JP2011118168A - 液晶レンズと、それを用いた焦点距離可変眼鏡、光ピックアップ装置、光スイッチ、液晶レンズアレイ、3次元表示装置、及び指向性制御表示装置 - Google Patents

液晶レンズと、それを用いた焦点距離可変眼鏡、光ピックアップ装置、光スイッチ、液晶レンズアレイ、3次元表示装置、及び指向性制御表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】明るく応答速度が速い焦点距離を変更可能な液晶レンズを提供する。
【解決手段】湾曲した第1の透明基板101上には、第1の透明電極103が形成されている。同様に、湾曲した第2の透明基板102上には、第2の透明電極104が形成されている。これら第1の透明基板101と第2の透明基板102とは、絶縁性スペーサ105を挟んで重ねられている。第1の透明基板101と第2の透明基板102の間には、ブルー相液晶が封入され、液晶層106を形成している。本液晶レンズにおいて、第1の透明電極103及び第2の透明電極104に印加する電圧を制御し、液晶層106に形成する電場の強度を変化させることで、当該液晶レンズ100の焦点距離fを変化させることができる。また、ブルー相液晶を用いているため、偏光を使用する必要がなく、偏光板を用いることがないので明るく、さらに応答速度が速いレンズを実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶レンズ、特にブルー相液晶を用いた液晶レンズと、それを用いた焦点距離可変眼鏡、光ピックアップ装置、光スイッチ、液晶レンズアレイ、3次元表示装置、及び指向性制御表示装置に関する。
互いに対向する透明電極を形成した一対の透明基板で液晶分子を挟持した構成を有する液晶レンズが、例えば特許文献1に開示されている。この様な液晶レンズは、透明電極によって挟持されているネマティック液晶の層に、不均一な電場を形成することで、液晶分子の位置によって、その配向が徐々に変化することを利用し、当該液晶レンズに入射した光が結ぶ焦点までの距離を変化させることができる。
ところで、近年、ブルー相液晶と呼ばれている液晶が注目されている。このブルー相液晶は、無電場状態では光学的にみて等方性を有し、電場印加時に複屈折性を発現する。ブルー相液晶は、カイラルネマティック液晶の螺旋軸が3次元格子を形作っていると考えられており、そこに電場を形成することで、局所的な分子再配向、格子歪み、ネマティック相への相転移のいずれかが発生する。このため、電場を形成していない時に光学的等方性であったものが、電場を形成すると複屈折性を発現する。さらに、ブルー相液晶の配向変化の応答時間はおよそ1ミリ秒以下である。
特開2005−128518号公報
前記従来の液晶レンズは、液晶分子による複屈折を利用しているため、レンズの効果を発揮できるのは異常光に対してのみである。そのため、従来の液晶レンズは、偏光板を設置する必要があり、偏光した入力光を用いなければ、レンズとして機能しない。従って、無偏光の入力光に対しては二分の一以下の光量しか有効に使用できない。また、従来のネマティック液晶層の配向変化の応答時間はおよそ数10ミリ秒である。
そこで本発明は、焦点距離を変更可能で、明るく応答速度が速い液晶レンズを提供することを目的とする。更に、その液晶レンズを利用した、焦点距離可変眼鏡、光ピックアップ装置、光スイッチ、液晶レンズアレイ、3次元表示装置、及び指向性制御表示装置を提供することを目的とする。
前記目的を果たすため、本発明の液晶レンズの一態様は、第1の透明基板と、前記第1の透明基板上に形成された第1の透明電極と、前記第1の透明電極が形成されている面の側において前記第1の透明基板と対峙する第2の透明基板と、前記第2の透明基板上の前記第1の透明基板側の面に形成された第2の透明電極と、前記第1の透明電極と前記第2の透明電極とに挟持され、該透明電極間に電圧差がない場合には光学的に等方性、該透明電極間に電圧差がある場合には複屈折性を発現する液晶により形成される液晶層と、前記第1の透明電極及び前記第2の透明電極に印加する電圧を制御し、前記液晶層に形成する電場を制御する電圧制御手段と、を具備することを特徴とする。
また、本発明の液晶レンズを用いた焦点距離可変眼鏡の一態様は、前記液晶レンズと、距離測定手段と、前記距離測定手段の測定結果に基づいて前記液晶レンズの目標焦点距離を設定する目標焦点距離設定部と、を更に具備し、前記電圧制御手段は、前記目標焦点距離に基づいて、前記液晶層に形成する電場を制御する液晶レンズを眼鏡のレンズとして用いることを特徴とする。
また、本発明の液晶レンズを用いた光ピックアップ装置の一態様は、光ディスクに照射するレーザー光を発生するレーザー光源と、前記液晶レンズと、前記光ディスクの記録面からの反射光を受光する受光素子と、を有する光ピックアップ装置であって、前記目標焦点距離設定部は、前記液晶レンズの目標焦点距離を、該液晶レンズから前記光ディスクの記録面までの距離に設定し、前記液晶レンズは、前記レーザー光を前記光ディスクの記録面に集光させ、前記光ディスクの記録面に集光したレーザー光の反射光を平行光にする、ことを特徴とする。
また、本発明の液晶レンズを用いた光スイッチの一態様は、前記液晶レンズを有する光スイッチであって、前記液晶レンズは、前記電圧制御手段が制御する前記液晶層に形成する電場の変化により、該液晶レンズに入射した光の射出光路を、少なくとも2つの射出光路のうち何れか1つに切り替えることを特徴とする。
また、本発明の液晶レンズを用いた液晶レンズアレイの一態様は、前記液晶レンズを並べた構成を有することを特徴とする。
また、本発明の液晶レンズを用いた3次元表示装置の一態様は、平面上に配置され、表示光を射出する複数の画素から成る、画像を表示する表示面と、前記表示面に重ねられた、前記液晶層に形成する電場を制御することで光路を変化させる前記液晶レンズアレイと、を有する3次元表示装置であって、2次元表示時においては、前記表示面は、前記画素の全てを用いて2次元画像の表示をし、前記液晶レンズアレイは、前記表示光を直進させ、3次元表示時においては、前記表示面は、前記画素のうち一部を右目用画素とし、前記右目用画素以外の前記画素を左目用画素とし、前記右目用画素には右目用画像を表示し、前記左目用画素には左目用画像を表示し、前記液晶レンズアレイは、前記右目用画素から射出した表示光と前記左目用画素から射出した表示光との光路を異ならせる、ことを特徴とする。
また、本発明の液晶レンズを用いた指向性制御表示装置の一態様は、表示面の裏側に光源を有し表示面から画像を表す表示光を射出する光透過型の表示素子と、前記表示素子に重ねられ、前記液晶層に形成する電場を制御することで光路を変化させて前記表示光の指向性を変化させる前記液晶レンズアレイと、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、液晶レンズにブルー相液晶を用いることで、焦点距離を変更可能で、明るく応答速度が速い液晶レンズを提供できる。更に、その液晶レンズを用いた焦点距離可変眼鏡、光ピックアップ装置、光スイッチ、液晶レンズアレイ、3次元表示装置、及び指向性制御表示装置を提供できる。
