JP2011114425A - 無線送信装置及び信号伝送方法 - Google Patents

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敦史 須山
Toshiya Iwasaki
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Abstract

【課題】単一の変調方式を採用しているにもかかわらず、使用周波数帯が隣接する他システムからの干渉(被干渉)に強い無線送信装置を提供する。
【解決手段】チャネル帯域の全てのサブキャリアに対して同一の変調方式を採用したマルチキャリア変調方式で変調された信号を送信する無線送信装置であって、使用周波数帯が隣接する他システムからの干渉に対する対策が必要であるか否かを判定する被干渉対策要否判定部5と、被干渉対策要否判定部5により被干渉対策が必要であるとの判定結果が出された場合に、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアの電力レベルを、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリア以外のサブキャリアの電力レベルよりも高くする電力制御部6とを備える無線送信装置。
【選択図】図4

Description

本発明は、マルチキャリア変調方式で変調された信号を送信する無線送信装置及びマルチキャリア変調方式で変調された信号を伝送する信号伝送方法に関するものである。
2012年にサービス開始が予定されているITS(Intelligent Transport Systems)車車間通信システムは、そのアプリケーションの一つとして見通し外にある自車両の位置の他車両への通知により見通しの悪い交差点等での出会い頭車両衝突事故防止が考えられており、720MHz帯を使用する予定である。図1に示すように、ITS車車間通信システムの使用周波数帯低域側端部には、ガードバンド5MHzを挟んで地上デジタルテレビジョン放送システムの使用周波数帯が隣接しており、ITS車車間通信システムの使用周波数高域側端部には、ガードバンド5MHzを挟んで電気通信として用いられる周波数帯が隣接している。
特開2002−247004号公報(第1図、第11図、段落0063) 特開2006−186630号公報
"700MHz帯を用いた運転支援通信システムの実験用ガイドライン ITS FORUM RC-006 1.0版" 、[online]、平成21年2月12日、ITS情報通信システム推進会議、[平成21年11月4日検索]、インターネット〈URL:http://www.itsforum.gr.jp/Public/J7Database/p34/ITSFORUMRC006V1_0.pdf〉
このようにITS車車間通信システムの使用周波数帯の両端に他システムの使用周波数帯が隣接しているため、隣接する他システムからのITS車車間通信システム側への干渉(被干渉)に強くすることが、ITS車車間通信システムにおいて重要な課題となっている。
そこで、当該課題を解決するものとして、本出願人は、「チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリア以外のサブキャリアに対して第1の変調方式を採用し、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアに対して前記第1の変調方式よりもノイズ耐性の強い第2の変調方式を採用したマルチキャリア変調方式で変調された信号を、送信及び/又は受信することを特徴とする無線装置。」及び「チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリア以外のサブキャリアに対して第1の変調方式を採用し、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアに対して前記第1の変調方式よりもノイズ耐性の強い第2の変調方式を採用したマルチキャリア変調方式で信号を変調することを特徴とする信号変調方法。」を既に特許出願している(特願2008−202561号)。特願2008−202561号で提案している技術を用いた場合の送信信号の周波数軸上のイメージ図を図10に示す。図10では、地上デジタルテレビジョン放送システムからの干渉がある場合を想定し、地上デジタルテレビジョン放送システム側の数本のサブキャリアに対して、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式よりもノイズ耐性の強いBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調方式を採用し、被干渉耐性を向上させている。
しかしながら、平成21年2月12日に策定された“700MHz帯を用いた運転支援通信システムの実験用ガイドライン ITS FORUM RC-006 1.0版”(非特許文献1)では、OFDM方式が採用されており、全てのサブキャリアの変調方式は同一になっている。したがって、特願2008−202561号で提案している技術(変調方法が異なるサブキャリアが混在する技術)では、上記“700MHz帯を用いた運転支援通信システムの実験用ガイドライン ITS FORUM RC-006 1.0版”に準拠した車載器との互換性がとれないという新たな課題が生じる。
