JP2011108864A - 光増幅装置及び光増幅方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガードタイム長に関わらず入力光の光強度の変化による利得変動を補償でき、入力光が零連続する場合でも減衰器が誤って光を減衰することを回避できる光増幅装置及び光増幅方法提供することを目的とする。
【解決手段】本光増幅装置は、光を増幅する利得媒体13と、利得媒体13への入力光の光強度P(t)を検出する検出器15と、検出器15が検出する入力光の光強度P(t)を利得媒体13が有する時定数に応じた所定の時間以上で時間平均して平均強度HP(t)を算出する平均器16と、平均器16の算出する時間平均強度HP(t)の光信号が利得媒体13に入力され、平衡状態となった場合の利得媒体13の利得と利得媒体13に設定する所定の利得の値との差に基づいて利得媒体13で生ずる光強度差で利得媒体13からの光を減衰する減衰器14と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、光を直接増幅する光増幅装置及び光増幅方法に関する。
光増幅装置では、入力光強度の平均値が変動すると、増幅器内の反転分布状態が変動し、その結果としてその入力に対する利得が変動する。その変動が甚だしい場合、増幅後の出力が過渡的な高強度となる光サージが発生する。このような課題を解決するために、利得クランプ等の方法が知られている(例えば、非特許文献1を参照。)。しかし、利得クランプでは、利得の絶対値が小さくなることや、飽和領域で使用するためにSNが劣化するという課題がある。このような課題を解決するために、入力光の強度変動に応じて、出力光の強度を減衰する減衰器を具備する光増幅装置が提案されている(例えば、非特許文献2を参照。)。このような光増幅装置は、入力光強度の平均値が変化する前後で、入力光のない状態、例えば、全ての送信機から信号光が到着しない時間であるガードタイムが十分に長いことを前提とする。入力光のない状態が継続し、反転分布状態が平衡状態に到達した後、入力光が入射する状態に変化する時に、新たに入力光の入力したこととその入力強度を検出し、入力光のない状態から入力光のある状態に変化した際に発生する光サージによる出力光強度変動を1〜2dB以下に抑圧するように減衰器を調整する。即ち、入力強度と光増幅装置の利得媒体の時定数からその光サージの絶対値と光サージのない平衡状態に到達するまでの時間を算定し、光出力が平衡状態に到達するまでの利得または出力光強度が一定(前者はAGC(auto gain control)動作、後者はAPC(auto power control)動作)となるように減衰器を調整する調整部を持つ。このような光増幅装置は、利得クランプにおける利得の絶対値が小さくなる課題や、SNが劣化する課題を解決することができる。
しかし、十分なガードタイムを取らず、反転分布状態が平衡状態となる前に入力光強度の平均値が変化する場合は、反転分布状態が平衡状態となった後に入力光強度の平均値が変化する場合と光サージの絶対値と光サージのない平衡状態に到達するまでの時間が異なるため対応できない。そのため、ガードタイムを十分に長く取る必要があった。例えば、ある光増幅装置の平衡状態への利得の変化に要する時定数τが0.3msであったとする。十分に長いガードタイムとして利得が平衡状態の15%誤差或いは5%誤差に到達する時間とすると、2τ或いは3τ即ち0.6ms或いは0.9msが必要となる。このため、ガードタイムを長く取る必要があり、光増幅装置を備える通信システムの伝送効率が低下するという課題があった。
また、入力光が連続して零となる信号を伝送する場合、調整部はガードタイムになったとの誤判定をする可能性がある。この誤判定により、調整部は入力光が入力されているにもかかわらずガードタイム後の減衰器の調整を行い、不必要な光の減衰をするため、出力光の光強度が低下することがある。これを解決するためには、伝送に用いる符号で想定される最大の零連続時間よりも長い時間における入力光の光強度の平均値を取得することで、零連続による誤判定を防止することが可能である。しかし、このようにすると減衰器の応答性が劣化するため、想定される最長の零連続よりも長い入力光の最初に配置するプリアンブルの長さを長く設定する必要があり、光増幅装置を備える通信システムの伝送効率が低下するという課題があった。
この課題を解決するために、本発明は、ガードタイム長に関わらず入力光の光強度の変化による利得変動を補償でき、入力光が零連続する場合でも減衰器が誤って光を減衰することを回避できる光増幅装置及び光増幅方法提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る光増幅装置及び光増幅方法は、入力光を観測し、観測した入力光の強度に関する履歴及び現時点の入力光強度および光増幅装置の利得媒体の特性から現時点の入力光に対する利得を推定し、該利得または該利得により増幅された出力光強度が、予め設定した所定の利得の値または出力光強度の値を超過した分を減衰することで一定の利得又は一定の光出力を得ることとした。
また、利得の推定を簡易化するために、入力光の強度の少なくとも利得媒体の反転分布状態の変化が収束する際の時定数に応じた所定の時間以上の履歴の時間平均及び現時点の入力光強度および光増幅装置の利得媒体の特性から現時点の入力光に対する利得を推定し、該利得または該利得により増幅された出力光強度が、予め設定した所定の利得の値または出力光強度の値を超過した分を減衰することで一定の利得又は一定の光出力を得ることとした。
