JP2011112102A - 媒介管継手及びその施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】堰などの障害物を内部に設けることなく、接着剤の接触が好ましくない部分への液垂れを防止することができる媒介管継手及びその施工方法を提供することを目的としている。
【解決手段】管が接着剤を介して接着されて接続される第1接続部としての差口部11を一端に有する第1部材1と、管が挿入によって管の内周面または外周面に水密材が密着して止水されるとともに、機械的に抜け止め状態にされる第2接続部としての管取付部22を一端に有する第2部材2とを備え、第1部材1及び第2部材2の他端同士が、連結解除及び再連結可能に連結されるようにし、まず、第1部材1を第2部材2から分離した状態で、第1部材1の差口部11を他の配管材の受口に接着接続するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、塩化ビニル樹脂製の上水管と建物内の架橋ポリエチレン管やポリブテン管などの異種管との接続に用いられる媒介管継手及びその施工方法に関する。
水道本管から敷地内への引き込み管としては、塩化ビニル樹脂管が一般的であるが、家屋内の給水給湯配管は、耐衝撃性など強度的に優れ、可撓性を有し施工性にも優れ、保温・保冷性に優れているとともに、脱塩素系材料であることから架橋ポリエチレン管やポリブテン管等のポリオレフィン系樹脂管を使用することが多くなっている。
そこで、接着で接続可能な塩化ビニル樹脂管と、接着では接続不可能な架橋ポリエチレン管やポリブテン管などの異種の配管材を接続する管継手として、図6に示すような媒介管継手100が既に提案されている(特許文献1)。
この媒介管継手100は、管状の継手本体110の一端に第1接続部120が設けられ、他端に第2接続部130が設けられている。
第1接続部120は、受口形状をしていて、塩化ビニル樹脂管などの一方の管210が接着剤を介して接続されるようになっている。
第2接続部130は、抜け止めリング131とOリング132が収容され、架橋ポリエチレン管やポリブテン管などの他方の管220が内部に挿入されることによって、抜け止めリング131によって管220の抜けが防止されるとともに、漏水がないようにOリング132によって止水が図られるようになっている。
また、継手本体110は、第1接続部120奥側で、かつ、Oリング132よりも第1接続部120側に、第1接続部120側に向かって開口する凹溝を形成する堰140が環状に設けられている。
すなわち、液垂れした接着剤がOリング132に付着して、接着剤が乾いたときに異物となって残ると、Oリング132の止水性能を損なうことがあるが、Oリング132よりも第1接続部120側に堰140が設けられているので、管210の接着時に用いられる接着剤が液垂れを起こして媒介管継手100内に入り込んでもこの堰140によって遮られ、Oリング132に接着剤が付着することを防止できる。
また、継手の一部に溶剤に弱い材質のものが用いられている場合には、液垂れを起こした接着剤が溶剤に弱い部分まで達して、継手本体110にひび割れ等の劣化が起き易くなるという問題もあるが、上記堰140によってこのような劣化も防止することができる。
特許第4210075号公報
しかし、上記のように堰140を設けた場合、堰140がある程度大きなものでないと、Oリング132側へ接着剤の液垂れ防止効果が十分でない。一方、堰140が大きくなると、配管内を流れる流体の流れを阻害するおそれがあるとともに、流体内を流れる不純物がこの堰140の部分で溜まり、配管詰りの原因になったり、堰140の部分で雑菌等が繁殖し、流体を汚染したりするおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みて、堰などの障害物を内部に設けることなく、接着剤の接触が好ましくない部分への液垂れを防止することができる媒介管継手及びその施工方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかる媒介管継手は、他の配管材と接着接続される差口部を一端に有する第1部材と、他の配管材がその管端部の挿入によって管端部の内周面または外周面に水密材が密着して止水されるとともに、機械的に抜け止め状態にされる管取付部を一端に有する第2部材とを備え、第1部材及び第2部材の他端同士が、連結解除及び再連結可能に連結されていることを特徴としている。
