JP2011115906A - ヒンジ型機械的荷重補償機構 - Google Patents

ヒンジ型機械的荷重補償機構 Download PDF

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Abstract

【課題】 ロボット等のアームのヒンジ部にコンパクトに組み込むことができるとともに、構造が簡単で高い耐久性を有するヒンジ型機械的自重補償機構を提供する。
【解決手段】 ハウジング2に略水平に固定されたヒンジ軸3回りに、アーム8と円筒カム5が一体となって回動自在に設けられ、また、ヒンジ軸3回りの回転が拘束された状態で、円筒カム5のカム面Sに案内され、円筒カム5の回動に追従してヒンジ軸に対して軸方向変位が可能カムフォロワ6と、カムフォロワ6をカム面Sに常時当接するように付勢する補償ばね7を備えている。カム面Sは、補償ばね7の付勢力がカムフォロワ6を介して円筒カム5に生じさせるヒンジ軸3回りの補償トルクと、アーム8に作用する重力によって生じるヒンジ軸3回りの負荷トルクとが、アーム8の角度に依らずに常時釣り合う曲面で形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アームを備えたロボットやマニピュレータ、作業機器等の、アームやこれに保持される部分に作用する重力とバランスさせるためのヒンジ型機械的荷重補償機構に関する。
従来、垂直面内で回動するアームを備えたロボット等の、アームに作用する重力とバランスをとるための機械的自重補償機構としては、例えば、特許文献1に記載されているような、ワイヤとこれに連結された引っ張りコイルばねを用い、アームの傾斜角度に関係なく、アームやこれに保持される部分に作用する重力と前記引っ張りコイルばねのばね力とが常時釣り合うようにしたものが提案されている。
また、垂直面内で回動する物品の自重を補償する機構としては、例えば、特許文献2に記載されているように、洋式便器の便蓋のヒンジピン回りに生じる自重トルクを、便蓋の角度が所定の範囲にあるとき、当該便蓋とともに回転するヒンジピンに装着したトーションコイルスプリングが発生するトルクと、ヒンジピンとともに回転するカム部材をスライダーを介して付勢するコンプレッションスプリングが発生するトルクとの合成トルクとバランスさせる機構が提案されている。
特許第4144021号公報 特許第2524717号公報
前述した特許文献1に記載されている機械的自重補償機構は、引っ張りコイルばねやワイヤ等をアームを構成するリンク部分に付設する必要があり、また、その構成部品にワイヤ等の脆弱な部品を含んでいるため、耐久性や信頼性が低い問題があった。
一方、特許文献2に記載されている機構を、ロボット等のアームの回動中心となるヒンジ部に組み込んで、アームの自重補償機構を構成することも考えられるが、同文献に記載されている機構をロボット等のアームに適用した場合、アームの自重トルクを補償可能な角度の範囲が制限されてしまうとともに、その角度範囲においても自重トルクを正確に補償することができず、また、トーションコイルスプリングとコンプレッションスプリングの2種類のばねを必要とするため、構造が複雑になる問題があった。
そこで、本発明は、前述したような従来技術における問題点を解消し、ロボット等のアームのヒンジ部にコンパクトに組み込むことができるとともに、構造が簡単で高い耐久性を有するヒンジ型機械的自重補償機構を提供することを目的とする。
