JP2011117276A - 遮熱パネル及び遮熱構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】
薄型軽量の遮熱パネルを提供する。
【解決手段】
筐体2の内部に、赤外線反射部材3と、その両側にハニカム構造の介挿部材4a、4bを収容し、密閉空間5a,5bとする。この密閉空間5a,5b内の気圧を、外気圧よりも低い圧力とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、遮熱構造及び遮熱ユニットに係り、詳しくは、熱源からの熱の伝達を抑える遮熱パネルに関するものである。
構造物の内側の室温を、四季を通じて一定の範囲の室温に維持するためには、断熱材を構造物の壁や屋根などに施して、室内温度に対する外気温の影響を抑制する必要がある。このため従来では、構造物の壁、屋根、床などに、温度の伝達を抑制する断熱材を施し、室温の維持を図る構造が知られている。
例えば、特許文献1に記載されているように、建物の壁等に使用される構造用合板等の片面又は両面にアルミホイル等による反射面を構成し、この反射面に接する位置には、静止空気空間又は密閉空間が設けられている。
このような構成においては、反射面によって、熱源からの輻射熱が遮断され、静止空気空間や密閉空間によって、熱伝導や対流による熱の伝達が抑制され、全体として、熱の伝導が抑制される構成が採られている。
特開2007−231716号
しかし、上記特許文献1に記載されている発明には、以下の課題が存在する。第1に、反射面に接触する静止空気空間及び密閉空間には、空気が存在するが、外部気温の変化に応じて、空間内の気体が膨張と収縮を繰り返すこととなる。これに伴い、対流の生じない静止空気空間と言えども、外部空気との間で空気の出入りが生じ、この際、外部の塵や埃などが空間内に侵入する。侵入した塵や埃が、反射面に付着すると、反射面の反射効率が低下し、輻射熱を遮断効果が低下するといった問題があった。
また、反射面に接触する空間が密閉空間である場合には、気温上昇により空間内の空気が膨張した際に、空気の逃げ場がなく、空間を画成する建築材料や、その接合部分に、内側から外側へ向けて圧力が加わることとなる。同様に、気温が低下した場合には、空間内の空気が収縮し、外側から内側へ向けて圧力が加わることとなる。このように、夏季や冬季を過ぎるたび気圧差による圧力が、断熱建築構造に対して、逆方向にかつ交互に加わる(交番加重が加わる)こととなり、建物全体の寿命を短くする恐れがあるといった問題があった。
さらに、静止空気空間及び密閉空間には、空間内に空気が充填されているため、空気を媒介とする熱伝導を抑制して、十分な断熱作用を得るためには、十分な容量の空間が必要となり、断熱構造自体の大きさが、大型となるといった問題があった。
この発明は、薄型軽量の遮熱パネル及び遮熱構造を提供することを目的とするものである。
以上のような問題を解決する本発明は、以下のような構成を有する。
(1)赤外線反射面と、
前記赤外線反射面の熱源側に位置し、前記赤外線反射面との間に密閉空間を形成する第1の部材を備え、
前記密閉空間内の気圧は、密閉空間の外側の気圧よりも低いことを特徴とする遮熱パネル。
(2)前記第1の部材と前記赤外線反射面との間に位置し、外気圧による前記第1の部材又は前記赤外線反射面の変形を抑制する介挿部材を備えることを特徴とする上記(1)に記載の遮熱パネル。
(3)前記介挿部材は、赤外線反射面上に立設され、該面方向に配置された複数の筒状体を備えている上記(2)に記載の遮熱パネル。
(4)前記介挿部材は、ハニカム構造を備えている上記(2)に記載の遮熱パネル。
(5)前記介挿部材を構成する筒状体の側面には孔が形成されている上記(2)〜(4)のいずれか1に記載の遮熱パネル。
(6)前記介挿部材と第1の部材との接続部分には、熱伝導を抑制する断熱手段が介挿されている上記(2)〜(5)のいずれか1に記載の遮熱パネル。
(7)前記断熱手段は、介挿部材の第1の部材との接触部に形成された凹凸である上記(6)に記載の遮熱パネル。
(8)前記断熱手段は、介挿部材の第1の部材との接触部に設けられた熱伝導率が1以下の材料である上記(6)に記載の遮熱パネル。
(9)第1の部材の熱源側に位置する第2の部材を備え、第2の部材と第1の部材の間に通気層が設けられている上記(2)〜(9)のいずれか1に記載の遮熱パネル。
