JP2011115567A - 血圧測定装置、血圧測定方法、および血圧測定プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】測定部位を切替えることなく連続的に血圧を測定する場合であっても、鬱血を防止することのできる血圧測定装置および血圧測定プログラムを提供すること。
【解決手段】動脈の容積を一定に保つことにより連続的に血圧を測定する血圧測定装置は、所定の1つの部位を測定部位とする。血圧測定装置は、動脈の内圧と平衡する圧力未満の低カフ圧での動脈容積信号に基づく値を、低圧制御目標値として検出する(ステップST6)。動脈容積信号の値が、検出された低圧制御目標値と一致するよう、調整ユニットのサーボ制御を行ない(ステップST8)、サーボ制御の期間中、動脈容積信号の値と低圧制御目標値との差が所定値以下となったときのカフ圧を、相対血圧として決定する(ステップST10)。
【選択図】図5
【解決手段】動脈の容積を一定に保つことにより連続的に血圧を測定する血圧測定装置は、所定の1つの部位を測定部位とする。血圧測定装置は、動脈の内圧と平衡する圧力未満の低カフ圧での動脈容積信号に基づく値を、低圧制御目標値として検出する(ステップST6)。動脈容積信号の値が、検出された低圧制御目標値と一致するよう、調整ユニットのサーボ制御を行ない(ステップST8)、サーボ制御の期間中、動脈容積信号の値と低圧制御目標値との差が所定値以下となったときのカフ圧を、相対血圧として決定する(ステップST10)。
【選択図】図5
Description
本発明は、血圧測定装置、血圧測定方法、および血圧測定プログラムに関し、特に、動脈の容積を一定に保つことにより連続的に血圧を測定することのできる血圧測定装置、血圧測定方法、および血圧測定プログラムに関する。
血圧は循環器疾患を解析する指標の一つであり、血圧に基づいてリスク解析を行なうことは、脳卒中、心不全、心筋梗塞などの心血管系の疾患の予防に有効である。なかでも、早朝に血圧が上昇する早朝高血圧は心臓病や脳卒中などに関係している。さらに、早朝高血圧の中でも、モーニングサージと呼ばれる起床後1時間から1時間半ぐらいの間に急激に血圧が上昇する症状は、脳卒中との因果関係があることが判明している。
そこで、時間(または生活習慣)と血圧変化との相互関係を把握することが、心血管系の疾患のリスク解析に有用である。従って、長期間にわたり、連続的に血圧を測定することが必要となってきている。
また、手術中・手術後の患者の監視や、降圧薬治療時の薬効確認等においては、1心拍ごとに連続的に血圧を測定し、血圧変化を監視することが非常に重要である。また、1心拍ごとの血圧波形には、動脈硬化の進展、心機能の診断等、医学上きわめて利用範囲が広い情報が含まれている。そのため、血圧波形の変動を連続的に記録することも重要視されてきている。
そこで、特公昭59−5296号公報(特許文献1)に示されるように、1心拍ごとに血圧を測定する技術として容積補償法を利用した血圧計がある。容積補償法とは次のようである。つまり、生体外からカフによって動脈を圧迫し、心拍に同期して脈動する動脈の容積(単位長あたりの容積)を常時一定に保つことで、測定部位を圧迫する圧力(カフ圧)と測定部位の動脈の内圧すなわち血圧とを平衡させる。そして、この平衡状態を維持したときのカフ圧を検出することにより連続的に血圧値を得る。
容積補償法による血圧測定に関し、鬱血の防止機能を備えた連続血圧測定装置も発明されている。WO2000/059369号公報(特許文献2)では、容積補償の測定部位を指とし、測定用のセンサを2つ用意する。2つのセンサは、たとえば第2指と第3指との2本の指に装着される。測定は、一定時間ごとに、第2指と第3指とで交互に行なわれる。これにより、連続測定中においてもいずれか一方の指は圧迫されていない状況を保つことになるので、鬱血が防止される。
容積補償法においては、動脈内圧と動脈にかかるカフ圧とが平衡した状態、すなわち、動脈壁が無負荷状態での動脈の容積(制御目標値“V0”)があらかじめ検出される。1心拍ごとの脈動により変化する動脈容積を制御目標値V0に一致させるよう、カフ圧が制御される(サーボ制御)。サーボ制御の期間中、測定部位は、常時、拡張期血圧以上のカフ圧で圧迫されることになる。
そのため、血管内圧が拡張期血圧より低い静脈は常時圧閉される。したがって、測定部位より末梢側の部位(以下「末梢側」と略す)に送り出された血液の、心臓への還流が阻害される。その結果、末梢側に血液が溜まり鬱血状態となる。鬱血が発生すると、血圧が正しく測定できなくなる。また、長時間鬱血状態が継続すると、その組織が変性・壊死することもある。そのため、鬱血を防止することが、正確な血圧測定、および、被測定者の安全確保の面からみて非常に重要である。
WO2000/059369号公報(特許文献2)の発明では、鬱血が防止されるが、一定間隔ごと(たとえば30秒間隔)に測定部位を入れ替えるため、測定部位による血圧差が発生する。その結果、連続測定の結果のうち重要な要素である血圧変動を正確に捉えられないという問題がある。
インターバル測定と呼ばれる一定時間ごとに測定を行なわない状態を設ける方法により鬱血を防止することも考えられる。しかし、このような方法では、測定できない時間が発生するため、その間の血圧変動を捉えられないという問題がある。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的の1つは、測定部位を切替えることなく連続的に血圧を測定する場合であっても、鬱血を防止することのできる血圧測定装置および血圧測定プログラムを提供することである。
この発明のある局面に従う血圧測定装置は、動脈の容積を一定に保つことにより連続的に血圧を測定するための血圧測定装置であって、所定の測定部位に巻き付けるためのカフと、カフ内の圧力を加圧および減圧により調整するための調整手段と、カフ内の圧力を表わすカフ圧を検出するための圧力検出手段と、カフの所定の位置に配置され、動脈の容積を示す動脈容積信号を検出するための容積検出手段と、動脈の内圧と平衡する圧力未満の第1の低カフ圧での動脈容積信号に基づく値を、第1の低圧制御目標値として検出するための検出処理手段と、動脈容積信号の値が第1の低圧制御目標値と一致するよう調整手段のサーボ制御を行なうことで、連続的に血圧を測定する処理を行なうための測定処理手段とを備え、測定処理手段は、動脈容積信号の値と第1の低圧制御目標値との差が所定値以下となったときのカフ圧を、相対血圧として決定する。
好ましくは、第1の低カフ圧は、拡張期血圧以下の圧力値であり、第1の低圧制御目標値は、拡張期血圧以下の圧力値での動脈容積信号に基づく値を示す。
好ましくは、検出処理手段は、さらに、動脈の内圧とカフ圧とが平衡状態の場合における動脈容積信号に基づく値を、平衡制御目標値として検出し、かつ、平衡制御目標値が検出された時点におけるカフ圧を平衡カフ圧として検出し、測定処理手段は、決定された相対血圧を、第1の低カフ圧と平衡カフ圧との圧力差により補正する。
好ましくは、検出処理手段は、さらに、動脈の内圧とカフ圧とが平衡状態の場合における動脈容積信号に基づく値を、平衡制御目標値として検出し、測定処理手段は、さらに、平衡制御目標値を用いて測定処理を行なう。
好ましくは、条件は、血圧変動が検出された場合を表わす。
好ましくは、測定処理手段は、第1の低圧制御目標値によるサーボ制御の期間において、条件によって、サーボ制御の目標値を、第1の低圧制御目標値から平衡制御目標値に切替えることにより、絶対血圧を測定する。
好ましくは、測定処理手段は、第1の低圧制御目標値によるサーボ制御の期間において、条件によって、サーボ制御の目標値を、第1の低圧制御目標値から平衡制御目標値に切替えることにより、絶対血圧を測定する。
好ましくは、測定処理手段は、条件が解除された場合に、サーボ制御の目標値を、平衡制御目標値から第1の低圧制御目標値に戻す。
好ましくは、検出処理手段は、さらに、第2の低カフ圧での動脈容積信号に基づく値を、第2の低圧制御目標値として検出し、第2の低カフ圧は、第1の低カフ圧よりも高くかつ、平衡制御目標値が検出された時点におけるカフ圧を表わす平衡カフ圧未満であり、測定処理手段は、サーボ制御の目標値を、第1の低圧制御目標値、第2の低圧制御目標値、および、平衡制御目標値のうちから1つを選択する。