本発明の各実施形態に係る液晶レンズの構成の一例を示す図。 本発明の各実施形態に係る液晶レンズの焦点距離の変化を説明する図。 本発明の各実施形態に係る液晶レンズの構成の別の一例を示す図。 本発明の各実施形態に係る液晶レンズの焦点距離の変化を説明する図。 本発明の各実施形態に係る液晶レンズの構成の別の一例を示す図。 本発明の第4の実施形態に係る、液晶レンズを用いた焦点距離可変眼鏡の構成の一例を示す図。 本発明の第4の実施形態に係る、液晶レンズを用いた焦点距離可変眼鏡の制御系の構成の一例を示すブロック図。 本発明の第5の実施形態に係る、液晶レンズを用いた光ピックアップ装置の構成の一例を示す図。 本発明の第6の実施形態に係る、液晶レンズを用いた光スイッチの構成の一例を示す図。 本発明の第7の実施形態に係る、液晶レンズアレイの構成の一例を示す図。 本発明の第8の実施形態に係る、液晶レンズアレイを用いた3次元表示装置の構成の一例を示す図。 本発明の第9の実施形態に係る、液晶レンズアレイを用いた指向性制御液晶ディスプレイの構成の一例と、液晶レンズアレイによる光の指向性の概略を示す図。 本発明の第9の実施形態に係る、液晶レンズアレイを用いた指向性制御液晶ディスプレイの構成の一例と、液晶レンズアレイによる光の指向性の概略を示す図。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。初めに、本実施形態に係る液晶レンズ100の構造を図1に示す。この図に示す通り、当該液晶レンズ100は、第1の透明基板101と、第2の透明基板102と、第1の透明電極103と、第2の透明電極104と、絶縁性スペーサ105と、液晶層106とを有する。
湾曲した例えばガラス基板等の透明基板である第1の透明基板101上には、例えば酸化インジウム錫(ITO)膜等の透明導電膜から成る第1の透明電極103が形成されている。同様に、湾曲したガラス基板等の第2の透明基板102上には、ITO膜等の第2の透明電極104が形成されている。これら第1の透明基板101と第2の透明基板102とは、第1の透明電極103が形成された面と第2の透明電極104が形成された面とが対向する様に、絶縁性スペーサ105を挟んで重ねられている。第1の透明基板101と第2の透明基板102と絶縁性スペーサ105とによって凸レンズ型の中空が形成され、また、第1の透明基板101と第2の透明基板102と絶縁性スペーサ105とによって形成される容器の外形も凸レンズ型の形状をしている。前記凸レンズ型の中空には、液晶が封入され、液晶層106を形成している。
本液晶レンズの液晶層106を形成する液晶には、ブルー相液晶と呼ばれている液晶を用いる。ブルー相液晶はカイラルネマティック液晶の螺旋軸が3次元格子を形作っていると考えられている。ブルー相液晶は、電場が形成されていない場合には光学的に等方である。一方、電場が形成されていると、局所的な分子再配向、格子歪み、ネマティック相への相転移のいずれかが発生することによって、複屈折を発現する。典型的なブルー相の温度範囲は非常に狭い。一方近年、液晶中に光重合高分子を数%〜数十%混入させ、ブルー相の温度範囲でその高分子を光重合させることで、熱的に安定なブルー相を形成する技術が開発されている。この様な高分子安定化ブルー相液晶と呼ばれる液晶のブルー相の温度範囲は典型的なブルー相の温度範囲に比べて広くなる。また、ブルー相液晶は、ネマティック液晶に比べて、その液晶分子の配向を変化させる応答速度が速いことも特徴である。液晶層106を形成する液晶には、典型的なブルー相液晶を用いても良く、また高分子安定化ブルー相液晶を用いることもできる。
第1の透明電極103及び第2の透明電極104は、印加電圧制御部121と電気的に接続されている。また、印加電圧制御部121は電源部122に接続している。電源部122は、印加電圧制御部121に電源を供給する。印加電圧制御部121は、第1の透明電極103及び第2の透明電極104に印加する電圧を制御し、液晶層106中に形成される電場を制御する。
この様に、例えば第1の透明基板101は第1の透明基板として機能し、例えば第1の透明電極103は前記第1の透明基板上に形成された第1の透明電極として機能し、例えば第2の透明基板102は第1の透明基板と対峙する第2の透明基板として機能し、例えば第2の透明電極104は第2の透明基板上の第1の透明基板側の面に形成された第2の透明電極として機能し、例えば液晶層106はブルー相液晶により形成される液晶層として機能し、例えば印加電圧制御部121は第1の透明電極及び第2の透明電極に印加する電圧を制御する電圧制御手段として機能する。
次に、本液晶レンズの動作について説明する。図2(a)に、液晶層106に電場を形成していない場合の当該液晶レンズ100に入射する光の進路の概略を示す。液晶層106に電場を形成していない場合、液晶層106は光学的に等方であるため、入射光は、第1の透明基板101及び第2の透明基板102の形状に依存した屈折を示す。これに対して、液晶層106に電場を形成した場合の当該液晶レンズに入射する光の進路の概略を図2(b)に示す。
図2(a)に示す電場を形成していない場合の液晶層106の光軸方向の屈折率をNoffとし、図2(b)に示す電場を形成している場合の液晶層106の光軸方向の屈折率をNonとすると、一般にNoff>Nonである。ここで、屈折率Nonは液晶層106に形成された電場の強度によって変化するものである。
レンズの屈折力をあらわす量として、焦点距離fの逆数であるディオプターDを用いる。第1の透明基板101及び第2の透明基板102の内側の曲率半径をRとすると、液晶層106に電場を形成していない場合のディオプターDoffは、下記式(1)で表される。
Figure 2011118168
ここで、foffは、液晶層106に電場を形成していない場合の焦点距離fである。
同様に、液晶層106に電場を形成している場合のディオプターDonは、下記式(2)で表される。
Figure 2011118168
ここで、fonは、液晶層106に電場を形成している場合の焦点距離fである。従って、焦点距離fは、屈折率がNoff>Nonの場合、foff<fonとなる。
液晶層106に電場を形成している場合といない場合のディオプターDの差であるΔDは、下記式(3)で表される。
Figure 2011118168
ここで、ΔN=Non−Noffである。
以上の通り、印加電圧制御部121によって、第1の透明電極103及び第2の透明電極104に印加する電圧を制御し、液晶層106に形成する電場の強度を変化させることで、当該液晶レンズ100の焦点距離fを変化させることができる。
尚、図2を参照した説明では、第1の透明基板101と第2の透明基板102と絶縁性スペーサ105とによって形成される容器を凸レンズ型の形状とした場合の説明を行ったが、凹レンズ型の形状とした場合も同様の効果が得られる。但し、凹レンズ型の場合はディオプターDの値は負の数で定義されることになる。
本実施形態に依れば、液晶レンズ100は、第1の透明電極103及び第2の透明電極104に印加する電圧を制御することで、焦点距離を変えることができる。更に、本実施形態に係る液晶レンズ100の液晶層106を形成する液晶にブルー相液晶を用いているため、偏光を使用する必要がない。従って偏光板を用いることがないので明るいレンズを実現できる。また、光源があらかじめ偏光している場合であっても、その偏光面の向きに関わらず当該液晶レンズ100はレンズの効果を発揮する。また、ブルー相液晶を用いた当該液晶レンズ100はネマティック液晶を用いた液晶レンズに比べて応答速度が速いことも特徴である。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。ここで本実施形態の説明では、第1の実施形態との相違点について説明し、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。本実施形態に係る液晶レンズ200は、第1の実施形態に係る凸型の液晶レンズと凹型の液晶レンズとを組み合わせたものである。
図3に示す通り、当該液晶レンズ200は、湾曲した例えばガラス基板等の透明基板である第1の透明基板201と、第2の透明基板202と、第3の透明基板203とを有する。第1の透明基板201の凹面側には、例えばITO膜等の透明導電膜から成る第1の透明電極204が形成されている。また、第3の透明基板203の凸面側には、同様に、例えばITO膜等の第4の透明電極207が形成されている。また、第2の透明基板202の凹面側には、例えばITO膜等の第2の透明電極205が形成されており、第2の透明基板202の凸面側には、例えばITO膜等の第3の透明電極206が形成されている。
