JP2011111900A - 過給機のタービン軸支持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】過給機のタービン軸1がハウジング4の横孔4aに回転自在に支持される構造において、タービンホイール2側への油漏洩の防止効果を高める。
【解決手段】ハウジング4には、第1、第2転がり軸受5,6にそれらの内側から油を供給するための給油路(41〜45)と、少なくとも第1転がり軸受5から外側へ流出した油をハウジング4外へ排出するための排油路50とが設けられる。ハウジング4の横孔4aには、第1転がり軸受5のタービンホイール2側への移動を規制するためのストッパ用フランジ15が設けられる。ストッパ用フランジ15の下部には、第1転がり軸受5から外側へ通過する油を排油路50へ導きやすくするための開口15aが設けられる。ストッパ用フランジ15の上部は下部よりも径方向内向きに突出されることにより、第1転がり軸受5から外側へ通過する油を開口15a側へ向かわせるためのガイドとされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載される内燃機関(エンジン)に用いられる過給機のタービン軸を支持する構造に関する。
内燃機関を過給して出力の増加を図るために、過給機(ターボチャージャやスーパーチャージャ等)が用いられる。例えばターボチャージャは、内燃機関の排気で回転駆動されるタービンホイールと共にコンプレッサインペラを回転駆動し、このコンプレッサインペラにより圧縮された空気によって吸気過給動作を行うようになっている。
タービンホイールはタービン軸の一端側に固定され、また、コンプレッサインペラはタービン軸の他端側に固定される。このタービン軸を支持するための軸受としては、すべり軸受とされていたが、近年では、転がり軸受とする傾向になっている(例えば特許文献1参照。)。
この特許文献1に係る従来例では、タービン軸の軸方向中間領域をベアリングハウジングにベアリングユニットを介して回転自在に支持するようになっている。このベアリングユニットは、長尺なアウターレースとインナーレースとにおける軸方向一端側と他端側とに、複数のボールを介装した構成になっている。つまり、このベアリングユニットは、軸方向に2列のボール群を持つ複列転がり軸受になっている。
そして、ベアリングハウジングとアウターレースとの間には、隙間が設けられており、この隙間に油が収納、保持されることで油膜緩衝層が形成される。この油膜緩衝層によってアウターレースがベアリングハウジングに浮動支持される。
このように浮動支持されるアウターレースの軸方向変位を規制するために、ベアリングハウジングの外径側からアウターレースの軸方向略中央位置にロケーティングピンを打ち込むことによって、ベアリングハウジングにアウターレースをスラスト方向で位置決めさせるようにしている。
前記ベアリングユニットにおける2列のボール群には、給油通路から油が供給されるようになっている。この給油通路は、ロケーティングピン内に形成された軸孔と、ベアリングハウジングとアウターレースとの間に形成された隙間と、アウターレースに形成されたオイルジェットとによって構成されている。
この2列のボール群に供給された油は、軸方向の内側から外側へ通過するが、これらの油はベアリングハウジングの下側に設けられる排油路から外部へ排出されるようになっている。なお、前記ベアリングユニットの外側へ通過した油が、タービンハウジングやコンプレッサハウジングへ漏洩することを防止するために、両ボール群のそれぞれ外側にシールリングが設けられている。これらのシールリングは、接触して油を堰き止めるタイプである。
特に、タービンホイールが配置される側は、高温になる関係より、前記一方列のボール群を通過する油がシールリングを通過してタービンホイール側へ漏洩すると、油が気化して排出される等、好ましくない。
そこで、タービンホイール側への油漏洩を抑制または防止するために、特許文献1に係る従来例では、ベアリングハウジングにおいてタービンホイール側の一方列のボール群とシールリングとの間に、径方向外向きに凹む周溝を設け、この周溝で前記ボール群を通過した油を受け止めさせるようにしている。
特開2000−110577号公報
上記特許文献1に係る従来例では、特に一方列のボール群とタービンホイール側のシールリングとの間が広い空間になっていて、油の流れを遮断するような邪魔板等が存在していないために、特に一方列のボール群からタービンホイール側へ通過する油がタービンホイール側のシールリングに到達しやすくなっている。なお、ベアリングユニットの各ボール群の潤滑、冷却作用を高めるために、これらのボール群に対する油供給量を多くする程、タービンホイール側のシールリングから油が漏洩しやすくなることが懸念される。