好ましくは、検出処理手段は、さらに、動脈の内圧とカフ圧とが平衡状態の場合における動脈容積信号に基づく値を平衡制御目標値として検出し、測定処理手段は、第1の測定処理に先立って、動脈容積信号の値が平衡制御目標値と一致するよう調整手段のサーボ制御を行なうことで連続的に血圧を測定する第2の測定処理を行なって、動脈容積信号が平衡制御目標値に達したときのサーボ制御の制御値を第2の値と決定し、第1の低圧制御目標値に対する平衡制御目標値の比率を第2の値に乗じて第1の測定処理に用いる。
この発明の他の局面に従う血圧測定方法は、動脈の容積を一定に保つことにより連続的に血圧を測定する方法であって、測定部位に巻き付けられたカフの内圧が、測定部位にある動脈の内圧と平衡する圧力未満の低カフ圧である状態で、カフの所定の位置に配置された検出手段から出力される、動脈の容積を示す動脈容積信号に基づく値を、低圧制御目標値として検出するステップと、動脈容積信号の値が低圧制御目標値と一致するよう、カフ内の圧力を加圧および減圧により調整するための調整ユニットのサーボ制御を行なうステップと、動脈容積信号の値と低圧制御目標値との差が所定値以下となったときのカフ圧を、相対血圧として決定するステップとを備える。
この発明の他の局面に従う血圧測定プログラムは、動脈の容積を一定に保つことにより連続的に血圧を測定するための血圧測定プログラムであって、動脈の内圧と平衡する圧力未満の低カフ圧での動脈容積信号に基づく値を、低圧制御目標値として検出するステップと、動脈容積信号の値が低圧制御目標値と一致するよう調整ユニットのサーボ制御を行なうステップと、動脈容積信号の値と低圧制御目標値との差が所定値以下となったときのカフ圧を、相対血圧として決定するステップとをコンピュータに実行させる。
本発明によると、低カフ圧での動脈容積信号に基づく値(低圧制御目標値)が、サーボ制御の目標値とされる。したがって、従来のように、動脈の内圧と平衡する圧力での動脈容積信号に基づく値(平衡制御目標値)を常にサーボ制御の目標値とする場合は血圧測定中に拡張期血圧以上のカフ圧で測定部位を圧迫し続けることになるが、本発明では測定部位にかかるカフ圧は動脈の内圧と平衡する圧力未満の低カフ圧となるため、末梢側の鬱血を低減させることができる。そのため、測定部位を切替える必要や、一定間隔で血圧測定を停止する必要がなくなる。よって、血圧の変化を正確に捉えることが可能となる。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係る血圧測定装置について説明する。
本発明の実施の形態1に係る血圧測定装置について説明する。
<外観および構成について>
(外観について)
図1は、本発明の実施の形態1に係る血圧測定装置1の外観斜視図である。
(外観について)
図1は、本発明の実施の形態1に係る血圧測定装置1の外観斜視図である。
図1を参照して、血圧測定装置1は、本体部10と、被測定者の所定の測定部位に巻き付け可能なカフ20とを備える。本体部10はカフ20に取り付けられている。本体部10の表面には、たとえば液晶等により構成される表示部40と、ユーザ(たとえば被測定者)からの指示を受付けるための操作部41とが配置されている。操作部41は、複数のスイッチを含む。
なお、本実施の形態において、測定部位は、手首であるものとして説明する。しかしながら、測定部位は、手首に限定されるものではなく、たとえば、上腕であってもよい。本実施の形態において、測定部位は一つの部位のみである。
本実施の形態における血圧測定装置1は、図1に示されるように、本体部10がカフ20に取り付けられている。しかしながら、上腕式の血圧測定装置で採用されているように、分離された本体部10とカフ20とが、エアチューブ(図2においてエアチューブ31)によって接続されている形態であってもよい。
(ハードウェア構成について)
図2は、本発明の実施の形態1に係る血圧測定装置1の構成例を示すブロック図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る血圧測定装置1の構成例を示すブロック図である。
図2を参照して、血圧測定装置1のカフ20は、空気袋21と、動脈容積センサ70とを含む。動脈容積センサ70は、発光素子71と受光素子72とを有する。発光素子71は、動脈に対して光を照射し、受光素子72は、発光素子71によって照射された光の動脈の透過光または反射光を受光する。発光素子71および受光素子72は、たとえば、空気袋21の内側に所定の間隔に配置される。
なお、動脈容積センサ70は、動脈の容積が検出できるものであればよく、インピーダンスセンサ(インピーダンスプレスチモグラフ)により動脈の容積を検出するものであってもよい。その場合、発光素子71および受光素子72に代えて、動脈を含む部位のインピーダンスを検出するための複数の電極(電流印加用の電極対、および、電圧検知用の電極対)が含まれる。
空気袋21は、エアチューブ31を介して、エア系30に接続される。
本体部10は、上述の表示部40および操作部41に加え、エア系30と、各部を集中的に制御し、各種演算処理を行なうためのCPU(Central Processing Unit)100と、CPU100に所定の動作をさせるプログラムや各種データを記憶するためのメモリ部42と、測定結果などを記憶するための不揮発性メモリ(たとえばフラッシュメモリ)43と、CPU100などに電力を供給するための電源44と、計時動作を行なう計時部45と、着脱可能な記録媒体132からプログラムやデータの読み出しおよび書き込みをするためのインターフェイス部46とを含む。
本体部10は、上述の表示部40および操作部41に加え、エア系30と、各部を集中的に制御し、各種演算処理を行なうためのCPU(Central Processing Unit)100と、CPU100に所定の動作をさせるプログラムや各種データを記憶するためのメモリ部42と、測定結果などを記憶するための不揮発性メモリ(たとえばフラッシュメモリ)43と、CPU100などに電力を供給するための電源44と、計時動作を行なう計時部45と、着脱可能な記録媒体132からプログラムやデータの読み出しおよび書き込みをするためのインターフェイス部46とを含む。
操作部41は、電源をONまたはOFFするための指示の入力を受付ける電源スイッチ41Aと、測定開始の指示を受付けるための測定スイッチ41Bと、測定停止の指示を受付けるための停止スイッチ41Cと、フラッシュメモリ43に記録された血圧などの情報を読み出す指示を受付けるためのメモリスイッチ41Dとを有する。
エア系30は、空気袋21内の圧力(カフ圧)を検出するための圧力センサ32と、カフ圧を加圧するために、空気袋21に空気を供給するためのポンプ51と、空気袋21の空気を排出しまたは封入するために開閉される弁52とを含む。
本体部10は、発光素子駆動回路73と、動脈容積検出回路74と、上記エア系30に関連して、発振回路33と、ポンプ駆動回路53と、弁駆動回路54とをさらに含む。
発光素子駆動回路73は、CPU100からの指令信号に応じて発光素子71を所定のタイミングで発光させる。動脈容積検出回路74は、受光素子72からの出力を電圧値に変換することで動脈容積を検知する。検知された動脈容積が動脈容積信号としてCPU100に出力される。
圧力センサ32は、たとえば静電容量形の圧力センサであり、カフ圧により容量値が変化する。発振回路33は、圧力センサ32の容量値に応じた発振周波数の信号をCPU100に出力する。CPU100は、発振回路33から得られる信号を圧力に変換し圧力を検知する。ポンプ駆動回路53は、ポンプ51の駆動をCPU100から与えられる制御信号に基づいて制御する。弁駆動回路54は弁52の開閉制御をCPU100から与えられる制御信号に基づいて行なう。
