JP2011118344A - 3次元パターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】矩形パターン形状の上面部の形状を任意の曲線形状に変えることができるレジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】レチクルR上のパターン101に照明光を照射し、投影光学系100を介して10μm厚以上のフォトレジスト上に投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、レジストパターンを形成する工程中に、フォーカス位置で露光した後に、少なくとも1回、投影光学系の瞳位置の開口102の大きさ又はフォーカス位置を所定量変更して分割露光を行うレジストパターン形成方法を提供する。
【選択図】図2
【解決手段】レチクルR上のパターン101に照明光を照射し、投影光学系100を介して10μm厚以上のフォトレジスト上に投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、レジストパターンを形成する工程中に、フォーカス位置で露光した後に、少なくとも1回、投影光学系の瞳位置の開口102の大きさ又はフォーカス位置を所定量変更して分割露光を行うレジストパターン形成方法を提供する。
【選択図】図2
Description
本発明は、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法に関するものである。
3次元形状のレジストパターンを利用する分野は、益々使用範囲が拡大しており、例えば、マイクロレンズは、ディジタルカメラ、光通信、MEMS分野を中心に実用化されている。従来、このようなマイクロレンズの製造方法として、特開平9−008266号公報(特許文献1)に開示されているような、光リソグラフィを使用した方法が知られている。この方法は、レジストパターンをリフローしてリフローレジストパターンを形成し、プラズマエッチングにより所望のフォトレジストの立体形状を形成するものである。
近年、これとは全く別の原理に基づくマイクロレンズの製造方法が開発され、特開2003−107209(特許文献2)に開示されている。これは、グレースケールマスク(アナログ的とみなせる光透過率の変化を有するマスク)を使用して光学基材の表面に形成されたレジストを感光させ、レジストを現像することによって、グレースケールに応じた形状の、立体的なレジストパターンを形成し、それをマイクロレンズとするか、又は前述のように、さらにレンズ形状となったレジストを光学基材と共にエッチングすることにより、レンズ形状のレジストのパターンを光学基材に転写し、光学基材からなるマイクロレンズを形成するものである。
その他の方法として、特開2003−107721(特許文献3)には、グレースケールマスクの投影像を投影光学系によりレジスト層に照射し、照射の際にレジスト層の上面を、投影光学系の焦点面から予め定めたデフォーカス位置に配置し、露光することで、形状を滑らかにする技術が開示されている。
また、このマイクロレンズ形状を正確に加工する方法として、特開2004−310077(特許文献4)には、2枚以上のグレースケールマスクを用いて露光する際、各々のグレースケールマスクを用いて露光する露光時間と異ならせることで、パターンの形状の微調整を行う方法が開示されている。
一方、3次元形状のレジストパターンに関し、鋸歯状断面形状をもつ回折格子板の製造方法として、露光装置の基板ステージを移動させて複数の異なるマスクパターンで所望の露光エネルギーを与えることによりレジスト膜の分割露光を行い、レジスト膜の反応領域を3次元的に変化させる方法が、特開平9−230121号公報(特許文献5)に開示されている。
また、LEDの製造工程に於いても3次元のレジストパターンを用いる場合があり、例えば、特許第4077137号(特許文献6)に開示されている。半導体発光素子は、pn接合領域に注入された電子とホールの発光再結合を利用したデバイスである。そして、発光層の半導体材料を変えることで、赤外から紫外までの発光を実現することができる。ところが、半導体発光素子には、半導体結晶と大気の屈折率差による臨界角や結晶成長可能な基板での光吸収が存在する。このため、外部に取り出せる光は内部で発光した光のわずか数%にしか過ぎない。そこで、半導体層の界面に凹凸パターンを形成しておくことで、半導体層内部に屈折率分布が存在し、この界面において光が反射し散乱することにより、より効果的に素子外部に光を取り出すことができる。この凹凸面を形成するのに露光技術が用いられる。
しかしながら、特許文献1に開示されている様な方法は、レジストパターンを形成した後、熱処理を加えてこのレジストパターンをリフローする為、リフロー時のレジスト特性、熱条件、冷却条件、レジストの表面張力条件等で形状が歪んでしまう可能性がある。
また、特許文献2の様な1枚のグレースケールマスクのみを用いた場合、マスクを透過した光束の中で投影光学系の瞳開口を通過した光のみで形成される為、そのパターン形状がガウス分布の合成の様な形状となり、球面形状を含む任意の形状にすることが困難であるという問題や、球面に近似できる面が小さくなるという問題があった。
これを解決する手段として、特許文献3の様にデフォーカス位置で露光を行う方法もあるが、デフォーカスにより、パターン形状の突起部(回折によるフレア)は改善するものの、ガウス分布形状に近づくだけであり、球面形状を含む任意の形状にはならない。
特許文献4ではこれを解決する為に、2枚以上のマスクを用いてパターン形状を形成している。しかしながら、この方法では常に複数のマスクが必要であり、高価なものとなってしまう。
一方、3次元形状のレジストパターンを利用する分野では、段差パターンを形成する方法として、特許文献5に開示されている様なものが紹介されている。しかしながら、この文献には、開口を少しずつ狭いパターンに変えて露光することで得られる直線回折格子及びフレネル回折格子を製造する為の鋸歯状格子パターンの形成法しか開示されていない。
よって、この方法では直線回折格子及びフレネル回折格子の製造には効果的だが、それ以外の、テーパ付きパターンや曲線面パターン、及びその他の色々複雑な3次元パターンを形成する為には、この方法を利用しただけでは限界があった。
更に、3次元形状のレジストパターンを利用する分野では、大きな段差がある基板上にパターンを形成する必要も生じている。しかしながら、投影光学系を用いた露光方法では、投影光学系のNA、露光波長λに対して、
解像度=k1×λ/NA
焦点深度=k2×λ/NA2
であることが知られており、解像度を上げると焦点深度が狭くなり、焦点深度を上げると解像度が落ちるという問題が生じる。この焦点深度を大きくする方法として、輪帯照明法や位相シフトレチクル法(ハーフトーンレチクル法)が考案されているが、何れも1.2〜3倍程度には改善するが、やはり限界があった。
解像度=k1×λ/NA
焦点深度=k2×λ/NA2
であることが知られており、解像度を上げると焦点深度が狭くなり、焦点深度を上げると解像度が落ちるという問題が生じる。この焦点深度を大きくする方法として、輪帯照明法や位相シフトレチクル法(ハーフトーンレチクル法)が考案されているが、何れも1.2〜3倍程度には改善するが、やはり限界があった。
また、LED製造において、特許文献6に開示されている様な凹凸パターンを形成する場合、サファイヤ基板上にアライナーを用いて露光するが、凹凸パターンが2〜3μmの大きさから、1μmレベルの大きさに微細化しており、投影レンズのNAは0.2以上の投影露光装置を用いるケースが増えてきている。しかし、NAが0.2以上の投影レンズは露光フィールドが小さく、画像を順次露光するステップ&リピート露光により、サファイヤ基板上にレジストパターンを形成するため、スループットが悪く、焦点深度も取れないという問題があった。現時点ではサファイヤ基板は2インチ以下であるが、今後大きくなる傾向であり、問題が更に深刻化することが予想されている。
上記問題点を解決するための第1の手段は、レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介して10μm厚以上のフォトレジスト上に投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、前記レジストパターンを形成する工程中に、フォーカス位置で露光した後に、少なくとも1回、所定量の投影光学系の瞳位置の開口の大きさ又はフォーカス位置を変更して分割露光を行うこととした。
本手段に於いて、図2で簡単に説明すると、図2(A)はレチクルR上の幅Lのパターン101を、投影光学系100を介してウェハW上に投影露光する場合の概念図を示す。瞳位置で開口径を調整する開口絞り102によって、投影光学系のNAを調整することが可能であるが、一般に、露光波長をλ、kファクターをKとしたときの解像度と焦点深度とは
解像度=K×λ/NA
焦点深度=K×λ/NA2
で表される。
解像度=K×λ/NA
焦点深度=K×λ/NA2
で表される。
但し、その形状を決定する要因として照明σやフォーカス位置もあるので、ここではL=30μm、λ=0.436μm、照明σ=0.7、フォーカス位置=0μmとして、開口絞り102によって、NAを可変した場合、W上の光量分布がどの様に変化するかを解析し、これを図2(B)に示す。
丸印1の点線はNA=1の時であり、レチクルRを透過した光束を全て利用できた時を示す、丸印2、3、4のNA条件はまとめて図2(C)の表に提示する。図2(B)を見ると、丸印2のNA=0.2で丸印1に近い形状が得られているが、丸印4のNA=0.005ではかなりガウス分布形状に歪んでいるのが分かる。
ここで図3(A)の様に、丸印2の条件だけで露光を行うと、ポジレジストの場合、光が当たっている遮光パターン101のウェハW上への投影像(点線)が無い部分が感光し、パターン101の投影像部分が感光されない為、現像後のパターンは矩形形状となる。
ここで、開口絞り102により丸印2の条件にて露光後、NAを条件を丸印3に変更し、積算露光量が丸印2の条件の1/4になる様に、分割露光を行う。すると、感光されていない上面部が丸印2の解像条件にて膜ベリを起こし、図3(B)の様な形状を得ることができる。
丸印2の条件にて露光後、更に、積算露光量を丸印2の条件の1/2になる様に分割露光を行う。すると、感光されていない上面部が丸印2の解像条件にて更に膜ベリを起こし、図3(C)の様な形状を得ることができる。
この様に、フォーカス位置=0で矩形形状の露光を行った後に、所定のNA条件に変更して、所定の積算露光量で分割露光を行うことで、パターン形状の上面部の形状のみ任意の曲線形状に変化させることができる。
またこの方法はNAを可変にする以外にも、所定条件でフォーカス位置を動かしても可能となる。
図4(A)の様に、フォーカス位置で露光した後に、フォーカス位置を動かした場合、同様の効果が期待できる。図4(B)ではL=30μm、λ=0.436μm、照明σ=0.7、NA=0.2とし、図4(C)の条件でフォーカスを移動した場合を表にしている。
NAを可変した場合と同様に、フォーカスを80μm動かすとかなりガウス分布形状に歪んでいることが分かる。即ち、上記の様な条件で分割露光を行うと、同様の原理でパターン形状の上面部の形状のみ任意の曲線形状に変化させることができる。
NAを可変した場合と同様に、フォーカスを80μm動かすとかなりガウス分布形状に歪んでいることが分かる。即ち、上記の様な条件で分割露光を行うと、同様の原理でパターン形状の上面部の形状のみ任意の曲線形状に変化させることができる。
次に、第2の手段は、レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介して10μm厚以上のフォトレジスト上に投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、前記レジストパターンを形成する工程中に、投影光学系の瞳位置の開口の大きさ又はフォーカス位置を所定量に制御し、少なくとも1回、フォトレジストを搭載した可動ステージの位置を前記投影像が重なる範囲内で移動すると共に、各移動位置でフォトレジスト上に照射される露光量を変更して分割露光を行うこととした。
本手段に関しては、原理を図5にて説明する。図5(A)の様に、レチクルR上のパターン103は、投影光学系100を介してウェハW上に前記パターン103のパターン像丸印1として投影される。ウェハW上に塗布された10μm以上の厚さを有するレジスト上で投影されたパターン像丸印1以外に位置したレジストは感光され、ポジレジストの場合、所定の積算露光量に応じて現像後にパターンが形成される。
次に、矢印に従って、ウェハWを所定量移動し、同様の方法でパターン103のパターン像丸印2を所定の積算露光量でレジスト上に形成する。この工程を連続して行い、パターン像丸印1〜丸印4をレジスト上に形成したのが、図6となる。
図6ではパターン像丸印1はウェハWの位置がX1であり、積算露光量がE1の条件で形成される。この時点で、レジストの感光は点線の位置まで進む。次にパターン像丸印2はウェハWの位置がX2であり、積算露光量がE2の条件で形成される。この時点で、レジストの感光は一点鎖線の位置まで進む。次にパターン像丸印3はウェハWの位置がX3であり、積算露光量がE3の条件で形成される。この時点で、レジストの感光は二点鎖線の位置まで進む。最後に、パターン像丸印4はウェハWの位置がX4であり、積算露光量がE4の条件で形成される。この時点で、レジストの感光は太実線の位置まで進む。
この様にすると特許文献5に示されている様に、段差パターンが形成されることになる。もし、曲線形状を得る為には分割露光数を多くしていくしかない。これに対処するため、本発明では投影光学系の瞳位置の開口の大きさ又はフォーカス位置を所定量に制御している。
図2又は図4に示す様に、露光量の分布がガウス分布の様な曲線形状となっており、離散的な分割露光でも、図6に示す曲線形状WAVEにすることが可能となる。これは離散的に露光された位置の間を曲線形状の光量分布で補間している為であり、投影光学系の瞳位置の開口の大きさ又はフォーカス位置を所定量に制御する場合、その曲線形状の長さよりも離散的露光の間隔を短くすることで、スムーズな曲面のレジストパターン形状を得ることが可能となる。
この方法を実際にシミュレーションしたのが図7と図8である。まず、図7(A)の条件にて露光を行うと、図7(B)の様にパターン形状105に対するパターンの投影像は106の様な曲線形状となる。このままでは適正露光量を縦軸の1.0とすると、106の曲線形状に近いレジストパターン形状となる。
このレジストパターン形状を変えるには、レチクルが素ガラスの位置で所定量の積算露光を行えば良い。
例えば、積算露光量を倍にすれば、均一に膜ベリが発生するので、縦軸の0.5より下の部分のレジストは、現像時に完全にウェハ上から除去され、パターン形状107がウェハ上に形成される。よって、残存レジスト形状は、上の形状(実太線)に近づく。
この例では、5倍の積算露光量を与えることで、縦軸の0.2より上の部分のレジストは、現像時に完全にウェハ上から除去され、縦軸の0.8より上のパターン形状がそのままウェハ上に残ることになり、108に示す様な球面形状に近いレジストパターンを形成できることになる。
しかし、この方法では、所定の投影光学系の瞳位置の開口の大きさ又はフォーカス位置を所定量動かした状態で、一義的に円形状の曲率は決まってしまうことになる。
