JP2011120802A - バルーンカテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】硬い狭窄部であっても容易に貫通させることができ、さらに手技が容易で手技時間の短縮が可能なバルーンカテーテルを提供する。
【解決手段】バルーンカテーテル10は、ハブ22を基端側に設けたシャフト18と、シャフト18の先端近傍に設けられ、圧力付与装置からの圧力により拡張するバルーン16と、シャフト18内に形成され、先端側開口部20a、及び基端側開口部26を介してガイドワイヤ24が挿通されるワイヤ用ルーメン28aとを有するカテーテル本体12を備える。バルーンカテーテル10は、さらに、シャフト18の外面上を摺動し、カテーテル本体12に対して軸方向に移動可能なシース14を備え、シース14をカテーテル本体12に対して移動させた場合に、ワイヤ用ルーメン28aの基端側開口部26と重なる位置でガイドワイヤ24が通過可能にシース14の内外を貫通し、軸方向に長尺な開口部36が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、生体器官内の狭窄部の処置等に用いられるバルーンカテーテルに関する。
例えば、心筋梗塞や狭心症の治療では、冠動脈の病変部(狭窄部)をバルーンカテーテルにより押し広げる方法が行われており、他の血管、胆管、気管、食道、尿道、その他の臓器等の生体器官内に形成された狭窄部の改善についても同様に行われることがある。バルーンカテーテルは、一般的に、長尺なシャフトと、該シャフトの先端側に設けられて径方向に拡張するバルーンとを備えて構成され、先行するガイドワイヤが挿通されることで体内の狭窄部へと送られる。
特許文献1には、内側カテーテル(カテーテル本体)の先端側のバルーンにステントを備え、ステントの挿入中の保護シースとして外側カテーテルを前記内側カテーテルの外面上に移動可能に設けた構成からなるステントデリバリー用のバルーンカテーテルが記載されている。
特許文献1に記載の構成では、内側カテーテルからガイドワイヤの基端側を導出するために、内側カテーテル及び外側カテーテルにそれぞれポートが形成され、これらが整列されている。この場合、外側カテーテルのポートは、該外側カテーテルの最先端まで切込みがされたスリットと連なっており、これにより、ガイドワイヤが挿通された状態での外側カテーテルの移動を確保している。従って、外側カテーテルを内側カテーテルに対して移動させる際にガイドワイヤがスリット内に押し込まれ、固定されてしまう可能性がある。
そこで、特許文献2には、外側カテーテルと内側カテーテルの各ポートの整列状態を保持手段により維持し、上記のようにガイドワイヤが固定されることを阻止するための構成が開示されている。
欧州特許第0505686号明細書 特開平11−9696号公報
ところで、バルーンカテーテルを体内へと挿通させて狭窄部へと送る場合、先ず、ガイドワイヤに沿って剛性の高い狭窄部通過用の貫通カテーテルを挿入して狭窄部をある程度広げ、その後、ガイドワイヤにバルーンカテーテルを差し替えて狭窄部まで送るという手技を行うことがある。この場合、貫通カテーテルとバルーンカテーテルとを別途用意しておく必要があるため、デバイス数の増加によるコスト増や手技の煩雑化を生じ、さらに手技時間が延びる傾向となる。
そこで、バルーンカテーテルを内側カテーテル(カテーテル本体)として用い、貫通カテーテルを外側カテーテル(シース)として一体的に用いることが考えられる。
ところが、上記特許文献1に記載の構成の場合、外側カテーテルには、その最先端まで前記スリットが形成されており、つまり、外側カテーテルには狭窄部の貫通性が全く付与されておらず、硬い狭窄部に対しては貫通カテーテルを別途用意する必要がある。さらに、スリットへのガイドワイヤの挟み込みにより外側カテーテルの移動がスムーズに行われない可能性もあり、外側カテーテルを貫通カテーテルとして使用することは困難な構造となっている。
上記特許文献2に記載の構成の場合、ガイドワイヤの導出用のポートが内側カテーテルと外側カテーテルとで完全に整列及び一体化されており、外側カテーテルの内側カテーテルに対するスムーズな移動が困難であり、従って、外側カテーテルを貫通カテーテルとして使用することは困難な構造となっている。また、外側カテーテルを貫通カテーテルとして用いる点については考慮されておらず、結局、硬い狭窄部に対しては貫通カテーテルを別途用意する必要がある。
本発明はこのような従来の課題を考慮してなされたものであり、硬い狭窄部であっても容易に貫通させることができ、さらに手技が容易で手技時間の短縮が可能なバルーンカテーテルを提供することを目的とする。
本発明に係るバルーンカテーテルは、圧力付与装置を取り付け可能なハブを基端側に設けたシャフトと、前記シャフトの先端近傍に設けられ、前記シャフト内に形成された拡張ルーメンを介して印加される前記圧力付与装置からの圧力により拡張するバルーンと、前記シャフト内に形成され、前記バルーンより先端側の先端側開口部、及び前記バルーンより基端側で前記ハブより先端側の基端側開口部を介してガイドワイヤが挿通されるガイドワイヤ用ルーメンとを有するカテーテル本体を備えたバルーンカテーテルであって、前記シャフトの外面上を摺動し、前記カテーテル本体に対して軸方向で相対的に移動可能なシースを備え、前記シースの途中には、該シースを前記カテーテル本体に対して移動させた場合に、前記ガイドワイヤ用ルーメンの前記基端側開口部と重なる位置で前記ガイドワイヤが通過可能に該シースの内外を貫通し、軸方向に長尺な開口部が設けられ、前記バルーンの先端から前記ガイドワイヤ用ルーメンの前記基端側開口部までの軸方向距離は、前記シースの最先端から前記開口部の基端部までの軸方向距離以下であり、且つ、前記バルーンの先端から前記バルーンの基端までの軸方向距離は、前記シースに設けた前記開口部の軸方向距離以下であることを特徴とする。
