したがって、人工物体が存在する場合に、画像、特にマンモグラフィ画像の調節にユーザが多くの時間を費やすことなく、医用画像の品質を改善することができるシステムおよび方法を開発することが望まれる。
本発明の種々の実施形態は、医用画像中の人工物体の体裁を変更するためのシステムおよび方法に関し、より具体的には、マンモグラフィ画像などの医用画像中の人工物体の抑制またはマスキングに関する。少なくとも1つの人工物体が、医用画像中において特定され、その後、人工物体の体裁が、そのプロミネンスを低減させることにより変更され、残りの画像は、変更されないままにされる。次いで、変更された人工物体を含む医用画像が、ユーザに対して表示される。
本発明の一実施形態は、医用画像中の人工物体の体裁を変更するための方法に関し、医用画像中において少なくとも1つの人工物体を特定することと、人工物体のプロミネンスを低減させて、変更された人工物体を生成することと、ディスプレイ上に変更された人工物体を含む医用画像を表示することとを含む。
本発明の別の実施形態においては、物体のプロミネンスを低減させることは、物体のプロミネンスを低減させるために、人工物体の輝度を抑制することを含む。
本発明の他の一実施形態においては、物体のプロミネンスを低減させることは、物体のプロミネンスを低減させるために、人工物体をマスキングすることを含む。
本発明のさらに別の実施形態においては、人工物体のプロミネンスを低減させることは、擬似組織画像により人工物体を隠蔽することを含む。
本発明のさらに他の実施形態においては、少なくとも1つの人工物体を特定することは、領域拡張法を利用して医用画像を処理することを含む。
本発明の他の一実施形態においては、輝度の最低しきい値を上回るすべての物体を検出することによって、プロミネンスを低減させるべき少なくとも1つの人工物体を特定する。
本発明のさらに別の実施形態においては、少なくとも1つの人工物体を特定することは、自動的に行われる。
本発明のさらに他の一実施形態においては、医用画像は、ヒトの乳房の画像を含むマンモグラフィ画像である。
本発明の別の実施形態においては、物体は、乳房の領域の内側に位置する一次物体と、乳房の領域の外側に位置する二次物体とを含み、物体のプロミネンスは、一次物体の輝度を抑制し、二次物体をマスキングすることによって低減される。
本発明の他の一実施形態においては、少なくとも1つの人工物体は、ペースメーカ、乳房インプラント、リード・マーカ、BBマーカ、拡大鏡フレーム、または医用画像の非被曝領域である。
さらに、本発明の実施形態は、医用画像中の人工物体の体裁を変更するためのシステムに関し、医用画像中において少なくとも1つの人工物体を特定する特定ユニットと、人工物体のプロミネンスを低減させて、変更された人工物体を生成する低減ユニットと、ディスプレイ上に変更された人工物体を含む医用画像を表示する表示ユニットとを備える。
本発明の別の実施形態においては、このシステムは、ディスプレイ上に変更された人工物体を含む医用画像を表示する表示ユニットをさらに備える。
本発明の他の一実施形態においては、低減ユニットは、人工物体の輝度を抑制することによって、人工物体のプロミネンスを低減させる。
本発明のさらに別の実施形態においては、このシステムは、人工物体をマスキングすることによって、人工物体の輝度を低減させる低減ユニットをさらに備える。
本発明のさらに他の実施形態においては、低減ユニットは、擬似組織画像により人工物体を隠蔽することによって、人工物体のプロミネンスを低減させる。
本発明のさらに別の実施形態においては、少なくとも1つの人工物体は、領域拡張法を利用して特定される。
本発明の別の実施形態においては、特定ユニットは、輝度の最低しきい値を上回るすべての物体を検出することによって、少なくとも1つの人工物体を特定する。
本発明の他の一実施形態においては、少なくとも1つの人工物体は、自動的に特定される。
本発明のさらに別の実施形態においては、医用画像は、ヒトの乳房の画像を含むマンモグラフィ画像である。
本発明のさらに他の一実施形態においては、物体は、乳房の領域の内側に位置する一次物体と、乳房の外側の領域内に位置する二次物体とを含み、物体のプロミネンスは、一次物体の輝度を抑制し、二次物体をマスキングすることによって低減される。
本発明の他の一実施形態においては、少なくとも1つの人工物体が、ペースメーカ、乳房インプラント、リード・マーカ、拡大鏡フレーム、または医用画像の非被曝領域を含む。
さらに、本発明の実施形態は、コンピュータ可読媒体上に組み込まれる、医用画像中の人工物体の体裁を変更するためのコンピュータ・プログラム製品に関し、このコンピュータ・プログラム製品は、コンピュータによって実行されると、医用画像中において少なくとも1つの人工物体を特定することと、人工物体のプロミネンスを低減させて、変更された人工物体を生成することと、ディスプレイ上に変更された人工物体を含む医用画像を表示することとを含む方法を実行する。
