感度や誤検出の可能性が最適化されるように適宜選択されてよい。
発光ダイオードLED及びホトトランジスタPTは、「発光ダイオードLEDが発する光がまず気体S2に入射し、界面INTを透過して液体S1に入射し、次いでホトトランジスタPTに受光される」という位置関係になるように配置されている。
具体的には、例えば発光ダイオードLEDは、容器V内の、気体S2が満たされている部分に配置されており、一方でホトトランジスタPTは、容器V内の、液体S1が満たされている部分に配置されている。
もっとも、発光ダイオードLEDは必ずしも気体S2内にある必要はなく、また、容器Vが透明な素材からなっている等の場合は、必ずしも容器V内に配置されている必要もない。同様に、ホトトランジスタPTも必ずしも液体S1内にある必要はなく、また、容器Vが透明な素材からなっている等の場合は、必ずしも容器V内に配置されている必要もない。
容器Vは、地震による震動を感知したい対象物(たとえば、家屋)に配置される。配置の態様は取り付けられる。容器Vの配置は、容器Vに振動が加わっていない状態において、発光ダイオードLEDが各方向に放射する光のうちもっとも強度が高い方向成分が鉛直線に沿って進行し、この成分がホトトランジスタPTに受光される、という位置関係になるように行われる。
容器Vが上述の位置関係になるように配置されている場合において、容器Vに振動が加わっていない時、ホトトランジスタPTは、上述のもっとも強度が高い方向成分を受光する。この方向成分は、界面INTに垂直に入射した方向成分である。一方、容器Vが傾斜すると、この方向成分は傾斜して界面INTに入射するため、界面INTで屈折する。従ってホトトランジスタPTが受光する光はこの方向成分ではなく、より強度の低い方向成分となる。従って、発光ダイオードLEDの発光量自体の変動をひとまず考慮に入れないとすれば、容器Vが上述の位置関係になるように配置されている場合においてホトトランジスタPTの受光量が最大となるのは、容器Vに振動が加わっていない時である。
なお、上述の位置関係が満たされる限り容器Vの配置の態様は任意であり、対象物に対して任意の部材を用いて固定されてもよいし、容器Vを単に対象物内ないし対象物上に置くという態様でもよい。
もっとも、容器Vの対象物への取り付け方によっては、震動を感知する感度を向上させることができる。具体的には、例えば図4に示すように、容器Vを棒状あるいは板状等で可撓性のある支持体Hを介して対象物OBJに取り付けてもよい。このように取り付けることにより、振動が対象物OBJに加わった際は、支持体Hがしなうことでこの振動が増幅されて容器Vに伝わる。この結果、この振動感知器が震動を感知する感度は向上する。
トランジスタQ1は、例えば図2に示すように、NPN型バイポーラトランジスタからなっている。トランジスタQ1のエミッタは、光電変換部1の出力端(図2及び図6では「DET−OUT」として示している)をなすものである。
トランジスタQ1のエミッタと、基準電位を与える外部の電源Eの負極との間には抵抗器R1が接続されており、コレクタは発光ダイオードLEDのカソードに接続されており、ベースはホトトランジスタPTのコレクタに接続されている。発光ダイオードLEDのアノードは電源Eの正極に接続されており、ホトトランジスタPTのエミッタは、基準電位に接続されている(すなわち、電源Eの負極に接続されている)。
トランジスタQ2は、例えば図2に示すように、pチャネル接合型電界効果トランジスタ(FET)からなっている。トランジスタQ2のドレインは電源Eの正極に接続されており、ソースとトランジスタQ1のベースとの間には、抵抗器R2が接続されている。ゲートは、トランジスタQ1のベースに接続されている。
トランジスタQ2は定電流源として機能するものであり、自己のチャネルに流れる電流を一定値に保つことにより、ホトトランジスタPTのコレクタ電流とトランジスタQ1のベース電流との和を一定に保つものである。なお、抵抗器R2の抵抗値は、トランジスタQ1が後述の動作によりベース電流を線形領域(非飽和領域)で電流増幅するような値に選ばれている。
トランジスタQ3は、例えば図2に示すように、NPN型バイポーラトランジスタからなっている。トランジスタQ3のエミッタと基準電位との間には抵抗器R3が接続されている。トランジスタQ3のコレクタは、トランジスタQ1のベースに接続されている。トランジスタQ3のベースは、ダイオードD1のアノードに接続されている。ダイオードD1のアノードと電源Eの正極との間には抵抗器R4が接続されており、ダイオードD1のカソードと基準電位との間には抵抗器R5が接続されている。