このような構成によれば、バルーンをシャフトの先端近傍に設け、ガイドワイヤ用ルーメンの途中にガイドワイヤを導出する基端側開口部を設けたカテーテル本体と、シャフトの外面上を摺動し、カテーテル本体に対して軸方向で相対的に移動可能であり、且つ前記基端側開口部に重なる開口部を設けたシースとを備えたことにより、基端側開口部及び開口部を通過したガイドワイヤと開口部の縁部とが接触することを防止しながらシースを円滑に進退移動させることができる。さらに、バルーンの先端からガイドワイヤ用ルーメンの基端側開口部までの軸方向距離が、シースの最先端から開口部の基端部までの軸方向距離以下であり、且つ、バルーンの先端からバルーンの基端までの軸方向距離が、シースに設けた開口部の軸方向距離以下であることにより、バルーンを含むカテーテル本体の先端側をシースによって確実にカバーすることができると共に、バルーンを確実に露出・拡張させることもできる。このため、例えば、硬い狭窄部を貫通するための貫通カテーテル等を別途準備せず、シースにより硬い狭窄部であっても確実に貫通することができ、さらに貫通後、迅速に狭窄部でバルーンを拡張させることができるため、操作性が向上して手技が容易となると共に、手技時間の短縮が可能となり、デバイス数の削減も図られる。
この場合、前記シースの最先端近傍にX線で視認できるX線不透過マーカを設けるか、又は該シースの最先端近傍に造影性のある粒子等を混練させてもよく、これにより、生体内でシースの先端位置をX線撮影により確実に視認することができ、操作性を一層向上させることができる。
前記カテーテル本体の最先端から前記ガイドワイヤ用ルーメンの前記基端側開口部までの軸方向距離は、前記シースの最先端から前記開口部の基端部までの軸方向距離以下であり、且つ、前記カテーテル本体の最先端から前記バルーンの基端までの軸方向距離は、前記シースに設けた前記開口部の軸方向距離以下であると、シースにより一層確実にカテーテル本体の先端側をカバーすることができると共に、バルーンを確実に露出・拡張させることができる。
前記シャフトの外周面には、前記シースが前記カテーテル本体の先端側へと前進した際に露出して、該シースの移動位置を表示する位置マーカが設けられていてもよい。そうすると、手元でシースの進退位置を容易に把握することができ、操作性が一層向上する。
また、前記シースの前進限度を規定する過前進防止機構を有すると、シースをカテーテル本体に対して前進させる際、該シースが過度に前進することが防止される。
前記過前進防止機構は、前記シャフトの基端側に設けられた前記ハブと、前記シースの基端側に設けられたシース側ハブとを連結し、且つ前記シースの移動範囲に対応した長さに設定された可撓性部材を含む構成とすると、前記可撓性部材によりシースの過度な前進を確実に防止することができる。
また、前記過前進防止機構は、前記シースの基端側に設けられて拡径したストッパと、前記ストッパを移動可能に収納すると共に、前記シースの移動範囲に対応した長さに設定され、先端側に前記ストッパが当接する突起部を設けて、前記シャフトに固定された筒体とを含む構成とすると、前記ストッパと前記突起部との当接により、シースの過度な前進を確実に防止することができる。
この場合、前記筒体の外面と、前記シースの基端側に設けられたシース側ハブとは、互いに軸方向に移動可能且つ互いに回転不能に係合していてもよい。そうすると、シースとカテーテル本体との位相ずれを防止することができ、ガイドワイヤを導出する基端側開口部と開口部との位相を確実に対応させておくことができる。
なお、前記シースの基端側には、該シースの内面と前記シャフトの外面との間に液体を送液可能なポートを有するシース側ハブを設けてもよい。これにより、シースとシャフトの間の隙間空間に、例えば、生理食塩水等を容易にフラッシュすることができ、該隙間空間内に入り込んだ空気を抜き、開口部からの血液等の浸入を防止することができる。
本発明によれば、バルーンをシャフトの先端近傍に設け、ガイドワイヤ用ルーメンの途中にガイドワイヤを導出する基端側開口部を設けたカテーテル本体と、シャフトの外面上を摺動し、カテーテル本体に対して軸方向で相対的に移動可能であり、且つ前記基端側開口部に重なる開口部を設けたシースとを備えたことにより、基端側開口部及び開口部を通過したガイドワイヤと開口部の縁部とが接触することを防止しながらシースを円滑に進退移動させることができる。
さらに、バルーンの先端からガイドワイヤ用ルーメンの基端側開口部までの軸方向距離が、シースの最先端から開口部の基端部までの軸方向距離以下であり、且つ、バルーンの先端からバルーンの基端までの軸方向距離が、シースに設けた開口部の軸方向距離以下であることにより、バルーンを含むカテーテル本体の先端側をシースによって確実にカバーすることができると共に、バルーンを確実に露出・拡張させることもできる。このため、例えば、硬い狭窄部を貫通するための貫通カテーテル等を別途準備せず、シースにより硬い狭窄部であっても確実に貫通することができ、さらに貫通後、迅速に狭窄部でバルーンを拡張させることができるため、操作性が向上して手技が容易となると共に、手技時間の短縮が可能となり、デバイス数の削減も図られる。
本発明の一実施形態に係るバルーンカテーテルの全体構成図である。 図1に示す状態からシースを前進させて、折り畳んだバルーンを該シースにより覆った状態を示す全体構成図である。 図1に示す状態でのバルーンカテーテルの側面断面図である。 図2に示す状態でのバルーンカテーテルの側面断面図である。 シースに形成された開口部及びその周辺部を拡大した一部省略平面図である。 シースの前進限度の設定位置の変形例を示す一部省略側面断面図である。 シースの先端側へのX線不透過マーカの設置例を示す一部省略側面断面図である。 図8Aは、シース本体の外周面への該シースの分割除去用の溝の設置例を示す一部省略側面断面図であり、図8Bは、図8A中のVIIIB−VIIIB線に沿う断面図である。 シースの過前進防止機構の変形例に係る一部省略側面断面図である。 図9に示す状態からシースを前進させた状態での一部省略側面断面図である。 図9中のXI−XI線に沿う断面図である。
