JP2011108792A - 有機電界発光素子の製造方法、有機電界発光素子、有機el表示装置及び有機el照明 - Google Patents

有機電界発光素子の製造方法、有機電界発光素子、有機el表示装置及び有機el照明 Download PDF

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Abstract

【課題】湿式成膜法で形成される発光層の有機層を有する有機電界発光素子において、酸素や水分が含まれる大気中で塗布しても発光寿命の低下が少ない素子を提供する。つまりは、安価な製造コストで、駆動寿命の長い有機電界発光素子を提供する。また、安全でかつ安価な製造コストで、生産効率の高い有機電界発光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】陽極および陰極の間に有機層を有する有機電界発光素子において、該有機層は、湿式成膜法で形成された発光層を含み、該発光層は、1分子中に2つ以上のアミノ基を有さない発光材料、電荷輸送材料と有機溶剤とを含む発光層形成用組成物を用いて、酸素濃度18〜22体積%の環境下で、湿式成膜法で塗布膜を形成後、加熱して成膜した層であることを特徴とする、有機電界発光素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、湿式成膜法で形成された発光層を有する有機電界発光素子に関する。
本発明はまた、この有機電界発光素子を用いた有機EL表示装置及び有機EL照明に関する。
近年、有機薄膜を用いた電界発光素子(有機電界発光素子)の開発が行われている。有機薄膜の形成方法としては、真空蒸着法と湿式製膜法が挙げられる。このうち、湿式製膜法は真空プロセスが要らず、大面積化が容易で、1つの層(塗布液)に様々な機能をもった複数の材料を混合して入れることが容易である等の利点がある。
湿式成膜法で形成した有機電界発光素子としては、例えば、非特許文献1および非特許文献2に、発光層材料としてポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)、ポリ(2−メト
キシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン)のような高分
子を使用している有機電界発光素子が開示されている。
しかしながら、高分子化合物では精製の困難さ等から特に長寿命化が困難であった。
この問題を解決する為に特許文献1には、アリールアミノ基を有する低分子化合物と有機溶剤を含む組成物を用いて、有機電界発光素子を作製することが開示されている。
また、特許文献2および特許文献3には、一般的に有機デバイスの特性、特に駆動寿命に影響が大きいとされる酸素や水分から遮断した環境下で組成物を用いて、湿式成膜する技術が公開されている。
しかしながら、酸素や水分を遮断する環境とする為に、グローブボックス等の装置を用いて、窒素置換を行うなどの必要があり、製造コストがかかりすぎたり、また大型基板を使用する場合やロールツーロール等の連続プロセスを用いる場合に特に生産性を向上させることが難しい、などの問題があった。
国際公開第2006/070712号パンフレット 特開2002−170676号公報 特開2003−370126号公報
Nature 第347巻、539頁、1990 Appl.Phys.Lett. 第58巻、1982頁、1991
本発明は、上記課題を鑑みて、安全かつ安価な製造コストで、湿式成膜法で形成された発光層を有する有機電界発光素子において、駆動寿命が長い有機電界発光素子を提供することを課題とする。
本発明はまた、湿式成膜法で形成された発光層を有する有機電界発光素子の製造方法において、駆動寿命が長い有機電界発光素子を、生産効率の高い有機電界発光素子の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、発光層を湿式成膜法で形成する場合、酸素や水分を除去した環境で行う必要があり、この工程が、製造コストがかかることや、並びに生産効率が向上しないことの一因であると考えた。この為に、まず発光層を湿式成膜法で形成する環境を、グローブボックスの様な特殊な装置を使わない環境、つまり大気中で行うことで、上記の問題が解決しうるものと推測した。
しかしながら、上記特許文献2及び3に記載の通り、酸素や水分は素子特性に影響するものである。ここで、本発明者らは、更に鋭意検討した結果、特定の化合物であれば、酸素や水分が存在する環境下で、湿式成膜法で形成しても、素子の駆動寿命に対する影響が少ないことを見出して本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、陽極および陰極の間に有機層を有する有機電界発光素子において、
該有機層は、湿式成膜法で形成された発光層を含み、該発光層は、1分子中に2つ以上のアミノ基を有さない発光材料、電荷輸送材料と有機溶剤とを含む発光層形成用組成物を用いて、酸素濃度18〜22体積%の環境下で、湿式成膜法で塗布膜を形成後、加熱して成膜した層であることを特徴とする、有機電界発光素子、並びに、これを含む有機EL表示装置及び有機EL照明に存する。
また、本発明の別の要旨は、陽極および陰極の間に有機層を有する有機電界発光素子の製造方法において、
該有機層は、少なくとも一層の、湿式成膜法で形成された発光層を含み、該発光層は、1分子中に2つ以上のアミノ基を有さない発光材料、電荷輸送材料と有機溶剤とを含む発光層形成用組成物を用いて、酸素濃度18〜22体積%の環境下で、湿式成膜法で塗布膜を形成後、加熱して成膜することを特徴とする、有機電界発光素子の製造方法に存する。
本発明によれば、湿式成膜法で形成される発光層の有機層を有する有機電界発光素子において、酸素や水分が含まれる大気中で塗布しても発光寿命の低下が少ない素子を提供することができる。つまりは、安価な製造コストで、駆動寿命の長い有機電界発光素子を提供することが可能である。
また、安価な製造コストで、生産効率の高い有機電界発光素子の製造方法を提供することが可能である。
本発明の有機電界発光素子の構造の一例を模式的に示す断面図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定されない。
本発明の有機電界発光素子は、陽極および陰極の間に有機層を有する有機電界発光素子において、
該有機層は、湿式成膜法で形成された発光層を含み、該発光層は、2つ以上のアミノ基を有さない発光材料、電荷輸送材料と有機溶剤とを含む発光層形成用組成物を用いて、酸素濃度18〜22体積%の環境下で、湿式成膜法で塗布膜を形成後、加熱して成膜した層であることを特徴とする、有機電界発光素子である。
尚、以下の説明中、「(ヘテロ)アリール」とは、「アリール」及び「ヘテロアリール
」の両方を示し、また、「芳香族基」とは「芳香族炭化水素基」と「芳香族複素環基」の両方を示すものとする。
[発光層]
発光層は、電界を与えられた電極間において、陽極から注入された正孔と、陰極から注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。
本発明における発光層は、1分子中に2つ以上のアミノ基を有さない発光材料、電荷輸送材料と有機溶剤とを含む発光層形成用組成物を用いて、酸素濃度18〜20体積%の環境下で、湿式成膜法で塗布膜を形成後、加熱することにより形成される。
(発光材料)
本発明における発光材料は、1分子中に2つ以上のアミノ基を有さない化合物であれば、任意の公知の材料を適用可能である。例えば、蛍光発光材料であってもよく、燐光発光材料であってもよい。
蛍光発光材料は、原理上、有機電界発光素子の発光効率が燐光発光材料よりも低くなるが、励起一重項状態のエネルギーギャップが同一発光波長の燐光発光材料よりも小さく、更に励起子寿命がナノ秒オーダーと非常に短いため、発光材料に対する負荷が小さく素子の駆動寿命が長くなりやすい。
一方、燐光発光材料は原理上、有機電界発光素子の発光効率が非常に高いが、励起一重項状態のエネルギーギャップが同一発光波長の蛍光材料よりも大きく、更に励起子寿命がマイクロ秒からミリ秒オーダーと長いため、蛍光発光材料と比較して駆動寿命は短くなりやすい。
したがって、寿命よりも発光効率を重視する用途には、燐光発光材料を使用することが好ましい。また、例えば、青色は蛍光発光材料、緑色および赤色は燐光発光材料を用いるなど、組み合わせて用いてもよい。
上述の通り、本発明では発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料でもよいが、蛍光発光材料で用いる化合物は、1分子中にアミノ基が2つ以上有するものが多いため、本発明は特に蛍光発光材料で有用である。
以下、蛍光発光材料を例に、本発明について説明する。
1分子中に2つ以上のアミノ基を有さない化合物とは、1分子中にアミノ基を1つ有する化合物、または、1分子中にアミノ基を有さない化合物である。
本発明に於ける1分子中にアミノ基を1つ有する化合物として、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2011108792
(式中、Ar23〜Ar25は、置換もしくは無置換の炭素数6〜40の芳香族基である。)
ここで、炭素数が6〜40の芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、クリセニル基、ナフタセニル基、アントラニル基、フェナンスリル基、ピレニル基、コロニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ピローリル基、フラニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、オキサジアゾリル基、ジフェニルアントラニル基、インドリル基、
カルバゾリル基、ピリジル基、ベンゾキノリル基、フルオランテニル基、アセナフトフルオランテニル基、スチルベン基、フルオレニル基等が挙げられる。
上記芳香族基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基(エチル基、メチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、
炭素数1〜6のアルコキシ基(エトキシ基、メトキシ基、i−プロポキシ基、n−プロポキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロペントキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、
核原子数5〜40の芳香族基、
核原子数5〜40の芳香族基で置換されたアミノ基、
核原子数5〜40の芳香族基を有するエステル基、
炭素数1〜6のアルキル基を有するエステル基、
シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
隣接する置換基同士が連結して環を形成してもよい。
また、1分子中にアミノ基を1つ有する発光材料として、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2011108792
(式中、Ar26は、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、スチルベン基、ジスチリル芳香族基から選ばれる基であり、Ar27及びAr28は、それぞれ水素原子又は炭素数が6〜20の芳香族基である。Ar26〜Ar28は置換されていてもよい。