後述するように、トランジスタQ2のドレイン電流(すなわち、上述の定電流源が供給する電流の総量)は、チャネル長変調効果のため電源Eの電圧の増減に従って増減する。トランジスタQ3は、この現象が光電変換部1に及ぼす影響を、後述する動作により補償するためのものである。
トランジスタQ1は、抵抗器R1、光電変換部1の発光ダイオードLED及びホトトランジスタPTとともに、負帰還ループを形成している(ここでトランジスタQ1は、負帰還ループのループ利得を高めるための増幅器として機能していることになる)。
すなわち、ホトトランジスタPTが受光する光量が減少すると、ホトトランジスタPTに流れるコレクタ電流が減少する。ホトトランジスタPTのコレクタ電流とトランジスタQ1のベース電流との和は一定であるから、ホトトランジスタPTのコレクタ電流が減少する結果、トランジスタQ1のベース電流は増大する。従って、トランジスタQ1が非飽和領域で動作していれば、トランジスタQ1のコレクタ電流はこのベース電流にほぼ比例して増大する。従って、このコレクタ電流が流れている発光ダイオードLEDが発光する光量も増大し、結局、ホトトランジスタPTが受光する光量が増大する。このようなフィードバックが働く結果、ホトトランジスタPTの受光量は所定量へと収束する。
そして、発光ダイオードLEDに流れるこのコレクタ電流は、抵抗器R1に流れるトランジスタQ1のエミッタ電流の大部分をなすから、トランジスタQ1のエミッタ(すなわち光電変換部1の出力端DET−OUT)には、発光ダイオードLEDに流れる電流に正比例する電圧が発生し、この電圧は、発光ダイオードLEDが放射する光のうちホトトランジスタPTに受光される部分が占める割合が減少すると上昇し、増大すると下降する。
上述の負帰還ループが機能する結果、発光ダイオードLED及びホトトランジスタPTは線形領域(非飽和領域)で動作するように保たれる。(なお、発光ダイオードの線形領域とは、発光ダイオードに流れる電流の量と当該発光ダイオードの発光量との間に線形性があるとみなせる領域をいう。また、ホトトランジスタの線形領域とは、ホトトランジスタの受光量と当該ホトトランジスタのコレクタ電流の量との間に線形性があるとみなせる領域をいう。)
光電変換部1をこのような構成とすることにより、上述のループ利得が高まり、光電変換部1の傾斜の検出感度が高まる。また、ホトトランジスタPTの動作条件(例えば、ホトトランジスタPTのコレクタ電流の大きさ)が一定の範囲内に保たれ、振動に対して安定な光電変換特性が得られる。また、ホトトランジスタPTの受光量と出力端DET−OUTの電位との間の関係の線形性が高まる。
これらの結果、光電変換部1は、例えば図5にグラフを示すように、0.1°程度の微小な傾斜を検出することが可能となる。図5は、容器Vの傾斜角と、出力端DET−OUTの電位(ただし、容器Vの傾斜角が0°であるときの電位を0としている)との関係を図示するものである。
一方、電源Eの電圧が増減すると、トランジスタQ2のドレイン−ソース間電圧が増減する。この結果、トランジスタQ2のチャネル長変調効果によって、トランジスタQ2のドレイン電流(すなわち、トランジスタQ2により構成される上述の定電流源が供給する電流の総量)も増減する。従って仮に、上述の定電流源が供給する電流がホトトランジスタPTとトランジスタQ1にのみ流れるとすれば、上述の負帰還ループが収束した状態におけるホトトランジスタPTの受光量自体が電源Eの電圧の増減に従って増減する、という現象を起こすことになる。
トランジスタQ3は、この現象を解消するように動作するものである。すなわち、電源Eの正極から抵抗器R4、ダイオードD1及び抵抗器R5を順に経て基準電位へと至る電流が流れることにより、トランジスタQ3のベースの電位は、ダイオードD1の順方向電圧と抵抗器R5の両端間の電圧降下との和に相当する値となる。そして、このベースにベース電流が流れ込むとトランジスタQ3が導通してコレクタ電流が流れ、これらのベース電流及びコレクタ電流は合流し、エミッタ電流として、抵抗器R3を経て基準電位へと至るように流れる。このため、トランジスタQ3のベース−エミッタ間には、一般的なダイオードの順方向電圧にほぼ等しい電圧が生じ、抵抗器R3の両端間にも電圧降下が生じる。バイポーラトランジスタのベース−エミッタ間電圧はダイオードの順方向電圧にほぼ等しいから、抵抗器R5の両端間の電圧は、抵抗器R3の両端間の電圧にほぼ等しくなる。従って、電源Eの電圧が増減し、抵抗器R5の両端間の電圧がこれに従って増減すると、抵抗器R3の両端間の電圧もこれに従って増減する。そして、バイポーラトランジスタのエミッタ電流の大部分はコレクタ電流であって両者は互いにほぼ等しい大きさである。従って、トランジスタQ3のコレクタ電流は、抵抗器R3の両端間の電圧が抵抗器R5の両端間の電圧にほぼ等しくなるよう、抵抗器R5の両端間の電圧の増減に追随して増減する。
