JP2023086336A - 血圧脈波検査方法および血圧脈波検査装置 - Google Patents

血圧脈波検査方法および血圧脈波検査装置 Download PDF

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Tomoyuki Yamamoto
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Abstract

【課題】拡張期血圧が未知の被検者でも適切な脈波を測定できる血圧脈波検査方法および血圧脈波検査装置を提供すること。【解決手段】血圧脈波検査方法は、カフ圧を第1目標値に制御する第1のカフ圧制御ステップと、カフ圧が前記第1目標値のときの被検者の脈波を測定する第1の脈波測定ステップと、前記第1の脈波測定ステップで測定した脈波の形状に基づいて、カフ圧を前記第1目標値に維持する、あるいは前記第1目標値よりも大きい第2目標値に上昇させる、あるいは前記第1目標値よりも小さい第3目標値に下降させるように制御する第2のカフ圧制御ステップと、前記第2のカフ圧制御ステップで制御されたカフ圧の状態で測定した脈波を収録する脈波収録ステップと、を含む。【選択図】図10

Description

特許法第30条第2項適用申請有り (1)フクダ電子株式会社の関連会社 販売日 令和3年2月5日 フクダ電子北海道販売(株) 令和3年2月17日 フクダ電子北東北販売(株) 令和3年2月6日 フクダ電子南東北販売(株) (その他20社) (2)フクダ電子の関連会社がアクセス可能なウェブサイト(非公開) 掲載日 令和3年1月15日 (3)フクダ電子の関連会社のためのウェブ勉強会(非公開) 開催日 令和2年12月16日 令和2年12月17日
本発明は、カフを用いて非侵襲的に血圧および脈波を測定する血圧脈波検査方法および血圧脈波検査装置に関する。
従来、動脈硬化や血管の詰まり等の血管疾患の指標として、下肢と上肢で計測した血圧の比(下肢上肢血圧比)や、脈波速度(Pulse Wave Velocity:PWV)が一般的に用いられている。下肢上肢血圧比としては、例えば上腕と足首で計測した収縮期血圧の比(ABI)や上腕と足趾で計測した収縮期血圧の比(TBI)などが知られており、下肢の動脈狭窄の有無を表す指標として用いられる。
一方、PWVは心臓から大動脈に血液を送り出す際に発生した波動が動脈の血管壁を伝わる速さであり、速くなるほど血管が硬くなっていることを意味する。PWVは血管上の2点の脈波およびその伝播時間(PWT)を計測し、この2点間の距離を伝播時間で除すことにより求められる。
PWVを計測可能な血圧脈波検査装置は、特許文献1、2などに記載されている。
特開2017-164301号公報 特開2006-110155号公報
ところで、カフによって加圧した時に測定される脈波の形状および振幅は印加している圧によって変化する。例えば、カフ圧が非常に低い場合には十分に脈波を測定できない。そのため、拡張期血圧の少し下のカフ圧で脈波を測定することが望ましい。
血圧測定のために必要となるカフ圧は大きいので、血圧測定を1回行ってしてしまうと、血管に負荷がかかるため、その後に自然な血管状態での脈波を計測することが困難となる。このため、血圧測定の前に脈波測定が行われる。よって、脈波測定の時点では、個人の血圧が分かっていないため、従来は、例えば50mmHgといった標準的な拡張期血圧よりも若干低いカフ圧で脈波測定を行っていた。
しかしながら、高齢となり動脈硬化が進むと、拡張期血圧が低下することが知られており、そのような被検者では50mmHgが拡張期血圧よりも低いか近傍となり、カフによって血管が潰されることによって適切な脈波を取得できないことがある。なお、適切な脈波とは、PWVやCAVI(Cardio Ankle Vascular Index)などを求めるのに好適な形状を有する脈波のことである。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、拡張期血圧が未知の被検者でも適切な脈波を測定できる血圧脈波検査方法および血圧脈波検査装置を提供する。