以下、本発明に係るバルーンカテーテルについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るバルーンカテーテル10の全体構成図であり、カテーテル本体12の外周側に配置されたシース14を後退させて、バルーン16を露出・拡張させた状態を示している。図2は、図1に示す状態からシース14を前進させて、折り畳んだバルーン16を該シース14により覆った状態を示す全体構成図である。また、図3は、図1に示す状態でのバルーンカテーテル10の側面断面図であり、図4は、図2に示す状態でのバルーンカテーテル10の側面断面図である。
本実施形態に係るバルーンカテーテル10は、細径で長尺なカテーテル本体12及びシース14を生体器官、例えば冠動脈に挿通させ、その先端近傍に設けられたバルーン16を狭窄部(病変部)で拡張させることで該狭窄部を押し広げて治療する、いわゆるPTCA(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty:経皮的冠動脈形成術)拡張カテーテルである。本発明は、このようなPTCA拡張カテーテル以外のもの、例えば、他の血管、胆管、気管、食道、尿道、その他の臓器等の生体器官内に形成された病変部の改善のためのカテーテルにも適用可能である。
図1及び図2に示すように、バルーンカテーテル10は、細径で長尺なカテーテル本体(内側カテーテル)12と、カテーテル本体12の外周側に摺動可能に外嵌されることで、該カテーテル本体12に対して軸方向で相対的に移動可能なシース(外側カテーテル)14とを備える。シース14は、カテーテル本体12の先端側をカバーすることにより硬い狭窄部を確実に貫通するための貫通カテーテルとして機能するものであり、狭窄部の貫通後は後退されてバルーン16を露出・拡張させることができる。
カテーテル本体12は、細径で長尺なシャフト18と、シャフト18の最先端に固着された先端チップ20と、先端チップ20の基端側に設けられたバルーン16と、シャフト18の基端側に設けられたハブ22とを備える。シャフト18の途中でやや先端側寄りにはガイドワイヤ24の基端側が導出される基端側開口部26が設けられており、つまりバルーンカテーテル10は、いわゆるラピッドエクスチェンジタイプと呼ばれる種類である。以下、理解の容易のため、図1及び図2におけるシャフト18の右側(ハブ22側)を「基端(後端)」側、シャフト18の左側(先端チップ20及びバルーン16側)を「先端」側と呼ぶ。
図1〜図4に示すように、シャフト18は、ガイドワイヤ24が挿通されるワイヤ用ルーメン28aを形成した内管(ガイドワイヤチューブ)28と、バルーン16の拡張用流体として造影剤等を供給するための拡張用ルーメン30aを内管28の外周面との間に形成した外管30とから構成される同心二重管である。
内管28は、その先端が先端チップ20の内側略中央に位置すると共に、バルーン16及び外管30内を延在し、その基端が外管30の中間部に形成された基端側開口部26に液密に接合されている。従って、先端チップ20の先端側開口部20aを入口として挿入されたガイドワイヤ24は、内管28のワイヤ用ルーメン28aを先端側から基端側へと挿通し、出口である基端側開口部26から導出される。
外管30は、バルーン16の後端からハブ22の先端まで延びており(図3参照)、先端から基端側開口部26までの部位は内管28との間に拡張用ルーメン30aを形成する二重管を構成し、基端側開口部26からハブ22までの部位は一重管である。外管30は、ハブ22に設けられるルアーテーパー22a等を介して取り付けられる図示しないインデフレーター等の圧力付与装置から圧送される拡張用流体をバルーン16まで送液可能である。
内管28は、例えば、外径が0.1〜1.0mm程度、好ましくは0.3〜0.7mm程度であり、肉厚が10〜150μm程度、好ましくは20〜100μm程度であり、長さが100〜2000mm程度、好ましくは150〜1500mm程度のチューブであり、先端側と基端側とで外径や内径が異なるものでもよい。外管30は、例えば、外径が0.3〜3.0mm程度、好ましくは0.5〜1.5mm程度であり、肉厚が約10〜150μm程度、好ましくは20〜100μm程度、長さが300〜2000mm程度、好ましくは700〜1600mm程度のチューブであり、先端側と基端側とで外径や内径が異なるものでもよい。
これら内管28及び外管30は、術者が基端側を把持及び操作しながら、長尺なシャフト18を血管等の生体器官内へと円滑に挿通させることができるために、適度な可撓性と適度な強度(コシ。剛性)を有する構造であることが好ましい。そこで、内管28及び外管30は、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、或いはこれら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料或いはこれらの混合物、或いは上記2種以上の高分子材料の多層チューブ等で形成するとよい。
バルーン16は、内圧の変化により折り畳み及び拡張が可能であり、図3に示すように、拡張用ルーメン30aを介して内部に注入される拡張用流体により筒状(円筒状)に拡張する筒部16aと、筒部16aの先端側で漸次縮径する先端テーパ部16bと、筒部16aの基端側で漸次縮径する基端テーパ部16cとを有する。
