JP2011109156A - 接続構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チップ外周部に接続バンプを配列したLSIチップを少なくとも硬化剤、硬化性の絶縁性樹脂、導電性粒子からなる異方導電性フィルムで接続基板に接続した接続構造体において、接続バンプの接続部分に存在する導電性粒子の個数の標準偏差が1.45以上であり、接続部分に存在する導電性粒子の平均個数の10%以下又は2のうち大きい方より小さく、接続バンプの内側部分に存在する導電性粒子の個数の93%以上が単独でかつ接続基板面側に存在し、接続バンプの接続部分及び接続バンプの内側部分に存在する導電性粒子の平均粒径が1〜10μmであり、接続バンプの面積が500μm2から10000μm2の範囲である接続構造体。
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明は以下に記載する通りのものである。
(2)チップ外周部に形成された接続バンプの内側部分の単位面積あたりの導電性粒子の個数が、用いた異方導電性フィルムの単位面積あたりの導電性粒子の個数の0.8倍以上であることを特徴とする(1)に記載の接続構造体。
まず、本発明の接続構造体における導電性粒子について説明する。
導電性粒子としては、貴金属被覆された樹脂粒子、貴金属被覆された金属粒子、金属粒子、貴金属被覆された合金粒子、及び合金粒子の中から選ばれた1種以上を用いることが好ましい。貴金属被覆された樹脂粒子としては、ポリスチレン、ベンゾグアナミン、ポリメチルメタアクリレート等の球状粒子にニッケル、および金をこの順に被覆したものを用いることが好ましい。
接続するバンプ硬度がビッカース硬度で50Hv未満である場合は、ポリメタアクリレート樹脂等の柔軟な樹脂粒子を用いることが好ましい。また、バンプ硬度が50Hv以上である場合は、ベンゾグアナミン樹脂等の硬質樹脂粒子を用いることが好ましい。
導電性粒子の平均粒径は1〜10μmであることが好ましく、2〜6μmであることがさらに好ましい。絶縁性の観点から10μm以下が好ましく、接続端子等の高さバラツキ等の影響を受けにくく、また、電気的接続性の観点から1μm以上が好ましい。
本発明の接続構造体は、チップ外周部に接続バンプを配列したLSIチップを少なくとも硬化剤、絶縁性樹脂、導電性粒子からなる異方導電性フィルムで接続基板に接続した構造体である。接続バンプの材質としては、金、金合金、錫めっき金等の金系バンプ、あるいは、銅、ニッケル等に金めっきしたバンプを用いることができる。
各接続バンプの面積は、500μm2から10000μm2の範囲にあることが好ましく、1000μm2から5000μm2にあることがより好ましい。接続部分の導電性粒子の個数を確保し、信頼性を向上させるという観点から500μm2以上が好ましい。
接続基板の接続電極は、透明電極であることが好ましい。例えば、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物等である。その他、金属系の接続電極を用いることもできる。
本発明の接続構造体の接続バンプ部分の導電性粒子の個数の標準偏差は、導電性粒子の平均個数の10%以下あるいは2のうち大きい方より小さいことが好ましく、より好ましくは、2より小さいことが好ましい。
本発明において、チップ外周部に形成された接続バンプの内側部分とは、全ての端子の一端によって囲まれた最も面積の狭い部分を指す。
本発明において「導電性粒子が単独に存在する」とは、導電性粒子同士が凝集せずに各々独立して存在することを意味する。以下、この意味で「単独に存在する」、「単独粒子」なる表現を用いることがある。
本発明において、接続基板面側とは、接続基板面から導電性粒子の平均粒子の1.5倍以内の領域を指す。
チップ外周部に接続バンプを配列したLSIチップを異方導電性フィルムで接続する場合、接続後において、外周部に形成された接続バンプの内側部分の単位面積当たりの導電性粒子の個数が、接続前の異方導電性フィルムの単位面積当たりの導電性粒子の個数の0.8倍以上、より好ましくは0.9倍以上であることが好ましい。接続時の導電性粒子流れ出しによる短絡(バンプ間の凝集による短絡)、あるいは、流れ出した導電性粒子の偏在化による局所的な不均一箇所の発生を抑制する観点から、接続後のチップ内側部分の導電性粒子の個数が0.8倍以上であることが好ましい。
ガラス転移温度の測定方法としては、公知の方法を用いることができる。具体的には、TMA―50熱機械分析装置(島津製作所製)を用いて昇温速度10℃/分の条件で測定することができる。
該異方導電性フィルムに用いる硬化性の絶縁性樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、光及び熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等を用いることができる。取り扱いの容易さから、熱硬化性の絶縁性樹脂を用いることが好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を用いることができるが、エポキシ樹脂が特に好ましい。
まず、異方導電性フィルムを、導電性粒子が存在する面側から光学顕微鏡で拡大した写真を撮影する。次に、任意の20個の導電性粒子を選定し、そのそれぞれの導電性粒子に最も近い6個の導電性粒子との距離を測定し、全体の平均値を求めて、平均粒子間隔とする。
