JP2011112440A - エンコーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】磁場を検出する検出部によってモータの1回転内の角度検出を行うことができるエンコーダを提供する。
【解決手段】磁気パターンが形成され回転軸(R)を中心として回転し、内周側と外周側との間で径方向の磁場を形成し、回転方向の一周に亘って少なくとも一回は磁場の方向を変化させるように設けられた磁石部(6)と、磁石部による磁場を検出する検出部(4)とを備え、磁石部は、磁場の方向が変化する境界(6d)における径方向の幅(Ws)を相対的に減少させた縮幅部(6s)を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンコーダに関するものである。
モータの回転軸など回転体の回転数や回転速度を検出する装置として、エンコーダが知られている(特許文献1)。例えば、ロータリーエンコーダは、モータ等の回転軸に取り付けられて用いられる。また、エンコーダの具体的構成として、例えば磁気を用いて回転数などを検出する構成が知られている。
このような構成のエンコーダは、磁気パターンが形成された磁石部を回転軸と一体的に回転させ、磁石部の磁気パターンの変化を磁気センサによって読み取ることで、モータの回転軸の回転数などを検出できるようになっている。具体的な構成としては、例えば回転軸と一体的に回転する回転部が当該回転軸に固定され、磁石部が回転部に保持された状態で用いられる構成が知られている。
特開平3−287014号公報
しかしながら、一般的なエンコーダでは、磁石部の回転による磁場が磁気センサ等の検出部によって矩形波状の信号として検出される。そのため、磁気センサではモータ等の回転軸の1回転内の角度検出ができない場合があるという課題がある。
そこで、本発明は、磁場を検出する検出部によってモータの1回転内の角度検出を行うことができるエンコーダを提供すること目的する。
上記の課題を解決するために、本発明の態様は実施形態に示す図1〜図4に対応付けした以下の構成を採用している。なお、本発明を分かり易く説明するために、一実施形態を示す図面の符号に対応付けて説明するが、本発明は実施形態に限定されるものではない。
本発明の態様のエンコーダ(EC)は、磁気パターンが形成され回転軸(R)を中心として回転し、内周側と外周側との間で径方向の磁場(M)を形成し、回転方向の一周に亘って少なくとも一回は前記磁場の方向を変化させるように設けられた磁石部(6)と、前記磁石部による磁場を検出する検出部(4)とを備え、前記磁石部は、前記磁場の方向が変化する境界における径方向の幅(Ws)を相対的に減少させた縮幅部(6s)を有することを特徴とする。
本発明の別態様のエンコーダ(EC)は、磁気パターンが形成され回転軸(R)を中心として回転し、内周側と外周側との間で径方向の磁場(M)を形成し、回転方向の一周に亘って少なくとも一回は前記磁場の方向を変化させるように設けられた磁石部(6)と、前記磁石部による磁場を検出する検出部(4)と、前記検出部により検出される前記磁場を変化させる磁場検出手段(6s、6l)と、を備えることを特徴とする。
本発明のエンコーダによれば、検出部によって検出された磁力により、モータ等の1回転内の角度を算出することが可能になる。
本発明の実施形態に係るエンコーダの概略構成を示す断面図である。 図1に示すエンコーダの磁石部の平面図である。 (a)は図2のA−A’線に沿う断面図、(b)は図2のB−B’線に沿う断面図、(c)は図2のC−C’線に沿う断面図である。 図1に示すエンコーダの回転角度と磁場との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態に係るエンコーダECの構成を示す断面図である。
図1に示すエンコーダECは、モータMRなどの回転体の回転数や回転速度を検出する装置である。エンコーダECは、検出部D、磁石部6、及び回転部3を備え、磁石部6を保持した回転部3が検出部Dに収容された状態で用いられる。