なお、上記においてはITS車車間通信システムにおける課題を述べたが、使用周波数帯の両端に他のシステムの使用周波数帯が隣接しているITS車車間通信システム以外の無線システム或いは使用周波数帯の片端のみに他のシステムの使用周波数帯が隣接している無線システムにおいてもITS車車間通信システムの場合と同様に、隣接する他システムからの当該無線システム側への干渉(被干渉)に強くすることが、当該無線システムにおいて重要な課題となっている。
また、特許文献1では、隣接干渉(与干渉)を低減するために、伝送チャネル帯域の少なくとも一方の端部で小さなレベルのサブキャリアが存在するようにしたマルチキャリア変調方式のデジタル伝送装置が提案されている。
しかしながら、特許文献1で提案されているマルチキャリア変調方式のデジタル伝送装置は、隣接干渉(与干渉)を低減することはできるが、伝送チャネル帯域の少なくとも一方の端部におけるサブキャリアレベルの低下によって自システムの通信性能が劣化してしまう。すなわち、特許文献1で提案されているマルチキャリア変調方式のデジタル伝送装置は、被干渉耐性を劣化させてしまっている。
また、特許文献2では、伝送スループットと送信電力の双方に対して最適化を図るために、伝搬路推定結果に基づき、サブキャリアと変調方式又は符号化率との組み合わせの中から、単位ビット当たりの所要送信電力が小さい組み合わせから順番に選択することにより、総送信可能ビット数を最大化しながら効率的に送信電力を割り当てていくサブキャリア適応制御方法が提案されている。
しかしながら、特許文献2で提案されているサブキャリア適応制御方法は、例えば、同一周波数を用いる複数セルから構成される無線サービスにおいて、システム全体の伝送スループット向上と他セルへの与干渉が低減可能であるが、被干渉耐性を向上させるものではない。
本発明は、上記の状況に鑑み、単一の変調方式を採用しているにもかかわらず、使用周波数帯が隣接する他システムからの干渉(被干渉)に強い無線送信装置及び信号伝送方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る無線送信装置は、チャネル帯域の全てのサブキャリアに対して同一の変調方式を採用したマルチキャリア変調方式で変調された信号を送信する無線送信装置であって、使用周波数帯が隣接する他システムからの干渉に対する対策が必要であるか否かを判定する被干渉対策要否判定部と、前記被干渉対策要否判定部により被干渉対策が必要であるとの判定結果が出された場合に、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアの電力レベルを、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリア以外のサブキャリアの電力レベルよりも高くする電力制御部とを備える構成とする。
また、上記構成の無線送信装置において、前記被干渉対策要否判定部により被干渉対策が必要であるとの判定結果が出された場合に、前記電力制御部が、所定の規格で定められた制限の範囲内で、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアの電力レベルを、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリア以外のサブキャリアの電力レベルよりも高くし、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアに隣接する少なくとも1本のサブキャリアの電力レベルを、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリア及び前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアに隣接する少なくとも1本のサブキャリア以外のサブキャリアの電力レベルよりも低くするようにしてもよい。
また、上記いずれかの構成の無線送信装置において、ショートトレーニングフィールド、ロングトレーニングフィールド、及びシグナルフィールドからなる物理ヘッダを付加して物理データをマルチキャリア方式で送信する無線送信装置とし、前記電力制御部が、前記ショートトレーニングフィールド、前記ロングトレーニングフィールド、及び前記シグナルフィールドの少なくとも一つ並びに前記物理データに対し、サブキャリアの電力レベルを制御するようにしてもよい。
また、上記目的を達成するために本発明に係る信号伝送方法は、チャネル帯域の全てのサブキャリアに対して同一の変調方式を採用したマルチキャリア変調方式で変調された信号を送信する信号伝送方法であって、使用周波数帯が隣接する他システムからの干渉に対する対策が必要であるか否かを判定する被干渉対策要否判定ステップと、前記被干渉対策要否判定ステップにより被干渉対策が必要であるとの判定結果が出された場合に、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアの電力レベルを、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリア以外のサブキャリアの電力レベルよりも高くする電力制御ステップとを備えるようにする。