ポンプ51、弁52、ポンプ駆動回路53および弁駆動回路54は、カフ20内の圧力を加圧および減圧により調整するための調整ユニット50を構成する。なお、調整ユニット50を構成する装置は、上記に限定されない。たとえば、調整ユニット50は、上記に加えて、エアシリンダと、エアシリンダを駆動するためのアクチュエータとを含んでいてもよい。
また、カフ20には空気袋21が含まれることとしたが、カフ20に供給される流体は空気に限定されるものではなく、たとえば液体やゲルであってもよい。あるいは、流体に限定されるものではなく、マイクロビーズなどの均一な微粒子であってもよい。
血圧測定装置1は、動脈の容積を一定に保つことにより連続的に血圧を測定する。
(一般的な容積補償法による血圧測定の原理について)
本実施の形態での血圧測定方法の説明に先立ち、一般的な容積補償法による血圧測定の原理について説明する。
(一般的な容積補償法による血圧測定の原理について)
本実施の形態での血圧測定方法の説明に先立ち、一般的な容積補償法による血圧測定の原理について説明する。
一般的な容積補償法に従って血圧を測定する場合、次のような動作が行なわれる。すなわち、生体外から動脈に外圧を加え、生体外圧と動脈内圧(血圧)とが常時平衡するように制御することで、動脈壁を無負荷状態に維持する。一般的な容積補償法では、そのとき(無負荷状態)の生体外圧を測定することにより血圧が測定される。
実際には、生体外圧は、測定部位に巻き付けたカフにより印加される。また、測定の開始時にカフ圧と血圧とが平衡したときの動脈容積“V0”を検出し、血圧変動に伴い変化する動脈容積をV0と一致するようにカフ圧を制御(サーボ制御)する。
図3は、動脈の力学特性を示すグラフである。図3のグラフは、横軸に動脈内外圧差Ptr、縦軸に動脈容積Vをとり、動脈内外圧差Ptrと動脈容積Vとの関係を示している。動脈内外圧差Ptrは、動脈内圧Paと、生体の外部からカフによって印可されるカフ圧(生体外圧)Pcとの差を示す。
このグラフに示されるように、動脈の力学特性は、一般的に強い非線形性を示している。動脈内外圧差Ptrが0(平衡状態)のとき、すなわち、動脈壁が無負荷状態のとき、動脈のコンプライアンス(脈動による容積の変化量)が最大となる。つまり、圧力変化に対する容積変化の追従性(進展性)が最大となる。
一般的な容積補償法では、検出される動脈容積が常時、動脈内外圧差Ptrが0となる時点の容積値V0になるように、生体外圧(カフ圧)を逐次制御することで血圧を測定する。このように、カフ圧と動脈内圧(血圧)とが平衡状態である場合の動脈容積V0が、一般的な容積補償法における、サーボ制御の目標値であった。本実施の形態において、動脈容積V0を、「平衡制御目標値V0」と呼ぶ。
このような容積補償法の測定原理では、血圧測定中、測定部位が拡張期血圧以上のカフ圧で常時圧迫される。そのため、末梢側に送り出された血液が心臓に環流することを阻害することになり、末梢側が鬱血状態になる。鬱血が発生すると、正確な血圧測定ができなくなる。さらに鬱血状態が継続すると、その部位の変性や壊死が発生する。
従来のように、平衡制御目標値V0によるサーボ制御が長時間行なわれた場合における、カフ圧(=血圧)の変化を、図11を用いて説明する。
図11(A)には、時間軸に沿ったカフ圧が示される。図11(B)には、図11(A)と同一の時間軸に沿って、測定部位の動脈容積変化信号が示される。図11(B)において、動脈容積変化信号の基準値(「0」)は、動脈容積の一定制御の期間中において動脈容積と平衡制御目標値V0との差が0であることを示している。なお、動脈容積変化信号は、動脈容積信号の交流成分を表わす信号であり、たとえば、動脈容積信号をフィルタ処理することで得ることができる。
平衡制御目標値V0による動脈容積の一定制御の期間中、動脈容積変化信号の値が所定値以下となるように(ほぼ0になるように)、カフ圧がフィードバック制御される。この制御中のカフ圧が血圧を示す。
(本実施の形態における血圧測定方法の原理について)
血圧は1心拍ごとに収縮期血圧から拡張期血圧の間で変化している。カフ圧を任意の圧力で固定した場合、血圧の変化に伴い動脈容積が変化する(図3の動脈容積変化ΔV)。図3に示すように動脈の力学的特性は非線形の特徴を有しているため、動脈容積変化ΔVはカフ圧に依存してその大きさが異なるが、その変化量は脈圧(=収縮期血圧−拡張期血圧)と1対1であることには変わりはない。したがって、制御目標値を、カフ圧と動脈内圧とが平衡した点での動脈容積(平衡制御目標値)V0ではなく、カフ圧が低圧のとき(たとえば30mmHgなど)の動脈容積(図3の“V0_L”)としてサーボ制御を行なっても、そのときのカフ圧の変化量は脈圧を示すことになる。
血圧は1心拍ごとに収縮期血圧から拡張期血圧の間で変化している。カフ圧を任意の圧力で固定した場合、血圧の変化に伴い動脈容積が変化する(図3の動脈容積変化ΔV)。図3に示すように動脈の力学的特性は非線形の特徴を有しているため、動脈容積変化ΔVはカフ圧に依存してその大きさが異なるが、その変化量は脈圧(=収縮期血圧−拡張期血圧)と1対1であることには変わりはない。したがって、制御目標値を、カフ圧と動脈内圧とが平衡した点での動脈容積(平衡制御目標値)V0ではなく、カフ圧が低圧のとき(たとえば30mmHgなど)の動脈容積(図3の“V0_L”)としてサーボ制御を行なっても、そのときのカフ圧の変化量は脈圧を示すことになる。
そこで本実施の形態では、制御目標値を動脈容積V0_Lとして動脈容積を一定に保つよう制御することで、測定中に印加されているカフ圧を低圧に保つ。このようにして血液の環流を確保することで、連続測定中の鬱血を防止する。ただし、このときに測定される血圧値は相対値である。
本実施の形態において、カフ圧が低圧のときの動脈容積V0_Lを、「低圧制御目標値V0_L」という。また、制御目標値の検出に用いる圧力値を、「低カフ圧Pc_L」という。
(機能構成について)
図2には、CPU100の機能構成も示されている。
図2には、CPU100の機能構成も示されている。
図2を参照して、CPU100は、その機能として、検出処理部102と算出部104と測定処理部106とを含む。
検出処理部102は、低カフ圧Pc_Lでの動脈容積信号に基づく値を、低圧制御目標値V0_Lとして検出する。低圧制御目標値V0_Lの検出方法は後述する。
本実施の形態において、「低カフ圧」とは、動脈の内圧と平衡するカフ圧未満の圧力値を表わし、好ましくは、拡張期血圧以下のカフ圧を表わす。したがって、「低圧制御目標値」は、低カフ圧Pc_Lでの動脈容積信号に基づく値、たとえば、動脈容積信号の平均値を表わす。
検出処理部102は、さらに、通常の(従来の)制御目標値すなわち、平衡制御目標値V0、および、動脈内圧と平衡するカフ圧Pc_0も検出する。平衡制御目標値V0およびカフ圧Pc_0の検出原理の一例を、図4を参照して説明する。
図4を参照して、カフ圧を3mmHg/sec程度の低速で徐々に加圧し(上段)、その期間に動脈容積信号を検出する(中段)。この加圧過程において、動脈容積信号の1拍毎の変化分(ΔV)、すなわち、動脈容積変化信号を検出し、その動脈容積変化信号が最大となる点MAXを検出する(下段)。最大点MAXが検出された時点の1拍分の動脈容積信号の平均値が平衡制御目標値V0と決定される。なお、平衡制御目標値V0は、動脈の内圧とカフ圧とが平衡状態である場合の動脈容積信号に基づく値を示していれば、このような検出方法に限定されない。
最大点MAXが検出された時点のカフ圧が、カフ圧Pc_0として検出される。
低圧制御目標値V0_Lは、たとえば、カフ圧を低カフ圧Pc_Lに設定した場合における1拍分の動脈容積信号の平均値により求められる。低圧制御目標値V0_Lは、動脈容積信号が安定してから検出される。また、所定拍分の動脈容積信号の平均値を、低圧制御目標値V0_Lとしてもよい。また、平均値以外の統計値を用いてもよい。
低圧制御目標値V0_Lは、たとえば、カフ圧を低カフ圧Pc_Lに設定した場合における1拍分の動脈容積信号の平均値により求められる。低圧制御目標値V0_Lは、動脈容積信号が安定してから検出される。また、所定拍分の動脈容積信号の平均値を、低圧制御目標値V0_Lとしてもよい。また、平均値以外の統計値を用いてもよい。