トランジスタQ3が導通している結果、定電流源が供給する電流は、ホトトランジスタPTのコレクタ電流、トランジスタQ1のベース電流、及びトランジスタQ3のコレクタ電流の三者へと分流されることになる。従って、定電流源から供給される電流の増減量と、トランジスタQ3のコレクタ電流の増減量とが等しければ、ホトトランジスタPTのコレクタ電流とトランジスタQ1のベース電流との和は、電源Eの電圧のいかんにかかわらず一定となる。従ってこのとき、上述の負帰還ループの定常状態におけるホトトランジスタPTの受光量も、電源Eの電圧のいかんにかかわらず一定となる。トランジスタQ3は、以上説明した動作を行うことにより、電源Eの電圧の増減が光電変換部1に及ぼす影響(具体的には、上述の負帰還ループが収束した状態におけるホトトランジスタPTの受光量に及ぼす影響)を補償する。
上述した補償の動作をトランジスタQ3が行うようにするため、抵抗器R3〜R5の各抵抗値は、上述の定電流源が供給する電流が電源Eの電圧の変動により増減する量が、電源Eの電圧の当該変動によりトランジスタQ3のコレクタ電流が増減する量と実質的に等しくなるような値に選ばれている。
比較部2は、例えば図6に示すように、演算増幅器A1及びA2と、トランジスタQ4と、抵抗器R6〜R14と、コンデンサC1〜C5とからなっている。なお、演算増幅器A1及びA2には、電源E、又は図示しない外部の他の電源から、演算増幅器A1及びA2を駆動するための電力が供給されるものとする。
抵抗器R6の一端は比較部2の入力端をなすものであり、光電変換部1の出力端DET−OUTに接続されている。抵抗器R6の他端はコンデンサC1の一端に接続されている。コンデンサC1の他端は、基準電位に接続されている。
抵抗器R6及びコンデンサC1により形成される第1の積分回路は、高域の雑音を低減する低域通過フィルターの機能を果たすものである。地震を感知するというこの地震感知器の目的からすると、この低域通過フィルターの遮断周波数は、例えば10ヘルツ程度とすることが考えられる。
演算増幅器A1、抵抗器R7〜R8及びコンデンサC2〜C3は、周波数選択型の電圧増幅器を形成している。
演算増幅器A1の非反転入力端は抵抗器R6とコンデンサC1との接続点に接続されており、反転入力端は、抵抗器R7の一端、抵抗器R8の一端、及びコンデンサC2の一端に接続されている。抵抗器R7の他端はコンデンサC3の一端に接続され、コンデンサC3の他端は基準電位に接続されている。抵抗器R8の他端及びコンデンサC2の他端は、演算増幅器A1の出力端に接続されている。
この電圧増幅器は、抵抗器R7〜R8の抵抗値及びコンデンサC2〜C3の静電容量値により決まる一定の通過帯域内では、一定の電圧増幅度を有する。一方、この通過帯域より低域では、周波数が低い帯域ほど電圧増幅度が1に近づく。また、この通過帯域より高域で、かつこの電圧増幅器のループ利得が十分高く保たれる範囲においては、周波数が高い帯域ほど電圧増幅度が1に近づく。この電圧増幅器は、このような周波数特性を有することにより、地震波の揺れの特徴を持つ周波数帯域の信号を特に高い利得で増幅するように構成されている。
通過帯域の下限をなす低域通過周波数は、抵抗器R7の抵抗値とコンデンサC3の容量とによって設定される。ここで「低域通過周波数」とは、コンデンサC3及び抵抗器R7の各インピーダンスが互いに等しくなるような周波数のことであり、コンデンサC3の静電容量をCC3とし、抵抗器R7の抵抗値をRR7としたとき、数式1により表される周波数fLをいう。地震を感知するという目的のためには、低域通過周波数は、例えば0.1ヘルツ程度の周波数に設定することが考えられる。
Figure 2011122982
通過帯域の上限をなす高域通過周波数は、抵抗器R8の抵抗値とコンデンサC2の容量とによって設定される。ここで「高域通過周波数」とは、コンデンサC2及び抵抗器R8の各インピーダンスが互いに等しくなるような周波数のことであり、コンデンサC2の静電容量をCC2とし、抵抗器R8の抵抗値をRR8としたとき、数式2により表される周波数fHをいう。地震を感知するという目的のためには、高域通過周波数は、例えば10ヘルツ程度の周波数に設定することが考えられる。
Figure 2011122982