本発明の血圧脈波検査方法の一つの態様は、
カフ圧を第1目標値に制御する第1のカフ圧制御ステップと、
カフ圧が前記第1目標値のときの被検者の脈波を測定する第1の脈波測定ステップと、
前記第1の脈波測定ステップで測定した脈波の形状に基づいて、カフ圧を前記第1目標値に維持する、あるいは前記第1目標値よりも大きい第2目標値に上昇させる、あるいは前記第1目標値よりも小さい第3目標値に下降させるように制御する第2のカフ圧制御ステップと、
前記第2のカフ圧制御ステップで制御されたカフ圧の状態で測定した脈波を収録する脈波収録ステップと、
を含む。
本発明の血圧脈波検査装置の一つの態様は、
被検者に装着されるカフと、
前記カフに供給するカフ圧を制御するカフ圧制御部と、
前記カフにより得られる脈波形状を判別する脈波形状判別部と、
脈波を収録する収録部と、
を備え、
前記カフ圧制御部は、カフ圧を第1目標値に制御したときに前記脈波形状判別部で得られた判別結果に基づいて、カフ圧を前記第1目標値に維持する、あるいは前記第1目標値よりも大きい第2目標値に上昇させる、あるいは前記第1目標値よりも小さい第3目標値に下降させるように制御する。
本発明によれば、拡張期血圧が未知の被検者でも適切な脈波を測定できる血圧脈波検査方法および血圧脈波検査装置を実現できる。
カフ圧と脈波振幅との一般的な関係を例示したグラフ CAVIを計測する際に必要となるパラメーターの説明に供する波形図 CAVI計測を行うための理想的な脈波形状の例を示す図であり、図3Aは理想的な上腕脈波を示す図、図3Bは理想的な足首脈波を示す図 被検者の血圧が低いことが原因で、脈波の立上り位置が不鮮明となった例を示す波形図 カフ圧が高過ぎて締め付け過ぎていることが原因で、脈波の立上り位置が不鮮明となった例を示す波形図 脈波のノッチが不鮮明で測定できない例を示す波形図 実施の形態に係る血圧脈波検査装置の全体構成を示すブロック図 実施の形態による脈波計測時のカフ圧最適化処理を実現するための要部構成を示すブロック図 実施の形態に対する比較例としての、従来行われている脈波計測時のカフ圧制御処理を示すフローチャート 実施の形態による脈波計測時のカフ圧最適化処理の処理手順を示すフローチャート
<1>本発明に至った経緯
本発明の実施の形態を説明する前に、まず、本発明に至った経緯について説明する。
図1は、カフ圧と脈波振幅との一般的な関係を例示したグラフである。図1から、50mmHgのカフ圧よりも65mmHgのカフ圧の方が振幅のより大きい脈波を測定できることが分かる。
図2は、動脈硬化の指標であるCAVI(Cardio Ankle Vascular Index)を計測する際に必要となるパラメーターの説明に供する波形図である。CAVI計測では、haPWV(=Lha(血管長)/T(時間))が用いられる。このhaPWVを算出する際には、大動脈弁の開放から足首脈波立上りまでの時間(T)が用いられる。ただし、心I音から大動脈弁の開放時点を認識するのは困難なので、心II音が利用される。
実際上、CAVI計測には、図2に示したようなパラメーターが用いられる。図中のパラメーターtb、t’b、tbaは以下の時間を示すものである。
tb:心II音から上腕脈波のノッチまでの時間
t’b:大動脈弁の開放から上腕脈波立上りまでの時間
tba:上腕脈波立上りから足首脈波立上りまでの時間
CAVI計測では、tbとt’bは同じと考える。計算に用いる時間Tはt’bとtbaの和であるため、心音、上腕脈波および足首脈波から求めることができる。なお、CAVI計測については、特許文献2などにも記載された既知の技術なので、ここでの詳しい説明は省略する。
上記からも分かるように、CAVI計測を精度良く行うためには、脈波のノッチや立上り位置が鮮明である必要がある。