また、上記構成の信号伝送方法において、前記被干渉対策要否判定ステップにより被干渉対策が必要であるとの判定結果が出された場合に、前記電力制御ステップにおいて、所定の規格で定められた制限の範囲内で、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアの電力レベルが、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリア以外のサブキャリアの電力レベルよりも高くされ、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアに隣接する少なくとも1本のサブキャリアの電力レベルが、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリア及び前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアに隣接する少なくとも1本のサブキャリア以外のサブキャリアの電力レベルよりも低くされるようにしてもよい。
また、上記いずれかの構成の信号伝送方法において、ショートトレーニングフィールド、ロングトレーニングフィールド、及びシグナルフィールドからなる物理ヘッダを付加して物理データをマルチキャリア方式で送信する信号伝送方法とし、前記電力制御ステップにおいて、前記ショートトレーニングフィールド、前記ロングトレーニングフィールド、及び前記シグナルフィールドの少なくとも一つ並びに前記物理データに対し、サブキャリアの電力レベルが制御されるようにしてもよい。
本発明によると、被干渉対策が必要である場合に、チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアの電力レベルが、チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリア以外のサブキャリアの電力レベルよりも高くなるので、単一の変調方式を採用しているにもかかわらず、被干渉耐性を向上させることができる。
日本での720MHz周辺の周波数割当を示す図である。 物理層から見たIEEE802.11p準拠のパケット構成(簡略版)を示す図である。 ITS車車間通信を行う車載無線送信装置が車両に搭載された状態を示す図である。 本発明に係る車載無線送信装置を備えた車載無線通信装置の一構成例を示す図である。 被干渉対策が必要である場合の電力制御結果の一例を示す図である。 被干渉対策が必要である場合の電力制御結果の他の例を示す図である。 被干渉対策が必要である場合の電力制御結果の他の例を示す図である。 被干渉対策をシグナルフィールドまで拡張する場合の車載無線通信装置の一構成例を示す図である。 被干渉対策をショートトレーニングフィールドまで拡張する場合の車載無線通信装置の一構成例を示す図である。 従来技術を用いた場合の送信信号の周波数軸上のイメージ図である。
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。本発明に係る無線送信装置として、ここではITS車車間通信システムで用いられる車載無線送信装置を例に挙げて説明する。
ところで、米国では車車間通信の規格としてIEEE802.11pの規格が検討されている。日本においても米国と使用される周波数は異なるが(日本では720MHz帯、米国では5.9GHz帯)、IEEE802.11p規格をもとにした車車間通信の規格が採用される可能性が高い。そこで、ITS車車間通信システムで用いられる車載無線送信装置の説明を行うにあたり、先ず始めにIEEE802.11p準拠のパケット構成について説明する。
物理層から見たIEEE802.11p準拠のパケット構成(簡略版)は、図2に示すように、ショートトレーニングフィールドSTF、ロングトレーニングフィールドLTF、及びシグナルフィールドSIGからなる物理ヘッダの後に、物理データDATAが続いている。ショートトレーニングフィールドSTFは、AGC(Automatic Gain Control)制御、パケット検出、シンボル同期、及び周波数粗調整を行うための情報が記載されているフィールドである。また、ロングトレーニングフィールドLTFは、周波数微調整及び伝送路推定を行うための情報が記載されているフィールドである。また、シグナルフィールドSIGは、物理データDATAの伝送レート(変調方式)やパケット長の情報がBPSK変調されて記載されているフィールドである。また、IEEE802.11pでは、物理データDATAに対する変調方式として、マルチキャリア変調であるOFDM変調方式が採用されている。
次に、ITS車車間通信システムで用いられる車載無線送信装置について説明する。ITS車車間通信で用いられる車載無線受信装置と本発明に係る車載無線送信装置とを備えた車載無線通信装置100は、図3に示すように車両200内に設置される。