そこで図8では、図7の露光方法を、ステージ位置を動かして分割的に露光する方法を取っている。図7では所定の位置X0で適正露光量の20/37の露光量、8.8μmシフトさせたX1で適正露光量の10/37の露光量、その位置から更に5.3μmシフトさせたX2で適正露光量の5/37の露光量、その位置から更に2.9μmシフトさせたX3で適正露光量の2/37の露光量で分割露光を行なった結果であり、積算露光量は109に示す様な曲線形状となる。ここでも図7のときと同様に、レチクルが素ガラスの位置で所定量の積算露光を行なう(ここでは10/3倍)ことで、前回よりも大きい曲率の球面形状のレジストパターン110が形成されることになる。
ウェハWのシフト量としては、積算露光量をEx、シフト量をxとして計算式を立てる。ポジレジストの場合、積算露光量Eは現像後のレジストの高さを決定するので、残存レジスト高さをZxとすると、
Zx=f(Ex)
の関数となる。f(Ex)は実験データ等から求めることができる。
例えば、球面形状を形成する場合は、
x2+f(Ex)2=R2
がシフト量と積算露光量を決定する場合の参考値となる。
Zx=f(Ex)
の関数となる。f(Ex)は実験データ等から求めることができる。
例えば、球面形状を形成する場合は、
x2+f(Ex)2=R2
がシフト量と積算露光量を決定する場合の参考値となる。
但し、フォーカスやNAを制御した場合のパターン形状については、フーリエ変換により瞳位置での光量分布を算出し、瞳絞りによる透過光量を決定した後、逆フーリエ変換によりウェハW上での投影パターン形状を算出することで、投影パターン像を解析する方法がある。
ここではそのパターン形状を上記参考値に従いシフトさせ、各座標位置での分割露光による総合的な積算露光量を決定し、どの程度のオーバ露光で所定の球面形状ができるかを、上記の球面式と本シミュレーション結果の差分を算出し、最小二乗近似計算により誤差が許容値になる条件となる様に、シフト量及び露光量を補正する方法を取っている。その結果、離散的露光の回数を減らし、効率の良いパターン形状の形成が可能となる。
更に、第3の手段では、レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介して10μm厚以上のフォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、前記レジストパターンを形成する工程中に、フォトレジストを搭載した可動ステージ位置を前記投影像が重なる範囲内で移動すると共に、前記移動の際、前記ステージの移動位置を連続的に変更して露光を行うこととした。
この方法は第2の手段と異なり、積算露光量を一定値とし、ステージの移動速度を変化させることで、任意の曲面形状のレジストパターンを形成する方法である。よって、そのシミュレーションは第2の手段と同様に、フーリエ変換により求めたウェハW上のパターン形状を、一定時間毎にウェハWが移動したシフト量だけ順次シフトし、各座標位置での露光による総合的な積算露光量を決定する方法で同様の解析が可能である。
但し、一般的なフーリエ変換法では、等間隔位置での光量分布でパターン形状を形成しているので、第2の手段の様に、少ないシフト数でないと計算が面倒になる。よって、本発明では、更に別の方法として、等間隔位置でウェハがシフトしていることとしてパターン形状を重ね合せていく。但し、その各位置でのウェハWの移動速度を求め、移動速度にその位置での積算露光量が反比例することを利用して、パターン形状の光量を可変して加算し、各座標位置での露光による総合的な積算露光量を決定する方法を取っている。
この方法を実際にシミュレーションしたのが図9と図10である。まず、図9(A)の条件にて露光を行うと、図9(B)の様に、パターン形状111に対するパターンの投影像は112の様な高次成分を持つ曲線形状となる。図10ではこのパターン形状を連続的に移動してスキャン露光を行った場合の積算露光量を各位置で加算し、算出されたパターン形状113を示している。
ウェハWのシフト量としては、先の例と同様に、各位置での積算露光量をEx、シフト量をxとして計算式を立てる。ポジレジストの場合、積算露光量Exは現像後のレジストの高さを決定するので、残存レジスト高さをZx、とすると、
Zx=f(Ex)
の関数となる。尚、f(Ex)は実験データ等から求めることができる。
Zx=f(Ex)
の関数となる。尚、f(Ex)は実験データ等から求めることができる。
但し、今回はスキャン露光であり、照度Sは一定である。ウェハWの移動による分散露光の場合、ウェハの移動速度を位置に応じて変化させることで各位置での積算露光量を変化させる。シフト量をxとすると、計算式は
x=Vx×t
となる。Vxは移動位置xでの速度を示し、その時の積算露光量Exは速度に反比例するので、露光系の照度をSとすると、
x/Vx×S=Ex
となる。よって、
Zx=f(x/Vx×S)
であり、ZxはxとVxの関数となる。図10は、図9(B)の光量分布を持つ投影像を移動させるが、Zx=x1.4で表される指数関数としている。その結果が積算露光量は113に示す様な曲線形状となる。
x=Vx×t
となる。Vxは移動位置xでの速度を示し、その時の積算露光量Exは速度に反比例するので、露光系の照度をSとすると、
x/Vx×S=Ex
となる。よって、
Zx=f(x/Vx×S)
であり、ZxはxとVxの関数となる。図10は、図9(B)の光量分布を持つ投影像を移動させるが、Zx=x1.4で表される指数関数としている。その結果が積算露光量は113に示す様な曲線形状となる。
このままでは適正露光量を縦軸の1.0とすると、113の曲線形状に近いレジストパターン形状となる。このレジストパターン形状を変えるには、レチクルが素ガラスの位置で所定量の積算露光を行えば良い。この例では、10/8倍の積算露光量を与えることで、縦軸の0.2より下の部分のレジストは、現像時に完全にウェハ上から除去され、114に示す様な球面形状に近いレジストパターンを形成できることになる。
他にも
Zx=R−√(R2−x2)
の様な関数が球面を作成する場合は考えられるが、フーリエ変換により決定した光量分布を上記参考値に従い移動し、各座標位置での露光による総合的な積算露光量を決定し、どの程度のオーバ露光で所定の球面形状ができるかを、上記の球面式と本シミュレーション結果の差分を算出し、最小二乗近似計算により誤差が許容値になる条件となる様に、スキャン速度を補正する方法で確認した。その結果、この方法では、この様な指数関数を使った方が、球面を形成するのに誤差が小さいことが確認できている。
Zx=R−√(R2−x2)
の様な関数が球面を作成する場合は考えられるが、フーリエ変換により決定した光量分布を上記参考値に従い移動し、各座標位置での露光による総合的な積算露光量を決定し、どの程度のオーバ露光で所定の球面形状ができるかを、上記の球面式と本シミュレーション結果の差分を算出し、最小二乗近似計算により誤差が許容値になる条件となる様に、スキャン速度を補正する方法で確認した。その結果、この方法では、この様な指数関数を使った方が、球面を形成するのに誤差が小さいことが確認できている。
但し、レジストの感光条件はその素材や環境によっても異なるので、その都度、最適な関数を上記シミュレーションにより決定すれば良い。
更に、第4の手段では、前記レジストパターンを形成する工程中に、前記投影像に対し、前記ステージの移動を直線上で行う方法であり、その移動方向に直交した中心線対称に露光が行われる様に各変更条件が設定されており、前記投影像のステージ移動方向の長さよりも小さい中心線対称なレジストパターンを形成することとした。
図11(A)にて説明すると、レジスト上で投影されたパターン像118はILの長さを有しており、点Pの位置に対して、可動ステージ上のウェハが点a〜cまで移動した時の積算露光量にて形成されるパターン像119を太実線にて示す。矢印丸1の範囲はウェハ上の点aが点Pに到達する前までを示し、その間に第3の手段では所定の速度に達する為のステージの助走動作及び、露光用のシャッターを開く制御が行われる。矢印丸2の範囲は点Pがウェハ上の点aからbまでの移動を示し、前述の所定の関数に基づいた速度で相対移動が行われる。そして矢印丸3の範囲は点Pがウェハ上のbからcまでの移動を示し、ステージの減速動作及び、露光用のシャッターを閉じる制御が行われる。
この一連のスキャン処理により、前述の様に、左側は凸の曲面形状を形成できるが、右側は凹の曲面形状になることが判る。もし、凸形状のレンズを形成したい場合は、上記一連のスキャン処理を図11(B)の様に形成されるパターン像120の中央に示す一点鎖線に対して線対称となる様な制御を行う必要がある。その際、パターン像120の右側凸のパターンと、前述のパターン像119の右側凹のパターンが重なる場合、良好な左右対称のパターン形状が形成できない。よって、形成するパターン形状120の長さPLに対して、レジスト上で投影されたパターン像118の長さILを長くしておく必要がある。ILは矢印丸2及び、矢印丸3で説明した、動作により決定することができる。
これにより、良好な線対称のパターンを形成することが可能となる。ここでは第3の手段を例としたが、第2の手段でも助走、減速処理、シャッター制御のタイミングが異なるだけであり、形成するパターン形状120の長さPLに対して、レジスト上で投影されたパターン像118の長さILを長くしておくことで同様の効果が得られる。尚、パターン形状120は前述の様に、レチクルが素ガラスの位置で所定量の積算露光を行なう(ここでは0.3倍)ことで全体が均一に矢印の膜ベリが起こり、現像後には所望のパターン形状121を得ることができる。
ここでレンズ形状となるパターン形状121であるが、レンズの場合、複数のレンズをウェハ上に形成する必要がある。その場合、図11(A)に示すパターン像120の右側凸のパターンと、前述のパターン像119の右側凹のパターンが重なるまでの間隔SPを、できるだけ小さくする必要がある。即ち、SP=0とすると、図に示す様に、隣接して作ることができるのはIL/2よりも右側となる。即ち、
IL+IL/2=1・5×IL
のピッチ以上になる様に複数のレンズを作ることで、良好な形状のマルチレンズの設計が可能となる。
IL+IL/2=1・5×IL
のピッチ以上になる様に複数のレンズを作ることで、良好な形状のマルチレンズの設計が可能となる。
但し、この方法では1つのパターンを早くできる利点があるものの、マルチレンズを形成する上で、
5×IL
のピッチでしかレンズを形成することができない。
5×IL
のピッチでしかレンズを形成することができない。
そこで、第5の手段としては、レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介して10μm厚以上のフォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、レチクル上のパターンとして、所定の開口幅を有する一方向に延びた矩形形状が、前記一方向に直交する方向へ所定のピッチで複数形成されており、前記一方向に直交する方向に前記ピッチの範囲内で前記投影像がレジスト上を相対移動する様に制御しながら露光を行うこととした。
例えば、図12(A)に記載されたレチクルR上に幅W、長さL、ピッチPで形成されているパターンが、投影レンズを介することで、図12(B)のウェハW上で123の様な光量分布の投影像として投影されている様子を示している。
そして図12(C)では、その投影像をウェハ上のレジスト面に対し、矢印方向へ移動している。移動方法は、横軸に相対移動位置x、縦軸に速度Vxを取った場合、
Zx=f(E/Vx)
Zx=P/2−√((P/2)2−x2)
の条件で制御する。まず、x=−P/2の位置で露光を開始し、徐々に上記条件で移動位置を制御し、x=P/2の位置で露光を終了するという手順である。この方法で、露光後現像したパターンは曲線124の様な形状となる。
Zx=f(E/Vx)
Zx=P/2−√((P/2)2−x2)
の条件で制御する。まず、x=−P/2の位置で露光を開始し、徐々に上記条件で移動位置を制御し、x=P/2の位置で露光を終了するという手順である。この方法で、露光後現像したパターンは曲線124の様な形状となる。
円形形状に近い曲線125の様なパターンを得る為には、積算露光量に所定のオフセットを与えることで積算露光量を上げる様に制御すれば良い。この方法は開口部が第5手段までと比べると小さいので、所定の積算露光量を得るまでに長い露光時間を必要とするが、マルチパターンのピッチPを狭くできる上に、相対移動を行うステージの制御精度が緩く制御が行い易いという利点がある。
露光時間が長くかかる問題についても、パターンを複数形成することで、ピッチPの範囲内の制御のみで、一度に多くのマルチレンズを形成することが可能となっている。また、本発明では一方向に延びた矩形形状と説明しているが、一方向に延びた2つの端の形状は円形でも多角形でも本発明とは無関係なので問題ない。尚、図13は本発明で形成されたマルチシリンドリカルレンズ用パターン125を示している。
これまでの発明は基本的に曲面を形成する為に、曲面を形成する方向に投影像をレチクルに相対移動する方法であった。しかし、この方法では、相対移動の精度により曲面の形状に誤差が発生する。
よって、第6の手段としては、レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介して10μm厚以上のフォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、一方向に関して断面形状が同一な3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、レチクル上のパターンは前記一方向と前記一方向に直交する方向に所定の長さを有する開口で形成され、且つ、前記開口の幅は異なる形状であり、前記一方向と同一方向に前記投影像がレジスト上を所定の速度で相対移動する様に制御することで、前記開口の幅が異なる条件に対応して、現像後の前記一方向に直交するレジスト断面形状が形成される様に制御する方法とした。
これを図14で説明していく。図14(A)では、例として露光中に半円形状の開口部127を太矢印(紙面下から上)方向にVの速度で等速移動していることを示している。
前述より
Zx=f(Ex)の式より、
Ex=f−1(Zx)なので、
例えば、残存レジスト形状を図14(C)の様な直径がLの半円
Zx=√((L/2)2−x2)
の形状にしたい場合、
Ex=f−1(√((L/2)2−x2))
となる。
前述より
Zx=f(Ex)の式より、
Ex=f−1(Zx)なので、
例えば、残存レジスト形状を図14(C)の様な直径がLの半円
Zx=√((L/2)2−x2)
の形状にしたい場合、
Ex=f−1(√((L/2)2−x2))
となる。
露光系の照度をSとすると、
y/V×S=Exなので、
y=V/S×f−1(√((L/2)2−x2))
で、投影像のパターン形状を決定できる。尚、ここではx=0の時にレジストが完全に剥離できる条件Eとすると、
L/2=f(E)
の関係式が成り立っている。
y/V×S=Exなので、
y=V/S×f−1(√((L/2)2−x2))
で、投影像のパターン形状を決定できる。尚、ここではx=0の時にレジストが完全に剥離できる条件Eとすると、
L/2=f(E)
の関係式が成り立っている。