図3は、CAVI計測を行うための理想的な脈波形状の例を示す図である。図3Aは、理想的な上腕脈波を示し、ノッチが鮮明でありかつ脈波の立上り位置が鮮明である。図3Bは、CAVI計測を行うために理想的な足首脈波を示し、脈波の立上り位置が鮮明である。
図4、図5および図6は、50mmHgのカフ圧で脈波を測定したときに、適切な形状の脈波が得られなかった例を示す図である。
図4は、被検者の血圧が低いことが原因で、脈波の立上り位置が不鮮明となった例を示す波形図である。図4から分かるように、被検者の血圧が低いことが原因で、立上り前の波形に落ち込みが生じ、そのため立上りが2段形状となっているケースがあり、このようなケースでは脈波の立上り位置が不鮮明となる。
本発明の発明者は、このような血圧の低い被検者に対しては(つまり立上り波形が2段形状となっている被検者に対しては)、図1に示したように、カフ圧は50mmHgよりも65mmHgの方がより大きな振幅の脈波を測定できることを考慮して、65mmHgのカフ圧で加圧することで、より大きな振幅の脈波を獲得できると考えた。これにより、立上り位置がより鮮明な脈波を得ることができる。
図5は、カフ圧が高過ぎて締め付け過ぎていることが原因で、拡張期に血管を圧迫してしまい、拡張期の脈波がフラットになり、その結果、脈波の立上り位置が不鮮明となった例を示す波形図である。図5の場合、図3に示したような理想的な脈波の形状と比較して、脈波の立上り位置が不鮮明となる。
本発明の発明者は、このような波形が得られた場合(つまり拡張期がフラットな脈波が得られた場合)には、カフ圧を30mmHgに弱めることで血流を改善させれば、波形の改善も見込めると考えた。
図6は、脈波のノッチが不鮮明で測定できない例を示す波形図である。
本発明の発明者は、収縮期血圧以上のカフ圧で加圧すると末梢からの反射波の影響を軽減できるため、ノッチが鮮明に得られるといった知見を利用し、図6のようになる場合には、カフ圧が収縮期血圧+30mmHgとなるように加圧して脈波を測定するようにした。これにより、より鮮明なノッチを有する脈波を得ることができる。
このような考察の下、本発明では、50mmHgといった標準的な拡張期血圧よりも若干低い固定のカフ圧で脈波計測を行うのではなく、不適切な脈波が得られた場合には、その脈波の形状に応じて適応的にカフ圧を変更するようになっている。これにより、拡張期血圧が未知の被検者でも適切な脈波を測定できるようになる。
<2>実施の形態
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<2-1>血圧脈波検査装置の全体構成
図7は、本発明の実施の形態に係る血圧脈波検査装置の全体構成を示すブロック図である。
図7において、血圧脈波検査装置1の本体1aには、演算処理部10、入力部70、表示部80、表示制御部81、印字部91、記憶部92、音声出力部93、血圧脈波計測部30、心音計測部40、心電図計測部50および脈波計測部60が設けられている。
血圧脈波計測部30は、上腕用計測制御部31および下肢用計測制御部32を有する。上腕用計測制御部31には、右上腕用カフ21Rおよび左上腕用カフ21Lがそれぞれホース21hを介して接続され、下肢用計測制御部32には、右足首用カフ22Rおよび左足首用カフ22Lがそれぞれホース22hを介して接続されている。
血圧脈波計測部30は、オシロメトリック式の血圧計測機能と空気袋式の脈波計測機能とを有する。
上肢用計測制御部31は、圧力センサ33と、圧力センサ33による検出信号に対して増幅などの所定の信号処理を施す信号処理回路と、カフ21R、カフ21Lに対する給排気を行うポンプ及び排気弁と、この給排気動作を制御するCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種インターフェース等を有するコンピュータと、を有する。上肢用計測制御部31は、ホース21hを介してカフ21R、カフ21Lのゴム嚢に空気を導入することでカフ21R、21Lの内圧(以下、カフの内圧を「カフ圧」という)を加圧するとともに、ゴム嚢から空気を排出することでカフ21R、21Lのカフ圧を減圧する。カフ21Rは被検者の右上腕に装着され、カフ21Lは被検者の左上腕に装着される。加圧後のカフ圧の目標値は、脈波計測の場合と血圧計測の場合とで異なり、それぞれ個別に設定可能である。