このような事情に鑑み、本発明は、過給機のタービン軸の軸方向中間領域がハウジングの横孔に回転自在に支持される構造において、タービンホイール側への油漏洩を防止する効果を高めることを目的としている。
本発明は、過給機のタービン軸の軸方向中間領域がハウジングの横孔に回転自在に支持される構造であって、前記タービン軸においてタービンホイール寄りの領域を前記ハウジングに支持させるための第1転がり軸受と、前記タービン軸においてコンプレッサインペラ寄りの領域を前記ハウジングに支持させるための第2転がり軸受と、前記両転がり軸受の外側に設けられて当該両転がり軸受から外側へ通過した油の外部漏洩を防止するためのシールリングとを含み、前記ハウジングには、前記両転がり軸受にそれらの内側から油を供給するための給油路と、少なくとも前記第1転がり軸受から外側へ通過した油を前記ハウジング外へ排出するための排油路とが設けられ、前記ハウジングの横孔には、前記第1転がり軸受のタービンホイール側への移動を規制するための径方向内向きのストッパ用フランジが設けられ、このストッパ用フランジの下部には、前記第1転がり軸受から外側へ通過する油を前記排油路へ導きやすくするための開口が設けられ、また、このストッパ用フランジの上部は、下部よりも径方向内向きに突出されることにより、前記第1転がり軸受から外側へ通過する油を前記開口側へ向かわせるためのガイドとされている、ことを特徴としている。
この構成では、少なくともタービンホイール側に位置する前記第1転がり軸受の上部から外側へ通過する油が、前記ストッパ用フランジの上部のガイド作用によって前記開口側へ向かわされるようになり、この油や第1転がり軸受の下部から外側へ通過する油が、ストッパ用フランジの下部に設けた開口から前記排油路へ向けて流れやすくなる。
このように、第1転がり軸受の上下から外側へ通過する油の排出が促進されるようになって、当該油が第1転がり軸受側に位置する第1シールリング側へ到達しにくくなるから、この第1シールリングからタービンホイールの配置側(排気通路)への油漏洩を防止する効果が高められることになる。
好ましくは、前記開口は、前記ストッパ用フランジの中心孔から外径側の付け根に至るスリットとされる。
なお、前記開口を得る方法としては、例えばストッパ用フランジをハウジングと共に鋳造する場合には、鋳造型にストッパ用フランジの開口を得るための突起部を設けるようにし、この突起部によって開口が肉抜き部分として得られるようになる。
好ましくは、前記両方の転がり軸受は、単一の外筒を介して前記ハウジングの横孔に隙間を持つ状態で嵌合され、この隙間には、前記ハウジングの給油路から供給される油が保持され、前記外筒には、前記ハウジングの給油路から供給される油を受けて前記両方の転がり軸受にそれらの内側から噴射するための導入路が設けられる。
この構成では、前記嵌め合い隙間に給油路から供給される油が保持されると、この油によって前記タービン軸が浮動支持される形態になり、タービン軸の径方向における振れを抑制または防止するうえで有利となる。なお、このような浮動支持の場合には、タービン軸が軸方向へ移動しうる状態になるが、この移動は前記ハウジングのストッパ用フランジにより規制されることになる。
好ましくは、前記第1転がり軸受側に位置する第1シールリングは、前記タービン軸においてタービンホイール寄りの領域に取り付けられ、前記ハウジングの横孔において前記ストッパ用フランジより外側には、径方向内向きに突出するとともに前記第1シールリングが接触されるシール用フランジが設けられる。
この構成では、第1転がり軸受側に位置する第1シールリングを接触タイプに特定している。この場合、第1シールリングが、回転するタービン軸に取り付けられて、非回転となるハウジングのシール用フランジの内周面に接触されることになり、この接触部分でもって油が堰き止められるようになる。このように第1シールリングで堰き止められた油は、ハウジングの排油路に導かれて排出される。
好ましくは、前記タービン軸において前記ストッパ用フランジの外側には、油を径方向外向きに飛散させるためのスリンガが設けられ、前記ストッパ用フランジの上部は、前記スリンガと軸方向で微小隙間を介して対向する位置まで突出される。