本発明のさらなる実施形態が、以下の説明において部分的に述べられ、この説明から一部は明らかになるか、または、本発明の実施により理解され得る。本発明の実施形態は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲において具体的に示される、要素、及び種々の要素と態様の組み合わせによって、実現し、達成することができる。
先述のおよび以下の説明は共に、例示および説明のためのものに過ぎず、いかなる形においても特許請求される本発明またはその用途を限定することを意図されないことを理解されたい。
本明細書に組み込まれ本明細書の一部を成す添付の図面が、本発明の種々の実施形態を例示し、その説明と共に、本発明の技術の原理を説明し図示する役割を果たす。
以下、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図中では同一の機能要素には同じ符号を付けている。添付の図面では、例示として、本発明の原理に合った特定の実施形態および実装形態を示すが、実施形態はこれに限定されない。これらの実装形態は、当業者にとって本発明の実施が可能となるように十分に詳しく説明されるが、当然ながら、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、他の実装形態で実現することも可能であり、種々の要素の構造的変更および/または置き換えが可能である。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。さらに、説明される本発明の種々の実施形態は、汎用コンピュータ上において実行されるソフトウェアの形態、専用ハードウェアの形態、またはソフトウェアおよびハードウェアの組合せの形態で実現することもできる。
本発明の種々の実施形態は、医用画像中の人工物体の体裁を変更するためのシステムおよび方法に関し、より具体的には、マンモグラフィ画像などの医用画像中の人工物体の体裁の抑制またはマスキングに関する。少なくとも1つの人工物体を医用画像中において特定し、その後、その人工物体の目立ち具合(プロミネンス、prominence)を低減させて人工物体の体裁を変更し、残りの画像を変更されないままにする。次いで、変更された人工物体を含む医用画像を、ユーザに対して表示する。
人工物体を特定して人工物体の体裁を変更することによって、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、他の方法では手作業で画像を変更するために要していたユーザの時間および労力を大幅に節減し、ユーザによる医用画像の検討を補助する。さらに、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、画像全体ではなく人工物体のみを変更することが可能であり、それにより、元の画像中の組織および骨などの注目領域の明瞭さを維持する。医用画像を見るユーザ(例えば放射線科医)は、明るい人工物体に邪魔されることなく、潜在的注目領域をよりはっきりと視認し、より正確に特定することが可能となる。
本発明のシステムおよび方法は、磁気共鳴画像法(MRI)、放射線撮像法(X線)、コンピュータ断層撮影法(CT)、および超音波(US)を含む(しかしそれらに限定されない)、多くのタイプの医用撮像に対して適用可能である。ほとんどのタイプの医用撮像においては、乳房インプラント、ペースメーカ、リード・マーカ、拡大鏡フレーム、または検出器中の非被曝領域などの人工物体は、明るくコントラストの強い物体として現れ、これらは、画像を見るユーザに対して視覚的な妨げとなる。本発明のシステムおよび方法は、画像を取得する撮像装置とは別個のコンピュータ・システム上に実装され得るものであり、また、本明細書において説明される具現化された画像処理技術を実施する前に他の画像処理技術を用いて未加工画像を先に処理するコンピュータ・システム上に実装することも可能である。
医用画像中の人工物体の特定は、画像中で、顕著かつ滑らかな境界線によって囲まれた明るい領域を検出することによって行うことが可能である。図1Aにおける乳房インプラント102は一例であり、インプラント102と周辺組織104との間に明確なコントラストを有する滑らかな境界線として、インプラントの境界線106が画像100中に明確に示されている。コンピュータ上の画像処理ソフトウェアが、この物体の特定を実行し、人工物体全体を自動的に見出し検出してもよく、または、他の一実施形態においては、ユーザが、例えばディスプレイを備えるコンピュータを使用して人工物体の内側の点もしくはこの物体の少なくとも一部を含む領域を簡単に特定することなどによって、ユーザが人工物体全体の捜索を開始し、次いで、コンピュータ上の画像処理ソフトウェアが、この物体の境界線を検出することも可能である。ユーザは、マウスにより物体上でクリックすることによって、またはタブレット型入力デバイスを使用してこの物体の少なくとも一部を含む領域の輪郭を描くことによって、この物体を特定することができる。