車載無線通信装置100の一構成例を図4に示す。図4に示す例では、車載無線通信装置100は、伝送路符号化部1と、インターリーブ処理部2と、シリアル/パラレル変換部(S/P変換部)3と、変調部4と、被干渉対策要否判定部5と、電力制御部6と、シグナル挿入部7と、プリアンブル挿入部8と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部9と、パラレル/シリアル変換部(P/S変換部)10と、ガードインターバル付加部(GI付加部)11と、アナログ部12と、スイッチ13と、アンテナ14と、アナログ部15と、ガードインターバル除去部(GI除去部)16と、シリアル/パラレル変換部(S/P変換部)17と、FFT(Fast Fourier Transform)部18と、チャネル等化部19と、プリアンブル除去部20と、シグナル除去部21と、復調部22と、パラレル/シリアル変換部(P/S変換部)23と、デインターリーブ処理部24と、伝送路復号化部25とを備えている。
送信時において、送信データは、伝送路符号化部1において誤り訂正のための冗長符号化が施される。例えば、畳み込み符号化が施される。伝送路符号化が施された送信データは、インターリーブ処理部2において、送信ビットの並び替え、即ちインターリーブ処理が行われ、その後パラレル/シリアル変換部3においてパラレル/シリアル変換される。
パラレル/シリアル変換部3から出力されたパラレルデータは、変調部4において、サブキャリア毎に一次変調が施されるが、ここでは全てのサブキャリアで16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調されるものとする。
変調部4から出力された一次変調後のパラレルデータは、電力制御部6において被干渉対策要否判定部5の判定結果に応じた電力制御がサブキャリア毎に行われる。被干渉対策要否判定部5及び電力制御部6の動作の詳細は後述する。
シグナル挿入部7は、電力制御部6から出力された電力制御後のパラレルデータに、サブキャリアレベルが一律であるシグナルフィールドSIGを挿入する。プリアンブル挿入部8は、シグナル挿入部7から出力されたシグナルフィールドSIG挿入後のパラレルデータに、サブキャリアレベルが一律であるショートトレーニングフィールドSTF及びロングトレーニングフィールドLTFを挿入する。
プリアンブル挿入部8から出力されたショートトレーニングフィールドSTF及びロングトレーニングフィールドLTF挿入後のパラレルデータは、IFFT部9において逆高速フーリエ変換処理で二次変調され、パラレル/シリアル変換部10においてパラレル/シリアル変換された後、ガードインターバル付加部11においてガードインターバルが付加される。アナログ部12は、ガードインターバル付加部11の出力に対して、デジタル/アナログ変換(D/A変換)、アップコンバート、フィルタリング、電力増幅などを行う。そして、アナログ部12の出力が、アナログ部12側を選択しているスイッチ13を介して、アンテナ14に供給される。これにより、アンテナ14から無線送信信号が送信される。
一方、受信時において、無線受信信号がアンテナ14で受信され、アナログ部15側を選択しているスイッチ13を介して、アナログ部15に供給される。アナログ部15は、入力信号に対して、電力増幅、フィルタリング、ダウンコンバート、アナログ/デジタル変換(A/D変換)などを行う。アナログ部15から出力されたシリアルデータは、ガードインターバル除去部16においてガードインターバルが除去され、シリアル/パラレル変換部17においてシリアル/パラレル変換された後、FFT部18において高速フーリエ変換処理で一次復調され、チャネル等化部19において物理データの各サブキャリアレベルが一律になるようにチャネル等化が行われる。
プリアンブル除去部20は、チャネル等化部19から出力されたパラレルデータから、ショートトレーニングフィールドSTF及びロングトレーニングフィールドLTFを除去する。シグナル除去部21は、プリアンブル除去部20から出力されたショートトレーニングフィールドSTF及びロングトレーニングフィールドLTF除去後のパラレルデータから、シグナルフィールドSIGを除去する。
シグナル除去部21から出力されたシグナルフィールドSIG除去後のパラレルデータは、復調部22において、サブキャリア毎に二次復調が施されるが、ここでは全てのサブキャリアで16QAM復調されるものとする。
復調部22から出力された二次復調後のパラレルデータは、パラレル/シリアル変換部23においてパラレル/シリアル変換された後、デインターリーブ処理部24においてデインターリーブ処理され、伝送路復号化部25において伝送路復号化が施され、その結果、受信データが得られる。伝送路復号化には、ビタビ復号が用いられるものとする。
続いて、被干渉対策要否判定部5及び電力制御部6の動作の詳細について説明する。
被干渉対策要否判定部5は、被干渉対策が必要か否かの判定を行い、その判定結果を電力制御部6に送出する。被干渉対策要否判定部5における判定手法はどのようなものであっても良いが、一例として、被干渉対策が必要な位置の情報が被干渉対策要否判定部5内のメモリに事前に登録されており、GPS(Global Positioning System)衛星から送信されるGPS信号を受信して車両200の位置の情報を生成するGPS受信装置を利用し、被干渉対策が必要なエリアに侵入すれば、被干渉対策が必要であると判定する手法が考えられる。なお、GPS受信装置は車載無線通信装置100専用であっても構わないが、車載無線通信装置100とともにカーナビゲーションシステムが車両200に搭載されている場合は、車載無線通信装置100とカーナビゲーションシステムとでGPS受信装置を共用する形態が望ましい。