また、時間平均した入力光強度、特に当該増幅器の反転分布状態の変化に関する時定数に応じて時間平均した入力光強度に対する平衡状態での利得と現在の入力光強度に対する平衡状態での利得の差がその時点での光サージの大きさであることを利用して現時点での入力光に対する利得を推定し、現在の入力光強度に対する平衡状態での利得の値または出力光強度を所定の利得の値又は出力光強度の値とし、当該利得または当該利得により増幅された出力光強度が、所定の利得の値または出力光強度の値を超過した分を減衰することで光サージを抑圧することとした。
具体的には、本発明に係る一の光増幅装置は、光を増幅する利得媒体と、前記利得媒体への入力光の光強度を検出する検出器と、前記検出器が検出する前記入力光の光強度に関する履歴を保持し、前記履歴、現時点の前記入力光の光強度及び前記利得媒体の特性から現時点の前記入力光に対する前記利得媒体の推定利得を推定する平均器と、現時点の前記入力光を前記利得媒体で増幅するとき、前記平均器の前記推定利得が予め設定した所定の利得を超過した分に基づく光強度で前記利得媒体から出力される光を減衰する減衰器と、を備える。
本発明に係る一の光増幅装置の光増幅方法は、光を増幅する利得媒体への入力光の光強度を検出し、検出した前記入力光の光強度に関する履歴を保持するとともに、前記履歴、現時点の前記入力光の光強度及び前記利得媒体の特性から現時点の前記入力光に対する前記利得媒体の推定利得を推定し、現時点の前記入力光を前記利得媒体で増幅するとき、前記推定利得が予め設定した所定の利得を超過した分に基づく光強度で前記利得媒体からの光を減衰する。
本発明に係る一の光増幅装置の前記減衰器は、前記所定の利得を、予め設定する代替として、現時点の前記入力光に対する前記利得媒体の平衡状態の利得とすることができる。
本発明に係る一の光増幅装置の光増幅方法は、前記所定の利得を、現時点の前記入力光に対する前記利得媒体の平衡状態の利得とすることを特徴とする。
また、本発明に係る他の光増幅装置は、光を増幅する利得媒体と、前記利得媒体への入力光の光強度を検出する検出器と、前記検出器が検出する前記入力光の光強度に関する履歴を保持し、前記履歴、現時点の前記入力光の光強度及び前記利得媒体の特性から現時点の前記入力光に対する前記利得媒体の推定利得を推定する平均器と、現時点の前記入力光を前記利得媒体で増幅するとき、前記平均器の前記推定利得に基づく光強度が予め設定した所定の出力光強度の値を超過した分で前記利得媒体から出力される光を減衰する減衰器と、を備える。
本発明に係る他の光増幅装置の光増幅方法は、光を増幅する利得媒体への入力光の光強度を検出し、検出した前記入力光の光強度に関する履歴を保持するとともに、前記履歴、現時点の前記入力光の光強度及び前記利得媒体の特性から現時点の前記入力光に対する前記利得媒体の推定利得を推定し、現時点の前記入力光を前記利得媒体で増幅するとき、前記推定利得に基づく光強度が予め設定した所定の出力光強度の値を超過した分で前記利得媒体からの光を減衰する。
本発明に係る他の光増幅装置の前記減衰器は、前記所定の出力光強度の値を、現時点の前記入力光に対する前記利得媒体の平衡状態の出力光強度の値とすることができる。
本発明に係る他の光増幅装置の光増幅方法は、前記所定の出力光強度の値を、予め設定する代替として、現時点の前記入力光に対する前記利得媒体の平衡状態の出力光強度の値とすることを特徴とする。
本発明に係る一の光増幅装置及び他の光増幅装置の前記平均器は、前記入力光の各時点の光強度を前記履歴としており、前記推定利得を、前記履歴を時間平均した時間平均強度を算出し、前記時間平均強度の光信号が前記利得媒体に入力されて平衡状態となった場合の利得とすることができる。
本発明に係る一の光増幅装置及び他の光増幅装置の光増幅方法は、前記入力光の各時点の光強度を前記履歴としており、前記推定利得を、前記履歴を時間平均した時間平均強度を算出し、前記時間平均強度の光信号が前記利得媒体に入力されて平衡状態となった場合の利得とする。
本発明に係る一の光増幅装置及び他の光増幅装置の前記平均器は、前記利得媒体の時定数に応じた所定の時間以上の履歴を保持することが好ましい。
本発明に係る一の光増幅装置及び他の光増幅装置の光増幅方法は、前記利得媒体の時定数に応じた所定の時間以上の履歴を保持することが好ましい。
本発明に係る光増幅装置及び光増幅方法は、ガードタイムの長さ、零連続の長さ、同一の入力光強度の継続時間とは無関係に、現時点の入力光に対する利得を正確に推定することができるので、ガードタイムを長くする必要がない。またガードタイムを検出して、状態遷移を行わないので、零連続による誤判定による問題も生じず、また想定される零連続以上のプリアンブルを用意する必要もない。
本発明は、ガードタイム長に関わらず入力光の光強度の変化による利得変動を補償でき、入力光が零連続する場合でも誤って減衰器が光を減衰することを回避できる光増幅装置及び光増幅方法提供することができる。
本発明に係る光増幅装置を説明するブロック図である。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(実施形態1)
