JP2011200266A - 動脈硬化指標測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な装置で、被測定者への負担を小さくしつつ動脈硬化指標を測定する。
【解決手段】測定部位に装着されるカフ20に設けられ、測定部位の動脈の容積を検出する動脈容積センサ70と、カフ圧を加圧および減圧により調整するためのカフ圧制御部103と、指標検出部104とを備え、指標検出部104は、5mmHg/secでカフ圧を変化させる過程で逐次検出される動脈の容積の変化と、10mmHg/secでカフ圧を減圧する過程で逐次検出される動脈の容積の変化とに基づき、動脈硬化指標を算出する。
【選択図】図3

Description

この発明は、動脈硬化の指標を測定するために装置に関し、特に、動脈を外部から圧迫しながら検出される動脈容積の変化に基づき動脈硬化の指標を測定する動脈硬化指標測定装置に関する。
動脈壁の弾性力が低減する動脈硬化は、脳梗塞、脳出血、狭心症、心筋梗塞などの病気の要因となっている。動脈壁は、主に加齢とともに硬化が進行するが、同じ年齢でも血管の状態には個人差があることから食事、運動、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣の違いによっても進行速度は異なる。したがって、病気予防のために、動脈硬化の程度を表す動脈硬化指標の提示が要望されていた。
身体に負担をかけない動脈硬化測定方法として、従来から、非侵襲に測定する方法が提案されていた。非侵襲測定による動脈硬化指標として、脈波伝播速度や%FMD(Flow Mediated Dilation)などが用いられている。脈波伝播速度の測定方法においては、身体の離れた2箇所で脈波を検出し、検出した脈波を解析することにより動脈硬化指標を算出する(特許文献1)。
%FMDの検査では、上腕動脈を約5分間阻血し、阻血前後の血管径を測定し、測定結果に基づき血管径の増加率を算出し、算出した増加率を%FMDとする(特許文献2)。
%FMDと同様の原理を利用し血管径の増加率を簡便に計測する方法として、生体インピーダンスを測定する方法が提案されている(特許文献3)。
特開平6−189917号公報 特開2003−180690号公報 特開2009−388号公報
特許文献1の方法では、装置が複雑化する。また、特許文献2の血管径の測定には血管画像を用いており、画像の取得および血管径の認識は医師の手と目によって行われる。このため検査者間・検査施設間において再現性が低い。また、装置の複雑化、検査に時間がかかり、被験者への負担が大きい。また、特許文献3の生体インピーダンスを用いた測定方法においても、検査に時間がかかるため被験者への負担が大きい。
それゆえに本発明の目的は、簡便な装置を用いて、また被測定者への負担を小さくしつつ、動脈硬化指標を測定することのできる動脈硬化指標測定装置を提供することである。
この発明のある局面に従うと、動脈の硬化の指標を測定するための動脈硬化指標測定装置は、測定部位に装着されるカフと、カフ内の圧力を表わすカフ圧を検出するための圧力検出手段と、カフに設けられ、測定部位の動脈の容積を検出するための容積検出手段と、カフ圧を加圧および減圧により調整するためのカフ圧調整手段と、第1の所定速度でカフ圧を変化させる第1過程で容積検出手段が逐次検出する前動脈の容積の変化と、第1の所定速度とは異なる第2の所定速度でカフ圧を変化させる第2過程で容積検出手段が逐次検出する動脈の容積の変化とに基づき、動脈硬化指標を測定する指標測定手段と、を備える。
好ましくは、第1過程では、第1の所定速度でカフ圧を加圧するように変化させ、第2過程では、第2の所定速度でカフ圧を加圧するように変化させる。
好ましくは、第1過程では、第1の所定速度でカフ圧を減圧するように変化させ、第2過程では、第2の所定速度でカフ圧を減圧するように変化させる。
好ましくは、カフ圧の変化に伴って容積検出手段が逐次検出する動脈の容積に基づき、当該容積を示す動脈容積信号と、当該容積の変化を示す動脈容積変化信号とを検出して出力する容積信号検出手段を、さらに備える。
好ましくは、指標測定手段は、第1過程において容積信号検出手段が出力する動脈容積変化信号の振幅が最大振幅を指示するときに検出される動脈容積信号に基づく値と、第2過程において容積信号検出手段が出力する動脈容積変化信号の振幅が最大振幅を指示するときに検出される動脈容積信号に基づく値との差に基づき、動脈硬化指標を算出する。
好ましくは、指標測定手段は、第1過程において、容積信号検出手段が出力する動脈容積信号に基づく値が所定値を指示するときに、圧力検出手段が検出するカフ圧と、第2過程において、容積信号検出手段が出力する動脈容積信号に基づく値が所定値を指示するときに、圧力検出手段が検出するカフ圧との差に基づいて、動脈硬化指標を算出する。
好ましくは、指標測定手段は、第1過程において、圧力検出手段が所定圧を指すカフ圧を検出するときに容積信号検出手段が出力する動脈容積信号に基づく値と、第2過程において、圧力検出手段が所定圧を指すカフ圧を検出するときに容積信号検出手段が出力する動脈容積信号に基づく値との差に基づいて、動脈硬化指標を算出する。
好ましくは、指標測定手段は、第1過程において容積信号検出手段が閾値以上の振幅値を有する動脈容積変化信号を検出開始するときに、容積信号検出手段が出力する動脈容積信号に基づく値と、第2過程において容積信号検出手段が閾値以上の振幅値を有する動脈容積変化信号を検出開始するときに、容積信号検出手段が出力する動脈容積信号に基づく値との差に基づいて、動脈硬化指標を算出する。
好ましくは、指標測定手段は、第1過程において容積信号検出手段が閾値未満の振幅値を有する動脈容積変化信号を検出開始するときに、容積信号検出手段が出力する動脈容積信号に基づく値と、第2過程において容積信号検出手段が閾値未満の振幅値を有する動脈容積変化信号を検出開始するときに、容積信号検出手段が出力する動脈容積信号に基づく値との差に基づいて、動脈硬化指標を算出する。
好ましくは、指標測定手段は、カフ圧調整手段がカフ圧を変化させる過程において、容積信号検出手段が検出する動脈容積信号に基づき、動脈が最大径であることを指示する動脈容積信号の値と、動脈が閉塞状態であることを指示する動脈容積信号の値との差分を検出する差分検出手段を、含み、正規化された動脈硬化指標を算出するために、差を、差分検出手段が検出した差分により除する。
好ましくは、指標測定手段は、第1過程において、圧力検出手段が所定圧を指すカフ圧を検出したときから、動脈容積信号に基づく値が所定値を指示する当該動脈容積信号を容積信号検出手段が検出するまでの時間長さと、第2過程において、圧力検出手段が所定圧を指すカフ圧を検出したときから、動脈容積信号に基づく値が所定値を指示する当該動脈容積信号を容積信号検出手段が検出するまでの時間長さとの差に基づいて、動脈硬化指標を算出する。
この発明の他の局面に従うと、測定部位に装着されるカフ内の圧力を表わすカフ圧を変化させながら、動脈の硬化の指標を測定するための動脈硬化指標測定プログラムであって、カフ圧を加圧および減圧により調整するステップと、第1の所定速度でカフ圧を変化させる第1過程で逐次検出される動脈の容積の変化と、第1の所定速度とは異なる第2の所定速度でカフ圧を変化させる第2過程で逐次検出される動脈の容積の変化とに基づき、動脈硬化指標を算出するステップと、をコンピュータに実行させる。
本発明によれば、カフ圧を第1の所定速度で変化させる第1過程と、第1の所定速度とは異なる第2の所定速度で変化させる第2過程のそれぞれにおいて、カフ圧の変化に従う動脈の容積を逐次検出し、検出された動脈の容積変化を定量化して動脈硬化指標とするので、特別な機構を設けることなく、また長時間の阻血を行うことなく簡便に動脈硬化指標を測定することができる。