この構成では、第1転がり軸受の上部から外側へ通過した油が、前記ストッパ用フランジの上部とスリンガとで作られる微小隙間によって漏洩量が制限されるか、あるいは堰き止められるようになる。前記微小隙間によって堰き止められた油は、ハウジングの排油路に導かれて排出される。これにより、第1転がり軸受の上部から外側へ通過した油は第1シールリング側へ到達しにくくなる。
好ましくは、前記ハウジングの横孔において前記ストッパ用フランジの外側には、径方向外向きに凹みかつ前記ストッパ用フランジを越えて第1シールリング側へ向かう油を受け止めるための周溝が設けられ、前記排油路は、前記ハウジングの横孔の下部に設けられ、この排油路に前記周溝の下側が連通される。
この構成では、第1転がり軸受の上部から外側へ通過した油が、ストッパ用フランジを越えたとしても、この油が周溝によって受け止められることになり、この周溝に流入した油が排油路へ速やかに流れ落とされるようになる。これにより、第1転がり軸受の上部から外側へ通過した油が第1シールリング側へさらに到達しにくくなる。
本発明では、過給機のタービン軸の軸方向中間領域がハウジングの横孔に回転自在に支持される構造において、タービンホイール側への油漏洩の防止効果を高めることが可能になる。
本発明のタービン軸支持構造を適用した過給機の一実施形態を示す断面図である。 図1の一部を拡大して示す図である。 図1の(3)−(3)線断面の矢視図である。 図3の(4)−(4)線断面の矢視図で、ベアリングハウジングのみを示している。 図2の(5)−(5)線断面の矢視図で、拡大して示している。 図1のハウジングのストッパ用フランジを示す斜視図である。 本発明の他実施形態で、ストッパ用フランジの開口周辺に対する後加工の形態を説明するための図であり、図2に対応している。 図7の続きを説明するための図である。 図8の(9)−(9)線断面の矢視図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1から図6に、本発明の一実施形態を示している。この実施形態では、自動車等の車両に搭載される内燃機関に用いられる過給機に、本発明を適用した場合を例に挙げている。
図1において、1は過給機のタービン軸である。このタービン軸1の軸方向一端側には、タービンホイール2が回転一体に設けられており、タービン軸1の軸方向他端側には、コンプレッサインペラ3が回転一体に設けられている。
タービン軸1は、略水平姿勢とされた状態で、ベアリングハウジング4の横孔4a内に2つの転がり軸受5,6を介して回転自在に支持されている。このベアリングハウジング4には、タービンホイール2が配置されるタービンハウジング7と、コンプレッサインペラ3が配置されるコンプレッサハウジング8とが取り付けられている。なお、ベアリングハウジング4には、ウォータージャケット9が設けられている。
具体的に、タービン軸1の支持構造について説明する。第1転がり軸受5は、タービン軸1においてタービンホイール2寄りの領域に配置され、また、第2転がり軸受6は、タービン軸1においてコンプレッサインペラ3寄りの領域に配置されている。
第1、第2転がり軸受5,6は、単一の外筒10を介してベアリングハウジング4の横孔4aに適宜の環状隙間12を持つ状態で嵌合されている。詳しくは、ベアリングホルダとしての外筒10の外周面において軸方向中間領域に外周溝10aを設けることによって、この外周溝10aとベアリングハウジング4の横孔4aの内周面との間に、前記の環状隙間12が設けられるようになっている。
この環状隙間12には、油が供給されて、保持されるようになっている。この油は、タービン軸1をベアリングハウジング4に浮動支持するとともに、タービン軸1の径方向での振れを抑制するダンパとして働くようになっている。
また、両方の転がり軸受5,6は、この実施形態において、共に公知のアンギュラ玉軸受とされており、符号を省略しているが、内輪と、外輪と、複数のボールと、保持器とを含んだ構成になっている。
このうち、各内輪は、タービン軸1の外周面に嵌合されている。これら両内輪の間にスペーサとしての内筒11を配置し、第1転がり軸受5の内輪をタービン軸1の大径段壁面に当接させて、第2転がり軸受6の内輪の外側からタービン軸1に止め輪13を装着することにより、タービン軸1に両内輪が軸方向で位置決めされるようになっている。
また、各外輪は、外筒10の軸方向両端の肩部内周面に設けられる大径部に嵌合されている。そして、この外筒10の一端と第1転がり軸受5の外輪とを、ベアリングハウジング4の横孔4aに設けられる径方向内向きのストッパ用フランジ15寄りに配置させて、外筒10の他端と第2転がり軸受6の外輪とをベアリングハウジング4にボルトで取り付けられるストッパプレート14により軸方向から押さえることにより、ベアリングハウジング4に両外輪の軸方向変位量が制限されるようになっている。
