JP2011109020A - インダクタ部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】インピーダンスの変化を抑制して、信号の反射の発生が少ないインダクタ部品を提供すること。
【解決手段】インダクタ部品1は、コア10と、電極部20,21と、巻線30と、を備えている。巻線30は、絶縁被膜銅線等の導体線からなり、巻芯部12に3ターン以上巻回された巻回部32と、巻回部32の両端32a,32bに位置する引き出し部34と、を含んでいる。引き出し部34は、その端が電極部20,21に継線されることにより、電極部20,21に物理的且つ電気的に接続されている。巻回部32における各ターンの巻線間隔D(n=1〜4)は、巻回部32の一端32aから他端32bに向かって単調減少している。巻回部32における導体線の幅は、巻回部32の一端32aから他端32bに向かって単調減少している。
【選択図】図2

Description

本発明は、インダクタ部品に関する。
インダクタ部品として、電極部と、導体が3ターン以上巻回された巻回部と、巻回部の端に位置すると共に、巻回部と電極部とを接続する引き出し部と、を備えているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたインダクタ部品では、巻回部における各ターンの巻線間隔は等間隔であると共に、導体の幅は一定である。
特開平10−312922号公報
上記特許文献1に記載されたインダクタ部品には、以下の問題点が存在する。特許文献1に記載されたインダクタ部品では、巻回部における各ターンの巻線間隔が等間隔であるため、隣り合うターン間での磁気的な条件(例えば、磁気結合等)は同じとなる。すなわち、巻回部が隣り合う2つのターンで構成されるコイル(インダクタ)の集合体であるとすると、当該コイルの磁路長は巻回部全体にわたって変化することはない。このため、巻回部により形成される磁路内において巻回部を構成する導体のインピーダンスが変化することはない。また、特許文献1に記載されたインダクタ部品では、導体の幅が一定であるので、この点においても、導体のインピーダンスが変化することはない。
これに対し、以下の理由により、巻回部の端(巻き始め及び巻き終わり)では、導体のインピーダンスが大きく変化してしまう。巻回部は導体が巻回された形状を呈しているのに対し、引き出し部は巻回部から電極部に向けて伸びる形状を呈しており、巻回部と引き出し部とでは構造上異なっている。したがって、巻回部の端において構造上の変化が生じる。この構造上の変化は巻回部の端での磁気的な条件の変化をもたすこととなるため、巻回部の端では、導体のインピーダンスが大きく変化することとなる。例えば、巻回部の一端でインピーダンスが大きくなり、また、巻回部の他端でインピーダンスが更に大きくなってしまう。このように、導体の途中においてインピーダンスが変化すると、インピーダンスが変化する箇所において導体を伝わる信号が反射し、信号の減衰が生じる懼れがある。また、反射によって不要な輻射が生じ、ノイズの原因となってしまう懼れもある。
本発明の目的は、インピーダンスの変化を抑制して、信号の反射の発生が少ないインダクタ部品を提供することである。
本発明に係るインダクタ部品は、電極部と、導体が3ターン以上巻回された巻回部と、巻回部の両端に位置すると共に、巻回部と電極部とを接続する引き出し部と、を備え、巻回部における各ターンの巻線間隔は、巻回部の一端から他端に向かって単調減少しており、導体の幅は、巻回部の一端から他端に向かって単調減少していることを特徴とする。
本発明に係るインダクタ部品では、巻回部における各ターンの巻線間隔が巻回部の一端から他端に向かって単調減少しているので、隣り合うターン間での磁気的な条件が異なる。すなわち、巻回部が隣り合う2つのターンで構成されるコイル(インダクタ)の集合体であるとすると、当該コイルの磁路長は巻回部の一端側から他端側に向かって短くなる。このため、巻回部により形成される磁路内において巻回部を構成する導体のインピーダンスは、巻回部の一端側から他端側に向かって大きくなる。また、導体の幅が巻回部の一端から他端に向かって単調減少していることによっても、導体のインピーダンスが巻回部の一端側から他端側に向かって大きくなる。これらの結果、巻回部の一端でのインピーダンスの変化は回避し難いものの、巻回部の他端でのインピーダンスの急激な変化が抑制されることとなる。このように、本発明によれば、特に、巻回部の他端でのインピーダンスの急激な変化を抑制して、当該箇所での信号の反射の発生を少なくすることができる。