本発明の各実施の形態に係る電子血圧計の外観斜視図である。 本発明の各実施の形態に係る電子血圧計におけるカフ圧を制御する概念を表わした図である。 本発明の各実施の形態に係る電子血圧計のハードウェア構成を表わすブロック図である。 本発明の実施の形態1における加圧過程の測定処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1における減圧過程の測定処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係るST5、ST8、ST16、ST19のフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係るST5、ST8、ST16、ST19のフローチャートである。 本発明の実施の形態3に係るST5、ST8、ST16、ST19のフローチャートである。 本発明の実施の形態4に係るST5、ST8、ST16、ST19のフローチャートである。 本発明の実施の形態5に係るST5、ST8、ST16、ST19のフローチャートである。 本発明の実施の形態6に係るST5、ST8、ST16、ST19のフローチャートである。 本実施の形態4に係る動脈硬化指標と、脈波伝播速度との相関関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態1に係る差ΔVを説明する図である。 本発明の実施の形態2に係る差ΔPdsを説明する図である。 本発明の実施の形態3に係る差ΔPdeを説明する図である。 本発明の実施の形態4に係る差ΔPdcを説明する図である。 本発明の実施の形態5に係る差ΔPcを説明する図である。 (A)と(B)は、本発明の実施の形態6に係る差ΔTを説明する図である。
以下、この発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を指し、その説明は繰返さない。
各実施の形態に係る動脈硬化指標測定装置は、血圧測定機能を備える電子血圧計に搭載されると想定するが、動脈硬化指標測定機能のみを備える装置として提供されてもよい。
(動脈硬化指標の測定の概念)
動脈に対して加える外圧(カフ圧)を変化させた場合には、カフ圧の変化の大きさに応じて動脈壁の変形の程度(力学的な応答特性という)は相違し、動脈壁の変形の程度に従って動脈容積は変化すること、および、カフ圧の変化量に対する、動脈壁の応答特性は、動脈硬化度によって相違することが、知られている。
そこで発明者らは、カフ圧を第1の所定速度(後述の5mmHg/sec)で連続的に変化させた場合の動脈壁の応答特性と、カフ圧を第1速度とは異なる第2の所定速度(後述の10mmHg/sec)で連続的に変化させた場合の動脈壁の応答特性との差は、動脈硬化度に依存するであろうとを推定した。そして、異なる速度によりカフ圧を加圧(もしくは減圧)を行い、動脈壁の硬さによる力学的な応答特性を動脈容積の差分として測定し、測定した差分を定量化すれば動脈硬化指標とすることができるであろう、との知見を得た。
なお、第1および第2の所定速度は、一般的な動脈硬化度の動脈壁を変形させることが可能な速度であり、予め実験による検出されている。
(実施の形態1)
〈装置の外観〉
図1は、本発明の各実施の形態に係る電子血圧計1の外観斜視図である。
図1を参照して、電子血圧計1は、本体部10と、被測定者の四肢に巻き付け可能なカフ20とを備える。本体部10はカフ20に取り付けられている。本体部10の表面には、たとえば液晶等により構成される表示部40と、被測定者からの指示を受付けるための操作部41とが配置されている。操作部41は、複数のスイッチを含む。なお、電子血圧計1は、カフ20を指に巻き付けるタイプであってもよい。
本実施の形態において、「四肢」とは、上肢および下肢のうち、それぞれの指を除く部位を表わす。つまり、四肢は、手首から腕の付け根までの部位と、足首から足の付け根までの部位とを含む。以下の説明においては、カフ20は、被測定者の手首に装着されるものとする。
なお、本実施の形態における電子血圧計1は、図1に示されるように、本体部10がカフ20に取り付けられた形態を例に説明するが、上腕式の血圧計で採用されているような、本体部10とカフ20とがエアチューブ(後述の図3においてエアチューブ31)によって接続される形態のものであってもよい。
図2は、本発明の各実施の形態に係る電子血圧計1におけるカフ圧を制御する概念を表わした図である。図2には、カフ20が、被測定者の手首200に装着された様子が示される。
図2を参照して、本体部10には、ポンプ57および排気弁(以下、単に「弁」という)52を含むカフ圧の調整機構が配置される。
ポンプ57、弁52、および空気袋21内の圧力(カフ圧)を検出するための圧力センサ32からなるエア系30は、エアチューブ31を介して、カフ20に内包される空気袋21と接続される。このように、エア系30が本体部10に設けられるため、カフ20の厚みを薄く保つことができる。
空気袋21の内側には発光素子71と受光素子72とが所定の間隔に配置される。本実施の形態では、カフ20の装着状態における手首の周に沿って発光素子71と受光素子72とが並べられるが、このような配置例に限定されるものではない。
(ハードウェア構成)
図3は、電子血圧計1のハードウェア構成を表わすブロック図である。
図3を参照して、電子血圧計1のカフ20は、空気袋21と、動脈容積センサ70とを含む。動脈容積センサ70は、上述した発光素子71と受光素子72とを有する。発光素子71は、動脈に対して光を照射し、受光素子72は、発光素子71によって照射された光の動脈の透過光または反射光を受光する。
なお、動脈容積センサ70は、カフ圧の変化および脈動によって変化する動脈の容積が検出できるものであればよく、インピーダンスにより動脈の容積を検出するものであってもよい。その場合、発光素子71および受光素子72に代えて、動脈を含む部位のインピーダンスを検出するための複数の電極が含まれる。
本体部10は、上述の表示部40および操作部41に加え、各部を集中的に制御し、各種の演算処理を行なうためのCPU(Central Processing Unit)100と、CPU100に所定の動作をさせるプログラムや各種データを記憶するためのメモリ部42と、測定されたデータを記憶するための不揮発性メモリ(たとえばフラッシュメモリ)43と、CPU100を介し各部に電力を供給するための電源44、および現在時間を計時して計時データをCPU100に出力するタイマ45とを含む。操作部41は、電源をONまたはOFFするための指示の入力を受付ける電源スイッチ41Aと、測定開始の指示を受付けるための測定スイッチ41Bと、測定停止の指示を受付けるための停止スイッチ41Cと、不揮発性メモリ43に記録されたデータを読出す指示を受付けるためのメモリスイッチ41Dとを有する。
本体部10は、さらに、上述したエア系30と、カフ圧の調整機構50と、発振回路33と、発光素子駆動回路73と、動脈容積検出回路74とを含む。
調整機構50は、ポンプ57、弁52、ポンプ駆動回路53および弁駆動回路54を有する。
ポンプ57は、カフ圧を加圧するために、空気袋21に空気を供給する。弁52は、空気袋21の空気を排出しまたは封入するために開閉される。ポンプ駆動回路53は、ポンプ57の駆動をCPU100から与えられる制御信号に基づいて制御する。弁駆動回路54は弁52の開閉制御をCPU100から与えられる制御信号に基づいて行なう。
発光素子駆動回路73は、CPU100からの指令信号に応じて、発光素子71を所定のタイミングで発光させる。動脈容積検出回路74は、受光素子72からの信号に基づき、動脈容積を検出する。