算出部104は、低カフ圧Pc_Lと、検出処理部102により検出されたカフ圧Pc_0との圧力差を算出する。圧力差は、低圧制御目標値をサーボ制御目標値とすることによる誤差に相当する。
測定処理部106は、動脈容積が低圧制御目標値V0_Lと一致するよう調整ユニット50のサーボ制御を行なうことで、連続的に血圧を測定する処理を行なう。測定処理部106は、動脈容積と低圧制御目標値V0_Lとの差が所定値以下となったときのカフ圧を、相対血圧として決定する。
本実施の形態では、測定処理部106は、決定された相対血圧を、算出部104によって低カフ圧Pc_Lとカフ圧Pc_0との差として算出された圧力差により補正する。これにより、実際の血圧(後述の「絶対血圧」に相当)に近い血圧が測定結果として出力される。
測定処理部106は、さらに、平衡制御目標値V0を用いた測定処理を行なってもよい。平衡制御目標値V0を用いた測定処理は、後述の実施の形態2において説明する。
上記のような検出処理部102、算出部104および測定処理部106の機能は、CPU100がメモリ部42に格納されたソフトウェアを実行することで実現される。たとえば、これらの機能部それぞれに対応するモジュールを含んだプログラムがメモリ部42に格納されている。なお、これらの機能部のうちの少なくとも1つについては、ハードウェアにより実現されてもよい。
<動作について>
次に、本発明の実施の形態1における血圧測定装置1の動作について詳細に説明する。
次に、本発明の実施の形態1における血圧測定装置1の動作について詳細に説明する。
図5は、本発明の実施の形態1における血圧測定処理を示すフローチャートである。図5のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとしてメモリ部42に格納されており、CPU100がこのプログラムを読み出して実行することにより、血圧測定処理の機能が実現される。
図5を参照して、ユーザにより電源スイッチ41Aが押下されたことを検出すると(ステップST1)、CPU100は、初期化処理を行なう(ステップST2)。具体的には、メモリ部42の所定の領域(以下「メモリ領域」という)を初期化し、空気袋21の空気を排気し、圧力センサ32の0mmHg補正を行なう。
次に測定スイッチ41Bが押下されたことを検出すると(ステップST3)、CPU100の検出処理部102は、平衡制御目標値V0およびカフ圧Pc_0を検出する(ステップST4)。平衡制御目標値V0およびカフ圧Pc_0は、発振回路33より得られるカフ圧、および、動脈容積検出回路74から得られる動脈容積信号に基づいて検出される。これらの値は、図4に示した方法など、公知の手法により検出されてよい(たとえば特公平1−31370号公報、特開2008−36004号公報)。検出された平衡制御目標値V0およびカフ圧Pc_0は、メモリ領域等に一時記憶される。
続いて、検出処理部102は、カフ圧を所定圧(低カフ圧)Pc_Lに設定し(ステップST5)、そのときの動脈容積を低圧制御目標値V0_Lとして決定する(ステップST6)。具体的には、たとえば上述のように、動脈容積検出回路74から得られる動脈容積信号の値の平均値が、低圧制御目標値V0_Lとして決定される。決定された低圧制御目標値V0_Lは、メモリ領域等に一時記憶される。
ステップST5で設定される低カフ圧Pc_Lは、上記したような拡張期血圧以下のカフ圧であるものとする。この低カフ圧Pc_Lは、一般成人の拡張期血圧の最も低い値(40mmHg程度)を考慮して予め定められた値であってよい。具体的には、低カフ圧Pc_Lは、20mmHg以上40mmHg未満の範囲で定められることが望ましい。このような値は、たとえばメモリ部42に予め記憶されている。または、低カフ圧Pc_Lは、被測定者自身の拡張期血圧に基づいて定められた値であってもよい。
被測定者自身の拡張期血圧に基づいて定める場合、フラッシュメモリ43に記録された被測定者の過去の拡張期血圧、または、操作部41を介して入力された被測定者の拡張期血圧が用いられる。具体的には、たとえば、フラッシュメモリ43に記録された被測定者の過去の拡張期血圧より所定値(たとえば5mmHg)だけ減算した値を、低カフ圧Pc_Lとしてもよい。過去の拡張期血圧としては、たとえば、フラッシュメモリ43に記録された直近の測定結果(血圧波形)より得られる拡張期血圧であってよい。
次に、CPU100の算出部104は、カフ圧Pc_0と低カフ圧Pc_Lとの差分(圧力差)ΔPcを算出する(ステップST7)。算出された圧力差ΔPcは、メモリ領域等に一時記憶される。
なお、圧力差ΔPcの算出(ST7)は、ステップST4において、カフ圧Pc_0が検出された直後に(ステップST5よりも前に)行なわれてもよい。
次に、CPU100の測定処理部106は、低圧制御目標値V0_Lによる動脈容積の一定制御(サーボ制御)を行なう(ステップST8)。具体的には、動脈容積信号の値が低圧制御目標値V0_Lと一致するようにカフ圧をフィードバック制御する。
フィードバック制御の期間(測定期間)に、動脈容積信号の変化(=動脈容積変化信号の値)が所定値以下となった時のカフ圧を相対血圧値として決定する(ステップST9にて「≦所定値」,ST10)。動脈容積変化信号は、動脈容積検出回路74において検出されてもよいし、CPU100において検出されてもよい。なお、ステップST9の判定は、動脈容積信号の値と低圧制御目標値V0_Lとの差が、所定値以下であるか否かを判定することと同義である。
そして、測定処理部106は、決定された相対血圧値に、ステップST7で算出されたΔPcを加算することで出力対象の血圧を算出する(ステップST11)。動脈容積信号の変化が所定値を越えた時のカフ圧は、相対血圧の決定から除外される(ステップST9にて「>所定値」)。
このようにして測定された血圧(補正後の血圧)は、たとえばメモリ領域に時系列に記録される。これにより、連続的な血圧値が得られ、結果として、血圧波形が得られる。
測定処理部106は、測定期間中、決定された血圧値に関する情報を表示部40に表示してもよい。たとえば、一心拍ごとのカフ圧の極小値および極大値を、それぞれ拡張期血圧および収縮期血圧として表示部40に表示してもよい。あるいは、時間軸に沿った血圧波形が表示されてもよい。
測定処理部106による測定処理は、停止スイッチ41Cの押下または所定の時間経過などによる停止信号がONされるまで継続される(ステップST12)。
停止信号がONされると、測定処理部106は、メモリ領域に時系列に記録された血圧値(カフ圧)を、測定結果としてフラッシュメモリ43に記録する。
<データ構造について>
フラッシュメモリ43に格納される測定結果のデータ構造例について説明する。
フラッシュメモリ43に格納される測定結果のデータ構造例について説明する。
図6(A)は、本発明の実施の形態1の血圧測定装置1における各測定データのデータ構造を示す図である。
図6(A)を参照して、フラッシュメモリ43に格納される測定データ80の各々は、一例として「ID情報」、「記録日時」、「血圧情報」の3つのフィールド81〜83を含む。各フィールドの内容について概略すると、「ID情報」フィールド81は、各測定データを特定するための識別番号などを格納し、「記録日時」フィールド82は、計時部45により計時された、各測定データの測定開始日時や測定期間などの情報を格納する。また、「血圧情報」フィールド83は、時系列の血圧データすなわち、血圧波形データを格納する。
図6(B)は、測定データに含まれる血圧情報フィールド83のデータ構造を示す図である。図6(B)を参照して、血圧情報フィールド83は、「時間データ」を格納する領域831と、「血圧データ」を格納する領域832とを有している。
領域831には、サンプリング周期に応じた複数の時間データ1,2,3,・・・,Nが格納される。領域832には、領域831の時間データそれぞれと対応付けて、血圧データBD(1),BD(2),・・・,BD(n)が格納される。領域832中、「−」で示された領域は、その時点における動脈容積の値と低圧制御目標値V0_Lとの差が所定値を越えていて血圧として記録されなかったことを示している。