人工物体を区分して、それらの境界線を決定するために、画像拡張などの様々な画像処理技術を用いることが可能である。区分けはコンピュータによって自動的に行われ、画像を複数のセグメントに分割し、次いで、これらのセグメントを分類して、強度およびテクスチャなどの特徴が互いに似ているセグメントを決定する。コンピュータにより自動的に実行可能な領域拡張法においては、画像中の異なる領域が選択され、反復的に拡張され、次いで比較により分類される。領域拡張法では、人工物体を特定し、人工物体の境界線を特定する。領域拡張は従来的な画像処理技術であるため、本明細書においてはさらには説明しない。人工物体は均一の強度を通常有するため、領域拡張法は有効である。乳房インプラント102は例示的なものであり、図中ではその表面全体は濃淡の無いベタの白色(solid white color)である。ヒストグラムベース法またはエッジ検出などの当業者に既知の他の画像区分法が使用されてもよい。
以下の例示的な実施形態は、マンモグラフィ画像に関するが、本明細書において説明される方法およびシステムは、人工物体を含み得る身体の任意の部位の任意の医用画像に対して適用し得ることが、当業者には理解されよう。例えば、骨折した骨を取り付けるために身体中にしばしば挿入されるねじ、プレート、およびピンが、医用画像上において明るいコントラストの強い物体として現れる場合がやはりあり、それらの体裁を変更することは、検査を行う医療専門家にとってやはり有益となり得る。いかなる医用画像においても、本発明のシステムおよび方法により、ユーザは、注目対象を特定し、注目対象以外のあらゆる物体の体裁を変更することが可能になる。
図2Aのマンモグラフィ画像100により例示される本発明の第1の実施形態においては、特定される人工物体は、乳房インプラント102である。図1Aのマンモグラフィ画像100は、本発明の方法を適用する前の、図2Aに示す同じマンモグラフィ画像100の原画である。人工物体が、この場合においては乳房インプラント102として特定されると、図2Aの変更された乳房インプラント102により図示されるように、輝度を抑えることによってそのプロミネンスが低減される。輝度を抑制するには、例えば、ある一定量または一定率だけ人工物体の輝度を低減させる。画素の元の強度が、ある低減量だけ抑制される。または、強度が一定率だけ低減される場合には、抑制後の画素強度は、元の画素強度に、0より大きく且つ1より小さい低減率を掛けた値となる。
一実施形態においては、乳房インプラントの輝度は、周辺の乳房組織104よりも低いプロミネンスで表示される点まで抑制される。輝度の低減量は、ユーザの好みにより異なっていてもよく、予め定められたレベルに設定することが可能である。周辺の乳房組織の輝度未満のレベルにまで輝度を抑制するためには、低減を適切に行えるように、各領域の輝度を比較する必要がある。一実施形態においては、人工物体の輝度は、予め定められたレベルにまで自動的に低減される。例えば、人工物体の内側の画素の強度は、その物体の内側の最も高い強度がその物体の外側での最も低い強度以下となるように、同一量だけ低減され得る。他の一実施形態においては、人工物体の輝度を自動的に低減した後に、ユーザが、所望の低減レベルを実現するために、輝度レベルをさらに調節することが可能である。
図2Bに例示される代替の一実施形態においては、乳房インプラント102をマスキングする、または完全に隠蔽することが可能である。一実施形態においては、物体がマスキングされる場合、図2Bに例示されるように、この物体の強度値はゼロにまで低減される。ユーザにとって視覚的な妨げとなりうる人工物体の強度のばらつきを除くために、画素強度値を単一の強度値にまで低減してもよい。それとは対照的に、画像を抑制する場合は、強度のばらつきには影響を及ぼさない。物体をマスキングすることにより、この物体は、画像から実質的に完全に除去され、この物体内の強度のばらつきは全く見られなくなる。これと比較すると、物体を抑制する場合は、ユーザの妨げとなるような画像中の物体の視覚的特徴を軽減はするが、その特徴自体は残る。マスキングされた物体の輝度は、周辺組織104と同一もしくはそれよりも低減されてもよいし、または、画像のバックグラウンド108と同一の暗さとされてもよい。
一実施形態においては、人工物体のタイプが検出され、その後、人工物体のプロミネンスが、上述のように輝度を抑制するかまたはこの物体をマスキングすることによって低減される。例えば、図3においては、ペースメーカ110が、元の未変更画像100において見える通りに示される。画像の非被曝領域114およびリード・マーカ116もまた示されるが、白色の明るい領域として示される非被曝領域114は、ページのバックグラウンドが白いため図3においてははっきりとは視認できないことに留意されたい。非被曝領域114は、以下の図5〜図6においては、よりはっきりと視認できる。図4は、本発明の方法が適用して、画像100中でペースメーカを特定し、輝度を抑制した後のペースメーカ110を示す。画像中のリーダ・メーカおよび非被曝領域は、変更されない。
