JP2013137454A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、例えば液晶ディスプレイ等、画像を表示させるための画像表示装置に関するものである。
近年、立体的な画像を表示することができる画像表示装置が普及している。例えば、特許文献1には、複数の観測者のそれぞれの眼に右眼用画像の光と左眼用画像の光とを交互に提示することによって、映像を立体視させる自動立体視ディスプレイが開示されている。特許文献1の装置では、観測者の眼球位置移動に追従するように、偏向手段により、光の屈折の状態を変化させている。この偏向手段は、2種類の混合しない液体を内包する液滴制御(エレクトロウエッティング)セルによって構成されており、液滴制御セルに電圧を印加することによって液体の界面を変化させて、液滴制御セルにプリズム機能を発揮させている。
ここで、特許文献1の液滴制御セルに代わる光学素子としては、一対の対向基板の間に、ストライプ状に延びる複数の三角プリズムと液晶とを封入して構成され、印加電圧に応じて出射光の偏向角を変化させることができる液晶プリズム素子が知られている。三角プリズム及び液晶層の界面における屈折角は、三角プリズムの屈折率と液晶層の屈折率の差によって定まるので、液晶層への印加電圧を変化させることによって、液晶プリズム素子からの光の出射角を所定の範囲内で制御することができる。したがって、視聴者の位置に集光位置を追従させる画像表示装置の用途では、集光位置の追従範囲を広くできるように、電圧の印加によって変化する屈折率範囲ができるだけ大きい液晶材料を採用することが好ましい。
しかしながら、現在利用できる液晶材料では、電圧の印加によって変化させることができる屈折率の範囲が限られているため、液晶プリズム素子への印加電圧の制御によって調整できる光の出射角の範囲も限定されてしまう。
それ故に、本発明は、視聴者の位置に追従して集光位置を制御可能であり、液晶プリズム素子のみを用いた場合と比べて、集光位置の追従範囲が広い画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画像表示装置は、画像表示パネルと、画像表示パネルの背面側に配置されるバックライト装置と、画像パネルとバックライト装置との間に配置され、入射した光を偏向させる第1の光学素子と、第1の光学素子と画像表示パネルとの間に配置され、第1の光学素子によって偏向された光を更に偏向させ、印可電圧に応じて出射光の偏向角を変化させる第2の光学素子と、第1の光学素子とバックライト装置との間に配置される複数の第1のレンズと、第2の光学素子と画像表示パネルとの間に配置される複数の第2のレンズと、視聴者の視聴位置を検出する位置検出部と、位置検出部によって検出された視聴位置に応じて第2の光学素子に印可する印可電圧を制御する制御部とを備える。第1のレンズと第2のレンズとが、アフォーカル光学系を構成する。
本発明によれば、第1の光学素子と第2の光学素子とアフォーカル光学系とを併用することにより、液晶プリズム素子のみを用いた場合と比べて、集光位置の追従範囲が広い画像表示装置を実現できる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合もある。また、図面は、理解しやすくするために、主要な構成要素を模式的に示している。
<1.画像表示装置の構成>
図1Aは、実施の形態に係る画像表示装置1の概略断面図であり、図1Bは、図1Aに示す画像表示装置1の一部の分解斜視図である。尚、図1Aにおいては、図1Bに記載の電極40a、40b、41a、41bの記載が省略されている。
図1Aは、実施の形態に係る画像表示装置1の概略断面図であり、図1Bは、図1Aに示す画像表示装置1の一部の分解斜視図である。尚、図1Aにおいては、図1Bに記載の電極40a、40b、41a、41bの記載が省略されている。
