JP2011116362A - タイヤトレッド摩耗インジケータおよびトレッド摩耗インジケータを形成する成形装置 - Google Patents

Abstract

【課題】タイヤ形成の複雑さを増すことなく、摩耗レベルの判定を容易にする。
【解決手段】車両タイヤ用のタイヤトレッドは、トレッドの底部から突出し、規定されたトレッド深さを有する少なくとも１つのトレッド部材を有し、少なくとも１つのトレッド部材は、第１の穴と、第１の深さにわたって一定である外側の第１の断面形状と、を有している。トレッドにトレッド摩耗インジケータを形成する成形装置は、規定された深さと、規定された深さにわたって一定である断面形状と、を有する中実の第１の部分を備えた成形ブレードを有している。
【選択図】図１

Description

本発明は、タイヤのトレッド用の摩耗インジケータと、その摩耗インジケータを形成する成形装置とに関する。

トレッド摩耗インジケータの使用は新しいことではなく、多くの国では、その使用が法律によって義務付けられている。そのようなさまざまなインジケータが公知である。そのような種類のインジケータとして、摩耗を視覚的に表示するために、トレッドの下方で、着色ゴムや着色繊維などの着色手段を使用したものがある。他の種類では、図９に示すように、トレッド溝に設けられたタイバー型部材が使用されている。トレッド溝のタイバーは、それが水はけ（water evacuation）を妨害する場合に問題となる可能性がある。法律で義務付けられている場合、トレッド摩耗インジケータの上面は、その摩耗インジケータが配置される溝の底部から１．６ｍｍの高さに配置する必要がある。溝の底部から４ｍｍの高さに配置される冬季用トレッド摩耗インジケータの追加要件を課している国もある。

上述した種類の着色インジケータに関する現実的な問題は、摩耗インジケータがトレッドの残りの部分と同じ色であるため、作業員にとって、タイヤが摩耗するまで、摩耗のレベルを判定するのが困難であるということである。

特許文献１には、一連の、あるいは密接して配置された所定の一群の関連マークにおいて、タイヤが摩耗するにつれてそのマークが消滅する、タイヤトレッド用の摩耗インジケータが開示されている。これにより消費者に連続的な情報が与えられる一方で、摩耗が規定量に達した後でのみ出現する複数の異なるマークを形成する必要があるため、タイヤ形成の複雑さが増すことになる。

米国特許第６５２３５８６号明細書

本発明は、少なくとも１つのトレッド摩耗インジケータを有するタイヤに関する。同様に、このトレッド摩耗インジケータを形成するために用いられる成形ブレードも開示される。ブレードは、ブレードの規定された深さにわたって一定である第１の断面形状を有する第１の部分を備えている。ブレードはさらに、ブレードの第２の規定された深さにわたって一定である第２の断面形状を有する第２の部分を任意に備えていてよい。ブレードはさらに、ブレードの第３の規定された深さにわたって第３の断面形状を有する第３の部分を任意に備えていてよい。

車両用タイヤのタイヤトレッドであって、トレッドの底部から突出し、規定されたトレッド深さを有する少なくとも１つのトレッド部材を有するタイヤトレッドが開示される。少なくとも１つのトレッド部材は、トレッド摩耗インジケータを有している。摩耗インジケータは、タイヤに形成された穴であり、それは規定されたトレッド深さｄにわたって一定の断面形状を有している。したがって、例えば、摩耗インジケータは、規定された深さが摩耗した後で消滅する雪片状の穴であってよい。摩耗インジケータは、第１の断面形状が摩耗した後でその形状が現れる、トレッドに設けられた第２の穴をさらに含んでいてよい。第２の形状は、第１の形状と異なる断面形状を有し、規定された深さにわたって一定の断面形状を有している。摩耗インジケータはさらに、第１の穴や第２の穴とは断面形状が異なる第３の穴を任意に含んでいてよい。

また、本発明の一態様では、少なくとも１つのトレッド部材が、第１の深さにわたって一定である外側の第１の断面形状を有する第１の穴を有していてもよい。

（定義）
以下の定義を本発明に適用することができる。

「内側」は、タイヤの内側の方向を意味し、「外側」はタイヤの外側の方向を意味する。

「外側」は、タイヤの外側の方向を意味する。

「半径方向の」および「半径方向に」は、タイヤの回転軸に向かって放射状に延びる方向、あるいは回転軸から離れるように放射状に延びる方向を意味するのに用いられる。

「トレッド」は、タイヤケーシングに結合されたときに、タイヤが標準荷重の下で通常の膨張時に道路に接触する部分を含む、成形ゴム構成部材を意味する。トレッドは、タイヤのトレッド面から最も深い溝の底部まで従来の方法で測定された深さを有している。