図15ではこの開口を複数並べることで、連続したパターンを形成する場合であり、図15が凹面のマルチレンズ形状の形成例である。それぞれ(A)はレチクルの片側のエッジのみ開口の幅を異ならせる方法であり、(B)はレチクルの両エッジで開口の幅を異ならせる方法を示す。共に、レジスト上での投影像をレジストに対し、紙面の上下方向に相対移動させた場合、移動方向と直交する座標x位置での積算露光量は何処でも等しくなり、感光したレジストを現像した場合、形成されたレジストパターンは移動方向と直交する方向の断面形状が全て同じになる。また、上記式に従い、積算露光量は(C)の様な凸面形状となる。
また、図16は凸面のマルチレンズ形状の形成例である。それぞれ(A)はレチクルの片側のエッジのみ開口の幅を異ならせる方法であり、(B)はレチクルの両エッジで開口の幅を異ならせる方法を示す。共に、レジスト上での投影像をレジストに対し、紙面の上下方向に相対移動させた場合、移動方向と直交する座標x位置での積算露光量は等しくなり、感光したレジストを現像した場合、形成されたレジストパターンは移動方向と直交する方向の断面形状が全て同じになる。また、上記式に従い、積算露光量は(C)の凹面形状となる。
図17(A)、(B)はそれぞれ、この方法でL2の距離だけVの速度で移動し、開口部にて完全に露光されている部分L1の感光されたレジストを現像したときのパターン形状を示す。図17(A)が凹面のマルチシリンドリカルレンズであり、図17(B)が凸面のマルチシリンドリカルレンズである。移動方向に直交したレジストパターン断面形状が同じになっているのが確認できる。
この方法では、曲面形状を決定するのが、レチクル上のクロムパターン精度であり、ステージの移動精度と比べても高いので、移動誤差による曲面形状の高次の誤差を抑えることが可能となる。更に、投影レンズを用いる場合は、パターン形状が細いと、図12の(B)で示した様に、投影光学系によるNAの制限があり、開口部の投影像のコントラストが下がってしまう。その結果、投影像の移動で、図12の(C)に示した曲線124の様に、理想的な曲線123に対して歪が発生する。それに対し、本発明では、図15(A)の様に、パターン幅が狭くなっている部分丸印1では解像度の限界によるコントラスト劣化問題はあるものの、広い部分丸印2では移動方向が、マルチレンズの断面に対して直交する方向であり、より理想的な曲線に近いパターン形状を生成できる。
また、第5の手段でスループットを上げる為には、矩形開口の幅を広げ、移動速度を上げる必要がある。すると、上述のパターンが狭くなっている部分のコントラストが下がるという欠点があるのに対し、第6の手段は、
y/V×S=Ex
の関係式があることを利用してスループット向上が図れる。即ち、
y=Ex×V/S
なので、移動速度を2倍にする場合、開口パターンを移動方向に2倍に引き延ばすことで、同じパターン形状を生成することが可能となる。
y/V×S=Ex
の関係式があることを利用してスループット向上が図れる。即ち、
y=Ex×V/S
なので、移動速度を2倍にする場合、開口パターンを移動方向に2倍に引き延ばすことで、同じパターン形状を生成することが可能となる。
引き延ばしの方法としては、例えば図18の様に、最終的な積算露光量が倍になれば良いので、(A)形状の引き延ばし、(B)反対面への鏡面作成、(C)2つのパターン合成、(D)反転させた2つのパターン合成等が考えられる。いずれも移動速度を2倍にすることが可能となる。移動方向がマルチレンズの断面に対して直交する方向なので、コントラストが下がるという不具合は発生しない。図19はそれぞれ図18の(A)、(B)、(C)、(D)に対応した積算露光量を示す図である。
今まで第2の手段から第6の手段まではシリンドリカルレンズを形成する場合を例に説明したが、形状はシリンドリカルレンズに限らず、その他の様々な形状が形成できる。例えば、図20では第3の手段と第4の手段とにより、台形形状を形成している。(A)では左から右へレジスト上の投影像が等速度で矢印間移動する様子を示す。丸印1の位置に投影像が達した時点で、露光用のシャッターを開く制御が行われ、投影像が丸印2に達した時点で露光用のシャッターを閉じる制御が行われる。一方、(B)では、右から左へレジスト上の投影像が等速度で矢印間移動する様子を示す。丸印3の位置に投影像が達した時点で、露光用のシャッターを開く制御が行われ、投影像が丸印4に達した時点で露光用のシャッターを閉じる制御が行われる。この一連の動作で台形形状が形成される。
また、第6の手段を利用すると、台形形状のみならず、鋸形状や、階段形状のパターンも複数容易に形成できる。図21(A)は階段形状、(B)は鋸形状、(C)は台形形状を形成する場合のレチクル上パターンを示している。図17で説明した方法を用いて、それぞれのパターンを選択し、それ以外のパターンを遮光した上で、紙面上で上下(y方向)に投影像をレジストに対して相対移動しながら露光することで、一方向に延びるパターンが形成できる。図22(A)は階段形状、(B)は鋸形状、(C)は台形形状を前記方法で形成した時の現像後のレジストパターンを示している。
しかし、前述の様に、これらは一方向に同じ断面形状が延びたパターン形状であり、図23の(B)に示す様な正面及び側面からも台形形状であるパターン形状にする為には、第7の手段を利用する必要がある。第7の手段では、第2の手段から第6の手段で行ったレジストパターン形成の為の工程を、前記投影像又は異なる投影像を用いて、前記一方向に直交する方向に対して、前記一方向の工程と同一または異なる条件設定で実施することとしている。この第7の手段では、レチクルパターン、積算露光量、ステージ移動条件等の組み合わせを変えることで、色々な異なるパターンが形成できる。
例えば、図23(A)では、図20で説明した第3の手段を行えば、矢印方向のパターン断面が台形形状になる。一方、それと直交する矢印方向に対して、所定の台形形状になる様にパラメータを操作した相対移動制御による露光を、同一の投影像を用いてその位置で重ねて行うことで、直交するパターン断面が異なった台形形状になる様な分割露光(図23(B))を行なうことができる。
また、第6の手段を利用した場合は、簡単にテーパの付いた2次元マトリクスパターンを形成することができる。図24(A)は階段形状、(B)は鋸形状、(C)は台形形状を形成する場合のレチクル上パターンを示している。図21とは直交させた別のパターンが形成されている。図16で説明した方法を用いて、それぞれ所定のパターンを選択し、それ以外のパターンを遮光した上で、今度は紙面上で左右(今度はx方向)に投影像をレジストに対して相対移動しながら露光することで、2次元マトリックスパターンが形成できる。
図25は階段形状、図26は鋸形状、図27は台形形状を上記の方法で分割露光を行なうことで、2次元マトリックスパターンを形成したときの現像後のレジストパターンを示している。今回の例ではy方向及びx方向に移動させるパターンは90度回転した同じ形状のものを用いたが、異なる形状のパターンを分割露光することで、更に様々な形状の2次元マトリックスパターンが形成できる。
この様に、直線形状のパターンは理解し易いが、曲面形状の場合は多少複雑になる。図28では、図16で説明した凸のマルチシリンドリカルレンズについて、第7の手段で分割露光を行った場合を説明する。
図28では図16のマルチレチクルパターンの内の一つを示したレチクルパターン図である。(A)がy方向に相対移動するレチクルパターン、(B)がx方向に相対移動するレチクルパターンである。この両方のシーケンスで形成されるレジストパターン形状を、積算光量に基づきシミュレーションした結果を、図29に示している。図29(A)は斜視図等高線であり、図29(B)は上面図等高線である。尚、ここでは比較の為に、この様な2次元マトリックスパターンの1枠である正方形内に球面形状のパターンを形成した結果を、図30に示している。図30(A)は斜視図等高線であり、図30(B)は上面図等高線である。この図29と図30とを比べてみると判る様に、球面では正方形内から球面がはみ出さない様に形成されたパターンでは、正方形の4隅に球面は形成できていないのに対し、本発明にて形成された球面は、4隅まで球面形状が延びている。
即ち、このレンズ形状のパターンを2次元マトリックスパターンとして図31(A)の様に配置した場合、球面レンズと比べ、本発明のレンズの方が、例えば、下面の矩形形状の発光体の光束を効率良く拡散できるという効果がある。図31(B)は上から見た図であり、4隅まで球面形状が延びていることで、球面レンズが2次元マトリクスを有効に覆っているのが確認できる。
以上、第2の手段から第7の手段までを用いることで、様々な孤立凸パターン形状及び、凸及び凹の2次元マトリクス形状を作成できることは説明した。しかし、ポジレジストを使用する場合、唯一作り難いのが孤立凹パターンとなる。ポジレジストでは、露光光を当てた部分のレジストが感光し、除去される為、例えば、図23(B)に示す様な、孤立立体台形の凹形状を作ろうとすると、図32(A)又は(B),(C)の様な形状となってしまう。
そこで第8の手段としては、レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介して10μm厚以上のフォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、レチクル上のパターンは一方向と前記一方向と直交する方向に所定の長さを有する開口で形成され、且つ、前記開口の幅が異なる形状であり、前記一方向と同一方向に前記投影像がレジスト上を所定の位置までに所定の速度で相対移動する様に制御し、前記所定の位置で露光光の照射を開始することで、前記一方向及び、前記一方向に直交する方向に異なる積算露光量を与え、前記開口の幅が異なる条件及び、所定の速度での相対移動に対応して、現像後の前記一方向及び前記一方向と直交する方向のレジスト断面形状が形成される様に制御することとした。
この方法を用いると、孤立立体台形の凹形状を作ることが可能となる。図33の(A)と(B)はその為のレチクルパターンの2例となる。詳しく説明する為に、その中の一つのレチクルパターン開口丸印1を拡大し、投影像がレジスト上を所定の位置までに所定の速度で相対移動する様子を示したのが図34である。
図34に於いて、上方にレチクルパターン開口丸印1の投影像128を示している。投影像128はレジスト上をaの位置までに所定の速度Vで相対移動する様に制御され、aの位置で露光が開始される。露光の開始に伴い、投影像128の中央部の幅Lの分だけレジスト上で積算露光が行なわれるが、aの位置では直ぐに遮光されてしまうので、移動方向の幅Lの位置での断面では、投影像128がLだけ移動したbの位置まで点線129の様に積算露光量が変化する。それ以降は、露光の終了位置bまで変わらないがその先は幅Lの分だけ積算露光量が与えられていない領域となるので、テーパ132が形成されることになる。
一方、移動方向と直交する方向でも投影像の幅が異なっているので、その幅の差異により積算露光量が異なる。よって、bからcまでは点線130の様に露光量が変化する。この点線129と点線130が同時に干渉し合う部分では、その合成した積算露光量となり、その部分で得られる形状はテーパ131となる。また、それ以降、cの位置までは点線129の影響が無いので、移動方向と直交する方向にテーパ133が形成されるが、それ以降露光が終了する為、露光終了位置ではテーパ132、133、134で囲まれた新たな面135が形成されることになる。
この様に、所定の積算露光量を与える場合、所定の開口幅の投影像でレジスト上を相対移動することで与えられる点線129と、移動方向の開口の幅の違いで与えられる点線130とは、レジストの積算露光量を変える手段としては方向が直交する等価の制御法なので、この2つの手段を合成することで、斜めのテーパ131や2つの面をつなぐ新たな面135等を容易に形成することが可能となる。
この第8の手段を利用したパターン形成例を、図33に戻り説明する。図33(A)はそれぞれ90度ずつ向きが異なる台形形状(三角形形状含む)の開口パター丸印1、2、3、4が形成されている。
例えば台形開口パターン丸印1を利用する時は遮光手段BLによりそれ以外のパターンを遮光する。図35では台形開口パターン丸印1の投影像を用いて、図34で説明した様な制御により、図35(A)の様に、レジストパターン136が形成される(本来は露光により得られたレジストへのパターン像を現像した後にレジストパターンが形成されるが、今後は露光により現像後に得られることを前提として得られるレジストパターンを示す)様子を、斜視図にて概念的に示している。
次に図35(B)では台形開口パターン丸印2に切替え、反対方向から同様の制御を行うことで、レジストパターン137を形成している。この2つの制御により凹立体台形形状の4隅部分は斜めのテーパが形成されているのが確認できる。しかし、凹立体台形形状の中央部分に、図34で示した新しい面138、139、140、141等が形成されている。
そこで、次にこの中央部分のパターンを取り除く為に、図36(A)の様に、台形開口パターン丸印3を用いて、今までと直交する方向に、同様の制御を行い、更に、図36(B)の様に台形開口パターン丸印4を用いて、その反対方向から、同様の制御を行う。すると、レジストパターン142、143が形成される。
前述の様に、所定の開口幅の投影像でレジスト上を相対移動することで与えられる形状と、移動方向の開口の幅の違いで与えられる形状は、レジストの積算露光量を変える手段としては方向が直交する等価の制御法なので、レジストパターン136、137に対して、直交する方向に形成されたレジストパターン141、142が重ねて露光された部分は、積算露光量の総和で中央部に残存していたレジストパターンが取り除かれ、図37(A)に示す様な、スムーズなテーパ形状を形成することが可能となる。
但し、テーパ面に対して底面が十分に大きい場合は問題ないが、この実施例の様なテーパ面と底面がほぼ同じ大きさの形状は、十分に残存パターンを除去できない条件があり、図37(A)の143の様なレジストが残存する場合もある。この場合は、残存レジストを除去する為に、この部分のみ開口があるパターンを利用して露光し、除去する工程を追加する必要がある。この工程の追加で図37(B)の様な、凹立体台形形状の形成が可能となる。
また、この例では36(A)の様な台形形状と三角形形状を用いたが、図38(A)の様に、露光終了時の三角部分と直交する露光開始時の三角部分が重なる(a、bとして表示)様に制御すれば、実施例の様に残存部分を取り除き連続したテーパ面を形成することが可能であり、図36(B)の様な4つの台形形状でも、図38(B)の様に、露光終了時の三角部分と直交する露光開始時の三角部分が重なる(c、dとして表示)様に制御すれば、同様のことが可能となる。
この技術を応用して、前述のレジスト残存部を上手く利用したのが、例えば図40(B)に示す様な、テーパ付きの凹六角柱の形成、中央部へのパターン形成等である。
このレジストパターンを形成するには、図39(A)のレチクルパターンを用いる。具体的方法は図33で説明したので省略するが、同様の方法で、図39(B)に示す様な配置で矢印方向にレジストに対してレチクルパターン像の相対移動を行う。
ここでポイントとなるのが、移動方向に直交するテーパと傾きを持ったテーパ面形成についてである。例えば、移動方向に直交するテーパは、図39(B)の丸印2の長さ分移動した時点でテーパ面が形成される。それに対して、所定の角度を持ったテーパは、移動方向丸印1の距離を進むことでテーパが形成される。即ち、丸印2よりも丸印1の方が短く、同じ積算露光量にする為には照度を落とすか、移動速度を遅くするか、レチクルパターンの丸印1と2が同じ長さになる様に設計する等の修正が必要となる。