通過帯域の中心周波数における電圧増幅度は、主に抵抗器R7及び抵抗器R8の各抵抗値によって設定される。ここで「中心周波数」とは、対数目盛の周波数軸上でfLとfHとの中点に相当する周波数、すなわち、数式3に示す関係を満たす周波数fCをいう。なお、低域通過周波数と高域通過周波数とが十分離れていれば、低域通過周波数及び高域通過周波数におけるこの電圧増幅器の電圧増幅度は、いずれも、中心周波数における電圧増幅度の(1/√2)倍となる。
Figure 2011122982
検出対象である地震による振動に応答した光電変換部1の出力電位の変化が、演算増幅器A2からなる後述のヒステリシスコンパレータによって「当該地震によるものである」と正しく判定されるようにするためには、例えばこの電圧増幅度を10程度に設定することが考えられる。
なお、この電圧増幅器は、その前段である光電変換部1と後段であるヒステリシスコンパレータとの間を緩衝する緩衝増幅器としても機能している。
演算増幅器A2の出力端は、比較部2の出力端(図6では「CMP−OUT」として示している)をなすものである。
演算増幅器A2の反転入力端にはトランジスタQ4のコレクタが接続されている。演算増幅器A1の出力端と演算増幅器A2の非反転入力端との間には抵抗器R9が接続されている。演算増幅器A2の出力端と非反転入力端との間には抵抗器R10が接続されている。演算増幅器A2の非反転入力端と基準電位との間には抵抗器R11が接続されている。
演算増幅器A2及び抵抗器R9〜R11は、演算増幅器A1の出力端電位と、比較対象である反転入力端に与えられる平均電位との比較結果を示す電圧を出力するヒステリシスコンパレータを形成している。このヒステリシスコンパレータのヒステリシス特性は、抵抗器R9〜R11が形成する正帰還ループにより実現されるものであり、ヒステリシス電圧は、抵抗器R9〜R11の各抵抗値により決まる。
このヒステリシス特性は、光電変換部1が地震を感知したときには後述する動作によって演算増幅器A2の出力端電位が正の最大値に確実に至るようにする一方で、演算増幅器A1の出力端電位に含まれる雑音により演算増幅器A2の出力端電位が誤って正の最大値に至らないようにするためのものである。このような目的からすると、ヒステリシス電圧は、演算増幅器A2の差動入力電圧より大きな量、典型的には10ミリボルト程度とすることが考えられる。
コンデンサC4の正極はトランジスタQ4のコレクタに接続されており、負極はトランジスタQ4のエミッタに接続されている。抵抗器R12は、演算増幅器A1の出力端とコンデンサC4の正極との間に接続されている。
抵抗器R12及びコンデンサC4は、第2の積分回路を構成する。第2の積分回路は、演算増幅器A1の出力電位の平均値を演算増幅器A2の反転入力端に与える。コンデンサC4は、トランジスタQ4のコレクタとエミッタ間が非導通状態にあるとき、演算増幅器A1の出力端から抵抗器R12を通じて流れる電流によって充電され、その両端間の電圧は、演算増幅器A1の出力電位の平均値に至る。
第2の積分回路の時定数、すなわち抵抗器R12の抵抗値とコンデンサC4の静電容量値の積は、演算増幅器A1の出力信号の振動周期より十分長い値に設定されている。地震の感知という目的のためには、例えば10秒程度になるよう設定されていればよい。
コンデンサC5は、演算増幅器A2の出力端と抵抗器R13の一端との間に接続されている。抵抗器R13の他端は抵抗器R14の一端に接続されており、抵抗器R14の他端は基準電位に接続されている。
トランジスタQ4は、例えば図示するように、NPN型バイポーラトランジスタからなっている。トランジスタQ4のエミッタは基準電位に接続されており、コレクタは演算増幅器A2の反転入力端に接続されており、ベースは抵抗器R13と抵抗器R14との接続点に接続されている。
コンデンサC5及び抵抗器R13は、後述する動作により演算増幅器A2の出力端電位が負の最大値から正の最大値に変化したとき、トランジスタQ4のベースに電流を一時的に流してそのコレクタ−エミッタ間を導通させ、コンデンサC4を放電させるためのものである。
トランジスタQ4のコレクタ−エミッタ間が導通する時間の長さは、コンデンサC4に充電された電荷が放電されるに十分な時間であればよい。そのような時間を確保するためには、コンデンサC5を充電するための時間が例えば0.1秒程度になるように抵抗器R13の抵抗値を設定することが考えられる。
抵抗器R14は、地震非感知時にトランジスタQ4のコレクタとエミッタ間を確実に非導通状態にすること、および演算増幅器A2の出力端電位が正の最大値から負の最大値に遷移後のコンデンサC5の放電電流を通じることを目的として接続されているものである。
