JP2011109833A - 二次電池の充電方法および充電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】イオン伝導度が放電中に急激に変化する性質を有する材料を正極活物質として用いた二次電池を充電する場合に、イオン伝導度の変化を正確に検出して充電を終了させることが可能な二次電池の充電方法および充電装置を提供する。
【解決手段】二次電池に対する充電電流の供給が行われる充電状態と、充電電流の供給が休止する休止状態が周期的に繰り返されるパルス充電を行いながら二次電池の電池電圧の検出を行う。そして、パルス充電が休止状態に至ると、休止状態開始直後の所定の期間における開放回路電圧の変化率(傾き)を算出し、開放回路電圧の変化率(傾き)としきい値との比較を行う。そして、開放回路電圧の変化率(傾き)がしきい値を超えると判定した場合、イオン伝導度の変化が生じたとして二次電池に対するパルス充電を終了する。
【選択図】図8
【解決手段】二次電池に対する充電電流の供給が行われる充電状態と、充電電流の供給が休止する休止状態が周期的に繰り返されるパルス充電を行いながら二次電池の電池電圧の検出を行う。そして、パルス充電が休止状態に至ると、休止状態開始直後の所定の期間における開放回路電圧の変化率(傾き)を算出し、開放回路電圧の変化率(傾き)としきい値との比較を行う。そして、開放回路電圧の変化率(傾き)がしきい値を超えると判定した場合、イオン伝導度の変化が生じたとして二次電池に対するパルス充電を終了する。
【選択図】図8
Description
この発明は、二次電池の充電方法および充電装置に関する。詳しくは、放電過程でイオン伝導度が急激に変化する特性を有する正極活物質を用いた二次電池を充電する場合に用いる充電方法および充電装置に関する。
一般にリチウムイオン二次電池等の非水電界質二次電池は、ニッカド電池やニッケル水素電池等の他の二次電池と比較してエネルギー密度が高い。そのため、ノートパソコン、携帯電話、デジタルカメラなどのモバイル電子機器等に幅広く用いられている。また、薄膜固体電池は、電気回路基板上にオンチップで組み込むことができ、また、折り曲げ可能なフレキシブル電池として例えば、カード型電子マネー、RFタグ等に組み込まれて利用されている。そして、近年、上述のモバイル電子機器や、カード型マネー等に対するさらなる小型化、軽量化、高性能化の要求に伴って、二次電池に対してもさらなる小型化、軽量化、高容量化、充電時間の短縮などが求められている。
現在、リチウムイオン電池のうち、二次電池用の正極活物質としてはLiCoO2、LiMn2O4、LiFePO4などが実用化されている。しかし、さらなる高性能化、高コスト化を目指して様々な新規材料が検討されている。
ところで、非水電界質二次電池の充電方法としては、定電流充電と定電圧充電を組合せ、電池電圧が所定の電圧となるまでは定電流充電を行い、その後、定電圧充電に切り換えて満充電となるまで充電を行う定電流定電圧充電という方法が一般的に用いられている。最初に定電流充電で短時間で急速に充電を行い、その後に定電圧充電に切り換えることにより、電池電圧が急激に上昇して電池性能が低下することを防止することができる。定電流定電圧充電においては、充電完了のモニタは充電中の電流値である。
また、二次電池に充電電流が供給されて充電が行われる充電状態と、充電電流の供給が休止されることにより充電が休止される休止状態とを所定の周期で繰り返してパルス充電を行い、休止状態時の開放回路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)を検出することにより充電が完了したか否かを判断する方法も提案されている(特許文献1)。
しかし、特許文献1において測定される開放回路電圧はその包絡線を求めて充電完了を判断するものであり、充電に対応した到達電圧値をモニタするという意味においては従来の方法と同様である。
正極活物質の中には、充放電の過程のある段階でイオン伝導度が急激に変化するものが存在する。具体的には、放電の初期においてはイオン伝導度が大きく低下し、放電を続けると放電過程のある段階でイオン伝導度が高くなるものである。そのような正極活物質を用いた二次電池を充電する場合、充電中の電圧値もしくは電流値をモニタしてもイオン伝導度の変化を検出することができない。また、特許文献1のように休止状態時の開放回路電圧を検出するだけではイオン伝導度の変化を検出することができない。したがって、従来の充電方法でそのような特性を有する材料を正極活物質として用いた二次電池の充電を行っても充電完了を正確に判断することができないため、所望以上の充電を行ってしまうこととなる。二次電池に所望以上の充電を行う、すなわち、二次電池が過充電されると二次電池の特性や寿命が損なわれることとなる。
したがって、この発明は、イオン伝導度がある段階で急激に変化する材料を正極活物質として用いた二次電池を充電する場合に、イオン伝導度の変化を正確に検出して充電を終了させることが可能な二次電池の充電方法および充電装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、二次電池に対する充電状態と休止状態とを所定の周期で繰り返すことによりパルス充電を行うパルス充電制御ステップと、二次電池の電池電圧を検出する電圧検出ステップと、電圧検出ステップにより検出された休止状態における電池電圧に基づいて二次電池の充電を終了するか否かの判定を行う充電終了判定ステップと、充電終了判定ステップにより充電を終了すると判定された場合に、パルス充電を終了させる充電終了制御ステップとを有する二次電池の充電方法である。
第2の発明は、二次電池に対して充電状態と休止状態とを所定の周期で繰り返すことによりパルス充電を行うパルス充電制御手段と、二次電池の電池電圧を測定する電圧検出手段と、電圧検出手段により検出された休止状態における電池電圧に基づいて二次電池の充電を終了するか否かの判定を行う充電終了判定手段と、充電終了判定手段により充電を終了すると判定された場合に、パルス充電を終了させる充電終了制御手段とからなる二次電池の充電装置である。