なお、格納形態は、このような例に限定されず、時間(時刻)と血圧とが対応付けられて記憶されればよい。
また、上記したように、本実施の形態では、連続的に得られた血圧値をフラッシュメモリ43に記録することとしたが、他の血圧情報をフラッシュメモリ43に記録してもよい。他の血圧情報としては、たとえば、1拍ごとの収縮期血圧および拡張期血圧であってもよい。または、連続的に得られた血圧値に基づいた血圧波形に所定のアルゴリズムを適用することで算出可能な指標(たとえばAI(Augmentation Index))であってもよい。
以上のように、本実施の形態によると、拡張期血圧以下の圧力値である低カフ圧Pc_Lでの動脈容積値が、サーボ制御の目標値とされる。測定期間中、拡張期血圧以下のカフ圧がオフセット値となるため、常時、拡張期血圧以上のカフ圧で圧迫されることがなくなる。したがって、末梢側に送り出された血液が心臓に環流することを阻害することがない。その結果、末梢側が鬱血状態となることを防ぐことができる。鬱血が発生しないため、血圧変動を正確に捉えることが可能となる。
また、低圧制御目標値V0_Lを用いて測定される相対血圧は、圧力差ΔPcにより補正される。そのため、平衡制御目標値V0を用いて測定される血圧と近い値を測定結果として得ることができる。
なお、本実施の形態では、相対血圧を圧力差ΔPcにより補正した値を、測定結果として出力(表示,記録)した。しかしながら、連続的に血圧を測定することを目的とした血圧測定装置1においては、血圧値そのものよりも、血圧変動(血圧の変化)を監視することの方が重要な場合も多い。したがって、血圧測定装置1は、相対血圧自体を測定結果として出力してもよい。このような場合、図5に示した一連の処理のうち、平衡制御目標値V0およびカフ圧Pc_0の検出処理(ステップST4)、圧力差ΔPcの算出処理(ステップST7)、血圧補正処理(ステップST11)が不要である。平衡制御目標値V0およびカフ圧Pc_0の検出処理が不要であるので、測定スイッチ41Bが押下された後、従来より短時間で動脈容積一定制御を行なうことができる。
また、本実施の形態では、低カフ圧Pc_Lが拡張期血圧以下の圧力値であることとして説明したが、上述のように、従来のオフセット値であるカフ圧Pc_0未満の圧力値であればよい。この場合も、従来より鬱血を低減することができる。また、低カフ圧Pc_Lが拡張期血圧以下の圧力値である場合よりも、測定精度を向上することができる。
<変形例>
ところで、本実施の形態によると拡張期血圧以下の圧力値である低カフ圧Pc_Lでの動脈容積値がサーボ制御の目標値として決定されるが、低カフ圧Pc_Lでの動脈容積変化は、動脈内圧と動脈にかかるカフ圧とが平衡した状態で得られる動脈容積変化と比較すると、動脈の力学的特性により相対的に小さくなる。動脈容積変化が相対的に小さくなると、内外圧平衡サーボ制御と比較して制御誤差が大きくなる場合がある。
ところで、本実施の形態によると拡張期血圧以下の圧力値である低カフ圧Pc_Lでの動脈容積値がサーボ制御の目標値として決定されるが、低カフ圧Pc_Lでの動脈容積変化は、動脈内圧と動脈にかかるカフ圧とが平衡した状態で得られる動脈容積変化と比較すると、動脈の力学的特性により相対的に小さくなる。動脈容積変化が相対的に小さくなると、内外圧平衡サーボ制御と比較して制御誤差が大きくなる場合がある。
そこで、変形例では、通常の容積補償制御であるカフ圧と動脈内圧とが平衡した点での動脈容積変化△V0と低カフ圧Pc_Lにおける動脈容積変化△V0_Lとの比率に基づいて、制御ゲインを割増しする。
図12は、変形例にかかる血圧測定装置1の構成例を示すブロック図である。図12を参照して、変形例にかかる血圧測定装置1では、CPU100の機能構成として、図2に示された各機能に加えてゲイン決定部107をさらに含む。
測定処理部106はHPF(High-pass filter)回路を含み、動脈容積センサ70から入力された動脈の容積の変化を表わす容積脈波信号の直流成分の動脈容積信号PGdcより交流成分の動脈容積変化信号PGacを抽出する。たとえば、フィルタ定数を1Hzとして、1Hzを超える信号は交流成分として導出される。測定処理部106は動脈容積信号PGdcと制御目標値との差分が0となるように調整ユニット50のサーボ制御を行なう。その際、測定処理部106はサーボ制御中の動脈容積変化信号PGacとサーボ制御前の動脈容積変化信号PGacとの比率である容積変化消去率を算出し、容積変化消去率が所定値となったことを検出することでサーボ制御のサーボゲインの更新完了を判断する。
ゲイン決定部107は、測定処理部106でのサーボ制御におけるゲインをサーボゲインとして決定する。
さらに、ゲイン決定部107は、測定処理部106から動脈容積変化信号PGacを得、動脈容積変化信号PGacから一拍ごとの動脈容積変化を算出する。そして、動脈内圧と動脈にかかるカフ圧とが平衡した状態における動脈容積変化△V0と低カフ圧Pc_Lにおける動脈容積変化△V0_Lとの比率を算出し、その比率に基づいて動脈容積V0を制御目標値としたサーボ制御におけるサーボゲインを割増すことで低圧サーボ制御におけるサーボゲインを決定する。
図13は、変形例における血圧測定処理を示すフローチャートである。図13のフローチャートに示す処理もまた、予めプログラムとしてメモリ部42に格納されており、CPU100がこのプログラムを読み出して実行することにより、血圧測定処理の機能が実現される。
図13のステップST301〜ST304の処理は、図5のステップST1〜ST4と同様である。したがって、これらの処理の説明は繰返さない。
変形例では、ステップST304で平衡制御目標値V0およびカフ圧Pc_0が検出されると、検出処理部102は、カフ圧を平衡制御目標値V0を決定したときのカフ圧である制御初期カフ圧に設定する(ST305)。その時点でのサーボゲイン、すなわち、通常サーボ制御でのサーボゲインが未決定である場合には(ステップST306でNO)、ゲイン決定部107は通常サーボ制御でのサーボゲインを決定する(ステップST307)。サーボゲイン決定の具体的な流れは後述する。
なお、同一被験者であればサーボゲインは計測ごとに大きく変化しないので、サーボゲインがメモリ部42に被験者ごとに記憶される場合、被験者が先に測定した被験者と同一であるときには、ゲイン決定部107は前回用いたサーボゲインを読み出して設定することでゲインを決定することができる(ステップST306でYES)。これによって後述するゲイン決定処理が不要になるため、被験者への圧迫による負荷を軽減できる。また、測定までの時間が速くなる。
その後のステップST308〜ST310の処理は、図5のステップST5〜ST7と同様である。したがって、これらの処理の説明は繰返さない。
ステップST310でカフ圧Pc_0と低カフ圧Pc_Lとの差分(圧力差)ΔPcが算出されると、ゲイン決定部107は、動脈内圧と動脈にかかるカフ圧とが平衡した状態における動脈容積変化△V0と低カフ圧Pc_Lにおける動脈容積変化△V0_Lとの比率Rを算出する(ST311)。そしてゲイン決定部107は、ステップST307で決定した通常サーボ制御でのサーボゲインに比率Rを割増しして、低圧制御目標値V0_Lによるサーボ制御での制御ゲインとして決定する(ステップST312)。
その後のステップST313〜ST317の処理は、図5のステップST8〜ST12と同様である。したがって、これらの処理の説明は繰返さない。
上記ステップST307のサーボゲイン決定処理については、図14にサブルーチンを挙げて説明する。
図14を参照して、測定処理部106は、容積脈波信号の交流成分である動脈容積変化信号PGacから一拍毎の動脈容積変化を検出し(ステップST401)、サーボ制御開始前の動脈容積変化信号PGacから得られた動脈容積変化との比率である容積変化消去率を算出する(ステップST402)。
このとき、測定処理部106は、動脈容積信号PGdcとステップST304で設定された制御目標値V0との差分が0となるように調整ユニット50のサーボ制御を行なう(ステップST403)。しかしながら、実際には、動脈容積信号PGdcと制御目標値V0との差を0になるまでサーボ制御することは難しいため、容積変化消去率が予め規定された容積変化消去率目標値としての所定値を下回ったことで制御完了とする。