このような第1、第2転がり軸受5,6には、潤滑や冷却を行うために油が供給されるようになっている。この油の供給経路(給油路)を詳細に説明する。
この給油路は、主として、ベアリングハウジング4に設けられる第1油路41、第2油路42、2つの第3油路43A,43Bと、外筒10に設けられる第1、第2導入路44,45とで構成されている。
第1油路41は、ベアリングハウジング4において横孔4aの側方で上下方向に沿って直線形状に設けられる縦方向孔とされている。この第1油路41には、図示していない給油源から油が供給される。
第2油路42は、ベアリングハウジング4において横孔4aの側方で横孔4aに平行に設けられる横方向孔とされており、第1油路41に連通連結されている。
第3油路43A,43Bは、第2油路42の長手方向2箇所からベアリングハウジング4の横孔4aへ向けて径方向に沿って設けられる孔とされている。
第1、第2導入路44,45は、外筒10の外周溝10aの溝底から外筒10の内周面へ向けて径方向斜めに貫通される孔とされている。第1導入路44は、第1転がり軸受5の内輪と外輪との間へ向けて内側から油を噴射するものであり、また、第2導入路45は、第2転がり軸受6の内輪と外輪との間へ向けて内側から油を噴射するものである。
なお、第1、第2導入路44,45は、外筒10の外周溝10aとベアリングハウジング4の横孔4aの内周面との間に設けられる環状隙間12を介して第3油路43A,43Bに連通される。このようにした場合、第3油路43A,43Bと第1、第2導入路44,45とを直接連通させる場合のように円周方向で位置合わせする必要がなくなる等、組み立てが容易に行えるようになる。
このような構成において、第1油路41に供給された油は、第2油路42、第3油路43A,43Bを介して、外筒10の外周溝10aとベアリングハウジング4の横孔4aの内周面との間に設けられる環状隙間12に供給されることになり、この環状隙間12からさらに第1、第2導入路44,45を経て第1、第2転がり軸受5,6にそれらの内側から噴射されるようになる。
このようにして第1、第2導入路44,45から第1、第2転がり軸受5,6に供給される油の大半は、両転がり軸受5,6の間において外筒10と内筒11との対向空間から外筒10の下部に設けられている貫通孔10bを経てベアリングハウジング4の排油路50に流れ落ちるようになる。
なお、排油路50は、ベアリングハウジング4において横孔4aの下部に設けられる空洞部51と、空洞部51を外筒10の貫通孔10bおよびベアリングハウジング4の横孔4aに連通する連通口52と、空洞部51をベアリングハウジング4の下部から外側に開放するための戻し孔53とを含んだ構成になっている。この排油路50に流れ込んだ油は、前記給油源側へ回収される。
ところで、第1、第2転がり軸受5,6に供給される油は、当該両軸受5,6から外側へ通過するようになっているが、これらの油がタービンハウジング7やコンプレッサハウジング8へ漏洩することを防止するために、両方の転がり軸受5,6の各外側には、第1、第2シールリング16,17が設けられている。
第1転がり軸受5側に位置する第1シールリング16は、タービン軸1においてタービンホイール2寄りの大径円筒部に設けられる外周溝内に取り付けられていて、ベアリングハウジング4のシール用フランジ18の内周面に接触されている。なお、シール用フランジ18は、ベアリングハウジング4の横孔4aにおいてタービンホイール2寄りの開口部分に径方向内向きに突出するように設けられている。
一方、第2転がり軸受6側に位置する第2シールリング17は、タービン軸1においてコンプレッサインペラ3寄りに外嵌装着されるシールスリーブ19の外周に設けられる外周溝内に取り付けられていて、コンプレッサハウジング8の環状壁部8aの内周面に接触されている。なお、第1、第2シールリング16,17は、この実施形態において、Oリングとされているが、その種類は特に限定されない。
さらに、この実施形態では、前記した第1、第2シールリング16,17が存在している領域に、第1、第2転がり軸受5,6から外側へ通過する油を到達させにくくするとともに滞留させにくくすることにより、油漏洩の防止効果を高めるようにしている。