本発明において、挿入された管が機械的に抜け止め状態にする方法とは、特に限定されないが、例えば、継手のノズル状の内筒部を管に挿入し、管の外側から締め付けリングの弾性力によって締め付けて抜け止め状態する方法、継手内に挿入された管の表面に継手内に設けられた抜け止めリングの一部を食い込ませることによって抜け止め状態にする方法などが挙げられ、これらを組み合わせてもよい。
さらに、上記のような構成の媒介管継手としては、特に限定されないが、例えば、第1部材が、他端に雄ねじ筒部を有するとともに、この雄ねじ筒部の基端側に周面の一部に外周方向に張り出す係止突部を備えたフランジを有し、第2部材が、他端に前記雄ねじ筒部内に挿入される差口部を備えた第2部材本体を有するとともに、前記第2部材本体に離脱不能、かつ、回転自在に装着され、前記第1部材の雄ねじ筒部に外側から螺合するとともに、ねじ込みにつれて前記フランジの壁面に沿いながら移動し、弾性変形しながら前記係止突部に乗り上げ、係止突部を乗り越えると、弾性復元し、係止突部に係止されてねじの弛む方向への回転を止める回り止め部を備えた袋ナットを有するような構造とすることが好ましい。
また、第1部材は、第1接続部が、接着剤によって管と接着固定できる材料で形成されていれば、特に限定されないが、全体が塩化ビニル樹脂で形成されていることが好ましい。
第2部材は、特に限定されないが、軽量化を図る意味でほぼ全体が合成樹脂で形成されていることが好ましい。
ちなみに、上記第2部材本体用の樹脂としては、例えば、給水用などの使用温度が低い場合、ポリ塩化ビニル、ポリブデン、架橋ポリエチレン、ポリエチレンなどでもよいが、給湯などの使用温度が高い場合には、エンジニアリングプラスチック、例えば、ポリアセタール、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルフォン、ポリフェニルサルフォンなどが好ましい。
上記第2部材本体の管挿入部の構造は、特に限定されないが、例えば、接続される管を管挿入部に挿入するだけで、締め付けリングを拡径状態にした拡径片が飛んで、締め付けリングが弾性収縮して管を管内に挿通されたノズル状の内筒との間で締め付けて抜け止め及び止水を図るようにした公知のワンタッチ接続構造(例えば、積水化学工業社製商品名エスロカチットの構造、特開2001-295974号公報に記載の構造)が挙げられる。
一方、上記袋ナットは、合成樹脂製のものを用いることが好ましい。袋ナットを構成する合成樹脂としては、給湯用など、高温となる場合には、架橋ポリエチレンや、ポリアセタール、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルフォン、ポリフェニルサルフォンなどのエンジニアリングプラスチックを用いることが望ましい。一方、給水用など、温度が高くない場合には、塩化ビニル、ポリブデン、ポリエチレンなどの汎用樹脂を採用することができる。
本発明にかかる媒介管継手は、他の配管材と接着接続される差口部を一端に有する第1部材と、他の配管材がその管端部の挿入によって管端部の内周面または外周面に水密材が密着して止水されるとともに、機械的に抜け止め状態にされる管取付部を一端に有する第2部材とを備え、第1部材及び第2部材の他端同士が、連結解除及び再連結可能に連結されているので、接着によって接続される側の一方の他の配管材の先端を受口としておけば、第1接続部の先端部外周面に接着剤を塗布したのち、第1接続部の先端部を受口に差し込むことで他の配管材と媒介管継手とが接着固定される。すなわち、接着剤塗布時に第1接続部内に接着剤が液垂れによって流れ込むことがない。結果として、流れの邪魔になる堰などを内部に設けなくてもよくなる。
しかも、第1部材と、第2接続部とが、連結解除及び再連結可能に連結されているので、第1接続部と配管との接着固定の際には、第1部材と第2部材との連結を解除しておき、まず、第1部材を接着側の配管に接着固定しておき、その後、第2部材を再び第1部材と連結させる施工方法を採用することができる。
すなわち、このような施工方法を用いることによって、接着剤の接触が好ましくない部分への液垂れや、接着剤中に含まれる有機溶剤の影響を確実に防止することができる。
本発明にかかる媒介管継手の1つの実施の形態をあらわす半断面図である。 図1の媒介管継手の第1部材の正面図である。 図2の第1部材のX方向矢視図である。 図1の媒介管継手の第2部材の正面図である。 第1部材と接続される配管との接続方法を説明する半断面図である。 公知の媒介管継手を説明する半断面図である。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1は、本発明にかかる媒介管継手の1つの実施の形態をあらわしている。
図1に示すように、この媒介管継手Aは、第1部材1と第2部材2とを備えている。