この発明によれば、放電過程のある段階でイオン伝導度が急激に変化する材料を正極活物質として用いた二次電池の充放電を行う場合、イオン伝導度の高い範囲でのみ充放電を行うことができる。これにより、電池として良好に機能させ、高速な充放電が可能となる。また、イオン伝導度の変化に伴う電圧の変化をモニタして充電完了を正確に判断することができるため、二次電池の過充電を防止することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(開放回路電圧の変化率(傾き)と第1のしきい値とを比較する例)
2.第2の実施の形態(開放回路電圧の変化率(傾き)の変化量と第2のしきい値とを比較する例)
1.第1の実施の形態(開放回路電圧の変化率(傾き)と第1のしきい値とを比較する例)
2.第2の実施の形態(開放回路電圧の変化率(傾き)の変化量と第2のしきい値とを比較する例)
<1.第1の実施の形態>
〔この発明に用いられる固体リチウムイオン二次電池および正極活物質について〕
〔この発明に用いられる固体リチウムイオン二次電池および正極活物質について〕
(固体リチウムイオン電池の構成および成膜条件)
図1は、この発明の実施の形態で用いられる固体リチウムイオン電池の概略構造を示す図である。この固体リチウムイオン電池は、充電および放電可能な固体リチウムイオン電池である。図1Aは平面図、図1Bは図1AのX−X断面図、図1Cは図1AのY−Y断面図である。
図1は、この発明の実施の形態で用いられる固体リチウムイオン電池の概略構造を示す図である。この固体リチウムイオン電池は、充電および放電可能な固体リチウムイオン電池である。図1Aは平面図、図1Bは図1AのX−X断面図、図1Cは図1AのY−Y断面図である。
図1に示すように、固体リチウムイオン電池は、基板1上に設けた無機絶縁膜2の上に、金属マスクを配して所定領域に、正極側集電体膜3としてTi膜、正極活物質膜4、固体電解質膜5、負極電位形成層6、負極側集電体膜7の順に成膜し積層体を形成してある。そして、積層体全体を覆うように例えば、紫外線硬化樹脂から構成された全体保護膜8が形成されている。正極側集電体膜3としてはTi膜、正極活物質膜4としてはLiCuPO4膜、固体電解質膜5としてはLi3PO4Nx膜、負極電位形成層6としてはLiCoO2膜、負極側集電体膜7としてはTi膜を形成してある。なお、基板10としては、厚さ1.1mmのポリカーボネート(PC)基板を用いている。また、無機絶縁膜2として、基板10上の全面にSCZ(SiO2−Cr2O3−ZrO2)が成膜されている。
無機絶縁膜2および積層体を構成する各薄膜の成膜条件は、以下の通りである。
(無機絶縁膜2)
無機絶縁膜2の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アネルバ社製、製品名:C−3103)
ターゲット組成:SCZ(SiO2 35at%(アトミックパーセント)+Cr2O3 30at%+ZrO2 35at%)
ターゲットサイズ:Φ6インチ
スパッタリングガス:Ar100sccm、0.13Pa
スパッタリングパワー:1000W(RF)
無機絶縁膜2の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アネルバ社製、製品名:C−3103)
ターゲット組成:SCZ(SiO2 35at%(アトミックパーセント)+Cr2O3 30at%+ZrO2 35at%)
ターゲットサイズ:Φ6インチ
スパッタリングガス:Ar100sccm、0.13Pa
スパッタリングパワー:1000W(RF)
(正極側集電体膜3)
正極側集電体膜3の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アルバック社製、SMO−01特型)
ターゲット組成:Ti
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:Ar70sccm、0.45Pa
スパッタリングパワー:1000W(DC)
膜厚:100nm
正極側集電体膜3の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アルバック社製、SMO−01特型)
ターゲット組成:Ti
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:Ar70sccm、0.45Pa
スパッタリングパワー:1000W(DC)
膜厚:100nm
(正極活物質膜4)
正極活物質膜の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アルバック社製、製品名:SMO−01特型)
ターゲット組成:Li3PO4およびCuのコスパッタ Li3PO4、Cu(コスパッタ)
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:Ar20sccm+N2100sccm、0.65Pa
スパッタリングパワー:Li3PO4600W(RF)+Cu50W(DC)
膜厚:280nm
正極活物質膜の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アルバック社製、製品名:SMO−01特型)
ターゲット組成:Li3PO4およびCuのコスパッタ Li3PO4、Cu(コスパッタ)
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:Ar20sccm+N2100sccm、0.65Pa
スパッタリングパワー:Li3PO4600W(RF)+Cu50W(DC)
膜厚:280nm
(固体電解質膜5)
固体電解質膜5の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アルバック社製、製品名:SMO−01特型)
ターゲット組成:Li3PO4
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:Ar20sccm+N220sccm、0.26Pa
スパッタリングパワー:600W(RF)
膜厚:480nm
固体電解質膜5の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アルバック社製、製品名:SMO−01特型)
ターゲット組成:Li3PO4
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:Ar20sccm+N220sccm、0.26Pa