先に、第1転がり軸受5側について説明する。つまり、タービン軸1においてストッパ用フランジ15よりも軸方向外側に、径方向外向きに突出するスリンガ21が設けられているとともに、ベアリングハウジング4の横孔4aにおいてシール用フランジ18とストッパ用フランジ15との間の領域に、径方向外向きに凹む周溝22が設けられている。この周溝22の下部は、連通路23を介して排油路50に連通されている。
このような構成では、第1転がり軸受5から外側へ通過した油がストッパ用フランジ15を越えてスリンガ21の位置に到達すると、この油がスリンガ21により径方向外向きに飛散されることになって、周溝22の溝底に集められるようになる。そのため、前記油が第1シールリング16側へ到達しにくくなる。なお、周溝22に流入した油は、下向きに流れ落ちたり、あるいは周溝22の溝底を伝って円周方向から流れ落ちたりすることにより、連通路23を経て排油路50に導かれる。
次に、第2転がり軸受6側について説明する。つまり、ストッパプレート14とコンプレッサハウジング8の環状壁部8aとの間に、オイルデフレクタ31が設けられている。このオイルデフレクタ31は、油を受け止めるための環状空間をタービン軸1の外周に作るものであり、その下部には、前記環状空間の下側から油を流れ落として排油路50の側面開口54に導くための案内部31aが設けられている。この案内部31aは、排油路50の側面開口54から空洞部51内に入り込むように配置されている。そして、前記のシールスリーブ19の外周において第2シールリング17よりも内側の領域に、径方向外向きの立ち上げ壁部19aが設けられている。この立ち上げ壁部19aは、オイルデフレクタ31において径方向に沿う環状壁部31bの外側面に対して微小隙間を介して軸方向で対向するように配置されている。この微小隙間は、油の通過を制限する寸法に設定されるが、油を堰き止める非接触密封部となりうるように適宜に設定するようにしてもよい。
このような構成では、第2転がり軸受6から外側へ通過した油の大半が、オイルデフレクタ31の環状空間に流入し、この環状空間内では重力で下向きに流れ落ちたり、あるいはオイルデフレクタ31の内周面を伝って円周方向から流れ落ちたりすることにより、排油路50に導かれるようになる。さらに、前記環状空間内に流入した油は、シールスリーブ19の立ち上げ壁部19aとオイルデフレクタ31の環状壁部31bとの間の微小隙間による油漏洩規制作用または油堰き止め作用によって、オイルデフレクタ31の中心孔から第2シールリング17側へ漏洩することが抑制または防止されるようになる。このように、油が第2シールリング17側へ到達しにくくなる。
ところで、内燃機関から排出される排気によりタービンハウジング7が高温になる関係より、タービンホイール2側に配置される第1シールリング16の接触条件がコンプレッサインペラ3側に配置される第2シールリング17に比べると厳しいために、この第1シールリング16の密封性が低下するおそれがある。
このような点を考慮し、この実施形態では、特に、第1転がり軸受5から外側へ通過する油を第1シールリング16の存在する領域に到達させにくくするとともに滞留させにくくするように工夫しているので、以下で詳細に説明する。
つまり、ベアリングハウジング4に設けているストッパ用フランジ15の上部は、下部よりも径方向内向きに突出されている。具体的に、ストッパ用フランジ15の上部は、タービン軸1のスリンガ21と軸方向で微小隙間を介して対向する位置にまで突出されている。この微小隙間は、油の通過を制限する寸法に設定されるが、油を堰き止める非接触密封部となりうるように適宜に設定するようにしてもよい。
さらに、ストッパ用フランジ15の下部には、軸方向に開放する開口15aが設けられている。この開口15aは、第1転がり軸受5から外側へ通過する油を排油路50へ流しやすくするためのものであって、この実施形態では、ストッパ用フランジ15の中心孔から外径側の付け根に至るまでの領域に設けられるスリットとされている。
この開口15aを得る方法としては、例えばストッパ用フランジ15をベアリングハウジング4と共に鋳造する場合には、鋳造型にストッパ用フランジ15の開口15aを得るための突起部を設けるようにすれば、この突起部によって開口15aとしてのスリットが肉抜き部分として得られるようになる。