尚、Ar26がフェニル基、ビフェニル基又はターフェニル基の場合は、Ar27又はAr28の少なくとも一方はスチリル基で置換された芳香族基である。)
ここで、炭素数が6〜20の芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナンスリル基、ターフェニル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基である。
Ar26〜Ar28が有するスチリル基以外の置換基の例としては、上記式(1)のAr23〜Ar25において芳香族基が有しうるものと同じものが挙げられる。
本発明におけるアミノ基を全く有さない化合物としては、上記式(1)のAr23、及び上記式(2)のAr26に記載の、置換もしくは無置換の芳香族基を1個ないし複数個
連結して成る化合物が挙げられる。尚、複数個連結する場合、上記芳香族基は、2価の基として連結する。
芳香族基を連結する個数については、通常1以上、好ましくは3以上、また通常10以下、好ましくは8以下である。
また、本発明の発光材料は、青色発光材料として用いる場合は、特に部分構造として核炭素数10〜40の縮合環を含むことが好ましい。
含まれる縮合環の炭素数は、好ましくは10以上、更に好ましくは13以上、また好ましくは30以下、更に好ましくは25以下である。
上記範囲内であると、縮合環の共役長が、青色発光波長が青色となりやすい長さであるため、青純度が高くなりやすく、また得られる化合物の熱に対する安定性が高い点で好ましい。
核炭素数10〜40の縮合環としては、例えば、アントラセン環、フルオランテン環、トリフェニレン環、ピレン環、クリセン環、ペリレン環、ペンタセン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、インデノフルオレン環などのフルオレン環を含む縮合環などが挙げられ、青色発光波長となり易い点で、ペリレン環、ピレン環、フルオレン環を含む縮合環が特に好ましい。
(分子量)
発光材料として用いる化合物の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10000以下、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、更に好ましくは3000以下、また、通常100以上、好ましくは200以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは400以上である。
上記範囲内であると、耐熱性が良好で、ガス発生の原因となりにくく、また膜を形成した際の膜質が良好である点で好ましい。更に、精製が容易なことから純度を高め易い点なども挙げられる。
[発光材料の具体例]
以下に、本発明における、1分子中に2つ以上のアミノ基を有さない発光材料中、特に、蛍光発光材料の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2011108792
Figure 2011108792
(割合など)
なお、上述した発光材料は、いずれか1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
発光層5における発光材料の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.05重量%以上、通常35重量%以下である。発光材料が少なすぎると発光
ムラを生じる可能性があり、多すぎると発光効率が低下する可能性がある。なお、2種以上の発光材料を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
また、発光材料が2種以上含まれる場合、発光に寄与する材料が、1分子中にアミノ基を2つ以上有する化合物でなければよい。発光に寄与しない材料として、アシストドーパントなどが挙げられ、これらの化合物は、1分子中にアミノ基を2つ以上有していてもよいが、下記の(効果を奏する理由)で、アミノ基を1つのみ含む化合物か、アミノ基を含まない化合物であることが好ましい。
(効果を奏する理由)
1分子中にアミノ基を有することで、化合物のイオン化ポテンシャルは相対的に小さくなる。イオン化ポテンシャルの小さい化合物を、有機層、特に発光層に用いた場合、正孔をトラップし易くなる。つまり、化合物はラジカル状態になる。化合物は、ラジカル状態が続くと、化合物自身を分解させるものと推測される。
ここで、1分子中にアミノ基が2つ以上存在する場合で、アミノ基が共役していると、ラジカルが安定に存在する。つまり、化合物として、ラジカル状態が続く。
上記の現象は、酸素分子や水分子によって促進されると推測される。
より具体的には、アミノ基を二つ以上有する化合物に、酸素分子や水分子が近接することで、ラジカル状態が惹起されたり、化合物のラジカル状態を安定化させたりすると推測される。
つまり、1分子中にアミノ基を2つ以上有する発光材料を用いた場合、上記の影響が大きいため、大気下、より具体的には、発光層を酸素濃度が18〜22体積%の環境下で湿式成膜法で形成した層を有する素子の駆動寿命が、酸素濃度が低い環境下で作製した素子よりも大幅に低下するものと推測される。
これに対して、本発明は、アミノ基を含まない発光材料、又はアミノ基を1つ含む発光材料を用いている。
1分子中にアミノ基を含まない発光材料は、上記の影響が少ないため、本発明の効果を奏するものと推測される。
また、1分子中にアミノ基を1つ含む発光材料は、確かに、上記の現象は若干発生するが、上記に関する現象で惹起されることよりも、アミノ基を有することで、電荷輸送能が向上して発光材料上での、正孔と電子との再結合確率が向上することの利点が大きいため、本発明の効果を奏するものと推測される。
[電荷輸送材料]
本発明における発光層形成用組成物は電荷輸送材料を含有する。
有機電界発光素子において、発光材料は、電荷輸送性能を有するホスト材料から電荷又はエネルギーを受け取って発光することが好ましい。従って、本発明における発光層形成用組成物に含まれる電荷輸送材料は、このホスト材料として使用されるような電荷輸送材料であることが好ましい。
<分子量>
本発明において、電荷輸送材料として用いる化合物の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10000以下、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、更に好ましくは3000以下、また、通常100以上、好ましくは200以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは400以である。
上記範囲内であると、耐熱性が良好で、ガス発生の原因となりにくく、また膜を形成した際の膜質が良好である点で好ましい。更に、精製が容易なことから純度を高め易いなども挙げられる。
(構造など)
電荷輸送材料は、電荷輸送の性質の相異から、主として正孔輸送能を有する正孔輸送性化合物、主として電子輸送能を有する電子輸送性化合物、及びその両方の性能を有するバイポーラ性化合物に分類される。
ここで、電荷輸送材料の例としては、芳香族アミン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、チオフェン系化合物、ベンジルフェニル系化合物、フルオレン系化合物、ヒドラゾン系化合物、シラザン系化合物、シラナミン系化合物、ホスファミン系化合物、キナクリドン系化合物、トリフェニレン系化合物、カルバゾール系化合物、ピレン系化合物、アントラセン系化合物、フェナントロリン系化合物、キノリン系化合物、ピリジン系化合物、トリアジン系化合物、オキサジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物等が挙げられる。
より具体的には、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルに代表される、2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族アミン系化合物(特開平5−234681号公報)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン系化合物(Journal of Luminescence, 1997年, Vol.72−74,pp.985)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン系化合物(Chemical Communications, 1996年, pp.2175)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のフルオレン系化合物(Synthetic Metals, 1997年,Vol.91 ,pp.209)、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)、バソフェナントロリン(BPhen)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP、バソクプロイン)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)等が挙げられる。
本発明における電荷輸送材料は、電流効率が高く、また発光材料が蛍光発光材料である場合は、特にアントラセン環を部分構造として有する化合物であることが好ましい。即ち、本発明における電荷輸送材料は、アントラセン誘導体であることが好ましい。
電荷輸送材料としては、アントラセン誘導体の中でも、酸化還元耐久性に優れる為、酸素濃度や水分濃度を低く制御していない環境下で用いても、素子性能に大きく影響しない点から、下記式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 2011108792
(式(3)中、Ar21及びAr22は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
また、式(3)中のアントラセン環は、Ar21及びAr22以外の置換基を有していてもよい。)
Ar21及びAr22は、各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
Ar21及びAr22の芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、ベンゾフェナントレン環等の、ベンゼン環、或いは、ベンゼン環の2〜5個が縮合してなる縮合環由来の基が挙げられる。
Ar21及びAr22の芳香族複素環基の具体例としては、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環等の由来の基が挙げられる。
Ar21及びAr22における芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アルコキシ基、(ヘテロ)アリールオキシ基、アルキルチオ基、(ヘテロ)アリールチオ基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ジアリールアミノ基などの有機基が挙げられるが、これらのうち、アルキル基及び芳香族炭化水素基が、化合物の安定性の面から好ましく、芳香族炭化水素基が特に好ましい。