ここで、「単調減少している」とは増加傾向とならないことを意味し、広義の単調減少を意味する。
好ましくは、巻芯を有するコアを更に備え、巻回部は、導線が巻芯に巻回されることにより構成されている。
好ましくは、複数の絶縁体が積層された積層体と、積層体内に絶縁体の積層方向に併設された複数の導体と、を備えており、巻回部は、積層方向に隣り合う導体同士が電気的に接続されることにより構成され、複数の導体間の積層方向での間隔が、積層方向に向かって単調減少し、巻回部を構成する複数の導体の幅は、巻回部の一端から他端に向かって単調減少している。
本発明によれば、インピーダンスの変化を抑制して、信号の反射の発生が少ないインダクタ部品を提供することができる。
第1実施形態に係るインダクタ部品の斜視図である。 第1実施形態に係るインダクタ部品の平面図である。 巻回部の構成を示す図である。 第2実施形態に係るインダクタ部品の斜視図である。 第2実施形態に係るインダクタ部品に含まれる素子の断面構成を説明する図である。 第2実施形態に係るインダクタ部品に含まれる素子を示す分解斜視図である。 TDR法による測定環境を説明するための図である。 TDR法による測定方法を説明するための図である。 TDR法による測定結果を示す線図である 本実施形態に係るインダクタ部品の実装構造を説明するための回路図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1〜図3を参照して、第1実施形態に係るインダクタ部品1の構成を説明する。図1は、第1実施形態に係るインダクタ部品の斜視図である。図2は、第1実施形態に係るインダクタ部品の平面図である。図3は、巻回部の構成を示す図である。
インダクタ部品1は、図1に示されるように、コア10と、電極部20,21と、巻線30と、を備えている。
コア10は、磁性体(例えば、フェライト等)又は非磁性体(例えば、セラミック等)からなる。コア10は、いわゆるドラムコアであって、巻芯部12と、当該巻芯部12の軸方向の両端に形成された一対の鍔部13,14とを有している。巻芯部12は、四角柱形状を呈している。各鍔部13,14は、直方体形状を呈している。巻芯部12と鍔部13,14とは、一体的に形成されている。コア10は、その巻芯部12の軸心方向に平行な断面での形状がH字状を呈している。
電極部20は鍔部13に位置し、電極部21は鍔部14に位置している。電極部20,21は、鍔部13,14の側面に金属材料(例えば、銀等)を主成分とする導電ペーストを転写した後に所定温度(例えば、700℃程度)にて焼き付け、更に金属めっきを施すことにより、形成される。金属めっきには、NiとSn、CuとNiとSn、NiとAu、NiとPdとAu、NiとPdとAg、又は、NiとAg等を用いることができる。電極部20,21は、金属製の板材を鍔部13,14の対応する位置に装着することにより構成してもよい。金属製の板材には、例えば金属めっき(NiとSn)を施した燐青銅等を用いることができる。また、電極部20,21は、鍔部13,14にめっき法により直接形成してもよい。
巻線30は、絶縁被膜銅線等の導体線(例えば、導体形状が帯状を呈している平角線)からなり、巻芯部12に3ターン以上巻回された巻回部32と、巻回部32の両端32a,32bに位置する引き出し部34,35と、を含んでいる。図1及び2では、巻線30の絶縁被膜の図示は省略しており、導体としての芯線を図示している。
巻回部32と引き出し部34,35とは連続しており、引き出し部34は巻回部32の端32a,32bに接続されることとなる。引き出し部34は、その端が電極部20に継線されることにより、電極部20に物理的且つ電気的に接続されている。引き出し部35は、その端が電極部21に継線されることにより、電極部21に物理的且つ電気的に接続されている。これらにより、引き出し部34,35は、巻回部32と電極部20,21とを接続する。引き出し部34と電極部20,21との接続(継線)は、熱圧着、溶接、あるいは、半田付け等により行われる。
