JP2011112833A - 視準板及びこの視準板を用いた顕微鏡装置 - Google Patents

視準板及びこの視準板を用いた顕微鏡装置 Download PDF

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Abstract

【課題】測定結果の個人差を低減し、測定作業の負荷を低減することが可能な視準板、及び、この視準板を用いた顕微鏡装置を提供する。
【解決手段】測定顕微鏡装置100は、被測定物体Sからの光を対物レンズ31を介して集光して当該被測定物体Sの光学像(拡大像)S′を結像する結像光学系と、拡大像S′と略一致するように配置され、視準線34aが形成された第1の面(視準面)34並びに平面部35a及び少なくとも1つのレンズ部35bが形成された第2の面(拡大面)35を有する視準板33と、光学像S′を観察する接眼レンズ36と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、視準板及びこの視準板を用いた顕微鏡装置に関する。
従来、金属加工部品、電子部品、自動車部品などの微小領域の寸法測定に使用される顕微鏡装置として測定顕微鏡装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような測定顕微鏡装置による被測定物の寸法測定は次のような手順により行われる。まず、被測定物が、XY方向に移動可能なステージに載置された状態で、この被測定物の像が顕微鏡光学系により対物レンズ像面に配置された視準板に結像される。この視準板上には視準線が形成されており、ステージを移動させることで、被測定物における稜線上の点などの目標点を視準線へ位置合わせする。そして、上述の位置合わせを被測定物上の複数の目標点において行い、各目標点間のステージ移動量に基づいて被測定物の寸法を求める。
特開昭59−121312号公報
しかしながら、このような測定顕微鏡装置による寸法測定は、視準線と目標点の合致の精度が寸法測定の精度に影響を与えるため、作業者の視力など個人差によって測定結果にバラツキが生じるといった課題があった。また、多数の被測定物について目視で測定を行うのは、多大な労力と負担が必要となる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、作業者の視力に依存することがなく、測定結果の個人差を低減して、被測定物の測定を高精度に行うことが可能な視準板及びこの視準板を用いた顕微鏡装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る視準板は、光学像若しくはこの光学像と共役な位置と略一致するように配置され、この光学像を特定位置に位置合わせするための視準線を有する第1の面と、第1の面と略平行に延びる平面部及び視準線近傍の光学像を部分的に拡大する、少なくとも1つのレンズ部を有する第2の面と、を有する。
このような視準板において、レンズ部のうちの1つは視野中心に設けられることが好ましい。
あるいは、レンズ部のうちの1つは視野中心に設けられ、残りのレンズ部は視野中心の周辺部に設けられることが好ましい。
また、本発明に係る顕微鏡装置は、被測定物体からの光を対物レンズを介して集光して当該被測定物体の光学像を結像する結像光学系と、この光学像若しくは当該光学像と共役な位置と略一致するように第1の面が配置された上述の視準板のいずれかと、光学像を観察する接眼レンズと、を有する。
このような顕微鏡装置において、対物レンズの開口数をA、倍率をβoとし、接眼レンズの倍率をβeとしたとき、視準板のレンズ部の倍率βrは、次式
Figure 2011112833
の条件を満足することが好ましい。
また、このような顕微鏡装置において、視準板の媒質の観察光波長に対する屈折率をnとしたとき、視準板のレンズ部の倍率βrは、次式
Figure 2011112833
の条件を満足することが好ましい。
あるいは、視準板の媒質の観察光波長に対する屈折率をnとしたとき、この視準板のレンズ部の倍率βrは、次式
Figure 2011112833
の条件を満足することが好ましい。
また、このような顕微鏡装置は、対物レンズの開口数をA、倍率をβoとし、視準板のレンズ部の倍率をβrとし、視準板の媒質の観察光波長に対する屈折率をnとし、視準板の平板部における中心厚をt1、レンズ部における中心厚をt2とし、レンズ部の焦点距離をfとしたとき、次式
