JP2011108724A - ヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板、ヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法およびヘテロ接合電界効果型トランジスタ - Google Patents

ヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板、ヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法およびヘテロ接合電界効果型トランジスタ Download PDF

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Abstract

【課題】所望のリセスエッチング深さを安定して得ることができるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法およびヘテロ接合電界効果型トランジスタを提供する。
【解決手段】基板の一部の表面上に成長抑制層15を備えたヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板、そのヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板上にIII族窒化物半導体層14を、厚みT1がリセスエッチング深さと同じになるように設定する。次にプラズマエッチングにより、フォトレジストマスク27の開口部より露出しているIII族窒化物半導体層14の1部を、成長抑制層の成分を検出するまで、エッチングする。これにより、所望のリセスエッチング深さを安定して得ることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、ヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板、ヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法およびヘテロ接合電界効果型トランジスタに関する。
窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)および窒化アルミニウムインジウムガリウム(AlInGaN)などのIII族窒化物半導体を用いたノーマリオフ特性を有するヘテロ接合電界効果型トランジスタを実現するための従来の方法として、ゲート電極直下の半導体層をエッチングする方法がある。
たとえば、非特許文献1(中田健,川崎健,八重樫誠司、「リセスゲートを用いたノーマリオフ AlGaN/GaN HEMT」、信学技報、Vol.105、No.325、pp.51−56)には、サファイア基板上にGaN層およびAlGaN層を積層した後にAlGaN層の一部をプラズマエッチングし、AlGaN層の薄膜化した部分にゲート電極を形成することによってノーマリオフ特性を実現したリセスゲート型のヘテロ接合電界効果型トランジスタが記載されている。
しかしながら、プラズマエッチングによるAlGaN層のリセスエッチング深さを制御することは難しく、AlGaN層のリセスエッチング深さが最適でない場合にはヘテロ接合電界効果型トランジスタがノーマリオフ特性を有さず、AlGaN層のエッチング量が多すぎるとソース・ドレイン電極間の抵抗が高くなるという問題があった。
そこで、特許文献1(特開2008−10462号公報)には、プラズマエッチングのエッチングストップ層となる層を用いることによって、リセスエッチング深さを制御する方法が開示されている。
図16に、特許文献1に記載の従来のリセスゲート型のヘテロ接合電界効果型トランジスタの模式的な断面図を示す。図16に示される従来のリセスゲート型のヘテロ接合電界効果型トランジスタは、基板としてのSi基板51上に、AlN層とGaN層とが交互に複数層積層された多重バッファ層52、チャネル層としてのGaN層53、ヘテロ特性改善層としてのAlN層54、第1層としてのAl0.3Ga0.7N層55、第2層としてのAl0.35Ga0.6Gd0.05N層56および第3層としてのAl0.3Ga0.7N層57がこの順序で積層された構成を有している。
Al0.3Ga0.7N層57は、Al0.35Ga0.6Gd0.05N層56上に間隔を隔てて形成されており、一方のAl0.3Ga0.7N層57上にはソース電極58が形成され、他方のAl0.3Ga0.7N層57上にはドレイン電極510が形成されている。また、これらのAl0.3Ga0.7N層57の間のAl0.35Ga0.6Gd0.05N層56の領域の少なくとも一部にゲート電極59が形成されている。
特許文献1に記載の方法によれば、ゲート電極59の形成のためのAl0.3Ga0.7N層57のプラズマエッチングによるリセスエッチングにおいて、プラズマエッチング速度がAl0.3Ga0.7N層57よりもAl0.35Ga0.6Gd0.05N層56の方が遅いため、ノーマリオフ特性を実現するのに必要な厚さのAl0.3Ga0.7N層55を制御良く残すことが可能となっている。
特開2008−10462号公報
中田健,川崎健,八重樫誠司、「リセスゲートを用いたノーマリオフ AlGaN/GaN HEMT」、信学技報、Vol.105、No.325、pp.51−56