脈波計測の場合、上肢用計測制御部31は、加圧後のカフ21R、21Lのカフ圧の変動を脈波信号として圧力センサ33で検出し、検出された脈波信号を演算処理部10に出力する。脈波計測は、演算処理部10からの要求に応じて行われる。なお、脈波計測には、2つのカフ21R、21Lのうち片方のみが使用されてもよいし、両方が使用されても良い。
血圧計測の場合、上肢用計測制御部31は、減圧中にカフ21R、21Lのカフ圧の振動を圧力センサ33により検出しながら、振幅の増大が最も顕著なカフ圧を収縮期血圧として検出するとともに、振動の減少が最も顕著なカフ圧を拡張期血圧として検出する。そして、上肢用計測制御部31は、検出された収縮期血圧及び拡張期血圧をそれぞれ示す血圧信号を演算処理部10に出力する。血圧計測は、演算処理部10からの要求に応じて行われる。なお、演算処理部10からの要求があった場合、通常は、カフ21Rのみを用いた右側血圧計測とカフ21Lのみを用いた左側血圧計測とが順次行われるが、これらの血圧計測は並行して行われてもよい。
下肢用計測制御部32は、圧力センサ34と、圧力センサ34による検出信号に対して増幅などの所定の信号処理を施す信号処理回路と、カフ22R、カフ22Lに対する給排気を行うポンプ及び排気弁と、この給排気動作を制御するCPU、ROM、RAM、各種インターフェース等を有するコンピュータと、を有する。下肢用計測制御部32は、ホース22hを介してカフ22R、カフ22Lのゴム嚢に空気を導入することでカフ22R、22Lのカフ圧を加圧するとともに、ゴム嚢から空気を排出することでカフ22R、22Lのカフ圧を減圧する。カフ22Rは被検者の右足首に装着され、カフ22Lは被検者の左足首に装着される。加圧後のカフ圧の目標値は、脈波計測の場合と血圧計測の場合とで異なり、それぞれ個別に設定可能である。脈波計測時及び血圧計測時の下肢用計測制御部32の動作については、上肢用計測制御部31と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
上肢用計測制御部101および下肢用計測制御部32のコンピュータは、ROMに記憶された制御プログラムをCPUで実行することにより、以下に説明する血圧脈波計測のための演算処理などを行う。
なお、血圧脈波計測部30は、本実施の形態では、上肢用計測制御部31と下肢用計測制御部32とを独立に設けてなるものであるが、上肢用計測制御部31と下肢用計測制御部32とが一体化してなるものであってもよい。
心音計測部40には心音マイク23が接続されている。心電図計測部50には、四肢用心電電極部24aおよび胸部用心電電極部24bが接続されている。脈波計測部60には、アモルファス式脈波センサ25a、25bが接続されている。
演算処理部10は、CPU、ROM、RAM、各種インターフェース等を有するコンピュータである。演算制御部10は、ROMに記憶された制御プログラムをCPUで実行する。
演算処理部10は、血圧脈波計測部30、心音計測部40、心電図計測部50および脈波計測部60(以下これらを「各生体情報計測部」という)を制御する。
また、演算処理部10は、各生体情報計測部から供給された生体情報を受信する。そして、受信した生体情報を、画面に表示する必要があるときには表示用データに編集または変換した上で表示部80に、レポート用の用紙に印字する必要があるときには印字用データに編集または変換した上で印字部91に、出力する。また、演算処理部10は適宜、受信した生体情報を記憶部92に記憶したり、記憶された生体情報を読み出したりする。