医用画像中に存在する人工物体のタイプを決定するために、一実施形態においては、人工物体のタイプを、その物体の形状、サイズ、および位置によって区別しても良い。例えば、インプラントは、基本的に円く、乳房全体とほぼ同一の大きさであり、乳房の中心に位置する。ペースメーカも円いが、通常は乳房よりもはるかに小さく、胸筋領域上に位置する。リード・マーカは、矩形であり、乳房の外側に位置する。一実施形態においては、インプラントが乳房中において最もプロミネンスの高い人工物体であるため、インプラントのみを抑制するようにシステムは構成される。この場合においては、システムは、胸筋の下方に位置する乳房の内側の丸く大きな明るい物体を捜索する。他の一実施形態においては、ユーザはコンピュータ・ディスプレイ上においてインプラント上でクリックすることにより抑制したい物体を示すことが可能である。または、所与のしきい値よりも大きなすべての人工物体が抑制されるように、ユーザがサイズのしきい値を規定することが可能である。
別の実施形態においては、人工物体を特定するために、すべての極度に明るい物体が、画像中において特定される。しきい値を上回る輝度レベルにより検出されたすべての物体を人工物体として特定できるように、輝度のレベルをしきい値レベルに設定することとしてもよい。次いで、上述のように、ユーザの好みに応じて人工物体の輝度を抑制するか、または、人工物体を完全にマスキングする。例えば、図5は、ペースメーカ110、リード・マーカ116、および非被曝領域114がすべて抑制される場合を示し、ペースメーカ110、リード・マーカ116、および非被曝領域114がある一定の輝度しきい値を満たしたことが示唆される。
図4および図5は本発明の他の一実施形態を示し、図4中のマンモグラフィ画像100の非被曝領域114が特定され、抑制され、図5に図非被曝領域114の輝度レベルの低減後を示す。さらに、図5は、リード・マーカ116の抑制も示す。したがって、図4は、単一の物体、すなわちペースメーカ110のみの抑制を示し、図5は、ペースメーカ110、非被曝領域114、およびリード・マーカ116を含むすべての物体の抑制を示す。
他の一実施形態においては、乳房に関係する画像領域の外側に位置する人工物体をマスキングし、乳房領域の内側に位置する人工物体の輝度を抑制するだけに留めるように、システムは構成される。図6に例示されるかかる一実施形態においては、乳房領域内に含まれるペースメーカ110は抑制され、非被曝領域114およびリード・マーカ116はマスキングされる。
さらに別の実施形態においては、図7Aおよび図7Bに図示されるように、人工物体を周辺組織と同じように見える組織画像によって隠蔽するようにしてもよい。図7Aにおいては、マンモグラフィ画像100は、乳頭118がBBマーカ120で印づけされた乳房を示し、このBBマーカ120は、マンモグラフィ画像100の撮像前に乳頭の位置を示唆するために技術者により乳房上に配置される物理マーカである。図7Bにおいては、BBマーカは、乳頭の周辺の乳房組織104から視覚的に識別不能な擬似組織画像122によって隠蔽される。擬似組織画像122は、BBマーカ120の周辺の画素からの補間によって生成することができる。人工組織画像の使用は、BBマーカなどの小領域に対して有効であるが、もっと大きな注目対象を隠蔽するためにもっと大きな擬似画像を使用することにしてもよい。
図8Aは、本発明の一実施形態に係る、人工物体の体裁を変更する方法を示す。最初のステップS101においては、少なくとも1つの人工物体が、医用画像中で特定される。2番目のステップS103においては、人工物体のプロミネンスが低減されて、変更された人工物体を生成する。最後に、ステップS105において、変更された人工物体を含む医用画像がディスプレイ上に表示される。
図8Bは、初めに医用画像を受領するステップS107を含む、医療画像中の人工物体を特定する方法の一実施形態を示す。次のステップS109において、領域拡張法を利用して処理画像を処理し、人工物体に対応している可能性のある画像中の明るい領域を特定する。オプションで、ステップS111において、輝度のしきい値レベルと比較して、特定された明るい領域を抑制する必要があるか否かを判定する。最後に、しきい値レベルに該当する物体が、最終ステップS113において抑制する必要のある人工物体として識別される。