巻回部32における各ターンの巻線間隔D(n=1〜4)は、図2に示されるように、巻回部32の一端32aから他端32bに向かって単調減少している。ここで、各ターンの巻線間隔Dとは、各ターンにおける上記芯線同士の間隔である。本実施形態では、各巻線間隔D(n=1〜4)の関係は、下記(1)式を満たしており、いわゆる狭義の単調減少となっている。
>D>D>D … (1)
巻回部32における導体線の幅は、図3に示されるように、巻回部32の一端32aから他端32bに向かって単調減少している。図3では、巻回部32は、導体線の中心軸に沿って直線状に伸ばされた状態で示されている。本実施形態では、巻回部32における導体線の幅は、巻回部32の一端32aから他端32bに向かって徐々に減少しており、いわゆる狭義の単調減少となっている。本実施形態では、例えば、巻回部32の一端32aから他端32bまでの長さは8mm程度に設定され、巻回部32の一端32aでの導体線の幅は1mm程度に設定され、巻回部32の他端32bでの導体線の幅は0.2mm程度に設定されている。
以上のように、本実施形態においては、巻回部32における各ターンの巻線間隔Dが巻回部32の一端32aから他端32bに向かって単調減少しているので、隣り合うターン間での磁気的な条件が異なる。すなわち、巻回部32が隣り合う2つのターンで構成されるコイル(インダクタ)の集合体であるとすると、当該コイルの磁路長は巻回部32の一端32a側から他端32b側に向かって短くなる。このため、巻回部32により形成される磁路内において巻回部32を構成する導体線のインピーダンスは、巻回部32の一端32a側から他端32b側に向かって大きくなる。また、巻回部32における導体線の幅は、巻回部32の一端32aから他端32bに向かって単調減少していることによっても、導体線のインピーダンスが巻回部32の一端32a側から他端32b側に向かって大きくなる。
各ターンの巻線間隔D及び導体線の幅が単調減少している結果、巻回部32の一端32aでのインピーダンスの変化は回避し難いものの、巻回部32の他端32bでのインピーダンスの急激な変化が抑制されることとなる。このように、インダクタ部品1では、巻回部32の他端32bでのインピーダンスの急激な変化を抑制して、当該箇所での信号の反射の発生を少なくすることができる。
(第2実施形態)
図4〜図6を参照して、第2実施形態に係るインダクタ部品3の構成を説明する。図4は、第2実施形態に係るインダクタ部品の斜視図である。図5は、第2実施形態に係るインダクタ部品に含まれる素子の断面構成を説明する図である。図6は、第2実施形態に係るインダクタ部品に含まれる素子を示す分解斜視図である。
インダクタ部品3は、図4に示されるように、直方体形状の素子50と、一対の電極部(端子電極)60,62と、を備えている。インダクタ部品3は、いわゆる積層型インダクタを構成している。
素子50は、図5及び図6に示されるように、コイル部70と、外装部80とを有している。コイル部70は、コイル状導体71と、当該コイル状導体71の両端に位置する引き出し導体73,74を含んでいる。外装部80は、積層される複数の絶縁体層81〜86を含んでいる。各絶縁体層81〜86は、例えば、磁性体(例えば、Ni−Cu−Zn系フェライト等)を含むセラミックグリーンシートの焼結体、又は、非磁性体(例えば、Cu−Zn系フェライト)等の非磁性体を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。なお、実際のインダクタ部品3では、各絶縁体層81〜86は、互いの間の境界が視認できない程度に一体化されている。
各電極部60,62は、素子50の外側面に配置されている。各電極部60,62は、例えば導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを素子50の外表面の付与し、焼き付けることによって形成される。必要に応じて、焼き付けにより形成された電極部分上にめっき層が形成されることもある。