前記目的のために提供される本発明のヒンジ型機械的自重補償機構は、ハウジングと、前記ハウジングに略水平向きに固定されたヒンジ軸と、前記ヒンジ軸回りに軸方向定位置で回動自在に設けられた円筒カムと、前記円筒カムと一体に、前記ヒンジ軸回りに回動可能に設けられたアームと、前記ヒンジ軸回りの回転が拘束された状態で前記円筒カムのカム面に案内され、当該円筒カムの回転に追従して当該ヒンジ軸の軸方向に変位可能に支持されたカムフォロワと、 前記ハウジングに支持され、前記カムフォロワを前記円筒カムのカム面に常時当接するように付勢する補償ばねとを備え、前記円筒カムのカム面が、前記補償ばねの付勢力が前記カムフォロワを介して前記円筒カムに生じさせる前記ヒンジ軸回りの補償トルクと、前記アームに作用する重力によって生じる当該ヒンジ軸回りの負荷トルクとが、当該アームの俯仰角度に依らずに常時釣り合う曲面で形成されていることを特徴としている。なお、ここでアームに作用する重力とは、アームがエンドエフェクタやワーク等を保持している場合には、これらに作用する重力も含んでいる。
本発明のヒンジ型機械的自重補償機構においては、前記補償ばねが圧縮コイルばねであることが望ましい。この場合、圧縮コイルばねがヒンジ軸と同軸に配置されてその一方の端部が前記ヒンジ軸回りの回転を拘束された状態でカムフォロワに保持されているとともに、途中位置が前記圧縮コイルばねに対してその巻線方向に沿って螺動可能な伸縮制限部材に係合され、前記伸縮制限部材は、前記ヒンジ軸の外周に前記圧縮コイルばねの無負荷時の巻線ピッチと同一ピッチで形成された雄ねじに螺合する調整ナットと一体に設けられ、前記調整ナットの回転により、前記圧縮コイルばねに対する前記伸縮制限部材の係合位置を移動させて当該圧縮コイルばねの伸縮可能長を調整し、そのばね定数をアームに作用する負荷トルクに適合するように調整可能としてあることがさらに望ましい。
また、本発明のヒンジ型機械的自重補償機構においては、前記補償ばねを定荷重ばねにより構成することも望ましい。
請求項1に記載された発明に係るヒンジ型機械的自重補償機構によれば、補償ばねの付勢力をヒンジピンの軸方向に変位可能なカムフォロワを介して円筒カムに伝達し、アームの俯仰角度によって変化する負荷トルクに常に釣り合う補償トルクを発生させるようにしているため、アームに補償ばね等を取り付ける構造の自重補償機構と比較して、補償機構をアームのヒンジ部分にコンパクトに組み込むことができ、自重補償機構の付設に起因するアーム重量や慣性モーメントの増加を回避することができる。
また、アームと円筒カムは一体的に設けられ、補償ばねの付勢力はカムフォロワのみを介して円筒カムに伝達されるように構成されているため、可動部品が少なく、また、ワイヤ等の脆弱な部品を含まないため、構造が簡単で高い耐久性が得られる。
請求項2に記載された発明に係るヒンジ型機械的自重補償機構によれば、補償ばねに圧縮コイルばねを用いているため、これが万一破断したとしても、その瞬間に付勢力が消失してアームの落下事故が発生する虞がなく、高い安全性が得られる。
請求項3に記載された発明に係るヒンジ型機械的自重補償機構によれば、アームに作用する負荷トルクに応じて補償トルクの大きさを容易に調整することができる。そのため、例えば、ロボット等のアーム先端のエンドエフェクタを交換したり、荷を保持させて、アームに作用する負荷トルクが変化した場合、これに釣り合うように補償トルクの大きさを簡単に変更することができるため、高精度な自重補償が可能となり、アームを俯仰動作させるアクチュエータの負担をより軽減することができる。
請求項4に記載された発明に係るヒンジ型機械的自重補償機構によれば、定荷重ばねを用いていることにより、カムフォロワから円筒カムが受けるスラスト荷重が一定になるためアーム回動時の摩擦抵抗の変動が緩和され、アームを俯仰動作させるアクチュエータが受ける負荷変動を低減することができる。
また、円筒カムのカム曲線が全周にわたりなめらかに連続しているため、360°を超えてアームを回動させる場合にも、回動角度全域に亘って円滑且つ高精度な自重補償が可能となる。