図8Cは、医用画像中の人工物体のプロミネンスを低減させる方法の一実施形態を示す。最初のステップS115において、少なくとも1つの人工物体の輝度が、周辺組織の輝度と比較される。2番目のステップS117において、少なくとも1つの人工物体が周辺組織よりも明るく表示されないように、輝度の低減レベルを決定する。3番目のステップS119において、少なくとも1つの人工物体の輝度が、先に決定された量だけ低減される。
本発明のシステムは、上述のステップにしたがって医用画像を受け付け、それを処理するコンピュータ上に実装することができる。本発明のシステムは、コンピュータ・プログラム製品として具現化することが出来、または、ソフトウェアおよびハードウェアの組合せによって実現してもよい。図9に図示されるように、画像100をコンピュータ124に入力することができ、このコンピュータが、例えば図6Aから図6Cにおいて示されるアルゴリズムを実施するプログラムを実行する。これらのアルゴリズムの実行においては、特定ユニット126が、医用画像中において少なくとも1つの人工物体を特定する。次いで、低減ユニット128が、人工物体のプロミネンスを低減させて、変更された人工物体を生成する。最後に、表示ユニット130が、ユーザによる視認のために、ディスプレイ上に変更された人工物体を含む医用画像を表示する。非限定的な一実施形態においては、ユーザが変更された画像を元の画像と比較することができるように、システムは変更された画像をオプションとしてユーザに提示する。
図10は、本発明の方法の一実施形態を実行可能なコンピュータ/サーバ・システム800の一実施形態を示すブロック図である。システム800は、コンピュータ/サーバ・プラットフォーム801、周辺デバイス802、およびネットワーク・リソース803を含む。
コンピュータ・プラットフォーム801は、データ・バス804、またはコンピュータ・プラットフォーム801の種々のパーツ間において情報を通信するための他の通信機構と、情報を処理し他の計算タスクおよび制御タスクを実施するための、バス801に接続されたプロセッサ805とを備えてもよい。さらに、コンピュータ・プラットフォーム801は、様々な情報およびプロセッサ805により実行されるべき命令を記憶するための、バス804に接続された、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)または他の動的記憶デバイスなどの揮発性記憶装置806を含む。揮発性記憶装置806は、プロセッサ805による命令の実行の際に一時変数または他の中間情報を記憶するために使用することができる。コンピュータ・プラットフォーム801は、基本入出力システム(BIOS)などのプロセッサ805のための静的情報および命令、ならびに様々なシステム設定パラメータを記憶するため、バス804に接続された、リード・オンリー・メモリ(ROMもしくはEPROM)807または他の静的記憶デバイスをさらに含んでよい。情報および命令を記憶するために、磁気ディスク、光ディスク、またはソリッドステート・フラッシュ・メモリ・デバイスなどの永続記憶デバイス808が用意され、バス801に接続される。
コンピュータ・プラットフォーム801は、システム管理者またはコンピュータ・プラットフォーム801のユーザに対して情報を表示するために、ブラウン管(CRT)、プラズマ・ディスプレイ、または液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ809にバス804を介して接続されてもよい。プロセッサ805に情報およびコマンド選択肢を通信するために、英数字キーまたは他のキーを備える入力デバイス820がバス801に接続される。他のタイプのユーザ入力デバイスは、方向情報およびコマンド選択肢をプロセッサ804に通信し、ディスプレイ809上のカーソルの移動を制御するための、マウス、トラックボール、またはカーソル方向キーなどのカーソル制御デバイス811である。この入力デバイスは、一般的には、第1の軸(例えばx)および第2の軸(例えばy)である2つの軸方向における2自由度を有し、それにより、デバイスは、平面中において位置を指定することが可能となる。
コンピュータ・プラットフォーム801に追加のまたはリムーバブルな記憶容量を与えるために、バス804を介して外部記憶デバイス812がコンピュータ・プラットフォーム801に接続されてもよい。コンピュータ・システム800の一実施形態においては、外部リムーバブル記憶デバイス812を、他のコンピュータ・システムとのデータの交換を容易にするために使用することができる。