バルーン16は、先端テーパ部16bの先端側に設けられた非拡張部位である円筒部分が内管28の外周面に液密に接合され、基端テーパ部16cの基端側に設けられた非拡張部位である円筒部分が外管30の先端部に液密に接合されることにより、シャフト18に固着されている。先端側の円筒部分の内径は、内管28の外径に略一致しており、基端側の円筒部分の外径は、外管30の外径に略一致している。バルーン16と内管28(外管30)とは、液密に固着されればよく、例えば接着や熱融着によって接合するとよい。
バルーン16は、拡張時の大きさが、例えば、筒部16aの外径が1〜6mm程度、好ましくは1〜5mm程度であり、長さが5〜50mm程度、好ましくは5〜40mm程度である。また、先端側の非拡張部位である円筒部分の外径は、0.5〜1.5mm程度、好ましくは0.6〜1.3mm程度であり、先端チップ20の外径と略同一とされ、長さは1〜5mm程度、好ましくは1〜2.0mm程度である。基端側の非拡張部位である円筒部分の外径は0.5〜1.6mm程度、好ましくは0.7〜1.5mm程度であり、長さは1〜5mm程度、好ましくは2〜4mm程度である。さらに先端テーパ部16b及び基端テーパ部16cの長さは1〜10mm程度、好ましくは3〜7mmで程度である。
このようなバルーン16は、内管28及び外管30と同様に適度な可撓性が必要とされると共に、狭窄部を確実に押し広げることできる程度の強度が必要であり、その材質は、例えば、上記にて例示した内管28及び外管30のものと同一でよく、勿論他の材質であってもよい。
図3に示すように、バルーン16内に位置した内管28の外周面に、金や白金等からなるX線(放射線)不透過性を有する材質(放射線不透過性材)によって形成されたX線不透過マーカ31を設けることもできる。そうすると、生体内でバルーン16の位置をX線撮影により確実に視認することができ、操作性を向上させることができる。
図3に示すように、先端チップ20は、その外径がバルーン16の先端側の円筒部分と略同一であり、その内径が内管28の外径と略同一とされた短尺なチューブであり、例えば、軸線方向の長さが0.5〜10mm程度である。先端チップ20は、内管28の先端部に外嵌及び液密に接合されてワイヤ用ルーメン28aの先端開口部よりも先端側に突出している。図3から諒解されるように、先端チップ20の先端側開口部20aは、内管28のワイヤ用ルーメン28aに連通し、ガイドワイヤ24の入口となっている。
このような先端チップ20は、その材質や形状を適宜設定することにより、内管28(外管30)よりも柔軟に構成されることが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、或いはこれら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料或いはこれらの混合物、或いは上記2種以上の高分子材料の多層チューブ等で形成するとよい。
先端チップ20は、その周囲がシース14で完全にカバーされた状態(図4参照)以外の状態、つまり露出した状態(図3及び図6参照)では、バルーンカテーテル10の最先端として生体器官内での湾曲部や凹凸部等を柔軟に進むと共に、狭窄部(病変部)を貫通し、当該バルーンカテーテル10の円滑な挿通を先導する。
図1〜図4に示すように、シース14は、カテーテル本体12の外周側に配置されて外管30の外面上を摺動し、該カテーテル本体12に対して軸方向で相対的に移動可能なチューブである。
シース14は、生体器官内での円滑な挿通を先導するテーパ部32aを先端に設けた細径で長尺なシース本体32と、該シース本体32の基端側に設けられたシース側ハブ34とを備える。シース本体32の途中には、シャフト18の基端側開口部26から導出されたガイドワイヤ24を外部に通過させるための開口部(スリット)36が形成されている。開口部36は、シース本体32の内外を貫通して軸方向に延びた長孔であり、上記のようにシース本体32の途中に形成されていることから、シース本体32の先端はその円周方向に連続している(図3及び図5参照)。この開口部36により、基端側開口部26からのガイドワイヤ24をシース本体32の外部へと確実に導出することができる。
本実施形態の場合、シース14は、図1及び図3に示すようにバルーン16を完全に露出させることができる位置(後退限度)から、図2及び図4に示すようにカテーテル本体12(バルーン16及び先端チップ20)を完全にカバーすることができる位置(前進限度)までシャフト18上を摺動可能である。そこで、前記前進限度から後退限度までのシース14の移動範囲内でガイドワイヤ24を確実に導出させるため、開口部36は、軸方向の先端36aと後端36bとが前記移動範囲内では常にシャフト18の基端側開口部26と重なる寸法で形成されている(図3〜図5参照)。
すなわち、図3及び図4に示すように、カテーテル本体12の最先端(先端チップ20の先端)からワイヤ用ルーメン28aの基端側開口部26までの軸方向距離(距離L1+距離L2)は、シース14(シース本体32)の最先端から開口部36の後端36bまでの軸方向距離(距離L3+距離L4)以下に設定されている(L1+L2≦L3+L4)。さらに、カテーテル本体12の最先端(先端チップ20の先端)からバルーン16の基端までの軸方向距離L1は、シース14の開口部36の軸方向距離L4以下に設定されている(L1≦L4)。
また、図5に示すように、開口部36の幅W(平面視で軸方向に直交した寸法)は、シャフト18(外管30)の直径Dよりも小さく設定されることが好ましい。そうすると、バルーンカテーテル10の操作中等において、開口部36付近でシース本体32及びシャフト18が曲げられた場合に、開口部36からシャフト18が飛び出すことを防止することができる。例えば、開口部36の幅Wと外管30の直径Dは、0.2D≦W≦0.8D、の範囲に設定するとよい。