スパッタリングパワー:600W(RF)
膜厚:480nm
(負極電位形成層6)
負極電位形成層6の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アルバック社製、製品名:SMO−01特型)
ターゲット組成:LiCoO2
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:(Ar80%+O220%混合ガス)20sccm、0.20Pa
スパッタリングパワー:300W(RF)
膜厚:10nm
負極電位形成層6の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アルバック社製、製品名:SMO−01特型)
ターゲット組成:LiCoO2
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:(Ar80%+O220%混合ガス)20sccm、0.20Pa
スパッタリングパワー:300W(RF)
膜厚:10nm
(負極側集電体膜7)
負極側集電体膜7の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アルバック社製、製品名:SMO−01特型)
ターゲット組成:Ti
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:Ar70sccm、0.45Pa
スパッタリングパワー:1000W(DC)
膜厚:200nm
負極側集電体膜7の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アルバック社製、製品名:SMO−01特型)
ターゲット組成:Ti
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:Ar70sccm、0.45Pa
スパッタリングパワー:1000W(DC)
膜厚:200nm
最後に、全体保護膜8を、紫外線硬化樹脂(ソニーケミカル&インフォメーションデバイス製、型番SK3200)を用いて形成した。このようにして、この発明で用いられる固体リチウムイオン電池が構成してある。すなわち、下記の膜構成を有するの固体リチウムイオン電池を得た。
(固体リチウムイオン電池の膜構成)
ポリカーボネート基板/SCZ(50nm)/Ti(100nm)/LiCuPO4(280nm)/Li3PO4Nx(480nm)/LiCoO2(10nm)/Ti(200nm)/紫外線硬化樹脂(20μm)
ポリカーボネート基板/SCZ(50nm)/Ti(100nm)/LiCuPO4(280nm)/Li3PO4Nx(480nm)/LiCoO2(10nm)/Ti(200nm)/紫外線硬化樹脂(20μm)
(固体リチウムイオン電池の充放電特性)
図2のグラフは、縦軸を電池電圧とし、横軸を充電容量として、上述の固体リチウムイオン電池を二次電池として充電した場合の充電特性を示すものである。充電は、一般的な定電流・定電圧充電で行い、充電容量が約7μAh/cm2に至るまでは0.3mAの定電流充電を行い、電池電圧が4.1Vに達したところで定電圧充電に切り換えている。そして、電流値が定電流充電時の10分の1である0.03mAまで低下したところで充電を終了している。なお、本実施の形態で用いられている固体リチウムイオン電池の充電容量は、充電率(SOC:State Of Charge)100%で約11μAh/cm2である。ただし、充電容量はこの容量に限られるものではなく、さらに充電容量が大きい二次電池を用いることも可能である。
図2のグラフは、縦軸を電池電圧とし、横軸を充電容量として、上述の固体リチウムイオン電池を二次電池として充電した場合の充電特性を示すものである。充電は、一般的な定電流・定電圧充電で行い、充電容量が約7μAh/cm2に至るまでは0.3mAの定電流充電を行い、電池電圧が4.1Vに達したところで定電圧充電に切り換えている。そして、電流値が定電流充電時の10分の1である0.03mAまで低下したところで充電を終了している。なお、本実施の形態で用いられている固体リチウムイオン電池の充電容量は、充電率(SOC:State Of Charge)100%で約11μAh/cm2である。ただし、充電容量はこの容量に限られるものではなく、さらに充電容量が大きい二次電池を用いることも可能である。
図3のグラフは、上述の定電流・定電圧充電で充電した固体リチウムイオン電池の放電特性を示すものである。放電は全て定電流放電で行っており、電流値は0.3mAに設定されている。図3に示すように、放電が開始されると、基本的に電池電圧は放電と共に徐々に低下していく。しかし、電池電圧の低下は滑らかな曲線ではなく、図3のグラフ中の円で囲んだ部分(放電容量が約2〜3μAh/cm2の範囲)においては、電圧が急激に大きく低下している。これは、その範囲において正極活物質のインピーダンスが急激に上昇することによるものであると考えられる。
この放電の過程において電圧が急激に低下する範囲は、充電容量と放電容量の関係から図2に示す充電特性の約8μAh/cm2以降の範囲に相当すると考えられる。しかし、図2に示す充電特性においては、充電容量8μAh/cm2付近では電圧値、電圧値共に大きな変化がないため、定電流・定電圧充電中に電圧値または電流値を検出しても、充電容量と電圧値および電流値の関係からは充電終了を判断することができない。また、電流値を積算することは原理的に可能ではあるが、放電途中で充電することにも対応するためには積算回路、メモリ等を充電装置に設ける必要が生じるためコストが増加してしまう。また、履歴や電池の劣化にも対応することができない。
そこで、固体リチウムイオン電池をパルス充電方式で充電する。図4のグラフはパルス充電で充電した場合の固体リチウムイオン電池の充電特性を示す。充電は、パルス充電および定電流・定電圧充電で行い、充電容量が約7μAh/cm2までは0.3mAの定電流充電を行い、電池電圧が4.1Vに達したところで定電圧充電に切り換えている。そして、電流値が定電流充電時の10分の1である0.03mAまで低下したところで充電を終了している。また、0.5分間充電を行った後に1分間充電を休止することによりパルス充電を行っている。充電休止状態においては固体リチウムイオン電池の端子は開放状態であり、開放回路電圧(OCV)の検出がなされるのみである。ここで、開放回路電圧とは、固体リチウムイオン電池の両極間を開放した状態で検出した両端子間の電圧である。