また、一連の移動露光が終了した時点で、点線内で示す丸印3の領域が完全未露光部分となり、積算露光量がレジストを完全に除去するまで与えられていない部分にも一部レジストが残ることになる。
そこで、それらの一部レジストが残っている部分を除去し、完全未露光部分に図40(A)に示すレチクルパターンを重ね合せ静止露光を行うことで、新たなパターンを形成している。最終的に作られたレジストパターンが図40(B)であり、テーパ付き凹六角柱の中に、テーパの無い円柱レジストパターンが形成されている。本発明では、この様な複合パターンも容易に形成することができる。
この様に、第1の手段から8の手段を用いることで、概ね全てのパターンが形成できる。しかし、形成が難しいのが球面形状の形成である。
そこで、第9の手段としては、レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介してフォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、前記レチクル上のパターンがレジスト上の投影像として解像しない大きさに投影光学系の瞳の径を制御すると共に、前記レジストパターンを形成する工程中に、少なくとも2回、フォトレジストを搭載した可動ステージ位置を、レチクル上の異なるパターンの投影像が前記フォトレジスト上で重ね合せられるまで移動すると共に、フォトレジスト上に照射される積算露光量又はフォーカス位置、投影光学系の瞳の径の少なくとも一つを変更して分割露光を行うことで曲線形状の光量分布を与えることとした。
更に、第10の手段では、前記レチクル上の異なるパターンはそれぞれ半径の異なる円形状群であり、それぞれの円形状群を囲う様に遮光帯が形成されているレチクルを使用することとした。
図41に示しているのが第9の手段及び、第10の手段を用いる場合のレチクルパターン形状の例である。それぞれ異なる半径の円形パターン群を重ね合せて露光する。この例では3回の分割露光であり、それぞれの遮光帯内のみ露光される様に、それ以外のパターンには光が当らない様に遮光する。
それぞれパターン群に応じてレンズNA(投影光学系の瞳の径)と積算露光量を可変するが、そのシミュレーション条件を示したのが、図42(A)であり、現像後に得られるレジストパターン形状を示したのが、図42(B)である。図を見ても分かる様に、一つ一つのパターン形状は球面ではないが、直径8.5μm、NA0.011の小円パターンで積算露光量50%の露光を行い、直径13μm、NA0.04の中円パターンで積算露光量30%で露光を行い、直径15μm、NA0.12の大円パターンで積算露光量20%で露光を行うことにより、所定のNA、積算露光量にて分割露光を行い、総合積算露光量にて得られた結果が球面形状144となっているのが確認できる。
またここでは、3つのパターン群としているが、一列に長く延びたパターン群を用いて、それに直交する方向にステップ露光を行い、上述の様に、異なる円形パターンに切替えて、NAを可変後に各円形パターン像の中心が重なる様に重ね合せて、少なくとも3回の分割露光を行うことで、球面形状の2次元マトリックスパターンが形成できることになる。
1枚のレチクル内に様々な半径のパターンを遮光帯により分離して入れることができるので、組み合わせに応じてさまざまな半径、球面以外の非球面レンズも分割露光で形成できることになる。尚、パターン形状144は球面形状の下方はイビツになってしまう場合がある。よって前述の様に、レチクルが素ガラスの位置で所定量の積算露光を行うことで、均一に膜ベリを発生させることができ、上面の球面形状となっている部分のみのレジストパターンを形成することが可能となる。
この例では積算露光量と投影光学系の瞳の径を変更して分割露光を行ったが、図4で説明した様に、所定量フォーカスを移動することで、投影光学系の瞳の径を変更する場合と同じ効果が得られる条件もある。また、円形パターンの半径を小さくすることでも投影像に同じ効果を与えることができるので、少なくとも、何れか一つを操作・制御することで球面形状に近いレジストパターンを形成できる。
この様に、異なる半径の円形パターンを積算露光量やフォーカス位置、又はレンズNAの内少なくとも一つを変更して分割露光することで、球面レジストパターンが得られるが、3回の分割露光の手間や、NAを小さくした時に露光時間が長くかかることや、2次元マトリックスパターン形成の為にステッピング露光行うことで、時間がかかるという問題がある。
それを解決する方法として、第11の手段では、レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介してフォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、前記レジストパターンを形成する工程中に、少なくとも2回、フォトレジストを搭載した可動ステージ位置を、レチクル上の異なるパターンの投影像が前記フォトレジスト上で重ね合せられるまで移動すると共に、前記レチクル上の異なるパターンは中心で180度位相がずれたグレースケールであり、且つそれぞれのピッチを異ならせたパターンの重ね合せで分割露光を行うこととした。
図43(A)は第11の手段に基づき作成されたレチクルパターン図を示す。グレースケール145はその中心部が開口となっており、グレースケール146はその中心部分が遮光部となっている。図44(A)には、そのグレースケール断面を通過する光と、(B)に記載された条件でレジスト上に投影された投影像を示している。
グレースケール145の投影像148は最も大きい開口が中心部なので、一つ山の小さなパターン形状になっており、グレースケール146の投影像149は、最も大きい開口が中心部の遮光部の両側となるので、外側の開口部に引っ張られる様に、二つ山のパターン形状になっているのが確認できる。ところが、その2つのグレースケールにより形成されたパターン像を合成した積算露光量部分では、両方の凹凸がキャンセルし合い、スムーズな円のパターン形状150になっているのが確認できる。
更に、第12の手段では、前記グレースケールの最外周に近傍の開口幅以上の補助パターンを設置している。
図43(B)は、第12の手段に基づき作成されたレチクルパターン図である。グレースケールパターン146の最外周の開口部幅より幅の大きい遮光部が形成されているのが分かる。図45では、そのグレースケール中心断面を通過する光と、図44(B)に記載された条件でレジスト上に投影された投影像を示している。この補助パターンの効果は、二つ山のパターン形状151の様に山の幅を広げることであり、その2つのグレースケールにより形成されたパターン像を合成した積算露光量部分では、パターン形状150よりも広い範囲で円のパターン形状を有するパターン形状151に改善されているのが確認できる。
ここでは、一つ山と二つ山の条件で説明したが、グレースケールの本数が増えた場合でも、レチクル上の異なるパターンは中心で180度位相がずれたグレースケールにすることで、今回の様な回折光による高次の誤差をキャンセルすることが可能となる。無論、この180度位相がずれたグレースケールとは、レチクル上に投影像として無視できる様な細かいパターンを入れている場合や、僅かに位相を変えた場合でも投影像の光量分布を加算することで、回折光による高次の誤差をキャンセルできるという、同様の効果があるが、このことも本発明に含まれる。
また第9及び第10の手段では、それぞれの分割露光時の条件を変えていた為、一つのパターンを露光している間は他のパターンを遮光しておく必要があった。しかし、第11及び12の手段の更なる特徴的なことは、両方の露光条件を同じにできるということである。
これを利用して、前記グレースケールは第13の手段として、レチクル上に交互に配置する方法を取っている。
その例を図46に示しているが、グレースケールパターン145と147とが交互に配置されているのが確認できる。露光条件が同じなので、まず、レチクル上に交互に配置されたパターンを全面露光し、次にグレースケールパターン145のレジスト上投影像の位置をレジスト面に対し相対移動し、グレースケール147のレジスト上投影像の露光位置の中心が重なる様にした分割露光を行うことにより、2回の露光のみで、全面で2次元球面形状のマトリックスパターンを形成することが可能となる。
この例ではx及びy方向に交互に配置しているが、x及びy方向のみ交互にしても、個々のパターンでは無く、所定パターンのグループを形成し、他のグループの中心を重ね合せる様にして同様のことを行っても良い。本発明の効果を得られる方法は、全て本特許の範囲内となる。
但し、この方法でも球面形状の下方がイビツになる場合がある。図47が素ガラスレチクル又はレチクルを載せない状態で所定量の積算露光を行うことで、均一に膜ベリを発生させて、イビツな部分を除去した球面形状の2次元マトリックスパターンであり、スムーズな球面形状となっているのが確認できる。
また、露光条件を変えた場合は、更に様々なパターン形状を形成することが可能である。第14の手段では、前記レチクル上の異なるパターンはグレースケール群であり、前記グレースケール群と共に、それぞれのグレースケール群を囲う様に遮光帯が形成されている様にした。
このレチクルを使用することで、第11及び12の手段と同様のことがグレースケールパターンを用いても可能となる。
更に、上記の第10、11及び12の手段については、パターン形状及びフォーカス位置やNAを制御した条件で、フーリエ変換により瞳位置での光量分布を算出し、瞳絞りによる透過光量を決定した後、逆フーリエ変換によりウェハW上での投影パターン形状を算出する。その各条件で得られた複数の投影像を重ね合せ、分割露光による総合的な積算露光量を決定し、どの露光条件で所定の球面形状ができるかを、所定の曲面式と本シミュレーション結果の差分を算出し、最小二乗近似計算により誤差が許容値になる条件となる様に、パターン形状を設計する方法を取っている。その結果、誤差の少ない、効率の良いパターン形状の形成が可能となる。
また、前述の様なポジレジストの場合、積算露光量Exは現像後のレジストの高さを決定するので、残存レジスト高さをZxとすると、Zx=f(Ex)の関数となる。f(Ex)は実験データ等から求めることができるが、ここではその方法の一つを説明する。
第1の手段から第14の手段まで、全て残存レジストZxは積算露光量Exの関数である。積算露光量Exを決定するのが、レチクルのパターン形状であり、レチクルパターンのレジスト上への投影像条件であり、レジストに対する投影像の相対移動量、移動速度等により決まるパラメータである。但し、予め最初に決定されているものは、必要なレジストパターン形状なので、各位置に於ける残存レジストZxに関する関数g(x)と積算露光量Exの関係を定めておく必要がある。
レジストxの位置に対する、形成が必要な残存レジストZxの関数を
Zx=g(x)
とした場合、
Zx=f(Ex)
なので、
Ex=f−1(g(x))
で各位置xでの積算露光量Exを決めることができる。
Zx=g(x)
とした場合、
Zx=f(Ex)
なので、
Ex=f−1(g(x))
で各位置xでの積算露光量Exを決めることができる。
そこでExを決める方法として、第15の手段に於いて、前記露光の際に、各位置での積算露光量を決定する方法は、それぞれの領域毎のレジスト除去量に基づいて、それぞれの領域毎に必要な露光量を示すレジスト感度曲線を用いて算出することとしている。
これは、レジストのパターン形成に於いて、レジスト透過率、レジストの化学反応特性、温度環境、現像条件等で、積算露光量に対するパターン形状が異なる為である。f(Ex)の関数を決定するには、レジストメーカのデータを用いても良いが、メーカ側の計測条件が、使用者の環境と同じ訳ではない。よって、独自に関数f(Ex)を求める方が正確なシミュレーションを行うことができる。
上記シミュレーションのみで、少ないテスト露光でも任意のパターン形状を形成する為には、ステップタブレットを用いるのが良い。ステップタブレットとは、ネガレジストを用いる場合の積算露光量の補正を行う為に、プリント基板の露光工程にて一般的に使用される。まず、露光工程に入る前に、諸条件を固定して最適露光量を決定する。その際、ステップタブレットにより、ST段数(目視で判るレジスト硬化の分岐点)を標準とする。生産工程では、ロッド毎にレジスト濃度が変わったり、レジストの劣化が発生する。顕微鏡による確認が必要な「試し焼き」は時間がかかるので、目視で確認できるステップタブレットの段数を確認し、標準ST段数からのズレ量から調整率を求め、露光量の補正を行う方法である。
このステップタブレットを用いる方法を図48にて説明していく。図48(A)は一般的な21段のステップタブレットの例である。ST段数と、濃度、透過率にはこの表の様な関係がある。この濃度の異なるNDフィルターがステップタブレット116に順次形成されている。使用方法はまず、利用する露光装置にレジスト115が塗布されたウェハWを設置する。図48(B)に示す様に、そのレジスト115の上にステップタブレット116を設置し、露光を実施する。
ステップタブレット下面のレジスト上は、図48(C)に示す様に、各濃度に応じた透過率で感光が行われる。その後、ステップタブレット116を取り外し、ウェハW上のレジスト115を現像工程にて剥離する。すると、ポジレジストの場合、図48(E)に示す様に、膜ベリが露光量に応じて発生し、レジストの膜厚が変わる。そこで図48(D)に示す様に、接触型のセンサープローブ117等を用いて、透過率に対応したレジスト115の高さを計測していく。
横軸を積算露光量En(実施積算露光量*透過率)、縦軸を残存レジスト厚Znとして、この結果に対して高次曲線近似を行うことにより関数
Zx=f(Ex)
を求める。また、実際に使用するのは、
Ex=f−1(Zx)
なので、横軸を残存レジスト厚Zn、縦軸を積算露光量En(実施積算露光量*透過率)として、この結果に対して高次曲線近似を行っても良い。
Zx=f(Ex)
を求める。また、実際に使用するのは、
Ex=f−1(Zx)
なので、横軸を残存レジスト厚Zn、縦軸を積算露光量En(実施積算露光量*透過率)として、この結果に対して高次曲線近似を行っても良い。
即ち、各位置xに於ける、必要な残存レジスト高さ
Zx=g(x)
を
Ex=f−1(Zx)
に代入して、各位置xに於ける必要な積算露光量Exを求める。そのExを実現する為の、レチクルパターン、レチクルパターンのレジスト上への投影像条件、レジストに対する投影像の相対移動量や移動速度等を、前述のシミュレーションにより決定していく方法となる。
Zx=g(x)
を
Ex=f−1(Zx)
に代入して、各位置xに於ける必要な積算露光量Exを求める。そのExを実現する為の、レチクルパターン、レチクルパターンのレジスト上への投影像条件、レジストに対する投影像の相対移動量や移動速度等を、前述のシミュレーションにより決定していく方法となる。
この方法を用いることにより、短い計測時間で、実際の工程に近い条件で、正確なシミュレーションが可能となる。
以上、本発明による3次元パターンの色々な形成方法を説明したが、MEMS等に代表される3次元パターンの中には投影光学系の焦点深度を超えた位置にパターンを形成することがある。第6、7及び8の手段では、フォーカス投影像に対してレジスト面を移動しながらパターンを形成していく方法なので、その移動位置に応じてフォーカス位置を順次移動することにより、図49の様に、投影光学系の焦点深度D1を超えた異なるフォーカス条件の位置D2に対しても、矢印の方向に移動露光を行い、矢印に沿ってフォーカス位置を制御していくことで、露光位置では常に焦点深度D1内で露光を行うことができる。その結果、連続でクリアなパターンを形成していくことが可能となる。