また、演算処理部10は、各生体情報計測部から受信した生体情報の波形分析等を行う。波形分析では、波形における特徴部(区分点)の検出等を行う。特徴部としては、例えば、心II音の開始部、上腕での脈波の立上り部、足首での脈波の立上り部、脈波のノッチ、上腕での脈波の切痕部、等が挙げられる。
演算処理部10は、この分析結果と、受信した生体情報により示された数値(例えば血圧)とに基づいて、動脈硬化度の算出を行う。
具体的に説明する。演算処理部10は、脈波伝播速度として上腕-足首間脈波伝播速度baPWV(brachial-ankle Pulse Wave Velocity)および心臓-足関節間動脈脈波伝播速度haPWV(heart-ankle Pulse Wave Velocity)を求めるとともに、下肢上肢血圧比として足関節上腕血圧比ABI(Ankle Brachial Pressure Index)を求める。すなわち、演算処理部10は、血圧脈波計測部30により検出された脈波を用いて足関節上腕血圧比(ABI)および脈波伝播速度(PWV)を算出する。また、演算制御部10は、血圧脈波計測部30により検出された脈波を用いて被検者の血圧値を算出する。さらに、演算制御部10は、心臓-足関節間動脈脈波伝播速度haPWVに基づいて算出されるCAVI(Cardio Ankle Vascular Index)などの指標も算出する。ここで、演算制御部10は、心臓-足関節間動脈脈波伝播速度haPWVを対数脈波で補正することによりCAVIを算出する。知られているように、上腕-足首間脈波伝播速度baPWVおよび心臓-足関節間動脈脈波伝播速度haPWVは血管の硬さを示す指標であり、また、足関節上腕血圧比ABIは血管の詰まりを示す指標である。
また、演算処理部10は、ユーザの操作による入力や指示の内容を入力部70から受信し、受信内容に従って、各生体情報計測部や表示部80、印字部91、記憶部92および音声出力部93の機能に関連する設定を行ったり、それぞれの動作の開始や停止を制御したりする。
表示部80は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示画面を有する表示装置であり、演算処理部10から表示用データとして入力された生体情報、分析結果および動脈硬化度等を画面に表示する。
印字部91は、給紙機構や印字用ヘッド等を主要構成として有し、演算処理部10から印字用データとして入力された生体情報、分析結果および動脈硬化度を用紙に印字する。
記憶部92は、ハードディスクドライブや書き込み可能な光ディスクドライブ、不揮発性メモリ等により構成され、演算処理部10からの情報の記憶が可能である。また、記憶部92には、各生体情報計測部によって計測された生体情報、つまり心電図、脈波および心音が記録される。
音声出力部93は、スピーカ等を主要構成として有し、演算処理部10から入力されたガイダンス用データまたは報知音出力指示信号に従って、ガイダンス音声または報知音等を出力する。
入力部70は、キーボードやマウス、ボタン、タッチパネル等から構成され、ユーザの操作による入力や指示を受け付けて、演算処理部10に送る。
脈波計測部60は、被検者に適切に装着されたアモルファス式脈波センサ25a、25bにより検出された被検者の脈波信号を演算処理部10に供給する。これにより、脈波の計測および解析が行われる。なお、アモルファス式脈波センサ25a、25bの一方は例えば被検者の頸動脈部に装着され、他方は例えば被検者の大腿動脈部または膝部に装着される。
心電図計測部50は、被検者に装着された四肢用心電電極部24aおよび胸部用心電電極部24bにより検出された心電図信号を演算処理部10に供給する。これにより、心電図の計測および解析が行われる。四肢用心電電極部24aは、典型的には、右手首、左手首、右足首および左足首にそれぞれ装着される4つの心電電極からなる。両足首用の心電電極に関しては、両足首への装着が右足首用カフ22Rおよび左足首用カフ22Lにより妨げられないように形成されていることが好ましい。また、胸部用心電電極部25bは、典型的には、胸部の6箇所にそれぞれ装着される6つの心電電極からなる。