Figure 2011112833
の条件を満足することが好ましい。
またこのような顕微鏡装置において、視準板は、レンズ部を視野中心及び視野周辺の少なくとも1カ所に有し、この視準板を視野中心を中心軸として円周方向に回転させる回転手段と、この回転手段により回転した視準板の回転角度を測定する角度測定手段と、を更に有することが好ましい。
本発明に係る視準板を以上のように構成すると、作業者の視力に依存することがなく、測定結果の個人差を低減して、被測定物と視準板に形成された視準線との位置合わせを高精度に行うことができる。その結果、この視準板を用いた顕微鏡装置において、被測定物の測定を高精度に行うことができ、かつ、作業者の測定作業の負荷を低減することもできる。
顕微鏡装置の一例である測定顕微鏡装置の外観を示す側面図である。 第1の実施形態に係る測定顕微鏡装置の構成を説明するための説明図である。 第1の実施形態に係る測定顕微鏡装置の視準板の構成を説明するための説明図であって、(a)はレンズ部を有する第2の面の平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は視準線を有する第1の面の平面図である。 被測定物に対する視準線の位置合わせを説明するための説明図であり、(a)は被測定物の稜線が視準線に対して左側にずれている場合であり、(b)は稜線と視準線とが一致している場合であり、(c)は稜線が視準線に対して右側にずれている場合である。 第1の実施形態に係る測定顕微鏡装置における視準板のレンズ部の断面図である。 第1の実施形態に係る測定顕微鏡装置における視準板の変形例を示す図であって、(a)はレンズ部を有する第2の面の平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は視準線を有する第1の面の平面図である。 第2の実施形態に係る測定顕微鏡装置の構成を説明するための説明図である。 第2の実施形態に係る測定顕微鏡装置の視準板の構成を説明するための説明図であって、(a)はレンズ部を有する第2の面の平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は視準線を有する第1の面の平面図である。 第2の実施形態に係る測定顕微鏡装置における被測定物の角度測定方法を説明するための説明図であって、(a)は視野周辺部のレンズ部を、一方の稜線に視準した状態を示し、(b)は回転機構により視準板を回転させている状態を示し、(c)は視野周辺部のレンズ部を、他方の稜線に視準した状態を示す。 第2の実施形態に係る測定顕微鏡装置における視準板の変形例を示す図であって、(a)はレンズ部を有する第2の面の平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は視準線を有する第1の面の平面図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を用いて、第1の実施形態に係る顕微鏡装置である、測定顕微鏡装置の構成について説明する。この測定顕微鏡装置100は、図1に示すように、ベース部10と、ステージ部20と、観察部30と、制御部40と、表示部50と、を有して構成されている。
ベース部10は、透過照明のための光源や照明光学系からなる照明装置が格納された照明部11aと、この照明部11aの後部から上方に延びるように取り付けられた支柱11bと、から構成されている。
ステージ部20は、照明部11aの上部に取り付けられる基部21と、この測定顕微鏡装置100を正面から見たときに、基部21に対して左右方向に相対移動する下ステージ22と、この下ステージ22に対して前後方向に相対移動する上ステージ23と、から構成される。また、被測定物Sは上ステージ23の上面に載置される。この構成により、ステージ部20上の被測定物SをXY方向に相対的に移動させることができる。なお、基部21に対する下ステージ22の移動は、下ハンドル24を回転させることにより行われ、下ステージ22に対する上ステージ23の移動は、上ハンドル25を回転させることにより行われる。