回転部3は、例えばボルト8等によって回転体であるモータMRの駆動軸7に固定され、駆動軸7と一体的に回転する部分である。回転部3は、磁石部6の上面6aを検出部Dの磁気センサ4に対向させて保持している。回転部3が駆動軸7に固定された状態においては円盤面31b,31cが駆動軸7に垂直となり、回転部3の回転軸R方向は駆動軸7の延在方向と同一方向となる。回転部3は、円盤部31、保持部32、ハブ33、及び嵌入部34を有している。
円盤部31は円板状に形成され、回転部3の本体をなす部分である。円盤部31は、中央に貫通孔31aが設けられ、貫通孔31aに挿通されたボルト8によって駆動軸7に固定される。
保持部32は、円盤部31の図中上側の円盤面31bに凹状に設けられ、回転部3の回転方向に沿って貫通孔31aの周囲に円環溝状に設けられている。
ハブ33は、円盤部31の図中下側の円盤面31cから略垂直に突出するように設けられ、上記モータMRの駆動軸7に接続される部分である。ハブ33は、平面視中央部に凹状の嵌入部34を有している。
嵌入部34は有底円筒状に形成され、モータMRの駆動軸7の端部が嵌入されて固定されるようになっている。
図2は、図1に示す磁石部6の平面図である。
図1及び図2に示すように、磁石部6は、中央部に円形の開口を有し、平面視で楕円状の形状に形成された永久磁石である。磁石部6としては、例えばネオジ鉄系の焼結磁石などが用いられている。磁石部6には、所定の磁気パターンが形成されている。図2に示すように、磁石部6の磁気パターンとして、例えば、内周側の磁極N,Sと外周側の磁極N,Sとが異なり、周方向の180°毎の境界6dで内周側の磁極N,Sと外周側の磁極N,Sとが入れ替わるように着磁された磁気パターンなどが挙げられる。勿論、他の磁気パターンが形成されていても構わない。
磁石部6は、回転部3に固定され、回転部3の回転と連動して回転軸Rを中心として回転するようになっている。このような構成により、磁石部6は、内周側の磁極N,Sと外周側の磁極N,Sとの間で径方向の磁場を形成し、回転方向の一周に亘って磁場の方向を一回変化させるようになっている。
本実施形態の磁石部6は、内周側の磁極S,Nは円環状に形成され、径方向の幅(厚さ)Wiが回転方向の全周に亘って略等しくなっている。
一方、外周側の磁極S,Nは、磁石部6の磁場の方向が変化する磁極N,Sの境界6dにおいて径方向の幅Woが最小になり、境界6dから周方向に遠ざかるにつれて幅Woが漸増し、境界6dから周方向に約90°離れた位置で幅Woが最大になるように形成されている。また、外周側の磁極S,Nは、磁場の方向が変化しない定常部6cでは、境界6dから磁石部6の回転方向に例えば約30°離れた位置で内周側の磁極N,Sの径方向の幅Wiと外周側の磁極N,Sの径方向の幅Woとが略等しくなっている。
上記のように、磁石部6は、定常部6cに内周側の磁極N,Sの径方向の幅Wiと外周側の磁極N,Sの径方向の幅Woとが略等しい等幅部6mを有している。また、磁石部6は、外周側の磁極S,Nの径方向の幅Woを磁石部6の回転方向において異ならせることで、径方向の幅Woを等幅部6mよりも相対的に減少させた縮幅部6sと、径方向の幅Woを等幅部6mよりも相対的に増加させた拡幅部6lとを有している。
等幅部6mは、磁石部6の磁場の方向が変化しない定常部6cに設けられ、境界6dから磁石部の回転方向の両側にそれぞれ約30°離れた位置に設けられている。
縮幅部6sは、等幅部6mの境界6d側に形成され、境界6dにおいて径方向の幅Wsが最小となり、境界6dから磁石部6の回転方向に遠ざかるにつれて、径方向の幅Wが漸増するように設けられている。
拡幅部6lは、等幅部6mと同様に磁石部6の定常部6cに設けられ、等幅部6mよりも境界6dから遠い側に設けられている。拡幅部6lは、境界6dから磁石部6の周方向に約90°の最も離れた位置において径方向の幅Wlが最大となり、境界6dに近づくにつれて径方向の幅Wが漸減するように設けられている。本実施形態では、拡幅部6lにおける外周側の磁極N,Sの最大の幅は、内周側の磁極N,Sの幅の例えば約2倍になっている。