そこで、測定処理部106は、ステップST402で算出された容積変化消去率が該所定値を下回ったことを検出すると(ステップS404で「<所定値」)、サーボ制御のサーボゲインの更新を停止する。ゲイン決定部107は、血圧算出処理で使用するサーボゲインをこの時点のサーボゲインの値に決定する(ステップS402)。上記容積変化消去率目標値として用いる所定値は、これまでの検討によって決定されており、おおよそ30%程度あることが知られている。
変形例にかかる血圧測定装置1でこのような制御がなされることによって、低圧制御目標値V0_Lを設定してサーボ制御を実行する際に、サーボゲインが割増しされる。これによって、低圧でのサーボ制御における制御誤差を通常のサーボ制御における制御誤差と同等にすることができる。
なお、上の例は、通常のサーボ制御におけるサーボゲインを割増しして低圧でのサーボ制御のサーボゲインとすることで、低圧でのサーボ制御における制御分解能を通常のサーボ制御におけるそれよりも相対的に高くするものである。これに対して、他の例として、通常のサーボ制御のサーボゲインの更新の完了を検知するために用いる容積変化消去率目標値を割増しして低圧でのサーボ制御のサーボゲインの更新の完了を検知するために用いることでも、同様の効果を得ることができる。すなわち、変形例にかかる血圧測定装置1では、図13に表わされた血圧測定処理に替えて、図15に表わされた血圧測定処理が実行されてもよい。図15は、変形例における血圧測定処理の他の例を示すフローチャートである。図15のフローチャートに示す処理もまた、予めプログラムとしてメモリ部42に格納されており、CPU100がこのプログラムを読み出して実行することにより、血圧測定処理の機能が実現される。
図15の血圧測定処理では、ステップST304で平衡制御目標値V0およびカフ圧Pc_0が検出されると、上記ステップST305〜ST307でのサーボゲイン決定処理が行なわれることなくステップST308に移行する。その後のステップST308〜ST310の処理は、図5のステップST5〜ST7と同様である。
ゲイン決定部107は、動脈内圧と動脈にかかるカフ圧とが平衡した状態における動脈容積変化△V0と低カフ圧Pc_Lにおける動脈容積変化△V0_Lとの比率Rを算出し、測定処理部106は、予め規定された容積変化消去率目標値を比率Rで除して、以降のサーボ制御に用いる容積変化消去率目標値とする(ステップST511)。
その後のステップST313〜ST317の処理は、図5のステップST8〜ST12と同様である。しかしながら、ステップST313では、ステップST511で算出された容積変化消去率目標値が用いられる点が異なる。
変形例にかかる血圧測定装置1でこのような制御がなされることによっても、低圧でのサーボ制御における制御誤差を通常のサーボ制御における制御誤差と同等にすることができる。
なお、以降の説明においても低圧でのサーボ制御では同様の制御を行なうことができる。
また、平衡制御目標値V0における動脈容積変化△V0、および低圧制御目標値V0_Lにおける動脈容積変化△V0_Lは、発光素子71からの光量や、発光素子71と受光素子72との間の距離によって変化する。制御分解能が一定であれば、動脈容積変化△V0_Lができるだけ大きい方が、制御時の誤差が小さくなる。そこで、好ましくは、血圧測定装置1では、発光素子71と受光素子72との間の距離の組合せ、発光素子71からの光量を複数設定し、各組合せで動脈容積変化△V0と動脈容積変化△V0_Lとがともに最大となる組合せを採用する。
発光素子71および受光素子72は生体組織を透過し易い波長940nm付近の高波長領域の光を発光、受光する素子を使用する。そして、たとえば図16〜図19に表わされたように配置する。図16〜図19は発光素子71および受光素子72の配置の具体例を示す図である。
このようにして発光素子71と受光素子72との配置や発光素子71からの光量を決定することによって、低圧でのサーボ制御時に最適な動脈容積変化が得られる発光素子71と受光素子72との配置や発光素子71からの光量を設定することが可能となる。このため、低圧でのサーボ制御時における血圧測定精度を向上させることができる。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2に係る血圧測定装置について説明する。
本発明の実施の形態2に係る血圧測定装置について説明する。
本実施の形態に係る血圧測定装置の構成および基本的な動作は、実施の形態1と同様である。したがって、図1,図2に示した血圧測定装置1を例に本実施の形態における血圧測定方法を説明する。
以下、実施の形態1と異なる部分のみ説明する。
上記実施の形態1においては、測定期間中、低圧制御目標値V0_Lによるサーボ制御のみで血圧(相対血圧)を測定することで、鬱血を防止した。しかしながら、血圧の診断は、相対値ではなく絶対値で行なわれることが望ましい。
上記実施の形態1においては、測定期間中、低圧制御目標値V0_Lによるサーボ制御のみで血圧(相対血圧)を測定することで、鬱血を防止した。しかしながら、血圧の診断は、相対値ではなく絶対値で行なわれることが望ましい。
そこで本実施の形態では、測定期間中、条件によって部分的に、平衡制御目標値V0によるサーボ制御にて血圧を測定することもできる。本実施の形態において、平衡制御目標値V0によるサーボ制御にて測定される血圧を「絶対血圧」という。
本実施の形態においては、実施の形態1における測定処理部106の処理が異なる。そのため、本実施の形態においては、連続的に血圧を測定する処理を行なう機能部を、測定処理部106#と記す。
測定処理部106#は、平衡制御目標値V0を用いた測定処理をさらに行なう。測定処理部106#は、相対血圧測定モード、および、絶対血圧測定モードのいずれかを選択可能である。ただし、基本の測定モードは、相対血圧測定モードである。相対血圧測定モード中、所定の条件によって、絶対血圧測定モードに測定モードが切替えられる。絶対血圧測定モード中に上記条件が解消された場合には、測定モードは再度、相対血圧測定モードに復帰される。
ここで、「条件」は、血圧の変化よりも血圧値自体を監視すべき状況に移行したことを示すものであり、たとえば、所定値以上の血圧変動が検出された場合を示す。大きな血圧変動が発生すると、病状の変化などが考えられるため、絶対値による診断が必要となるからである。
なお、血圧変動に限定されず、一定インターバルでモードを切替えてもよい。ある一定間隔で血圧値自体を監視すべきであるからである。
あるいは、操作部41を介したユーザからの指示に応じて、モードを切替えてもよい。たとえば、投薬やストレス付加(仰臥位から立位へ変化させる、など)などのイベント発生時に、ユーザが指示することが考えらる。
あるいは、血圧以外の他の生体情報(酸素飽和度(SpO2)、脈拍数、心電など)の変化を検出してモードを切替えてもよい。このような切替えを行なうためには、血圧測定装置1は、血圧以外の生体情報も測定できるような生体情報モニタであるか、あるいは、血圧測定装置1が、外部の生体情報測定装置と接続されているものとする。
また、測定モードの切替えに用いる条件を、上記複数の条件からユーザが選択できてもよい。
図7は、本発明の実施の形態2における血圧測定処理を示すフローチャートである。図7のフローチャートに示す処理もまた、予めプログラムとしてメモリ部42に格納されており、CPU100がこのプログラムを読み出して実行することにより、血圧測定処理の機能が実現される。
図7のステップST101〜ST107の処理は、図5のステップST1〜ST7と同様である。したがって、これらの処理の説明は繰返さない。
本実施の形態では、ステップST107において圧力差ΔPcが算出されると、測定処理部106#は、サーボ制御の目標値を低圧制御目標値V0_Lに設定する(ステップST108)。つまり、測定開始時は、測定モードは、相対血圧測定モードに設定される(ステップST109)。