しかし、この方法は移動しながら逐次露光していく為、露光時間が長くなる。更に、パターン形状が複雑な場合や、多くの異なるパターンを形成する場合は、移動方法が複雑になってしまう欠点がある。
そこで第16の手段では、レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介してフォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、前記レチクルはパターン面を近接させた2枚のレチクルを貼り付けたものを用いることとした。
これは図50(A)に示す通り、第1レチクル148と第2レチクル149をギャップD調整粘着フィルム150で貼り付ける。
前述の通り、焦点深度は投影レンズのNAを小さくすれば大きくなるが、解像度は劣化する。反対にNAを大きくすれば解像度は上がるが、焦点深度は小さくなるという特性を持つ。これらを改善する方法として、輪帯照明法やレチクル位相シフト法、ハーフトーンレチクル法等が知られているが、MEMS等の様に、離散的に大きくフォーカス位置が離れた面にパターンを形成する場合は、焦点深度を大きくする為に、NAを小さくするので、各面で解像度を上げることができなかった。
ここではMEMS等のフォーカス位置の大きく異なる基板上に露光を行う場合、そのフォーカスがDだけ異なる位置に対応したパターン151及び152をそれぞれ描画した2枚のレチクルを作成し、それぞれのパターン面を向かい合わせる様にして、Dだけ離して固定することで、図50(B)に示す様に、各面では従来と同じ解像度でパターン153、154を形成することが可能となる。また、この方法ではパターン面を合わせるので、ゴミ付着用のペリクル等を省くこともできる。
更に第17の手段では、LEDの製造工程で、レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介してフォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、前記レチクル上のパターンとして、所定の開口幅を有する一方向に延びた矩形形状が、前記一方向に直交する方向へ所定のピッチで複数形成されており、照明光学系内部で、光軸部分を遮光した輪帯照明または光軸対称の変形照明にすると共に、投影光学系の瞳位置でNAが小さくなる遮光部を配置し、前記一方向と平行な方向に前記投影像がレジスト上を相対移動する様に露光を行う制御を、前記一方向の角度を変えて複数回行うこととした。
図54の(1)は、NA0.2の投影光学系の概念図である。レチクルR面と共役な位置Iには、ロッド等の射出面等が配置され、その大きさは視野絞り157により管理されている。射出光は、レンズ158を介して照明光学系の瞳位置IHに達する。照明NA絞り159により所定の大きさに管理された光束は、レンズ160を介してレチクルR上を所定の大きさで照明する。レチクル上に形成されたライン&スペースのパターンを透過した光束は、投影レンズ161を経て、内部の瞳位置Hに設置されたNA絞り162により所定の大きさに制限され、ウェハW上にレチクル上のパターン像を投影する。これにより得られる結果が図56(2)の表の(a)であり、i線波長の露光光を使った場合、NA0.2、照明σ0.7で、1μmL/Sのパターンがφ20mm(図54ではL1に相当)の範囲で得られる(図56(3)のグラフ内の点線で投影像形状を示す)。
一方、図54の(2)は、NA0.2の投影光学系の照明光学系の瞳位置IH、及び投影光学系161の瞳位置Hを変更したときの概念図である。レチクルR面と共役な位置Iには、視野絞り157より開口が大きい視野絞り163が配置され、照明光学系の瞳位置IHには、一点鎖線で示した光軸を遮光する変形照明用瞳絞り164が配置され、投影レンズ161の瞳位置Hには、NA絞り162より小さい大きさに制限するNA絞り165が配置される。これにより得られる結果が図56(2)の表の(c)であり、i線波長の露光光を使った場合、NA0.09、照明σ1.0、0.7輪帯で、1μmL/Sのパターンがφ50mm(図54ではL2に相当)の範囲で得られる(図56(3)のグラフ内の太実線で投影像形状を示す)。尚、図56(2)の表の(b)はNA0.09のときの通常照明であるが、通常照明の場合、2光束干渉とならないので、パターンが形成できていないこと(図56(3)のグラフ内の一点鎖線で投影像形状を示す)が確認できる。
図54を見ても判る様に、NAの大きな投影レンズを用いてNAを小さく絞った場合、露光フィールドをその分大きくすることが可能となる。更に、相対移動露光を行うことで、移動方向と直交する方向の露光フィールドを大きく取ることができる。
具体的に、4インチサファイヤ基板上にパターンを形成する際の露光手順を図57に示す。図57(1)には、NA0.2の基板上のφ20mmの露光領域に内接する正方形露光フィールドで、ステップ&リピート露光を行った場合を示す。露光フィールドは□14.14mmで、ステッピング回数は全面露光で37回必要となる。
具体的に、4インチサファイヤ基板上にパターンを形成する際の露光手順を図57に示す。図57(1)には、NA0.2の基板上のφ20mmの露光領域に内接する正方形露光フィールドで、ステップ&リピート露光を行った場合を示す。露光フィールドは□14.14mmで、ステッピング回数は全面露光で37回必要となる。
一方、図57(2)には、NA0.09のφ50mmの露光領域に内接する48.99mm×9.81mm長方形露光フィールドで、相対移動露光を行った場合を示す。上図が1回目の相対移動露光であるが、1回の往復で4インチ基板全面の露光が可能となる。更に、下図は基板を90度回転させて移動方向を実質的に90度回転させた状態で行う2回目の相対移動露光である。こちらも1回の往復で全面の露光が可能となり、スループットを向上させる事が可能なことが判る。
尚、変形照明用瞳絞りの形状を図55に示す。図55(1)は、通常の照明NA絞り159である。これに対し、図55(2)は、光軸中心を遮光した輪帯照明用瞳絞り164である。更に、図55(3)は、矢印に示すように、投影像がレジスト上を相対移動する様に露光を行う制御方向と直交する方向に照明を制限した分割照明用瞳絞り165である。輪帯照明は360度方向に2光束干渉条件となるので、この相対移動方向を任意に決められる反面、2光束干渉条件とならない光束も混ざるので、解像度及び焦点深度が劣化する。分割照明はこの相対移動方向が限定され、光量が減少する反面、相対移動方向に直交する方向のパターンは完全な2光束干渉の照明のみとなるので、良好な解像度及び焦点深度が得られるという利点がある。
この図55(3)で示した条件では往復の境目が生じるが、その境目に形成されるパターンについて図58を用いて説明する。図58では、レチクルR上のパターンと基板上のパターンとの相対位置関係を示す。ポジレジストの場合、レチクルパターンの開口部がレジスト現像後に凹部となり、遮光部が凸部となる。往復の境目では、レチクル上パターンのライン&スペース部の最外周の左右の遮光帯166L、166RがピッチPだけ重なる様にして、露光が行なわれている。照明領域は、矢印Aで示す枠部分となるので、往復露光により境目にもピッチPのパターンが形成されているのが判る。
この様にして形成された3次元パターンを、図60に示す。ポジレジスト現像後に、パターンが矢印の相対移動方向と直交する方向に移動した距離だけ形成される。尚、前述の様に境目にも左右の遮光帯166L、166RがピッチPだけ重なる様にすれば、往復回数を増やすことで、相対移動方向と直交する方向にもパターンを連続して形成できる。
図61には前述の手順を、基板を90度回転させて行ったときに得られる四角柱パターン形状を示す。図62では前述の手順を、基板を60度、120度回転させて行ったときに得られる六角柱パターン形状を示す。それぞれの側面は、独立した2光束干渉条件で形成されるので、1回の露光で形成される四角柱や六角柱と比べても良好なパターン形状が得られる。
図61には前述の手順を、基板を90度回転させて行ったときに得られる四角柱パターン形状を示す。図62では前述の手順を、基板を60度、120度回転させて行ったときに得られる六角柱パターン形状を示す。それぞれの側面は、独立した2光束干渉条件で形成されるので、1回の露光で形成される四角柱や六角柱と比べても良好なパターン形状が得られる。
以上説明したように、本発明によれば、矩形パターン形状の上面部の形状のみ任意の曲線形状に変化させることができる。更に、スムーズな曲面のレジストパターン形状を得ることが可能となる。また、大きい曲率の球面形状のレジストパターン形成できる。また、分割露光に於いて、離散的露光の回数を減らすことが可能となる。より球面形状に近いレジストパターンを形成できるだけでなく、所望のパターン形状を得ることができる。
凹面のマルチシリンドリカルレンズ及び凸面のマルチシリンドリカルレンズを形成することができる。より理想的な曲線に近いパターン形状を生成できる。更に、台形形状のみならず、鋸形状や、階段形状のパターンも複数容易に形成できる。簡単にテーパの付いた2次元マトリクスパターンを形成することができる。更に様々な形状の2次元マトリックスパターンが形成できる。更に、4隅まで延びた球面形状を形成することができる孤立立体台形の凹形状を作ることが可能となる。斜めのテーパや2つの面をつなぐ新たな面を容易に形成することが可能となる。スムーズなテーパ形状を形成することが可能となる。テーパ付き凹六角柱の中に、テーパの無い円柱レジストパターンの様な複合パターンも容易に形成することができる。
さまざまな半径、球面以外の非球面レンズも分割露光で形成できることになる。グレースケールパターンで発生する回折光による高次の誤差を、キャンセルすることが可能となる。それにより、スムーズな球面形状となっているのが確認できる。
ステップタブレットを用いた測定方法で、短い計測時間で、実際の工程に近い条件で、正確なシミュレーションが可能となる。
また、移動露光に伴うフォーカス制御により、連続でクリアなパターンを形成していくことが可能となる。
また、移動露光に伴うフォーカス制御により、連続でクリアなパターンを形成していくことが可能となる。
MEMS等の様に、離散的に大きくフォーカス位置が離れた面にパターンを形成する1枚のマスクで円形形状に近い断面形状を形成することができるので、スループット向上やコストダウンを計ることができる。また、2枚のレチクルを貼り付けた方法では、1回の露光で高い解像度で広い焦点深度を得ることができる。
LEDの光を効率良く取り出す方法で、半導体層の界面に凹凸パターンを形成する際に、連続した凹凸のパターン形状を基板全面に高スループット、高焦点深度で形成することが可能となる。
LEDの光を効率良く取り出す方法で、半導体層の界面に凹凸パターンを形成する際に、連続した凹凸のパターン形状を基板全面に高スループット、高焦点深度で形成することが可能となる。
次に、図1を用いて、本発明を実施する際に用いられる投影露光装置についての説明を行っていく。制御装置1はステージ制御装置2、アライメント・フォーカス制御装置3、開口部制御装置4、露光量制御装置5に指令を出し、一連の制御を行うメイン制御システムである。
この投影露光装置のシステムを簡単に説明していくと、i線やh、g線に代表されるレジストを感光可能な露光波長を射出する超高圧水銀灯6から射出された光束は、楕円鏡7により偏向され、照明均一手段であるロッド光学系9の射入面に集光される。ロッド光学系の射入手前には、前述露光量制御装置5により制御される露光用シャッター8があり、露光開始の指令情報及び、積算露光量モニター(図示せず)の結果に基づく露光終了情報により開閉が制御されている。
ロッド9の射出で均一化された照明光は、リレー光学系(レンズ10、ダイクロイックミラー11、レンズ13)によりレチクル上で所定の大きさに拡大され、所定の照明σでレチクルR上を照明する。その際、リレー光学系内には照明σを決定する開口絞り12が瞳位置に設置されており、レチクルRの直上にはレチクルの視野を決定するブラインド15が設置されている。共に、上述の開口部制御装置4により制御される。
レチクルRであるが、レチクルステージ16上に設置されており、レチクルRをレチクル顕微鏡14に対し、位置合わせできる様に、ステージ制御装置2によりレチクルステージ16が制御される。レチクルR上のレチクルパターンを透過した光束は、投影光学系17によりその共役位置にあるレジストが塗布されたウェハW上に、レチクルパターンの投影像を形成する。ウェハW上のレジストパターンは、ウェハW上のレジストにその投影像の形状に従い感光され、ウェハWを現像工程で処理され形成されることになる。
尚、ウェハWを露光する際、レチクル上のパターンと予めウェハ上に形成されたパターンとの位置合わせを行なう必要がある。それが露光工程に先立ち行われるベースライン計測である。前述のレチクルRをレチクル顕微鏡14に対し、位置合わせする際、同時にウェハWを搭載するウェハホルダー20及び、基準マーク22が設置されているウェハステージ21を駆動して、レチクル顕微鏡14で観察できる位置に、ウェハステージ21上の基準マーク22を位置付けする。
尚、この制御はステージ制御装置2により行われる。レチクル顕微鏡14によりレチクルRを位置合わせすると共に、基準マーク22の位置をアライメント・フォーカス制御装置3により計測し、レチクルパターンの投影像とウェハステージ21の相対位置を記憶する。更に、ウェハ上のパターン位置を計測するオフアクシスアライメント光学系23で観察できる位置に基準マーク22を移動、オフアクシスアライメント光学系23で観察できる基準マーク22の位置を、アライメント・フォーカス制御装置3により計測することで、レチクルパターンの投影像の位置とオフアクシスアライメント光学系23の距離(ベースライン量)を算出する。ウェハWをウェハステージ21上に搭載後、オフアクシスアライメント光学系23にて得られたウェハW上のマーク位置を、アライメント・フォーカス制御装置3により計測し、前述のベースライン量に基づき、ウェハWを投影光学系17の下に移動し、露光を実施する。
尚、ウェハWの厚さに応じて、レチクルR上のパターンの投影像の位置とウェハ露光面の位置を合わせる必要がある。ウェハステージ21をZ方向に駆動するフォーカス制御も、斜入射オートフォーカス系19を用いて、アライメント・フォーカス制御装置3により計測が行われる。その結果に応じて、ウェハステージ21をステージ制御装置2によりZ方向に駆動することで、アライメントや露光が行なわれる構成となっている。
以上、露光の手順としては、レチクルRの設置、レチクル顕微鏡14を用いたレチクルRと基準マーク22のアライメント、オフアクシスアライメント光学系23を用いた基準マーク22のアライメントによるベースライン計測、オフアクシスアライメント光学系23によるウェハWマークアライメントの工程を経て、レチクルパターンの投影像がウェハW上に露光される。但し、本発明としては、ブラインド15による露光するレチクルパターンの選択を行い、投影光学系17の中のレチクルパターン面に対する瞳位置に設置されたNA可変絞り18により、所定のNAに設定、又は斜入射オートフォーカス系19により所定のフォーカスオフセットを与えた後に、この露光動作は行なわれる。
次に、本発明の実施形態に従い、制御方法を説明していく。
第1の実施形態では、まず、必要となるレジストパターン形状を
Zx=g(x)
の関数で定める。次に予め求められている、横軸を積算露光量x(実施積算露光量*透過率)、縦軸が残存レジスト厚Zxである高次曲線近似関数