検出部Dは、磁石部6による磁場を検出する部分である。検出部Dは、筐体1と、筐体1を封止する基板5と、基板5を筐体1に固定するボルト2と、基板5に設けられ磁石部6の上面6aと所定の距離で対向する磁気センサ4とを有している。筐体1は、ほぼ円筒状に形成され、モータMRに固定されている。筐体1及び基板5は、回転部3及び駆動軸7とは独立して設けられ、駆動軸7が回転しても、筐体1及び基板5とモータMRとの相対位置が変化しないようになっている。回転部3及び磁石部6は、駆動軸7の軸方向に見たときに、それぞれの中心が筐体1の中心に一致するように位置合わせされた状態で収容されている。
磁気センサ4は、駆動軸7の軸方向に見て、磁石部6に重なる位置に一対配置されている。各磁気センサ4は、基板5が備える不図示の配線などを介して電源部及び制御部に接続されている。制御部は、磁気センサ4,4からの出力に基づいて駆動軸7の回転角度位置、回転数及び回転速度を求める処理を行う。各磁気センサ4は、バイアス磁石(不図示)及び磁気抵抗素子4a,4b(図3参照)を有している。
バイアス磁石は、磁石部6の磁場との間で合成磁場を形成する磁石である。バイアス磁石を構成する材料として、例えばサマリウム・コバルトなどの磁力の大きい希土類磁石などが挙げられる。バイアス磁石は、磁気抵抗素子4a,4bに接触したり、隣接したりしない位置に配置されている。
磁気抵抗素子4a,4bは、例えば金属配線などによって形成された直交する2つの繰り返しパターンを有している。磁気抵抗素子4a,4bは、磁場の方向が当該繰り返しパターンに流れる電流の方向の垂直方向に近くなると電気抵抗が低下するようになっている。磁気抵抗素子4a,4bは、この電気抵抗の低下を利用して磁場の方向を電気信号に変換するようになっている。磁気抵抗素子4a,4bは、磁石部6の磁場及びバイアス磁石の磁場による合成磁場を検出するようになっており、検出結果は電気信号として上記の制御部(不図示)に送信されるようになっている。
図3(a)は、図2のA−A’線に沿う断面図である。図3(b)は、図2のB−B’線に沿う断面図である。図3(c)は、図2のC−C’線に沿う断面図である。
図3(a)〜図3(c)に示すように、磁気センサ4は、磁石部6の上面(回転面)6aと平行な方向の磁場Mを検出する磁気抵抗素子(平行磁場検出素子)4aと、磁石部6の上面6aと垂直な回転軸R方向の磁場Mを検出する磁気抵抗素子(垂直磁場検出素子)4bとの2種類の磁気抵抗素子を備えている。
図2に示す磁石部6が回転軸Rを中心として回転して、図3(a)に示すように、拡幅部6lが磁気センサ4の下方に配置されると、外周側の磁極N,S径方向の径方向の幅Woが最大となり、磁石部6の径方向及び回転軸Rと平行な方向の磁場Mの磁力が最大となる。
また、図3(b)に示すように、等幅部6mが磁気センサ4の下方に配置されると、外周側の磁極N,Sの径方向の幅Woと内周側の磁極N,Sの径方向の幅Wiとが略等しくなり、磁石部6の径方向及び回転軸Rと平行な方向の磁場Mの磁力が拡幅部6lの例えば約1/2倍になる。
また、図3(c)に示すように、縮幅部6sが磁気センサ4の下方に配置されると、外周側の磁極N,Sの径方向の幅Woが最小になり、磁石部6の径方向及び回転軸Rと平行な方向の磁場Mの磁力の絶対値が最小になる。
図4は、横軸を磁石部6の回転角度、縦軸を磁石部6の磁力として、磁石部6を1回転させたときに磁気センサ4によって測定される磁力の変化を示すグラフである。
本実施形態の縮幅部6s及び拡幅部6lは、例えば以下の方法により、磁石部6による1回転内における磁場を正弦波状に変化させるように形成されている。
まず、磁石部6に縮幅部6s及び拡幅部6lを設けず、内周側の磁極N,Sの径方向の幅Wiと外周側の磁極N,Sの径方向の幅Woとを等しくした状態で、磁石部6を回転軸Rを中心として1回転させ、磁気センサ4によって磁石部6が一回転する際の磁力の変化を測定する。ここで、磁石部6は、図2に示すように、内周側の磁極N,Sと外周側の磁極N,Sとが異なり、周方向の180°で内周側の磁極N,Sと外周側の磁極N,Sとが入れ替わるように設けられている。