このようなバルーンカテーテル10には、シース14が前記移動範囲を超えて過剰に移動して、開口部36の先端36aや後端36bとガイドワイヤ24とが接触することを防止するために、シース14の過移動防止機構を設けるとよい。
図3及び図4に示すように、前記過移動防止機構は、シース14が前記後退位置まで移動した状態(図1及び図3参照)では、シース側ハブ32の基端部がハブ22先端のテーパ部22bに嵌合すると共にフランジ部22cに当接して停止される構造(過後退防止機構)と、シース14が前記前進位置まで移動した状態(図2及び図4参照)では、ハブ22とシース側ハブ34との間に結合されたワイヤ38が張り、シース14のそれ以上の前進が防止される構造(過前進防止機構)とを有する。ワイヤ38は、糸等の可撓性部材であり、ハブ22とシース側ハブ34とが最大限まで離間した状態(図2及び図4に示すシース14の前進限度)で最大限まで張った状態となる長さ、つまりシース14の移動範囲(距離L1や距離L4)と略同一長さであり、これによりシース14の前進限度を規定可能である。
図4に示すように、シャフト18を構成する外管30の外周面には、その軸方向に所定間隔を介して並んだ複数の移動位置マーカ39を設けてもよい。移動位置マーカ39は、使用時に体内に挿入されて直接的に視認できないシース本体32の最先端位置とカテーテル本体12との位置関係を表示するものであり、例えば、シース14の前進限度(図4参照)や、バルーン16がシース14から完全に露出する位置(図3参照)等に対応して予め設計・設置しておけばよい。移動位置マーカ39は、外管30の外周面にインク等で記す方法や、外管30の外周面を削る方法や熱で溶かす方法等、視認可能であればどのような方法で設けてもよい。
図3及び図4に示すように、シース側ハブ32は、ハブ22のテーパ部22bに嵌合する基端側のルアーテーパー40と、略中央部から該シース14の軸方向に対して斜め方向に延びたルアーテーパー42aを有するポート42とを備えたY型ハブである。
ポート42からの流路42bは、シース本体32の側孔44を介して該シース本体32の内面とシャフト18の外面との間の空間Aに連通している。これにより、ポート42をプライミングポートとして機能させ、生理食塩水等をシース本体32とシャフト18との間の空間Aに容易にフラッシュすることができ、空間A内に入り込んだ空気を抜き、開口部36からの血液等の浸入を防止することができる。また、ポート42は、開口部36からの薬剤の吹き付け等に用いることもできる。
シース本体32は、シャフト18上を摺動することから、その内径がシャフト18の外径よりも大きく設定されている必要があり、例えば、内径が0.3〜3.0mm程度、好ましくは、0.5〜1.5mm程度であり、肉厚が約10〜300μm程度、好ましくは30〜200μm程度、長さが300〜2000mm程度、好ましくは700〜1600mm程度のチューブであり、その内面は軸方向で均一径であり、外面は先端に前記テーパ部32aを有することが好ましい。
このようなシース本体32は、その材質や肉厚等を適宜設定することにより、カテーテル本体12(シャフト18)よりも高い剛性で構成されることが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、或いはこれら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料或いはこれらの混合物、或いは上記2種以上の高分子材料の多層チューブ等で形成するとよい。ここで、シース本体32がカテーテル本体12よりも剛性が高い構成であるとは、単に硬い材質で構成される場合は勿論、それ以外、例えば、シース本体32の肉厚を厚くすることで剛性を高めた構造等であってもよい。また、シース本体32とシャフト18との摺動性を一層確実に確保するために、両部材の摺動面の一方又は両方にPTFE等のフッ素系樹脂等をコーティングしてもよい。
なお、シース14の移動範囲における前進限度は、上記のようにカテーテル本体12、つまり先端チップ20を完全にカバーできる位置以外であってもよく、図6に示すように、シース14が前進位置にある状態で先端チップ20の少なくとも一部(先端側部分)がシース本体32の最先端(テーパ部32aの先端)から突出するように設定してもよい。
図4等から諒解されるように、シース本体32の外径は、ガイドワイヤ24に比べて相当に大きいことから、図6に示すように、シース本体32の先端側に先端チップ20が突出するように構成することで、当該バルーンカテーテル10の最先端部分が、ガイドワイヤ24の外径、先端チップ20の外径、及びシース14の外径(テーパ部32a)へと次第に拡径するテーパ形状となる。これにより、バルーンカテーテル10の最先端部分での段差が可及的に低減され、狭窄部までの移動が一層円滑になり、操作性も向上する。この際、当該バルーンカテーテル10の最先端部分で最も大径となるシース14の先端にテーパ部32aが形成されていることにより、上記したガイドワイヤ24からシース14までのテーパ形状が一層滑らかに構成されるため、その操作性や貫通性を一層向上させることができる。
図6に示す構成の場合、例えば、先端チップ20のシース14からの突出部位の基端からワイヤ用ルーメン28aの基端側開口部26までの軸方向距離(距離L1a+距離L2)が、シース14(シース本体32)の最先端から開口部36の後端36bまでの軸方向距離(距離L3+距離L4)以下に設定され(L1a+L2≦L3+L4)、先端チップ20の前記突出部位の基端からバルーン16の基端までの軸方向距離L1aが、シース14の開口部36の軸方向距離L4以下に設定されるとよい(L1a≦L4)。
次に、以上のように構成される本実施形態に係るバルーンカテーテル10の作用について説明する。