上記の特許文献1の方法においては、エッチングストップ層となるAl0.35Ga0.6Gd0.05N層56によってリセスエッチング深さを制御することはできるが、本来必要ではないAl0.35Ga0.6Gd0.05N層56を挿入する必要があった。
そのため、所望とする2次元電子ガス濃度およびその移動度が十分に得られないこと、ならびにIII族窒化物半導体層の積層構造の設計が制限されることなどの理由により、所望のトランジスタ特性を得ることが困難であった。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、所望のリセスエッチング深さを安定して得ることができるとともに、所望とするトランジスタ特性を有するヘテロ接合電界効果型トランジスタを容易に製造することができるヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板、ヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法およびヘテロ接合電界効果型トランジスタを提供することにある。
本発明は、ヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造に用いるためのヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板であって、基板と、基板の一部の表面上に設けられた成長抑制層と、基板上および成長抑制層上に設けられたIII族窒化物半導体層と、を備え、成長抑制層の上面からIII族窒化物半導体層の上面までのIII族窒化物半導体層の厚さがリセスエッチング深さとほぼ同じであるヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板である。
ここで、本発明のヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板においては、成長抑制層が、シリコン酸化物およびシリコン窒化物の少なくとも一方を含有することが好ましい。
また、本発明のヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板においては、基板の表面上において、成長抑制層が閉じた形状に形成されていることが好ましい。
また、本発明は、基板の表面上へのIII族窒化物半導体層の成長を抑制するための成長抑制層を基板の一部の表面上に形成する工程と、成長抑制層が形成された基板の表面上に成長抑制層を埋めるようにIII族窒化物半導体層を積層する工程と、III族窒化物半導体層の表面上にソース電極およびドレイン電極をそれぞれ形成する工程と、ソース電極およびドレイン電極がそれぞれ形成されていないIII族窒化物半導体層の表面から厚さ方向にIII族窒化物半導体層をプラズマエッチングにより除去して成長抑制層の一部を露出させる工程と、プラズマエッチング後のIII族窒化物半導体層の一部の表面上にゲート電極を形成する工程と、を含む、ヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法である。
さらに、本発明は、基板と、基板の一部の表面上に設けられた成長抑制層と、基板の他の一部の表面上に設けられたIII族窒化物半導体層と、を備え、III族窒化物半導体層の表面上にソース電極、ドレイン電極およびゲート電極がそれぞれ形成されており、成長抑制層が、平面視において、ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極が形成されている領域の外周を取り囲んでいるヘテロ接合電界効果型トランジスタである。
本発明によれば、所望のリセスエッチング深さを安定して得ることができるとともに、所望とするトランジスタ特性を有するヘテロ接合電界効果型トランジスタを容易に製造することができるヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板、ヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法およびヘテロ接合電界効果型トランジスタを提供することができる。
実施の形態1のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の製造工程の一部について図解する模式的な断面図である。 実施の形態1のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の製造工程の他の一部について図解する模式的な断面図である。 実施の形態1のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の製造工程の他の一部について図解する模式的な断面図である。 実施の形態1のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の製造工程の他の一部について図解する模式的な断面図である。 実施の形態1のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の製造工程の他の一部について図解する模式的な断面図である。 実施の形態1のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の製造工程の他の一部について図解する模式的な断面図である。 実施の形態1のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の製造工程の他の一部について図解する模式的な断面図である。 