本発明に係るヒンジ型機械的自重補償機構の1実施形態を示す分解斜視図である。 図1に示すヒンジ型機械的自重補償機構の要部平面図である。 図2のA−A断面図である。 図1に示すヒンジ型機械的自重補償機構における、円筒カムとカムフォロワ、および圧縮コイルばねをヒンジ軸へ組付けた状態を示す部分図である。 図1に示すヒンジ型機械的自重補償機構における正面図である。 カムフォロワのフォロワピンから円筒カムのカム面が受ける力を模式的に説明した図である。 本発明に係るヒンジ型機械的自重補償機構の1実施形態における円筒カムの回転角θに対するフォロワピンの無次元変位と圧力角αとの関係を示すグラフである。 本発明に係るヒンジ型機械的自重補償機構の別の実施形態を示す、平面視における要部構造図である。 図8に示すヒンジ型機械的自重補償機構に用いられている伸縮制限部材の斜視図である。 図8に示すヒンジ型機械的自重補償機構において、伸縮制限部材を移動させてばね定数を増加させた状態を示す図である。 本発明に係るヒンジ型機械的自重補償機構のさらに別の実施形態を示す分解斜視図である。 図11に示すヒンジ型機械的自重補償機構におけるカムフォロワのフォロワピンから円筒カムのカム面が受ける力を模式的に説明した図である。 図11に示すヒンジ型機械的自重補償機構における円筒カムの回転角θに対するフォロワピンの無次元変位と圧力角αとの関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明のヒンジ型機械的自重補償機構(以下、単に自重補償機構ともいう。)の1実施形態を示す分解斜視図、図2は、その要部平面図、図3は、図2のA−A断面図であって、本発明の自重補償機構1は、図示しない支持部材に固定されて使用される、円筒状のハウジング2を備えている。
前記ハウジング2は、図3に示すように一方の端部が、底板2Aによって閉塞され、また他端が開口したカップ状に形成されていて、底板2Aの中心部にはヒンジ軸取付孔2Bが軸方向に貫通形成されている。
前記ヒンジ軸取付孔2Bには、略水平向きで配置されるヒンジ軸3の末端部分が挿入されている。前記ヒンジ軸3には、前記末端部分の端から所定の長さだけ外周に雄ねじ3Aが形成されている。
一方、ヒンジ軸取付孔2Bは、ねじ孔として形成されており、ここにヒンジ軸3の雄ねじ3Aを螺合して底板2Aからハウジング2の外部に突出した部分をナット4で回転しないように締め付けて、ヒンジ軸3を底板2Aに固定してある。
また、ヒンジ軸3はハウジング2の反対側の開口端面より外側に突き出た大径部3Bを有しており、当該大径部3Bの首下位置には、円筒カム5が回動自在に装着されている。前記円筒カム5は、ヒンジ軸3が貫通する孔5Aが中心部を貫通する円形の基部5Bと、ハウジング2の開口部の内側に配置される筒状のカム部5Cから構成されている。カム部5Cは基部5Bと同心状に形成されていて、その端面がカム部5Cの一つの直径の左右で対称的な輪郭を有するカム面Sを形成している。
また、基部5Bの外周は、カム部5Cの外周面より外側に鍔状に張り出していて、その一方の側面がハウジング2の開口端面を塞ぐように対向して配置されている。また、カム部5Cの基端部外周には、ハウジング2の開口端面近傍の内周面に回動可能に緩く嵌合する環状段部5Dが基部5Bと同心状に形成されている。
したがって、円筒カム5は、基部5Bがヒンジ軸3の大径部3Bとハウジング2の開口端面との間に挟まれて、ヒンジ軸3に対して軸方向の移動が規制され、回動のみが可能になっている。
また、ヒンジ軸3はカムフォロワ6を保持している。カムフォロワ6は中心部にヒンジ軸3が貫通する孔が形成された略円筒状のフォロワ本体6Aと、その外周面に突設されている一対のガイドピン6Bならびに一つのフォロワピン6Cから構成されている。