出力部3は、例えば図6に示すように、トランジスタQ5と、ブザーBzと、ダイオードD2とからなっている。
トランジスタQ5は、例えばnチャネルMOS(Metal-Oxide-Semiconductor)FETからなっており、ドレインはブザーBzの一端に接続されており、ソースは基準電位に接続されており、ゲートは比較部2の出力端に接続されている。ゲートは、出力部3の入力端をなすものである。また、ブザーBzの他端は電源Eの正極に接続されている。
ダイオードD2はブザーBzが発生させる逆起電力を吸収するためのものである。ダイオードD2のアノードは電源Eの正極に接続されており、カソードはトランジスタQ5のドレインに接続されている。
以上説明した構成を有するこの地震感知器の全体的な動作を、次に説明する。なお、光電変換部1の容器Vは、「振動が加わっていない状態において、発光ダイオードLEDの発する光のうち最も強い成分が鉛直線に平行に進行し、この成分がホトトランジスタPTに受光される」という位置関係になるよう配置されているものとする。
まず、容器Vに振動が加わっていないとき、比較部2の演算増幅器A2の出力端電位は、負の最大値になる。すなわち、容器Vに振動が加わっていないとすると、演算増幅器A1の出力端は電源投入後の短時間内(典型的には、数秒程度)で一定の電位となり、また、演算増幅器A1の出力端から抵抗器R12を介してコンデンサC4に流れ込む電流によりコンデンサC4が充電され、演算増幅器A2の反転入力端電位は上昇する。一方、演算増幅器A2の非反転入力端電位は、演算増幅器A1の出力端電位より一定量低く保たれる(この一定量は、演算増幅器A2等からなる上述のヒステリシスコンパレータのヒステリシス電圧に相当する)。そして、コンデンサC4の充電開始からある時間が経過すると、演算増幅器A2の反転入力端電位は、非反転入力端電圧を超えるに至る(この時間は、例えば上述のヒステリシス電圧が10ミリボルト程度である場合、上述の第2の積分回路の時定数の4倍程度の時間である)。この結果、容器Vに振動が加わっていないという条件下では、演算増幅器A2の出力端電圧は、その初期値のいかんにかかわらず、電源投入後ある時間で負の最大値へと遷移し、演算増幅器A2の出力端電位は負の最大値を保持する。
この状態から、容器Vに振動が加わると、液体S1と気体S2との界面INTが傾斜を開始する。すると、発光ダイオードLEDから界面INTを経てホトトランジスタPTへと入射する光の強度が減少し、光電変換部1の出力端DET−OUTの電位が上昇する。従って、比較部2の演算増幅器A1の出力端電位も正の方向に変化する。
DET−OUTの電位の上昇は、界面INTの振動の立ち上がり部分を表すものといえる。この振動が地震波の揺れの特徴を持つ周波数帯域での振動であれば、DET−OUTの電位のこのような変化は、上述した周波数選択型の電圧増幅器によって選択的に高い電圧増幅度で増幅され、演算増幅器A1の出力端電位の変化として特に顕著に表れる。
このとき、比較部2の演算増幅器A2の反転入力端電位は、演算増幅器A1の出力端電位が第2の積分回路により積分されたものとなるため、演算増幅器A1の出力端電位より緩やかに変化する。一方、演算増幅器A2の非反転入力端には、演算増幅器A1の出力端電位の変化に対する電位の変化が直ちに現れる。
このような差異がある結果、演算増幅器A2の反転入力端からみた演算増幅器A1の出力端の電圧が上述のヒステリシス電圧を超えれば、演算増幅器A2の出力端電位は直ちに正の最大値に至る。
演算増幅器A2の出力端電位が負の最大値から正の最大値に変化すると、演算増幅器A2の出力端から、コンデンサC5及び抵抗器R13を経てトランジスタQ4のベースへと電流が流れる。この電流によりトランジスタQ4のコレクタとエミッタ間が導通し、コンデンサC4が電荷を放電する。この結果、演算増幅器A2の反転入力端電位は基準電位付近まで下がり、演算増幅器A2の出力端電位は正の最大値を保持する。
演算増幅器A2の出力端電位が正の最大値を保持している間にトランジスタQ4のベースに流れ込む電流は、コンデンサC5の充電に従い次第に小さくなる。そしてトランジスタQ4のベースに電流が流れなくなると、トランジスタQ4のコレクタとエミッタ間は非導通状態になる。この時点より、演算増幅器A1から抵抗器R12を通じてコンデンサC4に流れ込む電流によるコンデンサC4の充電が再び開始される。コンデンサC4は、その両端間の電圧が演算増幅器A1の出力端電位の平均値に至るまで充電される。