図1は、本実施形態の光増幅装置を説明するブロック図である。本光増幅装置は、光を増幅する利得媒体13と、利得媒体13への入力光の光強度P(t)を検出する検出器15と、検出器15が検出する入力光の光強度P(t)に関する履歴を保持し、履歴と現時点の入力光の光強度P(t)と利得媒体13の特性から現時点の入力光に対する利得媒体13の利得を推定する平均器16と、平均器16の推定する利得が、予め設定した所定の利得の値または出力光強度の値を超過した分の光強度を利得媒体13からの光から減衰する減衰器14と、を備える。
本光増幅装置の光増幅方法は、光を増幅する利得媒体13への入力光の光強度P(t)を検出し、検出した入力光の光強度P(t)に関する履歴を保持し、履歴と現時点の入力光の光強度P(t)と利得媒体13の特性から現時点の入力光に対する利得媒体13の利得を推定し、推定した利得が、予め設定した所定の利得の値または出力光強度の値を超過した分の光強度を利得媒体13からの光から減衰することを特徴とする。
光分岐器11は、入力光を分岐し、一方を遅延器12を介して利得媒体13に結合し、他方を検出器15に結合する。
遅延器12は、後述するように平均器16で利得媒体13での出力光強度を推定し減衰器14で減衰するに要する時間だけ入力光を遅延させる。減衰対象となる出力と減衰器14による減衰のタイミングが合致すればよいので、遅延器12は、光分岐器14と利得媒体13の間ではなく、利得媒体13と減衰器14の間に設置してもよく、遅延量を按分してその両方の箇所に設置してもよい。
利得媒体13は、入力光を直接増幅することができる。利得媒体13は、例えば、光ファイバ増幅器である。検出器15は、分岐器11で分岐された他方の光を受光し、入力光の光強度P(t)を検出する。
平均器16は、検出器15が検出する入力光の光強度P(t)に関する履歴を保持し、履歴と現時点の入力光の光強度P(t)と利得媒体13の特性から現時点の入力光に対する利得媒体13の利得を推定する。
例えば、Nd添加光ファイバ増幅器に代表される4準位系の光増幅器や半導体光増幅器では平均器16は次式のように準位EおよびEの分布密度を決定するレート方程式を用いて利得Gを算出する。
Figure 2011108864
ここで、h:プランク定数、ν:光周波数、Iν:入射光強度〔Wm−2〕、N:単位体積あたりのレーザ上準位(E)にある原子数、N:単位体積あたりのレーザ下準位(E)にある原子数、(N−N):反転分布密度〔m−3〕、N10:固体レーザ媒質ではボルツマン因子で決まる密度であり半導体レーザ媒質では光周波数νの吸収に寄与する価電子体の電子密度であるレーザ下準位の残留密度、Wi(ν):EとEの間の遷移確率〔s−1〕、σ(ν):単位面積当たりの入射光子数(Iν/hν)が遷移に寄与する割合を与えるレーザ遷移断面積〔m〕,c:真空中の光速、n:媒質の屈折率、g(ν):EからEの遷移による規格化発光スペクトル分布、α:レーザ媒質や導波路の吸収や散乱による損失係数〔m−1〕、γ(ν):反転分布密度による利得係数〔m−1〕、Γ:反転分布の形成された断面と入射された光モード断面の重なりの割合(光モードの閉じ込め係数)、L:媒質長、R:基底状態(E)からEまたはE(E>E)への遷移でEからEへの遷移も含めた励起率〔m−3−1〕、τ:光が存在しないときの上準位Eの全寿命、τspはEからEへの自然放出寿命、τ20:EからEへの自然放出寿命以外の非発光緩和も含めた遷移による寿命、τ:レーザ下準位Eの寿命(τ<<τ)、EXP(数値)又はe数値は自然対数の底の値eを底とする数値のべき乗である。なお、ここでは、石尾秀樹監修 平成4年 オーム社刊「光増幅器とその応用」の表記に従って示した。また、反転分布密度を場所に寄らず一定とし、伝搬方向の飽和や励起の不均質性を無視する前提としたが、考慮した上で推定してもよい。さらに推定を用いる式として同様の他の式を利用してもよい。これは以降の本実施形態の説明及び後述の他の実施形態でも同様である。
例えば、Er添加光ファイバ増幅器などのレーザ下準位と基底状態Eが一致した3準位系の光増幅器で、準位Eから準位Eへの緩和は励起光の誘導吸収による遷移確率Wp〔s−1〕より十分早いと仮定できる時、平均器16は次式のように準位EおよびEの分布密度を決定するレート方程式を用いて利得Gを算出する。
Figure 2011108864
ここで、Ip:励起光強度、σp:励起光の吸収断面積光周波数、κ:シュタルク効果で分離したE準位内の上の副順位を励起する場合を想定した補正係数であり、励起と増幅に関与する副準位間のエネルギー差ΔEを用いて定義されるボルツマン因子、k:ボルツマン定数、T:絶対温度、である。
また、平均器16は、逐次近似を用いて利得Gを算出してもよい。次式に半導体光増幅器での例を示す。
Figure 2011108864
ここで、t:時間、Δt:τsより充分短い微少時間、n:規格化されたキャリア密度(n=ΓAgn)、T:規格化された時間(T=t/τs)、ΔT:規格化された微少時間(ΔT=Δt/τs)、I:規格化された光強度(I=I/Is)、nun=未飽和時の規格化キャリア密度、n0:媒質利得を生じるキャリア密度、τs:キャリア緩和時間、Ag:微分利得係数〔cm〕I:光強度〔W/cm〕,J:注入電流密度、e:素電荷、d:活性層厚、t:時間、z:光の伝搬方向、Is:飽和強度、である。
なお、上式では、簡単のためにn0と損失αは無視したが、考慮してもよい。
減衰器14は、利得媒体13から出力される光の強度を、平均器16の推定する現時点の入力光に対する利得媒体13の利得が予め設定した所定の利得の値を超過しないように、利得媒体13からの光を減衰することを特徴とする。