観察部30は、支柱11bの前側側面に、上下方向に移動可能に取り付けられ、ステージ部20の上方に位置している。これにより、観察部30はステージ部20に対して、光軸に沿って上下方向に相対移動可能に構成されている。この観察部30には、図2に示すように、ステージ部20側から順に、被測定物Sを拡大観察する対物レンズ31、対物レンズ31から出射した光を観察眼方向に導くプリズム32、被測定物Sの位置合わせを行う視準板33、及び、対物レンズ31を含む結像光学系で結像された被測定物Sの光学像である拡大像S′を目視観察する接眼レンズ36を有して構成されている。ステージ部20の上面に載置された被測定物Sは照明部11aに内蔵された照明装置により照明され、被測定物Sから出射した光は、対物レンズ31で集光された後、プリズム32により視準板33方向に導かれ、視準板33上に拡大像S′を結像する。この視準板33上に結像された被測定物Sの拡大像S′を、接眼レンズ36で拡大観察することで、この観察部30により作業者は被測定物Sを目視観察することができる。なお、観察部30の被測定物Sに対する焦点合わせは、焦点調節ハンドル37を操作して、この観察部30を支柱11bに沿って(光軸に沿って)上下させることにより行われる。
図3に、第1の実施形態における視準板33の詳細な構成を示す。この視準板33は、少なくとも観察光を透過する材料を略円形形状で薄板状に形成した円板状の光学部材であって、視準線34aが形成された視準面34(第1の面)と、平面部35a及びレンズ部35bからなる拡大面35(第2の面)と、を有して構成されている。視準面34は被測定物Sの結像位置若しくはその近傍に配置されており、接眼レンズ36により、拡大像S′の像と視準線34aとを重ね合わせて目視観察が可能になっている。この視準線34aは、拡大像S′における稜線上の点などの目標点を位置合わせするための目印として機能するもので、第1の実施形態では視準面34の中心(即ち、接眼レンズ36の視野中心)において交差する十字線のパターンとしている。また、拡大面35の平面部35aは視準面34と略平行に延び、この平面部35aの中心部に、観察眼側に凸の球面からなるレンズ部35bが形成されている。そのため、このレンズ部35bにより視準面34側の中心に形成されている視準線34aの十字の交差部を拡大観察可能としている
以上のように、ステージ部20の下ステージ22及び上ステージ23は、観察部30の光軸をZ軸方向とすると、基部21に対して、このZ軸に垂直な面(XY平面)内で相対移動可能に構成されている。ここで、このXY平面内でのこのステージ部20の移動量を検出するために、例えば、下ハンドル24及び上ハンドル25のそれぞれの回転軸上にエンコーダが設けられている。このエンコーダによって、上下ハンドル24,25の回転方向及び回転量が制御部40に出力される。
制御部40は、エンコーダからの情報を基に、ステージ部20の上ステージ23の位置、すなわちこのステージ部20上に載置された被測定物S上の座標データを算出し、表示部50に出力する。なお、被測定物S上の位置は、観察部30の光軸(Z軸)と上ステージ23の上面とが交差する点の座標(X,Y)で表され、この座標の原点は、例えば、上ステージ23の略中心に設定されている。すなわち、観察部30で観察している被測定物Sの拡大像S′のうち、視準線34aの中心(十字線パターンの交差部分)の位置(座標データ)を測定することができる。制御部40は、下ステージ22及び上ステージ23に備え付けられたエンコーダから出力される回転方向及び回転量を基に、XY平面内での被測定物S上の座標(上ステージ23の所定の位置を原点として、観察部30の光軸が位置する座標)を算出する。なお、第1の実施形態では、XY平面内での座標(X,Y)が表示部50に表示されるよう構成されているが、更に、観察部30のZ軸方向の位置を検出するように構成すると、被測定物S上において、観察部30の焦点が合っている位置の高さ情報を得ることができ、この場合は座標データ(X,Y,Z)が表示部50に表示されるようにしてもよい。
なお、以上の説明において、視準板33を、対物レンズ31により形成される被測定物Sの拡大像S′と視準面34とが略一致するように配置した場合について説明したが、視準板33の配置はこれに限定されず、視準面34を拡大像S′と共役な位置と略一致するように配置することも可能である。
(作業者依存のない測定を行うための条件)
以下、第1の実施形態に係る測定顕微鏡装置100を用いた被測定物Sに対する目視での位置合わせ手順、及び、作業者の視力に依存しないで測定を行うための構成条件について、図4を用いて説明する。理想光学系において、2点として見分けることができる最小間隔を分解能と言い、この分解能は観察波長をλ(μm)とし、開口数をNAとしたとき、以下の式(a1)のように表されることが知られている(レイリーの分解能)。