コンデンサC4が充電され、その結果として演算増幅器A2の反転入力端電位が非反転入力端電位を超えるまでの間、演算増幅器A2の出力端電位は正の最大値を保持する。演算増幅器A2の出力端電位が正の最大値を保持している間は、出力部3のトランジスタQ5のチャネルが導通し、ブザーBzにはトランジスタQ5のドレイン電流が流れるため、ブザーBzが動作し、音を発する。
なお、演算増幅器A2の出力端電位が正の最大値を保持している時間は、ブザーBzが動作する時間でもある。この時間の長さは、上述の通り、第2の積分回路の時定数及び抵抗器R9〜R11の抵抗値により決まるもので、上述のヒステリシスコンパレータのヒステリシス電圧が10ミリボルト程度である場合は、第2の積分回路の時定数の4倍程度の時間である。地震の到達を報知するという目的のためには、この時間を例えば30秒程度の値にすることが考えられる。
ブザーBzが音を発している間に、トランジスタQ4のコレクタとエミッタとの間は非道通状態に転じ、コンデンサC4の充電が始まる。コンデンサC4が接続される反転入力端電位が非反転入力端電位を超えれば、比較部2の出力端電位が負側の最大電位に至り、ブザーBzは音を停止する。
なお、電源電圧変化や気温変化などによる比較部2のヒステリシスコンパレータに供給される緩やかな信号の変化は、第2の積分回路によって追随される。このため、そのような緩やかな変化に起因してブザーBzが誤動作することは防止される。
以上説明したこの地震感知器は、構成が簡潔で、製造や仕様変更が容易に行える。例えば、周波数などの点で従前の検出対象とは異なる特徴を有する振動を検出するようにしたい場合は、液体S1や気体S2を従来とは物理的性質の異なるものに変更したり、第1及び第2の積分回路や上述した周波数選択型の電圧増幅器の特性を定める各定数の少なくともいずれかを変更したり、あるいは容器Vの形状を変更したりすれば、簡単に仕様変更を行える。
また、この地震感知器は、トランジスタQ1のコレクタ及び発光ダイオードLEDに流れる電流が抵抗器R1に電圧降下を生じさせることによって、容器Vの傾斜量を表す電気信号を発生させている。
トランジスタQ1としては、一般的なホトトランジスタよりコレクタ電流の容量の大きなバイポーラトランジスタを入手することができ、また、発光ダイオードLEDについても、一般的なホトトランジスタのコレクタ電流より大きな順方向電流を流し得るものが入手可能である。
従って、抵抗器R1は、特許文献1に記載の装置におけるホトトランジスタのコレクタ電流を流す負荷抵抗より抵抗値の低いものであっても、トランジスタQ1のコレクタ電流を大きく確保することによって十分な電圧降下を生じさせることができ、光電変換部1の出力抵抗も低く抑えることができる。
また、この地震感知器が備えている定電流源は、トランジスタQ2及び抵抗器R2により構成されるもの1個のみであり、回路構成が簡潔である。
また、この地震感知器は、ホトトランジスタPTの受光量が所定量に収束するように動作する。従って、ホトトランジスタPTの線形性は、受光量がこの所定量付近であるような狭い範囲で確保されていれば十分であり、このため簡単な回路構成で微弱な傾斜ないし振動を検出するようにできる。
また、この地震感知器は安価に製造することができ、大量頒布に適している。従って、地震の感知のような、多くの世帯が迅速に行える必要がある用途のために普及させることに適している。
また、この地震感知器は消費電力を小さくすることができる。このため、電池で長時間駆動でき、電池切れのために地震の感知に失敗するといった事態が防止される。
すなわち、ホトトランジスタPTの受光量が収束する目標値である上述の所定量を、ホトトランジスタPTが線形領域で動作するために必要な最低限のコレクタ電流を流すような値に設定しておけば、ホトトランジスタPTのコレクタには、ほぼ常に当該最低限の量のみが流れる。このことが、この地震感知器の消費電力の低減に寄与する。
また、この地震感知器は、透過光を検出するのでホトトランジスタPTに入射する入射光のフォーカスが振動によりずれることが少なく、この入射光を集光してフォーカスを合わせるための構成を省略することが可能である。また、界面INTは発光ダイオードLEDとホトトランジスタPTとの間に存在すれば十分であり、その正確な位置をコントロールする必要はないから、液体S1の蒸発などによって地震の感知に失敗するといった事態も防止される。
なお、この地震感知器の構成は上述のものに限られない。
例えば、光電変換部1は、発光素子として必ずしも発光ダイオードLEDを備えている必要はなく、発光ダイオードLEDに代えて、例えばEL(Electro-Luminescence)素子、またはその他、流される電流の大きさないし印加される電圧の大きさにより輝度が変化する発光素子を備えるものとしてもよい。