先ず、冠動脈内等に発生した狭窄部(病変部)の形態を、血管内造影法や血管内超音波診断法により特定する。次に、例えばセルジンガー法によって大腿部等から経皮的に血管内にガイドワイヤ24を先行して導入すると共に、該ガイドワイヤ24を先端チップ20の先端側開口部20aから内管28のワイヤ用ルーメン28aを挿通させて基端側開口部26へと導出しつつバルーンカテーテル10を冠動脈内へと挿入する。
そして、X線透視下で、ガイドワイヤ24を目的とする狭窄部へ進め、その狭窄部を通過させて留置すると共に、バルーンカテーテル10をガイドワイヤ24に沿って冠動脈内に進行させる。そうすると、バルーンカテーテル10の最先端が狭窄部に到達して通過(貫通)し、バルーン16が狭窄部に位置するため、ハブ22側から拡張用ルーメン30a内へと拡張用流体(例えば、造影剤)を圧送することにより、バルーン16が拡張して狭窄部が押し広げられ、所定の治療を行うことができる。
このようにバルーンカテーテル10をガイドワイヤ24に沿って体内へと挿入する際には、例えば、図4に示すようにシース14を前進限度に設定しておくことにより、カテーテル本体12よりも高い剛性からなるシース本体32が貫通カテーテルとして機能するため、硬い狭窄部であっても容易に且つ確実に貫通させることができる。そして、貫通後には、シース14を後退させることにより、狭窄部でバルーン16を露出させ拡張させることができる。しかも、当該バルーンカテーテル10の最先端部分で最も大径となるシース14の先端にテーパ部32aが形成されていることにより(図4参照)、シース14による貫通性を一層向上させることができ、バルーンカテーテル10の操作性や体内での挿通性が一層向上する。
一方、目的とする狭窄部までの経路の凹凸形状等が複雑且つ硬い場合等には、該凹凸形状に沿って柔軟にバルーンカテーテル10を進行させる必要が生じることもある。そこで、このような場合には、シース14を適宜後退させて比較的柔軟なカテーテル本体12の先端側を露出させ、先端チップ20を最先端として進行させることにより、前記凹凸形状に柔軟に対応しながらバルーンカテーテル10を目的の狭窄部まで容易に到達させることができ、また、狭窄部が硬い場合には、その直前でシース14を図4や図6に示す位置まで前進させることにより、容易に且つ確実に狭窄部を貫通させることができる。
以上のように、本実施形態に係るバルーンカテーテル10は、バルーン16を先端側に設け、シャフト18の途中にガイドワイヤ24を導出する基端側開口部26を設けたカテーテル本体12と、カテーテル本体12の外周側で該カテーテル本体12に対して軸方向に移動可能であり、且つ前記基端側開口部26に重なる開口部36を設けたシース14とを備える。
従って、基端側開口部26及び開口部36を通過したガイドワイヤ24とシース本体32(開口部36の縁部)とが接触することを防止しながらシース14を円滑に進退移動させることができる。これにより、カテーテル本体12の先端側をシース14によってカバーすることができると共に、バルーン16を露出・拡張させることもできるため、別途硬い狭窄部を貫通するための貫通カテーテル等を準備する必要がない。すなわち、バルーンカテーテル10によれば、シース14により硬い狭窄部であっても確実に貫通することができ、さらに貫通後、迅速に狭窄部でバルーン16を拡張させることができるため、操作性が向上して手技が容易となると共に、手技時間の短縮が可能となり、デバイス数の削減も図られる。また、シース14の開口部36は、シース本体32の最先端から距離L3分オフセットした位置に開口形成されているため、上記特許文献1の構成のように、シース本体32の最先端(テーパ部32a)に低強度な部位(スリット等)がなく、高い貫通力を得ることができる。
この場合、図3及び図4に示すように、カテーテル本体12の最先端から基端側開口部26までの軸方向距離(距離L1+距離L2)が、シース14(シース本体32)の最先端から開口部36の後端36bまでの軸方向距離(距離L3+距離L4)以下に設定され(L1+L2≦L3+L4)、さらに、カテーテル本体12の最先端からバルーン16の基端までの軸方向距離L1が、シース14の開口部36の軸方向距離L4以下に設定される(L1≦L4)。一方、カテーテル本体12の最先端を完全にカバーしない設定の場合には、図6に示すように、先端チップ20のシース14からの突出部位の基端からワイヤ用ルーメン28aの基端側開口部26までの軸方向距離(距離L1a+距離L2)が、シース14(シース本体32)の最先端から開口部36の後端36bまでの軸方向距離(距離L3+距離L4)以下に設定され(L1a+L2≦L3+L4)、先端チップ20の前記突出部位の基端からバルーン16の基端までの軸方向距離L1aが、シース14の開口部36の軸方向距離L4以下に設定される(L1a≦L4)。
これにより、カテーテル本体12の最先端までをシース14によって一層確実にカバーすることができると共に、バルーン16を確実に露出・拡張させることができ、さらに、シース14の途中に設けられた開口部36の縁部とガイドワイヤ24とが強く接触することも一層確実に防止される。
シース14の移動範囲は、少なくともバルーン16を完全にカバーでき、且つバルーン16を完全に露出させることができれば、シース14の貫通カテーテルとしての貫通機能と、バルーン16の拡張との両立を図ることができる。そこで、図6に示すように、バルーン16の先端からワイヤ用ルーメン28aの基端側開口部26までの軸方向距離(距離L1b+距離L2)が、シース14(シース本体32)の最先端から開口部36の後端36bまでの軸方向距離(距離L3+距離L4)以下に設定され(L1b+L2≦L3+L4)、バルーン16の軸方向距離L1bが、シース14の開口部36の軸方向距離L4以下に設定されていればよい(L1b≦L4)。なお、先端チップ20を省略した構成にする場合には、実質的に距離L1bが距離L1と同一となることは言うまでもない。