動脈容積検出回路74は、図示のないHPF(High Pass Filter)回路を有している。動脈容積検出回路74は、動脈容積センサ70から動脈の容積の変化を指す容積脈波信号を入力する。容積脈波信号は、脈波を心臓の拍動に伴う血管内容積の変動として表す信号である。なお、血管内容積の変動は、血管内の血液組織量変動として捉えることが可能である。動脈容積検出回路74は、動作において、動脈容積センサ70から入力する容積脈波信号出力を、HPF回路により、容積脈波信号の直流成分を指す動脈容積信号Pdと交流成分を指す動脈容積変化信号Paに分離して出力する。たとえば、フィルタ定数を1Hzとして、1Hz以下の信号は直流成分として導出されて、1Hzを超える信号は交流成分として導出される。動脈容積変化信号Paは、測定部位の動脈の容積の変化量を指し、より具体的には当該変化量は動脈容積変化信号Paの振幅値により示される。動脈容積信号Pdは一拍ごとの容積脈波信号を平均化することにより検出されてもよい。
圧力センサ32は、静電容量型の圧力センサでありカフ圧により容量値が変化する。発振回路33は、圧力センサ32の容量値に応じた発振周波数の信号をCPU100に出力する。CPU100は、発振回路33から得られる信号を圧力に変換しカフ圧を検知する。
〈機能構成〉
図3には、本発明の各実施の形態に係る電子血圧計1の機能構成も示される。
図3を参照して、CPU100は、カフ圧を制御するためのカフ圧制御部103、動脈硬化指標を測定するための指標検出部104、および血圧測定部108を備える。
カフ圧制御部103は、調整機構50を駆動することによりカフ圧を可変に制御する。
指標検出部104は、カフ圧を変化させる過程で検出される容積脈波信号またはカフ圧に基づき、動脈硬化指標を検出のための所定の目標値を検出する目標検出部105、カフ圧を変化させる過程で検出される容積脈波信号に基づき動脈容積の情報を検出する動脈容積検出部106、目標検出部105および動脈容積検出部106の検出結果に基づき動脈硬化指標を算出するための指標算出部107を含む。
血圧測定部108は、容積補償法により連続的に血圧を測定するために、サーボ制御部110を有する容積一定制御部109、および血圧決定部111を含む。
(血圧測定部108の血圧測定方法)
容積一定制御部109は、容積補償法による血圧測定時に、生体外から測定部位の動脈に外圧を加え、生体外圧(カフ圧)と動脈内圧すなわち血圧とが常時平衡するように最適なサーボゲインを決定する。サーボ制御部110は、決定されたサーボゲインを用いて、ポンプ駆動回路53および弁駆動回路54をサーボ制御する。
つまり、容積一定制御部109が、カフ圧制御部103を介してカフ圧を初期カフ圧(後述する)に設定した後、サーボ制御部110は、動脈容積検出回路74から出力される動脈容積信号Pdが、目標検出部105が検出した制御目標値V0に一致するように、ポンプ駆動回路53および弁駆動回路54をサーボ制御する。ここで、制御目標値V0は、動脈内圧と生体外圧が平衡した状態(動脈壁が無負荷状態)時の動脈容積を指す。したがって、制御目標値V0は、平衡制御目標値V0ともいう。
サーボ制御では、動脈容積を平衡制御目標値V0に維持するように、制御偏差に応じたサーボゲインが決定されて、決定されたサーボゲインに従う制御量(電圧信号)を用いてポンプ駆動回路53および弁駆動回路54はフィードバック制御される。これにより、空気袋21内に供給/排気される流体量は、上述の平衡状態を維持するように制御される。
このような、サーボ制御を用いた動脈容積一定制御のもとで、血圧決定部111が、圧力センサ32および発振回路33を介して検出される生体外圧(すなわちカフ圧)を検出することにより、連続的に血圧を測定することができる。
なお、血圧測定の方法は、容積補償法に限定されず、オシロメトリック法など他の測定方法であってもよい。
CPU100に含まれる各機能ブロックの動作は、メモリ部42中に格納されたソフトウェアを実行することで実現されてもよいし、これらの機能ブロックのうち少なくとも1つについては、ハードウェアで実現されてもよい。あるいは、ハードウェア(回路)として記載したブロックのうち少なくとも1つについては、CPU100がメモリ部42中に格納されたソフトウェアを実行することで実現されてもよい。
これら機能部を用いた処理を示す後述の図4〜図11のフローチャートは、予めプログラムとしてメモリ部42に格納されており、CPU100がこのプログラムを読み出して実行することにより、測定処理の機能が実現される。図12には、動脈硬化指標と脈波伝播速度との相関関係が示されている。
〈全体処理〉
次に、本実施の形態における電子血圧計1の動作について説明する。本実施の形態では、測定部位の動脈に対するカフ圧の変化速度(加圧速度/減圧速度)を異ならせた場合に、カフ圧変化速度に従ってカフ圧と動脈容積の関係が異なることより動脈硬化度を算出する。カフ圧の加圧速度を変化させる場合と、減圧速度を変化させる場合とについて説明する。
(加圧速度を変化させる場合)
図4は、本発明の実施の形態1における加圧過程における測定処理を示すフローチャートである。なお、被測定者は、血圧測定をするときには、電子血圧計1のカフ20を図2に示すように測定部位である手首に装着していると想定する。
図4を参照して、CPU100は、電源スイッチ41Aが操作(たとえば押下)されたか否かを検出する(ステップST(以下、単にSTと略す)1)。電源スイッチ41Aが操作されたと検出した場合、処理はST2に進む。
ST2において、CPU100は、初期化処理を行なう。具体的には、メモリ部42の所定の領域を初期化し、空気袋21の空気を排気し、圧力センサ32の補正を行なう。
初期化が終わると、CPU100は、測定スイッチ41Bが操作(たとえば押下)されたか否かを検出する(ST3)。測定スイッチ41Bが操作されるまで待機する。測定スイッチ41Bが押下されたと検出すると、処理はST4に進む。
ST4〜ST9の処理において、動脈硬化指指標を検出するための処理が実行される。まず、ST4において、指標検出部104の指示に従いカフ圧制御部103は、弁駆動回路54とポンプ駆動回路53を制御する。これにより弁52は閉じられて、カフ圧が一定速度(たとえば、5mmHg/sec)で増加するようにポンプ57は駆動される。
カフ圧が測定部位の動脈を閉塞状態とする所定圧(たとえば、最高血圧(収縮期血圧)+30mmHg)を指示するまで、一定速度で増加させる。このような加圧過程において、目標検出部105は、初期カフ圧および平衡制御目標値V0を検出する(ST5)。
加圧過程が終了すると、ST6において、指標検出部104の指示に従いカフ圧制御部103は調整機構50を制御する。これにより、ポンプ57は停止し、たとえば、0mmHgを指示するまでカフ圧を減少させるように、弁52を開く。または、弁52を閉じた状態でカフ圧が減少するようにポンプ57を駆動してもよい。
カフ圧が0mmHgを指示したことが検出されると、加圧が開始される。つまり、ST7において、指標検出部104の指示に従いカフ圧制御部103は、弁駆動回路54とポンプ駆動回路53を制御する。これにより弁52は閉じられて、カフ圧がST4とは異なる加圧速度(たとえば、10mmHg/secの一定速度)で増加するようにポンプ57は駆動される。
カフ圧が測定部位の動脈を閉塞状態とする所定圧(たとえば、最高血圧(収縮期血圧)+30mmHg)を指示するまで、一定速度で増加させる。このような加圧過程において、目標検出部105は、初期カフ圧および平衡制御目標値V0を検出する(ST8)。
上述のカフ圧を異なる速度で変化させる加圧過程では、動脈容積検出部106は、動脈容積検出回路74から逐次入力する動脈容積信号Pdに基づき、動脈容積の最大値Pdmaxと最小値Pdminを検出する。