また、被干渉対策要否判定部5における判定手法の他の例としては、ITS路車間通信を利用し、道路上や道路近傍(例えば信号機内部など)に設置されたITS路車間通信対応の送信装置からの送信データに基づき、被干渉対策が必要なエリアに侵入すれば、被干渉対策が必要であると判定する手法が考えられる。
電力制御部6は、被干渉対策要否判定部5から被干渉対策が必要であるとの判定結果を受け取っていない場合、各サブキャリアの電力レベルが一律になるように電力制御を行う。
一方、電力制御部6は、被干渉対策要否判定部5から被干渉対策が必要であるとの判定結果を受け取った場合、チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアレベルが前記チャネル帯域の片端又は両端の所定の本数以外のサブキャリアレベルより高くなるように電力制御を行う。この場合、所定の規格で定められた制限(例えば“700MHz帯を用いた運転支援通信システムの実験用ガイドライン ITS FORUM RC-006 1.0版”(非特許文献1)では1MHzの帯域幅における平均電力が10mW以下)の範囲内で電力制御を行うことが望ましい。
例えば、“700MHz帯を用いた運転支援通信システムの実験用ガイドライン ITS FORUM RC-006 1.0版”(非特許文献1)の10mW以下/MHzの範囲内で、図5のように電力制御を行うとよい。図5では、1MHzの範囲内で対象となるサブキャリアが6本の場合を示しており、低域側の3本のサブキャリア電力の電力比を6/5にし、それらに隣接する高域側の3本のサブキャリアの電力比を4/5としている。低域側の3本のサブキャリアの電力レベルは1本当たり最大2mW(=6/5×10/6)であり、それらに隣接する高域側の3本のサブキャリアの電力レベルは1本当たり最大4/3mW(=4/5×10/6)である。
また、例えば、“700MHz帯を用いた運転支援通信システムの実験用ガイドライン ITS FORUM RC-006 1.0版”(非特許文献1)の10mW以下/MHzの範囲内で、図6のように電力制御を行うとよい。図6及び図7では、1MHzの範囲内で対象となるサブキャリアが6本の場合を示しており、低域側からサブキャリア番号を1、2、・・・、6と割り振ったとすると、サブキャリアの電力比の例としては、図7のようになる。サブキャリア番号1のサブキャリアの電力レベルは最大8/3mW(=8/5×10/6)であり、サブキャリア番号2のサブキャリアの電力レベルは最大7/3mW(=7/5×10/6)であり、サブキャリア番号3のサブキャリアの電力レベルは最大2mW(=6/5×10/6)であり、サブキャリア番号4のサブキャリアの電力レベルは最大4/3mW(=4/5×10/6)であり、サブキャリア番号5のサブキャリアの電力レベルは最大1mW(=3/5×10/6)であり、サブキャリア番号6のサブキャリアの電力レベルは最大2/3mW(=2/5×10/6)である。
車載無線通信装置100では、被干渉対策が必要である場合に、被干渉の影響を受けやすいチャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアの電力レベルを高くしているので、被干渉の影響を受けやすいチャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアにおいて、干渉をうけてもSINR(signal to noise interference ratio)の劣化が抑制される。これにより、チャネル帯域の各サブキャリアの電力レベルを一律とする通常の方式に比べて、受信確率が高くなり、被干渉耐性を向上させることができる。また、被干渉対策が必要でない場合にはチャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアの電力レベルを高くしていないので、被干渉対策の要否を判定せずにチャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアの電力レベルを常時高くするものに比べて、使用周波数帯が隣接する他システムへの干渉(与干渉)を抑制することができる。
図4に示す例では、被干渉対策が必要である場合に、物理データDATAの部分のみに被干渉対策を施したが、被干渉対策を物理データDATAの部分だけでなく、シグナルフィールドSIG(図2参照)まで拡張する方法、ロングトレーニングフィールドLTF(図2参照)まで拡張する方法、又はショートトレーニングフィールドSTF(図2参照)まで拡張する方法などの様々な方法が考えられる。