本実施の形態では、画像表示装置1に対して3次元直交座標系を設定し、座標軸を用いて方向を特定する。図1A及び1Bに示すように、X軸方向は、画像表示パネル4の表示面に対してユーザが正対したときの左右方向(水平方向)と一致している。Y軸方向は、画像表示パネル4の表示面に対してユーザが正対したときの上下方向に一致している。Z軸方向は、画像表示パネル4の表示面に対して垂直な方向に一致している。ここで、「正対」とは、例えば表示面に「A」という文字が表示されている場合において、ユーザがこの「A」という文字を正しい方向から見るように、表示面の真正面に向かって位置していることを意味する。また、図1A及び1Bは、画像表示装置1の上側から見た図に相当する。したがって、図1A及び1Bの左側が、視聴者から見た表示画面の右側となる。
画像表示装置1は、光源切替型のバックライト2と、液晶プリズム素子3と、液晶プリズム素子3を挟んで構成されるアフォーカル光学系11と、右眼用画像及び左眼用画像を交互に切り替えながら表示する画像表示パネル4と、画像表示装置1を使用しているユーザの位置検出を行う位置検出部38と、検出されたユーザの位置情報に基づいて、液晶プリズム素子3へ出力する液晶駆動電圧を制御する制御部6とから構成される。以下、各構成に対してそれぞれ詳細を述べる。
バックライト2は、互いに対向する光源7a及び7bと、反射フィルム8と、導光板9と、光制御フィルム10とで構成される。反射フィルム8は導光板9の下面側に設けられており、光制御フィルム10は導光板9の上面側に設けられている。
光源7a及び7bは、導光板9の一対の側面のそれぞれに沿って配置されており、X軸方向において互いに対向している。光源7aは、導光板9の左側面に配置されており、光源7bは導光板9の右側面に配置されている。光源7a及び7bは、それぞれY軸方向に配列された複数のLED素子を有している。光源7a及び7bは、画像表示パネル4に表示される左眼用画像及び右眼用画像の切り替えに同期して、交互に点灯及び点滅を繰り返す。すなわち、画像表示パネル4が右眼用画像を表示する場合は、光源7aが点灯して光源7bが消灯し、画像表示パネル4が左眼用画像を表示する場合は、光源7aが消灯して光源7bが点灯する。
光源7a及び7bから出射された光は、導光板9の上面と下面とで全反射を繰り返しながら導光板9内に広がる。導光板9内で全反射角度を超える角度を持った光が導光板9の上面から出射される。導光板9の下面は、図1A及び1Bに示すように、複数の傾斜面35により構成されている。これらの傾斜面35により、導光板9内を伝搬する光は様々な方向に反射されるので、導光板9から出射する光の強度が上面全体にわたって均一になる。
反射フィルム8は、導光板9の下面側に設けられている。導光板9の下面に設けられた傾斜面35の全反射角度を破った光は、反射フィルム8により反射され、再び導光板9内に入射し、最終的に上面から出射される。導光板9から出射された光は、光制御フィルム10に入射する。
光制御フィルム10の下面には、三角形状の断面及びY軸方向に延びる稜線を有する複数のプリズム36が、X軸方向に並列に配置されている。すなわち、光制御フィルム10の下面には、三角形状の断面を有するプリズム36が1次元アレイ配置されている。また、光制御フィルム10の上面には、Y軸方向に延びる複数のシリンドリカルレンズ37がX軸方向に並列に配置されている。すなわち、光制御フィルム10の上面には、レンチキュラーレンズが形成されている。
光制御フィルム10の下面に入射した光は、プリズム36によりZ軸方向に立ち上げられ、上面のレンチキュラーレンズにより集光され、液晶プリズム素子3に入射する。
図1Cは、図1Aに示す液晶プリズム素子及びアフォーカル光学系の拡大図である。以下、図1A〜1Cを併せて参照しながら、液晶プリズム素子3及びアフォーカル光学系11の詳細を説明する。
液晶プリズム素子3は、左側の光源7aから出射され、導光板9及び光制御フィルム10を通じて入射した光が、ユーザの右眼の位置に集光するように、偏向方向を制御する。また、右側の光源7bから出射され、導光板9及び光制御フィルム10を通じて入射した光が、ユーザの左眼の位置に集光するように、偏向方向を制御する。