図5のグラフは、図4に示すようにパルス充電を行った固体リチウムイオン電池の放電特性を示すものである。放電は全て定電流放電で行っており、電流値は0.3mAに設定されている。
図5に示すように、パルス充電で充電した場合も、パルス充電を行わずに充電した場合の図3に示すグラフと同様に円で囲んだ部分(放電容量が約2〜3μAh/cm2の範囲)において、電圧が急激に大きく低下している。そのため、電流値を上げて例えば1mAとした場合、3μAh/cm2以上の放電深度では電圧がほとんど変わらず電池として良好に機能するが、3μAh/cm2以下の放電深度では電圧が極端に低下して電池として良好に機能しない。したがって、固体リチウムイオン電池の充電率が100%の状態である11μAh/cm2と3μAh/cm2の差である充電容量8μAh/cm2まで充電がなされたらそこで充電を終了する。これにより、電圧が急激に低下する範囲を避けて充放電することを可能とし、電池として良好に機能させることができる。
図6のグラフは、横軸を充電時間として、図4で示した固体リチウムイオン電池の充電特性を電池電圧と充電時間の関係に置き換えたものである。パルス充電を行うと、充電による電圧の上昇と充電休止による電圧の下降を繰り返しながら、徐々に全体として電圧が上昇していく。しかし、図6の矢印で示す箇所以降においては、休止状態における電圧の低下がそれ以前の休止状態(充電時間0分から約15分の間における休止状態)における電圧の低下と比較して大きくなっている。そして、この電圧の低下が大きくなっている範囲が図4のグラフに示す充電容量約8μAh/cm2以降の範囲に相当する。したがって、パルス充電を行いながら、パルス充電の休止状態における開放回路電圧を検出することによって、充電容量が8μAh/cm2まで達したとしてそこで充電を終了することができる。
そこで、図7に示すこの発明の第1の実施の形態に係る充電装置10で、図8に示す処理を行うことにより、放電初期における急激な電圧低下が起こらないよう、イオン伝導度が高い範囲でのみ充放電を行うことを可能とする。
[充電装置の構成]
図7に示すように、充電装置10は、充電電流供給部11、スイッチ部12、電圧検出部13、電流検出部14、制御部15とから構成されている。そして、制御部15は、タイマ151、パルス充電制御部152、充電終了判定部153、充電終了制御部154を備える。
図7に示すように、充電装置10は、充電電流供給部11、スイッチ部12、電圧検出部13、電流検出部14、制御部15とから構成されている。そして、制御部15は、タイマ151、パルス充電制御部152、充電終了判定部153、充電終了制御部154を備える。
そして、充電装置10には充電対象である固体リチウムイオン二次電池30(以下、二次電池30と称する。)が接続されている。
充電電流供給部11は、二次電池30の充電のための充電電流を供給する電源回路である。スイッチ部12は、二次電池30の充電方向の電流をオン/オフする充電スイッチと、二次電池30の放電方向の電流をオン/オフする放電スイッチとを用いて構成されており、充電電流供給部11と二次電池30の正極に接続されている。スイッチ部12はさらに、制御部15とも接続されている。制御部15からの制御信号に従ってスイッチ部12のオン/オフが切り換えられることにより、充電電流供給部11からの充電電流が周期的に二次電池30に供給されてパルス充電が行われる。また、スイッチ部12は、制御部15からの制御信号によってオフに切り換えられ、二次電池30への充電電流の供給を停止し、充電を終了するためのものでもある。スイッチ部12としては、例えば、FET(Field Effect Transistor)などの半導体スイッチング素子を用いることが可能である。
電圧検出部13は、二次電池30の電池電圧を検出し、検出したアナログ信号をA/Dコンバータ(図示せず。)でデジタル信号に変換して制御部15に供給する。
電流検出部14は、二次電池30の負極と充電電流供給部11に接続されており、例えば、抵抗素子に流れる電流によって生じた電圧を出力することによって充電電流供給部11から二次電池30へと供給された充電電流を検出するものである。
制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)などにより構成されるマイクロコンピュータである。制御部15は、スイッチ部12、電圧検出部13、電流検出部14と接続されており、充電装置10の各部を制御し、充電処理を実行するものである。
タイマ151は、パルス充電の充電状態と休止状態とが繰り返される周期を設定するためのものである。本実施の形態では、0.5分間充電を行った後に1分間充電を休止することによりパルス充電を行うように設定されている。ただし、充電時間および休止時間は上述した時間に限られるものではない。後述するように、休止状態においては開放回路電圧を検出することができればよいため、開放回路電圧を検出することが可能であれば、休止状態は1分以下に設定することも可能である。
パルス充電制御部152は、タイマ151によって設定された周期に従いスイッチ部12に制御信号を送信し、スイッチ部12のオン/オフを切り換えることにより、充電電流供給部11からの充電電流を周期的に二次電池30に供給してパルス充電を行う。
充電終了判定部153は、電圧検出部13により検出された開放回路電圧に基づいてイオン伝導度の変化を検出し、充電を終了するか否かを判定する。充電終了判定部153が行う判定処理の詳細については後述する。充電終了制御部154は、充電終了判定部153による判定結果に従い、スイッチ部12をオフに切り換えて、二次電池30に対する充電電流の供給を停止することにより二次電池30の充電を終了するものである。このようにして二次電池30を充電する電流経路を備える充電装置10が構成されている。
[充電装置の動作]