そして、第1の透明電極204及び第2の透明電極205が対向する様に、第1の透明基板201及び第2の透明基板202は、第1の絶縁性スペーサ208を挟んで貼り合わされている。また、第3の透明電極206及び第4の透明電極207が対向する様に、第2の透明基板202及び第3の透明基板203は、第2の絶縁性スペーサ209を挟んで貼り合わされている。
第1の透明基板201と第2の透明基板202との間に形成された空間には、ブルー相液晶が封入され第1の液晶層210を形成している。また、第2の透明基板202と第3の透明基板203との間に形成された空間には、ブルー相液晶が封入され第2の液晶層211を形成している。
ここで、第1の透明基板201、第2の透明基板202、及び第3の透明基板203の曲率半径は、全てRとする。このため、前記の様に構成した液晶レンズ200は、第1の液晶層210及び第2の液晶層211に共に電場を形成していない場合、光学的に等方である。
第1の透明電極204、第2の透明電極205、第3の透明電極206、及び第4の透明電極207は、それぞれ印加電圧制御部121に電気的に接続されている。また、印加電圧制御部121は電源部122に接続している。電源部122は、印加電圧制御部121に電源を供給する。印加電圧制御部121は、第1の透明電極204、第2の透明電極205、第3の透明電極206、及び第4の透明電極207に印加する電圧を制御し、第1の液晶層210及び第2の液晶層211中に形成される電場を制御する。
この様に、例えば第2の透明基板202は、液晶レンズを2枚重ね合わされて構成される液晶レンズにおいて、該2枚の液晶レンズの接する2枚の透明基板と置き換えた1枚の透明基板として機能する。
次に本実施形態に係る液晶レンズ200の動作を説明する。図4に、液晶レンズ200の各液晶層に電場を形成した或いは形成しない場合の、当該液晶レンズ200に入射する光の進路の概略を示す。図4(a)は第1の液晶層210に電場を形成せず、第2の液晶層211に電場を形成した場合の、入射光の光路を表す。図4(b)は第1の液晶層210及び第2の液晶層211に共に電場を形成しない場合の、入射光の光路を示す。図4(c)は第1の液晶層210に電場を形成し、第2の液晶層211に電場を形成しない場合の、入射光の光路を表す。
図4(b)に示す場合の、合成されたディオプターDoff,offは、第1の液晶層210及び第2の液晶層211は、共に複屈折性を有しないため、当該液晶レンズ200の形状のため、Doff,off=0となる。
一方、図4(a)に示す場合のディオプターDoff,onは、下記式(4)となり、液晶レンズ200は凸レンズとして機能する。
Figure 2011118168
同様に、図4(c)に示す場合のディオプターDon,offは、下記式(5)となり、液晶レンズ200は凹レンズとして機能する。
Figure 2011118168
即ち、当該液晶レンズ200は、ディオプターDが±2ΔN/Rの範囲で、連続的に焦点距離が変更可能である。本実施形態の説明では、第1の透明基板201、第2の透明基板202、及び第3の透明基板203の曲面の曲率半径がすべてRで等しいと仮定したため、合成されたディオプターDは0を中心に制御範囲が決定されたが、第1の透明基板201、第2の透明基板202、及び第3の透明基板203の曲面の曲率半径を適切に設計することにより、制御中心値をずらして設定することもできる。
本実施形態に依れば、当該液晶レンズ200は第1の実施形態の液晶レンズ100と比較して、焦点距離をより広い範囲に変化させることができる。更に、第1の実施形態と同様に、本実施形態に係る液晶レンズ200にはブルー相液晶を用いているため、偏光を使用する必要がない。従って偏光板を用いることがないので明るいレンズを実現できる。また、光源があらかじめ偏光している場合であっても、その偏光面の向きに関わらず当該液晶レンズ200はレンズの効果を発揮する。また、ブルー相液晶を用いた当該液晶レンズ200はネマティック液晶を用いた液晶レンズに比べて応答速度が速いことも特徴である。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。ここで本実施形態の説明では、第1の実施形態との相違点について説明し、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施形態に係る液晶レンズ310は、図5(a)に示す様な構成を有する。即ち、例えばガラス基板等の絶縁性の第1の透明基板311上には、例えばITO膜等の透明導電膜から成る第1の透明電極312が形成されている。また、例えばガラス基板等の絶縁性の第2の透明基板313には、一方の面に凹レンズ状の曲面を有する窪みを設け、他方の面上には例えばITO膜等の透明導電膜から成る第2の透明電極314が形成されている。
第1の透明基板311の第1の透明電極312が形成されている面と、第2の透明基板313の窪みが設けられている面とが貼り合わされており、第2の透明基板313の窪みにより形成されている空間には、ブルー相液晶が封入され、凸レンズ形状の液晶層315が形成されている。また、第1の透明電極312と、第2の透明電極314とには、それぞれ、図示を省略している印加電圧制御部121と同様の印加電圧制御部が接続されている。
この様に、例えば第1の透明基板311は第1の透明基板として機能し、例えば第1の透明電極312は第1の透明基板上に形成された第1の透明電極として機能し、例えば第2の透明基板313は第1の透明基板側に凹レンズ形状の窪みを有する第2の透明基板として機能し、例えば第2の透明電極314は第2の透明基板の前記凹レンズ形状の窪み有する面と反対の面に形成された第2の透明電極として機能し、例えば液晶層315は凹レンズ形状の窪みに封入されたブルー相液晶により形成される液晶層として機能し、例えば印加電圧制御部121と同様の印加電圧制御部は第1の透明電極及び第2の透明電極に印加する電圧を制御する電圧制御手段として機能する。
本実施形態に係る液晶レンズ320は、図5(b)に示す様な構成を有する。即ち、例えばガラス基板等の絶縁性の第1の透明基板321上には、例えばITO膜等の透明導電膜から成る第1の透明電極322が形成されている。そして、第1の透明電極322の上には、例えばガラス等、透明な構造物から成る凸レンズ状構造物323が貼り合わされている。また、例えばガラス基板等の絶縁性の第2の透明基板324上には、例えばITO膜等の透明導電膜から成る第2の透明電極325が形成されている。
第1の透明基板321と第2の透明基板324とは、第1の透明電極322と第2の透明電極325とを対向させ、図示しない絶縁性スペーサによって一定間隔を維持するように貼り合わされている。そして、形成された間隙には、ブルー相液晶が封入され、凹レンズ形状の液晶層326が形成されている。また、第1の透明電極322と、第2の透明電極325とには、それぞれ、図示を省略している印加電圧制御部121と同様の印加電圧制御部が接続されている。
この様に、例えば凸レンズ状構造物323は液晶層中に存在する凸レンズ形状の透明部材として機能する。
本実施形態に係る液晶レンズ330は、図5(c)に示す様な構成を有する。即ち、例えばガラス基板等の絶縁性の第1の透明基板331上には、例えばITO膜等の透明導電膜から成る第1の透明電極332が形成されている。また、例えばガラス基板等の絶縁性の第2の透明基板333には、一方の面にプリズム形状を有する窪みを設け、他方の面上には例えばITO膜等の透明導電膜から成る第2の透明電極334が形成されている。