コイル状導体71は、絶縁体層81〜85に形成された導体パターン71a〜71eにより構成される。また、引き出し導体73,74は、絶縁体層81,85に形成された導体パターン73a,74aにより構成される。本実施形態においては、導体パターン71aと導体パターン73aとが一体に連続して形成され、導体パターン71eと導体パターン74aとが一体に連続して形成されている。導体パターン71a〜71e,73a,74aは、導電性材料(例えば、Ag、Pd、又は、これらの合金等)からなる。導体パターン71a〜71e,73a,74aは、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
導体パターン71aは、コイル状導体71の略1/2ターン分に相当し、絶縁体層81上で略L字状に伸びている。導体パターン71bは、コイル状導体71の略3/4ターン分に相当し、絶縁体層82上で略U字状に伸びている。導体パターン71cは、コイル状導体71の略3/4ターン分に相当し、絶縁体層83上で略C字状に伸びている。導体パターン71dは、コイル状導体71の略3/4ターン分に相当し、絶縁体層84上で略U字状に伸びている。導体パターン71eは、コイル状導体71の略1/2ターン分に相当し、絶縁体層85上で略L字状に伸びている。導体パターン71a〜71eは、絶縁体層81〜86の積層方向に併置されることとなる。
導体パターン71a〜71eは、その端部同士が絶縁体層81〜84,86にそれぞれ形成された貫通電極75a〜75dにより電気的に接続される。導体パターン71a〜71eは、絶縁体層81〜86の積層方向に隣り合う導体パターン71a〜71e同士が相互に電気的に接続されることで、コイル状導体71を構成することとなり、コイル状導体71では、導体が3ターン以上巻回されることとなる。
導体パターン73aは、絶縁体層81上で、導体パターン71aの一端から連続して略I字状に伸びている。導体パターン73aの一端は、素子50の外表面に露出している。導体パターン73aは、電極部60に物理的且つ電気的に接続される。導体パターン74aは、絶縁体層85上で、導体パターン71eの他端から連続して略I字状に伸びている。導体パターン74aの他端は、素子50の外表面に露出している。導体パターン74aは、電極部62に物理的且つ電気的に接続される。
絶縁体層81と絶縁体層82との間には、導体パターンが形成されていない絶縁体層86が3層存在している。絶縁体層82と絶縁体層83との間には、導体パターンが形成されていない絶縁体層86が2層存在している。絶縁体層83と絶縁体層84との間には、導体パターンが形成されていない絶縁体層86が1層存在している。これにより、絶縁体層81〜86の積層方向での導体パターン71a〜71eの間隔が調整されている。
コイル状導体71における各ターン(導体パターン71a〜71e)の巻線間隔は、絶縁体層81〜86の積層方向での導体パターン71a〜71eの間隔D(n=1〜4)に相当する。絶縁体層81〜86の積層方向での導体パターン71a〜71eの間隔D(n=1〜4)は、図6に示されるように、コイル状導体71の一端から他端に向かって単調減少している。すなわち、各巻線間隔D(n=1〜4)の関係は、上記(1)式を満たしている。
コイル状導体71における導体パターン71a〜71eの幅は、図5にも示されるように、コイル状導体71の一端から他端に向かって単調減少している。本実施形態では、コイル状導体71の幅は、一端から他端に向かって段階的に減少しており、いわゆる広義の単調減少となっている。本実施形態では、例えば、導体パターン71aの幅は0.3mm程度に設定され、導体パターン71bの幅は0.25mm程度に設定され、導体パターン71cの幅は0.2mm程度に設定され、導体パターン71dの幅は0.15mm程度に設定され、導体パターン71eの幅は0.1mm程度に設定されている。