Figure 2011112833
また、対物レンズ31の開口数をA、倍率をβoとし、視準板33のレンズ部35bの倍率をβrとしたとき、レンズ部35bの像側開口数Ab′は、以下の式(a2)の通り与えられる。
Figure 2011112833
また、視準板33の平面部35aの像側開口数Aa′は、以下の式(a3)の通り与えられる。
Figure 2011112833
図4に示すように、例えば、被測定物Sの拡大像S′の図4において上下方向に延びる稜線が、視準線34aと一致していないときには、平面部35a及びレンズ部35bの倍率の違いから、接眼レンズ36で観察したときに拡大像S′にズレが生じる。すなわち、図4(a)に示すように、拡大像S′の稜線が視準線34aの左側に位置するときは、レンズ部35bで観察される部分が、平面部35aで観察される部分より左側に移動し、反対に図4(c)に示すように、拡大像S′の稜線が視準線34aの右側に位置するときは、レンズ部35bで観察される部分が、平面部35aで観察される部分より右側に移動し、視準線34aと稜線とが一致しているときは、図4(b)に示すようにこれらが一致する。そこで、上記式(a1)〜(a3)から、レンズ部35bで観察される像(拡大像S′)の最小分解能Wb(μm)、及び、平面部35aで観察される像の最小分解能Wa(μm)を求めると、Wa,Wbは、それぞれ以下の式(a4),(a5)で表される。
Figure 2011112833
また、視準板33上での2点間の間隔Wを、倍率βeの接眼レンズ36(明視の距離250mmとして焦点距離fe=250/βe(mm))を介して目視観察した場合の視角θ(min)に換算したときの換算式を、以下の式(a6)に示す。
Figure 2011112833
例えば、一般的な測定顕微鏡装置の対物レンズ(倍率βo=3、開口数NA=0.09)及び単眼の接眼レンズ(倍率βe=10)により、観察波長λ=0.55(μm)で寸法測定を行う場合、平面部35aにおいて目視で十分に精度よく視準するために(即ち、光学系のレイリーの分解能で制限される測定精度と同等に視準するために)弁別しなければならない視角θaは、上記式(a4)及び式(a6)により、θa≒1.5(min)となる。この視角θaは従来の測定顕微鏡装置において十分に精度よく視準するための条件に他ならない。また、視力は分単位で表した視角の逆数1/θで表されることから、収差の無い理想光学系において片眼の矯正視力が0.7以上、実際には対物レンズ31の収差等に起因する光学像のコントラスト低下を考慮すると、従来の測定顕微鏡装置においては片眼の矯正視力1.0以上が必要と考えられる。
ここで、作業者依存のない測定を実現するために、レンズ部35bで弁別しなければならない視角をθb≧3(min)(片眼の矯正視力0.3相当)とすると、上記式(a5)及び(a6)によりλ=0.55(μm)として、視準板33のレンズ部35bの倍率βrと、対物レンズ31の倍率βo及び接眼レンズ36の倍率βeとの関係について、以下の式(a7)が導かれる。
Figure 2011112833
一方で、視準板33のレンズ部35bの倍率βrを大きくして総合倍率β(=βo×βr×βe)をむやみに上げたとしても、対物レンズ31のレイリー分解能の限界があるために無効拡大となってしまい、測定精度が向上しないことが知られている。この対物レンズ31の有効拡大倍率は、当該対物レンズ31の開口数をAとしたとき、生物顕微鏡など一般の観察用途の顕微鏡の総合倍率β=1,000×A程度までが上限とされ、また、作業者が終日測定や検査を行う用途では、作業者の負荷低減を考慮して、やや高めにβ=2,000×A程度までが上限とされる。これにより、視準板33のレンズ部35bの倍率βrと、対物レンズ31の倍率βo及び接眼レンズ36の倍率βeとの関係について、以下の式(a8)が導かれる。
Figure 2011112833
したがって、作業者の視力に依存することなく、対物レンズ31の結像性能を十分生かした測定が可能であって、かつ、無効拡大とならない条件として、視準板33のレンズ部35bの倍率βrは、式(a7),(a8)から以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