もっとも、発光素子の光の指向性が鋭いもの(具体的には、たとえば半値角が小さいもの)であるほど、界面INTの傾斜がDET−OUTの電位のより大きな変化として現れ、その結果、この地震感知器はより微小な傾斜ないし振動を感知できるものとなる。
また、発光素子自体の指向性が鋭くなくても、たとえば当該発光素子が発する光を集光するレンズを備えるようにすれば鋭い指向性を有する光が得られ、この地震感知器はより微小な傾斜ないし振動を感知できるものとなる。
また、光電変換部1は、受光素子として必ずしもホトトランジスタPTを備えている必要はなく、ホトトランジスタに代えて、例えばCMOS(Complementary MOS)センサ、またはその他の光電変換素子を備えるものとしてもよい。
また、発光素子が液体S1の側に配置されて光電変換素子が気体S2の側に配置されていてもよい。すなわち、発光素子と光電変換素子とは、「発光素子が発した光が液体S1にまず入射し、界面INTを透過して気体S1に入射し、次いで光電変換素子に受光される」という位置関係になるように配置されていてもよい。
また、発光素子から光電変換素子に至る光路には、例えば光ファイバーや鏡などからなる導光路が含まれていてもよい。このような導光路を備えることにより、発光素子や光電変換素子が液体S1(あるいは気体S2)に接触することを回避するような構成が容易になり、発光素子や光電変換素子の劣化を防止することが容易になる。
また、液体S1及び気体S2は、いずれも光を透過する性質を有していればよく、また、気体S2に代えて、液体S1とは異なりかつ液体S1と混ざり合わない性質を有する液体を備えるようにしてもよい。
あるいは、光電変換素子が発生する信号の変化を発光素子の輝度の変化へと負帰還する機能を実現するための回路として、定電流源から供給される電流を光電変換素子に流れる電流とトランジスタのベース電流とに分流し、このトランジスタのコレクタ電流を発光素子に流して、発光素子が発した光を光電変換素子に受光させる、という構成を必ずしも用いる必要はない。
また、この負帰還を実現するための回路として、定電流源から供給される電流を光電変換素子に流れる電流と他の電流とに分流するとしても、当該他の電流をトランジスタのベースに供給する必要はなく、例えば発光素子に直接供給するという構成をとってもよい。
また、比較部2の回路構成も、光電変換素子が発生する信号の振幅(あるいは、周波数及び振幅)が所定の範囲内にあるか否かを判別して、当該範囲内にあると判別したとき、検出対象の振動が発生したことを示す信号を出力部3に供給するものである限り任意である。
また、出力部3の回路構成も、検出対象の振動が発生したことを示す信号を供給されたとき、検出対象の振動が発生した旨を報知するものである限り任意である。従って、出力部3は必ずしもブザーBzないしはその他音声を発生させるための装置を備える必要はなく、これに代えて、あるいはこれとともに、任意の手段により振動の発生を報知するための構成を備えていればよい。具体的には、例えば発光ダイオード等の発光素子を備えていてもよいし、外部の施設等に宛てた信号を有線又は無線回線を介して送信する送信機を備えていてもよいし、ガス器具を消火するための装置を作動させるための構成を備えていてもよい。
また、この地震感知器は、必ずしも地震による震動を検知するためでなく、光電変換部1の容器Vの傾斜を検出するために用いることもできる。
たとえば、比較部3の演算増幅器A2の反転入力端を、抵抗器R12とコンデンサC4との接続点に接続する代わりに、ある一定の電位を保つ電圧源に接続するようにすれば、容器Vの定常的な傾斜量を検出することができる。
1 光電変換部
2 比較部
3 出力部
A1,A2 演算増幅器
Q1〜Q5 トランジスタ
R1〜R14 抵抗器
C1〜C5 コンデンサ
D1,D2 ダイオード
Bz ブザー
LED 発光ダイオード
PT ホトトランジスタ
S1 液体
S2 気体
V 容器
H 支持体
OBJ 対象物

Claims (10)

  1. 自らに供給された信号の強度により特定される輝度で発光する発光素子と、
    前記発光素子が発光した光を受光し、受光した光の強度を表す信号を生成する光電変換素子と、
    界面を形成して互いに接する第1及び第2の流体と、
    前記光電変換素子が生成する信号に追随して変化する信号を前記発光素子へと供給することにより、前記光電変換素子が生成する信号の変化を前記発光素子の輝度の変化へと負帰還させ、前記光電変換素子の受光量を所定量に収束させる負帰還手段と、より構成され、