心音計測部40は、被検者に装着された心音マイク23により検出された心音信号を演算処理部10に供給する。これにより、心音の計測および解析が行われる。
<2-2>本実施の形態による脈波計測時のカフ圧最適化処理
図8は、本実施の形態による脈波計測時のカフ圧最適化処理を実現するための要部構成を示すブロック図である。実際上、図8の構成は、血圧脈波計測部30に設けられる。
カフ圧制御部101は、カフに供給するカフ圧を制御する。具体的には、カフ圧制御部101は、上肢用計測制御部31および下肢用計測制御部32の、ポンプおよび排気弁を制御することでカフ圧を制御する。
脈波形状判別部102は、上肢用計測制御部31および下肢用計測制御部32の、圧力センサ33、34および信号処理回路により得られた脈波信号を入力し、脈波形状を判別する。脈波形状判別部102は、判別結果をカフ圧制御部101に出力する。
カフ圧制御部101は、脈波形状判別部102からの判別結果に基づいて、脈波計測時のカフ圧を制御する。
収録部103は、上肢用計測制御部31および下肢用計測制御部32の、圧力センサ33、34および信号処理回路により得られた脈波信号を入力し、当該脈波信号を収録する。なお、収録部103は、演算処理部10に設けられてもよい。収録部103に収録された脈波信号は、baPWV、haPWV、CAVI等を算出するために用いられる。
次に、本実施の形態による脈波計測時のカフ圧最適化処理について説明する。
まず、図9を用いて、本実施の形態に対する比較例として、従来行われている脈波計測時のカフ圧制御処理について説明する。
ステップS11で脈波計測のスタートボタンが押下されると、ステップS12に移って、50mmHg(平均的な拡張期血圧よりも若干低いカフ圧)を目標にカフが加圧される。
続くステップS13において、脈波が安定した後、脈波の計測が開始され、ステップS14において、脈波が収録される。
続くステップS15において、収録期間経過後に、脈波計測を終了し、カフ排気を開始する。続くステップS16において、カフ圧が大気圧に到達すると、血圧計測を含むカフを用いた全ての計測を完了する。
図10は、本実施の形態による脈波計測時のカフ圧最適化処理の処理手順を示すフローチャートである。以下の処理手順は、血圧脈波計測部30および演算処理部10に設けられたコンピュータがプログラムを実行することで具現化される。
血圧脈波検査装置1は、ステップS21で脈波計測のスタートボタンが押下されると、ステップS22に移って、カフ圧制御部101が50mmHg(標準的な拡張期血圧よりも若干低いカフ圧)を目標にカフ21R、21L、22R、22Lを加圧する。
続くステップS23において、血圧脈波計測部30が、脈波が安定したことを確認した後に、脈波の計測を開始する。
続くステップS24において、血圧脈波計測部30が、足脈波の立上りが2段になっているか否か判断する。具体的には、脈波形状判別部102が、足に装着されたカフ22R、22Lにより測定される足脈波の立上り形状が、図4に示したように、2段となっているか否か判別する。
血圧脈波計測部30は、ステップS24で立上り形状が2段となっていると判断するとステップS25に移って、腕はそのままで、足のカフ圧のみ65mmHgを目標に上昇させる。具体的には、カフ圧制御部101がカフ22R、22Lのカフ圧が65mmHgとなるように制御する。これにより、上述したように、被検者の血圧が低いことが原因で脈波の立上り位置が不鮮明となっている場合に、カフ圧を上昇させることでより大きな振幅の脈波を獲得できるようにし、この結果、立上り位置がより鮮明な脈波を得ることができるようになる。
続くステップS26において、血圧脈波計測部30は、脈波が安定したことを確認した後に、脈波の計測を開始する。