Ar21及びAr22における芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基、デシル基、オクタデシル基等が挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基である。これらのうち、メチル基、エチル基が原料の入手しやすさ、安価さなどから好ましく、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基は非極性溶剤に高い溶解性を持つために好ましい。
芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜25のものが好ましく、6員環の単環、又は2〜5縮合環由来の芳香族炭化水素基が好ましい。例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等の由来の基が挙げられる。
芳香族複素環基としては、炭素数3〜20のものが好ましく、例えば、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環等の由来の基が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、例えば、メトキシ基、エト
キシ基、イソプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクタデシルオキシ基等が挙げられる。
(ヘテロ)アリールオキシ基としては、炭素数3〜20のものが好ましく、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、9−アントラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基、シクロヘキシルチオ基等が挙げられる。
(ヘテロ)アリールチオ基としては、炭素数3〜20のものが好ましく、例えば、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、9−アントラニルチオ基、2−チエニルチオ基等が挙げられる。
ジアルキルアミノ基としては、炭素数2〜29のものが好ましく、例えば、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、メチルエチルアミノ基等が挙げられる。
アルキルアリールアミノ基としては、炭素数7〜30のものが好ましく、例えば、メチルフェニルアミノ基等が挙げられる。
ジアリールアミノ基としては、炭素数12〜30のものが好ましく、例えば、ジフェニルアミノ基、フェニルナフチルアミノ基等が挙げられる。
また、これらの置換基は更に置換基を有していてもよく、その置換基としては、例えば上記のアルキル基、芳香族基、アルコキシ基、ジアリールアミノ基などが挙げられる。
また、電荷輸送材料としては、上記式(3)で表される化合物以外に、クリセン誘導体や、ピレン誘導体、アリールアミン誘導体などが好ましい化合物として挙げられる。尚、電荷輸送材料として用いる化合物も、2つ以上のアミノ基を有さないことが好ましい。
[電荷輸送材料の具体例]
以下に、本発明における電荷輸送材料の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2011108792
Figure 2011108792
Figure 2011108792
Figure 2011108792
[溶剤]
本発明における発光層形成用組成物は溶剤を含有する。
ここで、本発明における溶剤とは、20℃、1気圧の雰囲気において液体であり、上記発光材料を溶解することが可能な化合物である。
溶剤としては、一般的に市販されている極性または無極性の溶剤であれば特に制限は無いが、中でもベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の置換又は無置換の芳香族炭化水素系溶剤、アニソール、安息香酸エステル、ジフェニルエーテル等の芳香族エーテル系溶剤、芳香族エステル系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の鎖状または環状アルカン系溶剤、酢酸エチル等のカルボン酸エステル系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン等の含カルボニル系溶剤、水、アルコール、環状エーテルなどが好ましく、芳香族炭化水素系溶剤がより好ましく、中でも、ベンゼン、トルエン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼンが好ましい。
本発明における発光層形成用組成物中に、溶剤は1種類が含有されていてもよいし、2種類あるいはそれ以上の溶剤の組合せで含まれていてもよいが、通常1種類以上、好ましくは2種類以上、通常10種類以下、好ましくは8種類以下、より好ましくは6種類以下の組み合わせで含有されることが好ましい。
また、2種以上の溶剤を混合して使用する場合、その混合比についても、何ら限定されることはないが、最も混合比が多い溶剤が全溶剤中に通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、また、通常100重量%以下、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下であり、最も混合比が少ない溶媒が全溶剤中に通常0.0001重量%以上、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0
.01重量%以上、また、通常50重量%以下となるような混合比であることが好ましい。
[その他の成分]
本発明における発光層形成用組成物は、その他、レベリング剤、消泡剤、増粘剤等の塗布性改良剤、電子受容性化合物や電子供与性化合物などの電荷輸送補助剤、バインダー樹脂などを含有していてもよい。これらのその他の成分の発光層形成用組成物中の含有量は、薄膜の電荷移動を著しく阻害しないこと、発光材料の発光を阻害しないこと、薄膜の膜質を低下させないことなどの観点から、通常50重量%以下である。
[溶剤濃度・固形分濃度]
本発明における発光層形成用組成物を、後述の本発明の有機電界発光素子の発光層を形成するための発光層形成用組成物として用いる場合、発光層形成用組成物中の溶剤の含有量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常50重量%以上、通常99.9999重量%以下、である。なお、溶剤として2種以上の溶剤を混合して用いる場合には、これらの溶剤の合計がこの範囲を満たすようにする。
また、発光材料、電荷輸送材料等の全固形分濃度としては、通常0.01重量%以上、通常70重量%以下である。この濃度が大きすぎると膜厚ムラが生じる可能性があり、また、小さすぎると膜に欠陥が生じる可能性がある。
[成膜方法]
本発明に係る湿式成膜法により有機薄膜を形成する場合は、上記発光材料、電荷輸送材料及び溶剤を含有する発光層形成用組成物を調製し、それを用いて成膜する。
有機薄膜を形成するための発光層形成用組成物に対する溶剤の比率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常30重量%以上、通常99.99重量%以下、である。なお、溶剤として2種以上の溶剤を混合して用いる場合には、これらの溶剤の合計がこの範囲を満たすようにする。
また、発光層形成用組成物中の電荷輸送材料、発光材料等の固形分濃度としては、通常0.01重量%以上、通常70重量%以下である。この濃度が大きすぎると膜厚ムラが生じる可能性があり、また、小さすぎると膜に欠陥が生じる可能性がある。
発光層形成用組成物を湿式成膜後、得られた塗膜を乾燥し、溶剤を除去することにより、有機薄膜が形成される。
本発明における湿式成膜法としては、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、ノズルプリンティング法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷等の、溶剤を含有する組成物を用いて成膜する方法をいう。
パターニングのし易さという点で、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法、インクジェット法、またはフレキソ印刷法が好ましい。
(酸素濃度)
本発明において、発光層を湿式成膜する場合の環境の、酸素の体積濃度は、通常18体積%以上、より好ましくは19体積%以上、また、通常22体積%以下、より好ましくは21体積%以下、である。
上記範囲内であると、他の有機層内部に過剰の酸素が取り込まれ難いため好ましい。
(塗布温度)
塗布工程における成膜温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、
10℃以上が好ましく、13℃以上がより好ましく、16℃以上がさらに好ましく、また、50℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましく、30℃以下がさらに好ましい。塗布用組成物中に結晶が生じることを抑制するためである。
(塗布湿度)
塗布工程における相対湿度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.01ppm以上、好ましくは0.05ppm以上、より好ましくは0.1ppm以上、また、通常80%以下、好ましくは60%以下、より好ましくは15%以下、更に好ましくは1%以下、特に好ましくは100ppm以下である。
上記範囲内であると、湿式成膜法における成膜条件の制御が容易であり、また有機層への水分吸着がし難い点で好ましい。
(パーティクル数)
塗布環境下における微粒子の数(すなわち、パーティクル数)は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、ダークスポット低減の観点から、粒径0.5μm以上のパーティクルが、1mあたり通常10000個以下、好ましくは5000個以下である。特に好ましくは、粒径0.3μm以上のパーティクルが、1mあたり5000個以下である。下限値に制限はないが、工業的実用性の観点から、通常、粒径0.3μm以上のパーティクルが、1mあたり100個は存在することが考え得る。
上記範囲内であると、有機電界発光素子のダークスポットが生じ難くなり、また上記環境に制御するのが容易である点で好ましい。
なお、微粒子のパーティクル数は、光散乱方式により検出され、例えば、ハンドヘルドパーティクルカウンターKR−12A(リオン社製)で検出できる。
(圧力)
塗布工程における圧力は、通常110000Pa以下、好ましくは105000Pa以下、また通常90000Pa以上、好ましくは950000Pa以上である。
上記範囲内であると、一般的な大気圧の範囲内のため、大面積を容易に塗布できる点で好ましい。
[加熱工程]
上記、塗布後、通常加熱等により発光層形成用組成物の膜を乾燥させる(以下、「加熱工程」と称する場合がある)。
加熱工程の環境は、通常不活性ガスを用いる。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガスなどの希ガス類、フロンガスなどの不燃性ガス類等が挙げられ、好ましくは窒素ガスである。