ここで、「所定の利得の値」として、例えば、減衰器を用いずとも、利得が一定値に漸近するのに十分な長い時間、平均強度が一定強度の入力が継続した場合に漸近する利得以下の値とする。なお、伝送路損失等によるONU等の信号光強度の差(遠近問題)によらず強度を一定とする場合は、それぞれの最小値をとり得る条件、すなわち、入力し得る最大強度の入力が継続した場合に漸近する利得以下の値とすればよい。
上述のように減衰量を決定する方法は、AGCで一定の利得を得ようとする方法である。一方、APCで一定の出力強度を得ようとする方法でもよい。
APCで一定の出力強度を得ようとする場合、減衰器14は、光の減衰量を次のように決定する。減衰器14は、平均器16の推定する利得の値と入力光の光強度P(t)との積を算出し、前記積と利得媒体13に設定する所定の出力光強度の値を超過しないように、利得媒体13からの光を減衰する。
ここで、「所定の出力光強度の値」として、例えば、減衰器を用いずとも、出力光強度が一定値に漸近するのに十分な長い時間、平均強度が一定の入力が継続した場合に漸近する出力光強度以下の値とする。なお、伝送路損失等によるONU等の信号光強度の差(遠近問題)によらず強度を一定とする場合は、それぞれの最小値をとり得る条件、すなわち、入力し得る最大強度の入力が継続した場合に漸近する出力光強度以下の値とすればよい。
本実施形態の光増幅装置及び光増幅方法は、入力光を観測し、観測した入力光の強度に関する履歴及び現時点の入力光強度および光増幅装置の利得媒体の特性から現時点の入力光に対する利得を推定し、該利得または該利得により増幅された出力光強度が、予め設定した利得の値または出力光強度の値を超過した分を減衰することで一定の利得又は一定の光出力を得ている。このため、本実施形態の光増幅装置及び光増幅方法は、ガードタイムの長さ、零連続の長さ、同一の入力光強度の継続時間とは無関係に、現時点の入力光に対する利得を正確に推定することができる。
本実施形態では、「光強度に関する履歴」を各時点の入力光の光強度として、数式1〜3に従って光強度の履歴を用いて逐次計算し、利得を推定することを説明した。これらの数式に従う算出において、入力光の光強度P(t)に関する履歴は、時定数に応じた所定の時間以上の履歴を用いて、その古い履歴から順に次式に当てはめ、各準位の密度を算出する。前の履歴で算出した各準位の密度の値を用いて、次の入力に対する各準位の布度を算出する。順次、前の履歴で算出した各順位の密度の値を用いて算出することで、現時点の入力光の光強度P(t)に対する利得Gを算出する。ここで、時定数とは利得媒体13の反転分布状態の変化が収束する際の時定数である。
算出に際し、利用する履歴の量は、要求する推定値の確度の高さに応じて、多くする。例えば、正規分布と仮定すれば、63%の確度を期すれば時定数程度、86%程度の確度さを期すれば時定数の倍程度、95%程度の確度を期すれば時定数の3倍程度とする。なお、入力光の「光強度P(t)に関する履歴」は、各準位の密度の形で保持してもよい。即ち、「光強度に関する履歴」を最後に算出した反転分布状態の値としてもよい。この場合、光強度の履歴を用い、入力毎に過去の履歴にさかのぼって現時点の入力に対する利得を算出する逐次計算の代わりに、最後に算出した反転分布状態の値を利用し、利得を推定することができる。従って、各準位の密度の形で入力光の光強度P(t)に関する履歴を保持する場合、毎回計算する方法よりも、算出に要する計算量が少なくてすむ効果がある。また、保持する各準位の密度の算出の始点は、要求する推定値の確度の高さに応じた所定の時間以上前であることは同様である。
なお、本実施形態の検出器の検出速度は、増幅しうる信号光のビットレートの倍以上であることが望ましい。検出器の検出が信号のビットに同期して検出できる場合は、ビットレート程度でよい。但し、ビットレート以下の速度の場合であっても、検出される入力光の光強度P(t)は鈍るため、その鈍りに応じて、光サージの抑圧が粗くなる。
また、本実施形態では、特に明記していないが、利得Gを算出する際のパラメータは温度や励起光強度やバイアス電流等によって変化する場合は、それらの変化を検出する機能を備えて、その変化に応じて、平均器での算出または減衰器での減衰を補正する、または温度変動等の変化を抑圧する機構を追加することが望ましい。
更に、出力光強度の値は観測していないが、出力光強度の観測手段と、観測した出力光強度と算出した出力光強度のずれを検出し、平均器での算出または減衰器での減衰にフィードバックする機構を備えてもよい。このような機構は、外部温度と装置の劣化による利得変動を抑圧するために有効である。
但し、温度や出力光強度からフィードバックを加える場合、本実施例の利得及び出力光強度の推定を妨げないように、本実施形態の推定する周期に比べて、フィードバックの速度は十分にゆっくりであることが望ましい。これらは後述の実施形態でも同様である。
(実施形態2)
本実施形態と本発明の実施形態1との違いは、平均器16での利得の推定方法にある。本実施形態では、利得の推定を簡易化するために、履歴として、利得媒体13が有する時定数に応じた所定の時間以上の入力光強度の時間平均及び現時点の入力光強度および光増幅装置の利得媒体の特性から現時点の入力光に対する利得を推定し、該利得または該利得により増幅された出力光強度が、予め設定した利得の値または出力光強度の値を超過した分を減衰することで一定の利得又は一定の光出力を得ることとした。具体的には、利得媒体の時定数を考慮して、利得媒体13の反転分布状態の変化が収束する際の時定数に応じた所定の時間以上の履歴の時間平均の光強度の入力光で平衡状態にあるとして利得を推定する。