より詳細には、液晶プリズム素子3は、一対の対向基板13及び14と、対向基板13及び14の間に封入される複数のプリズム17及び液晶層20と、対向基板13の内面に設けられる電極40a及び40bと、対向基板14の内面に設けられる電極41a及び41bと、電極40a及び40b上に設けられる配向膜18と、プリズム17の斜面61及び側面62上に設けられる配向膜19とを備える。図面には図示していないが、画像表示パネル4には透過軸をY軸方向とした、偏光子が設けられているので、Y軸方向以外の振動方向成分の光は吸収される。なお、偏光子は対向基板13及び14の外面にそれぞれ設けてもよい。
プリズム17は、三角形の断面とY軸方向に延びる稜線64とを有する三角柱形状であり、斜面61と、側面62と、底面63とを有する。
図1A及び1Bから理解されるように、複数のプリズム17が、電極41a及び41b上にX軸方向に並べて設けられている。複数のプリズム17の断面形状は、液晶プリズム素子3の全体で左右対称となるように構成されている。説明を容易にするために、プリズム17の形成領域を図1A及び1Bにおける左半分及び右半分に二分し、左側の領域をR1、領域R1とX軸方向に隣接する右側の領域をR2とする。また、領域R1及びR2の境界線(中央線)を通過し、かつ、画像表示パネル4の表示面と直交する平面を、P1とする。XZ平面と平行な平面上で見たときに、領域R1に配置されるプリズム17の断面形状と、領域R2に配置されるプリズム17の断面形状とは、図1A及び1Bに示すように、平面P1に対して対称となるように設計されている。
電極40aは、対向基板13の内面の領域R1に形成され、電極40bは、対向基板13の内面の領域R2に形成されている。同様に、電極41aは、対向基板14の内面の領域R1に形成され、電極41bは、対向基板14の内面の領域R2に形成されている。
更に、プリズム17の表面上及び電極40a及び40b上には、液晶分子の配向方向を所望の方向に制御するための配向処理を施した配向膜18及び19が設けられている。配向膜18及び19は、電極40a、40b、41a、41bに電圧が印加されていない状態で、液晶分子の長軸がY軸方向となるように液晶分子を配向させる。ただし、液晶分子の配向が均一に保てるのであれば、配向膜18及び19はなくても良い。
尚、対向基板13及び14、プリズム17の形成材料としては、ガラスまたは樹脂を用いることができる。プリズム17の材料として樹脂を用いる場合、一例として、ガラス基板上にUV硬化樹脂をインプリントすることによって、プリズム17を形成することができる。液晶プリズム素子3は、電極41a及び41bを成膜した対向基板14上にプリズム17の一次元配列を形成した後、対向基板14と、電極40a及び40bを成膜した対向基板13とを貼り合わせ、対向基板13及び14の間に液晶を封入することによって作製できる。
液晶プリズム素子3は、外部からの印加電圧の大きさに応じて、透過する光の偏向角度の大きさを制御できる素子である。その原理を簡単に述べる。通常、液晶分子は楕円体形状をしており、長手方向と短手方向とで誘電率が異なる。このため、液晶層20は、入射光の偏光方向毎に屈折率が異なる複屈折の性質を有する。また、液晶分子の配向(ダイレクタ)の向きが光の偏光方向に対して相対的に変化すれば、液晶層20の屈折率も変化する。そのため、ある印加電圧を与えて発生させた電場により液晶の配向を変化させると、透過する光に対する屈折率が変わるため、光の屈折角である偏向角が変化する。
本実施の形態では、液晶層20を構成する材料としては1軸性のポジ型液晶を用いた場合を考える。そして、前述のとおり、電圧が印加されていない場合には液晶分子をY軸方向に配向し、電圧が印加された場合は、液晶分子をZ軸方向に配向する場合を考える。
画像表示パネル4の透過軸がY軸方向であるため、電圧が印加されていない場合の液晶層20の屈折率は異常光屈折率、電圧が印加された場合の液晶層20の屈折率は常光屈折率となる。
一般的に、液晶プリズム素子3等のアクティブ素子で光を偏向させる場合に、偏向角を大きくするためには、Δn(=異常光に対する屈折率ne−常光に対する屈折率no)が大きな液晶材料を用いることが望ましい。しかしながら、市販されている中でΔnが大きな液晶材料は少なく、一般的に、Δnは約0.2程度である。