以下、上述のように構成された充電装置10の動作について図8のフローチャートおよび図9乃至図11のグラフを参照して説明する。充電が開始されるとまず、ステップS101で、パルス充電制御部152がタイマ151によって設定された周期に従ってスイッチ部12のオン/オフを切り換えて、充電電流供給部11からの充電電流を周期的に二次電池30に供給する。これにより、二次電池30に対する充電が行われる充電状態と、二次電池30への充電電流の供給が休止する休止状態が周期的に繰り返されるパルス充電が開始される。本実施の形態では、0.5分間充電を行った後に1分間充電を休止することによりパルス充電を行うように設定されている。ただし、充電時間および休止時間は上述の時間に限られるものではない。後述するように、休止状態には開放回路電圧を検出することができればよいため、検出が可能であれば、休止状態は1分以下に設定することも可能である。また、充電は0.3mAの定電流充電で行われる。
以下、上述のように構成された充電装置10の動作について図8のフローチャートおよび図9乃至図11のグラフを参照して説明する。充電が開始されるとまず、ステップS101で、パルス充電制御部152がタイマ151によって設定された周期に従ってスイッチ部12のオン/オフを切り換えて、充電電流供給部11からの充電電流を周期的に二次電池30に供給する。これにより、二次電池30に対する充電が行われる充電状態と、二次電池30への充電電流の供給が休止する休止状態が周期的に繰り返されるパルス充電が開始される。本実施の形態では、0.5分間充電を行った後に1分間充電を休止することによりパルス充電を行うように設定されている。ただし、充電時間および休止時間は上述の時間に限られるものではない。後述するように、休止状態には開放回路電圧を検出することができればよいため、検出が可能であれば、休止状態は1分以下に設定することも可能である。また、充電は0.3mAの定電流充電で行われる。
次に、ステップS102で、電圧検出部13によって、二次電池30の電池電圧の検出が開始される。電池電圧の検出は、例えば1秒間隔で充電動作と同様に充電終了まで常時行われる。ただし、検出間隔は1秒に限られるものではなく、より詳細に電池電圧の変化を検出する必要がある場合には、より短い間隔で電池電圧を検出してもよい。なお、パルス充電の休止状態においては、二次電池30に対する充電は休止されており、二次電池30の両極間を開放した状態での開放回路電圧の検出が行われる。
次に、ステップS103で、パルス充電が休止状態に至ったか否かが判定される。休止状態に至ったか否かは、例えば、電流検出部14により検出される電流値に基づき制御部15により判定することができる。休止状態には至っていないと判定された場合(ステップS103のNo)は、ステップS103による判定を繰り返しながら、休止状態に至るまで電池電圧の検出および二次電池30に対するパルス充電が行われる。
そして、ステップS103で休止状態に至ったと判定された場合、処理はステップS104に進む(ステップS103のYes)。そして、ステップS104で、充電終了判定部153によって、検出された開放回路電圧に基づいてイオン伝導度の変化が検出され、パルス充電を終了するか否かが判定される。
ここで、ステップS104における判定について説明する。図9に二次電池30の充電容量と開放回路電圧の変化率(傾き)の関係を示す。同図は、パルス充電の各休止状態の開始直後の5秒間における開放回路電圧の変化率(傾き)を縦軸とし、充電容量を横軸としたものである。図6から確認できるように、パルス充電の休止状態における電圧は休止状態の初期の数秒間は変化が大きく、その後徐々に緩和して変化が少なくなる。従って、休止状態開始直後に測定を行うことで精度を高くすることができる。ただし、5秒間という期間は正極活物質として用いる材料に依存しているものであって一例に過ぎず、変化率(傾き)を算出する期間は必ずしも5秒間に限られるものではない。他の正極活物質であればより短いもしくは長い時間の方が好ましい場合もあり得るため、用いる正極活物質に合わせて適宜設定するとよい。
図9に示すように、休止状態開始直後の5秒間における開放回路電圧の変化率(傾き)の絶対値は、充電容量が約1μAh/cm2から約8μAh/cm2の範囲においては、ほぼ一定の安定した値を示している。しかし、充電容量が約8μAh/cm2に近づくにしたがって大きくなっていき、充電容量が約8μAh/cm2を超えると急激に大きくなっている。したがって、充電容量が開放回路電圧の変化率(傾き)が急激に大きくなる8μAh/cm2に至った時点で充電を終了することによって、電池電圧が急激に変化する範囲を避けて充放電を行うことが可能になる。
上述のように、休止状態開始直後の5秒間における開放回路電圧の変化率(傾き)の絶対値は充電容量が約8μAh/cm2を超えると急激に大きくなっている。具体的には、充電容量が約8μAh/cm2に至ったとき、開放回路電圧の変化率(傾き)は約−0.6Vとなっている。すなわち、開放回路電圧の変化率(傾き)は、−0.6Vを境にして大きくなっているということができる。この開放回路電圧の変化率(傾き)が−0.6V以上となる範囲が、図6において、休止状態における開放回路電圧の低下がそれ以前の休止状態における開放回路電圧の低下と比較して大きくなる範囲(図6中の矢印で示す箇所以降の範囲)に相当する。
したがって、ステップS104においては、第1のしきい値を−0.6Vに設定し、休止状態開始直後の5秒間における開放回路電圧の変化率(傾き)が第1のしきい値である−0.6Vを超えたか否かを判定するとよい。これにより、的確にイオン伝導度の変化を検出して、充電を終了させるか否かを判定することができる。
このように、第1のしきい値は予め実験的に求められて設定されている。したがって、第1のしきい値は上述の値に限られるものではなく、固体リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いる材料、組成等によって異なるものであると考えられるため、用いる材料等を考慮して適宜、最適値に設定するとよい。
ステップS104において、開放回路電圧の変化率(傾き)が第1のしきい値を超えない判定された場合、処理はステップS103に戻る(ステップS104のNo)。そして、引き続き、ステップS103による判定を繰り返しながら、次の休止状態に至るまで電池電圧が検出および二次電池30に対するパルス充電が行われる。