これに対して、血圧脈波計測部30は、ステップS24で立上り形状が2段となっていないと判断するとステップS27に移って、腕脈波がフラットになっているか否か判断する。具体的には、脈波形状判別部102が、腕に装着されたカフ21R、21Lにより測定される腕脈波の形状が、図5に示したように、所定形状と比べて拡張期の脈波がフラットであるか否か判別する。所定形状とは、例えば標準的な腕脈波の形状である。フラットであるか否かの判別は、例えば標準的な腕波との拡張期の脈波の傾きの差が所定値以上か否かを判定することで行えばよい。
血圧脈波計測部30は、ステップS27で所定形状と比べて拡張期の脈波がフラットであると判断するとステップS28に移って、足はそのままで、腕のカフ圧のみ30mmHgを目標に下降させる。具体的には、カフ圧制御部101がカフ21R、21Lのカフ圧が30mmHgとなるように制御する。これにより、上述したように、カフ圧が高過ぎて締め付け過ぎていることが原因で脈波の立上り位置が不鮮明となっている場合に、カフ圧を下降させることで血流を改善し、この結果、立上り位置がより鮮明な脈波を得ることができるようになる。
続くステップS29において、血圧脈波計測部30は、脈波が安定したことを確認した後に、脈波の計測を開始する。
一方、血圧脈波計測部30は、ステップS27で腕脈波がフラットになっていないと判断するとステップS30に移って、腕脈波にノッチが無いか否か判断する。具体的には、脈波形状判別部102が、腕に装着されたカフ21Rもしくは21Lにより測定される腕脈波の形状において、図6に示したような位置に、ノッチが無いか否か判別する。ここで、ノッチが無いか否かとは、ノッチが不鮮明か否かと言い換えてもよい。
血圧脈波計測部30は、ステップS30でノッチが無いと判断するとステップS31に移って、足はそのままで、腕のカフ圧のみ収縮期血圧以上(例えば収縮期血圧+30mmHg)に上昇させる。具体的には、カフ圧制御部101がカフ21Rもしくは21Lのカフ圧が収縮期血圧以上となるように制御する。これにより、上述したように、末梢からの反射波の影響を軽減できるので、より鮮明なノッチを有する脈波を得ることができるようになる。ちなみに、ここでの収縮期血圧は、例えば標準的な収縮期血圧とすればよい。
続くステップS32において、血圧脈波計測部30は、脈波が安定したことを確認した後に、脈波の計測を開始する。
血圧脈波検査装置1は、ステップS33において、ステップS23、S26、S29、S32で計測した脈波を収録部103で収録する。つまり、CAVI計測に用いられる脈波が収録される。続くステップS34において、血圧脈波計測部30が、収録期間経過後に、脈波計測を終了し、カフ排気を開始する。続くステップS35において、血圧脈波計測部30は、カフ圧が大気圧に到達すると、血圧計測を含むカフを用いた全ての計測を完了する。
<3>まとめ
以上説明したように、本実施の形態の血圧脈波検査装置1は、被検者に装着されるカフ21R、21L、22R、22Lと、カフ21R、21L、22R、22Lに供給するカフ圧を制御するカフ圧制御部101と、カフ21R、21L、22R、22Lにより得られる脈波形状を判別する脈波形状判別部102と、脈波を収録する収録部103と、を有し、カフ圧制御部101は、カフ圧を第1目標値(例えば50mmHg)に制御したときに脈波形状判別部102で得られた判別結果に基づいて、カフ圧を第1目標値(例えば50mmHg)に維持する、あるいは第1目標値よりも大きい第2目標値(例えば65mmHgや、収縮期血圧以上)に上昇させる、あるいは第1目標値よりも小さい第3目標値(例えば30mmHg)に下降させるように制御する。
これにより、拡張期血圧が未知の被検者でも適切な脈波を測定できる血圧脈波検査方法および血圧脈波検査装置1を実現できる。
上述の実施の形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