したがって、磁石部6には内周側の磁極N,Sと外周側の磁極N,Sとの間で径方向の磁場Mが発生し、磁石部6を一回転させると内周側の磁極N,Sと外周側の磁極N,Sとが入れ替わる境界6dにおいて磁場Mの方向が逆転する。すると、磁石部6の磁場Mとバイアス磁石の磁場との合成磁場がほぼ90°変化する。そのため、磁石部6の境界6dを磁気センサ4の下方に配置し、その状態を0°として回転を開始すると、図4に二点鎖線で示すように、磁気センサ4によって、180°毎に磁力の正負が逆転する矩形波状の信号S0が検出される。
次に、内周側の磁極N,Sの径方向の幅Wiと外周側の磁極N,Sの径方向の幅Woとを異なる比率で形成した複数の磁石部6を用意する。そして、異なる比率ごとに磁気センサ4の磁気抵抗素子4a,4bによって検出される磁力を測定する。ここで、磁石部6の外周側の磁極N,Sの径方向の幅Woが相対的に減少することで、磁気センサ4の磁気抵抗素子4a,4bによって検出される磁力は相対的に減少する。また、磁石部6の外周側の磁極N,Sの径方向の幅Woが相対的に増加することで、磁気センサ4の磁気抵抗素子4a,4bによって検出される磁力は相対的に増加する。
これにより、内周側の磁極N,Sの径方向の幅Wiと外周側の磁極N,Sの径方向の幅Woとの比率と磁気センサ4の磁気抵抗素子4a,4bによって検出される磁力との関係式が得られる。このようにして得られた関係式に基づいて、図4に示すように、矩形波状の信号S0が実線で示す正弦波状の信号S1に変化するように、内周側の磁極N,Sの径方向の幅Wiと外周側の磁極N,Sの径方向の幅Woとの比率を調整する。以上により、磁石部6による1回転内における磁場を正弦波状に変化させる縮幅部6s及び拡幅部6lを形成することができる。
次に、上記のように構成されたエンコーダECの動作を説明する。
モータMRの駆動軸7が回転すると、駆動軸7に一体的に取り付けられた回転部3及び磁石部6が駆動軸7と一体的に回転する。モータMRに固定された検出部Dについては、駆動軸7には接続されていないため、回転せずに静止した状態となる。
回転部3の回転と共に磁石部6が回転すると、磁石部6の磁気パターンによって形成される磁場Mとバイアス磁石の磁場との合成磁場が周期的に変化する。各磁気センサ4の磁気抵抗素子4aは、磁石部6の上面6aに平行な方向の磁場Mとバイアス磁石の磁場との合成磁場を検出する。また、各磁気センサ4の磁気抵抗素子4bは、磁石部6の回転軸Rに平行な方向の磁場Mとバイアス磁石の磁場との合成磁場を検出する。
磁気センサ4によって検出された合成磁場は、電気信号として制御部に送信され、図4に実線で示す正弦波状の信号S1が得られる。制御部は、得られた正弦波状の信号S1に基づいてモータの1回転内の角度、回転数及び回転速度を算出する。
本実施形態のエンコーダECの磁石部6は、図2に示すように、磁場Mの方向が変化する境界6dにおける径方向の幅Wsを等幅部6mと比較して相対的に減少させた縮幅部6sを有している。そのため、磁気センサ4によって検出される境界6dの近傍の磁力を等幅部6mと比較して相対的に減少させることができる。これにより、従来はステップ状に変化していた境界6dの近傍の磁場の変化が緩やかになり、モータMRの1回転内で磁気センサ4によって検出される磁力が正弦波状に変化する。したがって、磁気センサ4によって検出される信号S1の波形を正弦波状に変化させ、制御部によってモータMRの1回転内の角度を算出することが可能になる。
また、縮幅部6sは、境界6dにおいて径方向の幅Wsが最小となり、境界6dから遠ざかるにつれて径方向の幅Wが漸増するように設けられている。そのため、図4に示す信号S1のように、1回転内で回転角度が約0°〜約30°、約150°〜約210°、約330°〜約360°の範囲の磁力の変化を滑らかな曲線状にすることができる。これにより、信号S1をより正弦波に近づけることができる。