そして、ステップS103において休止状態に至ったと判定された場合、処理はステップS104に進み、休止状態開始直後の5秒間における開放回路電圧の変化率(傾き)が第1のしきい値である−0.6Vを超えたか否かが判定される。ステップS104で第1のしきい値を超えないと判定される限り、このステップS103およびステップS104による処理が繰り返されながら、電池電圧の検出および二次電池30に対するパルス充電が行われる。
そして、ステップS104で、開放回路電圧の変化率(傾き)が第1のしきい値を超えると判定された場合、処理はステップS105に進む(ステップS104のYes)。次に、ステップS105で、充電終了判定部153による判定結果に従い、充電終了制御部154によりスイッチ部12へ充電終了のための制御信号が出力される。そして、その制御信号に従いスイッチ部12がオフに切り換えられることにより、二次電池30への充電電流の供給が停止されて充電が終了となる。すなわち、開放回路電圧の変化率(傾き)が第1のしきい値である−0.6Vを超えると判断された場合とは、充電容量が8μAh/cm2に至ったことを示している。そのため、その時点で充電を終了することにより、電池電圧が急激に変化する範囲を避けて充放電を行うことが可能になる。
図10に示すグラフは、この発明に係る充電装置10によって充電が行われた二次電池30の充電特性を示すものである。本実施の形態では、休止状態開始直後の5秒間における開放回路電圧の変化率(傾き)が−0.6Vを超えた時点で充電を終了するように処理を行ったため、変化率(傾き)が−0.6Vを超える充電容量約8μAh/cm2を超えたところで充電が終了している。
そして、図11に示すグラフは、この発明に係る充電装置10によって充電された二次電池30の放電特性を示すものである。図3または図5に示すような放電初期に発生していた電圧の急激な下降はなく、電圧の低下は滑らかな曲線となっている。このように、電圧が急激に低下する範囲を避けてイオン伝導度が高い範囲でのみ充放電することにより、二次電池として良好に機能させ、高速な放電が可能となる。
<2.第2の実施の形態>
以下、この発明の第2の実施の形態について、図12乃至図14を参照して説明する。なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して援用し、その説明を省略する。
以下、この発明の第2の実施の形態について、図12乃至図14を参照して説明する。なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して援用し、その説明を省略する。
図12のグラフに示す値は、図9に示す休止状態開始直後の5秒間における開放回路電圧の変化率(傾き)の休止状態間における変化量である。すわなち、休止状態開始直後の5秒間における開放回路電圧の変化率(傾き)と、その一つ前の休止状態の開始直後の5秒間における開放回路電圧の変化率(傾き)との差である。なお、以下、この図12に示す値を休止状態間傾き変化量と称する。図9において、充電容量が約8μAh/cm2に至るまでは、電池電圧の変化率(傾き)は約−4Vで安定しているため図12に示す休止状態間傾き変化量は0に近い。しかし、充電容量が約8μAh/cm2に至る直前から休止状態間傾き変化量が急激に大きくなっている。そして、充電容量が約8μAh/cm2に至ったとき、休止状態間傾き変化量は0.15V/minとなっている。したがって、休止状態間傾き変化量が1つ前の休止状態間傾き変化量から0.15V/min以上の変化があった場合に充電を終了することにより電池電圧が急激に変化する範囲を避けてイオン伝導度が高い範囲でのみ充放電を行うことが可能になる。
そこで、この発明の第2の実施の形態では図13に示す充電装置20で、図14に示す処理を行う。
〔充電装置の構成〕
充電装置20は、充電電流供給部11、スイッチ部12、電圧検出部13、電流検出部14、制御部15、傾き変化量記憶部22とから構成されている。そして、制御部15は、タイマ151、パルス充電制御部152、充電終了判定部153、充電終了制御部154とを備える。充電装置20を構成する充電電流供給部11、スイッチ部12、電圧検出部13、電流検出部14の構成については第1の実施の形態と同様である。また、制御部15が備えるタイマ151、パルス充電制御部152、充電終了判定部153、充電終了制御部154の構成についても第1の実施の形態と同様である。第2の実施の形態は、充電装置20に傾き変化量記憶部22が設けられている点で第1の実施の形態と異なる。
充電装置20は、充電電流供給部11、スイッチ部12、電圧検出部13、電流検出部14、制御部15、傾き変化量記憶部22とから構成されている。そして、制御部15は、タイマ151、パルス充電制御部152、充電終了判定部153、充電終了制御部154とを備える。充電装置20を構成する充電電流供給部11、スイッチ部12、電圧検出部13、電流検出部14の構成については第1の実施の形態と同様である。また、制御部15が備えるタイマ151、パルス充電制御部152、充電終了判定部153、充電終了制御部154の構成についても第1の実施の形態と同様である。第2の実施の形態は、充電装置20に傾き変化量記憶部22が設けられている点で第1の実施の形態と異なる。
第2の実施の形態においては、充電終了判定部153は、電圧検出部13により検出された開放回路電圧に基づいて、休止状態間傾き変化量を算出する。傾き変化量記憶部22は、制御部15と接続されたメモリなどの記憶媒体により構成されており、充電終了判定部153により算出された休止状態間傾き変化量を格納するためのものである。詳しくは後述するが、格納された休止状態間傾き変化量は充電終了判定部153による判定が行われる際に用いられる。
そして、充電装置20には充電対象である二次電池30が接続されている。二次電池30は、第1の実施の形態で用いたものと同様のものを用いている。
[充電装置の動作]
以下、上述のように構成された充電装置20の動作について説明する。まず、ステップS201で、パルス充電制御部152がタイマ151によって設定された周期に従ってスイッチ部12のオン/オフを切り換えて、充電電流供給部11からの充電電流を周期的に二次電池30に供給する。これにより、充電状態と休止状態とが周期的に繰り返されるパルス充電が開始される。0.5分間充電を行った後に1分間充電を休止することによりパルス充電を行う点は第1の実施の形態と同様である。ただし、充電時間および休止時間はこの時間に限られないのも第1の実施の形態と同様である。また、充電は0.3mAの定電流充電で行われる。