上述の実施の形態のカフ圧の具体的数値は、例示に過ぎず、様々に変更して実施可能である。本発明の血圧脈波検査方法は、要は、カフ圧を第1目標値に制御する第1のカフ圧制御ステップと、カフ圧が前記第1目標値のときの被検者の脈波を測定する第1の脈波測定ステップと、前記第1の脈波測定ステップで測定した脈波の形状に基づいて、カフ圧を前記第1目標値に維持する、あるいは前記第1目標値よりも大きい第2目標値に上昇させる、あるいは前記第1目標値よりも小さい第3目標値に下降させるように制御する第2のカフ圧制御ステップと、前記第2のカフ圧制御ステップで制御されたカフ圧の状態で測定した脈波を収録する脈波収録ステップと、を含むようにすればよい。
本発明は、カフを用いて非侵襲的に血圧および脈波を測定する血圧脈波検査方法および血圧脈波検査装置に広く適用可能である。
1 血圧脈波検査装置
10 演算処理部
21R、21L、22R、22L カフ
30 血圧脈波計測部
31 上肢用計測制御部
32 下肢用計測制御部
33、34 圧力センサ
101 カフ圧制御部
102 脈波形状判別部
103 収録部

Claims (9)

  1. カフ圧を第1目標値に制御する第1のカフ圧制御ステップと、
    カフ圧が前記第1目標値のときの被検者の脈波を測定する第1の脈波測定ステップと、
    前記第1の脈波測定ステップで測定した脈波の形状に基づいて、カフ圧を前記第1目標値に維持する、あるいは前記第1目標値よりも大きい第2目標値に上昇させる、あるいは前記第1目標値よりも小さい第3目標値に下降させるように制御する第2のカフ圧制御ステップと、
    前記第2のカフ圧制御ステップで制御されたカフ圧の状態で測定した脈波を収録する脈波収録ステップと、
    を含む血圧脈波検査方法。
  2. 前記カフ圧が制御されるカフは、少なくとも被検者の足および腕に装着される複数のカフから構成されている、
    請求項1に記載の血圧脈波検査方法。
  3. 前記脈波収録ステップで収録した脈波を用いて、CAVI(Cardio Ankle Vascular Index)を算出するステップを、さらに含む、
    請求項2に記載の血圧脈波検査方法。
  4. 前記第2のカフ圧制御ステップでは、前記カフにより測定される脈波の立上り形状が2段になっている場合には、前記カフのカフ圧を前記第2目標値に上昇させる、
    請求項2に記載の血圧脈波検査方法。
  5. 前記第2のカフ圧制御ステップでは、腕に装着されたカフにより測定される腕脈波の形状が所定形状と比べて拡張期の脈波がフラットである場合には、腕に装着されたカフのカフ圧を前記第3目標値に下降させる、
    請求項2に記載の血圧脈波検査方法。
  6. 前記第2のカフ圧制御ステップでは、腕に装着されたカフにより測定される腕脈波の形状が所定形状と比べてノッチが小さい場合には、腕に装着されたカフのカフ圧を前記第2目標値に上昇させる、
    請求項2に記載の血圧脈波検査方法。
  7. 前記第2目標値は、収縮期血圧以上の値である、
    請求項6に記載の血圧脈波検査方法。
  8. 被検者に装着されるカフと、
    前記カフに供給するカフ圧を制御するカフ圧制御部と、
    前記カフにより得られる脈波形状を判別する脈波形状判別部と、
    脈波を収録する収録部と、
    を備え、
    前記カフ圧制御部は、カフ圧を第1目標値に制御したときに前記脈波形状判別部で得られた判別結果に基づいて、カフ圧を前記第1目標値に維持する、あるいは前記第1目標値よりも大きい第2目標値に上昇させる、あるいは前記第1目標値よりも小さい第3目標値に下降させるように制御する、
    血圧脈波検査装置。
  9. 前記脈波形状判別部は、足脈波の形状において立上り前に落ち込みがあるか否か、腕脈波の拡張期の脈波が所定形状と比べてフラットであるか否か、あるいは、腕脈波のノッチが不鮮明か否かを判別する、
    請求項8に記載の血圧脈波検査装置。
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