Figure 2011112833
(球面収差を補正するための条件)
次に、球面収差を補正するための条件について説明する。第1の実施形態に係る測定顕微鏡装置100において、視準板33のレンズ部35bにより拡大された像に球面収差を生じるため、拡大像S′が不明瞭になるという問題がある。この球面収差を補正するために不遊条件を満足する必要がある。まず、視準板33のレンズ部35bの中心厚をt2、曲率半径をrとし、視準板33の媒質の観察光波長に対する屈折率をnとしたとき、視準板33のレンズ部35bの倍率βrは、以下の式(b1)の通り与えられる。
Figure 2011112833
ここで、t2=r、又は、t2=r(1+1/n)のときに球面収差が0となることが知られている。したがって、第1の実施形態の測定顕微鏡装置100において、t2=rとしたとき、レンズ部35bの倍率βrは、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
Figure 2011112833
また、第1の実施形態において、レンズ部35bの倍率βrは、t2=r(1+1/n)としたとき、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
Figure 2011112833
なお、第1の実施形態において、レンズ部35bは球面レンズであるとしたが、拡大像S′の収差を低減するために、レンズ部35bを非球面レンズやフレネルレンズで構成してもよい。または、屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)やゾーンプレートで構成してもよい。また、第1の実施形態においては、レンズ部35bは拡大面35の中心に1箇所設けているが、他の異なる実施形態として、例えば、図6に示すように、視準線134aが形成された視準面134(第1の面)と、平面部135a及びレンズ部135b,135cからなる拡大面135(第2の面)と、を有して構成される視準板133において、拡大面135の中心部に配置されるレンズ部135bに加え、視準線134aの十字周辺部を拡大するよう、拡大面135の周辺部の複数箇所に、視準線134aと位置整合するようにレンズ部135cを配置してもよい。
(焦点ズレを許容範囲内とするための条件)
次に、レンズ部35bによる拡大効果に伴う平面部35aとレンズ部35bとの間での焦点ズレについて、図5を参照して説明する。図5は、第1の実施形態における視準板33のレンズ部35b近傍の断面図を示す。
視準面34上の領域のうち、レンズ部35bを介して観察される領域は、レンズ部35bにより、図5に示すように、I2′に虚像を結ぶ。視準板33の媒質の観察光波長に対する屈折率をnとし、レンズ部35bの焦点距離をf、中心厚をt2としたとき、視準面34と虚像I2′との光軸方向の距離δ2は、以下に示す式(c1)の通り与えられる。
Figure 2011112833
一方、視準面34上の領域のうち、平面部35aを介して観察される領域は、図5に示すようにI1′に虚像を結ぶ。視準板33の平面部35aの中心厚をt1としたとき、視準面34と虚像I1′との光軸方向の距離δ1は、以下に示す式(c2)の通り与えられる。
Figure 2011112833
したがって、レンズ部35bにおける虚像I2′と平面部35aにおける虚像I1′との光軸方向の距離δは、上記式(c1)及び(c2)より、以下に示す式(c3)の通り与えられる。
Figure 2011112833
このように、視準面34上の領域のうち、平面部35aとレンズ部35bとの間でδだけ焦点ズレを生じるために、接眼レンズ36を介して目視観察した際に、平面部35aとレンズ部35bとを同時に観察しにくいという問題がある。そのため、δを目視で焦点ズレを感じない許容範囲内に抑える必要がある。ここで、一般に観察波長λ=0.55(μm)、開口数NA、及び、焦点深度DOF(μm)は、以下の式(c4)の関係にあることが知られている。
Figure 2011112833
また、レンズ部35bの像側開口数Ab′は、前述の式(a2)の通り与えられる。したがって、この式(a2)及び、上記式(c2),(c3)より、平面部35aとレンズ部35bとの間で、実質的に焦点ズレを感じないための条件として、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