Zx=f(Ex)
に対し、
逆関数Ex=f−1(Zx)
を求め、Zxに
Zx=g(x)
を代入することで、各位置xに対する必要な積算露光量Exを求めることができる。
第1の実施形態では、まず、必要となるレジストパターン形状を
Zx=g(x)
の関数で定める。次に予め求められている、横軸を積算露光量x(実施積算露光量*透過率)、縦軸が残存レジスト厚Zxである高次曲線近似関数
Zx=f(Ex)
に対し、
逆関数Ex=f−1(Zx)
を求め、Zxに
Zx=g(x)
を代入することで、各位置xに対する必要な積算露光量Exを求めることができる。
この積算露光量Exに関する座標位置xの関数
Ex=f−1(g(x))
に近い形状となるものを、フーリエ変換により瞳位置での光量分布を算出し、瞳絞りによる透過光量を決定した後、逆フーリエ変換によりウェハW上での投影パターン形状を算出することで決定する。パラメータは、フォーカスやNAを制御した場合のパターン形状と、
Ex=f−1(g(x))
の形状の差を最小二乗近似法で求め、最も誤差の小さい条件をシミュレーションしていけば良い。
Ex=f−1(g(x))
に近い形状となるものを、フーリエ変換により瞳位置での光量分布を算出し、瞳絞りによる透過光量を決定した後、逆フーリエ変換によりウェハW上での投影パターン形状を算出することで決定する。パラメータは、フォーカスやNAを制御した場合のパターン形状と、
Ex=f−1(g(x))
の形状の差を最小二乗近似法で求め、最も誤差の小さい条件をシミュレーションしていけば良い。
この部分は制御装置1で行っても、別置きのPCを用いても良いが、結果をデータファイル化する。このデータファイルの情報を制御装置1で読み込み、制御装置1からの指令により、アライメント・フォーカス制御装置3、開口部制御装置4、及び露光量制御装置5が、ウェハステージ21のXYZ方向の位置、及び所定のNA条件を満たすNA可変絞り18の開口位置を管理・設定・制御し、露光用シャッター8により、露光時間等を管理・設定・制御することで、露光が実施される。具体的原理及び方法については、図2から図4を用いて既に説明しているので、ここでは省略する。
第2の実施形態でも、前述の積算露光量Exに関する座標位置xの関数
Ex=f−1(g(x))
を用いる。所定のNA、フォーカス条件にて、レチクルパターンのエッジがどの様な投影像となるか、フーリエ変換により瞳位置での光量分布を算出し、瞳絞りによる透過光量を決定した後、逆フーリエ変換によりウェハW上での投影パターン形状を算出する。
Ex=f−1(g(x))
を用いる。所定のNA、フォーカス条件にて、レチクルパターンのエッジがどの様な投影像となるか、フーリエ変換により瞳位置での光量分布を算出し、瞳絞りによる透過光量を決定した後、逆フーリエ変換によりウェハW上での投影パターン形状を算出する。
次に、図6にて説明した様に、ステージ位置を動かして分割的に露光する。例えば、球面形状を形成する場合は、
x2+f(Ex)2=R2
がシフト量と積算露光量を決定する場合の参考値となる。ここではそのパターン像を上記参考値に従いレジスト面に対し移動させ、各座標位置での分割露光による総合的な積算露光量を決定し、どの程度のオーバ露光で所定の曲面形状ができるかを導き出す。
x2+f(Ex)2=R2
がシフト量と積算露光量を決定する場合の参考値となる。ここではそのパターン像を上記参考値に従いレジスト面に対し移動させ、各座標位置での分割露光による総合的な積算露光量を決定し、どの程度のオーバ露光で所定の曲面形状ができるかを導き出す。
パターン像をシフトさせて合成する本シミュレーション結果と、上記の方程式との差分を算出し、最小二乗近似計算により誤差が許容値になる条件を求め、シフト量及び露光量を決定する方法を取っている。ステージのシフト数(分割露光数)についてはNAが大きい場合、投影像に高次のうねりがある為、細かく分散する必要があるので処理時間が長くなるが、上記参考値に近い条件でシフト量や各位置での積算露光量を求めることができる。
一方、NAが小さい場合は、元々投影像が緩やかな曲面になっており、ステージのシフト数(分割露光数)を減らすことができる。但し、あまりNAが小さいと、ガウス分布形状に近づき、上記参考値と合わなくなり、形状制御が難しくなってしまうので、適度な条件をシミュレーションにより求める必要がある。
露光の手順としては、レチクルRの設置、レチクル顕微鏡14を用いたレチクルRと基準マーク22のアライメント、オフアクシスアライメント光学系23を用いた基準マーク22のアライメントによるベースライン計測、オフアクシスアライメント光学系23によるウェハWマークアライメントの工程を経て、ブラインド15による露光するレチクルパターンの選択を行い、投影光学系17の中のレチクルパターン面に対する瞳位置に設置されたNA可変絞り18により、所定のNAに設定、又は斜入射オートフォーカス系19により所定のフォーカスオフセットを与え、前述のシミュレーションの結果に従い、この露光動作は行なわれる。
このシミュレーションについては制御装置1で行っても、別置きのPCを用いても良いが、結果をデータファイル化する。このデータファイルの情報を制御装置1で読み込み、制御装置1からの指令により、アライメント・フォーカス制御装置3、開口部制御装置4、及び露光量制御装置5が、ウェハステージ21のXYZ方向の位置及びステージ移動量、及び所定のNA条件を満たすNA可変絞り18の開口位置を管理・設定・制御し、露光用シャッター8により、分割露光回数と各位置での露光時間等を管理・設定・制御することで、露光が実施される。尚、具体的原理及び方法については、図5から図8を用いて既に説明しているので、ここでは省略する。
次に第3の実施形態でも、前述の積算露光量Exに関する座標位置xの関数
Ex=f−1(g(x))
を用いる。所定のNA、フォーカス条件にて、レチクルパターンのエッジがどの様な投影像となるか、フーリエ変換により瞳位置での光量分布を算出し、瞳絞りによる透過光量を決定した後、逆フーリエ変換によりウェハW上での投影パターン形状を算出する。
Ex=f−1(g(x))
を用いる。所定のNA、フォーカス条件にて、レチクルパターンのエッジがどの様な投影像となるか、フーリエ変換により瞳位置での光量分布を算出し、瞳絞りによる透過光量を決定した後、逆フーリエ変換によりウェハW上での投影パターン形状を算出する。
次に、積算露光量を一定値とし、ステージの移動速度を変化させることで、任意の曲面形状のレジストパターンを形成する。シミュレーション方法としては、等間隔位置でウェハがシフトしていることとしてパターン形状を重ね合せていく。但し、その各位置でのウェハWの移動速度を求め、移動速度にその位置での積算露光量が反比例することを利用して、パターン形状の光量を可変して加算し、各座標位置での露光による総合的な積算露光量を決定する方法を取っている。
今回はスキャン露光であり、照度Sは一定である。ウェハWの移動による分散露光の場合、ウェハの移動速度を位置に応じて変化させることで、各位置での積算露光量を変化させる。シフト量をxとすると、計算式は
x=Vx×t
となる。Vxは移動位置xでの速度を示し、その時の積算露光量Exは速度に反比例するので、露光系の照度をSとすると、
x/Vx×S=Ex
Vx=S×x/f−1(g(x))
である。尚、ここでのウェハステージ速度Vxは連続的に変化していくので、制御としては、Vxの曲線を微分し、加速度曲線を作り、その微分によるジャーク曲線を求めて、その数値に従い、ウェハステージ21のリニアモータ等(図示せず)の電流値を制御することで実現する。
x=Vx×t
となる。Vxは移動位置xでの速度を示し、その時の積算露光量Exは速度に反比例するので、露光系の照度をSとすると、
x/Vx×S=Ex
Vx=S×x/f−1(g(x))
である。尚、ここでのウェハステージ速度Vxは連続的に変化していくので、制御としては、Vxの曲線を微分し、加速度曲線を作り、その微分によるジャーク曲線を求めて、その数値に従い、ウェハステージ21のリニアモータ等(図示せず)の電流値を制御することで実現する。
露光の手順としては、レチクルRの設置、レチクル顕微鏡14を用いたレチクルRと基準マーク22のアライメント、オフアクシスアライメント光学系23を用いた基準マーク22のアライメントによるベースライン計測、オフアクシスアライメント光学系23によるウェハWマークアライメントの工程を経て、ブラインド15による露光するレチクルパターンの選択を行い、投影光学系17の中のレチクルパターン面に対する瞳位置に設置されたNA可変絞り18により、所定のNAに設定し、前述のシミュレーションの結果に従い、この露光動作は行なわれる。
このシミュレーションについては制御装置1で行っても、別置きのPCを用いても良いが、結果をデータファイル化する。このデータファイルの情報を制御装置1で読み込み、制御装置1からの指令により、アライメント・フォーカス制御装置3、開口部制御装置4、及び露光量制御装置5が、ウェハステージ21のXYZ方向の位置及びステージ移動速度、所定のNA条件を満たすNA可変絞り18の開口位置、及び露光用シャッター8の開閉を管理・設定・制御することで、露光が実施される。尚、具体的原理及び方法については、図9から図10を用いて既に説明しているので、ここでは省略する。
このシミュレーションについては制御装置1で行っても、別置きのPCを用いても良いが、結果をデータファイル化する。このデータファイルの情報を制御装置1で読み込み、制御装置1からの指令により、アライメント・フォーカス制御装置3、開口部制御装置4、及び露光量制御装置5が、ウェハステージ21のXYZ方向の位置及びステージ移動速度、所定のNA条件を満たすNA可変絞り18の開口位置、及び露光用シャッター8の開閉を管理・設定・制御することで、露光が実施される。尚、具体的原理及び方法については、図9から図10を用いて既に説明しているので、ここでは省略する。
また、第4の実施形態としては、第3の実施形態で説明した内容を移動方向に直交した中心線対称に露光が行われる様に、各変更条件を設定する方法である。よって、装置の制御方法は第3の実施形態と同じであり、具体的原理及び方法については、図11を用いて既に説明しているので、ここでは省略する。
次に第5の実施形態としても、前述の積算露光量Exに関する座標位置xの関数
Ex=f−1(g(x))
を用いる。レチクル上のパターンは所定の開口幅を有する一方向に延びた矩形形状が、上記の一方向に直交する方向へ所定のピッチPで複数形成されており、所定のNA、フォーカス条件にて、レチクルパターンの矩形形状がどの様な投影像となるか、フーリエ変換により瞳位置での光量分布を算出し、瞳絞りによる透過光量を決定した後、逆フーリエ変換によりウェハW上での投影パターン像を算出する。
Ex=f−1(g(x))
を用いる。レチクル上のパターンは所定の開口幅を有する一方向に延びた矩形形状が、上記の一方向に直交する方向へ所定のピッチPで複数形成されており、所定のNA、フォーカス条件にて、レチクルパターンの矩形形状がどの様な投影像となるか、フーリエ変換により瞳位置での光量分布を算出し、瞳絞りによる透過光量を決定した後、逆フーリエ変換によりウェハW上での投影パターン像を算出する。
ここでは、上記の直交する方向にピッチPの範囲内で、投影像がレジスト上を相対移動する様に制御しながら露光を行う。移動方法は、相対移動位置xでの速度をVx、矩形形状の短手方向の幅w、露光系の照度をSとした場合、計算式は
Ex=S×w/Vx
なので、
Vx=S×w/f−1(g(x))
となる。
Ex=S×w/Vx
なので、
Vx=S×w/f−1(g(x))
となる。
尚、ここでのウェハステージ速度Vxは連続的に変化していくので、制御としては、Vxの曲線を微分し、加速度曲線を作り、その微分によるジャーク曲線を求めて、その数値に従い、ウェハステージ21のリニアモータ等(図示せず)の電流値を制御することで実現する。また、パターンピッチ以内での速度制御であり、それ以外の備加速や減速時に露光されない様に、露光用シャッター8の開閉が行なわれる。
露光の手順としては、レチクルRの設置、レチクル顕微鏡14を用いたレチクルRと基準マーク22のアライメント、オフアクシスアライメント光学系23を用いた基準マーク22のアライメントによるベースライン計測、オフアクシスアライメント光学系23によるウェハWマークアライメントの工程を経て、ブラインド15による露光するレチクルパターンの選択を行い、投影光学系17の中のレチクルパターン面に対する瞳位置に設置されたNA可変絞り18により、所定のNAに設定し、前述のシミュレーションの結果に従い、この露光動作は行なわれる。
このシミュレーションについては制御装置1で行っても、別置きのPCを用いても良いが、結果をデータファイル化する。このデータファイルの情報を制御装置1で読み込み、制御装置1からの指令により、アライメント・フォーカス制御装置3、開口部制御装置4、及び露光量制御装置5が、ウェハステージ21のXYZ方向の位置及びステージ移動速度、所定のNA条件を満たすNA可変絞り18の開口位置、及び露光用シャッター8の開閉を管理・設定・制御することで、露光が実施される。尚、具体的原理及び方法については、図12から図13を用いて既に説明しているので、ここでは省略する。
次に第6の実施形態としても、前述の積算露光量Exに関する座標位置xの関数
Ex=f−1(g(x))
を用いる。一方向に関して断面形状が同一な3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、レチクル上のパターンは上記の一方向と直交する方向に所定の長さを有する開口で形成され、且つ、開口の幅は異なる形状である。開口の幅方向に相対移動しながら露光を行った時の積算した結果と積算露光量Exとが比例するので、各位置xでの開口幅をW(x)とし、相対移動速度をV、露光系の照度をSとすると、
E(x)=S×W(x)/V
となる。よって、
W(x)=V/S×f−1(g(x))
を満たす開口形状とすれば良い。
Ex=f−1(g(x))
を用いる。一方向に関して断面形状が同一な3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、レチクル上のパターンは上記の一方向と直交する方向に所定の長さを有する開口で形成され、且つ、開口の幅は異なる形状である。開口の幅方向に相対移動しながら露光を行った時の積算した結果と積算露光量Exとが比例するので、各位置xでの開口幅をW(x)とし、相対移動速度をV、露光系の照度をSとすると、
E(x)=S×W(x)/V
となる。よって、
W(x)=V/S×f−1(g(x))
を満たす開口形状とすれば良い。
しかし、投影像は、所定のNA、フォーカス条件にて決まる為、上記のg(x)と異なる可能性がある。特に、解像度より小さなパターンは再現することができない。この影響は露光したくない部分の膜ベリや、露光したい部分のレジストが剥離できないということを意味する。
よって、レチクルパターンの矩形形状がどの様な投影像となるかの確認を行う。
よって、レチクルパターンの矩形形状がどの様な投影像となるかの確認を行う。
その方法としては、レチクルパターンに対し、2次元フーリエ変換により瞳位置での光量分布を算出し、瞳絞りによる透過光量を決定した後、逆2次元フーリエ変換によりウェハW上での投影パターン像を算出する。そして、パターン像を、位置x毎に加算した結果で1次元の光量分布を求める。これが、実際にスキャン露光した場合に得られる結果と考えられるので、このシミュレーションにより、上記のExとの差異を確認し、速度を所定量遅く(レジスト残存部分を剥離)するか、速度を早くする(膜ベリを少なくする)の処置を行う。又は、差異が少なくなる様に、W(x)の開口幅に補正を行っても良い。