このように構成した場合には、第1転がり軸受5の上部から外側へ通過する油が、ストッパ用フランジ15の上部とスリンガ21とによって堰き止められることになって、ベアリングハウジング4の周溝22に流入しにくくなる。しかも、ストッパ用フランジ15の中心孔の上部内周面とスリンガ21の内側面とが、第1転がり軸受5の上部から外側へ通過する油を下側つまりストッパ用フランジ15の下部へ向かわせるようにガイドするようになる。この下側に向けて流れた油は、開口15aおよび周溝22から連通路23を経て排油路50にスムースに流されるようになる。
その一方で、第1転がり軸受5の下部から外側へ通過する油は、ストッパ用フランジ15の開口15aを通過してスリンガ21の内側面に速やかに到達するが、この油はスリンガ21により径方向下向きに飛散されて、周溝22の下側溝底へ集められることになり、この周溝22から連通路23を経て排油路50にスムースに流されるようになる。
このようなことから、第1転がり軸受5の上部や下部から外側へ通過する油は、排油路50へ可及的に速やかに流されることになって、第1シールリング16の存在する領域に到達しにくくなるとともに滞留しにくくなる。
以上説明したように、本発明を適用した実施形態では、特にタービンホイール2側の第1転がり軸受5から外側へ通過する油の排出作用を促進させることにより、タービンホイール2側の第1シールリング16に油を到達させにくくしているとともに滞留させにくくしているから、第1転がり軸受5から外側へ通過する油が、第1シールリング16からタービンハウジング7内(排気通路)へ漏洩することを防止する効果が高まるようになる。これにより、油が気化してタービンハウジング7から排出されるという現象が発生しにくくなって、油消費量を抑制するうえで有利となる。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。以下で例を挙げる。
(1)上記実施形態において、ベアリングハウジング4の周溝22の軸方向幅を、後加工でもって拡大することが可能である。この加工の形態について、図7から図9を参照して説明する。
ベアリングハウジング4を鋳造により形成した後、このベアリングハウジング4のストッパ用フランジ15の開口15aに対して、切削加工を施す。この切削加工としては、公知のコンタリング加工とすることができる。
具体的には、コンタリング加工に用いる切削工具としてのドリル60は、例えば図7に示すように、回転軸61の先端にカッター62を設けたような構成になっている。このようなドリル60を用いる場合には、このドリル60のカッター62をベアリングハウジング4のシール用フランジ18の中心孔から挿入してから、図8に示すように、軸方向(図7の白抜き矢印方向)に送ることにより、ストッパ用フランジ15において開口15aの円周方向両側部位を削る。
これにより、開口15aの円周方向幅W(図9参照)が拡大されることになる。これにより、第1転がり軸受5の下部から周溝22側へ油が通過しやすくなるので、周溝22から連通路23を経た排油路50への油の排出が促進されるようになる。
このような切削加工を施した後のストッパ用フランジ15における開口15aの形状としては、例えば図9に示すようになる。図9では、削られた部分を仮想線で示している。つまり、ストッパ用フランジ15において開口15aの円周方向両側部位が部分円弧形に拡がった状態で削られている。
そして、ドリル60の回転軸61を、横孔4aの中心線Oに対して平行にしたままで、図8の仮想線で示すように、このドリル60を鉛直方向下向きに移動させると、ストッパ用フランジ15において開口15aの円周方向両側部位をさらに削ることが可能になる。但し、この移動量は制限される。つまり、回転軸61の移動限界位置は、回転軸61がシール用フランジ18の内周面に干渉しない位置までとされる。そのため、開口15aの円周方向両側部位をストッパ用フランジ15の外径側の付け根まで削ることができなくなる場合が起こりうるのである。しかし、仮に、開口15aの円周方向両側部位をストッパ用フランジ15の外径側の付け根まで削ることができなくても、前記円周方向幅Wを可及的に拡大することができるから、第1転がり軸受5の下部から外側への油排出量を増加させることが可能になると言える。
(2)上記実施形態では、ベアリングハウジング4のストッパ用フランジ15の上部をタービン軸1のスリンガ21に軸方向から微小隙間を介して対向させる構造とすることにより、第1転がり軸受5を通過した油を堰き止めるようにした例を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばベアリングハウジング4のストッパ用フランジ15の上部をタービン軸1の外周面に径方向から微小隙間を介して対向させる構造にすることも可能である。
1 タービン軸