以上のように、本実施形態においては、コイル状導体71における各ターンの巻線間隔Dがコイル状導体71の一端から他端に向かって単調減少しているので、隣り合うターン間での磁気的な条件が異なる。すなわち、コイル状導体71が隣り合う2つのターンで構成されるコイル(インダクタ)の集合体であるとすると、当該コイルの磁路長はコイル状導体71の一端側から他端側に向かって短くなる。このため、コイル状導体71により形成される磁路内においてコイル状導体71を構成する導体のインピーダンスは、コイル状導体71の一端側から他端側に向かって大きくなる。また、コイル状導体71における導体パターン71a〜71eの幅は、コイル状導体71の一端から他端に向かって単調減少していることによっても、コイル状導体71のインピーダンスが一端側から他端側に向かって大きくなる。
各ターンの巻線間隔D及びコイル状導体71(導体パターン71a〜71e)の幅が単調減少している結果、コイル状導体71の一端でのインピーダンスの変化は回避し難いものの、コイル状導体71の他端でのインピーダンスの急激な変化が抑制されることとなる。このように、インダクタ部品3では、コイル状導体71の他端でのインピーダンスの急激な変化を抑制して、当該箇所での信号の反射の発生を少なくすることができる。
続いて、本実施形態によって、インピーダンスの変化を抑制し、信号の反射を少なくできることを、具体的に示す。ここでは、インダクタ部品のインピーダンスをTDR(Time Domain Reflectometry)法により測定する。TDR法とは、伝送線路にステップパルスを送出し、の特性インピーダンスの不連続箇所にて反射されたパルスを測定することにより、伝送線路の特性インピーダンスを計測する測定法である。
まず、図7に基づいて、TDR法による測定環境を説明する。図7に示される各測定環境では、高速オシロスコープ90とレシーバIC92とが、伝送路94を介して接続されている。伝送路94は、ケーブル96とインダクタ部品98とを有している。高速オシロスコープ90は、TDRモジュール91を有している。高速オシロスコープ90は、TDRモジュール91を通してケーブル96と接続され、ケーブル96の他端はインダクタ部品98と接続される。インダクタ部品98の他端にはレシーバIC92が接続される。
高速オシロスコープ90としては、アジレント・テクノロジー社(AgilentTechnologies, Inc.)製のAgilent86100広帯域オシロスコープを用いる。TDRモジュール91としては、アジレント・テクノロジー社製の54754差動TDRプラグイン・モジュールを用いる。レシーバIC92は、電源がオフのときに無限大の入力インピーダンスを有し、高速オシロスコープ90からの信号を100%反射させる。伝送路94は、50Ωの特性インピーダンスを有する。
次に、図7及び図8に基づいて、TDR法による測定方法について説明する。まず、高速オシロスコープ90が入射電圧ステップEiを発生させ、この入射電圧ステップEiを伝送路94に出力する。伝送路94上で特性インピーダンスの不連続点が存在しない場合には、入射電圧ステップEiがレシーバIC92でそのまま反射され、高速オシロスコープ90には、図8(a)に示すように、入射電圧ステップEiのみが表示される。
一方、伝送路94の特性インピーダンスに不連続箇所が存在する場合には、その不連続箇所で入射電圧ステップの一部が反射される。この場合、高速オシロスコープ90には、図8(b)に示すように、反射波Erが入射電圧ステップEiに代数的に追加されて表示される。この結果より、インピーダンスの不連続箇所の位置と特性インピーダンスの値を求めることができる。すなわち、反射波Erが測定されるまでの時間Tによりインピーダンスの不連続箇所の位置を求めることができると共に、反射波Erの値により不連続箇所でのインピーダンスを求めることができる。
測定結果を図9に示す。インダクタ部品98として、巻回部における各ターンの巻線間隔が等間隔であり且つ導体線の幅が同じであるインダクタ部品(以下、比較例1に係るインダクタ部品)と、巻回部における各ターンの巻線間隔が巻回部の一端から他端に向かって単調減少し且つ導体線の幅が同じであるインダクタ部品(以下、比較例2に係るインダクタ部品)と、上述した第1実施形態に係るインダクタ部品1(以下、実施例1に係るインダクタ部品)と、を用いた。比較例1及び2に係るインダクタ部品の構成と、実施例1に係るインダクタ部品との構成とは、巻回部における各ターンの巻線間隔及び導体線の幅の点を除いて、同じ構成とした。