該異方導電性フィルムの製造方法としては、2軸延伸可能なフィルム又はシート上に、粘着層を形成し、その上に導電性粒子を単層配列し、それらを延伸することにより、該導電性粒子を分散配列させ、延伸した状態を保った状態で導電性粒子を少なくとも硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂からなる接着シートに転写させる方法が好ましい。
同時2軸連続延伸装置としては、公知のものを使用することができるが、長辺側をチャック金具で固定し、それらの間隔を縦横同時に延伸することにより連続延伸するテンター型延伸機が好ましい。延伸度を調整する方式としては、スクリュー方式、パンタグラフ方式を用いることが可能だが、調整の精度の観点から、パンタグラフ方式がより好ましい。加熱しながら延伸する場合は、延伸部分の手前に予熱ゾーンを設けて、延伸部分の後方に熱固定ゾーンを設けることが好ましい。
次に、実施例および比較例によって本発明を説明する。
縦横が1.6mm×15.1mmのシリコン片(厚み0.5mm)全面に酸化膜を形成後、外辺部から40μm内側に横74.5μm、縦120μmのアルミ薄膜(1000Å)をそれぞれが0.1μm間隔になるように長辺側に各々175個、短辺側に各々16個形成する。それらアルミ薄膜上に12μm間隔になるように横28μm、縦70μmの金バンプ(厚み15μm)をそれぞれ2個ずつ形成するために、それぞれの金バンプ配置個所の外周部から6.0μm内側に横10μm、縦60μmの開口部を残す以外の部分に酸化ケイ素の保護膜を常法により前記開口部以外の全面に形成する。その後、前記金バンプを形成し、試験チップとする。
また、別の辺に前記アルミ薄膜上の2個の金バンプがそれぞれ接続されるような位置関係にインジウムスズ酸化物膜(1500Å)の接続パッド(横68μm、縦100μm)を形成する。前記接続パッドを1個おきに5個接続できるようにインジウムスズ酸化物薄膜の接続配線を形成し、さらにそれらと対になり、櫛型パターンを形成するように1個おきに5個接続できるようにインジウムスズ酸化物薄膜の接続配線を形成する。それぞれの接続配線にインジウム錫酸化物薄膜の引出し配線を形成する(この引き出し配線が絶縁抵抗測定部分となる。)。
加熱圧着時の温度条件に関しては、異方導電性フィルムと接続基板の間に熱電対を配し、上記と同様にして加圧圧着し、圧着時の温度測定を行い、最高到達温度、及び最高到達温度に到達するまでの時間を測定する。
圧着後、前記引出し配線間(金バンプ20個のデイジーチェイン)の抵抗値を四端子法の抵抗計で抵抗測定し、接続抵抗値とする。
また、対になった引き出し配線間の抵抗測定し、絶縁抵抗値とする。
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度98℃、数平均分子量14000)38g、ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量136、半固形)34g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.06gを酢酸エチル−トルエンの混合溶剤(混合比1:1)に溶解し、固形分50%溶液とする。マイクロカプセル型潜在性イミダゾール硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(マイクロカプセルの平均粒径7μm、活性温度125℃)28g、前記固形分50%溶液に配合分散させる。その後、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、60℃で15分間送風乾燥し、膜厚24μmのフィルム状の接着シートを得た。
厚さ100μmの無延伸ポリプロピレンフィルム上に、粘着層として天然ゴム−メチルメタアクリレートのグラフト共重合体接着剤を2μmの厚みを塗布したものに平均粒径3.0μmの金めっきプラスチック粒子(導電性粒子)をほぼ隙間無く単層塗布した。すなわち、該導電性粒子を該フィルム幅より大きい容器内に数層以上の厚みになるよう敷き詰めたものを用意し、該導電性粒子に対して粘着剤の塗布面を下向きにして押し付けて付着させ、その後過剰な粒子を軟質ゴムからなるスクレバーで掻き落とした。
この操作を2回繰り返すことにより、隙間無く単層塗布した導電性粒子付着フィルムを得た。この導電性粒子付着フィルムを乾燥機中で、100℃、3分間加熱処理した。
このフィルムを2軸延伸装置(東洋精機製X6H−S、パンタグラフ方式のコーナーストレッチ型の2軸延伸装置)を用いて縦横にそれぞれ10個のチャックを用いて固定し150℃、120秒間予熱し、その後5%/秒の速度で100%延伸して固定した。その後、この延伸フィルムに前記接着シートをラミネートした後、剥離し、異方導電性フィルムを得た。
このようにして得た異方導電性フィルムを用いて、200℃の接続温度になるように前記接続構造体作製法と同様にして、圧着して接続構造体を得た。加熱圧着時間は5秒であった。このときの最高到達温度は、200℃であり、最高到達温度に到達するまでの時間は0.4秒であった。
接続バンプ上(20箇所)の導電性粒子の平均個数は、18.4個であり、標準偏差は1.57、8.5%であった。
また、外周部に形成された接続バンプの内側に存在する導電性粒子の95%が単独粒子であった。99%が接続基板面側に存在した。10000μm2あたりの導電性粒子の個数は、256個であり、これは、異方導電性フィルムの0.9倍であった。