これら一対のガイドピン6Bは、ハウジング2の周壁の直径方向に対向する2カ所に軸方向に形成された、ガイド溝孔2C内に入り込んで、カムフォロワ6をハウジング2に対して、ヒンジ軸3回りの回転を拘束された状態で軸方向に移動可能に案内している。
一方、フォロワピン6Cは、その外周面が円筒カム5のカム面Sに当接する位置に設けられている。また、ハウジング2の底板2Aとカムフォロワ6の互いに向き合う面にはそれぞれ、ばね嵌入部2Dとばね嵌入部6Dが形成されている。
これらのばね嵌入部2Dとばね嵌入部6Dには、本実施形態において補償ばねとして用いられている圧縮コイルばね7の両端が嵌入して保持されていて、圧縮コイルばね7の付勢力がカムフォロワ6からフォロワピン6Cを介して円筒カム5のカム面Sに作用するようになっている。また、図3及び図4に示すように、カム部5Cの内側には、円筒カム5のヒンジピン3回りの回動に伴って、カムフォロワ6の一部が侵入可能な凹部が形成されている。
図1及び図5に示すように、円筒カム5の基部5Bの、カム部5Cと反対側の面には、先端にエンドエフェクタ等の重量部9を有するアーム8が固定されている。(なお、アーム8及び重量部9は、図2乃至図4においては図示を省略してある。)
図5において、アーム8と重量部9とを合わせた重心位置をG、これらの合計重量をW、アーム8の回動中心位置(ヒンジ軸3の中心位置)Oと重心位置Gとの距離をLとしたとき、前記重量Wによりアーム8のO点回りに作用する負荷トルクをτwとすると、
τw=WLcosθ (1)
となる。ここで、θは、水平方向(X軸方向)に対するアーム8の傾斜角度である。
一方、円筒カム5は、アーム8の角度θに応じてそのカム面Sがフォロワピン6Cを介してカムフォロワ6をヒンジ軸3の軸方向に沿って変位させ、これに伴って圧縮コイルばね7を伸縮変形させる。
ここで、円筒カム5のカム面Sは、アーム8が真上(θ=90°)を向いたときには、圧縮コイルばね7は自然長になってこの位置では圧縮コイルばね7の圧縮変形量は0となり、またアーム8が真下(θ=−90°)を向いたときには、その圧縮変形量が最大になるように設定されている。
図6は、前記カム面Sにフォロワピン6Cを介して前記圧縮コイルばね7から作用する力を説明する図であって、同図においてyは自然長からの圧縮コイルばね7の圧縮量、kは、当該圧縮コイルばね7のばね定数を表している。また、Nは、カム面Sがフォロワピン6Cから受ける垂直抗力、αは圧力角である。
ここで、圧縮コイルばね7からカムフォロワ6のフォロワピン6Cを介して円筒カム5に作用する補償トルクをτsとすると、これはヒンジ軸3の中心に対するカム面S中央の半径をaとして下記のように表される。
τs=Nsinα・a (2)
補償トルクτsが負荷トルクτwと釣り合っている状態では、
Nsinα・a=WLcosθ (3)
となり、また、図6を参照すると、Nsinα=−kytanαであるから、
−kytanα=WLcosθ (4)
また、tanα=dy(θ)/(a・dθ) (5)
と表せるので、これらの式よりyについて解くと、
y(θ)=(2WL(1−sinθ)/k)1/2 (6)
となり、これが、アーム8の角度θによらずに常に補償トルクτsが負荷トルクτwと釣り合うためのカム面Sのカム曲線となる。
次に、図7は、アーム8の角度θに対するフォロワピン6Cの変位と圧力角αとの関係を示すグラフであって、同図においてはフォロワピン6Cの変位は無次元化して表示してある。
同図において、θ=90°と−270°ではともにアーム8は真上に向くが、この位置では、カム面Sの圧力角αが互いに逆になって、傾斜が不連続となる。しかしながら、この位置では、(6)式に示すように、yの値は0となるため、圧縮コイルばね7は自然長に戻り、ここでは、カムフォロワ6のフォロワピン6Cをカム面Sに押し付けるばね力が消失するため、実用上支障が生じることはなく、いかなる角度θにあっても重量部9を含めたアーム8の自重補償は可能である。