例えば、被干渉対策を物理データDATAの部分だけでなく、ロングトレーニングフィールドLTFにも拡張した場合、伝送路推定を行うためのロングトレーニングフィールドLTFもチャネル帯域の端部におけるサブキャリアのレベルが増加され、それらに隣接するサブキャリアのレベルが低減されるので、受信側において等化処理を行う際に、レベル増加させているサブキャリア及びレベル低減させているサブキャリアの位置情報が不要となる。つまり、受信側において等化処理を行う際に、レベル増加させているサブキャリア及びレベル低減させているサブキャリアは、あたかもフェージングの影響でレベルが増減しているのと同じように扱われる。受信側において等化処理を行う際に、レベル増加させているサブキャリア及び及びレベル低減させているサブキャリアの位置情報が不要となるので、本発明に係る車載無線送信装置は車載無線受信装置との互換性が向上する。
例えば、被干渉対策を物理データDATAの部分だけでなく、ショートトレーニングフィールドSTFにも拡張した場合、レベル調整(AGC制御)を行うためのショートトレーニングフィールドSTFもチャネル帯域の端部におけるサブキャリアのレベルが増加され、それらに隣接するサブキャリアのレベルが低減されるので、受信側においてレベル調整処理を行う際に、レベル増加させているサブキャリア及びレベル低減させているサブキャリアの位置情報が不要となる。つまり、受信側においてレベル調整処理を行う際に、レベル増加させているサブキャリア及びレベル低減させているサブキャリアは、あたかもフェージングの影響でレベルが増減しているのと同じように扱われる。受信側においてレベル調整処理を行う際に、レベル増加させているサブキャリア及びレベル低減させているサブキャリアの位置情報が不要となるので、本発明に係る車載無線送信装置は車載無線受信装置との互換性が向上する。
例えば、被干渉対策を物理データDATAの部分だけでなく、シグナルフィールドSIGにも拡張した場合、シグナルフィールドSIGについてはロングトレーニングフィールドLTFによる伝送路推定を利用して等化処理が行われるため、シグナルフィールドSIGもチャネル帯域の端部におけるサブキャリアのレベルが増加され、それらに隣接するサブキャリアのレベルが低減されることにより、受信側においてシグナルフィールドSIGをある意味物理データDATAと同じように扱うことができ、レベル増加させているサブキャリア及びレベル低減させているサブキャリアの位置情報が不要となる。受信側において、レベル増加させているサブキャリア及びレベル低減させているサブキャリアの位置情報が不要となるので、本発明に係る車載無線送信装置は車載無線受信装置との互換性が向上する。
被干渉対策をシグナルフィールドSIGまで拡張する場合、車載無線通信装置100は例えば図8に示す構成にすればよく、被干渉対策をショートトレーニングフィールドSTFまで拡張する場合、車載無線通信装置100は例えば図9に示す構成にすればよい。なお、図8及び図9において、図4と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。図9に示す構成では、物理データDATA、シグナルフィールドSIG、プリアンブル(ショートトレーニングフィールドSTF及びロングトレーニングフィールドLTF)に対して一括して被干渉対策を行っているので、回路規模が小さくなり、効率的な被干渉対策回路を実現することができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実行することができる。
上述した実施形態では、車載無線受信装置と本発明に係る車載無線送信装置とがアンテナを共有する構成であったが、車載無線受信装置と本発明に係る車載無線送信装置とがアンテナを個別に有し、アンテナの接続先を切り替えるためのスイッチを設けない構成にしてもよい。
上述した実施形態では、被干渉対策が必要である場合、本発明に係る車載無線送信装置がどの位置にあっても同様の電力制御を行う形態であったが、本発明に係る車載無線送信装置の位置に応じて異なる被干渉対策の電力制御が可能であるようにしてもよい。すなわち、被干渉対策の電力制御を複数パターン用意しておき(例えば図5に示すパターンと図6に示すパターン)、本発明に係る車載無線送信装置の位置に応じて複数パターンから一つを選択するようにしてもよい。
なお、上述した実施形態では、ITS車車間通信システムで用いられる車載無線送信装置を例に挙げて説明を行ったが、使用周波数帯の両端に他のシステムの使用周波数帯が隣接しているITS車車間通信システム以外の無線システム或いは使用周波数帯の片端のみに他のシステムの使用周波数帯が隣接している無線システムにおいて用いられる無線送信装置についても、本発明を適用することができる。
また、本発明は、OFDM方式のみならず、他のマルチキャリア方式にも適用することができる。
1 伝送路符号化部
2 インターリーブ処理部
3 シリアル/パラレル変換部(S/P変換部)
4 変調部
5 被干渉対策要否判定部
6 電力制御部
7 シグナル挿入部
8 プリアンブル挿入部
9 IFFT部
10 パラレル/シリアル変換部(P/S変換部)
11 ガードインターバル付加部(GI付加部)
12 アナログ部
13 スイッチ
14 アンテナ
15 アナログ部
16 ガードインターバル除去部(GI除去部)
17 シリアル/パラレル変換部(S/P変換部)
18 FFT部
19 チャネル等化部
20 プリアンブル除去部
21 シグナル除去部
22 復調部
23 パラレル/シリアル変換部(P/S変換部)