Figure 2011112833
第1の実施形態に係る測定顕微鏡装置100において、視準板33,133を以上のように構成すると、被測定物Sの拡大像S′のうち、視準線34a,134aと位置合わせをする部分が拡大されるので、作業者の視力に依存することのない測定ができ、測定結果の個人差や測定作業の負荷を低減することができる。また、この視準板33,133のレンズ部35b,135b,135cにおいては、球面収差の良好な補正が可能であり、さらに位置合わせ時の焦点ズレも抑えることができるので、被測定物Sの測定を高精度に行うことができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る測定顕微鏡装置について、図7を参照して説明する。図7に示す第2の実施形態に係る測定顕微鏡装置200は、被測定物S上の角度測定を行う顕微鏡装置である。なお、この第2の実施形態に係る測定顕微鏡装置200の基本構成は、第1の実施形態に係る測定顕微鏡装置100と同様であり、ベース部10と、ステージ部20と、観察部30と、制御部40と、表示部50と、を有して構成されている。また、この第2の実施形態に係る測定顕微鏡装置200は、更に、後述の視準板233を回転自在に保持する回転機構60、及び、この回転機構60により回転された視準板233の回転角度θを測定し表示する角度測定手段としての角度表示部70とを備えている。これらは、制御部40により制御される。なお、第1の実施形態に係る測定顕微鏡装置100と同じ構成要素には、第1の実施形態と同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
この第2の実施形態に係る測定顕微鏡装置200において、観察部30は、図7に示すように、ステージ部20側から順に、被測定物Sを拡大観察する対物レンズ31、対物レンズ31から出射した光を観察眼方向に導くプリズム32、被測定物Sの位置合わせを行う視準板233、及び、対物レンズ31を含む結像光学系で結像された被測定物Sの拡大像S′を目視観察する結像レンズ36を有している。
図8に、第2の実施形態における視準板233の詳細な構成を示す。この視準板233は、視準線234aが形成された視準面234(第1の面)と、平面部235a及びレンズ部235b,235cからなる拡大面235(第2の面)と、を有して構成されている。また、拡大面235において、観察眼側に凸の球面からなるレンズ部235b,235cは、レンズ部235bが視野中心部に配置され、レンズ部235cがその周辺部であって、視準線234aのいずれかと位置整合するように配置されている。このような視準板233を、回転機構60により、視準線234aの中心(十字の交差部であって視野中心)を通り光軸方向に延びる軸を中心に回転可能にすることで、視準面234側の中心に形成されている視準線234aの十字の交差部、及び、任意の視野周辺領域を拡大観察可能としている。
次に、図9を用いて第2の実施形態に係る測定顕微鏡装置200による角度測定及び位置合わせ手順について説明する。図9は、視準板233を用いて被測定物S上における所定の2稜線の夾角に対する角度測定を説明するための説明図である。初めに、拡大面235の視野中心のレンズ部235bにより、夾角の頂点に対して、視準線234aの十字の交差部を視準する。次に、図9(a)に示すように、視野周辺部のレンズ部235cを、一方の稜線L1に視準した後、図9(b)に示すように、回転機構60により視準板233を回転させ、図9(c)に示すように、他方の稜線L2に視準する。このときの回転角度θを読み取って、角度表示部70に表示することで、角度測定を行う。
なお、第2の実施形態において、レンズ部235b,235cは拡大面235の視野中心(235b)及び視野周辺(235c)に2カ所設けているとしたが、例えば、図10に示すように、視準線334aが形成された視準面334(第1の面)と、平面部335a及びレンズ部335b,335cからなる拡大面335(第2の面)と、を有して構成される視準板333において、拡大面335の中心部にレンズ部335bを設け、視野周辺2カ所以上を拡大するよう、拡大面335の周辺部の2カ所以上にレンズ部335cを設けてもよい。このとき、視準線334aの交差する角度θrを被測定物S上の測定対象となる部位における設計値角度とすることで、視準板333を大きく回転することなく、設計値角度からの差を測定することが可能となるため、測定作業の効率化が図れる。なお、図10(c)に示すように、視準線334aを構成する2本の線は、直交させる必要は無く、所望の角度(例えば、上述のθr)を有するように形成しても良い。