カフ圧を変化させる過程で初期カフ圧および平衡制御目標値V0を検出する詳細は後述する。ここでは、5mmHg/secの速度による加圧過程で検出される平衡制御目標値V0をV5と呼び、5mmHg/secの速度による加圧過程で検出される平衡制御目標値V0をV10と呼ぶ。
減圧過程を終了後、ST9では、指標算出部107は、検出された平衡制御目標値V5とV10、ならびに動脈容積の最大値Pdmaxと最小値Pdminを用いて、(式1)と(式2)に従って、平衡制御目標値V10とV5との差ΔV(すなわち、V10とV5の差の絶対値)と、動脈硬化指標ASIv0を算出する。
ΔV=|V10−V5|…(式1)
ASIv0=ΔV/(Pdmax−Pdmin)…(式2)
動脈硬化指標が算出されると、ST10では、血圧測定部108は血圧を測定する。ST11では、CPU100は、測定された動脈硬化指標ASIv0と血圧とを関連付けて不揮発性メモリ43の所定領域に格納するとともに、表示部40を介して出力する。
以上により、加圧速度を異ならせた場合における動脈硬化指標ASIv0の測定処理は終了する。なお、図4では、5mmHg/secで加圧後に10mmHg/secで加圧したが、10mmHg/secで加圧後に5mmHg/secで加圧してもよい。また、加圧速度は、これらの値に限定されず、異なる速度であればよい。
(減圧速度を変化させる場合)
図5は、本発明の実施の形態1における減圧過程における測定処理を示すフローチャートである。なお、被測定者は、血圧測定をするときには、電子血圧計1のカフ20を図2に示すように測定部位である手首に装着していると想定する。
図5を参照して、ST11〜ST13の処理は、図4のST1〜ST3の処理と同様である。
ST14〜ST20の処理において、動脈硬化指指標を検出するための処理が実行される。まず、ST14において、指標検出部104の指示に従いカフ圧制御部103は、弁駆動回路54とポンプ駆動回路53を制御する。これにより弁52は閉じられて、カフ圧が増加するようにポンプ57は駆動される。カフ圧が測定部位の動脈を閉塞状態とする所定圧(たとえば、最高血圧(収縮期血圧)+30mmHg)を指示するまで、カフ圧を増加させる(ST5)。
加圧過程が終了すると、ST15において、指標検出部104の指示に従いカフ圧制御部103は調整機構50を制御する。これにより、ポンプ57は停止し、たとえば、0mmHgを指示するまでカフ圧を、一定速度(たとえば、5mmHg/sec)で減少させるように、弁52は徐々に開く。または、弁52を閉じた状態でカフ圧が減少するようにポンプ57を駆動してもよい。このような減圧過程において、目標検出部105は、初期カフ圧および平衡制御目標値V0を検出する(ST16)。
カフ圧が0mmHgを指示したことが検出されると、加圧が開始される。つまり、ST17において、指標検出部104の指示に従いカフ圧制御部103は、弁駆動回路54とポンプ駆動回路53を制御する。これにより弁52は閉じられて、カフ圧が増加するようにポンプ57は駆動される。カフ圧が測定部位の動脈を閉塞状態とする所定圧(たとえば、最高血圧(収縮期血圧)+30mmHg)を指示するまで、増加させる。
加圧過程が終了すると、ST18において、指標検出部104の指示に従いカフ圧制御部103は調整機構50を制御する。これにより、ポンプ57は停止し、たとえば、0mmHgを指示するまでカフ圧を、ST15とは異なる減圧速度(たとえば、10mmHg/secの一定速度)で減圧する。
このような減圧過程において、目標検出部105は、初期カフ圧および平衡制御目標値V0を検出する(ST19)。
上述のカフ圧を異なる速度で変化させる減圧過程では、動脈容積検出部106は、動脈容積検出回路74から逐次入力する動脈容積信号Pdに基づき、動脈容積の最大値Pdmaxと最小値Pdminを検出する。
カフ圧を変化させる過程で初期カフ圧および平衡制御目標値V0を検出する詳細は後述する。ここでは、5mmHg/secの速度による減圧過程で検出される平衡制御目標値V0をV5と呼び、10mmHg/secの速度による減圧過程で検出される平衡制御目標値V0をV10と呼ぶ。
減圧過程を終了後、ST20では、指標算出部107は、検出された平衡制御目標値V5とV10、ならびに動脈容積の最大値Pdmaxと最小値Pdminを用いて、上述の(式1)と(式2)に従って、平衡制御目標値V10とV5との差ΔVと、動脈硬化指標ASIv0を算出する。
動脈硬化指標が算出されると、ST21とST22では、ST10とST11と同様に、血圧測定がされて、動脈硬化指標ASIv0と血圧とを関連付けて不揮発性メモリ43の所定領域に格納するとともに、表示部40を介して出力する。
以上により、減圧速度を異ならせた場合における動脈硬化指標ASIv0の測定処理は終了する。
〈V0検出手順〉
図6には、実施の形態1に係る図4のST5とST8、および図5のST16とST19における平衡制御目標値V0の検出フローチャートが示される。図5を参照して、目標検出部105は、カフ圧を変化させる過程(加圧過程または減圧過程)において、逐次入力する動脈容積変化信号Paについて、振幅が最大であるか否かを判定する(ST101)。振幅が最大と判定されたとき(ST101でYES)に、入力する動脈容積信号Pdの値(電圧値)と、発振回路33の出力に基づき検出するカフ圧を、関連付けてメモリ部42の所定領域に格納する(ST102)。
目標検出部105は、カフ圧と所定圧とを比較し、比較結果に基づきカフ圧が所定圧を指示するか否かを判定する(ST103)。所定圧を指示しない、すなわちカフ圧は所定圧未満を指示すると判定される間は(ST103でNO)、カフ圧制御部103は調整機構50を、一定速度でカフ圧を変化(増加/減少)させるよう制御する。
カフ圧が所定圧を指示すると判定されるまでの間、動脈容積変化信号Paの振幅の(仮の)最大値を検出するとともに、発振回路33からの入力信号に基づきカフ圧を検出する。そして、検出された仮の最大値とその時点で検出されたカフ圧とを、メモリ部42の所定領域に記録する。仮の最大値とカフ圧とは、記録された(仮の)最大値が更新されるたびに上書き記録されてよい。
カフ圧が、所定圧を指示すると判定されるまでは(ST103でYES)、上記動作が繰り返される(ST103)。
上述の所定圧とは、加圧過程であれば動脈を十分に閉塞させるためのカフ圧であればよく、被験者について予め測定しておいた収縮期血圧に対して十分に高い値(例えば収縮期血圧+30mmHg)でよい。減圧過程では、所定圧は動脈が十分に開放されている状態(最大径を指す状態)のカフ圧であればよく、たとえばカフ圧が0mmHgであればよい。減圧過程の所定圧の検出は、動脈容積変化信号Paが消失したことを確認する方法でなされてもよい。
図6の処理により最終的に、メモリ部42において動脈容積変化信号Paの振幅の最大値として記録された値は、5mmHg/secの一定速度でカフ圧を変化させる過程(加圧/減圧過程)では、平衡制御目標値V5として確定(格納)され、10mmHg/secの一定速度でカフ圧を変化させる過程(加圧/減圧過程)では、平衡制御目標値V10として確定(格納)される。平衡制御目標値V5とV10は、サーボ制御の際の制御目標値として参照される。また、動脈容積変化信号Paの振幅が最大値を指示するときに検出されるカフ圧は、サーボ制御の際の基準カフ圧すなわち初期カフ圧として確定される。
血圧測定部108では、血圧測定開始時に、カフ圧をメモリ部42から読出した初期カフ圧に設定した後、メモリ部42から読出した平衡制御目標値V5またはV10を制御目標値として用いて血圧測定のためのサーボ制御を開始する。