第1の透明基板331の第1の透明電極332が形成されている面と、第2の透明基板333の窪みが設けられている面とが貼り合わされており、第2の透明基板333の窪みにより形成されている空間には、ブルー相液晶が封入され、プリズム形状の液晶層335が形成されている。また、第1の透明電極332と、第2の透明電極334とには、それぞれ、図示を省略している印加電圧制御部121と同様の印加電圧制御部が接続されている。
この様に、例えば第1の透明基板331は第1の透明基板として機能し、例えば第1の透明電極332は第1の透明基板上に形成された第1の透明電極として機能し、例えば第2の透明基板333は第1の透明基板側にプリズム形状の窪みを有する第2の透明基板として機能し、例えば第2の透明電極334は第2の透明基板の前記プリズム形状の窪み有する面と反対の面に形成された第2の透明電極として機能し、例えば液晶層335はプリズム形状の窪みに封入されたブルー相液晶により形成される液晶層として機能し、例えば印加電圧制御部121と同様の印加電圧制御部は第1の透明電極及び第2の透明電極に印加する電圧を制御する電圧制御手段として機能する。
本実施形態に係る液晶レンズ340は、図5(d)に示す様な構成を有する。即ち、例えばガラス基板等の絶縁性の第1の透明基板341上には、例えばITO膜等の透明導電膜から成る第1の透明電極342が形成されている。そして、第1の透明電極342の上には、例えばガラス等、透明な構造物から成るプリズム状構造物343が貼り合わされている。また、例えばガラス基板等の絶縁性の第2の透明基板344上には、例えばITO膜等の透明導電膜から成る第2の透明電極345が形成されている。
第1の透明基板341と第2の透明基板344とは、第1の透明電極342と第2の透明電極345とを対向させ、図示しない絶縁性スペーサによって一定間隔を維持するように貼り合わされている。そして、形成された間隙には、ブルー相液晶が封入され、液晶層346が形成されている。また、第1の透明電極342と、第2の透明電極345とには、それぞれ、図示を省略している印加電圧制御部121と同様の印加電圧制御部が接続されている。
この様に、例えばプリズム状構造物343は前記液晶層中のプリズム形状の透明部材として機能する。
次に本実施形態に係る液晶レンズ310の動作を説明する。当該液晶レンズ310のレンズ効果は、第2の透明基板313の屈折率Nと、液晶層315に電場を形成しているときの液晶層315の屈折率Nonと、液晶層315に電場を形成していないときの液晶層315の屈折率Noffとの、大きさの関係で決定される。N<Non<Noffの場合、液晶レンズ310は凸レンズとして機能する。また、Non<Noff<Nの場合、液晶レンズ310は凹レンズとして機能する。また、Non<N<Noffの場合、液晶レンズ310は凹凸両用レンズとして機能する。何れの場合においても、液晶レンズ310は、第1の透明電極312及び第2の透明電極314に印加する電圧によって、焦点距離を変化させることができる。
次に本実施形態に係る液晶レンズ320の動作を説明する。当該液晶レンズ320のレンズ効果も、凸レンズ状構造物323の屈折率Nと、液晶層326に電場を形成しているときの液晶層326の屈折率Nonと、液晶層326に電場を形成していないときの液晶層326の屈折率Noffとの、大きさの関係で決定される。Non<Noff<Nの場合、液晶レンズ320は凸レンズとして機能する。また、N<Non<Noffの場合、液晶レンズ320は凹レンズとして機能する。また、Non<N<Noffの場合、液晶レンズ320は凹凸両用レンズとして機能する。何れの場合も、液晶レンズ320は、第1の透明電極322及び第2の透明電極325に印加する電圧によって、焦点距離を変化させることができる。
液晶レンズ330及び液晶レンズ340の動作も、それぞれ液晶レンズ310及び液晶レンズ320と同様であり、第1の透明電極332及び第2の透明電極334、或いは第1の透明電極342及び第2の透明電極345に印加する電圧によって、液晶層335或いは液晶層346の屈折率を変化させることができる。従ってこれら屈折率の変化を制御することによって、光の出射方向を制御することができる。
本実施形態に依れば、液晶レンズ310及び液晶レンズ320は、第1の実施形態の液晶レンズ100や第2の実施形態の液晶レンズ200と同様に、焦点距離を変化させる可変焦点距離レンズとして機能する。また、液晶レンズ330及び液晶レンズ340は、光の出射方向を変化させる光学素子として機能する。その他、第1の実施形態と同様に、ブルー相液晶を用いているため、偏光を使用する必要がない。従って偏光板を用いることがないので明るいレンズを実現できる。また、光源があらかじめ偏光している場合であっても、その偏光面の向きに関わらず当該液晶レンズはレンズの効果を発揮する。また、ブルー相液晶を用いた当該液晶レンズはネマティック液晶を用いた液晶レンズに比べて応答速度が速いことも特徴である。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、液晶レンズ100、液晶レンズ200、液晶レンズ310、或いは液晶レンズ320を用いた焦点距離可変眼鏡400である。
本実施形態に係る焦点距離可変眼鏡400は、図6及び図7に示す様に、液晶レンズ401と、測距センサ402とを有する。また、制御部403と、電源部404、使用者情報記録部405とを含む本体部406を有する。制御部403は、測距センサ制御部407と、印加電圧制御部408とを含む。液晶レンズ401は、第1の実施形態の液晶レンズ100、第2の実施形態の液晶レンズ200、第3の実施形態の液晶レンズ310、或いは第3の実施形態の液晶レンズ320であり、印加電圧制御部408は、第1の実施形態等における印加電圧制御部121と同じである。従って、これらの説明は省略する。
測距センサ402は、例えば公知の赤外線照射型の測距センサ等である。測距センサ制御部407は、測距センサ402の動作の制御、距離測定の演算等を行う。制御部403は、測距センサ制御部407が算出した測定結果に基づいて、液晶レンズ401の目標焦点距離を決定し、それを印加電圧制御部408に送る。印加電圧制御部408は、制御部403から入力された液晶レンズ401の目標焦点距離に基づいて、液晶レンズ401の焦点距離を設定する。使用者情報記録部405は、当該焦点距離可変眼鏡の使用者の視力に関する情報を記録している。
この様に、例えば測距センサ402及び測距センサ制御部407は距離測定手段として機能し、例えば制御部403は距離測定手段の測定結果に基づいて目標焦点距離を設定する目標焦点距離設定部として機能し、例えば使用者情報記録部405は使用者の視力情報を記録する使用者情報記録手段として機能する。
次に本実施形態に係る焦点距離可変眼鏡の動作について説明する。測距センサ402は、測距センサ制御部407の制御の下、例えば赤外線照射型の測距センサであれば、赤外線を照射し、反射光を受光し、受光信号を測距センサ制御部407に出力する。測距センサ制御部407は、測距センサ402から入力された受光信号に基づき、対象物、即ち例えば赤外線を反射した物体と、当該測距センサ402との距離を算出する。測距センサ制御部407は、算出した対象物と当該測距センサ402との距離を、制御部403に出力する。
制御部403は、測距センサ制御部407から入力された対象物と当該測距センサ402との距離に基づいて、液晶レンズ401の焦点距離の目標値である目標焦点距離を決定する。この際、予め使用者情報記録部405に記録しておいた、当該焦点距離可変眼鏡の使用者の視力に関する情報を参照する。この使用者の視力に関する情報には、例えば、使用者の視力を矯正するために最適な、液晶レンズ401の焦点距離を、使用者から観察対象物までの距離に応じて記録しておく。その結果、制御部403は、例えば、近視と老眼の症状を呈している使用者について、使用者から観察対象物までの距離が予め設定した距離よりも長い場合、当該使用者の近視を矯正するのに最適な液晶レンズ401の焦点距離を目標焦点距離とし、使用者から観察対象物までの距離が予め設定した距離よりも短い場合、当該使用者の老眼を矯正するのに最適な液晶レンズ401の焦点距離を目標焦点距離とする。