実施の形態2のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の製造工程の一部について図解する模式的な断面図である。 実施の形態2のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の製造工程の他の一部について図解する模式的な断面図である。 実施の形態2のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の製造工程の他の一部について図解する模式的な断面図である。 実施の形態2のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の製造工程の他の一部について図解する模式的な断面図である。 実施の形態2のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の製造工程の他の一部について図解する模式的な断面図である。 実施の形態2のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の製造工程の他の一部について図解する模式的な断面図である。 実施の形態2のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の製造工程の他の一部について図解する模式的な断面図である。 実施の形態2のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の製造工程の他の一部について図解する模式的な断面図である。 従来のリセスゲート型のヘテロ接合電界効果型トランジスタの模式的な断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
<実施の形態1>
以下、図1〜図7の模式的断面図を参照して、実施の形態1のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法について説明する。
まず、図1に示すように、基板としてのSi基板11の表面上に、たとえばスパッタリング法やプラズマデポジション法などの方法により、成長抑制層としてのSiO2層15をたとえば910nmの層厚で積層する。ここで、SiO2層15の積層前のSi基板11の表面は、たとえばフッ酸系溶液などにより洗浄することができる。
次に、SiO2層15の表面上にたとえば従来から公知のフォトリソグラフィ法により島状にフォトレジストマスクを形成した後に、フォトレジストマスクをマスクとしてSiO2層15のエッチングを行なうことによって、図2に示すように、SiO2層15を島状に形成する。
次に、島状のSiO2層15の形成後のSi基板11をMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置内に設置して加熱することによって、Si基板11の温度をたとえば1150℃にする。
その後、MOCVD装置内に、たとえば、H2ガスとN2ガスとを合計で20L/minの流量で、NH3ガスを10L/minの流量で、TMA(トリメチルアルミニウムガス)ガスを50μmol/minの流量で導入することによって、図3に示すように、Si基板11の表面上にAlN層12をたとえば100nmの層厚で積層する。
続いて、TMAガスをTMG(トリメチルガリウム)ガスに切り替えてたとえば100μmol/minの流量でMOCVD装置内に導入することによって、図3に示すように、AlN層12の表面上にGaN層13をたとえば800nmの層厚で積層する。
続いて、TMAガスとTMGガスとをたとえばそれぞれ7.5μmol/minおよび34μmol/minの流量でMOCVD装置内に導入することによって、図3に示すように、GaN層13の表面上にAlGaN層14をたとえば30nmの層厚で積層する。
これにより、図3に示すように、Si基板11の表面上に形成されたSiO2層15は、AlN層12、GaN層13およびAlGaN層14の積層体中に埋められて、Si基板11、SiO2層15、AlN層12、GaN層13およびAlGaN層14からなる実施の形態1のヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板が作製される。
本実施の形態においては、Si基板11の表面上に成長抑制層としてのSiO2層15が島状に形成されているため、AlN層12は、SiO2層15が形成されているSi基板11の表面上には成長せず、SiO2層15から露出しているSi基板11の表面上に選択的に成長する。すなわち、SiO2層15は、Si基板11の成長核となる表面上にAlN層12が成長するのを抑制する層として機能する。
そして、SiO2層15の上面よりも下方の領域においては、AlN層12、GaN層13およびAlGaN層14はそれぞれSi基板11の露出表面の上方に向かって成長するが、SiO2層15の上面よりも上方の領域においては、AlGaN層14の表面が成長核となってAlGaN層14が上方向(Si基板11の表面に垂直な方向)だけでなく横方向(Si基板11の表面に平行な方向)にも成長する。