次に、図8は、前述した自重補償機構1のアーム8先端に支持される重量部9の交換等によってその重量が変わり、その結果負荷トルクτwが変わった場合にも容易に対応できるように改良した実施形態の平面視における要部構造図であって、同図中、円筒カム5やカムフォロワ6等、前述した自重補償機構1と図面中の番号が同じものは、共通に用いられている部材である。
図8に示すものにおいては、ハウジング2’底板2’Aに固定されているヒンジ軸3’の、ハウジング2’内に配置される部分の外周面には無負荷時の圧縮コイルばね7の巻線ピッチと同一ピッチの雄ねじTが底板2’A側から大径部3’B側に向けて途中位置まで形成されている。
この雄ねじTには、外周が歯車10Aとなっている扁平な調整ナット10が螺合しており、この歯車10Aは、ハウジング2’の外面に取り付けられたギヤモータ(減速機内蔵モータ)11の軸11Aに固定されてその一部がハウジング2’の側壁に設けられた開口部2’Eから内側に侵入している駆動歯車12と噛み合っている。
また、調整ナット10のカムフォロワ6側の側面には、伸縮制限部材13が固定されている。伸縮制限部材13は、図9に示すように、中央部にヒンジ軸3’を通す孔13Aを有し、調整ナット10に固定される取付板13Bと、この取付板13Bに対して連結ピース13C、13Dを介して傾斜して固定されている伸縮規制板13Eから構成されている。
伸縮規制板13Eには、ヒンジ軸3’を貫通させるために、孔13Aと対向する位置に一部が切欠かれた孔13Fが形成されている。これらの孔13A、13Fの内径は、ヒンジ軸3’の外径よりも大きく且つ圧縮コイルばね7の内径よりも小さく形成されていて、圧縮コイルばね7は、伸縮規制板13Eの一側縁から孔13Fに連通する切欠部Uを通して伸縮規制板13Eの一方の面から反対側の面へ通過できるようになっている。
また、本実施形態のものにおいては、圧縮コイルばね7の一方の端は、カムフォロワ6のフォロワ本体6Aに対して回転しないように保持されており、他方の端は取付板13Bに対して回転可能に当接されている。
また、図8に示すフォロワピン6Cが前進しきった位置(図5において、アーム8の角度θが90°となり真上に向いた状態に対応する位置)では、圧縮コイルばね7が自然長となるように設定されている。
ここで、ギヤモータ11Aを駆動することにより、軸方向幅が長く形成された駆動歯車12と歯車10Aで噛み合う調整ナット10を回転させ、カムフォロワ6側に向けて螺進させていくと、図10に示すように、調整ナット10に固定されている伸縮制限部材13は、無負荷時における圧縮コイルばね7のピッチと同一ピッチで螺進し、この間、ヒンジ軸3’回りの回動を規制されている圧縮コイルばね7の一部は、図9に示す伸縮規制板13Eの切欠部Uを通過してその裏側に移動し、この部分は取付板13Bとの間で圧縮されていく。
その結果、圧縮コイルばね7の伸縮可能な部分が、フォロワ本体6Aと伸縮規制板13Eとの間の部分に制限されて、有効なばね線材の巻数が減少するため、図8の状態と比較して、同じ圧縮変形量であってもばね線材の捩り変形量が大きくなるため、ばね定数は増加する。
したがって、調整ナット10を回転させることによって、ばね定数を所望の補償トルクが得られる値に調整することができる。なお、この実施形態のものにおいては、調整ナット10をギヤモータ11によって回転させるようにしているが、手動で回転するようにしてもよい。