24 デインターリーブ処理部
25 伝送路復号化部
100 車載無線通信装置
200 車両

Claims (6)

  1. チャネル帯域の全てのサブキャリアに対して同一の変調方式を採用したマルチキャリア変調方式で変調された信号を送信する無線送信装置であって、
    使用周波数帯が隣接する他システムからの干渉に対する対策が必要であるか否かを判定する被干渉対策要否判定部と、
    前記被干渉対策要否判定部により被干渉対策が必要であるとの判定結果が出された場合に、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアの電力レベルを、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリア以外のサブキャリアの電力レベルよりも高くする電力制御部とを備えることを特徴とする無線送信装置。
  2. 前記被干渉対策要否判定部により被干渉対策が必要であるとの判定結果が出された場合に、前記電力制御部が、所定の規格で定められた制限の範囲内で、
    前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアの電力レベルを、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリア以外のサブキャリアの電力レベルよりも高くし、
    前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアに隣接する少なくとも1本のサブキャリアの電力レベルを、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリア及び前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアに隣接する少なくとも1本のサブキャリア以外のサブキャリアの電力レベルよりも低くする請求項1に記載の無線送信装置。
  3. ショートトレーニングフィールド、ロングトレーニングフィールド、及びシグナルフィールドからなる物理ヘッダを付加して物理データをマルチキャリア方式で送信する無線送信装置であって、
    前記電力制御部が、前記ショートトレーニングフィールド、前記ロングトレーニングフィールド、及び前記シグナルフィールドの少なくとも一つ並びに前記物理データに対し、サブキャリアの電力レベルを制御する請求項1または請求項2に記載の無線送信装置。
  4. チャネル帯域の全てのサブキャリアに対して同一の変調方式を採用したマルチキャリア変調方式で変調された信号を送信する信号伝送方法であって、
    使用周波数帯が隣接する他システムからの干渉に対する対策が必要であるか否かを判定する被干渉対策要否判定ステップと、
    前記被干渉対策要否判定ステップにより被干渉対策が必要であるとの判定結果が出された場合に、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアの電力レベルを、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリア以外のサブキャリアの電力レベルよりも高くする電力制御ステップとを備えることを特徴とする信号伝送方法。
  5. 前記被干渉対策要否判定ステップにより被干渉対策が必要であるとの判定結果が出された場合に、前記電力制御ステップにおいて、所定の規格で定められた制限の範囲内で、
    前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアの電力レベルが、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリア以外のサブキャリアの電力レベルよりも高くされ、
    前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアに隣接する少なくとも1本のサブキャリアの電力レベルが、前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリア及び前記チャネル帯域の片端又は両端の所定本数のサブキャリアに隣接する少なくとも1本のサブキャリア以外のサブキャリアの電力レベルよりも低くされる請求項4に記載の信号伝送方法。
  6. ショートトレーニングフィールド、ロングトレーニングフィールド、及びシグナルフィールドからなる物理ヘッダを付加して物理データをマルチキャリア方式で送信する信号伝送方法であって、
    前記電力制御ステップにおいて、前記ショートトレーニングフィールド、前記ロングトレーニングフィールド、及び前記シグナルフィールドの少なくとも一つ並びに前記物理データに対し、サブキャリアの電力レベルが制御される請求項4または請求項5に記載の信号伝送方法。
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JP2018085550A (ja) * 2016-11-21 2018-05-31 日本電信電話株式会社 送信局装置、通信システムおよび送信方法

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