また、第1及び第2の実施形態において、視準板33,133,233,333を円板形状として説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。
100、200 測定顕微鏡装置(顕微鏡装置) 31 対物レンズ
33,133,233,333 視準板
34,134,234,334 視準面(第1の面)
34a,134a,234a,334a 視準線
35,135,235,335 拡大面(第2の面)
35a,135a,235a,335a 平面部
35b,135b,235b,335b レンズ部
36 接眼レンズ 60 回転機構 70 角度表示部(角度測定手段)

Claims (9)

  1. 光学像若しくは当該光学像と共役な位置と略一致するように配置され、前記光学像を特定位置に位置合わせするための視準線を有する第1の面と、
    前記第1の面と略平行に延びる平面部及び前記視準線近傍の前記光学像を部分的に拡大する、少なくとも1つのレンズ部を有する第2の面と、を有することを特徴とする視準板。
  2. 前記レンズ部のうちの1つは視野中心に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の視準板。
  3. 前記レンズ部のうちの1つは視野中心に設けられ、残りの前記レンズ部は前記視野中心の周辺部に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の視準板。
  4. 被測定物体からの光を対物レンズを介して集光して当該被測定物体の光学像を結像する結像光学系と、
    前記光学像若しくは当該光学像と共役な位置と略一致するように前記第1の面が配置された請求項1〜3いずれか一項に記載の視準板と、
    前記光学像を観察する接眼レンズと、を有することを特徴とする顕微鏡装置。
  5. 前記対物レンズの開口数をA、倍率をβoとし、前記接眼レンズの倍率をβeとしたとき、前記視準板の前記レンズ部の倍率βrは、次式
    Figure 2011112833
    の条件を満足することを特徴とする請求項4に記載の顕微鏡装置。
  6. 前記視準板の媒質の観察光波長に対する屈折率をnとしたとき、前記視準板の前記レンズ部の倍率βrは、次式
    Figure 2011112833
    の条件を満足することを特徴とする請求項4または5に記載の顕微鏡装置。
  7. 前記視準板の媒質の観察光波長に対する屈折率をnとしたとき、前記視準板の前記レンズ部の倍率βrは、次式
    Figure 2011112833
    の条件を満足することを特徴とする請求項4または5に記載の顕微鏡装置。
  8. 前記対物レンズの開口数をA、倍率をβoとし、前記視準板の前記レンズ部の倍率をβrとし、前記視準板の媒質の観察光波長に対する屈折率をnとし、前記視準板の前記平板部における中心厚をt1、前記レンズ部における中心厚をt2とし、前記レンズ部の焦点距離をfとしたとき、次式
    Figure 2011112833
    の条件を満足することを特徴とする請求項4〜7いずれか一項に記載の顕微鏡装置。
  9. 前記視準板は、前記レンズ部を視野中心及び視野周辺の少なくとも1カ所に有し、
    前記視準板を前記視野中心を中心軸として円周方向に回転させる回転手段と、
    前記回転手段により回転した前記視準板の回転角度を測定する角度測定手段と、
    を更に有することを特徴とする請求項4〜8いずれか一項に記載の顕微鏡装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013134211A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Ono Sokki Co Ltd 光学式エンコーダ
JP2016031454A (ja) * 2014-07-29 2016-03-07 オリンパス株式会社 顕微鏡装置

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