これらの不活性ガスは1種、または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。
加熱手段の例を挙げると、クリーンオーブン、ホットプレート、赤外線、ハロゲンヒーター、マイクロ波照射などが挙げられる。中でも、膜全体に均等に熱を与えるためには、クリーンオーブン及びホットプレートが好ましい。
加熱工程における加熱温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り、発光層形成用組成物に用いた電荷輸送材料または蛍光発光材料のガラス転移温度以下の温度で加熱することが好ましい。また、発光層形成用組成物に用いた電荷輸送材料または発光材料が2種類以上含まれている場合、少なくとも1種類がその電荷輸送材料または発光材料のガラス転移温度以下の温度で加熱されるのが好ましい。
加熱工程において、加熱時間は限定されないが、好ましくは10秒以上、通常180分
以下である。
上記範囲内であると、発光効率が良好で、また均一な発光層が得られる点で好ましい。
有機薄膜の膜厚は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、有機薄膜が発光層である場合には、通常3nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。有機薄膜の膜厚が、薄すぎると膜に欠陥が生じる可能性があり、厚すぎると発光層とし駆動電圧が上昇する可能性がある。
<青色発光であることの要件>
本発明の有機電界発光素子は、青色発光であることが好ましい。
青色発光とは、より具体的には、有機電界発光素子を発光させた場合、得られる発光の極大波長が通常420〜500nm、色純度や視感度の点で、好ましくは450〜490nmであること意味する。
上記発光色の測定に用いる有機電界発光素子は、発光層を湿式成膜したものであれば特に限りは無く、公知の素子構成から任意に選択される。有機層に含まれる各層の膜厚は、適宜変更可能であるが、有機層全体の膜厚は100〜200nmで測定することが好ましい。
測定対象である有機電界発光素子に5V程度の電圧を引加し、得られる発光を、例えばMCPD2000(大塚電子社製)等の分光計で分光することにより、発光スペクトルを測定する。このスペクトルにおける極大発光波長が上記範囲に該当するものであればよい。
尚、測定機器については、上記のものに限定されず、同様の測定が可能なものであればよい。
<有機電界発光素子の構成>
以下に、本発明の有機電界発光素子の層構成及びその一般的形成方法等について、図1を参照して説明する。
図1は本発明にかかる有機電界発光素子の構造例を示す断面の模式図であり、図1において、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は正孔阻止層、7は電子輸送層、8は電子注入層、9は陰極を各々表す。
(基板)
基板は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
(陽極)
陽極は発光層側の層への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。
陽極の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法等により行われることが多い。また、銀等の金属微粒子、ヨウ化銅等の微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末等を用いて陽極を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液
に分散させて、基板上に塗布することにより陽極を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板上に薄膜を形成したり、基板上に導電性高分子を塗布して陽極を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
陽極は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすることも可能である。
陽極の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが好ましい。この場合、陽極の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極の厚みは任意であり、陽極は基板と同一でもよい。また、さらには、上記の陽極の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
陽極に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させることを目的に、陽極表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ処理したりすることは好ましい。
(正孔注入層)
正孔注入層は、陽極から発光層へ正孔を輸送する層であり、通常、陽極上に形成される。
本発明に係る正孔注入層の形成方法は真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよく、特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から正孔注入層を湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔注入層の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。
<湿式成膜法による正孔注入層の形成>
湿式成膜により正孔注入層を形成する場合、通常は、正孔注入層を構成する材料を適切な溶剤(正孔注入層用溶剤)と混合して成膜用の組成物(正孔注入層形成用組成物)を調製し、この正孔注入層形成用組成物を適切な手法により、正孔注入層の下層に該当する層(通常は、陽極)上に塗布して成膜し、乾燥することにより正孔注入層を形成する。
(正孔輸送性化合物)
正孔注入層形成用組成物は通常、正孔注入層の構成材料として正孔輸送性化合物及び溶剤を含有する。
正孔輸送性化合物は、通常、有機電界発光素子の正孔注入層に使用される、正孔輸送性を有する化合物であれば、重合体などの高分子化合物であっても、単量体などの低分子化合物であってもよいが、高分子化合物であることが好ましい。
正孔輸送性化合物としては、陽極から正孔注入層への電荷注入障壁の観点から4.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物が好ましい。正孔輸送性化合物の例としては、芳香族アミン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ベンジルフェニル誘導体、フルオレン基で3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体、シラナミン誘導体、ホスファミン誘導体、キナクリドン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリキノリン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、カーボン等が挙げられる。
尚、本発明において誘導体とは、例えば、芳香族アミン誘導体を例にするならば、芳香族アミンそのもの及び芳香族アミンを主骨格とする化合物を含むものであり、重合体であ
っても、単量体であってもよい。
正孔注入層の材料として用いられる正孔輸送性化合物は、このような化合物のうち何れか1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。2種以上の正孔輸送性化合物を含有する場合、その組み合わせは任意であるが、芳香族三級アミン高分子化合物1種又は2種以上と、その他の正孔輸送性化合物1種又は2種以上とを併用することが好ましい。
上記例示した中でも非晶質性、可視光の透過率の点から、芳香族アミン化合物が好ましく、特に芳香族三級アミン化合物が好ましい。ここで、芳香族三級アミン化合物とは、芳香族三級アミン構造を有する化合物であって、芳香族三級アミン由来の基を有する化合物も含む。
芳香族三級アミン化合物の種類は特に制限されないが、表面平滑化効果による均一な発光の点から、重量平均分子量が1000以上、1000000以下の高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合型化合物)がさらに好ましい。芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例として、下記式(I)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
Figure 2011108792
(式(I)中、Ar及びArは、各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Ar〜Arは、各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Zは、下記の連結基群の中から選ばれる連結基を表す。また、Ar〜Arのうち、同一のN原子に結合する二つの基は互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 2011108792
(上記各式中、Ar〜Ar16は、各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。R及びRは、各々独立して、水素原子又は任意の置換基を表す。))
Ar〜Ar16の芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基としては、高分子化合物の溶解性、耐熱性、正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピリジン環由来の基が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環由来の基がさらに好ましい。
Ar〜Ar16の芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基は、さらに置換基を有していてもよい。置換基の分子量としては、通常400以下、中でも250以下程度が好ましい。置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基などが好ましい。
及びRが任意の置換基である場合、該置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基などが挙げられる。
式(I)で表される繰り返し単位を有する芳香族三級アミン高分子化合物の具体例としては、国際公開第2005/089024号パンフレットに記載のものが挙げられる。
また、正孔輸送性化合物としては、ポリチオフェンの誘導体である3,4-ethylenedioxythiophene(3,4-エチレンジオキシチオフェン)を高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなる導電性ポリマー(PEDOT/PSS)もまた好ましい。また、このポリマーの末端を