図13のグラフを参照して、加圧過程で検出される平衡制御目標値V5とV10との差ΔVを説明する。図13のグラフの横軸はカフ圧変化過程の時間(sec)の経過を示し、縦軸は時間経過に従い検出されるカフ圧(mmHg)と動脈容積信号Pdの値(電圧:V)を示す。カフ圧の変化は破線で、動脈容積信号Pdの変化は、実線で示される。
動脈が平衡状態(無負荷状態)であるときには、カフ圧(外圧)の変化に対して動脈容積の変化は最大となる、すなわち動脈容積変化信号Paの振幅は最大となる。したがって、目標検出部105は、図13に示すように、5mmHg/secの加圧過程において動脈容積変化信号Paの最大振幅が検出されたときに検出される動脈容積信号Pdを、平衡制御目標値V5と決定し、10mmHg/secの加圧過程において動脈容積変化信号Paの最大振幅が検出されたときに検出される動脈容積信号Pdを、平衡制御目標値V10と決定する。
ここで、動脈が最大径(動脈容積が最大値Pdmax)から閉塞状態(動脈容積が最小値Pdmin)まで変化する過程で検出される、動脈容積信号Pdの変化量には個人差があるため、動脈硬化指標を被験者間でばらつきのない精度で検出する、すなわち規格化することが望ましい。
血管の太さや発光素子71から出力される赤外光に対する吸光率など、個人による生体特徴の違いにより動脈容積信号Pdの値、およびPdmin〜Pdmaxには個人差がある。従って同程度の動脈硬化度であっても、ΔVの大きさに差が生じる。
そこで、Pdmin(血管最大拡張時)〜Pdmax(血管を完全に閉塞した状態)の差により規格することで、個人差の情報を排除する。つまり、動脈が最大径となっていると考えられるカフ圧が0mmHg時に検出される動脈容積信号Pd(Pdmin)と、動脈が閉塞していると考えられる動脈容積変化信号Paが消失時に検出される動脈容積信号Pd(Pdmax)の差を算出して、算出した差により、差ΔVを除することにより((式2)を参照)、動脈硬化指標ASIv0を規格化する。規格化することで、個人差を取り除いた動脈硬化指標ASIv0を算出することができる。
動脈硬化が進行している人では血管壁の弾性度が低い(伸展性は低い)ため、加圧過程では、加えた圧力(カフ圧)に対する動脈壁の応答は遅い。そのため、加圧過程で検出される差ΔVは比較的に大きくなり、動脈硬化指標ASIv0は大きくなる。また、動脈硬化が進行している人では血管壁の弾性度が低い(伸展性は低い)ため、減圧過程において血管を完全に閉塞した状態から血管を開放した場合には血管壁は元の状態に戻り易い(血管の拡張が生じ易い)。そのため、減圧過程で検出される差ΔVは比較的に小さく、動脈硬化指標ASIv0は小さくなる。
図13には図4のフローチャートに従う加圧過程に対応のグラフを示しているが、図5のフローチャートに従う減圧過程の場合でも、図13と同様のグラフを用いて説明することができる。
発明者らは、複数人の被験者それぞれについて、動脈硬化指標ASIv0と、脈波伝播速度baPWVを測定した。脈波伝播速度baPWVは、周知の動脈硬化指標の1種であり、被験者の上腕−足首間の脈波の伝播速度を指し、値が大きいほど血管壁の弾性は低いことを指す。測定結果によれば、動脈硬化指標ASIv0と、脈波伝播速度baPWVは相関性を有するとの知見を得た。したがって、本実施の形態で測定される動脈硬化指標ASIv0によれば、動脈硬化指標を提示することができる。
上述したように動脈壁の外圧(カフ圧)の変化に対する応答特性に着目すると、動脈硬化指標の算出は、異なる速度での加圧過程(または異なる速度で減圧過程)それぞれにおいて、動脈を同様の所定状態に設定した場合に検出される動脈容積の情報を用いた算出であれば、上述の無負荷状態の動脈容積V0を用いた算出に限定されるものではない。たとえば、動脈硬化指標を算出するための目標値として動脈容積V0を検出する他に、以下の(実施の形態2)〜(実施の形態6)に従う目標値を検出する方法であってもよい。
(実施の形態2)
本実施の形態では、カフ圧を5mmHg/secで変化させる過程(加圧/減圧過程)で動脈容積変化信号Paの振幅が出現し始めるときに検出される動脈容積信号Pds5と、カフ圧を10mmHg/secで変化させる過程(加圧/減圧過程)で動脈容積変化信号Paの振幅が出現し始めるときに検出される動脈容積信号Pds10に基づき、すなわち動脈を同様の所定状態に設定した場合に検出される動脈容積信号Pdに基づき、動脈硬化指標ASIacを算出する。
図14のグラフを参照して、加圧過程で検出される動脈容積信号Pds5とPds10との差ΔPdsを説明する。図14のグラフの横軸はカフ圧変化過程の時間(sec)の経過を示し、縦軸は時間経過に従い検出されるカフ圧(mmHg)と動脈容積信号Pd(電圧:V)を示す。カフ圧の変化は破線で、動脈容積信号Pdの変化は、実線で示される。
5mmHg/secの加圧過程で加圧開始後、動脈容積変化信号Paの振幅が検出開始される時点で検出される動脈容積信号PdをPds5として確定し、10mmHg/secの加圧過程で加圧開始後、動脈容積変化信号Paの振幅が検出開始される時点で検出される動脈容積信号PdをPds10として確定する。検出された動脈容積信号Pds5とPds10の差ΔPdsを算出する。差ΔPdsを差ΔVに代替して用いて(式2)に従い、動脈硬化指標ASIasを算出することができる。なお、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、PdminとPdmaxを検出する。
図14には図4のフローチャートに従う加圧過程に対応のグラフを示しているが、図5のフローチャートに従う減圧過程の場合でも、図14と同様のグラフを用いて説明することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、カフ圧を5mmHg/secで変化させる過程(加圧/減圧過程)で動脈容積変化信号Paの振幅が消失し始めるときに検出される動脈容積信号Pde5と、カフ圧を10mmHg/secで変化させる過程(加圧/減圧過程)で動脈容積変化信号Paの振幅が消失し始めるときに検出される動脈容積信号Pde10とに基づき、すなわち動脈を同様の所定状態に設定した場合に検出される動脈容積信号Pdに基づき、動脈硬化指標ASIaeを算出する。
図15のグラフを参照して、加圧過程で検出される動脈容積信号Pde5とPde10との差ΔPdeを説明する。図15のグラフの横軸はカフ圧変化過程の時間(sec)の経過を示し、縦軸は時間経過に従い検出されるカフ圧(mmHg)と動脈容積信号Pd(電圧:V)を示す。カフ圧の変化は破線で、動脈容積信号Pdの変化は、実線で示される。
5mmHg/secの加圧過程で加圧開始後、動脈容積変化信号Paの振幅が消失し始める(検出されなくなる)時点で検出される動脈容積信号PdをPde5として確定し、10mmHg/secの加圧過程で加圧開始後、動脈容積変化信号Paの振幅が消失し始める(検出されなくなる)時点で検出される動脈容積信号PdをPde10として確定する。検出された動脈容積信号Pde5とPde10の差ΔPdeを算出する。差ΔPdeを差ΔVに代替して用いて(式2)に従い、動脈硬化指標ASIacを算出することができる。なお、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、PdminとPdmaxを検出する。
図15には図4のフローチャートに従う加圧過程に対応のグラフを示しているが、図5のフローチャートに従う減圧過程の場合でも、図15と同様のグラフを用いて説明することができる。
(実施の形態4)