(10)赤外線反射面と、
前記赤外線反射面の熱源側に位置し、前記赤外線反射面との間に密閉空間を形成する第1の壁面とを備え、
前記密閉空間内の気圧は、密閉空間の外側の気圧よりも低いことを特徴とする遮熱構造。
(11)前記第1の壁面と前記赤外線反射面との間に位置し、外気圧による前記第1の壁面又は前記赤外線反射面の変形を抑制する介挿部材を備えたことを特徴とする上記(10)に記載の遮熱構造。
請求項1に記載の発明によれば、赤外線反射面によって、熱源からの熱線が熱源側に反射される。密閉空間内の気圧は、外気圧よりも低いため、外気圧と同程度の気圧を備えている場合に比較して、熱を伝達する媒体が少なくなっており、断熱効果が高くなっている。また、気温の上昇や、熱源からの熱線によって第1の部材が暖められ、内部の気体が膨張した場合、予め内部の気圧が低く設定されているので、密閉空間を構成する部材に対して、内側から外側へ向けた圧力が加わることが抑制される。この結果、密閉空間は、基本的に外側から内側へ向けての圧力に対して耐久性のある構造として設計されていればよく、密閉性を長期間維持し得る構造を構築することが容易となる。
また、外側から内側に向けで圧力が加わっている状態が維持されるので、密閉空間を構成する構成要素間の接合部の密着強度を容易に向上させることができ、遮熱パネル自体の強度も上げることが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、介挿部材は、第1の部材と赤外線反射面との間に介挿され、第1の部材や赤外線反射面に当接し、外側から内側への圧力に対して第1の部材や赤外線反射面を支え、密閉空間を保持する作用を備える。
請求項3に記載の発明によれば、介挿部材を筒状体によって構成することにより、介挿部材の装着による密閉空間内の容積の減少を抑制しつつ、より少ない材料で、より強度の高い支持構造を得ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、介挿部材をハニカム構造とすることにより、介挿部材の装着による密閉空間内の容積の減少を抑制しつつ、より一層少ない材料で、より一層強度の高い支持構造を得ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、介挿部材を構成する筒状体の側面に孔を構成することにより、介挿部材をより軽量化でき、かつ密閉空間の容積の減少をより低く抑えることができる。また、介挿部材で区分けされた空間の間での気体の流通が可能となるので、密閉空間内の気体を抜き取る作業を行う場合には、1つの抜き取り口から気体を抜き取ることにより、密閉空間全体の気体を抜き取ることができ、気体の抜き取り作業を容易に行うことができる。
請求項6に記載の発明によれば、介挿部材と第1の部材との接触部分に、第1の部材から介挿部材への熱伝導を抑制する断熱手段が設けられているので、介挿部材を介しての、第1の部材から赤外線反射面への熱伝導を抑制することができる。この結果、遮熱パネル全体としての遮熱効果を向上させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、介挿部材の第1の部材との接触部に凹凸を形成し、介挿部材と第1の部材との接触領域を、より小さくすることにより、第1の部材から介挿部材への熱の伝わりを抑制し、遮熱パネル全体としての遮熱効果を向上させることができる。
請求項8に記載の発明によれば、熱伝導率が1以下の材料を介挿部材と第1の部材との間に介挿することにより、第1の部材から介挿部材への熱の伝わりを抑制し、遮熱パネル全体としての遮熱効果を向上させることができる。
請求項9に記載の発明によれば、第2の部材と第1の部材との間に通気層を設けることにより、第1の部材に直接、熱源からの熱線が照射されることが防止しされ、第1の部材自体の温度上昇が抑制され、断熱効率を向上させることができる。
請求項10に記載の発明によれば、赤外線反射面によって、熱源からの熱線が熱源側に反射される。密閉空間内の気圧は、外気圧よりも低いため、外気圧と同程度の気圧を備えている場合に比較して、熱を伝達する媒体が少なくなっており、断熱効果が高くなっている。また、気温の上昇や、熱源からの熱線によって第1の部材が暖められ、内部の気体が膨張した場合、予め内部の気圧が低く設定されているので、密閉空間を構成する部材に対して、内側から外側へ向けた圧力が加わることが抑制される。この結果、密閉空間は、基本的に外側から内側へ向けての圧力に対して耐久性のある構造として設計されていればよく、密閉性を長期間維持し得る構造を構築することが容易となる。