ここでは、使用者から観察対象物までの距離が予め設定した距離よりも長い場合と短い場合の2つの設定値を選択する例を説明したが、3つ以上の設定値を選択するようにしても良い。また、測距センサ制御部407から入力された対象物と当該測距センサ402との距離が次々と変化する場合、それに応じて液晶レンズ401の焦点距離を次々と変化させると使用者に不快感を与えることから、短時間の変化では液晶レンズ401の焦点距離を変化させない様にしても良い。また、例えば図示しない設定切り替えボタンを使用者が押した時のみ、制御部403が前記の通り、液晶レンズ401の目標焦点距離を設定するようにしても良い。
制御部403が、液晶レンズ401の目標焦点距離を決定したら、制御部403はそれを印加電圧制御部408に出力する。印加電圧制御部408は、制御部403から入力された目標焦点距離に基づいて液晶レンズ401の各透明電極に印加する電圧を決定し制御する。その結果、液晶レンズ401の焦点距離は、測距センサ402によって検出した使用者から観察対象物までの距離に応じて、制御部403が決定した目標焦点距離と成る。
本実施形態に係る焦点距離可変眼鏡400に依れば、測距センサ402によって使用者から観察対象物までの距離を測定し、その情報に基づいて液晶レンズ401の焦点距離を自動調整することができる。また、当該焦点距離可変眼鏡400を用いれば、使用者情報記録部405に記録しておく使用者情報を書き換えれば、使用者の視力が変化しても、眼鏡を交換することなく、その時に応じた焦点距離を有する眼鏡を提供できる。更に、従来の遠近両用眼鏡では、レンズの一部を近視矯正用に用い、その他の部分を老眼矯正用に用いるべく、焦点距離の異なるレンズを1枚のレンズにて実現している。このため、従来の遠近両用眼鏡の使用に際しては、視野範囲に制限がある。これに対して、本実施形態に係る焦点距離可変眼鏡400は、レンズ全面の焦点距離を変えることで、複数の焦点距離を実現することができるため、広い視野を実現できる。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態に係る、液晶レンズ100、液晶レンズ200、液晶レンズ310、或いは液晶レンズ320を用いた光ピックアップ装置について図面を参照して説明する。図8は、液晶レンズ100、液晶レンズ200、液晶レンズ310、或いは液晶レンズ320を用いた当該光ピックアップ装置500の概略を示す。本光ピックアップ装置500は、光学式記録媒体である光ディスク510の、記録面511に記録された情報を読み取る装置である。本光ピックアップ装置500は、公知の微小変位計測器である変位センサ521と、例えば半導体レーザーであるレーザー光源522と、ビームスプリッター523と、公知の光センサ524と、制御部525とを有する。また、光ピックアップ装置500は、液晶レンズ541と、印加電圧制御部542とを有する。
制御部525は、当該光ピックアップ装置500の各部を制御する。液晶レンズ541は、第1の実施形態の液晶レンズ100、第2の実施形態の液晶レンズ200、第3の実施形態の液晶レンズ310、或いは第3の実施形態の液晶レンズ320であり、印加電圧制御部542は、第1の実施形態等における印加電圧制御部121と同じである。従って、これらの説明は省略する。
この様に、例えば変位センサ521は距離測定手段として機能し、例えば制御部525は距離測定手段の測定結果に基づいて目標焦点距離を設定する目標焦点距離設定部として機能し、例えばレーザー光源522は光ディスクに照射するレーザー光を発生するレーザー光源として機能し、例えば液晶レンズ541は光ディスクの記録面に前記レーザー光源から発生したレーザー光を集光させ、前記光ディスクの記録面に集光したレーザー光の反射光を平行光にする液晶レンズとして機能し、例えば光センサ524は光ディスクの記録面からの反射光を受光する受光素子として機能する。
次に本実施形態に係る光ピックアップ装置500の動作を説明する。光ディスク510は高速で回転しており、当該光ディスク510の記録面511は、上下に微小な変位をする。そこで、変位センサ521によって、当該光ディスク510の微小変位を計測する。変位センサ521による変位の計測結果は、制御部525へ出力される。
レーザー光源522から射出されたレーザー光は、ビームスプリッター523に入射し、液晶レンズ541へと向かう。このとき、制御部525は、変位センサ521から入力された光ディスク510の変位に基づいて、前記レーザー光が光ディスク510の記録面511に焦点を結ぶために必要な、液晶レンズ541の焦点距離を算出する。そして、制御部525は、算出した液晶レンズ541の焦点距離を印加電圧制御部542に出力する。印加電圧制御部542は、制御部525から入力された液晶レンズ541の焦点距離に基づいて、液晶レンズ541に入力する電圧を制御する。
前記の様に焦点距離を制御された液晶レンズ541によって、収束されたレーザー光は、光ディスク510の記録面511に焦点を結び、その反射光は、液晶レンズ541及びビームスプリッター523を介して光センサ524に入射する。光センサ524は、受光信号を制御部525に出力する。制御部525は、光センサ524から入力された受光信号に基づいて、記録面511に記録された情報を取得する。前記説明では、光ディスクの読み取りについて述べたが、勿論、書き込みも同様の構成で可能である。
本実施形態に係る光ピックアップ装置500に依れば、光ディスク510の変位に合わせて高速に情報読み取り用のレーザー光の焦点位置を調整し、正確な読み取りが可能となる。この際、ブルー相液晶の早い時間応答性が有効である。また、光ディスクは、例えばオーディオCD、DVD、ブルーレイディスク(BD)(登録商標)等、光ディスクの規格によって、使用するレーザー光の波長が異なる。一般にレンズの屈折率には波長分散があるため、異なった波長の光に対する焦点距離は異なる。そのため一般に、波長に応じた光学系の調整が必要となる。しかし、本実施形態の液晶レンズを用いれば、液晶レンズに印加する電圧を調整することによって使用するレーザー光の波長に合わせてレンズの焦点距離を調節できる。このため、複数種類の規格の光ディスクを扱う装置においても、光学系を簡素に設計できる。
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態に係る、第3の実施形態の液晶レンズ330或いは液晶レンズ340を用いた光スイッチについて図面を参照して説明する。図9は、第3の実施形態の液晶レンズ330或いは液晶レンズ340を用いた当該光スイッチ600の概念図を示す。光スイッチ600は、第1の入力光導波路601と、第2の入力光導波路602と、第1の出力光導波路603と、第2の出力光導波路604と、プリズム状の液晶レンズ611と、印加電圧制御部612とを有する。
プリズム状の液晶レンズ611は、例えば第3の実施形態に係る液晶レンズ340であり、印加電圧制御部612の制御の下、光路を制御することができる。ここで、プリズムの形状が図5(d)と異なるが、本質は同じであり、光の進行方向が異なって記載されているのみである。この様に、液晶レンズ611の形状は、光スイッチ600の形状によって適宜設定できる。ここでは、液晶レンズ611については、第3の実施形態の説明と同じ符号を付し、その説明は省略する。