比較例1に係るインダクタ部品では、各ターンの巻線間隔を3mmとし且つ導体線の幅を2mmとした。比較例2に係るインダクタ部品では、各ターンの巻線間隔を3mmとし且つ巻回部の一端での導体幅を5mmとし、巻回部の他端での導体幅を0.5mmとして、一端から他端に向かって徐々に減少させた。実施例1に係るインダクタ部品では、上記巻線間隔D1を5mmとし、巻線間隔を1mmずつ減少させた。実施例1に係るインダクタ部品では、巻回部32の一端32aでの導体幅を5mmとし、巻回部32の他端32bでの導体幅を0.5mmとして、一端32aから他端32bに向かって徐々に減少させた。ここでも、各ターンの巻線間隔とは、各ターンにおける上記芯線同士の間隔である。
特性I1は、インダクタ部品98が比較例1に係るインダクタ部品である場合の測定結果である。特性I2は、インダクタ部品98が比較例2に係るインダクタ部品である場合の測定結果である。特性I1、I2から分かるように、巻回部の一端(図9中、「T」にて示される位置)でインピーダンスが変化すると共に、巻回部の他端(図9中、「TE1、TE2」にて示される位置)でもインピーダンスが大きく変化している。さらに、巻回部32においても、「TI2−1」、「TI1−1」、及び「TI2−2」にて示される位置でインピーダンスが大きく変化している。
特性I3は、インダクタ部品98が、実施例1に係るインダクタ部品であり、電極部20をケーブル96と接続し、電極部21をレシーバIC92に接続した場合の測定結果である。特性I3から分かるように、巻回部32の一端32a(図9中、「T」にて示される位置)でのインピーダンスの変化は回避し難いものの、巻回部32の他端32b(図9中、「TE1」にて示される位置)でのインピーダンスの変化が、特性I1及び特性I2に比べて抑制されている。また、特性I3は、特性I1及び特性I2における「TI2−1」、「TI1−1」、及び「TI2−2」にて示される位置のように、インピーダンスが大きく変化する箇所が存在せず、巻回部32にいてインピーダンスが徐々に大きくなっていることが分かる。
ところで、導体に直流電流が流れる際に、一般に、導体の断面積が大きい場合には抵抗成分が小さく、断面積が小さい場合には抵抗成分が大きい。導体の幅を単調減少させるということは、導体の断面積を単調減少させることと同等であり、導体の断面積を単調減少させるにしたがって、抵抗成分は増加する。この結果、信号反射の原因とされるQ(クオティ・ファクタ)を減少させることができる。
また、導体に交流電流が流れる際に、一般に、導体の断面積が大きい場合には表皮効果(skin effect)の発生が抑止され抵抗成分が小さく、断面積が小さい場合は表皮効果の発生により抵抗成分が大きい。導体幅を単調減少させるということは、導体の断面積を単調減少させることと同等であり、導体幅を単調減少させるにしたがって、表皮効果による抵抗成分は増加し、Qを減少させることができる。
次に、図10を参照して、本実施形態に係るインダクタ部品の実装構造について、説明する。図10は、本実施形態に係るインダクタ部品の実装構造を説明するための回路図である。ここでは、実装するインダクタ部品として第1実施形態に係るインダクタ部品1を用いて説明するが、他の実施形態に係るインダクタ部品3も、同様に実装することができる。
図10に示されているように、インダクタ部品1は、IC100への電源ライン102やIC100からの出力ライン(例えば、クロックラインや信号ライン等)104に挿入されている。電源ライン102に挿入されたインダクタ部品1は、コンデンサ106と共にLCフィルタを構成している。
電源ライン102に挿入されたインダクタ部品1では、電極部20がIC100に接続されている。出力ライン104に挿入されたインダクタ部品1も、電極部20がIC100に接続されている。