測定モードの設定が終わると、測定処理部106#は、血圧の連続測定処理を実行する(ステップST110)。連続測定処理については、図8にサブルーチンを挙げて説明する。
図8を参照して、測定処理部106#は、設定された制御目標値による動脈容積の一定制御(サーボ制御)を行なう(ステップST210)。具体的には、動脈容積信号の値が低圧制御目標値V0_L、または、平衡制御目標値V0と一致するようにカフ圧をフィードバック制御する。測定開始時は、図5のステップST8と同様に、低圧制御目標値V0_Lによる一定制御が行なわれる。
測定処理部106#は、動脈容積信号の変化が所定値以下か否かを判断する(ステップST211)。この処理は、図5のステップST9と同じであるため、詳細な説明は繰返さない。動脈容積信号の変化が所定値以下と判断されれば(ステップST211にて「≦所定値」)、現在の測定モードが判定される(ステップST212)。動脈容積信号の変化が所定値を越えていれば(ステップST211にて「>所定値」)、ステップST224に進む。
現在の測定モードが相対血圧測定モードであれば(ステップST212にて「相対血圧」)、図5のステップST10,ST11と同様に、相対血圧の決定および相対血圧の補正が行なわれる(ステップST213,ST214)。測定された血圧(補正後の血圧)は、たとえばメモリ領域に時系列に記録される。
次に、測定処理部106#は、所定値以上の血圧変動が起きたか否かを判定する。具体的には、「前回相対血圧」と今回決定された相対血圧との差が、所定値(たとえば10mmHg)以下か否かを判定する(ステップST215)。なお、血圧変動の判定は、相対血圧に代えて、補正後の血圧を用いてもよい。また、初回の判定において、「前回相対血圧」は所定の値であってよい。あるいは、初回は、当該判定をスキップしてもよい。
血圧値の変化が所定値以下であれば(ステップST215にて「≦所定値」)、ステップST215の判定に用いられる「前回相対血圧」を今回の相対血圧に更新する(ステップST216)。
一方、血圧値の変化が所定値を越えていれば(ステップST215にて「>所定値」)、測定処理部106#は、制御目標値を、平衡制御目標値V0に設定することで(ステップST217)、測定モードを絶対血圧モードに切替える(ステップST218)。
上記ステップST212において、現在の測定モードが絶対血圧測定モードと判定された場合、測定処理部106#は、現状のカフ圧すなわち、動脈壁が無負荷状態の場合のカフ圧を、血圧(絶対血圧)として決定する(ステップST219)。
次に、測定処理部106#は、ステップST215と同様に、血圧値の変化すなわち、「前回血圧」と今回決定された血圧との差が、所定値(たとえば10mmHg)以下か否かを判定する(ステップST220)。ここでは、絶対血圧測定モードで測定すべき条件が解除されたか否かが判定される。具体的には、大きな血圧変動がなくなり血圧が安定したか否かが判定される。
ステップST220における初回の判定においても、「前回血圧」は所定の値であってよい。あるいは、初回は、当該判定をスキップしてもよい。
血圧値の変化が所定値を越えていれば(ステップST220にて「>所定値」)、ステップST220の判定に用いられる「前回血圧」を今回の血圧に更新する(ステップST221)。
血圧値の変化が所定値以下であれば(ステップST220にて「≦所定値」)、測定処理部106#は、制御目標値を、低圧制御目標値V0_Lに設定することで(ステップST222)、測定モードを相対血圧モードに戻す(ステップST223)。
以上のような処理が、停止信号がOFFとなるまで繰返される(ステップST224)。停止信号ONが検出されると、測定処理部106#は、メモリ部42に時系列に記録された血圧値(カフ圧)を、測定結果としてフラッシュメモリ43に記録する。
本実施の形態の連続測定処理における、各測定モードでのカフ圧および動脈容積信号の関係を、図9に示す。
図9を参照して、連続測定処理の開始時は、相対血圧測定モードである。したがって、オフセットのカフ圧は低カフ圧Pc_Lに設定される。そして、サーボ制御の目標値を低圧制御目標値V0_Lとして、カフ圧のフィードバック制御が行なわれる。相対血圧測定モードでは、低カフ圧Pc_Lとカフ圧Pc_0との圧力差ΔPcによって、相対血圧(グラフにおけるカフ圧)が補正される。
その後、大きな血圧変動が検出されると、測定モードは、絶対血圧測定モードに切替えられる。したがって、オフセットのカフ圧はカフ圧Pc_0に設定される。そして、サーボ制御の目標値を平衡制御目標値V0として、カフ圧のフィードバック制御が行なわれる。絶対血圧測定モードでは、グラフにおけるカフ圧それ自体が血圧を示す。なお、実施の形態1の測定では、相対血圧測定モードのみが継続される。
図9より明らかなように、相対血圧測定モードでは、オフセット値として設定されるカフ圧は、絶対血圧測定モードよりも数十mmHg低い。そのため、相対血圧測定モードでの測定を長時間続けたとしても、被測定者の圧迫による苦痛が軽減される。
以上のように、本実施の形態によると、相対血圧測定モードで血圧が測定されている場合に、所定値以上の血圧変動を検出すると、測定モードを絶対血圧測定モードに切替えることができる。したがって、被測定者の血圧値自体を監視すべき状況においては、従来の平衡制御目標値V0により精確な血圧値(絶対血圧)を測定することもできる。所定値以上の血圧変動が起きるまでは相対血圧測定モードで血圧が測定されるため、末梢側の鬱血が起きていない。そのため、部分的に実行される絶対血圧測定モードでは、従来の容積補償法に従い測定される血圧値よりも鬱血の影響を受けていないため、精度の高い血圧値を測定することができる。
また、血圧値自体を監視すべき状況が収束すると、相対血圧測定モードに復帰されるため、鬱血の防止と正確な血圧値の測定との両方を実現することができる。
なお、測定処理部106#は、測定期間中、現在の測定モードが相対血圧測定モードおよび絶対血圧測定モードのいずれであるかを報知してもよい。たとえば、表示部40に、測定モードの名称または記号などを表示してもよい。
また、測定処理部106#は、測定結果をフラッシュメモリ43に格納する際、各血圧データが、補正血圧および絶対血圧のいずれであるかを識別するための識別情報を、さらに格納してもよい。そのようにすることで、過去の測定結果を表示する際にも、表示中の血圧情報がいずれの測定モードによる測定されたものであるかをユーザ(被測定者や医師等)に認識させることができる。この場合、たとえば、図6(B)に示した各血圧データに、測定モードを識別するためのフラグを対応付けて記憶させることとしてよい。
<変形例1>
上記実施の形態2では、血圧の変化を検出することにより測定モードの切替えを行なった。しかし、血圧値そのものの判定で測定モードを切替えてもよい。
上記実施の形態2では、血圧の変化を検出することにより測定モードの切替えを行なった。しかし、血圧値そのものの判定で測定モードを切替えてもよい。
本実施の形態の変形例1での連続測定処理を図10に示す。
図10において、図8に示した連続測定処理と同様の処理については、図8と同じステップ番号を付してある。したがって、それらについての説明は繰返さない。
図10において、図8に示した連続測定処理と同様の処理については、図8と同じステップ番号を付してある。したがって、それらについての説明は繰返さない。
本変形例では、図8のステップST215,ST220に代えて、ステップST315,ST320の処理が実行される。また、本変形例では、図8のステップST216およびST221の処理が不要である。
図10を参照して、ステップST315において、相対血圧が所定値(たとえば90mmHg)以下か否かが判定される。なお、ここでの判定には、相対血圧に代えて補正後の血圧を用いてもよい。
相対血圧が所定値以下であれば(ステップST315にて「≦所定値」)、ステップST224に進み、相対血圧測定モードでの測定が継続される。
相対血圧が所定値を越えていれば(ステップST315にて「>所定値」)、ステップST217に進み、測定モードが絶対血圧測定モードに切替えられる。