第1部材1は、塩化ビニル樹脂を射出成形することによって形成されていて、図1〜図3に示すように、一端に第1接続部となる差口部11を備え、他端に差口部11より大径になった雄ねじ筒部12及びフランジ13を備えている。
雄ねじ筒部12は、図2及び図3に示すように、始端が180度ずれたそれぞれ略1ピッチずつの2本の螺旋突条12aからなる2条ねじ構造になっていて、後述する第2部材2の袋ナット2bの袋ナット本体部26が螺合するようになっている。
フランジ13は、図3に示すように、楕円形をしたフランジ本体部13aと、対称位置に設けられた2つの係止突部13bとを備えている。
また、第1部材1は、雄ねじ筒部12側でその内径が拡径している。
係止突部13bは、それぞれフランジ本体部13aの楕円の長軸から略45度ずれた位置に係止面を有し、この係止面の先端から雄ねじ筒部12のねじの締め込み方向と逆側に徐々にフランジ本体部13aに近づき終端でフランジ本体部13aに面一となるように設けられたテーパ面を備えている。すなわち、係止突部13bは、フランジ本体部13aの外周方向に張り出し、ねじの締め込み方向に向かって徐々にフランジ本体部13aからの高さが高くなっている。
一方、第2部材2は、図1及び図4に示すように、第2部材本体2aと袋ナット2bとを備えている。
第2部材本体2aは、一端に差口部21、他端に第2接続部となる管取付部22を備えている。
差口部21は、上記雄ねじ筒部12内に挿入されるようになっていて、周囲にOリング21aが嵌められている。
管取付部22は、差口部21に連通するとともに、管取付部22に接続される架橋ポリエチレン管などの管の端部に挿入されるノズル状をした内筒部22aと、この内筒部22aの間に筒状をした管の挿入空間を形成する外筒部22bとを備えている。
内筒部22aの周囲には、図1に示すように、管取付部22内に挿入された管の内壁面に水密に密着するOリング22cが嵌め込まれている。
また、外筒部22bの内側には、図1に示すように、締め付けリング23と、拡径片24と、抜け止めリング25とが収容されている。
締め付けリング23は、一部が切り離されたリング状をしていて、管挿入前には、拡径片24が切断面間に挿入されて、管の外径より内径が拡径しているが、管挿入により拡径片24が管端で押されて除去されると、弾性力によって縮径して管壁を内筒部22a側に締め付けてOリング22cにより止水されるようになっている。
抜け止めリング25は、挿入された管に抜け方向の力が加わったときに、管の外壁面に食い込んで管の抜けを防止するようになっている。
すなわち、管取付部22は、管を所定位置(拡径片24が除去される位置)まで挿入されると締め付けリング23と抜け止めリング25との働きによって、ワンタッチで管を水密に、かつしっかりと接続できるようになっている。
袋ナット2bは、図4に示すように、袋ナット本体部26と、2つの回り止め部27とを備えている。
袋ナット本体部26は、図1及び図2に示すように、雄ねじ筒部12に螺合するように内周面に2条ねじが形成されていて、その開口端が差口部21の先端を向くように第2部材本体2aに離脱不能に、かつ、回転自在に装着されている。
2つの回り止め部27は、袋ナット本体部26の中心軸を対称中心として点対称に設けられていて、可動部27aと、延出部27bとを備えている。
可動部27aは、袋ナット本体部26の外周面より少し大径の内径をした円弧状をしていて、一端が袋ナット本体部26の壁面に袋ナット本体部26の外壁面と同心円状になるように固定されている。また、可動部27aは、無負荷状態では、袋ナット本体部26の外壁面との間にほぼ均等な幅の隙間が形成されるとともに、袋ナット本体部26の半径方向に指などで力を受けると固定部を中心に力の加わった方向に弾性変形するようになっている。
延出部27bは、可動部27aの開放端から袋ナット本体部26の中心軸に平行かつ袋ナット本体部26の端縁から外側に延出するように設けられている。
そして、第1部材1と第2部材2との連結にあたっては、第2部材2の差口部21を雄ねじ筒部12内に挿入したのち、袋ナット2bを手で回転させて袋ナット本体部26を雄ねじ筒部12にねじ込んでいく。
このねじ込みに伴って、差口部21が雄ねじ筒部12の内部に向かって進入して行く。また、袋ナット本体部26が略90度程度回転するまでねじ込まれたとき、延出部27bが、フランジ本体部13aの楕円の短軸付近でフランジ本体部13aの雄ねじ筒部12側の端縁と延出部27bの先端縁と略一致する位置までフランジ13方向に移動する。
延出部27bは、さらに袋ナット2bをねじ込んでいくと、まず、係止突部13bのテーパ面に受けられ、ねじ込みの進行に伴って、可動部27aの弾性変形によりテーパ面に沿ってフランジ13の半径方向外側に徐々に移動する。