図1は、本実施形態の光増幅装置を説明するブロック図である。本光増幅装置は、光を増幅する利得媒体13と、利得媒体13への入力光の光強度P(t)を検出する検出器15と、検出器15が検出する入力光の光強度P(t)の履歴を保持し、利得媒体13の反転分布状態の変化が収束する際の時定数に応じた所定の時間以上で時間平均して平均強度HP(t)を算出する平均器16と、平均器16で算出した平均強度HP(t)に対する平衡状態での利得と利得媒体13に予め設定する所定の利得の値との差に基づいて利得媒体13で生ずる光強度差で利得媒体13からの光を減衰する減衰器14と、を備える。
本光増幅装置の光増幅方法は、光を増幅する利得媒体13への入力光の光強度P(t)を検出し、検出した入力光の光強度P(t)を利得媒体13の反転分布状態の変化が収束する際の時定数に応じた所定の時間以上で時間平均して平均強度HP(t)を算出し、平均強度HP(t)に対する平衡状態での利得と利得媒体13に予め設定する所定の利得の値との差に基づいて利得媒体13で生ずる光強度差で利得媒体13からの光を減衰することを特徴とする。
光分岐器11は、入力光を分岐し、一方を遅延器12を介して利得媒体13に結合し、他方を検出器15に結合する。利得媒体13は、入力光を直接増幅することができる。
遅延器12は、後述するように平均器16で利得媒体13での出力光強度を推定し減衰器14で減衰するに要する時間だけ入力光を遅延させる。減衰対象となる出力と減衰器14による減衰のタイミングが合致すればよいので、遅延器12は、光分岐器14と利得媒体13の間ではなく、利得媒体13と減衰器14の間に設置してもよく、遅延量を按分してその両方の箇所に設置してもよい。
利得媒体13は、例えば、光ファイバ増幅器である。検出器15は、分岐器11で分岐された他方の光を受光し、入力光の光強度P(t)を検出する。
平均器16は、検出器15が検出する入力光の光強度P(t)を利得媒体13の反転分布状態の変化が収束する際の時定数に応じた所定の時間以上で時間平均して平均強度HP(t)を算出する。
時間平均をとるに際しては、平均をとる期間の入力光強度の単純平均でもよいが、過去の加重を線形に減少させる加重平均が望ましい。更に、過去の加重を指数関数的に減少させる指数平均がより望ましい。ここで加重を減少させる指数関数は、利得媒体13の反転分布状態の変化が収束する際の時定数に応じた減少に近似できる指数関数であることが望ましい。
所定の時間をτとする場合、例えば、平均器16は次式のように平均強度HP(t)を算出する。
Figure 2011108864
ここで、ξは任意の時刻である。
また、Δt毎に入力光強度を検出し、時刻tの入力光強度と平均強度をそれぞれP(t)、HP(t)とし、τに応じた平滑化定数をβとするとき、例えば、次式で平均をとることができる。
Figure 2011108864
ここで、HP(t):時刻tにおける平均値、HP(t+Δt):時刻t−Δtにおける平均値、P(t):時刻tにおける観測値、β(0<β<1):平滑化定数である。平滑化定数βの値として例えば、1−EXP(−Δt/τ)とする。τおよびβの値は、波長、温度、入力光強度、励起光強度、出力光強度等の値を利用し、フィードバックをかけたり、多次平滑法等の演算アルゴリズムを用いたりして適時補正することが望ましい。
また、適時パラメータを調整すれば、指数関数の代わりに、ゴンペルツ曲線の方程式やロジスティック曲線の方程式等を用いてもよい。
時間平均をとる時定数以上の期間として、63%の正確さを期すればτ、86%程度の正確さを期すれば2τ以上が望ましい。
時定数に応じた所定の時間以上の入力光強度の平均強度HP(t)を用いて、例えば、4準位系の光増幅器や半導体光増幅器では平均器16は、次式のように利得Gを算出する。
Figure 2011108864
ここで、Iνは本発明の実施形態1と異なり、時定数に応じた所定の時間以上の履歴の時間平均での入射光強度であり、履歴として保持する平均強度HP(t)である。Is,4は4準位系の飽和強度である。
例えば、3準位系の光増幅器で、EからEへの緩和は励起光の誘導吸収による遷移確率Wp〔s−1〕より十分早いと仮定できる時、次式のように利得Gを算出する。
Figure 2011108864
ここで、N2−N1の式の最右辺の分子は未飽和時(Wi(ν)=0の反転分布、Is、3は3準位系の飽和強度である。Ithpは、レーザ媒質を透明(N=N)にする閾値であり、Wp(1−κ)τ=1を満たすIpである。
また、利得媒体13の反転分布状態の変化が収束する際の時定数は以下に示す実効的なτ2effが、次式で示されるように4準位系や半導体光増幅器では増幅対象とする信号の入力光強度に依存し、3準位系では更に反転分布状態を形成するための励起光の強度にも依存するように変化するので、時間平均をとる際の時定数は、それらの値に応じた値とすることが望ましい。
Figure 2011108864
ここで、Ithpの項は3準位系のみで含む。
このように実効的なτ2effの式に示されるように、入力光強度及び励起光強度依存性があるため、時間平均をとる際の時定数は、当該入力光が入力して以降の光強度に応じて計算することが望ましい。但し、観測するごとに平滑化定数を乗じた値を加算して、逐次平均をとる場合は、加算する時点で時定数を想定して平滑化定数を定めなければならないので、平滑化定数は、観測した光強度に応じた時定数か、観測した時点での平均の強度に応じた値でよい。観測以降の入力光強度は当該観測した光の強度よりも過去の平均に近くなるとの想定であれば、前者の時定数が望ましく、新規に観測した入力光強度に近い入力光強度になると想定であれば、後者が望ましい。