また、同じ液晶材料で用いて液晶プリズムを構成しても配向方向の設計、電場のかけ方が液晶プリズム素子の能力である偏向角や、電力や、スイッチングスピードなどといった素子性能を大きく左右する重要な項目である。
尚、液晶プリズム素子3では、プリズム17の斜面の傾斜方向が、画面の中心線(平面P1)を境界にして左右で異なっている。液晶プリズム素子3では、出射光をプリズム17の傾斜面から遠ざける方向(図1Cにおける左上方向に相当)への偏向と比べて、出射光をプリズム17の傾斜面に近づける方向(図1Cにおける右上方向)への偏向の効率が低いという性質がある。そこで、プリズム17の傾斜面を平面P1に対して対称とし、プリズム17の傾斜面を画面の中央部の前方に向けることによって、液晶プリズム素子3は、画面の左端近傍に入射した光を画面の右前方へと効率的に偏向することができ、画面の右端近傍に入射した光を画面の左前方へと効率的に偏向することができる。この場合、液晶プリズム素子3の左右の領域に異なる電圧が印加される。そのために、電極40a及び40bと、電極41a及び41bとは、画面中央で分離されている。同一基板内にある電極を2つとも接地端子として用いる場合は中央で分離しなくても良い。
アフォーカル光学系11は、液晶プリズム素子3とバックライト装置2との間に配置される複数の第1のレンズ31と、液晶プリズム素子3と画像表示パネル4との間に配置される複数の第2のレンズ32とによって構成される。第1のレンズ31は、第2のレンズ32に1:1で対応している。第1のレンズ31及び第2のレンズ32は、液晶プリズム素子3の一対の対向基板13及び14の外面に樹脂やガラス等を成型することによって形成しても良いし、対向基板13及び14と一体成型されていても良い。また、第1のレンズ31と第2のレンズ32を対向基板13及び14とは別体のシートとして形成しても良い。典型的には、第1のレンズ31及び第2のレンズ32として、Y軸と平行な方向に延びるシリンドリカルレンズを用いることができるが、X軸方向及びY軸方向に行列状に配列されるレンズアレイでも良い。
図1Cに示す例では、第1のレンズ31は正のパワーを有し、第2のレンズ32は負のパワーを有している。ただし、後述するように、第1のレンズ31及び第2のレンズ32の両方に、正のパワーを有するレンズを採用しても良い。
アフォーカル光学系11は、第1のレンズ31の光軸に対して所定角度をなす光が入射した場合、第2のレンズ32の光軸に対して、当該所定角度にアフォーカル倍率を乗じた角度をなす光を出射する性質を有する。具体的には、アフォーカル倍率が1.5倍である場合、第1のレンズ31の光軸に対して10°の角度で入射した光は、第2のレンズ32の光軸に対して15°の角度で出射される。第1のレンズ31に入射した光は、第2のレンズ32から出射されるまでの間に、印加電圧に応じた偏向作用を液晶プリズム素子3から受けることに加えて、アフォーカル光学系11の作用を受けるため、液晶プリズム素子3のみを用いて画像表示装置を構成した場合と比べて、出射光の出射角度の調整範囲を広くすることができる。
液晶プリズム素子3を透過した光は、画像表示パネル4に入射する。画素表示パネル4の一例として、In−Plane−Switching方式のパネルが挙げられる。ただし、画像表示パネル4として他の方式の画像表示パネルを採用することもできる。画像表示パネル4を透過した光は、指向性を持ち、視聴者の眼の位置に集光される。
画像表示装置1は、右眼用画像と左眼用画像の切り替えに同期させて、光源7a及び7bの切り替えを行っている。また、右眼用画像と左眼用画像との切り替えを120Hz以上の周波数で行うことで、ユーザは右眼用画像と左眼用画像とに基づいて立体画像を認識することができる。
位置検出部38は、カメラ5と視聴位置算出部39とを含む。カメラ5は、ユーザの画像を所定周期で撮影する。視聴位置算出部39は、カメラ5によって撮影された画像を解析し、ユーザの視聴位置を表す視聴位置情報を算出する。カメラ5が行う画像解析には、顔や顔の一部(眼や鼻など)の位置を認識する公知のアルゴリズムを利用できる。また、視聴位置算出部39が求める視聴位置情報は、ユーザの目の位置を表すものであることが好ましいが、眼の位置に代えて顔や鼻等の位置を表しても良い。