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度85℃、数平均分子量12000)41g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量240、半固形)28g、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン0.1gを酢酸エチル−トルエンの混合溶剤(混合比1:1)に溶解し、固形分50%溶液とする。マイクロカプセル型潜在性イミダゾール硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(マイクロカプセルの平均粒径7μm、活性温度125℃)31g、前記固形分50%溶液に配合分散させる。その後、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、60℃で15分間送風乾燥し、膜厚23μmのフィルム状の接着シートを得た。
厚さ75μmの無延伸ポリプロピレンフィルム上に天然ゴム−メチルメタアクリレートのグラフト共重合体接着剤を3μm塗布したものに平均粒径3.2μmの金めっき銅粒子を実施例1と同様の方法によりほぼ隙間無く単層塗布した導電性粒子付着フィルムを得た。この導電性粒子付着フィルムを乾燥機中で、100℃、3分間加熱処理した
光学顕微鏡観察の結果、導電性粒子100個のうち98%が単独粒子であった。また、平均粒子間隔は6.72μmであった。10000μm2あたりの導電性粒子の個数は、176個であった。
また、外周部に形成された接続バンプの内側に存在する導電性粒子の96%が単独粒子であった。98%が接続基板面側に存在した。10000μm2あたりの導電性粒子の個数は、161個であり、これは、異方導電性フィルムの0.92倍であった。
実施例1と同様にして、異方導電性フィルムを得た。光学顕微鏡観察の結果、導電性粒子100個のうち99%が単独粒子であった。また、平均粒子間隔は4.22μmであった。10000μm2あたりの導電性粒子の個数は、285個であった。
このようにして得た異方導電性フィルムを用いて、280℃の接続温度で前記接続抵抗値測定法と同様にして、5秒間圧着して接続構造体を得た。このときの最高到達温度は、280℃であり、最高到達温度に到達するまでの時間は3秒であった。接続バンプ上(20箇所)の導電性粒子の平均個数は、14.4個であり、標準偏差は3.43であった。
これは、23.8%であった。65%が接続基板面側に存在した。
また、外周部に形成された接続バンプの内側に存在する導電性粒子の75%が単独粒子であった。10000μm2あたりの導電性粒子の個数は、215個であり、これは、異方導電性フィルムの0.75倍であった。
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度98℃、数平均分子量14000)37g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190、25℃粘度、14000mPa・S)26g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3gを酢酸エチル−トルエンの混合溶剤(混合比1:1)に溶解し、固形分50%溶液とする。
マイクロカプセル型潜在性イミダゾール硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(マイクロカプセルの平均粒径5μm、活性温度125℃)37g、平均粒径3.0μmの金めっきプラスチック粒子2.0gを前記固形分50%溶液に配合分散させる。
その後、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、60℃で15分間送風乾燥し、膜厚25μmのフィルム状の異方導電性接着シートを得た。
このようにして得た異方導電性フィルムを用いて、270℃の接続温度で前記接続抵抗値測定法と同様にして、5秒間加熱圧着して接続構造体を得た。このときの最高到達温度は、270℃であり、最高到達温度に到達するまでの時間は0.5秒であった。接続バンプ上(20箇所)の導電性粒子の平均個数は、8.1個であり、標準偏差は3.23であった。これは、39.9%であった。また、外周部に形成された接続バンプの内側に存在する導電性粒子の71%が単独粒子であった。77%が接続基板面側に存在した。10000μm2あたりの導電性粒子の個数は、101個であり、これは、異方導電性フィルムの0.63倍であった。
2 導電性粒子
Claims (2)
- チップ外周部に接続バンプを配列したLSIチップを少なくとも硬化剤、硬化性の絶縁性樹脂、導電性粒子からなる異方導電性フィルムで接続基板に接続した接続構造体において、
接続バンプの接続部分に存在する導電性粒子の個数の標準偏差が1.45以上であり、
該接続部分に存在する導電性粒子の平均個数の10%以下又は2のうち大きい方より小さく、
かつ接続バンプの内側部分に存在する導電性粒子の個数の93%以上が単独で存在し、且つ、接続基板面側に存在し、
前記接続バンプの接続部分、及び接続バンプの内側部分に存在する導電性粒子が、貴金属被覆された樹脂粒子、貴金属被覆された金属粒子、金属粒子、貴金属被覆された合金粒子、及び合金粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種の導電性粒子であって、
その平均粒径が1〜10μmであり、
前記接続バンプの面積が500μm2から10000μm2の範囲であることを特徴とする接続構造体。 - チップ外周部に形成された接続バンプの内側部分の単位面積あたりの導電性粒子の個数が、用いた異方導電性フィルムの単位面積あたりの導電性粒子の個数の0.8倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の接続構造体。
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