露光の手順としては、レチクルRの設置、レチクル顕微鏡14を用いたレチクルRと基準マーク22のアライメント、オフアクシスアライメント光学系23を用いた基準マーク22のアライメントによるベースライン計測、オフアクシスアライメント光学系23によるウェハWマークアライメントの工程を経て、ブラインド15による露光するレチクルパターンの選択を行い、投影光学系17の中のレチクルパターン面に対する瞳位置に設置されたNA可変絞り18により、所定のNAに設定し、前述のシミュレーションの結果に従い、この露光動作は行なわれる。
このシミュレーションについては制御装置1で行っても、別置きのPCを用いても良いが、結果をデータファイル化する。このデータファイルの情報を制御装置1で読み込み、制御装置1からの指令により、アライメント・フォーカス制御装置3、開口部制御装置4、及び露光量制御装置5が、ウェハステージ21XYZ方向の位置及びステージ移動速度、所定のNA条件を満たすNA可変絞り18の開口位置、並びに露光用シャッター8の開閉を管理・設定・制御することで、露光が実施される。また、レチクルパターンに補正を行う場合は、このシミュレーション結果に基づき、レチクル図面を変更する。尚、具体的原理及び方法については、図14から図22を用いて既に説明しているので、ここでは省略する。
次に第7の実施形態は、第2の実施形態から第6の実施形態で行ったレジストパターンを形成する工程を、諸条件の変更を含め、その投影像又は直交するレチクルパターン異なる投影像を用いて、直交方向に対して実施する分割露光である。装置の制御方法は第2の実施形態から第6の実施形態に対し、制御軸をx方向からy方向に変えるだけなのでほぼ同じであり、具体的原理及び方法については、図23から図31を用いて既に説明しているので、ここでは省略する。
次に第8の実施形態でも、前述の積算露光量Exに関する座標位置xの関数
Ex=f−1(g(x))
を用いる。積算露光量を制御する方法は、前述の投影像をレジスト上で相対移動させる速度で制御する方法と、移動方向に直交する方向のレチクルパターンの開口幅を異ならせる方法がある。
Ex=f−1(g(x))
を用いる。積算露光量を制御する方法は、前述の投影像をレジスト上で相対移動させる速度で制御する方法と、移動方向に直交する方向のレチクルパターンの開口幅を異ならせる方法がある。
例えば、45°テーパ形状を作る場合、y=xなので、g(x)=xである。
各位置xでの開口幅をW(x)とし、相対移動速度をV、露光系の照度をSとすると、
E(x)=S×W(x)/V
となる。よって、
W(x)=V/S×f−1(x)・・・・式1
となる。一方、積算露光量Eyに関する座標位置yの関数もxと同様に、
E(y)=f−1(y)
E(y)=S×t
と表せる。また、所定の速度Vになった時点で、露光用シャッター8を開くと、開口幅の中に、移動により直ぐに積算露光が終わってしまう位置W(0)から時間tの間、露光量が積算される位置W(y)までが存在する。積算露光量は
W(y)=V×tで表されるので、
W(y)=V/S×f−1(y)
となる。
各位置xでの開口幅をW(x)とし、相対移動速度をV、露光系の照度をSとすると、
E(x)=S×W(x)/V
となる。よって、
W(x)=V/S×f−1(x)・・・・式1
となる。一方、積算露光量Eyに関する座標位置yの関数もxと同様に、
E(y)=f−1(y)
E(y)=S×t
と表せる。また、所定の速度Vになった時点で、露光用シャッター8を開くと、開口幅の中に、移動により直ぐに積算露光が終わってしまう位置W(0)から時間tの間、露光量が積算される位置W(y)までが存在する。積算露光量は
W(y)=V×tで表されるので、
W(y)=V/S×f−1(y)
となる。
即ち、式1と同じとなり、x方向及び、y方向に同じ式で表されるテーパが形成されることになる。この様に、レチクル上のパターンは一方向とそれに直交する方向に所定の長さを有する開口で形成され、且つ、その開口の幅が異なる形状であり、一方向と同一方向に投影像がレジスト上を所定の位置までに所定の速度で相対移動する様に制御し、所定の位置で露光光の照射を開始することで、一方向及び、それと直交する方向に異なる積算露光量を与えることができる。
この原理を利用することで、図32から図40で説明した様に、凹形状のテーパ等が形成できる。
露光の手順としては、レチクルRの設置、レチクル顕微鏡14を用いたレチクルRと基準マーク22のアライメント、オフアクシスアライメント光学系23を用いた基準マーク22のアライメントによるベースライン計測、オフアクシスアライメント光学系23によるウェハWマークアライメントの工程を経て、投影光学系17の中のレチクルパターン面に対する瞳位置に設置されたNA可変絞り18により、所定のNAに設定する。
次に、この第8の実施形態を利用したパターン形成例を図33に戻り説明する。図33(A)は、それぞれ90度ずつ向きが異なる台形形状の開口パターン丸印1、2、3、4形成されている。制御装置1からの指令により、アライメント・フォーカス制御装置3、開口部制御装置4及び露光量制御装置5が、それぞれの開口パターン丸印1、2、3、4に対し、ブラインド15による露光するレチクルパターンの選択を行い、それぞれの投影像が重なり合うことで連続的な形状を形成する為の位置情報、ウェハステージ21のXYZ方向の位置及びステージ移動速度、並びに露光用シャッター8の開閉を管理・設定・制御することで、露光が実施される。
但し、テーパ面に対して底面が十分に大きい場合は問題ないが、この実施例の様なテーパ面と底面がほぼ同じ大きさの形状は、十分に残存パターンを除去できないことがある。この場合は、レジストを除去するレチクルパターンをブラインド15により選択し、その投影像が残存パターン上に来る様に、ウェハステージ21XY方向の位置を制御し、露光用シャッター8の開閉を制御することも合わせて行われる。具体的原理及び方法については、図32から図40を用いて既に説明しているので、ここでは省略する。
次の第9の実施形態は球面形状の形成なので、前述の積算露光量Exに関する座標位置xの関数
Ex=f−1(g(x))
に対し、
g(x)=R−√(R2−x2)
となる。即ち、
Ex=f−1(R−√(R2−x2))
を満たす条件をシミュレーションにより求める必要がある。
Ex=f−1(g(x))
に対し、
g(x)=R−√(R2−x2)
となる。即ち、
Ex=f−1(R−√(R2−x2))
を満たす条件をシミュレーションにより求める必要がある。
この方法は、まずレチクル上のパターンがレジスト上の投影像として解像しない大きさに投影光学系の瞳の径を制御する必要がある。図51は図42で示した条件で、それぞれの半径の円形パターンの露光条件でNAを揃えた場合を示す。上から順にNAを0.12、0.04、0.011に設定したときの、レジスト上に形成される円形パターンを示している。
それぞれの積算露光量を制御しているので、異なる円形パターンを重ね合せても、階段形状にはならないが、NA0.12の条件で揃えた場合、矩形形状に近い形状になってしまうことが確認できる。NA0.04ではかなり円形形状に近くなっているが、高次のうねり成分が残っていることが確認できる。但し、NA0.011まで下げると、高次の成分は無くなるが、ガウス分布形状に近づき、円形として近似できるのが、頂点の狭い範囲に限られてしまうことが分かる。図4で示した条件、即ち、図51の一番下の例の様に、各露光条件でNAを変更することで、広い範囲で円形形状に近似できるパターンが得られていることが確認できる。
この解析は、少なくとも2つの円形パターンの直径を遮光部とした、それぞれのレチクルパターンに対し、フーリエ変換により瞳位置での光量分布を算出し、瞳絞りによる透過光量を決定した後、逆フーリエ変換によりウェハW上での投影パターン形状を算出する。
その投影パターン形状を所定の比で積算し、そのパターンが
Ex=f−1(R−√(R2−x2))
に近い条件であることを確認した上で、それぞれのフォーカスやNA、積算露光量の比をパターメータとして、より円形形状に近い条件を両数値の差分に対する誤差を最小二乗近似法で求めていけば良い。この部分は制御装置1で行っても、別置きのPCを用いても良いが、結果をデータファイル化する。
その投影パターン形状を所定の比で積算し、そのパターンが
Ex=f−1(R−√(R2−x2))
に近い条件であることを確認した上で、それぞれのフォーカスやNA、積算露光量の比をパターメータとして、より円形形状に近い条件を両数値の差分に対する誤差を最小二乗近似法で求めていけば良い。この部分は制御装置1で行っても、別置きのPCを用いても良いが、結果をデータファイル化する。
露光の手順としては、最初にレチクルRの設置、レチクル顕微鏡14を用いたレチクルRと基準マーク22のアライメント、オフアクシスアライメント光学系23を用いた基準マーク22のアライメントによるベースライン計測、オフアクシスアライメント光学系23によるウェハWマークアライメントの工程が行われる。
次の工程は、まず、この第9の実施形態及び、第10の実施形態を利用したパターン形成例を図41に戻り説明する。図41はレチクルR上に、それぞれ大きさの異なる円形パターン群が遮光帯に囲まれて形成されている。制御装置1からの指令により、アライメント・フォーカス制御装置3、開口部制御装置4及び露光量制御装置5が、前述のデータファイルを読み込み、その情報に基づき、所定の円形パターン群に対し、ブラインド15により露光する円形パターン群の選択を行う。尚、ブラインド15は遮光帯に重なる様に制御される。
更に、投影光学系17の中のNA可変絞り18により所定のNAに設定し、所定の積算露光比に基づく露光時間の設定が露光用シャッター8により行なわれ、それぞれの投影像を重ね合せる為に、ウェハステージ21XYZ方向の位置が管理・制御され露光を行う。図41の例では3つの異なる円形パターン像の重ね合せ露光を行うことで、円形形状パターンを形成しているので、ウェハWマークアライメント以降の工程を、条件を変えて3回行うことで分割露光が実施されることになる。
尚、具体的原理及び方法については、図41と図42を用いて既に説明しているので、ここでは省略する。
次の第11の実施形態も球面形状の形成なので、前述の積算露光量Exに関する座標位置xの関数
Ex=f−1(R−√(R2−x2))
を満たす条件をシミュレーションにより求める必要がある。
この方法は、まずレチクル上のパターンがレジスト上の投影像として解像しない大きさに、投影光学系の瞳の径を制御する必要がある。図52は図44で示した条件で、それぞれのグレースケールパターンの露光条件でNAを変えた場合で、その積算により形成される円形パターン像を示す。
Ex=f−1(R−√(R2−x2))
を満たす条件をシミュレーションにより求める必要がある。
この方法は、まずレチクル上のパターンがレジスト上の投影像として解像しない大きさに、投影光学系の瞳の径を制御する必要がある。図52は図44で示した条件で、それぞれのグレースケールパターンの露光条件でNAを変えた場合で、その積算により形成される円形パターン像を示す。
上から順にNAを0.2、0.1、0.06に設定したときの、レジスト上に形成される円形パターン像を示している。NA0.2にした場合、複数の高次うねりが確認できる。NA0.1ではかなり円形形状に近くなっているが、3つ山のうねり成分が残っていることが確認できる。NAを0.06まで下げることで、広い範囲で円形形状に近似できるパターンが得られていることが確認できる。
この解析は、少なくとも2つのグレースケールパターンの直径を遮光部としており、それぞれのレチクルパターンに対し、フーリエ変換により瞳位置での光量分布を算出し、瞳絞りによる透過光量を決定した後、逆フーリエ変換によりウェハW上での投影パターン形状を算出する。
その投影パターン形状を積算し、そのパターンが
Ex=f−1(R−√(R2−x2))
に近い条件であることを確認した上で、それぞれのフォーカスやNAをパターメータとしてより円形形状に近い条件を、両数値の差分に対する誤差を最小二乗近似法で求めていけば良い。この部分は制御装置1で行っても、別置きのPCを用いても良いが、結果をデータファイル化する。
Ex=f−1(R−√(R2−x2))
に近い条件であることを確認した上で、それぞれのフォーカスやNAをパターメータとしてより円形形状に近い条件を、両数値の差分に対する誤差を最小二乗近似法で求めていけば良い。この部分は制御装置1で行っても、別置きのPCを用いても良いが、結果をデータファイル化する。
露光の手順としては、最初にレチクルRの設置、レチクル顕微鏡14を用いたレチクルRと基準マーク22のアライメント、オフアクシスアライメント光学系23を用いた基準マーク22のアライメントによるベースライン計測、オフアクシスアライメント光学系23によるウェハWマークアライメントの工程が行われる。
次の工程は、まず、この第11の実施形態、第12の実施形態、及び第13の実施形態を利用したパターン形成例を図46に戻り説明する。図46はレチクルR上に、交互に配置された図43(B)のグレースケールパターンが2次元に配置されたものである。制御装置1からの指令により、アライメント・フォーカス制御装置3、開口部制御装置4、及び露光量制御装置5が、前述のデータファイルを読み込み、その情報に基づき、投影光学系17の中のNA可変絞り18により所定のNAに設定し、所定の露光時間の設定が露光用シャッター8により行なわれ、それぞれの投影像を重ね合せる為に、ウェハステージ21のXYZ方向の位置が管理・制御され露光を行う。図46の例では、2つの異なるグレースケールパターン像の重ね合せ露光を行うことで、円形形状パターンを形成しているので、ウェハWマークアライメント以降の工程を、条件を変えて2回行うことで分割露光が実施されることになる。
尚、具体的原理及び方法については、図43から図47を用いて既に説明しているので、ここでは省略する。
第15の実施形態についてであるが、既に図48、及び第1の実施形態から第14の実施形態までの説明にて利用しているので、ここでは説明を省略する。
次に第16の実施形態であるが、これは図50(A)に示す通り、第1レチクル148と第2レチクル149とをギャップD調整粘着フィルム150で貼り付ける。第1レチクル148に描画されたパターンは図50(B)に示す通り、ウェハWの上の段に形成されるパターンであり、第2レチクル149に描画されたパターンはウェハWの下の段に形成されるパターンである。
但し、これを図1で説明した露光装置に搭載する場合、通常のレチクルRではレチクルステージ16への設置面にレチクルパターン面が存在するのに対し、今回の形態では第1レチクル148の面と第2レチクル149の面とは向かい合う様に貼り付けられているので、レチクルステージ16への設置面はレチクル149のガラス面側となる。即ち、レチクル149の厚さをDとすると、レチクル上のフォーカス位置が通常よりもレチクル厚D±d/2だけ上にパターン面があることになる。
それぞれのレチクルパターン面に対し、ウェハWの上の段、ウェハWの下の段と共役の関係にする為には、レチクル厚Dに相当する分だけレチクルステージ16又はウェハステージ21を上下する機構を設けることが必要になる。また、少なくとも、どちらかのレチクルパターン面に形成されたレチクルアライメントマークをレチクル顕微鏡14で計測する必要があるので、レチクル顕微鏡14にフォーカス制御機構を設ける必要もある。これらの機構を設けることで、通常レチクルRに対しても、今回の第15の実施形態によるレチクル148、149を使用する場合でも、1台の露光装置で兼用することが可能となる。