メタクリレート等でキャップしたものであってもよい。
尚、正孔輸送性化合物は、下記[正孔輸送層]の項に記載の架橋性重合体であってもよい。該架橋性重合体を用いた場合の成膜方法についても同様である。
正孔注入層形成用組成物中の、正孔輸送性化合物の濃度は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、膜厚の均一性の点で通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上、また、通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下である。この濃度が大きすぎると膜厚ムラが生じる可能性があり、また、小さすぎると成膜された正孔注入層に欠陥が生じる可能性がある。
(電子受容性化合物)
正孔注入層形成用組成物は正孔注入層の構成材料として、電子受容性化合物を含有していることが好ましい。
電子受容性化合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。
このような電子受容性化合物としては、例えば、トリアリールホウ素化合物、ハロゲン化金属、ルイス酸、有機酸、オニウム塩、アリールアミンとハロゲン化金属との塩、アリールアミンとルイス酸との塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物等が挙げられる。さらに具体的には、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンダフルオロフェニル)ボラート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート等の有機基の置換したオニウム塩(国際公開2005/089024号パンフレット);塩化鉄(III)(特開平11−251067号公報)、ペルオキソ二硫酸アン
モニウム等の高原子価の無機化合物;テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンダフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物;フラーレン誘導体;ヨウ素;ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、ショウノウスルホン酸イオン等のスルホン酸イオン等が挙げられる。
これらの電子受容性化合物は、正孔輸送性化合物を酸化することにより正孔注入層の導電率を向上させることができる。
正孔注入層或いは正孔注入層形成用組成物中の電子受容性化合物の正孔輸送性化合物に対する含有量は、通常0.1モル%以上、好ましくは1モル%以上である。但し、通常100モル%以下、好ましくは40モル%以下である。
(その他の構成材料)
正孔注入層の材料としては、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述の正孔輸送性化合物や電子受容性化合物に加えて、さらに、その他の成分を含有させてもよい。その他の成分の例としては、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(溶剤)
湿式成膜法に用いる正孔注入層形成用組成物の溶剤のうち少なくとも1種は、上述の正孔注入層の構成材料を溶解しうる化合物であることが好ましい。また、この溶剤の沸点は通常110℃以上、好ましくは140℃以上、中でも200℃以上、通常400℃以下、中でも300℃以下であることが好ましい。溶剤の沸点が低すぎると、乾燥速度が速すぎ、膜質が悪化する可能性がある。また、溶剤の沸点が高すぎると乾燥工程の温度を高くする必要があし、他の層や基板に悪影響を与える可能性がある。
溶剤として例えば、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、アミド系溶剤などが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル、等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル、等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、3−イロプロピルビフェニル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、メチルナフタレン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、等が挙げられる。
その他、ジメチルスルホキシド、等も用いることができる。
これらの溶剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
(成膜方法)
正孔注入層形成用組成物を調製後、この組成物を湿式成膜により、正孔注入層の下層に該当する層(通常は、陽極)上に塗布成膜し、乾燥することにより正孔注入層を形成する。
塗布工程における温度は、組成物中に結晶が生じることによる膜の欠損を防ぐため、10℃以上が好ましく、50℃以下が好ましくい。
塗布工程における相対湿度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.01ppm以上、通常80%以下である。
塗布後、通常加熱等により正孔注入層形成用組成物の膜を乾燥させる。加熱工程において使用する加熱手段の例を挙げると、クリーンオーブン、ホットプレート、赤外線、ハロゲンヒーター、マイクロ波照射などが挙げられる。中でも、膜全体に均等に熱を与えるためには、クリーンオーブン及びホットプレートが好ましい。
加熱工程における加熱温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り、正孔注入層形成用組成物に用いた溶剤の沸点以上の温度で加熱することが好ましい。また、正孔注入層に用いた溶剤が2種類以上含まれている混合溶剤の場合、少なくとも1種類がその溶剤の沸点以上の温度で加熱されるのが好ましい。溶剤の沸点上昇を考慮すると、加熱工程においては、好ましくは120℃以上、好ましくは410℃以下で加熱することが好ましい。
加熱工程において、加熱温度が正孔注入層形成用組成物の溶剤の沸点以上であり、かつ塗布膜の十分な不溶化が起こらなければ、加熱時間は限定されないが、好ましくは10秒以上、通常180分以下である。加熱時間が長すぎると他の層の成分が拡散する傾向があり、短すぎると正孔注入層が不均質になる傾向がある。加熱は2回に分けて行ってもよい。
<真空蒸着法による正孔注入層の形成>
真空蒸着により正孔注入層を形成する場合には、正孔注入層の構成材料(前述の正孔輸送性化合物、電子受容性化合物等)の1種又は2種以上を真空容器内に設置されたるつぼに入れ(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼに入れ)、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度まで排気した後、るつぼを加熱して(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼを加熱して)、蒸発量を制御して蒸発させ(2種以上の材料を用いる場合は各々独立に蒸発量を制御して蒸発させ)、るつぼと向き合って置かれた基板の陽極上に正孔注入層を形成させる。なお、2種以上の材料を用いる場合は、それらの混合物をるつぼに入れ、加熱、蒸発させて正孔注入層を形成することもできる。
蒸着時の真空度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.1×10−6Torr(0.13×10−4Pa)以上、通常9.0×10−6Torr(
12.0×10−4Pa)以下である。 蒸着速度は、本発明の効果を著しく損なわない
限り限定されないが、通常0.1Å/秒以上、通常5.0Å/秒以下である。蒸着時の成膜温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは10℃以上で、好ましくは50℃以下で行われる。
[正孔輸送層]
本発明に係る正孔輸送層の形成方法は真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよく、特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から正孔輸送層を湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔輸送層は、正孔注入層がある場合には正孔注入層の上に、正孔注入層が無い場合には陽極の上に形成することができる。 また、本発明の有機電界発光素子は、正孔輸送層
を省いた構成であってもよい。
正孔輸送層を形成する材料としては、正孔輸送性が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが好ましい。そのために、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、正孔移動度が大きく、安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが好ましい。また、多くの場合、発光層に接するため、発光層からの発光を消光したり、発光層との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させたりしないことが好ましい。
このような正孔輸送層の材料としては、従来、正孔輸送層の構成材料として用いられている材料であればよく、例えば、前述の正孔注入層に使用される正孔輸送性化合物として例示したものが挙げられる。また、アリールアミン誘導体、フルオレン誘導体、スピロ誘導体、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、シロール誘導体、オリゴチオフェン誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが挙げられる。
また、例えば、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリアリールアミン誘導体、ポリビニルトリフェニルアミン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリアリーレン誘導体、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン誘導体、ポリアリーレンビニレン誘導体、ポリシロキサン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)誘導体等が挙げられる。これらは、交互共重合体、ランダム重合体、ブロック重合体又はグラフト共重合体のいずれであってもよい。また、主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある高分子や、所謂デンドリマーであってもよい。
中でも、ポリアリールアミン誘導体やポリアリーレン誘導体が好ましい。