そして、袋ナット本体部26が略180度回転するまでねじ込まれると、延出部27bが係止突部13bを乗り越え、可動部27aの弾性復元力によって回り止め部27が袋ナット本体部26の外周面に沿う元の形状に復元する。したがって、袋ナット2bが、ねじの緩む方向に回転しようとしても、延出部32bが係止突部13bの係止面に当接し、緩み方向の回り止めがなされる。
また、同時に袋ナット本体部26の端面がフランジ13に受けられ、それ以上のねじ込みができなくなる。
この媒介管継手Aは、上記のように、接着される第1接続部11が差口構造になっているので、図5に示すように、接着によって接続される側の一方の配管Pの先端を受口としておけば、第1接続部11の先端部外周面に接着剤を塗布したのち、第1接続部11の先端部を受口に差し込むことで配管Pと媒介管継手Aとが接着固定される。すなわち、接着剤塗布時に第1接続部11内に接着剤が液垂れによって流れ込むことがない。結果として、流れの邪魔になる堰などを内部に設けなくてもよくなる。
また、第1部材1と第2部材2とが手動で簡単に連結解除及び再連結できるので、第1接続部11を配管に接着接続する場合には、図5に示すように、第1部材1と第2部材2との連結を解除し、先に第1部材1のみを配管Pに上記と同様にして接着固定し、その後、再び第1部材1と第2部材2とを連結する施工方法が採用できる。すなわち、接着剤の影響が第2部材2側へ全く及ばないようにすることできるため、より信頼性の高いものとすることができる。
しかも、第1部材1と第2部材2とが手動で簡単に連結解除できるので、例えば、屋外配管あるいは屋内配管を取り替える必要が生じた場合、第1部材1と第2部材2との連結を解除し、屋外配管と接続された第1部材1(あるいは屋内配管と接続された第2部材2)のみを交換するだけでよいので、経済的である。
また、この媒介管継手Aは、第1部材1と第2部材2とがねじ結合によって接続することができるとともに、回り止め部27によって、ねじの緩みを確実に防止でき、かつ、必要に応じて破損することなく、第1部材1と第2部材2との連結を手動で容易に解除することができる。
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、第2接続部がワンタッチ接続構造となっていたが、袋ナットを締め付けてCリングを縮径させて管の抜けを防止するような構造でも構わない。
また、上記の実施の形態では、内筒部が機械的に抜け止め状態とされる管の内側に嵌合するようになっていたが、しっかり止水でき、抜け止め状態となるのであれば、図6に示す媒介管継手のように内筒部の無い構造でも構わない。
本発明の媒介管継手は、特に限定されないが、例えば、水道本管からの建物敷地内への引き込み管としての塩化ビニル樹脂管と、建物内の給水・給湯用管としての架橋ポリエチレン管やポリブテン管との接続に用いられる。
A 媒介管継手
1 第1部材
11 差口部
12 雄ねじ筒部
13 フランジ
13a フランジ本体部
13b 係止突部
2 第2部材
2a 第2部材本体
2b 袋ナット
21 差口部
22 管取付部
22c Oリング(水密材)
26 袋ナット本体部
27 回り止め部
27a 可動部
27b 延出部

Claims (3)

  1. 他の配管材と接着接続される差口部を一端に有する第1部材と、他の配管材がその管端部の挿入によって管端部の内周面または外周面に水密材が密着して止水されるとともに、機械的に抜け止め状態にされる管取付部を一端に有する第2部材とを備え、第1部材及び第2部材の他端同士が、連結解除及び再連結可能に連結されていることを特徴とする媒介管継手。
  2. 第1部材が、他端に雄ねじ筒部を有するとともに、この雄ねじ筒部の基端側に周面の一部に外周方向に張り出す係止突部を備えたフランジを有し、
    第2部材が、他端に前記雄ねじ筒部内に挿入される差口部を備えた第2部材本体を有するとともに、
    前記第2部材本体に離脱不能、かつ、回転自在に装着され、前記第1部材の雄ねじ筒部に外側から螺合するとともに、ねじ込みにつれて前記フランジの壁面に沿いながら移動し、弾性変形しながら前記係止突部に乗り上げ、係止突部を乗り越えると、弾性復元し、係止突部に係止されてねじの弛む方向への回転を止める回り止め部を備えた袋ナットを有する請求項1に記載の媒介管継手。
  3. 第1部材と第2部材との連結を解除した状態で、第1部材の差口部を他の配管材に接着接続したのち、第2部材を第1部材に連結する請求項1または請求項2に記載の媒介管継手の施工方法。
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