制御部6は、視聴位置算出部39によって求められた視聴位置情報に基づいて、液晶プリズム素子3に印加する電圧値を制御する。より詳細には、ユーザの視聴位置が、図1Aに示すように、画面中央から左端側に移動した場合、領域R1では、液晶層20の屈折率をプリズム17の屈折率より小さく、領域R2では、液晶層20の屈折率をプリズム17の屈折率より大きくすることによって、プリズム17からの出射光をユーザから見て右方向に偏向させる。このとき、光を偏向しない時の印加電圧に対して、領域R1への印加電圧をより大きく、領域R2への印加電圧より小さくすることによって、領域R1の偏向角と領域R2の偏向角とを揃えることができる。逆に、ユーザの視聴位置が、画面中央から右端側に移動した場合、領域R1では液晶層20の屈折率をプリズム17の屈折率より大きく、領域R2では、液晶層20の屈折率をプリズム17の屈折率より小さくすることによって、プリズム17からの出射光をユーザから見て左方向に偏向させる。このとき、光を偏向しない時の印加電圧に対して、領域R1への印加電圧をより小さく、領域R2への印加電圧より大きくすることによって、領域R1の偏向角と領域R2の偏向角とを揃えることができる。
尚、印加電圧に対する液晶プリズム3の偏向角及び光の集光点の位置情報は設計段階で想定できるため、予め印加電圧と位置情報とを関連付けたデータを用意し、画像表示装置1が備える記憶装置に格納しておけば良い。また、製品完成後、キャリブレーションを行って、集光点の位置の補正を行っても良い。
以上説明した視聴位置情報に基づく偏向制御を所定の周期毎に繰り返し行うことによって、画像表示装置1に対して視聴者が自由に移動した場合でも、任意の場所で、立体画像を視聴する事が可能となる。よって、本発明によれば、アフォーカル光学系11と液晶プリズム素子3とを併用することによって、液晶プリズム素子3のみを用いて画像表示装置を構成した場合と比べて、視域の広い画像表示装置を実現できる。また、光を視聴者の目の位置に集光させることで、高輝度かつ省エネの画像表示装置1を実現できる。
また、液晶層20内の液晶分子の配向は一様ではなく、プリズム17の斜面61の稜線64近傍と底辺65近傍では液晶分子の配向が不均一になりやすい。本発明のように、第1のレンズ31を用いて液晶プリズム素子3に入射する光を収束させることによって、液晶分子の配向状態が不均一な稜線64近傍及び底辺65近傍を通過する光を低減することができる。したがって、画像表示装置1から出射された光の集光位置のずれを低減し、画質を向上させることができる。
更に、画像表示パネル4の右側部前方または左側部前方に光を集光させる場合には、液晶プリズム素子3による偏向角度を大きくする必要があるが、この場合、あるプリズム17から出射された光の一部が、隣接する他のプリズム17によってケラレてしまう場合がある。本発明では、第1のレンズ31を用いて液晶プリズム素子3に入射する光を収束させているので、液晶層20を通過する光束の径が小さくなり、隣接する他のプリズム17によるケラレを低減することができる。
尚、本実施の形態では、光源7a及び7bで共用されているが、光源7a用の導光板と光源7b用の導光板とを設け、2枚の導光板を重ねて配置しても良い。
また、プリズムとレンチキュラーレンズとが一体になった制御フィルム10に代えて、プリズムシート及びレンチキュラーレンズシートを別個に設けても良い。
更に、バックライト2は、図1A及び1Bに記載された構成に限定されず、左右の画像信号の切り替えと同期して、右眼用の光と左眼用の光とを時分割で交互に出射できるものであれば、他の構成を採用しても良い。
更に、本実施の形態では、液晶プリズム3内のプリズム17の傾斜面の向きを領域R1及びR2で異ならせ、平面P1に対して対称となるように構成しているが、プリズムの傾斜面の向きを液晶プリズム3全体で一定としても良い。この場合、本実施の形態のように、液晶プリズム3の領域R1及びR2で電極を分ける代わりに、表示画面全領域にわたって、1つの電極を設ける。しかしながら、配向変化に対する光線の偏向角及び透過効率の面で、2つの領域R1及びR2に分けてプリズム17及び電極を設けることがより好ましい。