次に本実施形態に係る光スイッチの動作について説明する。まず、液晶レンズ611の液晶層346に電場を形成していない第1の状態においては、液晶レンズ611内を入射光は直進する。従って、第1の入力光導波路601を通り液晶レンズ611に入射した光は、液晶レンズ611を直進し、第1の出力光導波路603に導かれる。同様に、第2の入力光導波路602を通り液晶レンズ611に入射した光は、液晶レンズ611を直進し、第2の出力光導波路604に導かれる。
一方、液晶レンズ611の液晶層346に電場を形成している第2の状態においては、液晶レンズ611内で入射光は屈曲する。従って、第1の入力光導波路601を通り液晶レンズ611に入射した光は、液晶レンズ611で屈曲し、第2の出力光導波路604に導かれ、第2の入力光導波路602を通り液晶レンズ611に入射した光は、液晶レンズ611で屈曲し、第1の出力光導波路603に導かれる。
以上の様に、本実施形態に依れば、プリズム状の液晶レンズ611と光導波路を組み合わせることによって、二組の入出力を互いに切り替えるクロスバー型の光スイッチが作製できる。
上記の実施形態は一例であり、例えば、液晶レンズ611の液晶層346に電場を形成していない第1の状態において、入射光が液晶レンズ611内で屈曲し、液晶層346に電場を形成している第2の状態において、入射光が液晶レンズ611内を直進する様に、プリズム状構造物343と液晶層346の屈折率を設定しても良い。また、入力となる入力光導波路を、第1の入力光導波路601のみとし、液晶レンズ611の第1の状態と第2の状態とを切り替えることにより、光の出力が第1の出力光導波路603又は第2の出力光導波路604に切り替わるように設計しても良い。また、入出力は2つに限らず、3つ以上の入出力を切り替えるようにしても良い。
[第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態に係る、第1乃至第3の実施形態に係る液晶レンズをアレイ状に並べた液晶レンズアレイについて図面を参照して説明する。図10(a)に示す液晶レンズアレイ710は多数の円形レンズをアレイ状に並べた液晶レンズアレイである。当該液晶レンズアレイ710は、図示しない第1の透明電極を形成した第1の透明基板711と、図示しない第2の透明電極を形成し、第2の透明電極を形成していない面に多数の円形レンズ形状の窪みを設けた第2の透明基板712とを貼り合わせ、前記円形レンズ形状の窪みにブルー相液晶を封入し、液晶層713を形成したものである。
図10(b)に示す液晶レンズアレイ720は多数の円筒面形状のレンズをアレイ状に並べた液晶レンズアレイである。当該液晶レンズアレイ720は、図示しない第1の透明電極を形成した第1の透明基板721と、図示しない第2の透明電極を形成し、第2の透明電極を形成していない面に多数の円筒面形状の窪みを設けた第2の透明基板722とを貼り合わせ、前記円筒面形状の窪みにブルー相液晶を封入し、液晶層723を形成したものである。
図10(c)に示す液晶レンズアレイ730は多数のピラミッド形状のプリズムをアレイ状に並べた液晶レンズアレイである。当該液晶レンズアレイ730は、図示しない第1の透明電極を形成した第1の透明基板731と、図示しない第2の透明電極を形成し、第2の透明電極を形成していない面に多数のピラミッド形状の窪みを設けた第2の透明基板732とを貼り合わせ、前記ピラミッド形状の窪みにブルー相液晶を封入し、液晶層733を形成したものである。
図10(d)に示す液晶レンズアレイ740は多数の三角柱形状のプリズムをアレイ状に並べた液晶レンズアレイである。当該液晶レンズアレイ740は、図示しない第1の透明電極を形成した第1の透明基板741と、図示しない第2の透明電極を形成し、第2の透明電極を形成していない面に多数の三角柱形状の窪みを設けた第2の透明基板742とを貼り合わせ、前記三角柱形状の窪みにブルー相液晶を封入し、液晶層743を形成したものである。
何れの液晶レンズアレイにおいても、第1の透明電極及び第2の透明電極に印加する電圧を制御することにより、前記第3の実施形態の場合と同様に、各円形レンズ、各円筒面形状、各ピラミッド形状、或いは各三角柱形状の液晶層における屈折によって、光源からの光の向きを各々変化させることができる。従って、液晶レンズアレイ全体では、光源からの光の集光性や拡散性、指向性を電気的に制御できるようになる。
例えば、図10(a)に示した液晶レンズアレイ710においては、液晶層713に形成する電場によって、円形レンズ形状の液晶層713を1つ含むユニット毎に、例えば第1の透明基板711の側から前記ユニット毎に入射した光を、それぞれ収束させたり、拡散させたりすることができる。同様に、図10(c)に示した液晶レンズアレイ730においては、液晶層733に形成する電場によって、ピラミッド形状の液晶層733を1つ含むユニット毎に、例えば第1の透明基板731の側から前記ユニット毎に入射した光を、それぞれ収束させたり、拡散させたりすることができる。
また、図10(b)に示した液晶レンズアレイ720においては、液晶層723に形成する電場によって、第1の透明基板721の側から液晶レンズアレイ720に入射した光を、図10(b)における左右方向に収束又は拡散させることができる。同様に、図10(d)に示した液晶レンズアレイ740においては、液晶層743に形成する電場によって、第1の透明基板741の側から液晶レンズアレイ740に入射した光を、図10(d)における左右方向に収束又は拡散させることができる。
各液晶レンズアレイにおいて、各透明基板と液晶層の屈折率の関係を適宜設定することによって、第3の実施形態の説明に記載したとおり、当該液晶レンズアレイに光が入射した際の、当該液晶層に形成する電場と光の収束又は拡散の関係を設定することができる。
尚、上記の液晶レンズアレイの形状は例であり、用途に応じて光の進行方向を変化させる種々の形状の液晶レンズアレイにおいても、同様の効果を奏する。
[第8の実施形態]
次に、本発明の第8の実施形態に係る第7の実施形態の液晶レンズアレイ740を応用した3次元表示装置ついて図面を参照して説明する。一般に3次元表示装置は、右目で観察する画素に右目用の画像情報を、左目で観察する画素に左目用の画像情報を、それぞれ表示することで、3次元表示を可能にしている。つまり1画素分の画像情報を表示するために右目用と左目用の実質2画素を必要とする。このため、従来の3次元表示装置で2次元の画像を表示する場合、表示画素は表示装置が有する実質的な画素数の2分の1になってしまうため、文字等の細かい情報の表示が困難であるという課題がある。そこで、本実施形態に係る3次元表示装置800は、液晶レンズアレイ740を用いて、3次元表示モードと2次元表示モードとを切り替えることにより、2次元表示モードにおいては、右目用の画素と、左目用の画素とを用いて、3次元表示モードにおける画素数の2倍の画素数の画像を表示できるようにしている。
本実施形態に係る3次元表示装置800は、複数の画素811を有する表示パネル810と、液晶レンズアレイ820と、印加電圧制御部822とを有する。液晶レンズアレイ820は、第7の実施形態に係る液晶レンズアレイ740である。ここでは、第7の実施形態の説明と同じ符号を付し、その構成を説明する。当該液晶レンズアレイ820は、第1の透明電極744を形成した第1の透明基板741と、第2の透明電極745を形成した第2の透明基板742とを有する。第2の透明基板742の第2の透明電極745を形成していない面に多数の三角柱形状の窪みを設けてある。第1の透明基板741の第1の透明電極744を形成している面と、第2の透明基板742の三角柱形状の窪みを設けている面とが貼り合わされており、前記三角柱形状の窪みにはブルー相液晶が封入され、液晶層743が形成されている。
この様に、例えば表示パネル810は、平面上に配置され、表示光を射出する複数の画素から成る、画像を表示する表示面として機能し、例えば液晶レンズアレイ820は、前記表示面に重ねられた、前記液晶層に形成する電場を制御することで光路を変化させる液晶レンズアレイとして機能する。