ポリアリールアミン誘導体としては、下記式(II)で表される繰り返し単位を含む重合体であることが好ましい。特に、下記式(II)で表される繰り返し単位からなる重合体であることが好ましく、この場合、繰り返し単位それぞれにおいて、Ar又はArが異なっているものであってもよい。
Figure 2011108792
(式(II)中、Ar及びArは、各々独立して、置換基を有していてもよい、芳香
族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。)
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの、6員環の単環又は2〜5縮合環由来の基及びこれらの環が2環以上直接結合で連結してなる基が挙げられる。
置換基を有していてもよい芳香族複素環基としては、例えばフラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環由来の基及びこれらの環が2環以上直接結合で連結してなる基が挙げられる。
有機溶剤に対する溶解性及び耐熱性の点から、Ar及びArは、各々独立に、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、ピレン環、チオフェン環、ピリジン環、フルオレン環からなる群より選ばれる環由来の基やベンゼン環が2環以上連結してなる基(例えば、ビフェニル基(ビフェニル基)やターフェニレン基(ターフェニレン基))が好ましい。
中でも、ベンゼン環由来の基(フェニル基)、ベンゼン環が2環連結してなる基(ビフェニル基)及びフルオレン環由来の基(フルオレニル基)が好ましい。
Ar及びArにおける芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アシル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シリル基、シロキシ基、シアノ基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基などが挙げられる。
ポリアリーレン誘導体としては、前記式(II)におけるArやArとして例示した置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基などのアリーレン基をその繰り返し単位に有する重合体が挙げられる。
ポリアリーレン誘導体としては、下記式(III−1)及び/又は下記式(III−2)からなる繰り返し単位を有する重合体が好ましい。
Figure 2011108792
(式(III−1)中、Ra、Rb、R及びRは、各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニルアルキル基、フェニルアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、アルキルフェニル基、アルコキシフェニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基
、又はカルボキシ基を表す。t及びsは、各々独立に、0〜3の整数を表す。t又はsが2以上の場合、一分子中に含まれる複数のRa又はRbは同一であっても異なっていてもよく、隣接するRa又はRb同士で環を形成していてもよい。)
Figure 2011108792
(式(III−2)中、R及びRは、各々独立に、上記式(III−1)におけるRa、Rb、R又はRと同義である。r及びuは、各々独立に、0〜3の整数を表す。r又はuが2以上の場合、一分子中に含まれる複数のR及びRは同一であっても異なっていてもよく、隣接するR又はR同士で環を形成していてもよい。Xは、5員環又は6員環を構成する原子又は原子群を表す。)
Xの具体例としては、―O―、―BR―、―NR―、―SiR―、―PR―、―SR―、―CR―又はこれらが結合してなる基である。尚、Rは、水素原子又は任意の有機基を表す。本発明における有機基とは、少なくとも一つの炭素原子を含む基である。
また、ポリアリーレン誘導体としては、前記式(III−1)及び/又は前記式(III−2)からなる繰り返し単位に加えて、さらに下記式(III−3)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2011108792
(式(III−3)中、Ar〜Arは、各々独立に、置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。v及びwは、各々独立に0又は1を表す。)
Ar〜Arの具体例としては、前記式(II)における、Ar及びArと同様である。
上記式(III−1)〜(III−3)の具体例及びポリアリーレン誘導体の具体例等は、特開2008-98619号公報に記載のものなどが挙げられる。
湿式成膜法で正孔輸送層を形成する場合は、上記正孔注入層の形成と同様にして、正孔輸送層形成用組成物を調製した後、湿式成膜後、加熱乾燥させる。
正孔輸送層形成用組成物には、上述の正孔輸送性化合物の他、溶剤を含有する。用いる溶剤は上記正孔注入層形成用組成物に用いたものと同様である。また、成膜条件、加熱乾燥条件等も正孔注入層の形成の場合と同様である。
真空蒸着法により正孔輸送層を形成する場合もまた、その成膜条件等は上記正孔注入層の形成の場合と同様である。
正孔輸送層は、上記正孔輸送性化合物の他、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などを含有していてもよい。
正孔輸送層はまた、架橋性化合物を架橋して形成される層であってもよい。架橋性化合物は、架橋性基を有する化合物であって、架橋することにより網目状高分子化合物を形成する。
この架橋性基の例を挙げると、オキセタン、エポキシなどの環状エーテル由来の基;ビニル基、トリフルオロビニル基、スチリル基、アクリル基、メタクリロイル、シンナモイル等の不飽和二重結合由来の基;ベンゾシクロブテン由来の基などが挙げられる。
架橋性化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。 架橋性
化合物は1種のみを有していてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で有していてもよい。
架橋性化合物としては、架橋性基を有する正孔輸送性化合物を用いることが好ましい。正孔輸送性化合物としては、上記の例示したものが挙げられ、これら正孔輸送性化合物に対して、架橋性基が主鎖又は側鎖に結合しているものが挙げられる。特に架橋性基は、アルキレン基等の連結基を介して、主鎖に結合していることが好ましい。また、特に正孔輸送性化合物としては、架橋性基を有する繰り返し単位を含む重合体であることが好ましく、上記式(II)や式(III−1)〜(III−3)に架橋性基が直接又は連結基を介して結合した繰り返し単位を有する重合体であることが好ましい。
架橋性化合物としては、架橋性基を有する正孔輸送性化合物を用いることが好ましい。正孔輸送性化合物の例を挙げると、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、カルバゾール誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体等の含窒素芳香族化合物誘導体;トリフェニルアミン誘導体;シロール誘導体;オリゴチオフェン誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが挙げられる。その中でも、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、カルバゾール誘導体等の含窒素芳香族誘導体;トリフェニルアミン誘導体、シロール誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが好ましく、特に、トリフェニルアミン誘導体がより好ましい。
架橋性化合物を架橋して正孔輸送層を形成するには、通常、架橋性化合物を溶剤に溶解又は分散した正孔輸送層形成用組成物を調製して、湿式成膜により成膜して架橋させる。
正孔輸送層形成用組成物には、架橋性化合物の他、架橋反応を促進する添加物を含んでいてもよい。架橋反応を促進する添加物の例を挙げると、アルキルフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシムエステル化合物、アゾ化合物、オニウム塩等の重合開始剤及び重合促進剤;縮合多環炭化水素、ポルフィリン化合物、ジアリールケトン化合物等の光増感剤;などが挙げられる。
また、さらに、レベリング剤、消泡剤等の塗布性改良剤;電子受容性化合物;バインダー樹脂;などを含有していてもよい。
正孔輸送層形成用組成物は、架橋性化合物を通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下含有する。
このような濃度で架橋性化合物を含む正孔輸送層形成用組成物を下層(通常は正孔注入層)上に成膜後、加熱及び/又は光などの活性エネルギー照射により、架橋性化合物を架橋させて網目状高分子化合物を形成する。
成膜時の温度、湿度などの条件は、前記正孔注入層の湿式成膜時と同様である。
成膜後の加熱の手法は特に限定されない。加熱温度条件としては、通常120℃以上、
好ましくは400℃以下である。
加熱時間としては、通常1分以上、好ましくは24時間以下である。加熱手段としては特に限定されないが、成膜された層を有する積層体をホットプレート上に載せたり、オーブン内で加熱するなどの手段が用いられる。例えば、ホットプレート上で120℃以上、1分間以上加熱する等の条件を用いることができる。
光などの活性エネルギー照射による場合には、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、赤外ランプ等の紫外・可視・赤外光源を直接用いて照射する方法、あるいは前述の光源を内蔵するマスクアライナ、コンベア型光照射装置を用いて照射する方法などが挙げられる。光以外の活性エネルギー照射では、例えばマグネトロンにより発生させたマイクロ波を照射する装置、いわゆる電子レンジを用いて照射する方法が挙げられる。照射時間としては、膜の溶解性を低下させるために必要な条件を設定することが好ましいが、通常、0.1秒以上、好ましくは10時間以下照射される。
加熱及び光などの活性エネルギー照射は、それぞれ単独、あるいは組み合わせて行ってもよい。組み合わせる場合、実施する順序は特に限定されない。
このようにして形成される正孔輸送層の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。
[発光層]
正孔注入層の上、又は正孔輸送層を設けた場合には正孔輸送層の上には発光層が設けられる。
本発明における発光層は、前記[発光層]の項で記載の材料及び方法を用いて形成する。
発光層の膜厚は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常3nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。発光層の膜厚が、薄すぎると膜に欠陥が生じる可能性があり、厚すぎると駆動電圧が上昇する可能性がある。
[正孔阻止層]
発光層と後述の電子注入層との間に、正孔阻止層を設けてもよい。正孔阻止層は、発光層の上に、発光層の陰極側の界面に接するように積層される層である。