また、外側から内側に向けで圧力が加わっている状態が維持されるので、密閉空間を構成する構成要素間の接合部の密着強度を容易に向上させることができ、遮熱構造自体の強度も上げることが可能となる。
請求項11に記載の発明によれば、介挿部材は、第1の壁面と赤外線反射面との間に介挿され、第1の壁面や赤外線反射面に当接し、外側から内側への圧力に対して第1の壁面や赤外線反射面を支え、密閉空間を保持する作用を備える。
本発明の遮熱パネルが、家屋の壁面に取り付けられた状態を示す断面図である。 本発明の遮熱パネルが、家屋の壁面に取り付けられた状態を示す全体斜視図である。 遮熱パネルの分解全体斜視図である。 介挿部材の部分拡大図である。 介挿部材の部分拡大斜視図である。 介挿部材の他の構成例を示す部分拡大斜視図である。 介挿部材の他の構成例を示す斜視図である。 赤外線反射部材の構成を示す分解斜視図である。 赤外線反射部材の構成を示す側面拡大断面図である。 コンクリート建築物の壁面に設けられた遮熱構造を示す断面図である。
以下、本発明の好適実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。本発明の遮熱パネル1は、居住空間を内側に有する家屋などの建築物、その他、貯蔵用の建築物など、外部区間との間で熱の伝達を抑制し、内部空間に一定の範囲の温度環境を維持するための遮熱パネルとして用いられる。例えば、家屋に使用される場合には、側壁、床、屋根、天井などに取り付けられて使用される。
図1は、本発明の遮熱パネル1が、家屋の壁面に取り付けられた状態を示す断面図、図2は、同じく全体斜視図である。この実施形態では、木造家屋の壁を構成する建築部材として使用される場合を、一例として説明する。
遮熱パネル1は、コンクリー製の布基礎上に固定された土台61aと、該土台61aの上に立設された柱62a、62bと、該柱62a、62bの間に掛け渡された梁61bとによって構成された矩形枠の内側に嵌め込まれた状態で使用される。
遮熱パネル1は、金属製の板材で構成された筐体2と、筐体2の内部に収納された赤外線反射部材3と、赤外線反射部材3の表裏面に設けられた介挿部材4a、4bとを備えている。筐体2は、枠を構成する土台61a、柱62a、62b、梁61bの幅と同じ厚を有し、高さは、柱62a、62bの高さと同一であり、幅は、柱62a、62bの距離と同一に構成されている。
遮熱パネル1の形状及び大きさを、土台61a、柱62a、62b、梁61bの間に精密に隙間なく収まるように構成することにより、家屋の外側と内側との間で、空気の流通による熱移動が生じることを抑制している。
図3は、遮熱パネル1の分解全体斜視図である。直方体形状に構成された筐体2は、土台61a、梁61bにそれぞれ接触する側板21、21と、柱62a、62b、にそれぞれ接触する側板22、22とを備え、更に、これらの側板21、21、22、22によって形成される枠の両端開口部を覆う矩形の、(第1の部材としての)板材23a、23bを有している。筐体2を構成するこれらの板状の部材は、気体分子を透過させない材料で構成され、例えば金属材料、樹脂材料、樹脂や繊維を混合して構成された複合材料、或いは、複数の材料を重ね合わせて構成された複合部材などによって構成される。
側板21、21、22、22及び板材23a、23bは、それぞれ端辺において気密に接合されている。これらの接合部分は、筐体2に対して、これを潰す方向に(筐体2の外側から内側方向に)、外側から圧力が加わる程、気密が強化されるように構成されている。
以上のように構成された筐体2の内側空間には、板状の赤外線反射部材3が収容されている。赤外線反射部材3は、板材23a、23bと略同一形状、同一面積に構成され、板状の板材23a、23bの間において、略中央位置にあり、かつ、板材23a、23bに対して平行な姿勢で収容されている。
後述する様に、赤外線反射部材3の両面は、赤外線反射層が形成された赤外線反射面となっている。