次に、3次元表示装置800の動作を説明する。当該3次元表示装置800は、液晶レンズアレイ820をオフにしている状態(2次元表示モード)、即ち、図11中にその光路を破線で示す様に、液晶レンズアレイ820による光の屈折が起こらないように印加電圧を制御している場合、一般的な2次元表示の表示素子と同様に機能する。一方、液晶レンズアレイ820をオンにしている状態(3次元表示モード)、即ち、図11中にその光路を実線で示す様に、液晶レンズアレイ820による光の屈折が起こるように印加電圧を制御している場合、右目で観察する画素に右目用の画像情報を、左目で観察する画素に左目用の画像情報を、それぞれ表示し、3次元表示を可能にする。
本実施形態に依れば、3次元表示モードでは、右目用と左目用の画素とを使い分け、3次元表示を可能にする一方で、2次元表示モードにおいては、右目用の画素と、左目用の画素とを用いて、3次元表示モードにおける画素数の2倍の画素数の画像を表示できる。さらに液晶レンズアレイ820の印加電圧を制御することで、屈折角を変化させる、3次元表示に適した当該表示装置と目の間の距離を可変できるという特長がある。また、ブルー相液晶の早い時間応答性を利用して3次元表示モードと2次元表示モードとの切り替えを高速に行うことが可能である。また、本実施形態の液晶レンズは偏光を利用しないため、液晶ディスプレイに限らず、本質的に偏光を用いないプラズマ・ディスプレイや有機ELディスプレイにも使用できる。更にその際、表示の輝度を損なわない。
[第9の実施形態]
次に、本発明の第9の実施形態に係る、第7の実施形態の液晶レンズアレイ740を応用した指向性制御液晶ディスプレイについて図面を参照して説明する。本実施形態の指向性制御液晶ディスプレイ900は、図12及び図13に示す通り、一般的な液晶表示素子である液晶表示パネル910と、そのバックライト911と、液晶レンズアレイ920と、印加電圧制御部922と、環境の明るさを測定する照度センサ923と、当該液晶表示パネル910を制御する制御部924とを有する。
液晶レンズアレイ920は、第7の実施形態に係る液晶レンズアレイ740である。ここでは、第8の実施形態において説明した液晶レンズアレイ820と同じ符号を付し、その説明は省略する。
この様に、例えば液晶表示パネル910は、表示面の裏側に光源を有し表示面から画像を表す表示光を射出する光透過型の表示素子として機能し、例えば液晶レンズアレイ920は、表示素子に重ねられ、前記表示光の指向性を変化させる液晶レンズアレイとして機能する。
次に、指向性制御液晶ディスプレイ900の動作を説明する。照度センサ923は、当該指向性制御液晶ディスプレイ900が設置されている環境の明るさを測定する。照度センサ923は測定結果の信号を制御部924に出力する。
液晶レンズアレイ920は、第7の実施形態の説明において、説明した通り、光源からの光の集光性や拡散性、指向性を電気的に制御できる。そこで、制御部924は、照度センサ923から入力された環境の明るさが予め設定された閾値より高ければ、バックライト911からの光を図12及び図13中の上部に点線で示す様に、指向性を強めるべく、液晶レンズアレイ920の液晶層743に形成される電圧を制御するように印加電圧制御部922に指令する。
印加電圧制御部922は、制御部924からの指令に基づき、液晶レンズアレイ920の液晶層743に形成する電圧を制御し、バックライト911からの光の指向性を強める。
一方、制御部924は、照度センサ923から入力された環境の明るさが予め設定された閾値より低ければ、バックライト911からの光を図12及び図13中の上部に実線で示した様に、指向性を弱めるべく、液晶レンズアレイ920の液晶層743に形成される電圧を制御するように印加電圧制御部922に指令する。
印加電圧制御部922は、制御部924からの指令に基づき、液晶レンズアレイ920の液晶層743に形成する電圧を制御し、バックライト911からの光の指向性を弱める。
以上の様に、例えば、明るい晴天の野外等における使用では、液晶レンズアレイ920により、バックライト911からの光を図12及び図13中の上部に点線で示した様に、指向性を強める。これにより、液晶表示パネル910の表示の視野角を犠牲にして、正面の輝度を高め、視認性を向上させることができる。一方、暗い環境における使用では、バックライト911からの光を図12及び図13中の上部に実線で示した様に、指向性を弱める。これにより、視野角を優先させることができる。
この様に、本実施形態に依れば、使用環境に応じて、表示状態を変化させて用いることができる指向性制御液晶ディスプレイ900を提供できる。
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても、発明が解決しようとする課題の欄で述べられた課題が解決でき、かつ、発明の効果が得られる場合には、この構成要素が削除された構成も発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
100…液晶レンズ、101…第1の透明基板、102…第2の透明基板、103…第1の透明電極、104…第2の透明電極、105…絶縁性スペーサ、106…液晶層、121…印加電圧制御部、122…電源部、200…液晶レンズ、201…第1の透明基板、202…第2の透明基板、203…第3の透明基板、204…第1の透明電極、205…第2の透明電極、206…第3の透明電極、207…第4の透明電極、208…第1の絶縁性スペーサ、209…第2の絶縁性スペーサ、210…第1の液晶層、211…第2の液晶層、310…液晶レンズ、311…第1の透明基板、312…第1の透明電極、313…第2の透明基板、314…第2の透明電極、315…液晶層、320…液晶レンズ、321…第1の透明基板、322…第1の透明電極、323…凸レンズ状構造物、324…第2の透明基板、325…第2の透明電極、326…液晶層、330…液晶レンズ、331…第1の透明基板、332…第1の透明電極、333…第2の透明基板、334…第2の透明電極、335…液晶層、340…液晶レンズ、341…第1の透明基板、342…第1の透明電極、343…プリズム状構造物、344…第2の透明基板、345…第2の透明電極、346…液晶層、400…焦点距離可変眼鏡、401…液晶レンズ、402…測距センサ、403…制御部、404…電源部、405…使用者情報記録部、406…本体部、407…測距センサ制御部、408…印加電圧制御部、500…光ピックアップ装置、510…光ディスク、511…記録面、521…変位センサ、522…レーザ光源、523…ビームスプリッター、524…光センサ、525…制御部、541…液晶レンズ、542…印加電圧制御部、600…光スイッチ、601…第1の入力光導波路、602…第2の入力光導波路、603…第1の出力光導波路、604…第2の出力光導波路、611…液晶レンズ、612…印加電圧制御部、710…液晶レンズアレイ、711…第1の透明基板、712…第2の透明基板、713…液晶層、720…液晶レンズアレイ、721…第1の透明基板、722…第2の透明基板、723…液晶層、730…液晶レンズアレイ、731…第1の透明基板、732…第2の透明基板、733…液晶層、740…液晶レンズアレイ、741…第1の透明基板、742…第2の透明基板、743…液晶層、744…第1の透明電極、745…第2の透明電極、800…3次元表示装置、811…画素、810…表示パネル、820…液晶レンズアレイ、822…印加電圧制御部、900…3次元表示装置、910…液晶表示パネル、911…バックライト、920…液晶レンズアレイ、922…印加電圧制御部、923…照度センサ、924…制御部。