以下、上述のように構成された充電装置20の動作について説明する。まず、ステップS201で、パルス充電制御部152がタイマ151によって設定された周期に従ってスイッチ部12のオン/オフを切り換えて、充電電流供給部11からの充電電流を周期的に二次電池30に供給する。これにより、充電状態と休止状態とが周期的に繰り返されるパルス充電が開始される。0.5分間充電を行った後に1分間充電を休止することによりパルス充電を行う点は第1の実施の形態と同様である。ただし、充電時間および休止時間はこの時間に限られないのも第1の実施の形態と同様である。また、充電は0.3mAの定電流充電で行われる。
次に、ステップS202で、電圧検出部13によって、二次電池30の電池電圧の検出が開始される。電池電圧の検出は、例えば1秒間隔で充電動作と共に常時行われる。なお、第2の実施の形態においても電池電圧の検出間隔は1秒に限られるものではない。
次に、ステップS203で、二次電池30へのパルス充電が休止状態に至ったか否かが判定される。判定の結果、休止状態には至っていないと判定された場合(ステップS203のNo)は、ステップS203の判定が繰り返されながら二次電池30に対するパルス充電および電池電圧の検出が行われる。
そして、ステップS203で、休止状態に至ったと判定された場合、処理はステップS204に進む(ステップS203のYes)。ステップS204では、充電終了判定部153によって、休止状態間傾き変化量が算出される。休止状態間傾き変化量は、ステップS203で至ったと判定された休止状態の開始後5秒間における開放回路電圧の変化率(傾き)と、その一つ前の休止状態の開始後5秒間における開放回路電圧の変化率(傾き)の差として算出される。
なお、1回目の休止状態においては1つ前の休止状態は存在しないため、1つ前の休止状態の開始後5秒間における開放回路電圧の変化率(傾き)の代替値として0を用いて休止状態間傾き変化量を算出するとよい。
次にステップS205で、ステップS203で至ったと判定されたのが1回目の休止状態であるか否かが判断される。1回目の休止状態である場合は傾き変化量記憶部22にはまだ休止状態間傾き変化量が格納されておらず、後述するステップS207における判定を行うことができない。したがって、このステップS205は、1回目の休止状態である場合は、ステップS207による判定は行わずに、ステップS204で算出された休止状態間傾き変化量を傾き変化量記憶部22に格納するための処理である。1回目の休止状態であると判断された場合、処理はステップS206に進む(ステップS205のYes)。
1回目の休止状態であると判断されてステップS206に進んだ場合、次にステップS206で、ステップS204で算出された休止状態間傾き変化量が傾き変化量記憶部22に格納される。この傾き変化量記憶部22に格納された休止状態間傾き変化量は後述するステップS207による判定で用いられる。
その後、処理はステップS203に戻り、再び、ステップS203で次の休止状態に至ったか否かの判定が繰り返されながら二次電池30に対するパルス充電および電池電圧の検出が行われる。
そして、ステップS203で休止状態に至ったと判定された場合、処理はステップS204に進む(ステップS203のYes)。そして、ステップS204で、充電終了判定部153によって、ステップS203で至ったと判定された休止状態とその1つ前の休止状態間における休止状態間傾き変化量が算出される。
次に、ステップS205で、ステップS203で至ったのが1回目の休止状態であるか否かが判断される。2回目以降の休止状態である場合は処理はステップS207に進む(ステップS205のNo)。なお、1回目の休止状態以降は、処理がステップS205からステップS206に進むことはない。
次に、ステップS207で、充電終了判定部153によって、ステップS204で算出された休止状態間傾き変化量が、第2のしきい値を超えるか否かが判定される。
ここで、ステップS207における判定および第2のしきい値について説明する。図12に示すように、充電容量が約8μAh/cm2に至るまでは、休止状態における開放回路電圧の変化率(傾き)は安定しているため休止状態間傾き変化量は0に近い。しかし、充電容量が約8μAh/cm2に至る直前から急激に休止状態間傾き変化量が大きくなっている。そして、充電容量が約8μAh/cm2に至ったとき、休止状態間傾き変化量は0.15V/minとなっている。したがって、第2のしきい値を傾き変化量記憶部22に格納されている1つ前の休止状態間傾き変化量と一定値との合計値とし、さらに、一定値を0.15V/minに設定する。そして、至ったと判定された休止状態における休止状態間傾き変化量が第2のしきい値を超える場合に充電を終了するとよい。これにより、イオン伝導度の変化によって電池電圧が急激に変化する範囲を避けて充放電を行うことが可能になる。
このように、第2のしきい値および一定値は予め、例えば実験的に求められて設定されている。したがって、一定値は上述の0.15V/minに限られるものではなく、正極活物質として用いる材料、組成等によって大きく異なると考えられるため、用いる電極材料等を考慮して適宜、最適値に設定するとよい。
ステップS207において、充電終了判定部153によって休止状態間傾き変化量が第2のしきい値を超えないと判定された場合、処理はステップS206に進む(ステップS207のNo)。そして、ステップS206で、ステップS204で算出された休止状態間傾き変化量が傾き変化量記憶部22に格納される。これにより、傾き変化量記憶部22に格納されている休止状態間傾き変化量が更新されることとなる。なお、傾き変化量記憶部22に格納することによって休止状態間傾き変化量を随時更新していくのではなく、算出された休止状態間傾き変化量をすべて傾き変化量記憶部22に保存していくようにしてもよい。
そして、処理はステップS203に戻り、その後、ステップS207で休止状態間傾き変化量が第2のしきい値を超えないと判定される限り、上述したステップS203乃至ステップS207が繰り返される。すなわち、休止状態に至ったか否かの判定、休止状態間傾き変化量の算出、休止状態間傾き変化量と第2のしきい値との比較による充電終了判定、休止状態間傾き変化量の傾き変化量記憶部22への格納が行われる。図12に示す休止状態間傾き変化量は、このようにステップS203乃至ステップS207を繰り返すことにより求められたものである。