なお、AlGaN層14の層厚は、SiO2層15の上面からAlGaN層14の上面までの厚さT1が、後述するリセスエッチング深さとほぼ同じになるように設定される。すなわち、SiO2層15の厚さは、AlN層12の層厚、GaN層13の層厚、およびAlGaN層14の層厚の合計よりもリセスエッチング深さとほぼ同じだけ薄い層厚とされる。また、SiO2層15の上面からAlGaN層14の上面までのAlGaN層14の厚さT1と、リセスエッチング深さと、をほぼ同じにするためには、上記の厚さT1と、リセスエッチング深さと、の差の絶対値をたとえば2nm以下とすることにより達成することができるが、これに限定されるものではない。
次に、図4に示すように、AlGaN層14の表面上に、たとえば従来から公知のリフトオフ法によりソース電極21およびドレイン電極22を形成する。
次に、図5に示すように、AlGaN層14の表面上に、たとえば従来から公知のフォトリソグラフィ法によりリセスエッチング用のフォトレジストマスク27を形成する。フォトレジストマスク27においては、リセスエッチング領域23だけでなく、SiO2層15の上方の領域24にも開口部が設けられている。ここで、フォトレジストマスク27は、SiO2層15の上方の領域24におけるフォトレジストマスク27の開口部の幅がSiO2層15の上面の幅よりも狭くなるように形成される。
次に、図6に示すように、たとえば塩素ガスを用いたICP(Ion Coupling Plasma:誘導結合プラズマ)エッチング装置を用いたプラズマエッチングによるドライエッチングで、フォトレジストマスク27の上記の開口部から露出しているAlGaN層14の一部を除去する。
ここで、プラズマエッチングにおいては、プラズマ発光を分光計でモニターし、Siに関わる波長(Si、SiO、SiCl等に対応する波長)の光が観察された時点でプラズマエッチングを停止する。
Siに関わる波長の光が観察されたということは、SiO2層15の上方の領域24におけるAlGaN層14がプラズマエッチングにより除去されてSiO2層15の上面が露出したことを示しており、リセスエッチング領域23において所望のリセスエッチング深さ(T1)が得られたことを示している。本実施の形態においては、AlGaN層14のリセスエッチング深さ(T1)は、たとえば20nmとされる。
その後、AlGaN層14からフォトレジストマスク27を除去した後に、図7に示すように、上記のリセスエッチング領域23におけるプラズマエッチングによりAlGaN層14の表面から厚さ方向にリセスエッチング深さ(T1)だけ除去されて露出したAlGaN層14の表面上にゲート電極26を形成することによって、ノーマリオフ特性を有する実施の形態1のヘテロ接合電界効果型トランジスタを製造することができる。
以上のように、実施の形態1においては、プラズマエッチングによるAlGaN層14のリセスエッチング時に、Siに関わる波長の光を観察した時点でAlGaN層14のリセスエッチングを停止するだけで容易に所望とするリセスエッチング深さを安定して得ることができる。
これにより、実施の形態1においては、特許文献1のようにエッチングストップ層を設けることなく、容易に、所望とするリセスエッチング深さを安定して得ることができ、ひいては、所望とするトランジスタ特性を有するヘテロ接合電界効果型トランジスタを容易に、かつ安定して製造することができる。
なお、上記においては、Si基板11の表面上にSiO2層15を島状に形成した場合について説明したが、Si基板11の表面上におけるSiO2層15の形状は島状に限定されず、島状以外の形状にしてもよいことは言うまでもない。
なかでも、SiO2層15の形状は、ヘテロ接合電界効果型トランジスタの上面の平面視において、ソース電極21、ドレイン電極22およびゲート電極26が形成されている領域の外周を取り囲むようなたとえば格子状または六角形状などの閉じた形状であることが好ましい。この場合には、隣接するトランジスタ間におけるリーク電流の発生を抑えることができるため、従来実施していたドライエッチングによるアイソレーション工程を省略することができる。
また、上記においては、基板としてSi基板11を用いた場合について説明したが、Si基板11に限定されず、Si基板11以外の基板を用いてもよいことは言うまでもない。
また、上記においては、成長抑制層としてSiO2層15を用いた場合について説明したが、SiO2層15に限定されるものではなく、SiO2層15以外にも、基板の表面上にIII族窒化物半導体層が成長するのを抑制することができる層を適宜用いることができる。
なかでも、基板の表面上にIII族窒化物半導体層が成長するのを十分に抑制する観点からは、成長抑制層として、シリコン酸化物およびシリコン窒化物の少なくとも一方を含有する層を用いることが好ましい。なお、Si34のようなシリコン窒化物を含む成長抑制層を用いた場合におけるSiに関わる波長の光としては、Si、SiN、SiCl等に対応する波長の光を観察すればよい。
また、上記においては、III族窒化物半導体層としてAlN層12、GaN層13およびAlGaN層14を成長させたが、これらに限定されず、たとえば、AlxGayInzN(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z≠0)の組成式で表わされるIII族窒化物半導体からなる層を1層以上成長させてもよい。なお、III族窒化物半導体層の少なくとも1層がn型またはp型の不純物を含有していてもよい。
<実施の形態2>
以下、図8〜図15の模式的断面図を参照して、実施の形態2のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法について説明する。