タイヤの左側が新品かあるいは摩耗していない状態であり、タイヤの右側が４ｍｍをわずかに超えるまで磨耗した状態のタイヤトレッドの一部を示す斜視図である。 トレッド摩耗インジケータの構成を示す図である。 トレッド成形セグメントの一部とトレッド摩耗インジケータ成形装置とを示す断面図である。 成形装置を示す側面図である。 図４の成形装置を示す上面図である。 成形装置を示す斜視図である。 成形装置のブレードの第２の実施形態を示す斜視図である。 本発明のトレッド摩耗インジケータが設けられたタイヤトレッドを示す断面図である。 従来のトレッドインジケータが設けられたタイヤトレッドを示す断面図である。 タイヤトレッドインジケータの成形ブレードの第２の実施形態を示す分解図である。 図１０の成形ブレードを示す上面図である。 図１０のブレードの２つのトレッド摩耗インジケータ形状を示す図である。 トレッドセグメントの一部に設置された成形ブレードの第３の実施形態を示す側面図である。 図１３の１４−１４方向に沿ったブレードの上面図である。 図１３のブレードを示す上面図である。 図１３のブレード用として考えられる３つのトレッド摩耗インジケータ形状を示す図である。 図１３のトレッド摩耗インジケータを備えたトレッドを示す図である。

本発明について、一例として、添付の図面を参照して説明する。

以下の文言は、本発明を実施する、現在考えられる最良の形態について述べたものである。この説明は、本発明の一般原理を例示するためになされており、制限的に解釈すべきものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによって最良に決定される。図面に示す参照符号は、本明細書で引用される参照符号と同じものである。本出願の目的のために、図に示す様々な実施形態では、それぞれ同様の構成部材には同じ参照符号を使用している。基本的に、各構造に位置または数量の異なる同じ構成部材を使用することによって、本発明の概念を実施することができる代替構成がもたらされる。

図１は、タイヤトレッドの一部を示している。トレッドは、周方向溝１２と横方向溝１４とによって規定された複数のブロック１０を有していてよい。タイヤトレッドの左側は、摩耗していない状態、すなわち新品の状態が示されており、雪片の形をした穴、すなわちトレッド摩耗インジケータ１６が図示されている。タイヤの右側は、４ｍｍをわずかに超えるまで磨耗している様子が示されている。トレッドの厳密な構成は、本発明にとっては無関係であり、任意のトレッド構成が使用可能である。トレッドには１つまたは複数の磨耗インジケータ２０が配置されている。摩耗インジケータ２０は、任意の所望の場所、例えば、トレッドブロック、リブ、あるいは外側トレッド面上のどこか別の場所などに配置されていてよい。磨耗インジケータが溝の内部、すなわち通路内に配置されることはない。

磨耗していない場合、摩耗インジケータ２０は、第１の形状を有する、トレッド面に設けられた穴または切り欠きによって表される。図２に示すように、切り欠き構成の外周は雪片１６のような形をしているが、任意の他の所望の形状であってよい。雪片の形をした穴１６は、規定されたトレッド深さが摩耗するまでタイヤの外面上に現れている。したがって、例えば、雪片状の穴が４ｍｍの深さであるとすると、雪片は、トレッドが４ｍｍ削り取られると消滅することになる。第１の形状が消滅することによって、消費者は、タイヤが所定のレベルまで摩耗したという警告を受ける。このことを消費者に容易に伝える構成としては、任意の種類の構成が可能である。切り欠きの深さは、タイヤ設計者によって、異なる政府規格に適用できるように選択することができる。

図４から図６には、本発明の第１の成形装置３０が示されている。成形装置は、内部ピン３４と、成形セグメントのネジまたは他の締結部材を受け入れる内部穴３６と、を備えた台座３２を有している。台座３２はさらに、ブレード３８を有している。ブレードは、台座３２の穴に受け入れられるとともに、ピン３４を用いて台座３２に固定される雄部３５を有している。ブレードは、この例では雪片として形成されているが、他のデザインも本発明には有効である。ブレードの深さは、必要に応じてサイズが設定されている。成形装置３０は、例えば、鋼、アルミニウム、あるいはプレス加工金属のような、従来の成形材料から形成されている。