次に第17の実施形態であるが、NA0.2、露光領域φ20mmに対応した投影光学系161に対し、ロッド9の大きさ変更、開口絞り12から輪帯照明用瞳絞り164または分割照明用瞳絞り165への変更、NA絞り18からNA絞り165への変更、及びサファイヤ基板回転機構の設置を行う。サファイヤ基板回転機構については図示しないが、基板ステージ上に配置され、第1回目のレチクル上の投影像に対する基板の往復相対移動を行った後で、基板ステージが次の移動開始ポジションに移動する間に所定量(今までの説明では90度または60度、120度)の基板回転を並行して行うことで、処理時間が表にでない様にできる。相対移動方法については先に説明を行っているので、ここでは説明を省略する。尚、ここでは照明効率を上げる為に、上記部材の交換で対応しているが、勿論、自動切換えによりNA0.2、露光領域φ20mmからNA0.09、露光領域φ50mmの変形照明対応に変更する構造であっても構わない。尚、ここでは移動方向を変えるのにサファイヤ基板を回転させたが、レチクルパターン形状及び照明領域を変え、基板ステージ移動方向を変えても同様の効果が期待できる。
尚、第1の実施形態から第17の実施形態まで、投影光学系は等倍投影光学系を前提として説明したが、投影露光装置としては縮小投影光学系や拡大投影光学系も考えられる。これらの光学系を用いると、投影像の倍率が変わる為、ウェハステージ16の移動量や露光中の移動速度、積算露光量、フォーカス条件、及びNA条件もそれに応じて変える必要があるのは言うまでもない。
また、露光中に移動する方式については、速度制御が難しい場合、NA制御によりパターン像を連続して重ね、スムーズな形状が形成できるピッチ(移動距離)で、シャッターの開閉とステッピングを細かく繰り返すことで、同等の効果が期待できる。これも勿論、本発明の適用範囲となる。
また、レチクルパターンの投影像とレジストを相対的に移動する方法として、本実施形態ではウェハステージ21を駆動させる方式を取っている。これは一般にレチクルの大きさとウェハの大きさではウェハの方が大きく、ステップ&リピート露光によりウェハ上に複数のレチクルパターン像を投影露光する為である。しかし、今回の様な3次元パターンを形成する場合は、複数のレチクルパターンの露光フィールドをブラインド15で選択し、分割露光を行うことで形成する場合も多く、一枚のレチクルでより多くのパターンを形成する必要がある。この場合は、ウェハステージ21を固定し、レチクルステージ16を駆動さえる方式を取っても良い。
これまでに、投影光学系を用いた場合、フォーカス位置や、NAの条件に応じて図2、図4の様に投影像が変化することは説明した。この解析はフーリエ変換により瞳位置での光量分布を算出し、瞳絞りによる透過光量を決定した後、逆フーリエ変換によりウェハW上での投影パターン形状を算出する方法を本実施形態では取っている。しかし、光学設計を行うソフトウェアでは、光線追跡により幾何学的にパターン形状を求めるのが一般的である。よって、本発明に於いても、光線追跡により幾何学的にパターン形状を求める方法を取っても同様のシミュレーションが可能である。
更に、今回の実施形態は投影光学系を利用しているので、NAを制御することで、様々なパターン形状を得ることができている。しかし、第5の実施形態から第8の実施形態、及び、第16の実施形態では、NAやフォーカスを意図的に制御する必要は無い。よって、マスクとウェハを接近させた位置に配置するプロキシミティ露光装置に於いても、所定のギャップ及び露光波長条件でマスク上のパターンを転写する装置にも同様に適用可能である。
更に、どの形態に於いても、積算露光量Exに関する座標位置xの関数
Ex=f−1(g(x))
を用いて条件を設定しているが、レジストの透過率が高い場合は、積算露光量Exと膜ベリZxの関係が
Zx=f(x)=レジスト厚−定数×Ex
で比例する場合もある。この様な場合は、ステップタブレットを用いた近似計算によるf(x)の算出は必要無く、直接上記数式で簡単に必要な積算露光量Exを求めることも可能である。
Ex=f−1(g(x))
を用いて条件を設定しているが、レジストの透過率が高い場合は、積算露光量Exと膜ベリZxの関係が
Zx=f(x)=レジスト厚−定数×Ex
で比例する場合もある。この様な場合は、ステップタブレットを用いた近似計算によるf(x)の算出は必要無く、直接上記数式で簡単に必要な積算露光量Exを求めることも可能である。
また、ステップタブレットを用いた方法以外にも、ウェハ上に積算露光量を順次変化させてステップ露光を行い、現像後にその膜ベリ量を調べることでも同様の近似計算によるf(x)の算出が可能である。
以上の様に、本発明の主旨を逸脱しない条件で、色々なバリエーションを考えることが可能である。
例えば、図53は、第6実施形態に関する応用例である。レチクル上のパターンは上記の一方向とそれに直交する方向に所定の長さを有する開口で形成され、且つ、開口の幅は異なる形状を有し、投影光学系17のNAでは解像しないレチクルパターン153を有するレチクルパターン154とした場合の説明図である。
図53の矢印方向にレチクルパターン154をレジストに対して速度Vで相対移動した場合、解像しない部分パターン形状153の投影像は、移動による平滑化の効果も含め、滑らかな光量分布となり、レジスト面に結像する。それにより現像後に形成されるレジスト断面155は図に示す様に、テーパを有することになる。一方、矢印の最初に露光用シャッター8が開かれ、矢印の終わりで露光用シャッター8を閉じた場合に形成されるレジスト断面形状156も、レジスト断面155に直交する方向にテーパを有することになる。形成されるレジストパターン形状の4隅は、両方の条件で露光されるので、最終的な形状は、図37(B)の様な凹型立体台形形状となる。この方法では、複数のレチクルパターンを用いなくても、1つのパターンで一回の移動により凹型立体形状を形成できるので、形成時間を縮めるという効果がある。
尚、上述の例では、解像しないパターン形状153を三角形状で形成したが、ドットパターン形状等にして、描画分布を変える方法でも、全く同じ効果を得ることが可能となる。
制御装置1、ステージ制御装置2、アライメント・フォーカス制御装置3、開口部制御装置4、露光量制御装置5、超高圧水銀灯6、楕円鏡7、露光用シャッター8、ロッド光学系9、レンズ10、ダイクロイックミラー11、開口絞り12、レンズ13、レチクル顕微鏡14、ブラインド15、レチクルステージ16、投影光学系17、NA可変絞り18、斜入射オートフォーカス系19、ウェハホルダー20、ウェハステージ21、基準マーク22、オフアクシスアライメント光学系23
Claims (17)
- レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介して10μm厚以上のフォトレジスト上に投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、
前記レジストパターンを形成する工程中に、フォーカス位置で露光した後に、少なくとも1回、投影光学系の瞳位置の開口の大きさ又はフォーカス位置を所定量変更して分割露光を行うことを特徴としたレジストパターン形成方法。 - レチクル上のパターンに照明光を照射し、10μm厚以上のフォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、
前記レジストパターンを形成する工程中に、投影光学系の瞳位置の開口の大きさ又はフォーカス位置を所定量に制御し、少なくとも1回、フォトレジストを搭載した可動ステージの位置を前記投影像が重なる範囲内で移動すると共に、各移動位置でフォトレジスト上に照射される露光量を変更して分割露光を行うことを特徴としたレジストパターン形成方法。 - レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介して10μm厚以上のフォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、
前記レジストパターンを形成する工程中に、フォトレジストを搭載した可動ステージ位置を前記投影像が重なる範囲内で移動すると共に、前記移動の際、前記ステージの移動位置を連続的に変更して露光を行うことを特徴としたレジストパターン形成方法。 - 前記レジストパターンを形成する工程中に、前記投影像に対し前記ステージの移動を直線上で行う方法であり、その移動方向に直交した中心線対称に露光が行われる様に各変更条件が設定されており、前記投影像のステージ移動方向の長さよりも小さい中心線対称なレジストパターンを形成することを特徴とした、請求項2又は3に記載のレジストパターン作成方法。
- レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介して10μm厚以上のフォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、
レチクル上のパターンとして、所定の開口幅を有する一方向に延びた矩形形状が、前記一方向に直交する方向へ所定のピッチで複数形成されており、前記一方向に直交する方向に前記ピッチの範囲内で前記投影像がレジスト上を相対移動する様に制御しながら露光を行うことを特徴としたレジストパターンの形成方法。 - レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介して10μm厚以上のフォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、一方向に関して断面形状が同一な3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、
レチクル上のパターンは前記一方向と前記一方向に直交する方向に所定の長さを有する開口で形成され、且つ、前記開口の幅は異なる形状であり、前記一方向と同一方向に前記投影像がレジスト上を所定の速度で相対移動する様に制御することで、前記開口の幅が異なる条件に対応して、現像後の前記一方向に直交するレジスト断面形状が形成される様に制御することを特徴としたレジストパターンの形成方法。 - 前記レジストパターン形成の為の工程を、前記投影像又は異なる投影像を用いて、前記一方向に直交する方向に対して、前記一方向の工程と同一または異なる条件設定で実施することを特徴とした請求項2から6の何れか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介して10μm厚以上のフォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、
レチクル上のパターンは一方向と前記一方向に直交する方向に所定の長さを有する開口で形成され、且つ、前記開口の幅が異なる形状であり、前記一方向と同一方向に前記投影像がレジスト上を所定の位置までに所定の速度で相対移動する様に制御し、前記所定の位置で露光光の照射を開始することで、前記一方向及び前記一方向に直交する方向に異なる積算露光量を与え、前記開口の幅が異なる条件及び、所定の速度での相対移動に対応して、現像後の前記一方向及び前記一方向に直交する方向のレジスト断面形状が形成される様に制御することを特徴とするレジストパターンの形成方法。 - レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介してフォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、
前記レチクル上のパターンがレジスト上の投影像として解像しない大きさに投影光学系の瞳の径を制御すると共に、前記レジストパターンを形成する工程中に、少なくとも2回、フォトレジストを搭載した可動ステージ位置を、レチクル上の異なるパターンの投影像が前記フォトレジスト上で重ね合せられるまで移動すると共に、フォトレジスト上に照射される積算露光量又はフォーカス位置、投影光学系の瞳の径の少なくとも一つを変更して分割露光を行うことで曲線形状の光量分布を与えることを特徴としたレジストパターン形成方法。 - 前記レチクル上の異なるパターンはそれぞれ半径の異なる円形状群であり、それぞれの円形状群を囲う様に遮光帯が形成されているレチクルを使用することを特徴とした請求項9に記載のレジストパターン作成方法。
- レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介してフォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、
前記レジストパターンを形成する工程中に、少なくとも2回、フォトレジストを搭載した可動ステージ位置を、レチクル上の異なるパターンの投影像が前記フォトレジスト上で重ね合せられるまで移動すると共に、前記レチクル上の異なるパターンは中心で180度位相がずれたグレースケールであり、且つそれぞれのピッチを異ならせたパターンの重ね合せで分割露光を行うことを特徴としたレジストパターン形成方法。 - 前記グレースケールの最外周に近傍の開口幅以上の補助パターンが設置されていることを特徴とした、請求項11に記載のレジストパターン作成方法。
- 前記グレースケールはレチクル上に交互に配置されていることを特徴とした請求項11又は12に記載のレジストパターン作成方法。
- 前記レチクル上の異なるパターンはグレースケール群であり、前記グレースケール群と共に、それぞれのグレースケール群を囲う様に遮光帯が形成されているレチクルを使用することを特徴とした請求項11又は12に記載のレジストパターン作成方法。
- 前記露光の際に、各位置での積算露光量を決定する方法は、それぞれの領域毎のレジスト除去量に基づいて、それぞれの領域毎に必要な露光量を示すレジスト感度曲線を用いて算出することを特徴とした請求項1から14の何れか1項に記載のレジストパターン作成方法。
- レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介してフォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、
前記レチクルはパターン面を近接させた2枚のレチクルを貼り付けたものを用いることを特徴としたレジストパターン形成方法。 - レチクル上のパターンに照明光を照射し、投影光学系を介してポジ系フォトレジスト上に前記パターンの投影像を形成し、3次元形状のレジストパターンを作成するレジストパターン作成方法において、前記レチクル上のパターンとして、所定の開口幅を有する一方向に延びた矩形形状が、前記一方向に直交する方向へ所定のピッチで複数形成されており、照明光学系内部で、光軸部分を遮光した輪帯照明または光軸対称の変形照明にすると共に、投影光学系の瞳位置でNAが小さくなる遮光部を配置し、前記一方向と平行な方向に前記投影像がレジスト上を相対移動する様に露光を行う制御を、前記一方向の角度を変えて複数回行うことを特徴としたレジストパターン形成方法。
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CN110660650B (zh) * | 2018-06-29 | 2022-09-13 | 台湾积体电路制造股份有限公司 | 半导体器件及其制造方法 |
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