ステップST320においては、血圧が所定値(たとえば140mmHg)以下か否かが判定される。血圧が所定値を越えていれば(ステップST315にて「>所定値」)、ステップST224に進み、絶対血圧測定モードでの測定が継続される。
相対血圧が所定値以下であれば(ステップST315にて「≦所定値」)、ステップST222に進み、測定モードが相対血圧測定モードに戻される。
<変形例2>
上記実施の形態2および変形例1では、2つの測定モードで切替えを行なった。しかし、2つ以上の測定モードで切替えを行なってもよい。
上記実施の形態2および変形例1では、2つの測定モードで切替えを行なった。しかし、2つ以上の測定モードで切替えを行なってもよい。
たとえば、平衡制御目標値V0未満の制御目標値を複数設定し、それらのうちから一つが選択されてもよい。具体的には、拡張期血圧−10mmHg(上記「Pc_L」に相当):第1の低圧制御目標値(上記「V0_L」に相当)、拡張期血圧+10mmHg:第2の低圧制御目標値V0_L+10を設定する。
通常は、第1の低圧制御目標値V0_Lで連続測定する。そのとき血圧変動が確認されたら、次に、拡張期血圧+10mmHgで決定した第2の低圧制御目標値V0_L+10で連続測定する。
第2の低圧制御目標値V0_L+10での連続測定でも血圧変動が確認されたら、平衡制御目標値V0で連続測定する。
このように、第2の低圧制御目標値V0_L+10による測定モードをさらに追加することで、第1の低圧制御目標値V0_Lで確認された血圧変動が、測定誤差によるものかどうかの確認をすることができる。測定誤差でないと判定されれば、絶対血圧測定モードに移行し、測定誤差と判定されれば、第1の低圧制御目標値V0_Lによる相対測定モードに戻すことができる。したがって、誤差により絶対血圧測定モードに移行される確率が実施の形態2に比べて減少する。その結果、より十分に末梢側の鬱血を防止することができる。
なお、各実施の形態の血圧測定装置が行なう血圧測定方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disc-ROM)などの光学媒体や、メモリカードなどのコンピュータ読取り可能な一時的でない(non-transitory)記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記憶された記憶媒体とを含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 血圧測定装置、10 本体部、20 カフ、21 空気袋、30 エア系、31 エアチューブ、32 圧力センサ、33 発振回路、40 表示部、41 操作部、41A 電源スイッチ、41B 測定スイッチ、41C 停止スイッチ、41D メモリスイッチ、42 メモリ部、43 フラッシュメモリ、44 電源、45 計時部、46 インターフェイス部、50 調整ユニット、51 ポンプ、52 弁、53 ポンプ駆動回路、54 弁駆動回路、70 動脈容積センサ、71 発光素子、72 受光素子、73 発光素子駆動回路、74 動脈容積検出回路、100 CPU、102 検出処理部、104 算出部、106 測定処理部、107 ゲイン決定部、132 記録媒体。
Claims (11)
- 動脈の容積を一定に保つことにより連続的に血圧を測定するための血圧測定装置であって、
所定の測定部位に巻き付けるためのカフと、
前記カフ内の圧力を加圧および減圧により調整するための調整手段と、
前記カフ内の圧力を表わすカフ圧を検出するための圧力検出手段と、
前記カフの所定の位置に配置され、動脈の容積を示す動脈容積信号を検出するための容積検出手段と、
動脈の内圧と平衡する圧力未満の第1の低カフ圧での前記動脈容積信号に基づく値を、第1の低圧制御目標値として検出するための検出処理手段と、
前記動脈容積信号の値が前記第1の低圧制御目標値と一致するよう前記調整手段のサーボ制御を行なうことで、連続的に血圧を測定する第1の測定処理を行なうための測定処理手段とを備え、
前記測定処理手段は、前記第1の測定処理において、前記動脈容積信号の値と前記第1の低圧制御目標値との差が第1の値以下となったときのカフ圧を、相対血圧として決定する、血圧測定装置。 - 前記第1の低カフ圧は、拡張期血圧以下の圧力値であり、
前記第1の低圧制御目標値は、前記拡張期血圧以下の圧力値での前記動脈容積信号に基づく値を示す、請求項1に記載の血圧測定装置。 - 前記検出処理手段は、さらに、動脈の内圧とカフ圧とが平衡状態の場合における前記動脈容積信号に基づく値を、平衡制御目標値として検出し、かつ、前記平衡制御目標値が検出された時点におけるカフ圧を平衡カフ圧として検出し、
前記測定処理手段は、決定された前記相対血圧を、前記第1の低カフ圧と前記平衡カフ圧との圧力差により補正する、請求項1または2に記載の血圧測定装置。 - 前記検出処理手段は、さらに、動脈の内圧とカフ圧とが平衡状態の場合における前記動脈容積信号に基づく値を、平衡制御目標値として検出し、
前記測定処理手段は、さらに、前記平衡制御目標値を用いて測定処理を行なう、請求項1または2に記載の血圧測定装置。 - 前記測定処理手段は、前記第1の低圧制御目標値によるサーボ制御の期間において、条件によって、サーボ制御の目標値を、前記第1の低圧制御目標値から前記平衡制御目標値に切替えることにより、絶対血圧を測定する、請求項4に記載の血圧測定装置。
- 前記測定処理手段は、前記条件が解除された場合に、サーボ制御の目標値を、前記平衡制御目標値から前記第1の低圧制御目標値に戻す、請求項5に記載の血圧測定装置。
- 前記条件は、血圧変動が検出された場合を表わす、請求項5または6に記載の血圧測定装置。
- 前記検出処理手段は、さらに、第2の低カフ圧での前記動脈容積信号に基づく値を、第2の低圧制御目標値として検出し、
前記第2の低カフ圧は、前記第1の低カフ圧よりも高くかつ、前記平衡制御目標値が検出された時点におけるカフ圧を表わす平衡カフ圧未満であり、
前記測定処理手段は、サーボ制御の目標値を、前記第1の低圧制御目標値、前記第2の低圧制御目標値、および、前記平衡制御目標値のうちから1つを選択する、請求項5〜7のいずれかに記載の血圧測定装置。 - 前記検出処理手段は、さらに、動脈の内圧とカフ圧とが平衡状態の場合における前記動脈容積信号に基づく値を平衡制御目標値として検出し、
前記測定処理手段は、前記第1の測定処理に先立って、前記動脈容積信号の値が前記平衡制御目標値と一致するよう前記調整手段のサーボ制御を行なうことで連続的に血圧を測定する第2の測定処理を行なって、前記動脈容積信号が前記平衡制御目標値に達したときのサーボ制御の制御値を第2の値と決定し、前記第1の低圧制御目標値に対する前記平衡制御目標値の比率を前記第2の値に乗じて前記第1の測定処理に用いる、請求項1または2に記載の血圧測定装置。 - 動脈の容積を一定に保つことにより連続的に血圧を測定する方法であって、
測定部位に巻き付けられたカフの内圧が、前記測定部位にある動脈の内圧と平衡する圧力未満の低カフ圧である状態で、前記カフの所定の位置に配置された検出手段から出力される、動脈の容積を示す動脈容積信号に基づく値を、低圧制御目標値として検出するステップと、
前記動脈容積信号の値が前記低圧制御目標値と一致するよう、前記カフ内の圧力を加圧および減圧により調整するための調整ユニットのサーボ制御を行なうステップと、
前記動脈容積信号の値と前記低圧制御目標値との差が所定値以下となったときのカフ圧を、相対血圧として決定するステップとを備える、血圧測定方法。 - 動脈の容積を一定に保つことにより連続的に血圧を測定するための血圧測定プログラムであって、
動脈の内圧と平衡する圧力未満の低カフ圧での動脈容積信号に基づく値を、低圧制御目標値として検出するステップと、
前記動脈容積信号の値が前記低圧制御目標値と一致するよう調整ユニットのサーボ制御を行なうステップと、
前記動脈容積信号の値と前記低圧制御目標値との差が所定値以下となったときのカフ圧を、相対血圧として決定するステップとをコンピュータに実行させる、血圧測定プログラム。
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