なお、利得の算出に際して数式を演算するとの例を示したが、予め平均入力光強度に対する利得あるいは出力光強度の対応表を準備し、その表に応じて算出してもよい。
対応表として、例えば、履歴から積算した平均入力光強度の値と現在検出した入力光強度に対して、一意の利得又は出力光強度の値と関連付けした表であってもよいし、波長・温度・励起光強度との組合せに応じて、それに対応した利得又は出力光強度の値と関連付けした表であってもよい。
更に、履歴から積算した平均入力光強度での反転分布状態が、現在検出した入力光強度が十分長く継続した場合に収束する反転分布状態に、変化するまでの間の利得あるいは出力光強度を、両反転分布状態での利得の値と反転分布状態の変化が収束する際の時定数で、算出してもよい。このようにすることで表のサイズを小さくする等の効果がある。例えば、時刻tにおける履歴から積算した平均入力光強度での反転分布状態での利得をGo(t)、時刻tにおいて検出した入力光強度が十分長く継続した場合に収束する反転分布状態での利得をGg(t)とし、算出する時間刻みをΔt、時刻tにおける反転分布状態の変化が収束する際の時定数をτ(t)とすると、時刻t+Δtにおける利得を、Go(t)×EXP(−Δt/τ)+Gg(t)×〔1−EXP(−Δt/τ)〕又は〔Go(t)−Gg(t)〕×EXP(−Δt/τ)+Gg(t)のように算出することで、2値の間を指数関数等の関数で補間してもよい。
減衰器14は、利得媒体13から出力される光を減衰する。減衰器14での、光の減衰量は次のように決定される。平均器16の推定する平均強度HP(t)の光が十分長い時間継続して利得媒体13に入力された時に近づく平衡値を用いる。この平衡値と利得媒体13に予め設定する所定の利得の値との差を算出する。前述のように算出した利得の差で発生する利得媒体13からの光の光強度差、すなわち利得が平衡値のときの光強度と利得が所定のときの光強度との差を減衰器14での光を減衰量とする。
上述のように減衰量を決定する方法は、AGCで一定の利得を得ようとする方法である。一方、APCで一定の出力強度を得ようとする方法でもよい。
APCで一定の出力強度を得ようとする場合、減衰器14は、光の減衰量を次のように決定する。減衰器14は、平均器16の推定する利得の値と入力光の光強度P(t)との積を算出し、前記積と利得媒体13に予め設定する所定の出力光強度の値を超過しないように、利得媒体13からの光を減衰する。
本実施形態の光増幅装置及び光増幅方法は、入力光を観測し、観測した入力光の強度の履歴及び現時点の入力光強度および光増幅装置の利得媒体の特性から現時点の入力光に対する利得を推定し、該利得または該利得により増幅された出力光強度が、予め設定した利得の値または出力光強度の値を超過した分を減衰することで一定の利得又は一定の光出力を得ている。このため、本実施形態の光増幅装置及び光増幅方法は、ガードタイムの長さ、零連続の長さ、同一の入力光強度の継続時間とは無関係に、現時点の入力光に対する利得を正確に推定することができる。更に、本実施形態では、利得の推定を簡易化しているため、本発明の実施形態1よりの簡易に実現できる効果がある。
(実施形態3)
本実施形態と本発明の実施形態2との違いは、減衰器14の減衰にある。本実施形態では、減衰器14の減衰の基準となる所定の利得の値または出力光強度の値として、予め設定する代わりに、現在の入力光強度が、利得媒体13の反転分布状態の変化が収束する際の時定数に比べて十分長く、利得媒体13の利得及び出力光強度の平均値が平衡状態に到達するまで継続した場合の平衡状態での利得の値又は出力光強度の値とする。本実施形態では、利得媒体13の反転分布状態の変化に関する時定数に応じた所定の時間以上の入力光強度を時間平均した入力光強度に対する平衡状態での利得と現在の入力光強度に対する平衡状態での利得の差がその時点での光サージの大きさであることを利用して現時点での入力光に対する利得を推定し、当該利得または当該利得により増幅された出力光強度が、所定の利得の値または出力光強度の値である現在の入力強度に対する平衡状態での利得の値又は出力光強度の値を超過した分を減衰することで光サージを抑圧する。
図1は、本実施形態の光増幅装置を説明するブロック図である。本光増幅装置は、光を増幅する利得媒体13と、利得媒体13への入力光の光強度P(t)を検出する検出器15と、検出器15が検出する入力光の光強度P(t)の履歴を保持し、利得媒体13の反転分布状態の変化が収束する際の時定数に応じた所定の時間以上で時間平均して平均強度HP(t)を算出する平均器16と、平均強度HP(t)に対する平衡状態での利得と現在の入力光強度に対する平衡状態での利得との差がその時点での光サージの大きさであることを利用して、平均器16の算出する平均強度HP(t)の光信号が利得媒体13に入力され、平衡状態となった場合の利得媒体13の利得と利得媒体13に設定する所定の利得の値との差に基づいて利得媒体13で生ずる光強度差で利得媒体13からの光を減衰する減衰器14と、を備える。