    前記発光素子及び前記光電変換素子は、前記発光素子が発光した光が前記第1の流体に入射し、前記界面を透過して前記第2の流体に入射し、次いで光電変換素子に受光されるような位置関係になるように配置されており、
    前記負帰還手段は、前記発光素子へと供給される前記信号の大きさを表す信号を、前記界面の傾斜量を表す信号として生成する、
    ことを特徴とする傾斜検出装置。
  2. 前記光電変換素子は、受光した光の強度を表す電流を自らに流すものであって、
    前記負帰還手段は、発光素子用電流供給手段と、定電流源とを備えており、
    前記定電流源は、自らが発生する電流を、前記発光素子用電流供給手段へと供給される電流と前記光電変換素子に流れる電流とに分流し、
    前記発光素子用電流供給手段は、自らに供給された電流の増減に従って増減する電流を前記発光素子に信号として供給する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の傾斜検出装置。
  3. 前記光電変換素子は、受光した光の強度を表す電流を自らに流すものであって、
    前記負帰還手段は、バイポーラトランジスタと、定電流源とより構成されており、
    前記定電流源は、自らが発生する電流を、前記バイポーラトランジスタのベース電流と前記光電変換素子に流れる電流とに分流し、
    前記バイポーラトランジスタは、自らのコレクタに流れるコレクタ電流を前記発光素子に信号として供給する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の傾斜検出装置。
  4. 外部の電源の電圧の増減に従って自己に流れる電流の量を増減させる補償用電流路を更に備えており、
    前記定電流源は、電界効果トランジスタと、前記電界効果トランジスタのチャネルに直列に接続された抵抗体と、当該抵抗体の両端間に生じた電圧を前記電界効果トランジスタのゲートに印加するバイアス手段と、より構成されていて、前記外部の電源より前記チャネル及び前記抵抗体に供給される電流を、自らが発生する電流として供給するものであって、当該自らが発生する電流を、前記補償用電流路へと更に分流する、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の傾斜検出装置。
  5. 前記発光素子は発光ダイオードからなる、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の傾斜検出装置。
  6. 前記光電変換素子はホトトランジスタからなる、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の傾斜検出装置。
  7. 前記第1及び第2の流体を収容する容器を備え、
    前記容器は、可撓性のある支持体を介して、傾斜の検出対象である外部の目的物に固定される、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の傾斜検出装置。
  8. 光電変換素子が発生する信号の振幅が所定の範囲内にあるか否かを判別して、当該範囲内にあると判別したとき、検出対象の振動に起因して前記界面の傾斜が発生したことを示す信号を生成する比較手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の傾斜検出装置。
  9. 前記検出対象の振動が発生したことを示す信号が生成されたことに応答して、当該検出対象の振動が発生した旨を報知する報知手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項8に記載の傾斜検出装置。
  10. 自らに供給された信号の強度により特定される輝度で発光する発光素子が発光した光が、界面を形成して第2の流体に接する第1の流体に入射し、前記界面を透過して前記第2の流体に入射し、次いで、光電変換素子が当該光を受光し、受光した当該光の強度を表す信号を生成し、
    前記光電変換素子が生成する信号に追随して変化する信号を前記発光素子へと供給することにより、前記光電変換素子が生成する信号の変化を前記発光素子の輝度の変化へと負帰還させ、前記光電変換素子の受光量を所定量に収束させ、
    前記発光素子へと供給される前記信号の大きさを表す信号を、前記界面の傾斜量を表す信号として生成する、
    ことを特徴とする傾斜検出方法。
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