この正孔阻止層は、陽極から移動してくる正孔を陰極に到達するのを阻止する役割と、陰極から注入された電子を効率よく発光層の方向に輸送する役割とを有する。
正孔阻止層を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。このような条件を満たす正孔阻止層の材料としては、例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)などが挙げられる。更に、国際公開第2005−022962号公報に記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も、正孔阻止層の材料として好ましい。
なお、正孔阻止層の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及
び比率で併用してもよい。
正孔阻止層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成できる。
正孔阻止層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。
[電子輸送層]
発光層と後述の電子注入層の間に、電子輸送層を設けてもよい。
電子輸送層は、素子の発光効率を更に向上させることを目的として設けられるもので、電界を与えられた電極間において陰極から注入された電子を効率よく発光層の方向に輸送することができる化合物より形成される。
電子輸送層に用いられる電子輸送性化合物としては、通常、陰極又は電子注入層からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物を用いる。このような条件を満たす化合物としては、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−ヒドロキシフラボン金属錯体、5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5645948号明細書)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
なお、電子輸送層の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
電子輸送層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
電子輸送層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
[電子注入層]
電子注入層は、陰極から注入された電子を効率良く発光層へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行なうには、電子注入層を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属等が用いられ、その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
更に、バソフェナントロリン等の含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体に代表される有機電子輸送化合物に、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、ルビジウム等のアルカリ金属をドープする(特開平10−270171号公報、特開2002−100478号公報、特開2002−100482号公報などに記載)ことにより、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質を両立させることが可能となるため好ましい。この場合の膜厚は、通常、5nm以上、中でも10nm以上が好ましく、また、通常200nm以下、中でも100nm以下が好ましい。
なお、電子注入層の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
電子注入層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
[陰極]
陰極は、発光層側の層(電子注入層又は発光層など)に電子を注入する役割を果たすものである。
陰極の材料としては、前記の陽極に使用される材料を用いることが可能であるが、効率良く電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又はそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
なお、陰極の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
陰極の膜厚は、通常、陽極と同様である。
さらに、低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層すると、素子の安定性が増すので好ましい。この目的のために、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。なお、これらの材料は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[その他の層]
本発明に係る有機電界発光素子は、その趣旨を逸脱しない範囲において、別の構成を有していてもよい。例えば、その性能を損なわない限り、陽極と陰極との間に、上記説明にある層の他に任意の層を有していてもよく、また、任意の層が省略されていてもよい。
[電子阻止層]
有していてもよい層としては、例えば、電子阻止層が挙げられる。
電子阻止層は、正孔注入層又は正孔輸送層と発光層との間に設けられ、発光層から移動してくる電子が正孔注入層に到達するのを阻止することで、発光層内で正孔と電子との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層内に閉じこめる役割と、正孔注入層から注入された正孔を効率よく発光層の方向に輸送する役割とがある。特に、発光材料として燐光材料を用いたり、青色発光材料を用いたりする場合は電子阻止層を設けることが効果的である。
電子阻止層に求められる特性としては、正孔輸送性が高く、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いこと等が挙げられる。更に、本発明においては、発光層を本発明に係る有機層として湿式成膜法で作製する場合には、電子阻止層にも湿式成膜の適合性が求められる。このような電子阻止層に用いられる材料としては、F8−TFBに代表されるジオクチルフルオレンとトリフェニルアミンの共重合体(国際公開第2004/084260号パンフレット)等が挙げられる。
なお、電子阻止層の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
電子阻止層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
さらに陰極と発光層又は電子輸送層との界面に、例えばフッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化リチウム(Li2O)、炭酸セシウム(II)(CsCO3)等で形成された極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を
向上させる有効な方法である(Applied Physics Letters, 1
997年, Vol.70, pp.152;特開平10−74586号公報;IEEE
Transactions on Electron Devices, 1 997
年,Vol.44, pp.1245;SID 04 Digest, pp.154等参照)。
また、以上説明した層構成において、基板以外の構成要素を逆の順に積層することも可能である。例えば、図1の層構成であれば、基板上に他の構成要素を陰極、電子注入層、電子輸送層、正孔阻止層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に設けてもよい。
更には、少なくとも一方が透明性を有する2枚の基板の間に、基板以外の構成要素を積層することにより、本発明に係る有機電界発光素子を構成することも可能である。
また、基板以外の構成要素(発光ユニット)を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その場合には、各段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がAlの場合は、それら2層)の代わりに、例えば五酸化バナジウム(V25)等からなる電荷発生層(Carrier Generation Layer:CGL)を設けると、段間の障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からより好ましい。
更には、本発明に係る有機電界発光素子は、単一の有機電界発光素子として構成してもよく、複数の有機電界発光素子がアレイ状に配置された構成に適用してもよく、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構成に適用してもよい。
また、上述した各層には、本発明の効果を著しく損なわない限り、材料として説明した以外の成分が含まれていてもよい。
<有機EL表示装置>
本発明の有機EL表示装置は、上述の本発明の有機電界発光素子を用いたものである。本発明の有機EL表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明の有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社、平成16年8月20日発行、時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で、本発明の有機EL表示装置を形成することができる。
<有機EL照明>
本発明の有機EL照明は、上述の本発明の有機電界発光素子を用いたものである。本発明の有機EL照明の型式や構造については特に制限はなく、本発明の有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。
<有機電界発光素子の製造方法>
本発明の有機電界発光素子の製造方法は、陽極および陰極の間に有機層を有する有機電界発光素子の製造方法において、該有機層は、少なくとも一層の、湿式成膜法で形成された発光層を含み、該発光層は、2つ以上のアミノ基を有さない発光材料、電荷輸送材料と有機溶剤とを含む発光層形成用組成物を用いて、酸素濃度が18〜22体積%の環境下で、湿式成膜法で塗布膜を形成後、加熱して成膜することを特徴とする、有機電界発光素子の製造方法である。
上記、各構成要件の態様は、前記[発光層]及び<有機電界発光素子>の項で記載のものと同様である。具体例及び好ましい態様も同様である。
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
ガラス基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm成膜したもの(スパッタ成膜品、シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術により2mm幅のストライプにパターニングして陽極を形成した。陽極を形成した基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄等の処理を行った。