本明細書において説明される技術を実現するために、コンピュータ・システム800を使用することが可能である。一実施形態によれば、本発明のシステムは、コンピュータ・プラットフォーム801などのマシン上に存在し得る。本発明の一実施形態によれば、揮発性メモリ806中に含まれる1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを実行するプロセッサ805に応じて、コンピュータ・システム800によって本明細書において説明される技術を実行できる。かかる命令は、永続記憶デバイス808などの別のコンピュータ可読媒体から揮発性メモリ806に読み込むことができる。揮発性メモリ806中に含まれる命令のシーケンスを実行することにより、本明細書において説明される方法ステップをプロセッサ805に行わせる。他の実施形態として、本発明を実現するために、ソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて、配線回路を使用することにしてもよい。したがって、本発明の実施形態は、ハードウェア回路およびソフトウェアのいかなる特定の組合せにも限定されない。
本明細書において使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行用プロセッサ805に命令を送るために使用される任意の媒体を指す。コンピュータ可読媒体は、本明細書において説明される方法および/または技術のいずれかを実現するための命令を保持することのできる機械可読媒体の一例に過ぎない。かかる媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体のような(しかしそれらに限定されない)、多数の形態をとることができる。不揮発性媒体として、例えば、記憶デバイス808などの、光ディスクまたは磁気ディスクが挙げられる。揮発性媒体には、揮発性記憶装置806などの動的メモリが含まれる。伝送媒体には、データ・バス804を備えるワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバが含まれる。さらに、伝送媒体は、電波データ通信および赤外線データ通信の際に生成される音波または光波の形態をとることが可能である。
コンピュータ可読媒体の一般的な形態には、例えば、フロッピー・ディスク、フレキシブル・ディスク、ハード・ディスク、磁気テープ、もしくは任意の他の磁気媒体、CD−ROM、任意の他の光媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH−EPROM、フラッシュ・ドライブ、メモリ・カード、任意の他のメモリ・チップもしくはメモリ・カートリッジ、以降に説明されるような搬送波、またはコンピュータによる読出しが可能な任意の他の媒体が含まれる。
実行のためのプロセッサ805への1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスの搬送に、様々な形態のコンピュータ可読媒体を使用することができる。例えば、命令は、初めに、リモート・コンピュータから磁気ディスクで運ばれてもよい。他に、リモート・コンピュータがその動的メモリ中に命令をロードし、モデムを使用して電話回線を経由して命令を送信することも可能である。コンピュータ・システム800にローカル接続されたモデムが、電話回線上でこのデータを受信し、赤外線送信機を使用して、このデータを赤外線信号に変換することも可能である。赤外線検出器は、赤外線信号に搬送されたデータを受信することが可能であり、適切な回路によりこのデータをデータ・バス804上に出力することが可能である。バス804は揮発性記憶装置806にこのデータを搬送し、揮発性記憶装置806からプロセッサ805が命令を取得して、実行する。オプションで、揮発性メモリ806で受けた命令を、プロセッサ805によって実行される前または後に、永続記憶デバイス808上に記憶してもよい。また、当技術分野においてよく知られている様々なネットワーク・データ通信プロトコルを使用して、インターネットを介してコンピュータ・プラットフォーム801中にこれらの命令をダウンロードすることもできる。
コンピュータ・プラットフォーム801は、データ・バス804に接続されたネットワーク・インターフェース・カード813などの通信インターフェースをさらに含む。通信インターフェース813により、ローカル・ネットワーク815に接続されたネットワーク・リンク814に接続する2方向データ通信が可能となる。例えば、通信インターフェース813は、対応するタイプの電話回線へのデータ通信接続を実現するための、総合デジタル通信網(ISDN)カードまたはモデムであってよい。別の例としては、通信インターフェース813は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を実現するための、ローカル・エリア・ネットワーク・インターフェース・カード(LAN NIC)であってよい。ネットワーク実現のために、公知の802.11a、802.11b、802.11g、およびブルートゥースなどの無線リンクを使用することも可能である。これらのいずれの実施形態においても、通信インターフェース813は、様々なタイプの情報を表すデジタル・データ・ストリームを搬送する電気信号、電磁信号、または光信号を送受信する。