IC100では、その内部において高速でスイッチングが行なわれており、電源ライン102や出力ライン104等にノイズが重畳しやすい。しかしながら、上述したようにインダクタ部品1での反射が少なくなることから、IC100にて発生したノイズの重畳が少なくなる。従来の技術のインダクタ部品では、インダクタ部品での反射が大きいことから、IC100にて発生したノイズの重畳が大きくなる。また、上記測定結果から推測されるように、電極部21をIC100に接続した場合も、インダクタ部品1での反射が大きいことから、IC100にて発生したノイズの重畳が大きくなる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
第1実施形態では、コア10としてドラムコアを採用しているが、これに限られることなく、トロイダルコアを採用してもよい。また、コア10は必ずしも必要ではなく、巻芯が存在しない空芯型のインダクタ部品としてもよい。空芯型のインダクタ部品として構成した場合、当該インダクタ部品は高周波コイルとして好適である。第1実施形態のインダクタ部品1は、コア10が磁性体からなる場合、チョークコイル、信号整流用コイル、又はアンテナコイル等として好適である。コア10が非磁性体からなる場合、インダクタ部品1は、高周波コイルとして好適である。
第1実施形態では、導体線として平角線が用いられているが、これに限られることなく、例えば、断面形状が円形状を呈している丸線や、断面形状が多角形状を呈している角線が用いられていてもよい。導体線として丸線が用いられる場合には、導体の幅は、丸線の外径に相当することとなる。
第1実施形態では、巻回部32における導体線の幅は、巻回部32の一端32aから他端32bに向かって徐々に減少している、いわゆる狭義の単調減少となっているが、これに限られることなく、第2実施形態におけるコイル状導体71のように、一端32aから他端32bに向かって段階的に減少している、いわゆる広義の単調減少となっていてもよい。第2実施形態では、コイル状導体71の幅は、一端から他端に向かって段階的に減少している、いわゆる広義の単調減少となっているが、これに限られることなく、第1実施形態における巻回部32の導体線のように、一端から他端に向かって徐々に減少している、いわゆる狭義の単調減少となっていてもよい。ただし、インピーダンスの変化をより一層抑制して、信号の反射の発生が極めて少ないインダクタ部品を得るためには、導体の幅は、狭義の単調減少であることが好ましい。
巻回部32やコイル状導体71におけるターン数は、上述した実施形態に限られず、3ターン以上であればよい。
1,2…インダクタ部品、20,21…電極部、30…巻線、32…巻回部、32a…巻回部の一端、32b…巻回部の他端、34,35…引き出し部、50…素子、60,62…電極部、71…コイル状導体、73,74…引き出し導体。

Claims (3)

  1. 電極部と、
    導体が3ターン以上巻回された巻回部と、
    前記巻回部の両端に位置すると共に、前記巻回部と前記電極部とを接続する引き出し部と、を備え、
    前記巻回部における各ターンの巻線間隔は、前記巻回部の一端から他端に向かって単調減少しており、
    前記導体の幅は、前記巻回部の一端から他端に向かって単調減少していることを特徴とするインダクタ部品。
  2. 巻芯を有するコアを更に備え、
    前記巻回部は、導線が前記巻芯に巻回されることにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ部品。
  3. 複数の絶縁体が積層された積層体と、前記積層体内に前記絶縁体の積層方向に併設された複数の導体と、を備え、
    前記巻回部は、前記積層方向に隣り合う前記導体同士が電気的に接続されることにより構成され、
    前記複数の導体間の前記積層方向での間隔が、前記積層方向に向かって単調減少し、
    前記巻回部を構成する前記複数の導体の幅は、前記巻回部の一端から他端に向かって単調減少していることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ部品。

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