バルーンカテーテル10では、シース14の位置を後退限度や、前進限度と後退限度との中間位置付近に適宜設定することで、シース14の最先端からのカテーテル本体12の突出量を適宜変化させることができる。これにより、当該バルーンカテーテル10の先端側を柔軟に構成し、中間部を中間的な剛性に構成し、ハブ22やシース側ハブ32を設けた基端側を高い剛性に構成することができ、各部の剛性を適宜変化させることができるため、その操作性を一層向上させることができる。一般に、バルーンカテーテルは、その先端側は生体器官の凹凸形状に柔軟に対応できる柔軟性が求められ、その基端側は長尺なバルーンカテーテルを生体器官内へと円滑に挿通させるために適度な強度を有する構造であることが好ましいからである。このように、本実施形態の場合には、カテーテル本体12よりも剛性の高いシース14を適宜進退させることで、カテーテル本体12の剛性バランスを可変にして、適切に調整することができるため、病変や体内の状態に応じてシャフトバランスを容易に最適化することができる。
特に、バルーンカテーテル10のように、シャフト18の先端側に該シャフト18より柔軟な先端チップ20を備えた場合には、硬い狭窄部を貫通する際に、先端チップ20を覆うことができる高剛性のシース14を用いることは有効である。さらに、シース14を後退させて先端チップ20等を露出させた状態では、カテーテル本体12の柔軟性が有効に機能するため、体内の凹凸形状や屈曲部位を円滑に進行することができると共に、基端側はシース14によって高い剛性が付与されるため、その操作性も向上する。
また、本実施形態のように、いわゆるラピッドエクスチェンジタイプと呼ばれるバルーンカテーテル10では、ガイドワイヤ24を導出するための基端側開口部26がシャフト18の途中に形成されるため、該基端側開口部26の近傍の剛性が低下する傾向にある。そこで、シース14を設けたことにより、シャフト18の低下した剛性を補い、ガイドワイヤ24の取り出し部周辺の強度を高めることができる。
バルーンカテーテル10では、シース14の移動位置を外部から容易に視認可能な移動位置マーカ39を設けることにより(図4参照)、手元でシース本体32の位置を容易に把握することができ、当該バルーンカテーテル10全体の剛性の変更を一層容易に行うことができる。さらに、シース14の位置が容易に把握できるため、シース14が過前進してガイドワイヤ24が開口部36の先端36aや後端36bに食い込むこと等を確実に防止することができる。
図7に示すように、シース14の先端側には、上記したX線不透過マーカ31と略同様なX線不透過マーカ46を設けておくこともできる。なお、図7中の参照符号47は、X線不透過マーカ46をシース14の外周面に固定するための筒状の支持部材であるが、勿論、該支持部材47を用いずにX線不透過マーカ46をシース14の外周面に直接的に固定し、又は埋設することもできる。
X線不透過マーカ46を設けることにより、生体内でシース本体32の先端位置をX線撮影により確実に視認することができ、操作性を一層向上させることができる。特に、シース14を前進限度まで前進させて当該バルーンカテーテル10を体内に挿通させる場合には、その最先端位置又はその近傍をX線不透過マーカ46によって確実に把握することが可能となるため有効である。また、シース14にX線不透過マーカ46を設けることにより、バルーンカテーテル10の使用条件等によってはシャフト18(カテーテル本体12)側のX線不透過マーカ31を省略でき、構造の簡素化とコスト低減が可能となる。
なお、X線不透過マーカ46は、シース本体32の先端位置をより適切に表示するため、例えばシース14の最先端からの距離L5が、例えば10mm以内の位置に設置されることが好ましい。また、X線不透過マーカ46を設ける以外にも、例えば、シース本体32のテーパ部32aを含む先端側の材料(樹脂)自体に、造影性のある粒子等を混練させてもよい。
図8A及び図8Bに示すように、シース14のシース本体32の外周面に、例えば一対のV字状の溝48、48を軸方向に延在させて形成しておいてもよい。これにより、狭窄部の状態等により、シース14が不要となる場合において、術者は、開封したバルーンカテーテル10からシース14を溝48に沿って縦方向に引き裂き、長尺なシース14を容易に且つ迅速に除去することができる。このようにシース14を分割可能に構成する場合には、該シース14の材質は、例えばポリエチレンやポリプロピレンとするとよい。
シース14の過前進防止機構として、上記したように、ハブ22とシース側ハブ32との間にワイヤ38を設けることも有効である。なお、シース14の過前進等を防止する機構としては、ワイヤ38や移動位置マーカ39以外の構成であっても勿論よい。
図9は、シース14の過前進防止機構の変形例に係る一部省略側面断面図であり、シース14を後退させた状態でのバルーンカテーテル10の基端側部分を示している。図10は、図9に示す状態からシース14を前進させた状態での一部省略側面断面図であり、図11は、図9中のXI−XI線に沿う断面図である。図9〜図11中、図1〜図8に示される参照符号と同一の参照符号は、同一又は同様な構成を示し、このため同一又は同様な機能及び効果を奏するものとして詳細な説明を省略する。
図9及び図10に示すように、この変形例では、シース14が、シース側ハブ32に代えてシース側ハブ50を備え、カテーテル本体12が、ハブ22に代えてハブ52を備える。
ハブ52は、フランジ部22cの先端側に突出した筒体54を有する。筒体54は、外管30よりも大径の剛体であり、外管30が通過する先端側開口部に設けられた縮径部(突起部)54aと、外周面の上下位置に一対設けられて軸方向に延びた係合凸部54b、54b(図11参照)とを有する。図9及び図10から諒解されるように、筒体54は、当該バルーンカテーテル10の基端側でシャフト18及びシース本体32を保護し、人手で操作することにより力がかかり易い部位での屈曲を防止するための耐キンクプロテクタとして機能するものである。