2 タービンホイール
3 コンプレッサインペラ
4 ベアリングハウジング
4a ベアリングハウジングの横孔
5 第1転がり軸受
6 第2転がり軸受
7 タービンハウジング
8 コンプレッサハウジング
10 外筒
10b 外筒の貫通孔
12 外筒とベアリングハウジングの横孔との間の環状隙間
15 ベアリングハウジングのストッパ用フランジ
15a ストッパ用フランジの開口
16 タービンホイール側の第1シールリング
17 コンプレッサインペラ側の第2シールリング
18 ベアリングハウジングのシール用フランジ
21 タービン軸のスリンガ
22 ベアリングハウジングの周溝
23 ベアリングハウジングの連通路
41 第1油路
42 第2油路
43A,43B 第3油路
44 第1導入路
45 第2導入路
50 排油路

Claims (6)

  1. 過給機のタービン軸の軸方向中間領域がハウジングの横孔に回転自在に支持される構造であって、
    前記タービン軸においてタービンホイール寄りの領域を前記ハウジングに支持させるための第1転がり軸受と、前記タービン軸においてコンプレッサインペラ寄りの領域を前記ハウジングに支持させるための第2転がり軸受と、前記両転がり軸受の外側に設けられて当該両転がり軸受から外側へ通過した油の外部漏洩を防止するためのシールリングとを含み、
    前記ハウジングには、前記両転がり軸受にそれらの内側から油を供給するための給油路と、少なくとも前記第1転がり軸受から外側へ通過した油を前記ハウジング外へ排出するための排油路とが設けられ、
    前記ハウジングの横孔には、前記第1転がり軸受のタービンホイール側への移動を規制するための径方向内向きのストッパ用フランジが設けられ、
    このストッパ用フランジの下部には、前記第1転がり軸受から外側へ通過する油を前記排油路へ導きやすくするための開口が設けられ、また、このストッパ用フランジの上部は、下部よりも径方向内向きに突出されることにより、前記第1転がり軸受から外側へ通過する油を前記開口側へ向かわせるためのガイドとされている、ことを特徴とする過給機のタービン軸支持構造。
  2. 請求項1に記載の過給機のタービン軸支持構造において、
    前記開口は、前記ストッパ用フランジの中心孔から外径側の付け根に至るスリットとされる、ことを特徴とする過給機のタービン軸支持構造。
  3. 請求項1または2に記載の過給機のタービン軸支持構造において、
    前記両方の転がり軸受は、単一の外筒を介して前記ハウジングの横孔に隙間を持つ状態で嵌合され、この隙間には、前記ハウジングの給油路から供給される油が保持され、
    前記外筒には、前記ハウジングの給油路から供給される油を受けて前記両方の転がり軸受にそれらの内側から噴射するための導入路が設けられる、ことを特徴とする過給機のタービン軸支持構造。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の過給機のタービン軸支持構造において、
    前記第1転がり軸受側に位置する第1シールリングは、前記タービン軸においてタービンホイール寄りの領域に取り付けられ、
    前記ハウジングの横孔において前記ストッパ用フランジより外側には、径方向内向きに突出するとともに前記第1シールリングが接触されるシール用フランジが設けられる、ことを特徴とする過給機のタービン軸支持構造。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の過給機のタービン軸支持構造において、
    前記タービン軸において前記ストッパ用フランジの外側には、油を径方向外向きに飛散させるためのスリンガが設けられ、
    前記ストッパ用フランジの上部は、前記スリンガと軸方向で微小隙間を介して対向する位置まで突出される、ことを特徴とする過給機のタービン軸支持構造。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の過給機のタービン軸支持構造において、
    前記ハウジングの横孔において前記ストッパ用フランジの外側には、径方向外向きに凹みかつ前記ストッパ用フランジを越えて第1シールリング側へ向かう油を受け止めるための周溝が設けられ、
    前記排油路は、前記ハウジングの横孔の下部に設けられ、この排油路に前記周溝の下側が連通される、ことを特徴とする過給機のタービン軸支持構造。
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