該処理後の基板上に以下の通り、正孔注入層を形成した。正孔注入材料として以下に示す繰り返し構造の芳香族アミン系高分子化合物PB−1(重量平均分子量:52000、数平均分子量:32500)、以下に示す構造の電子受容性化合物PI−1及び溶剤として安息香酸エチルを含有する正孔注入層形成用組成物を調製した。該正孔注入層形成用組成物における、芳香族アミン系高分子化合物PB−1及び電子受容性化合物PI−1の合計の濃度は2重量%であり、芳香族アミン系高分子化合物PB−1及び電子受容性化合物PI−1の重量比は、(芳香族アミン系高分子化合物PB−1):(電子受容性化合物PI−1)=10:2であった。
該正孔注入層形成用組成物を上記処理後の基板上に、スピナ回転数1500rpm、スピ
ナ回転時間30秒でスピンコートした。その後、230℃で、60分間、加熱乾燥を行った。以上の操作により膜厚40nmの均一な正孔注入層の薄膜が形成された。
Figure 2011108792
次いで、形成された正孔注入層上に、以下の通り、正孔輸送層を形成した。以下に示す繰り返し構造の高分子化合物HT−1(重量平均分子量:60000、数平均分子量:33000)及び溶剤としてシクロヘキシルベンゼンを含有する正孔輸送層形成用組成物を調製した。該正孔輸送層形成用組成物における、該高分子化合物の濃度は1.4重量%であった。
該正孔輸送層形成用組成物を正孔注入層上に、スピナ回転数1500rpm、スピナ回転時間30秒でスピンコートした。その後、230℃で、60分間、加熱して、該高分子化合物を架橋反応させて硬化させた。以上の操作により、膜厚10nmの均一な正孔輸送層の薄膜が形成された。
Figure 2011108792
次いで、形成された正孔輸送層上に、以下の通り、発光層を酸素濃度21体積%の環境下、湿式成膜法で形成した。発光層の形成には、本発明における発光層形成用組成物を用いた。
発光材料(ドーパント材料)として以下に示す構造の化合物D−1、ホスト材料として以下に示す構造の化合物E−1及び溶剤としてシクロヘキシルベンゼンを含有する発光層形成用組成物を調製した。発光層形成用組成物中における、化合物D−1及び化合物E−1の合計の濃度は3.2重量%であった。また、化合物D−1及び化合物E−1の重量比は、(化合物D−1):(化合物E−1)=7:100であった。
該発光層形成用組成物を正孔輸送層上に、スピナ回転数1500rpm、スピナ回転時間
30秒、酸素濃度21体積%の環境下でスピンコートした。その後、130℃で、60分間、加熱して乾燥させた。以上の操作により、膜厚57nmの均一な発光層の薄膜が形成された。
Figure 2011108792
次いで、形成された発光層上に、真空蒸着法により正孔阻止層として以下に示す化合物HB−1を膜厚10nmとなるように形成した。
Figure 2011108792
次いで、形成された正孔阻止層上に、真空蒸着法により電子輸送層として以下に示す化合物ET−1を膜厚20nmとなるように形成した。
Figure 2011108792
形成された電子輸送層上に、真空蒸着法により電子注入層としてフッ化リチウム(LiF
)を膜厚0.5nm、陰極としてアルミニウムを膜厚80nmとなるように、陽極と直交する2mm幅のストライプ状に形成した。以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。
この素子からは、ピーク波長464nmの青色発光が得られることを確認した。また、この素子を用い、室温条件下で、40mA/cmの定電流で駆動試験を実施し、正面輝度が初期輝度の7割に低下するまでに要した時間(LT70)を測定した。
結果を表1に纏める。
(参考例1)
発光層を塗布する環境を、酸素濃度21体積%の環境から窒素中(酸素濃度1ppm以下、水分濃度1ppm以下)の環境に変更した他は、実施例1と同様にして有機電界発光素子を得た。
この素子からは、ピーク波長462nmの青色発光が得られることを確認した。また、この素子を用い、室温条件下で、40mA/cmの定電流で駆動試験を実施し、正面輝度が初期輝度の7割に低下するまでに要した時間(LT70)を測定した。
結果を表1に纏める。
(比較例1)
発光材料(ドーパント材料)としてとして、化合物D−1の代わりに下記の化合物D−2を使用したこと以外は実施例1と同様にして発光層を酸素濃度21体積%の環境下で湿式成膜し、有機電界発光素子を得た。
この素子からは、ピーク波長464nmの青色発光が得られることを確認した。また、この素子を用い、室温条件下で、40mA/cmの定電流で駆動試験を実施し、正面輝度が初期輝度の7割に低下するまでに要した時間(LT70)を測定した。
結果を表1に纏める。
Figure 2011108792
(参考例2)
発光層を塗布する環境を、酸素濃度21体積%の環境から窒素中(酸素濃度1ppm以下、水分濃度1ppm以下)の環境に変更した他は、比較例1と同様にして有機電界発光素子を得た。
この素子からは、ピーク波長465nmの青色発光が得られることを確認した。また、この素子を用い、室温条件下で、40mA/cmの定電流で駆動試験を実施し、正面輝度が初期輝度の7割に低下するまでに要した時間(LT70)を測定した。
結果を表1に纏める。
(比較例2)
発光材料(ドーパント材料)としてとして、化合物D−1の代わりに下記の化合物D−3を使用したこと以外は実施例1と同様にして発光層を、酸素濃度21体積%の環境下で湿式成膜し、有機電界発光素子を得た。
この素子からは、ピーク波長473nmの青色発光が得られることを確認した。また、この素子を用い、室温条件下で、40mA/cmの定電流で駆動試験を実施し、正面輝度が初期輝度の7割に低下するまでに要した時間(LT70)を測定した。
結果を表1に纏める。
Figure 2011108792
(参考例3)
発光層を塗布する環境を、酸素濃度21体積%の環境から窒素中(酸素濃度1ppm以下、水分濃度1ppm以下)の環境に変更した他は、比較例3と同様にして有機電界発光素子を得た。
この素子からは、ピーク波長473nmの青色発光が得られることを確認した。また、この素子を用い、室温条件下で、40mA/cmの定電流で駆動試験を実施し、正面輝度が初期輝度の7割に低下するまでに要した時間(LT70)を測定した。
結果を表1に纏める。
(比較例3)
発光材料(ドーパント材料)としてとして、化合物D−1の代わりに下記の化合物D−
4を使用したこと以外は実施例1と同様にして発光層を、酸素濃度21体積%の環境下で湿式成膜し、有機電界発光素子を得た。
この素子からは、ピーク波長465nmの青色発光が得られることを確認した。また、この素子を用い、室温条件下で、40mA/cmの定電流で駆動試験を実施し、正面輝度が初期輝度の7割に低下するまでに要した時間(LT70)を測定した。
結果を表1に纏める。
Figure 2011108792
(参考例4)
発光層を塗布する環境を、酸素濃度21体積%の環境から窒素中(酸素濃度1ppm以下、水分濃度1ppm以下)の環境に変更した他は、比較例5と同様にして有機電界発光素子を得た。
この素子からは、ピーク波長465nmの青色発光が得られることを確認した。また、この素子を用い、室温条件下で、40mA/cmの定電流で駆動試験を実施し、正面輝度が初期輝度の7割に低下するまでに要した時間(LT70)を測定した。
結果を表1に纏める。
Figure 2011108792
表1に示すが如く、本発明の有機電界発光素子は、酸素濃度を低下させた素子に対して、寿命の低下率が小さい。つまり、2つ以上のアミノ基を有さない発光材料をもちいた場合、発光層を湿式成膜法で形成する環境下が、大気中、つまり酸素濃度が18〜22体積%であっても、駆動寿命の長い素子を提供することができる。
これより、発光層を形成する場合、酸素や水分を除去する環境を作る必要がなく、安全に、かつ安価な製造コストで駆動寿命の長い素子が製造することが可能となる。
(参考例5〜11)
発光材料およびホスト材料をトルエンに溶解した発光層形成用組成物の、大気中放置による発光量子収率の変化を以下の通り測定した。
前記化合物D−1及びD−4、下記で表される化合物D−5〜D−9を発光材料として、前記の化合物E−1をホスト材料として、また溶剤として窒素バブリングしたトルエンを含有する発光層形成用組成物を、下記の通り調製した。
発光層形成用組成物中における、発光材料及びホスト材料(化合物E−1)の合計の濃度は0.5重量%とし、発光材料及びホスト材料(化合物E−1)の重量比は、(発光材料):(ホスト)=10:100とした。
該発光層形成用組成物をUV/O洗浄したガラス基板上に、スピナ回転数1500rpm、スピナ回転時間30秒、大気中でスピンコートした。その後、130℃で、5分間、
加熱して乾燥させた。乾燥直後および大気中に1時間放置した後に、量子収率を測定した。量子収率の測定は、浜松ホトニクス社製PLQE測定装置を用いて測定した。
測定結果を下記に示す。
Figure 2011108792
Figure 2011108792
表2に示すが如く、1分子中に2つ以上のアミノ基を有さない発光材料を用いた発光層形成用組成物は、1分子中に2つ以上のアミノ基を有する発光材料(ドーパント)を用いた組成物と比較して、大気中放置による発光量子収率の低下が押さえられることが分かる。
本発明は、有機電界発光素子が使用される各種の分野、例えば、フラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯等の分野において、好適に使用することが出来る。
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 陰極

Claims (6)

  1. 陽極および陰極の間に有機層を有する有機電界発光素子において、
    該有機層は、湿式成膜法で形成された発光層を含み、
    該発光層は、
    1分子中に2つ以上のアミノ基を有さない発光材料、電荷輸送材料と有機溶剤とを含む発光層形成用組成物を用いて、酸素濃度18〜22体積%の環境下で、湿式成膜法で塗布膜を形成後、加熱して成膜した層であることを特徴とする、有機電界発光素子。
  2. 前記発光材料が、核炭素数10〜40の置換もしくは無置換の縮合芳香族環基を含む化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 青色発光を示すことを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
  4. 請求項1〜3に記載の有機電界発光素子を含むことを特徴とする、有機EL表示装置。
  5. 請求項1〜3に記載の有機電界発光素子を含むことを特徴とする、有機EL照明。
  6. 陽極および陰極の間に有機層を有する有機電界発光素子の製造方法において、
    該有機層は、少なくとも一層の、湿式成膜法で形成された発光層を含み、
    該発光層は、
    1分子中に2つ以上のアミノ基を有さない発光材料、電荷輸送材料と有機溶剤とを含む発光層形成用組成物を用いて、酸素濃度18〜22体積%の環境下、湿式成膜法で塗布膜を形成後、加熱して成膜することを特徴とする、有機電界発光素子の製造方法。
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