まず、図8に示すように、サファイア基板31、第1のGaN層32および第2のGaN層33の積層体からなる積層基板30を作製し、積層基板30上にSiO2層15を積層する。この工程は、たとえば以下のようにして行なわれる。
ここで、サファイア基板31をたとえばMOCVD装置内に設置してサファイア基板31のC面をサーマルクリーニングした後に、サファイア基板31をさらに加熱することによってサファイア基板31の温度をたとえば550℃まで上昇させる。
次に、MOCVD装置内に、たとえば、H2ガスとN2ガスとを合計で20L/minの流量で、NH3ガスを10L/minの流量で、TMGガスを100μmol/minの流量で導入することによって、図8に示すように、サファイア基板31のC面上に第1のGaN層32をたとえば30nmの層厚で積層する。
その後、TMGガスの導入を一旦停止してサファイア基板31の温度をたとえば1150℃まで上昇させて安定させた後に、MOCVD装置内へのTMGガスの導入を再開することによって、図8に示すように、第1のGaN層32上に第2のGaN層33をたとえば1μmの層厚で積層する。
以上のように、サファイア基板31、第1のGaN層32および第2のGaN層33を順次積層することによって、成長核となる表面を有する積層基板30が作製される。
次に、上記のようにして作製した積層基板30をMOCVD装置内から取り出し、積層基板30の第2のGaN層33の表面上に、たとえばスパッタリング法やプラズマデポジション法などの方法によって、図8に示すように、成長抑制層としてのSiO2層15をたとえば500nmの層厚で積層する。
次に、SiO2層15の表面上にたとえば従来から公知のフォトリソグラフィ法により島状にフォトレジストマスクを形成した後に、フォトレジストマスクをマスクとしてSiO2層15のエッチングを行なうことによって、図9に示すように、SiO2層15を島状に形成する。
次に、島状のSiO2層15の形成後の積層基板30をMOCVD装置内に設置して加熱することによって、積層基板30の温度をたとえば1150℃にする。
その後、MOCVD装置内に、たとえば、H2ガスとN2ガスとを合計で20L/minの流量で、NH3ガスを10L/minの流量で、TMGガスを100μmol/minの流量で導入することによって、図10に示すように、第2のGaN層33の表面上に第3のGaN層35をたとえば480nmの層厚で積層する。
その後、TMGガスの導入を一旦停止して積層基板30の温度をたとえば1050℃まで低下させ、H2ガスとN2ガスとの合計流量を維持したままでN2ガスの流量を増加させる(H2ガスの流量を減少させる)。
そして、積層基板30の温度、H2ガスの流量およびN2ガスの流量を安定させた後に、MOCVD装置内へのTMGガスの導入を再開することによって、図11に示すように、第3のGaN層35上に第4のGaN層36をたとえば20nmの層厚で積層する。
続いて、TMAガスとTMGガスとをたとえばそれぞれ7.5μmol/minおよび34μmol/minの流量でMOCVD装置内に導入することによって、図11に示すように、第4のGaN層36の表面上にAlGaN層37をたとえば30nmの層厚で積層する。
これにより、図11に示すように、積層基板30の表面上に形成されたSiO2層15は、第3のGaN層35、第4のGaN層36およびAlGaN層37の積層体中に埋められて、積層基板30、SiO2層15、第3のGaN層35、第4のGaN層36およびAlGaN層37からなる実施の形態2のヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板が作製される。
本実施の形態においては、積層基板30の表面上に成長抑制層としてのSiO2層15が島状に形成されているため、第3のGaN層35は、SiO2層15が形成されている積層基板30の表面上には成長せず、SiO2層15から露出している積層基板30の表面上に選択的に成長する。すなわち、SiO2層15は、積層基板30の成長核となる表面上に第3のGaN層35が成長するのを抑制する層として機能する。
ここで、III族窒化物半導体は、成長時の基板温度が高いほど選択成長しやすく、成長時の基板温度が低いほど選択成長しにくい。
また、III族窒化物半導体は、H2ガスとN2ガスの流量比[(N2ガス流量)/{(H2ガス流量)+(N2ガス流量)}]の値が小さい(H2ガス流量が多い)ほど選択成長しやすく、上記の流量比が大きい(N2ガス流量が多い)ほど選択成長しにくい。
したがって、基板温度と、H2ガスとN2ガスの流量比とを調節してIII族窒化物半導体層の選択成長を制御することができる。
すなわち、本実施の形態においては、積層基板30の温度をたとえば1150℃にして第3のGaN層35を選択成長させた後に、積層基板30の温度をたとえば1050℃に低下するとともにN2ガス流量を増加して選択成長しにくい条件に変更して第4のGaN層36とAlGaN層37とを成長させている。
ここで、SiO2層15の上面からAlGaN層37の上面までの第4のGaN層36とAlGaN層37の積層体の厚さT2は、後述するリセスエッチング深さとほぼ同じになるように設定される。すなわち、第4のGaN層36およびAlGaN層37はそれぞれ、SiO2層15の上面上の第4のGaN層36とAlGaN層37の積層体の層厚T2が後述するリセスエッチング深さとほぼ同じになるように成長させられる。