また、本実施形態のエンコーダECは、磁場の方向が変化しない定常部6cにおいて径方向の幅Wを等幅部6mと比較して相対的に増加させた拡幅部6lを有している。そのため、定常部6cにおいて磁気センサ4によって検出される磁力を等幅部6mと比較して相対的に増加させることができる。これにより、磁石部6が回転して拡幅部6lが磁気センサ4の下方に近づくにつれて磁気センサ4によって検出される磁力が増加し、拡幅部6lが磁気センサ4の下方から遠ざかるにつれて磁気センサ4によって検出される磁力が減少する。したがって、従来は図4に示す信号S0のように、磁場Mの方向が切り替わる部分以外は略一定値であった磁力を、信号S1のように正弦波状に変化させ、制御部によってモータMRの1回転内の角度を算出することが可能になる。
また、拡幅部6lは、磁石部6の境界6dから最も離れた位置において径方向の幅Wlが最大となり、境界6dに近づくにつれて径方向の幅Wが漸減するように設けられている。そのため、図4に示す信号S1のように、磁石部6の1回転内で回転角度が約90°のときに磁力が最大となり、約270°のときに磁力が最小になる。また、回転角度が約30°〜約150°、約210°〜約330°のときの磁力の変化を滑らかな曲線状にすることができる。これにより、信号S1をより正弦波に近づけることができる。
また、本実施形態の磁石部6は、内周側の磁極N,Sと外周側の磁極N,Sとが異なり、周方向の180°で内周側の磁極N,Sと外周側の磁極N,Sとが入れ替わるように設けられている。そのため、縮幅部6s及び拡幅部6lが設けられていない場合には、磁気センサ4によって図4に示す矩形波状の信号S0が得られる。しかし、上記の縮幅部6s及び拡幅部6lと組み合わせることで、磁気センサ4により正弦波状の信号S1を得ることが可能になる。
また、本実施形態の磁気センサ4は、磁石部6の上面6aと平行な方向の磁場を検出する磁気抵抗素子4aと、磁石部6の上面6aと垂直な回転軸R方向の磁場を検出する磁気抵抗素子4bとを備えている。これにより、磁気センサ4により上面6aと平行な方向の磁場と回転軸R方向の磁場の双方を検出して、それぞれの方向の磁場からそれぞれ正弦波状の信号S1を得ることが可能になる。したがって、本実施形態の磁気センサ4はセンサの2重化が可能となるので、エンコーダECの信頼性を向上させることができる。
加えて、磁気抵抗素子4a,4bのいずれか一方が故障した場合であっても、他方により正弦波状の信号S1が得ることができ、制御部によってモータMRの1回転内の角度を算出することが可能になる。これにより、エンコーダECの信頼性及び安全性を向上させることが可能になる。
また、磁気センサ4を磁石部6の周方向に一対備えているので、それぞれの磁気センサ4によりA相、B相が得られ、制御部によって磁石部6の回転方向を算出することができる。したがって、モータMRの駆動軸7の回転方向及び多回転量を検出することが可能になる。
以上説明したように、本実施形態のエンコーダECによれば、モータMRの1回転内の角度検出を行うことができるだけでなく、二方向の磁場の併用が可能になる。これにより、エンコーダECの分解能、信頼性、及び安全性を向上させることができる。
また、本実施形態における磁気センサ4は、モータMRの1回転内の角度を検出しているが、モータMRの回転数を検出するようにしてもよい。この場合、例えば、モータMRの1回転内の角度は、回転部3に設ける光学パターン(光学式の回転符号板)と該光学パターンを読み取る光学センサとによって検出する。
また、上述のように、磁気センサ4は、磁場変化手段である縮幅部6sと拡幅部6lとを用いることによって、正弦波状の信号を検出することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態において、磁気センサは一対ではなく、一つであってもよい。また、磁気抵抗素子は、一方向の磁場のみに対応して配置されていてもよい。また磁気センサはホール素子であってもよい。
また、上述の実施形態では、磁石部の外周側の磁極の径方向の幅を変化させて縮幅部と拡幅部とを形成したが、内周側の磁極の径方向の幅を変化させて縮幅部と拡幅部とを形成してもよい。