シース側ハブ50は、その内部を挿通したシース本体32との間に前記筒体54が進退可能に形成された筒状空間56を有し、該筒状空間56の上下位置には、前記係合凸部54bが係合及び摺動可能な一対の係合溝部56a、56aが形成されている。
従って、筒体54内に延びたシース本体32の基端部に拡径したストッパ58が設けられることにより、シース14は、ストッパ58と縮径部54aとの当接作用により、その前進限度が規定され(図10参照)、過前進が確実に防止される。さらに、シース14とカテーテル本体12とは、係合凸部54bと係合溝部56aとの係合作用によって互いに回転不能となっている。このため、当該バルーンカテーテル10の使用時にシース14がカテーテル本体12に対して回転し、互いの位相がずれることが防止され、シャフト18の基端側開口部26とシース14の開口部36との位相を確実に維持しておくことができ、ガイドワイヤ24を確実に外部に導出させておくことができる。
本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成乃至工程を採り得ることは勿論である。
例えば、先端チップ20は省略してもよく、その場合には、内管28の最先端位置とバルーン16の先端側の非拡張部位である円筒部分の最先端位置とを一致させた構成や、該円筒部分の最先端位置よりも内管28の最先端位置を多少突出させた構成とするとよい。
10…バルーンカテーテル 12…カテーテル本体
14…シース 16…バルーン
18…シャフト 22、52…ハブ
24…ガイドワイヤ 26…基端側開口部
28…内管 28a…ワイヤ用ルーメン
30…外管 30a…拡張用ルーメン
32…シース本体 34、50…シース側ハブ
36…開口部 38…ワイヤ
39…移動位置マーカ 42…ポート
54…筒体

Claims (8)

  1. 圧力付与装置を取り付け可能なハブを基端側に設けたシャフトと、
    前記シャフトの先端近傍に設けられ、前記シャフト内に形成された拡張用ルーメンを介して印加される前記圧力付与装置からの圧力により拡張するバルーンと、
    前記シャフト内に形成され、前記バルーンより先端側の先端側開口部、及び前記バルーンより基端側で前記ハブより先端側の基端側開口部を介してガイドワイヤが挿通されるガイドワイヤ用ルーメンと、
    を有するカテーテル本体を備えたバルーンカテーテルであって、
    前記シャフトの外面上を摺動し、前記カテーテル本体に対して軸方向で相対的に移動可能なシースを備え、
    前記シースの途中には、該シースを前記カテーテル本体に対して移動させた場合に、前記ガイドワイヤ用ルーメンの前記基端側開口部と重なる位置で前記ガイドワイヤが通過可能に該シースの内外を貫通し、軸方向に長尺な開口部が設けられ、
    前記バルーンの先端から前記ガイドワイヤ用ルーメンの前記基端側開口部までの軸方向距離は、前記シースの最先端から前記開口部の基端部までの軸方向距離以下であり、且つ、前記バルーンの先端から前記バルーンの基端までの軸方向距離は、前記シースに設けた前記開口部の軸方向距離以下であることを特徴とするバルーンカテーテル。
  2. 請求項1記載のバルーンカテーテルにおいて、
    前記カテーテル本体の最先端から前記ガイドワイヤ用ルーメンの前記基端側開口部までの軸方向距離は、前記シースの最先端から前記開口部の基端部までの軸方向距離以下であり、且つ、前記カテーテル本体の最先端から前記バルーンの基端までの軸方向距離は、前記シースに設けた前記開口部の軸方向距離以下であることを特徴とするバルーンカテーテル。
  3. 請求項1又は2記載のバルーンカテーテルにおいて、
    前記シャフトの外周面には、前記シースが前記カテーテル本体の先端側へと前進した際に露出して、該シースの移動位置を表示する位置マーカが設けられていることを特徴とするバルーンカテーテル。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のバルーンカテーテルにおいて、
    前記シースの前進限度を規定する過前進防止機構を有することを特徴とするバルーンカテーテル。
  5. 請求項4記載のバルーンカテーテルにおいて、
    前記過前進防止機構は、前記シャフトの基端側に設けられた前記ハブと、前記シースの基端側に設けられたシース側ハブとを連結し、且つ前記シースの移動範囲に対応した長さに設定された可撓性部材を含むことを特徴とするバルーンカテーテル。
  6. 請求項4記載のバルーンカテーテルにおいて、
    前記過前進防止機構は、前記シースの基端側に設けられて拡径したストッパと、
    前記ストッパを移動可能に収納すると共に、前記シースの移動範囲に対応した長さに設定され、先端側に前記ストッパが当接する突起部を設けて、前記シャフトに固定された筒体と、
    を含むことを特徴とするバルーンカテーテル。
  7. 請求項6記載のバルーンカテーテルにおいて、
    前記筒体の外面と、前記シースの基端側に設けられたシース側ハブとは、互いに軸方向に移動可能且つ互いに回転不能に係合していることを特徴とするバルーンカテーテル。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のバルーンカテーテルにおいて、
    前記シースの基端側には、該シースの内面と前記シャフトの外面との間に液体を送液可能なポートを有するシース側ハブが設けられることを特徴とするバルーンカテーテル。
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