更に、本実施の形態では、視差のある右眼用画像及び左眼用画像を時分割で表示する立体画像表示装置を例として説明したが、視差のない画像を表示しても良い。この場合、光源7a及び7bを交互に点滅させる代わりに、常時点灯させる。3次元画像に限らず、二次元画像を表示する際にも、視聴者の動きに追従して、視聴者の眼付近にのみ画像を縮小投影させることにより、省エネだけでなく、周辺の人から表示されている内容を覗かれることも防止でき、プライバシー保護も向上できる。
更に、本実施の形態では、プリズム17と液晶層20とを対向基板13及び14の間に封入することによって液晶プリズム素子3が構成されているが、入射光を偏向させるプリズムと、印加電圧に応じて出射光の偏向角を変化させる液晶素子とを別個に設けても良い。
更に、図1Cに示した例では、対向基板14の内面に電極層が設けられているが、プリズム17の斜面61及び側面62上に電極層を設けても良い。
<2.液晶光学素子及びアフォーカル光学系の詳細構成>
以下、図2〜5を参照しながら、実施の形態1〜4に係る液晶光学素子及びアフォーカル光学系の構成の詳細を説明する。
以下、図2〜5を参照しながら、実施の形態1〜4に係る液晶光学素子及びアフォーカル光学系の構成の詳細を説明する。
(実施の形態1)
図2は、実施の形態1に係る液晶プリズム素子及びアフォーカル光学系の光路図である。図2において、左列には、液晶プリズム素子を透過する光の光路図が示され、右列には、実施の形態1に係る液晶プリズム素子及びアフォーカル光学系を透過する光の光路図が示されている。また、図2において、上段には、プリズムと液晶層の屈折率が等しい場合の光路図が示され、中段には、プリズムと比べて液晶層の屈折率が低い場合の光路図が示され、下段には、プリズムと比べて液晶層の屈折率が高い場合の光路図が示されている。ここで、液晶プリズム素子の基板の法線に対して出射光がなす出射角度の符号は、プリズムと比べて液晶層の屈折率が低い場合を正とする。
図2は、実施の形態1に係る液晶プリズム素子及びアフォーカル光学系の光路図である。図2において、左列には、液晶プリズム素子を透過する光の光路図が示され、右列には、実施の形態1に係る液晶プリズム素子及びアフォーカル光学系を透過する光の光路図が示されている。また、図2において、上段には、プリズムと液晶層の屈折率が等しい場合の光路図が示され、中段には、プリズムと比べて液晶層の屈折率が低い場合の光路図が示され、下段には、プリズムと比べて液晶層の屈折率が高い場合の光路図が示されている。ここで、液晶プリズム素子の基板の法線に対して出射光がなす出射角度の符号は、プリズムと比べて液晶層の屈折率が低い場合を正とする。
図2に示す液晶プリズム素子3において、プリズム17の屈折率は1.6であり、液晶層20の屈折率の変化範囲は1.5〜1.7であり、プリズム17の斜面61の傾斜角度は60°である。また、図2(d)〜(f)に示すアフォーカル光学系11において、第1のレンズ31は曲率半径が0.12mmの凸面を有する平凸レンズであり、第2のレンズ32は曲率半径が0.08915mmの凹面を有する平凹レンズである。図2(a)〜(c)においては、第1のレンズ31及び第2のレンズ32の代わりに、パワーのない一対の平行平板が液晶プリズム素子3を挟むように設けられている。
図2(a)〜(c)に示すように、液晶プリズム素子3のみを用いた場合、出射光の出射角度は、−5.4°〜+7.5°である。これに対して、図2(d)〜(f)に示すように、液晶プリズム3とアフォーカル光学系11とを併用した場合、出射光の出射角度は、−7.8°〜+10.8°である。実施の形態1に係るアフォーカル光学系11を用いることによって、液晶プリズム素子3に電圧を印加することによって制御できる出射角度の範囲を拡げることが可能となる。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2に係る液晶プリズム素子及びアフォーカル光学系の光路図である。図3において、左列には、液晶プリズム素子を透過する光の光路図が示され、右列には、実施の形態2に係る液晶プリズム素子及びアフォーカル光学系を透過する光の光路図が示されている。また、図3において、上段には、プリズムと液晶層の屈折率が等しい場合の光路図が示され、中段には、プリズムと比べて液晶層の屈折率が低い場合の光路図が示され、下段には、プリズムと比べて液晶層の屈折率が高い場合の光路図が示されている。ここで、液晶プリズム素子の基板の法線に対して出射光がなす出射角度の符号は、プリズムと比べて液晶層の屈折率が低い場合を正とする。