赤外線反射部材3と、板材23a、23bの間には、密閉空間5a、5bが形成され、該密閉空間5a、5b内には、介挿部材4a、4bがそれぞれ収容されている。介挿部材4a、4bは、それぞれ同じ構成であるので、介挿部材4aについて説明し、他方の介挿部材4bの説明は省略する。図3に示されているように、介挿部材4aは、6角柱の筒状体の側面を互いに重ね合わせた、筒体集合体であって、いわゆるハニカム構造を備えている。6角柱を構成する各側面41には、孔411が形成されている。この孔411によって、ハニカム構造を構成する各6角柱の内側の空間は、相互に通気可能な構成となっている。また、孔411は、ハニカム構造に対して加わる圧縮方向の荷重に対する強度を低下させない位置に形成される。図4は、孔411の例を示す、側面41の正面図である。図4(A)は、複数の円孔411が等間隔で形成されている。図4(B)には、側面41の中央に円孔412が形成されている。円孔にすることにより、応力集中が緩和され、ハニカム構造の強度を維持することが容易となる。
図4(C)は、三角形の孔413が複数形成されており、全体してトラス構造となる様に形成されている。いずれの構成においても、隣接する側面41と接続される端部には、孔411、412、413は形成されない。ハニカム構造の強度を維持するためである。これらの孔411、412、413を形成することにより、ハニカム構造全体の軽量化を図ることができる。
上記のようなハニカム構造において、板材23aに接触する端部には、凸部414aと、凹部414bが交互に形成された凹凸構造が設けられている。このような構成とすることにより、凸部414aのみが、板材23aに接触するため、外気で暖められた板材23aから、介挿部材4aに伝わる熱量が制限され、遮熱パネル1の断熱効果の低下を抑制することができる。
この凹凸のピッチは、図示のものに限定されず、より細かく、或いは、より荒いものであってもよい。また、凹凸の形状は矩形に限らず、曲線を描いた波状のものであってもよい。さらのこれらの凹凸は、赤外線反射部材3側の接触端部に形成されていてもよい。
以上のように構成された介挿部材4aを構成する材料は、圧縮荷重に対して十分な強度を備えたものであることが好ましく、熱伝導率が低い材料であれば、より好ましい。例えば、紙材、樹脂材、繊維集合体、樹脂材と繊維との複合材料などが挙げられる。
図5は、ハニカム構造を備えた介挿部材4aの部分拡大斜視図である。介挿部材4aでは、第1の部材である板材23aに接触する開口部43に、熱伝導率の低い材料44が断熱手段として装着されている。この断熱手段が、板材23aに接触する。これにより、板材23aから介挿部材4aに伝わる熱量が抑制される。熱伝導率の低い材料とは、例えば、熱伝導率が1以下の材料であり、例えば、ガラス、エポキシ樹脂、シリコーンゴムなどが挙げられる。
このような断熱材料を設けることで、介挿部材4aの材質として、圧縮荷重に対して十分強度があり、かつ熱伝導率の高い材料も選択でき、材料の選択の幅を広げることができる。なお、断熱手段は、赤外線反射部材3に接触開口部42側にも設けられていても良い。
図6は、介挿部材の他の構成を示す部分拡大斜視図である。介挿部材4Aは、6角柱の筒状体ではなく、3角柱の筒状体の集合体である。第1の部材である板材23aに接触する開口部43A側には、凹部414bAと凸部414aAが形成される。ハニカム構造に比較して、形状が簡単であるため、イニシャルコストが安価である。この他、介挿部材の形状としては、図示しないが、四角柱の筒状体の集合体であってもよい。
さらに、図7に示されているように、介挿部材4Bは、相互に隣接した筒状体の集合体でなくてもよく、互いに分離して配置された筒状体であってもよい。即ち、第1の部材である板材23aの内面側に、所定の間隔を空けて、同一高さの円筒体を複数配置し、これにより介挿部材4Bを構成してもよい。
以上のように構成された介挿部材4は、第1の部材である板材23aと、赤外線反射部材3との間において、板材23aと赤外線反射部材3の全面に渡って配置される。換言すると、密閉空間5a内は、介挿部材4aによって満たされる。密閉空間5a内の気圧が下がると、外気圧が高くなることにより、密閉空間5aに対して外側から、これを押しつぶす方向に圧力が加わる。この圧力は、最も面積の広い板材23aを内側へ撓ませる方向に働く。これにより、介挿部材4aに対して、筒状体の軸方向に圧縮荷重が働く。しかし、介挿部材4aは、該荷重に対する強度が十分強化された構造であるため、板材23aを内側から支えて、その変形を抑制し、密閉空間5aの容積を担保する。