次に、図11は、本発明に係るヒンジ型機械的自重補償機構のさらに別の実施形態を示す分解斜視図であって、同図に示す自重補償装置1’は、前述した図1に示す自重補償機構1において、補償ばねとして用いている圧縮コイルばね7に代えて、一対の定荷重ばね7’を用いたものである。本実施形態のものにおいては、これらの定荷重ばね7’は、ドラム状ケース7’A内に巻装された帯状のゼンマイばねからなる市販の既製品を使用している。
これらの定荷重ばね7’は、ヒンジ軸3に外嵌される細長いスリーブ14の一端に固定されるばね保持板15にドラム状ケース7Aが取り付けられて、円筒カム5’のカム部5’Cの内側に配置される。なお、取付板15は、スリーブ14の一端に、溶接、カシメ、ねじ止め等、周知の固定方法によって固定される。
また、スリーブ14は、その周壁に貫通形成されたねじ孔14Aに螺合されるイモねじ14Bによってヒンジ軸3に固定される。また、前記スリーブ14のばね保持板15が固定される端と反対側の端はハウジング2内で底板2Aと当接あるいはこれに近接して配置される。
また、カムフォロワ6’はスリーブ14の外周にスライド自在に外嵌されるフォロワ本体6’Aと、その上下両面から突出してハウジング2上下位置にそれぞれ形成されたガイド溝孔2Cに案内される一対のガイドピン6’Bと、円筒カム5’のカム部5’Cの端面に形成されたカム面S’に当接するフォロワピン6’Cとを備えている。
また、フォロワ本体6’Aの左右両側には係止突部6’Dが突設されていて、前記一対の定荷重ばね7’のそれぞれの引出側端部近傍に形成された係止孔7’Bにこれらの係止突部6’Dを係止させて、両方の定荷重ばね7’をフォロワ本体6’Aに連結するようにしてある。なお、定荷重ばね7’の引出側端部をフォロワ本体6’Aに連結する方法としては、これに限らず、例えば、ねじ止め等の方法を用いてもよい。
図11に示す自重補償装置1’が組み立てられた状態では、一対の定荷重ばね7’は、円筒カム5’のカム面S’に対してフォロワピン6’Cを常に軸方向に一定の力で押し付けている。
次に、図12は、フォロワピン6’Cから円筒カム6’のカム面S’が受ける力を模式的に説明した図であって、同図において、yは、フォロワピン6’Cの変位を表しており、図5に示すように、アーム8の角度をθとした場合に、アーム8が真上を向いた位置すなわちθ=90°においてy=0としている。また、図12において、fは、定荷重ばねの付勢力、Nは、カム面S’がフォロワピン6’Cから受ける垂直抗力、αは、圧力角である。
本実施形態の自重補償装置1’においては、カム面S’中央の半径をaとすると、先に述べたように、ヒンジ軸3回りの負荷トルクτwは(1)式で、また、補償トルクτsは(2)式で与えられるから、補償トルクτsが負荷トルクτwと釣り合っている状態では次の関係が成立する。
−ftanα・a=WLcosθ (7)
ここで、前述した(5)式を上記(7)式に代入してy(θ)について解くと、
y(θ)=WL(1−sinθ)/f (8)
となり、(8)式が、定荷重ばね7’を用いた場合に、アーム8の角度θによらずに常に補償トルクτsが負荷トルクτwと釣り合うためのカム面S’のカム曲線を与える。
次に、図13は、円筒カムの回転角θ、すなわち、アーム8の角度θに対するフォロワピン6’Cの変位と圧力角αとの関係を示すグラフであって、同図において、フォロワピン6’Cの変位は、前述した図7の場合と同様に、無次元化して表示してある。
図13から明らかなように、本実施形態の自重補償機構1’においては、圧力角αは、アーム8の角度θの全範囲にわたってなめらかに連続しており、アーム8の角度によらずに常に正確な自重補償を行うことができる。なお、本実施形態のものにおいては、2つの定荷重ばね7’を自重補償ばねとして用いているが、定荷重ばねは、1つ、あるいは3つ以上用いてもよい。