図3は、実施の形態2に係る液晶プリズム素子及びアフォーカル光学系の光路図である。図3において、左列には、液晶プリズム素子を透過する光の光路図が示され、右列には、実施の形態2に係る液晶プリズム素子及びアフォーカル光学系を透過する光の光路図が示されている。また、図3において、上段には、プリズムと液晶層の屈折率が等しい場合の光路図が示され、中段には、プリズムと比べて液晶層の屈折率が低い場合の光路図が示され、下段には、プリズムと比べて液晶層の屈折率が高い場合の光路図が示されている。ここで、液晶プリズム素子の基板の法線に対して出射光がなす出射角度の符号は、プリズムと比べて液晶層の屈折率が低い場合を正とする。
図3に示す液晶プリズム素子3において、プリズム17の屈折率は1.65であり、液晶層20の屈折率の変化範囲は1.5〜1.8であり、プリズム17の斜面61の傾斜角度は45°である。また、図3(d)〜(f)に示すアフォーカル光学系11において、第1のレンズ31は曲率半径が0.06mmの凸面を有する平凸レンズであり、第2のレンズ32は曲率半径が0.0268mmの凹面を有する平凹レンズである。図3(a)〜(c)においては、第1のレンズ31及び第2のレンズ32の代わりに、パワーのない一対の平行平板が液晶プリズム素子3を挟むように設けられている。
図3(a)〜(c)に示すように、液晶プリズム素子3のみを用いた場合、出射光の出射角度は、−4.6°〜+6.8°である。これに対して、図3(d)〜(f)に示すように、液晶プリズム素子3とアフォーカル光学系11とを併用した場合、出射光の出射角度は、−11.8°〜+15.9°である。実施の形態2に係るアフォーカル光学系11を用いることによって、液晶プリズム素子3に電圧を印加することによって制御できる出射角度の範囲を拡げることが可能となる。
(実施の形態3)
図4は、実施の形態3に係る液晶プリズム素子及びアフォーカル光学系の光路図である。図4において、左列には、液晶プリズム素子を透過する光の光路図が示され、右列には、実施の形態3に係る液晶プリズム素子及びアフォーカル光学系を透過する光の光路図が示されている。また、図4において、上段には、プリズムと液晶層の屈折率が等しい場合の光路図が示され、中段には、プリズムと比べて液晶層の屈折率が低い場合の光路図が示され、下段には、プリズムと比べて液晶層の屈折率が高い場合の光路図が示されている。ここで、液晶プリズム素子の基板の法線に対して出射光がなす出射角度の符号は、プリズムと比べて液晶層の屈折率が低い場合を正とする。
図4は、実施の形態3に係る液晶プリズム素子及びアフォーカル光学系の光路図である。図4において、左列には、液晶プリズム素子を透過する光の光路図が示され、右列には、実施の形態3に係る液晶プリズム素子及びアフォーカル光学系を透過する光の光路図が示されている。また、図4において、上段には、プリズムと液晶層の屈折率が等しい場合の光路図が示され、中段には、プリズムと比べて液晶層の屈折率が低い場合の光路図が示され、下段には、プリズムと比べて液晶層の屈折率が高い場合の光路図が示されている。ここで、液晶プリズム素子の基板の法線に対して出射光がなす出射角度の符号は、プリズムと比べて液晶層の屈折率が低い場合を正とする。
図4に示す液晶プリズム素子3において、プリズム17の屈折率は1.57であり、液晶層20の屈折率の変化範囲は1.52〜1.62であり、プリズム17の斜面61の傾斜角度は45°である。また、図4(d)〜(f)に示すアフォーカル光学系11において、第1のレンズ31は曲率半径が0.025mmの凸面を有する平凸レンズであり、第2のレンズ32は曲率半径が0.00923mmの凸面を有する平凸レンズである。図4(a)〜(c)においては、第1のレンズ31及び第2のレンズ32の代わりに、パワーのない一対の平行平板が液晶プリズム素子3を挟むように設けられている。