図8は、赤外線反射部材3の構成を示す分解斜視図である。赤外線反射部材3は、シート状の部材であって、表面に空気が封入された空気袋322を複数備えた一対の樹脂シート32を、空気袋322が相互に接触する向きに重ね合わせ、その外側に、金属被膜を備えた反射膜31が重ねあわされ、赤外線反射層が形成される。この赤外線反射層を外側に設けることにより、赤外線反射部材3の表面に赤外線反射面が形成される。
赤外線反射層を形成する金属は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、金、銀等の金属が用いられ、金属被膜は、金属箔又はシート材に金属蒸着を施すことにより、構成される。
以上のように構成された赤外線反射部材3には、表裏の反射膜31の間に、空気袋322と、空気袋322の間に形成された隙間323とによって、断熱空間が形成され、反射膜31、31間の熱移動が抑制される。赤外線反射部材3としては、上記構成の他、空気袋322を備えず、単にシート材の両面又は片面に反射膜(反射層)を備えた構成としてもよい。
図1に示されているように、赤外線反射部材3の外側と内側には、それぞれ密閉空間5a、5bが設けられ、家屋の外側の熱源からの輻射熱や太陽からの赤外線の侵入が抑制されるとともに、家屋の内側に位置する熱源、例えばストーブなど、からの輻射熱は外側に漏らさない構成となっている。なお、密閉空間5a、5bは、相互に連通させ、双方の空間の空気を同時に抜く構成としてもよく、或いは独立した密閉空間として、おのおの空気を抜いて圧力を下げる構成としてもよい。
土台61a、柱62a、62b、梁61bの間に収められた遮熱パネル1の外際には、更に第2の部材7が配置され、第1の部材である板材23aと第2の部材7との間には通気層71が形成される。第2の部材7によって、板材23aに直接熱線が照射されることが抑制され、また、通気層71によって、暖められた空気は外側に排出されるので、空気を伝導媒体とする熱の伝達も抑制される。
遮熱パネル1には、密閉空間5aと外側空間とを連通する流通口8が設けられている。流通口8には逆止弁が設けられ、密閉空間5aから外側への空気の流通は可能であり、外側から密閉空間5a内への流通は不能に構成されている。この流通口8に真空ポンプの流通口を接続し、密閉空間5a内の空気を吸い取ることにより、密閉空間5a内の気圧を低下させる。密閉空間5aと密閉空間5bは、連通しており、両者の気圧は同時に低下する。
密閉空間5a、5bの気圧は例えば、以下のように設定することができる。四季を通じて最も気温が高くなる時期においては、密閉空間5a、5b内の空気は、他の季節に比較して最も膨張する。この最も膨張した状態(気温)においてなお、外気圧よりも低い気圧が保てる程度の気圧に設定する。密閉空間5a、5b内の気圧は、低い程、断熱効果が上がるので好ましい。
また、高地においては、外気圧が予め低い地域であるから、外気圧の値に応じて、密閉空間5a、5b内の気圧をより低く設定することが好ましい。
さらに、他の構成例として、予め流通口8から密閉空間内の空気を抜き取らず、最も気温が高くなる季節を経過させる。密閉空間内の空気は、気温上昇によって膨張し、膨張した分の体積は、流通口8から外部に排出される。このような自然排出によって、外気温度が低下した際には、温度低下による気体の収縮により、密閉空間内の気圧が、外気よりも低下した状態となる。
密閉空間内の気圧が低く設定されているので、従来の構成に比較して、熱伝達媒体となる空気の濃度が薄い。このため、同じ断熱効果を維持しつつ、従来よりも密閉空間の厚さを薄くすることが可能となり、また、同じ厚さの密閉空間であれば、従来よりも断熱効果が高くなる。密閉空間内の気圧は、上記の他、低い程断熱効果が向上するので好ましい。
他の構成例として、筐体2を構成する部材が気体分子が投下可能な材料で構成されている場合には、気体分子が透過不能な材料を、筐体2の外表面全域に貼り付け、又は気体分子非透過層を外表面全域に形成してもよい。或いは、気体分子が透過不能なシート材で構成された袋体内に、遮熱パネル1を収容し、流通口8のみ外側に相通させて状態で、該袋体内に密閉してもよい。この構成では、流通口8から空気を吸引することにより、シート材は筐体2の外表面全域に密着する。このようなシート材は、柔軟性や弾性を有する材料であることが好ましい。地震などにより、家屋の躯体が揺れ、断熱パネル1に対して瞬間的なゆがみが生じた場合にも、変形可能なシート材により気密性を維持することができるからである。