本光増幅装置の光増幅方法は、光を増幅する利得媒体13への入力光の光強度P(t)を検出し、検出した入力光の光強度P(t)を利得媒体13の反転分布状態の変化が収束する際の時定数に応じた所定の時間以上で時間平均して平均強度HP(t)を算出し、平均強度HP(t)に対する平衡状態での利得と現在の入力光強度に対する平衡状態での利得との差がその時点での光サージの大きさであることを利用して、算出した平均強度HP(t)の光信号が利得媒体13に入力され、平衡状態となった場合の利得媒体13の利得と利得媒体13に設定する所定の利得の値との差に基づいて利得媒体13で生ずる光強度差で利得媒体13からの光を減衰することを特徴とする。
光分岐器11は、入力光を分岐し、一方を遅延器12を介して利得媒体13に結合し、他方を検出器15に結合する。遅延器12は、後述するように平均器16で利得媒体13での出力光強度を推定し減衰器14で減衰するに要する時間だけ入力光を遅延させる。減衰対象となる出力と減衰器14による減衰のタイミングが合致すればよいので、遅延器12は、光分岐器14と利得媒体13の間ではなく、利得媒体13と減衰器14の間に設置してもよく、遅延量を按分してその両方の箇所に設置してもよい。利得媒体13は、入力光を直接増幅することができる。利得媒体13は、例えば、光ファイバ増幅器である。検出器15は、分岐器11で分岐された他方の光を受光し、入力光の光強度P(t)を検出する。
平均器16は、検出器15が検出する入力光の光強度P(t)を利得媒体13の反転分布状態の変化が収束する際の時定数に応じた所定の時間以上で時間平均して平均強度HP(t)を算出する。平均強度HPの算出では実施形態2で示したいずれの平均を用いることも可能であるが、利得媒体13の反転分布状態の変化が収束する際の時定数に応じた減少に近似できる指数関数に応じた指数平均をとることが望ましい。所定の時間をτとする場合、例えば、平均器16は次式のように平均強度HP(t)を算出する。
Figure 2011108864
ここで、ξは任意の時刻である。時定数及び時定数に応じた所定の時間は前述の実施形態で示したさまざまな値をとりうる。
また、Δt毎に入力光強度を検出し、i番目の検出した入力光強度と平均強度をそれぞれP(t)、HP(t)とし、平滑化係数をβとするとき、次式で示すこともできる。
Figure 2011108864
このとき平滑化定数βは、加算するP(t)の入力光強度での時定数に即した値とすることが望ましい。
減衰器14は、利得媒体13から出力される光を減衰する。減衰器14での、光の減衰量は次のように決定される。平均器16の算出する平均強度HP(t)の光が利得媒体13に入力されたとする。利得媒体13の利得は、所定時間が経過すると平衡状態となり、ある平衡値に近づく。そして、この値と利得媒体13の所定の利得の値との差を算出する。前述のように算出した利得の差で発生する利得媒体13からの光の光強度差、すなわち利得が平衡値のときの光強度と利得が所定のときの光強度との差を減衰器14での光を減衰量とする。
上述のように減衰量を決定する方法は、光強度の平均値が同一の入力光毎に一定の利得を得ようとする方法である。一方、光強度の平均値が同一の入力光毎に一定の出力強度を得ようとする方法でもよい。
光強度の平均値が同一の入力光毎に一定の出力強度を得ようとする場合、減衰器14は、光の減衰量を次のように決定する。減衰器14は、平均器16の算出する平均強度HP(t)の光信号が利得媒体13に入力され、平衡状態となった場合の利得媒体13の利得と入力光の光強度P(t)との積を算出し、前記積と利得媒体13に設定する所定の出力光強度との光強度差で利得媒体13からの光を減衰する。
平均器16の算出する平均強度HP(t)の光が利得媒体13に入力されたとする。利得媒体13の利得は、所定時間が経過すると平衡状態となり、ある平衡値となる。そして、この平衡値と入力光の光強度P(t)との積を算出する。さらに、この積と利得媒体13に設定する所定の出力光強度との光強度差を算出する。この光強度差を減衰器14での減衰量とする。
なお、利得又は出力光強度の算出に際して数式を演算するとの例を示したが、予め平均入力光強度に対する利得あるいは出力光強度の対応表を準備し、その表に応じて算出してもよい。
対応表として、例えば、履歴から積算した平均入力光強度の値と現在検出した入力光強度に対して、一意の利得又は出力光強度の値と関連付けした表であってもよいし、波長・温度・励起光強度との組合せに応じて、それに対応した利得又は出力光強度の値と関連付けした表であってもよい。
更に、履歴から積算した平均入力光強度での反転分布状態が、現在検出した入力光強度が十分長く継続した場合に収束する反転分布状態に、変化するまでの間の利得あるいは出力光強度を、両反転分布状態での利得の値と反転分布状態の変化が収束する際の時定数で、算出してもよい。このようにすることで表のサイズを小さくする等の効果がある。例えば、時刻tにおける履歴から積算した平均入力光強度での反転分布状態での利得をGo(t)、時刻tにおいて検出した入力光強度が十分長く継続した場合に収束する反転分布状態での利得をGg(t)とし、算出する時間刻みをΔt、時刻tにおける反転分布状態の変化が収束する際の時定数をτ(t)とすると、時刻t+Δtにおける利得を、Go(t)×EXP(−Δt/τ)+Gg(t)×〔1−EXP(−Δt/τ)〕又は〔Go(t)−Gg(t)〕×EXP(−Δt/τ)+Gg(t)のように算出することで、2値の間を指数関数等の関数で補間してもよい。