そして、ステップS207で、充電終了判定部153により休止状態間傾き変化量が第2のしきい値を超えると判定された場合、処理はステップS208に進む(ステップS207のYes)。次に、ステップS208で、充電終了判定部153による判定結果に従い、充電終了制御部154によりスイッチ部12へ充電終了のための制御信号が出力される。そして、その制御信号に従いスイッチ部12がオフに切り換えられることにより、二次電池30への充電電流の供給が停止されて充電が終了となる。
第2の実施の形態に係る充電装置20により二次電池30の充電を行った場合も図10に示すように充電容量8μAh/cm2を超えたところで充電が終了している。そして、第2の実施の形態に係る充電装置20により充電した二次電池30を放電した場合も図11のグラフに示すように放電初期に発生していた電圧の急激な下降はなく、電圧の低下は滑らかな曲線となっている。このように、電圧が急激に低下する範囲を避けてイオン伝導度が高い範囲でのみ充放電を行うことにより、二次電池として良好に機能させ、高速な放電が可能となる。
第2の実施の形態では、上述の処理により、ゆるやかに開放回路電圧の変化率(傾き)が変わっても充電完了とは判断せず、急激な電池電圧の変化を検出することができるため、より高い精度で高インピーダンス領域を検出して充電終了処理を行うことができる。
以上、この発明の実施の形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、本実施の形態では定電流・定電圧充電は行っていないが、パルス充電と共に定電流・定電圧充電を用いてもよい。また、充電容量、しきい値等は具体的な数値を示して説明したが、それらは示した値に限られるものではなく、固体リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いる材料、組成等を考慮して適宜、最適値に設定するとよい。
例えば、本実施の形態では定電流・定電圧充電は行っていないが、パルス充電と共に定電流・定電圧充電を用いてもよい。また、充電容量、しきい値等は具体的な数値を示して説明したが、それらは示した値に限られるものではなく、固体リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いる材料、組成等を考慮して適宜、最適値に設定するとよい。
また、この発明の用途は上述の実施の形態で用いた固体リチウムイオン二次電池を充電する場合に限られない。放電中にイオン伝導度に変化が生じ、電圧が大きく低下するという特性を有する材料を正極活物質として用いた二次電池であれば他の二次電池を充電する際にも用いることができる。
また、この発明の実施の形態では、充電終了判定に休止状態開始後5秒間における電池電圧の変化率(傾き)を用いたが、例えば、1秒ごとに電池電圧の検出および変化率(傾き)の算出、しきい値との比較行って充電終了を判定することも考えられる。
さらに、上述したような充放電特性を有する二次電池を用いて電池パックを構成する場合、この発明にかかる処理を行う装置を電池パックに搭載してもよいし、電池パックが装着される機器側に搭載することも可能である。
10、20・・・充電装置
11・・・・・・充電電流供給部
12・・・・・・スイッチ部
13・・・・・・電圧検出部
14・・・・・・電流検出部
15・・・・・・制御部
22・・・・・・傾き変化量記憶部
151・・・・・タイマ
152・・・・・パルス充電制御部
153・・・・・充電終了判定部
154・・・・・充電終了制御部
11・・・・・・充電電流供給部
12・・・・・・スイッチ部
13・・・・・・電圧検出部
14・・・・・・電流検出部
15・・・・・・制御部
22・・・・・・傾き変化量記憶部
151・・・・・タイマ
152・・・・・パルス充電制御部
153・・・・・充電終了判定部
154・・・・・充電終了制御部
Claims (7)
- 二次電池に対する充電状態と休止状態とを所定の周期で繰り返すことによりパルス充電を行うパルス充電制御ステップと、
前記二次電池の電池電圧を検出する電圧検出ステップと、
該電圧検出ステップにより検出された前記休止状態における前記電池電圧に基づいて前記二次電池の充電を終了するか否かの判定を行う充電終了判定ステップと、
該充電終了判定ステップにより充電を終了すると判定された場合に、前記パルス充電を終了させる充電終了制御ステップと、
を有する二次電池の充電方法。 - 前記充電終了判定ステップは、前記休止状態における前記電池電圧の変化率と第1のしきい値とを比較し、該休止状態における前記電池電圧の変化率が前記第1のしきい値を超える場合に前記二次電池の充電を終了すると判定する請求項1に記載の二次電池の充電方法。
- 前記休止状態における前記電池電圧の変化率は、前記休止状態の開始後所定の期間における前記電池電圧の時間変化率である請求項2に記載の二次電池の充電方法。
- 前記充電終了判定ステップは、前記休止状態における前記電池電圧の変化率と、該休止状態の1つ前の休止状態における前記電池電圧の変化率との差を算出し、該電池電圧の変化率の差に基づいて前記二次電池の充電を終了するか否かの判定を行う請求項1に記載の二次電池の充電方法。
- 前記充電終了判定ステップは、前記電池電圧の変化率の差と第2のしきい値とを比較し、前記電池電圧の変化率の差が前記第2のしきい値を超える場合に前記二次電池の充電を終了すると判定する請求項4に記載の二次電池の充電方法。
- 前記二次電池は、正極活物質としてLiCuPONを用いたリチウムイオン二次電池である請求項1に記載の二次電池の充電方法。
- 二次電池に対して充電状態と休止状態とを所定の周期で繰り返すことによりパルス充電を行うパルス充電制御手段と、
前記二次電池の電池電圧を測定する電圧検出手段と、
該電圧検出手段により検出された前記休止状態における前記電池電圧に基づいて前記二次電池の充電を終了するか否かの判定を行う充電終了判定手段と、
該充電終了判定手段により充電を終了すると判定された場合に、前記パルス充電を終了させる充電終了制御手段と、
からなる二次電池の充電装置。
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