動脈容積とカフ圧の相関関係に基づき、動脈硬化指標ASIpcを算出する。具体的には、カフ圧を5mmHg/secで変化させる過程と10mmHg/secで変化させる過程それぞれにおいて、共通の所定カフ圧が検出される時、すなわち動脈を同様の所定状態に設定した時に検出される動脈容積信号Pd(動脈容積信号Pdc5とPdc10)に基づき、動脈硬化指標ASIpcを算出する。つまり、5mmHg/secでのカフ圧変化過程と10mmHg/secでのカフ圧変化過程のそれぞれで所定カフ圧で動脈を圧迫した場合(すなわち動脈を同様の所定状態に設定した時)であっても、動脈壁のカフ圧変化に対する応答特性は動脈硬化度ゆえに、動脈容積は同じとはならずに相違する。この相違に着目して動脈硬化指標を算出することができる。
図16のグラフを参照して、カフ圧の加圧過程で検出される動脈容積信号Pdc5とPdc10との差ΔPdcを説明する。図16のグラフの横軸はカフ圧変化過程の時間(sec)の経過を示し、縦軸は時間経過に従い検出されるカフ圧(mmHg)と動脈容積信号Pd(電圧:V)を示す。カフ圧の変化は破線で、動脈容積信号Pdの変化は、実線で示される。
カフ圧の5mmHg/secの加圧過程で加圧開始後、カフ圧が所定カフ圧を指示する時に検出される動脈容積信号PdをPdc5として確定し、10mmHg/secの加圧過程で加圧開始後にカフ圧が当該所定カフ圧を指示する時に検出される動脈容積信号PdをPdc10として確定する。検出された動脈容積信号Pdc5とPdc10の差ΔPdcを算出し、差ΔPdcを差ΔVに代替して用いて(式2)に従い、動脈硬化指標ASIpcを算出することができる。なお、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、PdminとPdmaxを検出する。
図16には図4のフローチャートに従う加圧過程に対応のグラフを示しているが、図5のフローチャートに従う減圧過程の場合でも、図16と同様のグラフを用いて説明することができる。
図12には、本実施の形態により検出される動脈硬化指標ASIpcと、脈波伝播速度baPWV(cm/sec)との相関関係のグラフが示される。図12のグラフの縦軸には、動脈硬化指標ASIpcの値がとられ、横軸には脈波伝播速度baPWV(cm/sec)がとられる。脈波伝播速度baPWVは、周知の動脈硬化指標の1種であり、被験者の上腕−足首間の脈波の伝播速度を指し、値が大きいほど血管壁の弾性は低いことを指す。発明者らは、複数人の被験者それぞれについて、動脈硬化指標ASIv0と、脈波伝播速度baPWVを測定し、その結果を図12のグラフに示した。図示されるように、両者は相関性(相関係数R=0.73)を有するとの知見を得た。したがって、本実施の形態で測定される動脈硬化指標ASIpcによれば、動脈硬化指標を提示することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、動脈容積とカフ圧の相関関係に基づき、動脈硬化指標ASIdcを算出する。具体的には、5mmHg/secのカフ圧変化過程と10mmHg/secのカフ圧変化過程それぞれにおける、共通の所定動脈容積が検出されるときに検出されるカフ圧Pc5とPc10との差ΔPcに基づき、動脈硬化指標ASIdcを算出する。
図17のグラフを参照して、加圧過程において検出されるカフ圧Pc5とPc10との差ΔPcを説明する。図17のグラフの横軸はカフ圧変化過程の時間(sec)の経過を示し、縦軸は時間経過に従い検出されるカフ圧(mmHg)と動脈容積信号Pd(電圧:V)を示す。カフ圧の変化は破線で、動脈容積信号Pdの変化は、実線で示される。
5mmHg/secの加圧過程で加圧開始後、動脈容積信号Pdが所定レベル(所定電圧)を指示する時に検出されるカフ圧をカフ圧Pc5として確定し、10mmHg/secの加圧過程で加圧開始後、動脈容積信号Pdが所定レベル(所定電圧)を指示する時に検出されるカフ圧をカフ圧Pc10として確定する。検出されたカフ圧Pc5とPc10の差ΔPcを算出し、差ΔPcを差ΔVに代替して用いて(式2)に従い、動脈硬化指標ASIdcを算出することができる。なお、本実施の形態でも、実施の形態1と同様にPdminとPdmaxを検出する。
図17には図4のフローチャートに従う加圧過程に対応のグラフを示しているが、図5のフローチャートに従う減圧過程の場合でも、図17と同様のグラフを用いて説明することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、動脈容積とカフ圧の相関関係に基づき、動脈硬化指標ASItmを算出する。つまり、5mmHg/secでカフ圧を変化させる過程と10mmHg/secでカフ圧を変化させる過程のそれぞれで同じ大きさのカフ圧で動脈を圧迫した後は、一定速度で加圧/減圧するとしても、所定時間経過後の動脈容積は、動脈壁の外圧(カフ圧)の変化に対する応答速度は動脈硬化度ゆえに同じとはならず相違する。この相違に着目して動脈硬化指標を算出することができる。
具体的には、5mmHg/secでカフ圧を変化させる過程と10mmHg/secでカフ圧を変化させる過程それぞれにおける、共通の所定カフ圧が検出されてから、所定レベル(所定電圧値)の動脈容積信号Pdが検出されるまでの所要時間の差ΔTに基づき、動脈硬化指標ASItmを算出する。
図18のグラフを参照して、カフ圧の加圧過程で検出される差ΔTを説明する。図18のグラフの横軸はカフ圧変化過程の時間(sec)の経過を示し、縦軸は時間経過に従い検出されるカフ圧(mmHg)と動脈容積信号Pd(電圧:V)を示す。カフ圧の変化は破線で、動脈容積信号Pdの変化は、実線で示される。図18の(B)は、説明のために図18の(A)の一部を拡大して示す図である。
5mmHg/secでの加圧過程で加圧開始後、所定カフ圧を検出した時から所定値の動脈容積信号Pdが検出されるまでの時間長さである所要時間T5を検出し、10mmHg/secの加圧過程で加圧開始後に所定カフ圧を検出した時から所定値の動脈容積信号Pdが検出されるまでの時間長さである所要時間T10を検出する。検出された所要時間T5とT10の差ΔTを算出し、差ΔTを差ΔVに代替して用いて(式2)に従い、動脈硬化指標ASItmを算出する。なお、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、PdminとPdmaxを検出する。
図18には図4のフローチャートに従う加圧過程に対応のグラフを示しているが、図5のフローチャートに従う減圧過程の場合でも、図18と同様のグラフを用いて説明することができる。
次に、(実施の形態2)〜(実施の形態6)に従う検出処理フローについて説明する。実施の形態2〜6の各実施の形態の全体処理は、加圧過程においてはST5とST8の処理を除いては図4のそれと同じであり、減圧過程においてはST16とST19の処理を除いては図5のそれと同じである。したがって、相違する処理のみを説明する。
(実施の形態2の処理フロー)
本実施の形態では、図4のST5とST8の処理、および図5のST16とST19の処理は図7の処理に代替される。
図7を参照して、ST5における動脈容積信号Pds5(Pds10)の検出フローを説明する。まず、指標検出部104は、一時変数である脈波検出フラグに基づき、脈波検出がされているかを判定する(ST201)。脈波検出フラグは、初期化処理(ST2)において、初期値(OFF)に設定されている。
なお、脈波検出フラグは、カフ圧を変化させる過程で動脈容積変化信号Paの振幅が検出されたとき初めてONに更新される。したがって、検出されるまではOFFを指示する。
その後、目標検出部105は、動脈容積検出部106が検出する動脈容積変化信号Paの振幅値と閾値とを比較し、比較結果に基づき(振幅値≧閾値)の条件が成立するか否かを判定する(ST202)。