本実施形態の光増幅装置及び光増幅方法は、入力光強度の変化の際に、新しい入力光強度での平衡状態に到達するまでの過渡的な利得変動の様子(光サージ)が、入力光強度の時間平均での入力光強度に対する平衡状態での利得と現在の入力光強度に対する平衡状態での利得との差に基づいていることを利用している。このため、本実施形態の光増幅装置及び光増幅方法は、ガードタイムの長さ、零連続の長さ、同一の入力光強度の継続時間とは無関係に、現時点の入力光に対する利得を正確に推定することができる。
なお、本実施例の利得の算出に際して、実施形態2の算出方法にて示したが、実施形態1の算出方法を用いてもよいし、両実施形態で用いた算出方法を組み合わせてもよい。
以上述べたように、本実施形態は、予め所定の利得又は所定の出力光強度等の所定の値を設定しなくてもよい効果がある。従って、所定の値が定まらないような実験装置や、設定値を設定する前の出荷時の装置をそのまま使った場合も、光サージを抑止することができる。
本実施形態の光増幅装置を導入した通信システムは、ガードタイムを長くする必要がない。さらに、本実施形態の光増幅装置は、ガードタイムを検出して状態遷移を行わないので、零連続による誤判定による問題も生じず、また想定される零連続以上のプリアンブルを用意する必要もない。従って、本実施形態の光増幅装置を導入した通信システムは、伝送効率が向上する。
11:光分岐器
12:遅延器
13:利得媒体
14:減衰器
15:検出器
16:平均器

Claims (12)

  1. 光を増幅する利得媒体と、
    前記利得媒体への入力光の光強度を検出する検出器と、
    前記検出器が検出する前記入力光の光強度に関する履歴を保持し、前記履歴、現時点の前記入力光の光強度及び前記利得媒体の特性から現時点の前記入力光に対する前記利得媒体の推定利得を推定する平均器と、
    現時点の前記入力光を前記利得媒体で増幅するとき、前記平均器の前記推定利得が予め設定した所定の利得を超過した分に基づく光強度で前記利得媒体から出力される光を減衰する減衰器と、
    を備える光増幅装置。
  2. 前記減衰器は、前記所定の利得を、予め設定する代替として、現時点の前記入力光に対する前記利得媒体の平衡状態の利得とすることを特徴とする請求項1に記載の光増幅装置。
  3. 光を増幅する利得媒体と、
    前記利得媒体への入力光の光強度を検出する検出器と、
    前記検出器が検出する前記入力光の光強度に関する履歴を保持し、前記履歴、現時点の前記入力光の光強度及び前記利得媒体の特性から現時点の前記入力光に対する前記利得媒体の推定利得を推定する平均器と、
    現時点の前記入力光を前記利得媒体で増幅するとき、前記平均器の前記推定利得に基づく光強度が予め設定した所定の出力光強度の値を超過した分で前記利得媒体から出力される光を減衰する減衰器と、
    を備える光増幅装置。
  4. 前記減衰器は、前記所定の出力光強度の値を、現時点の前記入力光に対する前記利得媒体の平衡状態の出力光強度の値とすることを特徴とする請求項3に記載の光増幅装置。
  5. 前記平均器は、前記入力光の各時点の光強度を前記履歴としており、前記推定利得を、前記履歴を時間平均した時間平均強度を算出し、前記時間平均強度の光信号が前記利得媒体に入力されて平衡状態となった場合の利得とすることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光増幅装置。
  6. 前記平均器は、前記利得媒体の時定数に応じた所定の時間以上の履歴を保持することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光増幅装置。
  7. 光を増幅する利得媒体への入力光の光強度を検出し、
    検出した前記入力光の光強度に関する履歴を保持するとともに、前記履歴、現時点の前記入力光の光強度及び前記利得媒体の特性から現時点の前記入力光に対する前記利得媒体の推定利得を推定し、
    現時点の前記入力光を前記利得媒体で増幅するとき、前記推定利得が予め設定した所定の利得を超過した分に基づく光強度で前記利得媒体からの光を減衰する光増幅方法。
  8. 前記所定の利得を、現時点の前記入力光に対する前記利得媒体の平衡状態の利得とすることを特徴とする請求項7に記載の光増幅方法。
  9. 光を増幅する利得媒体への入力光の光強度を検出し、
    検出した前記入力光の光強度に関する履歴を保持するとともに、前記履歴、現時点の前記入力光の光強度及び前記利得媒体の特性から現時点の前記入力光に対する前記利得媒体の推定利得を推定し、
    現時点の前記入力光を前記利得媒体で増幅するとき、前記推定利得に基づく光強度が予め設定した所定の出力光強度の値を超過した分で前記利得媒体からの光を減衰する光増幅方法。
  10. 前記所定の出力光強度の値を、予め設定する代替として、現時点の前記入力光に対する前記利得媒体の平衡状態の出力光強度の値とすることを特徴とする請求項9に記載の光増幅方法。
  11. 前記入力光の各時点の光強度を前記履歴としており、前記推定利得を、前記履歴を時間平均した時間平均強度を算出し、前記時間平均強度の光信号が前記利得媒体に入力されて平衡状態となった場合の利得とする請求項7から10のいずれかに記載の光増幅方法。
  12. 前記利得媒体の時定数に応じた所定の時間以上の履歴を保持することを特徴とする請求項7から11のいずれかに記載の光増幅方法。
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