図4(a)〜(c)に示すように、液晶プリズム素子3のみを用いた場合、出射光の出射角度は、−2.8°〜+2.9°である。これに対して、図4(d)〜(f)に示すように、液晶プリズム素子3とアフォーカル光学系11とを併用した場合、出射光の出射角度は、−7.1°〜+6.5°である。実施の形態3に係るアフォーカル光学系11を用いることによって、液晶プリズム素子3に電圧を印加することによって制御できる出射角度の範囲を拡げることが可能となる。
(実施の形態4)
図5は、実施の形態4に係る液晶プリズム素子及びアフォーカル光学系の光路図である。より詳細には、図5(a)は、プリズムと液晶層の屈折率が等しい場合の光路図を示し、図5(b)は、プリズムと比べて液晶層の屈折率が低い場合の光路図を示し、図5(c)は、プリズムと比べて液晶層の屈折率が高い場合の光路図を示す。図5においては、紙面の左側が画像表示装置の中央側に相当する。
図5は、実施の形態4に係る液晶プリズム素子及びアフォーカル光学系の光路図である。より詳細には、図5(a)は、プリズムと液晶層の屈折率が等しい場合の光路図を示し、図5(b)は、プリズムと比べて液晶層の屈折率が低い場合の光路図を示し、図5(c)は、プリズムと比べて液晶層の屈折率が高い場合の光路図を示す。図5においては、紙面の左側が画像表示装置の中央側に相当する。
バックライト装置2は、出射光が画像表示パネル4の中央に対峙する視聴者の右眼位置及び左眼位置に交互に集光するように構成されているため、液晶プリズム素子3の右側縁近傍及び左側縁近傍において、バックライト装置2からの光が斜め方向から入射する。そこで、本実施の形態においては、液晶プリズム素子3の中央部より側方側部分において、第2のレンズ32の光軸を第1のレンズ31の光軸よりも中央側にオフセットさせている。このように第2のレンズ32を配置することによって、画面の中央部より側方部における光の利用効率を向上させることができる。
尚、少なくとも画面の右側縁近傍及び左側縁近傍において、第2のレンズ32の光軸を第1のレンズ31の光軸に対してオフセットさせれば、画面の側方部における光の利用効率を向上させることができるが、この光軸のオフセット量を液晶プリズム素子3の全面にわたって変化させても良い。具体的には、水平方向において液晶プリズム素子3の中央部から側方部にかけて、第1のレンズ31の光軸に対する第2のレンズ32の光軸のオフセット量が連続的または段階的に大きくなるように、第2のレンズ32を液晶プリズム素子3の中央部に寄せて配置すれば良い。
このように構成することによって、液晶プリズム素子3の側方部を透過する光の出射角の調整範囲を大きくすることができるので、集光範囲を広くすることができると共に、液晶プリズム素子3の側方部における光の利用効率を向上させることができる。
本発明は、視聴者の位置情報に基づき自動的に光線を視聴者の位置に偏向させるので、高輝度、高効率、高解像度の画像表示装置を実現でき、3次元画像の表示用途だけでなく、2次元画像の表示用途にも広く適用することができる。また、本発明は、簡便な構成で3D液晶表示装置やプライバシーディスプレイ等に適用することが可能である。
1 画像表示装置
2 バックライト
3 液晶プリズム素子
4 画像表示パネル
5 カメラ
6 制御部
7a、7b 光源
8 反射フィルム
9 導光板
10 光制御フィルム
11 アフォーカル光学系
13 対向基板
14 対向基板
17 プリズム
20 液晶層
31 第1のレンズ
32 第2のレンズ
61、62 斜面
63 底面
2 バックライト
3 液晶プリズム素子
4 画像表示パネル
5 カメラ
6 制御部
7a、7b 光源
8 反射フィルム
9 導光板
10 光制御フィルム
11 アフォーカル光学系
13 対向基板
14 対向基板
17 プリズム
20 液晶層
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61、62 斜面
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