条件が成立したと判定すると、閾値以上の動脈容積変化信号Paの振幅が検出された、すなわち脈波が検出されたと判断して(ST202でYES)、そのときに検出される動脈容積信号Pd(動脈容積信号Pds)の値とカフ圧とを関連付けてメモリ部42に格納し、脈波検出フラグをONに更新する(ST203)。その後、ST204で、カフ圧が、5mmHg/sec(10mmHg/sec)のカフ圧変化過程の所定の目標値を指示しているか否かを判定する。指示すると判定すると(ST204でYES)、一連の処理は終了するが、指示しないと判定すると(ST204でNO)、ST201の処理に戻り、以降の処理が同様に繰返される。
条件が成立していないと判定すると、動脈容積変化信号Paの振幅が検出されていない、すなわち脈波が未だ検出されていないと判断して(ST202でNO)、処理はST204に移行する。
これにより、カフ圧が所定の目標値(加圧過程では、収縮期血圧+30mmHg、減圧過程では0mmHg)を指示するとき、メモリ部42には、動脈容積信号Pds5とPds10の値が格納されている。
(実施の形態3の処理フロー)
本実施の形態では、図4のST5とST8の処理、および図5のST16とST19の処理は図8の処理に代替される。
図8を参照して、動脈容積信号Pde5(Pde10)の検出フローを説明する。まず、指標検出部104は、一時変数である脈波消失フラグに基づき、脈波が消失されているか判定する(ST301)。脈波消失フラグは、初期化処理(ST2)において、初期値(OFF)に設定されている。脈波消失フラグは、カフ圧を変化させる過程において動脈容積変化信号Paの振幅が消失し始めたとき初めてONに更新される。したがって、消失するまではOFFを指示する。
その後、目標検出部105は、動脈容積検出部106が検出する動脈容積変化信号Paの振幅値と閾値とを比較し、比較結果に基づき(振幅値≧閾値)の条件が成立するか否かを判定する(ST302)。
条件が成立していないと判定すると、閾値未満の動脈容積変化信号Paの振幅値が検出されている、すなわち脈波が消失していないと判断して(ST302でNO)、処理はST304に移行する。条件が成立していないと判定すると、動脈容積変化信号Paの振幅が検出されていない、すなわち脈波が消失したと判断して(ST302でNO)、そのときに検出される動脈容積信号Pd(動脈容積信号Pde)の値とカフ圧とを関連付けてメモリ部42に格納し、脈波消失フラグをONに更新する(ST303)。その後、ST304で、カフ圧が、所定の目標値を指示しているか否かを判定する。指示すると判定すると(ST304でYES)、一連の処理は終了するが、指示しないと判定すると(ST304でNO)、ST301の処理に戻り、以降の処理が同様に繰返される。
これにより、カフ圧が所定の目標値(加圧過程では、収縮期血圧+30mmHg、減圧過程では0mmHg)を指示するとき、メモリ部42には、動脈容積信号Pde5とPde10の値が格納されている。
(実施の形態4の処理フロー)
本実施の形態では、図4のST5とST8の処理、および図5のST16とST19の処理は図9の処理に代替される。
図9を参照して、動脈容積信号Pdc5とPdc10を検出する手順を説明する。目標検出部105は、カフ圧の加圧過程でカフ圧を検出し、検出したカフ圧と所定カフ圧とを比較する。比較結果に基づき、検出カフ圧は、所定カフ圧を指示しないと判定されると(ST401でNO)、ST403の処理に移行するが、指示すると判定すると(ST401でYES)、その時に動脈容積検出部106が検出する動脈容積信号Pdを動脈容積信号Pdc5(またはPdc10)としてメモリ部42に格納する(ST402)。その後、検出されるカフ圧が所定の加圧目標値とを比較し(ST403)、比較結果に基づき検出カフ圧が加圧目標値(収縮期血圧+30mmHg)を指示するとき(ST403でYES)、メモリ部42には、動脈容積信号Pdinfの値が格納されている。
加圧目標値を指示しないと判定されると(ST403でNO)、ST401の処理に戻り、以降の処理が同様に行われる。
減圧過程でも、図9の手順に従って、動脈容積信号Pdc5とPdc10を検出することができる。この場合には、ST403で、検出されるカフ圧と比較される所定の減圧目標値は0mmHgとなり、最終的には、メモリ部42には、動脈容積信号Pdc5とPdc10の値が格納される。他の処理は、加圧過程で述べたとおりである。
なお、図9のST401で参照される所定カフ圧は、予め決めておいた値でもよいし、平衡制御目標値V5(またはV10)、動脈容積信号Pds5(またはPds10)、動脈容積信号Pde5(またはPde10)が検出された時点で検出されたカフ圧であってもよい。
(実施の形態5の処理フロー)
本実施の形態では、図4のST5とST8の処理、および図5のST16とST19の処理は図10の処理に代替される。
図10を参照して、カフ圧Pc5(Pc10)を検出する手順を説明する。目標検出部105は、加圧過程で動脈容積検出部106が検出する動脈容積信号Pdの値と所定値とを比較する。比較結果に基づき、検出された動脈容積信号Pdの値は所定値を指示しないと判定すると(ST501でNO)、ST503の処理に移行する。比較結果に基づき、検出された動脈容積信号Pdの値は所定値を指示すると判定すると(ST501でYES)、その時に検出されるカフ圧をカフ圧Pc5(またはPc10)としてメモリ部42に格納する(ST502)。その後、検出されるカフ圧と所定の加圧目標値(収縮期血圧+30mmHg)とを比較し、比較結果に基づき検出カフ圧が加圧目標値を指示するかを判定する(ST503)。
加圧目標値を指示しないと判定すると(ST503でNO)、ST401の処理に戻り、以降の処理が同様に行われるが、指示すると判定されると(ST503でYES)、一連の処理は終了する。
減圧過程において図8で示した手順で実行されて、カフ圧Pc5(またはPc10)がメモリ部42に格納される(ST502)。
図10のST501で参照される動脈容積信号Pdの加圧(減圧)過程で参照される所定値は、予め決めておいた値でもよいし、平衡制御目標値V0、動脈容積信号Pds5(またはPds10)、動脈容積信号Pde5(またはPde10)の値であってもよい。
(実施の形態6の処理フロー)
本実施の形態では、図4のST5とST8の処理、および図5のST16とST19の処理は図11の処理に代替される。
図11を参照して、カフ圧を変化させる過程における所要時間T5(またはT10)を検出する手順を説明する。
目標検出部105は、検出されるカフ圧と所定カフ圧とを比較し、比較結果に基づき、カフ圧は所定カフ圧を指示するか否かを判定する(ST601)。
所定カフ圧を指示すると判定すると(ST601でYES)、目標検出部105は、タイマ45を用いてタイマカンタの値を所定値(たとえば+1)だけ更新(インクリメント)する(ST602)。なお、タイマカウンタは一時変数を指し、図11の処理が開始される前に初期値(例えば0)が設定されていると想定する。
目標検出部105は、動脈容積検出部106が検出する動脈容積信号Pdの値と所定値とを比較し、比較結果に基づき、動脈容積信号Pdが所定値を指示するか否かを判定する(ST603)。所定値を指示すると判定すると(ST603でYES)、タイマカウンタの値は、所要時間T5(またはT10)としてメモリ部42の所定領域に格納される(ST604)が、指示しないと判定される間は(ST603でNO)、ST602の処理に戻り、タイマカウンタの値が更新される。
図11で参照される所定カフ圧と動脈容積信号Pdの所定値は、予め決めておいた値でもよいし、カフ圧を変化させる過程において検出した平衡制御目標値V0、動脈容積信号Pds5(またはPds10)、動脈容積信号Pde5(またはPde10)の値を用いればよい。