図３は、セグメント４０に挿入された成形装置３２を示している。ブレード３８の深さ全体が型の中まで延びていることに留意することが重要である。成形装置３２は、穴３６に固定された締結部材４１を用いてトレッドセグメントの穴４３に固定されている。

図１０から図１２には、成形ブレード５２の第２の実施形態が示されている。ブレード５２は、この場合は太陽を模した印（sun indicia）２０のような形である第１の形状を有する外側部分５６を有している。ブレード５２は、この場合は雪片を模した印（snowflake indicia）１６である第２の形状で形成された内側部分５８を有している。したがって、タイヤに成形されると、消費者はまず、ブレード５８の深さに相当する深さＸにわたって、図１２のような形状の雪片状の穴１６を見ることになり、その後、ブレード５６の深さに相当する深さＹにわたって、太陽印２０の形状の第２の記号５６を見ることになる。第１の穴と第２の穴とを揃えることが好ましい。

図７、および図１３から図１６は、本発明の第３の実施形態を示している。ブレード６２は、太陽印６４の第１の形状を有する外側部分と、雪片印６６の第２の形状を有する内側部分とを有している。任意の第３の部分６８は、第３の記号を有し、この場合は立入禁止記号（斜線付きの円）である。図１６（ａ）から図１６（ｃ）に示すように、消費者はまず、指定された深さにわたって、トレッドの外面上に雪片印６６を見ることになり（図１６（ａ））、その後、指定された第２の深さにわたって、第１の太陽印６４を見ることになり（図１６（ｂ））、そして最後に、警告印６８を見ることになる（図１６（ｃ））。警告印の穴は、第１の警告深さ（例えば１．８ｍｍ）から滑り止め深さまでタイヤトレッドの面上に残ることになる。

図１７は、雪片の形をしたトレッド摩耗インジケータ６６を備えた状態のトレッドの断面図を示している。雪片状のインジケータは、新品のトレッド上で確認することができ、４ｍｍの深さを有している。トレッドが４ｍｍの深さまで摩耗した後、トレッド深さが１．６ｍｍまでは、太陽を模したトレッド摩耗インジケータ６４が表示されることになる。そして、１．６ｍｍから溝深さに到達するまでは、警告印が表示されることになる。

本明細書に記載された本発明の説明を考慮すると、本発明の変形例が可能である。主題発明を例示する目的で、特定の代表的な実施形態および詳細を示しているが、当業者には、主題発明の範囲から逸脱することなく様々な変更および修正を行うことができることが明らかであろう。したがって、前述の特定の実施形態において、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の対象となる全範囲内で行う変更が可能であることを理解されたい。

１０ ブロック
１２ 周方向溝
１４ 横方向溝
１６，２０ 摩耗インジケータ
３０ 成形装置
３２ 台座
３４ 内部ピン
３５ 雄部
３６ 内部穴
３８ ブレード
４０ セグメント
４１ 締結部材
４３ 穴
５２，６２ ブレード
５６，６４ 外側部分
５８，６６ 内側部分
６８ 第３の部分

Claims (9)

1. 車両タイヤ用のタイヤトレッドであって、該タイヤトレッドの底部から突出し、規定されたトレッド深さを有する少なくとも１つのトレッド部材を有し、該少なくとも１つのトレッド部材が、第１の穴と、第１の深さにわたって一定である外側の第１の断面形状と、を有する、タイヤトレッド。
2. 前記第１の穴が、第２の深さにわたって一定である第２の断面形状を有する、請求項１に記載のトレッド。
3. 前記第１の断面形状が雪片を模した印である、請求項１に記載のトレッド。
4. 前記第２の断面形状が太陽を模した印である、請求項１に記載のトレッド。
5. 磨耗インジケータが、３つの異なる規定された深さを有する穴であり、それぞれの深さが一定の断面形状を有し、それぞれの形状が異なる印である、請求項１に記載のトレッド。
6. トレッドにトレッド摩耗インジケータを形成する成形装置であって、規定された深さと、該規定された深さにわたって一定である断面形状と、を有する中実の第１の部分を備えた成形ブレードを有する成形装置。
7. 前記成形ブレードが、第２の規定された深さと、該第２の規定された深さにわたって一定である断面形状と、を有する中実の第２の部分を有する、請求項６に記載の成形装置。
8. 前記成形ブレードの前記第１の部分は、断面形状が雪片状である、請求項６に記載の成形装置。
9. 前記成形ブレードの前記第２の部分は、断面形状が太陽を模した印である、請求項６に記載の成形装置。

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