Claims (20)

  1. 第1の透明基板と、
    前記第1の透明基板上に形成された第1の透明電極と、
    前記第1の透明電極が形成されている面の側において前記第1の透明基板と対峙する第2の透明基板と、
    前記第2の透明基板上の前記第1の透明基板側の面に形成された第2の透明電極と、
    前記第1の透明電極と前記第2の透明電極とに挟持され、該透明電極間に電圧差がない場合には光学的に等方性、該透明電極間に電圧差がある場合には複屈折性を発現する液晶により形成される液晶層と、
    前記第1の透明電極及び前記第2の透明電極に印加する電圧を制御し、前記液晶層に形成する電場を制御する電圧制御手段と、
    を具備することを特徴とする液晶レンズ。
  2. 前記液晶は、ブルー相液晶または高分子安定化ブルー相液晶であることを特徴とする請求項1に記載の液晶レンズ。
  3. 前記第1の透明基板の前記第1の透明電極が形成されている側の面は凹面であり、前記第1の透明基板の前記第1の透明電極が形成されている面と反対側の面は凸面であり、
    前記第2の透明基板の前記第2の透明電極が形成されている側の面は凹面であり、前記第2の透明基板の前記第2の透明電極が形成されている面と反対側の面は凸面であり、
    前記液晶層は凸レンズ形状である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の液晶レンズ。
  4. 前記第1の透明基板の前記第1の透明電極が形成されている側の面は凸面であり、前記第1の透明基板の前記第1の透明電極が形成されている面と反対側の面は凹面であり、
    前記第2の透明基板の前記第2の透明電極が形成されている側の面は凸面であり、前記第2の透明基板の前記第2の透明電極が形成されている面と反対側の面は凹面であり、
    前記液晶層は凹レンズ形状である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の液晶レンズ。
  5. 請求項3に記載の液晶レンズと請求項4に記載の液晶レンズとが重ね合わせて構成されており、
    請求項3に記載の液晶レンズの光軸と請求項4に記載の液晶レンズの光軸とが一致している、
    ことを特徴とする液晶レンズ。
  6. 請求項5に記載の液晶レンズにおいて、
    請求項3に記載の液晶レンズの、請求項4に記載の液晶レンズ側に位置している第2の透明基板と、
    請求項4に記載の液晶レンズの、請求項3に記載の液晶レンズ側に位置している第1の透明基板と、
    は1枚の透明基板によって兼ねられて構成されていることを特徴とする液晶レンズ。
  7. 第1の透明基板と、
    前記第1の透明基板上に形成された第1の透明電極と、
    前記第1の透明電極上に配置され、前記第1の透明基板側に凹レンズ形状の窪みを有する第2の透明基板と、
    前記第2の透明基板の前記凹レンズ形状の窪みを有する面と反対の面に形成された第2の透明電極と、
    前記凹レンズ形状の窪みに封入されたブルー相液晶により形成される液晶層と、
    前記第1の透明電極及び前記第2の透明電極に印加する電圧を制御する電圧制御手段と、
    を具備することを特徴とする液晶レンズ。
  8. 前記ブルー相液晶は、高分子安定化ブルー相液晶であることを特徴とする請求項7に記載の液晶レンズ。
  9. 前記液晶層中に、凸レンズ形状の透明部材を更に有することを特徴とする請求項2に記載の液晶レンズ。
  10. 第1の透明基板と、
    前記第1の透明基板上に形成された第1の透明電極と、
    前記第1の透明電極上に配置され、前記第1の透明基板側に角柱形状の窪みを有する第2の透明基板と、
    前記第2の透明基板の前記角柱形状の窪みを有する面と反対の面に形成された第2の透明電極と、
    前記角柱形状の窪みに封入されたブルー相液晶により形成される液晶層と、
    前記第1の透明電極及び前記第2の透明電極に印加する電圧を制御する電圧制御手段と、
    を具備することを特徴とする液晶レンズ。
  11. 前記ブルー相液晶は、高分子安定化ブルー相液晶であることを特徴とする請求項9に記載の液晶レンズ。
  12. 前記液晶層中に、角柱形状の透明部材を更に有することを特徴とする請求項2に記載の液晶レンズ。
  13. 請求項1乃至請求項9のうちいずれか1項に記載の液晶レンズと、
    距離測定手段と、
    前記距離測定手段の測定結果に基づいて前記液晶レンズの目標焦点距離を設定する目標焦点距離設定部と、
    を更に具備し、
    前記電圧制御手段は、前記目標焦点距離に基づいて、前記液晶層に形成する電場を制御する
    ことを特徴とする液晶レンズ。
  14. 請求項13に記載の液晶レンズを眼鏡のレンズとして用いることを特徴とする焦点距離可変眼鏡。
  15. 使用者の視力情報を記録する使用者情報記録手段を更に具備し、
    前記目標焦点距離設定部は、前記距離測定手段の測定結果に加えて前記使用者の視力情報に基づいて前記目標焦点距離を設定する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の焦点距離可変眼鏡。
  16. 光ディスクに照射するレーザー光を発生するレーザー光源と、
    請求項11に記載の液晶レンズと、
    前記光ディスクの記録面からの反射光を受光する受光素子と、
    を有する光ピックアップ装置であって、
    前記目標焦点距離設定部は、前記液晶レンズの目標焦点距離を、該液晶レンズから前記光ディスクの記録面までの距離に設定し、
    前記液晶レンズは、
    前記レーザー光を前記光ディスクの記録面に集光させ、
    前記光ディスクの記録面に集光したレーザー光の反射光を平行光にする、
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  17. 請求項1乃至請求項12のうち何れか1項に記載の液晶レンズを有する光スイッチであって、
    前記液晶レンズは、前記電圧制御手段が制御する前記液晶層に形成する電場の変化により、該液晶レンズに入射した光の射出光路を、少なくとも2つの射出光路のうち何れか1つに切り替えることを特徴とする光スイッチ。
  18. 請求項1乃至請求項12のうちいずれか1項に記載の液晶レンズを並べた構成を有する液晶レンズアレイ。
  19. 平面上に配置され、表示光を射出する複数の画素から成る、画像を表示する表示面と、
    前記表示面に重ねられた、前記液晶層に形成する電場を制御することで光路を変化させる請求項18に記載の液晶レンズアレイと、
    を有する3次元表示装置であって、
    2次元表示時においては、
    前記表示面は、前記画素の全てを用いて2次元画像の表示をし、
    前記液晶レンズアレイは、前記表示光を直進させ、
    3次元表示時においては、
    前記表示面は、
    前記画素のうち一部を右目用画素とし、前記右目用画素以外の前記画素を左目用画素とし、
    前記右目用画素には右目用画像を表示し、前記左目用画素には左目用画像を表示し、
    前記液晶レンズアレイは、前記右目用画素から射出した表示光と前記左目用画素から射出した表示光との光路を異ならせる、
    ことを特徴とする3次元表示装置。
  20. 表示面の裏側に光源を有し表示面から画像を表す表示光を射出する光透過型の表示素子と、
    前記表示素子に重ねられ、前記液晶層に形成する電場を制御することで光路を変化させて前記表示光の指向性を変化させる請求項18に記載の液晶レンズアレイと、
    を具備することを特徴とする指向性制御表示装置。
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