図18では加圧過程における計測例を示す。図18の場合は、5mmHg/secの加圧過程で検出された所要時間T5は0となり、ΔT=所要時間T10となる。
上述したように、(実施の形態2)〜(実施の形態6)の動脈硬化指標についても(式1)での平衡制御目標値V0を、各実施の形態で検出した値で置き換えて、差分を算出し、算出された差分を(式2)に従って規格化することにより、算出することができる。
ただし、動脈硬化指標ASIdcとASItmについては動脈容積信号変化量の個人差に影響される値ではないため、(式2)による規格化は必要とされない。したがって、(式1)に従って算出した値を、そのまま動脈硬化指標として用いればよい。これらを用いた場合にも、動脈硬化が進行している場合には加圧過程では動脈硬化指標の値は大きくなり、減圧過程では小さくなる。
またここでは、差から動脈硬化指標を算出する方法を示したが、加圧過程(または減圧過程)でカフ圧を変化させる速度を異ならせた場合の動脈壁の応答特性(応答速度)の違いを定量化できればよく、(式3)のように測定値の比を用いる方法も可能である。ASIv0=V0def/V0inf・・・(式3)
なお、各実施の形態の動脈硬化指標の測定方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disc-ROM)などの光学媒体や、メモリカードなどのコンピュータ読取り可能な一時的でない(non-transitory)記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記憶された記憶媒体とを含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
20 カフ、70 動脈容積センサ、103 カフ圧制御部、104 指標検出部、105 目標検出部、106 動脈容積検出部、107 指標算出部、108 血圧測定部。

Claims (12)

  1. 動脈の硬化の指標を測定するための動脈硬化指標測定装置であって、
    測定部位に装着されるカフと、
    前記カフ内の圧力を表わすカフ圧を検出するための圧力検出手段と、
    前記カフに設けられ、前記測定部位の動脈の容積を検出するための容積検出手段と、
    カフ圧を加圧および減圧により調整するためのカフ圧調整手段と、
    第1の所定速度でカフ圧を変化させる第1過程で前記容積検出手段が逐次検出する前記動脈の容積の変化と、前記第1の所定速度とは異なる第2の所定速度でカフ圧を変化させる第2過程で前記容積検出手段が逐次検出する前記動脈の容積の変化とに基づき、動脈硬化指標を測定する指標測定手段と、を備える、動脈硬化指標測定装置。
  2. 前記第1過程では、前記第1の所定速度でカフ圧を加圧するように変化させ、前記第2過程では、前記第2の所定速度でカフ圧を加圧するように変化させる、請求項1に記載の動脈硬化指標測定装置。
  3. 前記第1過程では、前記第1の所定速度でカフ圧を減圧するように変化させ、前記第2過程では、前記第2の所定速度でカフ圧を減圧するように変化させる、請求項1に記載の動脈硬化指標測定装置。
  4. カフ圧の変化に伴って前記容積検出手段が逐次検出する動脈の容積に基づき、当該容積を示す動脈容積信号と、当該容積の変化を示す動脈容積変化信号とを検出して出力する容積信号検出手段を、さらに備える、請求項1から3のいずれかに記載の動脈硬化指標測定装置。
  5. 前記指標測定手段は、
    前記第1過程において前記容積信号検出手段が出力する前記動脈容積変化信号の振幅がが最大振幅を指示するときに検出される前記動脈容積信号に基づく値と、前記第2過程において前記容積信号検出手段が出力する前記動脈容積変化信号の振幅が最大振幅を指示するときに検出される前記動脈容積信号に基づく値との差に基づき、前記動脈硬化指標を算出する、請求項4に記載の動脈硬化指標測定装置。
  6. 前記指標測定手段は、
    前記第1過程において、前記圧力検出手段が所定圧を指す前記カフ圧を検出するときに前記容積信号検出手段が出力する前記動脈容積信号に基づく値と、前記第2過程において、前記圧力検出手段が前記所定圧を指す前記カフ圧を検出するときに前記容積信号検出手段が出力する前記動脈容積信号に基づく値との差に基づいて、前記動脈硬化指標を算出する、請求項4に記載の動脈硬化指標測定装置。
  7. 前記指標測定手段は、
    前記第1過程において、前記容積信号検出手段が出力する前記動脈容積信号に基づく値が所定値を指示するときに、前記圧力検出手段が検出するカフ圧と、前記第2過程において、前記容積信号検出手段が出力する前記動脈容積信号に基づく値が前記所定値を指示するときに、前記圧力検出手段が検出するカフ圧との差に基づいて、前記動脈硬化指標を算出する、請求項4に記載の動脈硬化指標測定装置。
  8. 前記指標測定手段は、
    前記第1過程において前記容積信号検出手段が閾値以上の振幅値を有する前記動脈容積変化信号を検出開始するときに、前記容積信号検出手段が出力する前記動脈容積信号に基づく値と、前記第2過程において前記容積信号検出手段が前記閾値以上の振幅値を有する前記動脈容積変化信号を検出開始するときに、前記容積信号検出手段が出力する前記動脈容積信号に基づく値との差に基づいて、前記動脈硬化指標を算出する、請求項4に記載の動脈硬化指標測定装置。
  9. 前記指標測定手段は、
    前記第1過程において前記容積信号検出手段が閾値未満の振幅値を有する前記動脈容積変化信号を検出開始するときに、前記容積信号検出手段が出力する前記動脈容積信号に基づく値と、前記第2過程において前記容積信号検出手段が前記閾値未満の振幅値を有する前記動脈容積変化信号を検出開始するときに、前記容積信号検出手段が出力する前記動脈容積信号に基づく値との差に基づいて、前記動脈硬化指標を算出する、請求項4に記載の動脈硬化指標測定装置。
  10. 前記指標測定手段は、
    前記カフ圧調整手段がカフ圧を変化させる過程において、前記容積信号検出手段が検出する前記動脈容積信号に基づき、動脈が最大径であることを指示する前記動脈容積信号の値と、動脈が閉塞状態であることを指示する前記動脈容積信号の値との差分を検出する差分検出手段を、含み、
    正規化された前記動脈硬化指標を算出するために、前記差を、前記差分検出手段が検出した前記差分により除する、請求項5から9のいずれかに記載の動脈硬化指標測定装置。
  11. 前記指標測定手段は、
    前記第1過程において、前記圧力検出手段が所定圧を指すカフ圧を検出したときから、前記動脈容積信号に基づく値が所定値を指示する当該動脈容積信号を前記容積信号検出手段が検出するまでの時間長さと、前記第2過程において、前記圧力検出手段が前記所定圧を指すカフ圧を検出したときから、前記動脈容積信号に基づく値が前記所定値を指示する当該動脈容積信号を前記容積信号検出手段が検出するまでの時間長さとの差に基づいて、前記動脈硬化指標を算出する、請求項4に記載の動脈硬化指標測定装置。
  12. 測定部位に装着されるカフ内の圧力を表わすカフ圧を変化させながら、動脈の硬化の指標を測定するための動脈硬化指標測定プログラムであって、
    カフ圧を加圧および減圧により調整するステップと、
    第1の所定速度でカフ圧を変化させる第1過程で逐次検出される動脈の容積の変化と、前記第1の所定速度とは異なる第2の所定速度でカフ圧を変化させる第2過程で逐次検出される前記動脈の容積の変化とに基づき、動脈硬化指標を算出するステップと、をコンピュータに実行させる、動脈硬化指標測定プログラム。
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