上記構成は、壁面に納められる遮熱パネルについて、説明したが、床下に上記遮熱パネル1を配置してもよく、天井や、屋根の下側に配置してもよい。この場合、赤外線反射層の反射面が、床面に平行に、或いは、屋根面や天井面に平行になるように配置されることが好ましい。
他の構成例として、断熱パネル1の筐体2を構成する部材の強度が十分強ければ、即ち、密閉空間内の気圧と外気圧との差によって筐体2が押しつぶされない程度に十分な強度を有していれば、介挿部材4を省略してもよい。
他の構成例として、赤外線反射部材3の片側のみに密閉空間5を設けた構成としてもよい。或いは、図1に示されている遮熱パネル1において、赤外線反射部材3を省略し、第1の部材である板材23a、23bの内側面に、赤外線反射層を設けてもよい。また、介挿部材4の表面にも赤外線反射層を設けた構成とすることもできる。
以上は、遮熱パネルとしての構成について説明したが、パネルとしての構成ではなく、家屋に直接、遮熱構造を設けた構成としてもよい。例えば、図1〜図3に示されている構成において、側板21、21、22、22を省略し、土台61a、柱62a、62b、梁61bで構成される枠の内側に、赤外線反射部材3と、介挿部材4a、4bを収納し、板材(壁面)23a、23bの周端部を、土台61a、柱62a、62b、梁61bに直接固定し、密閉する構造とすることもできる。この際、流通口8は、板材23a又は板材23bに設けられる。
さらに、図10に示されているように、木造建築物に限らず、鉄筋コンクリートで構築された建築物の壁23WA1と壁23WA2の間に形成された壁間空間に、施工時において、壁面に平行となる姿勢で予め赤外線反射層を有する赤外線反射部材3WAを収容して、コンクリート壁23WA1、23WA2と赤外線反射層の間に密閉空間5WA1、5WA2を形成し、コンクリート硬化後に、流通口8WAから壁間空間の空気を吸引した構造とすることもできる。また、図示されているように、床面にも同様の遮熱構造を設けることができる。
1 遮熱パネル
2 筐体
23a、23b 板材(第1の部材)
3 赤外線反射部材
4 介挿部材
5 密閉空間
7 第2の部材
71 通気層

Claims (11)

  1. 赤外線反射面と、
    前記赤外線反射面の熱源側に位置し、前記赤外線反射面との間に密閉空間を形成する第1の部材とを備え、
    前記密閉空間内の気圧は、密閉空間の外側の気圧よりも低いことを特徴とする遮熱パネル。
  2. 前記第1の部材と前記赤外線反射面との間に位置し、外気圧による前記第1の部材又は前記赤外線反射面の変形を抑制する介挿部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の遮熱パネル。
  3. 前記介挿部材は、赤外線反射面上に立設され、該面方向に配置された複数の筒状体を備えている請求項2に記載の遮熱パネル。
  4. 前記介挿部材は、ハニカム構造を備えている請求項2に記載の遮熱パネル。
  5. 前記介挿部材を構成する筒状体の側面には孔が形成されている請求項2〜4のいずれか1に記載の遮熱パネル。
  6. 前記介挿部材と第1の部材との接続部分には、熱伝導を抑制する断熱手段が介挿されている請求項2〜5のいずれか1に記載の遮熱パネル。
  7. 前記断熱手段は、介挿部材の第1の部材との接触部に形成された凹凸である請求項6に記載の遮熱パネル。
  8. 前記断熱手段は、介挿部材の第1の部材との接触部に設けられた熱伝導率が1以下の材料である請求項6に記載の遮熱パネル。
  9. 第1の部材の熱源側に位置する第2の部材を備え、第2の部材と第1の部材の間に通気層が設けられている請求項2〜9のいずれか1に記載の遮熱パネル。
  10. 赤外線反射面と、
    前記赤外線反射面の熱源側に位置し、前記赤外線反射面との間に密閉空間を形成する第1の壁面とを備え、
    前記密閉空間内の気圧は、密閉空間の外側の気圧よりも低いことを特徴とする遮熱構造。
  11. 前記第1の壁面と前記赤外線反射面との間に位置し、外気圧による前記第1の壁面又は前記赤外線反射面の変形を抑制する介挿部材を備えたことを特徴とする請求項10に記載の遮熱構造。
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