また、磁石部の外周側の磁極の径方向の幅と内周側の磁極の径方向の幅の双方を変化させて縮幅部と拡幅部とを形成してもよい。この場合、磁石部の外周側の磁極の径方向の幅と内周側の磁極の径方向の幅を磁石部の回転方向の全周に亘って等しくしてもよい。
また、縮幅部の径方向の幅が最小となる磁極の境界において、径方向の幅が略0になるようにしてもよい。
4a 磁気抵抗素子(平行磁場検出素子)、4b 磁気抵抗素子(垂直磁場検出素子)、6 磁石部、6c 定常部、6d 境界、6l 拡幅部、6s 縮幅部、D 検出部、EC エンコーダ、M 磁場、N,S 磁極、R 回転軸、W 幅

Claims (8)

  1. 磁気パターンが形成され回転軸を中心として回転し、内周側と外周側との間で径方向の磁場を形成し、回転方向の一周に亘って少なくとも一回は前記磁場の方向を変化させるように設けられた磁石部と、前記磁石部による磁場を検出する検出部とを備え、
    前記磁石部は、前記磁場の方向が変化する境界における径方向の幅を相対的に減少させた縮幅部を有すること
    を特徴とするエンコーダ。
  2. 請求項1に記載のエンコーダにおいて、
    前記縮幅部は、前記境界において前記径方向の幅が最小となり、前記境界から遠ざかるにつれて前記径方向の幅が漸増するように設けられていること
    を特徴とするエンコーダ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のエンコーダにおいて、
    前記磁石部は、前記磁場の方向が変化しない定常部において前記径方向の幅を相対的に増加させた拡幅部を有すること
    を特徴とするエンコーダ。
  4. 請求項3に記載のエンコーダにおいて、
    前記拡幅部は、前記境界から最も離れた位置において前記径方向の幅が最大となり、前記境界に近づくにつれて前記径方向の幅が漸減するように設けられていること
    を特徴とするエンコーダ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のエンコーダにおいて、
    前記磁石部は、前記内周側の磁極と前記外周側の磁極とが異なり、周方向の180°で前記内周側の磁極と前記外周側の磁極とが入れ替わるように設けられていること
    を特徴とするエンコーダ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のエンコーダにおいて、
    前記検出部は、前記磁石部の回転面と平行な方向の前記磁場を検出する平行磁場検出素子を備えていること
    を特徴とするエンコーダ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のエンコーダにおいて、
    前記検出部は、前記磁石部の回転面と垂直な方向の前記磁場を検出する垂直磁場検出素子を備えていること
    を特徴とするエンコーダ。
  8. 磁気パターンが形成され回転軸を中心として回転し、内周側と外周側との間で径方向の磁場を形成し、回転方向の一周に亘って少なくとも一回は前記磁場の方向を変化させるように設けられた磁石部と、
    前記磁石部による磁場を検出する検出部と、
    前記検出部により検出される前記磁場を変化させる磁場検出手段と、を備えること
    を特徴とするエンコーダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017161365A (ja) * 2016-03-09 2017-09-14 Tdk株式会社 磁石および変位検出装置

Cited By (1)

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JP2017161365A (ja) * 2016-03-09 2017-09-14 Tdk株式会社 磁石および変位検出装置

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