また、前述した各実施形態において用いているカムフォロワは、フォロワ本体にフォロワピンを取り付け、これを円筒カムのカム面に当接させているが、カムフォロワはこの構造に限定するものではなく、カム面と当接する部分は一体に形成してもよい。
また、摩擦抵抗を軽減するために、フォロワ本体には、フォロワピンの代わりに小径のローラを回転自在に取り付けて、カム面に転動接触させるようにしてもよい。
本発明のヒンジ型機械的自重補償機構は、アームを備えたロボットやマニピュレータ、作業機器等の、アーム全体に作用する重力とバランスさせるための自重補償機構として利用できる他、水平なヒンジ回りに開閉する蓋等の自重補償機構等、種々な分野における自重補償機構として幅広く利用可能である。
1、1’ 自重補償機構
2、2’ ハウジング
2A、2’A 底板
2B ヒンジ軸取付孔
2C ガイド溝孔
2D ばね嵌入部
2’E 開口部
3、3’ ヒンジ軸
3A 雄ねじ
3B、3’B 大径部
4 ナット
5、5’ 円筒カム
5A 孔
5B 基部
5C、5’C カム部
5D 環状段部
6、6’ カムフォロワ
6A、6’A フォロワ本体
6’B、6’B ガイドピン
6C、6’C フォロワピン
6D ばね嵌入部
6’D 係止突部
7 圧縮コイルばね(補償ばね)
7’ 定荷重ばね(補償ばね)
7’A ドラム状ケース
7’B 係止孔
8 アーム
9 重量部
10 調整ナット
10A 歯車
11 ギヤモータ
11A 軸
12 駆動歯車
13 伸縮制限部材
13A 孔
13B 取付板
13C、13D 連結ピース
13E 伸縮規制板
13F 孔
14 スリーブ
14A ねじ孔
14B イモねじ
15 ばね保持板

Claims (4)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングに略水平向きに固定されたヒンジ軸と、
    前記ヒンジ軸回りに軸方向定位置で回動自在に設けられた円筒カムと、
    前記円筒カムと一体に、前記ヒンジ軸回りに回動可能に設けられたアームと、
    前記ヒンジ軸回りの回転が拘束された状態で前記円筒カムのカム面に案内され、当該円筒カムの回転に追従して当該ヒンジ軸の軸方向に変位可能に支持されたカムフォロワと、
    前記ハウジングに支持され、前記カムフォロワを前記円筒カムのカム面に常時当接するように付勢する補償ばねとを備え、
    前記円筒カムのカム面が、前記補償ばねの付勢力が前記カムフォロワを介して前記円筒カムに生じさせる前記ヒンジ軸回りの補償トルクと、前記アームに作用する重力によって生じる当該ヒンジ軸回りの負荷トルクとが、当該アームの俯仰角度に依らずに常時釣り合う曲面で形成されていることを特徴とするヒンジ型機械的自重補償機構。
  2. 補償ばねが圧縮コイルばねであることを特徴とする請求項1記載のヒンジ型機械的自重補償機構。
  3. 圧縮コイルばねがヒンジ軸と同軸に配置されてその一方の端部が前記ヒンジ軸回りの回転を拘束された状態でカムフォロワに保持されているとともに、途中位置が前記圧縮コイルばねに対してその巻線方向に沿って螺動可能な伸縮制限部材に係合され、
    前記伸縮制限部材は、前記ヒンジ軸の外周に前記圧縮コイルばねの無負荷時の巻線ピッチと同一ピッチで形成された雄ねじに螺合する調整ナットと一体に設けられ、
    前記調整ナットの回転により、前記圧縮コイルばねに対する前記伸縮制限部材の係合位置を移動させて当該圧縮コイルばねの伸縮可能長を調整し、そのばね定数をアームに作用する負荷トルクに適合するように調整可能としたことを特徴とする請求項2記載のヒンジ型機械的自重補償機構。
  4. 補償ばねが定荷重ばねであることを特徴とする請求項1記載のヒンジ型機械的自重補償機構。
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