典型的には、ネットワーク・リンク813は、1つまたは複数のネットワークを介して他のネットワーク・リソースへのデータ通信を実現する。例えば、ネットワーク・リンク814で、ローカル・ネットワーク815を介してホスト・コンピュータ816またはネットワーク・ストレージ/サーバ817への接続を実現してもよい。加えて、または代替として、ネットワーク・リンク813は、ゲートウェイ/ファイアウォール817を介してインターネットなどの広域またはグローバル・ネットワーク818に接続してもよい。したがって、コンピュータ・プラットフォーム801は、リモート・ネットワーク・ストレージ/サーバ819などの、インターネット818上の任意の場所にあるネットワーク・リソースにアクセスすることが可能となる。一方、さらに、コンピュータ・プラットフォーム801には、ローカル・エリア・ネットワーク815および/またはインターネット818上の任意の場所にあるクライアントからアクセスすることもできる。ネットワーク・クライアント820および821は、プラットフォーム801と同様のコンピュータ・プラットフォームに基づいて、それら自体において実装され得る。
ローカル・ネットワーク815およびインターネット818は共に、デジタル・データ・ストリームを搬送する電気信号、電磁信号、または光信号を使用する。コンピュータ・プラットフォーム801へ、またはコンピュータ・プラットフォーム801からデジタル・データを搬送する、種々のネットワークを経由する信号、およびネットワーク・リンク814上にあり通信インターフェース813を経由する信号は、情報を運ぶ搬送波の例示的な形態である。
コンピュータ・プラットフォーム801は、インターネット818およびLAN815を含む様々なネットワーク(または複数のネットワーク)、ネットワーク・リンク814、および通信インターフェース813を介して、メッセージを送信し、プログラム・コードを含むデータを受信することが可能である。インターネットの例においては、システム801が、ネットワーク・サーバとしての役割を果たす場合には、システム801は、インターネット818、ゲートウェイ/ファイアウォール817、ローカル・エリア・ネットワーク815、および通信インターフェース813を介して、クライアント(または複数のクライアント)820および/または821上で実行されるアプリケーション・プログラムのための要求されたコードまたはデータを伝送し得る。同様に、システム801は、他のネットワーク・リソースからコードを受信し得る。
受信されたコードは、受信された際にプロセッサ805により実行され、および/または、永続性もしくは揮発性記憶デバイス808および806のそれぞれに、または後の実行のために他の不揮発性記憶装置に記憶され得る。このようにすることで、コンピュータ・システム801は、搬送波の形態でアプリケーション・コードを取得することができる。
最後に、本明細書において説明されたプロセスおよび技術は、いずれかの特定の装置に本質的に関係付けられるものではなく、構成要素の任意の適切な組合せにより実現され得ることを理解されたい。さらに、様々なタイプの汎用デバイスを、本明細書において説明される教示にしたがって使用することができる。また、本明細書において説明される方法ステップを実施するために専用装置を構築することが有利であることが理解されよう。本発明は、あらゆる点において限定的なものではなく例示的なものとして意図される特定の例に関連して説明されている。ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの多数の様々な組合せが本発明の実施に適することとなることが、当業者には理解されよう。例えば、説明されたソフトウェアは、アセンブラ、C/C++、パール、シェル、PHP、Java、等の多様なプログラミング言語またはスクリプト言語において実現され得る。
本発明の種々の代表的な実施形態が、ある程度の特殊性を伴って上述されたが、当業者は、本明細書および特許請求の範囲において述べられる本発明の主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、開示される実施形態に対して多数の変更をなすことが可能である。本明細書において直接的にまたは間接的に述べられた方法においては、種々のステップおよび作業が、1つの可能な作業順序において説明されるが、これらのステップおよび作業は、本発明の趣旨および範囲から必ずしも逸脱することなく、再構成、置換、または省略され得ることが、当業者には理解されよう。また、説明される実施形態の種々の態様および/または構成要素を、コンピュータ・ストレージ・システムにおいて、単独でまたは任意の組合せで使用することができる。上述の説明中に含まれる、または添付の図面中に示されるすべての事項は、単なる例示としておよび非限定的なものとして解釈されるものとすることが意図される。