また、SiO2層15の上面からAlGaN層37の上面までの第4のGaN層36とAlGaN層37の積層体の厚さT2と、リセスエッチング深さと、をほぼ同じにするためには、上記の厚さT2と、リセスエッチング深さと、の差の絶対値をたとえば2nm以下とすることにより達成することができるが、これに限定されるものではない。
また、第4のGaN層36およびAlGaN層37は、SiO2層15の上面上に成長するが、SiO2層15の上面上の部分の第4のGaN層36およびAlGaN層37はそれぞれ非晶質または多結晶となっている。
次に、図12に示すように、AlGaN層37の表面上に、たとえば従来から公知のリフトオフ法によりソース電極21およびドレイン電極22を形成する。
次に、図13に示すように、AlGaN層37の表面上に、たとえば従来から公知のフォトリソグラフィ法によりリセスエッチング用のフォトレジストマスク27を形成する。フォトレジストマスク27においては、リセスエッチング領域23だけでなく、SiO2層15の上方の領域24にも開口部が設けられている。ここで、フォトレジストマスク27は、SiO2層15の上方の領域24におけるフォトレジストマスク27の開口部の幅がSiO2層15の上面の幅よりも広くなるように形成される。
次に、図14に示すように、たとえば塩素ガスを用いたICPエッチング装置を用いたプラズマエッチングによるドライエッチングで、フォトレジストマスク27の上記の開口部から露出している第4のGaN層36およびAlGaN層37の一部を除去する。
ここで、プラズマエッチングにおいては、プラズマ発光を分光計でモニターし、Siに関わる波長(Si、SiO、SiCl等に対応する波長)の光が観察された時点でプラズマエッチングを停止する。
Siに関わる波長の光が観察されたということは、SiO2層15の上方の領域24における第4のGaN層36およびAlGaN層37がそれぞれプラズマエッチングにより除去されてSiO2層15の上面が露出したことを示しており、リセスエッチング領域23において所望のリセスエッチング深さ(T2)が得られたことを示している。本実施の形態においては、第4のGaN層36およびAlGaN層37のリセスエッチング深さ(T2)は、たとえば50nmとされる。
その後、AlGaN層37からフォトレジストマスク27を除去した後に、図15に示すように、上記のリセスエッチング領域23におけるプラズマエッチングにより第4のGaN層36およびAlGaN層37のそれぞれの表面から厚さ方向にリセスエッチング深さ(T2)だけ除去されて露出した第3のGaN層35の表面上にゲート絶縁膜46を介してゲート電極26を形成することによって、ノーマリオフ特性を有する実施の形態2のヘテロ接合電界効果型トランジスタを製造することができる。
以上のように、実施の形態2においては、プラズマエッチングによる第4のGaN層36およびAlGaN層37のリセスエッチング時に、Siに関わる波長の光を観察した時点で第4のGaN層36およびAlGaN層37のリセスエッチングを停止するだけで容易に所望とするリセスエッチング深さを安定して得ることができる。
これにより、実施の形態2においても、特許文献1のようにエッチングストップ層を設けることなく、容易に、所望とするリセスエッチング深さを安定して得ることができ、ひいては、所望とするトランジスタ特性を有するヘテロ接合電界効果型トランジスタを容易に、かつ安定して製造することができる。
なお、上記においては、積層基板30の表面上にSiO2層15を島状に形成した場合について説明したが、積層基板30の表面上におけるSiO2層15の形状は島状に限定されず、なかでも、ヘテロ接合電界効果型トランジスタの上面の平面視において、ソース電極21、ドレイン電極22およびゲート電極26が形成されている領域の外周を取り囲むようなたとえば格子状または六角形状などの閉じた形状であることが好ましい。この場合には、隣接するトランジスタ間におけるリーク電流の発生を抑えることができ、従来実施していたドライエッチングによるアイソレーション工程を省略することができる。
また、上記においては、基板として積層基板30を用いた場合について説明したが、積層基板30に限定されず、積層基板30以外の基板を用いてもよいことは言うまでもない。
また、上記においては、III族窒化物半導体層として第3のGaN層35、第4のGaN層36およびAlGaN層37を成長させたが、これらに限定されず、たとえば、AlxGayInzN(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z≠0)の組成式で表わされるIII族窒化物半導体からなる層を1層以上成長させてもよい。なお、III族窒化物半導体層の少なくとも1層がn型またはp型の不純物を含有していてもよい。
本実施の形態における上記以外の説明は実施の形態1と同様であるため、ここではその説明については省略する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、ヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板、ヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法およびヘテロ接合電界効果型トランジスタに利用することができる。
11 Si基板、12 AlN層、13 GaN層、14 AlGaN層、15 SiO2層、21 ソース電極、22 ドレイン電極、23 リセスエッチング領域、24 SiO2層の上方の領域、26 ゲート電極、27 フォトレジストマスク、30 積層基板、31 サファイア基板、32 第1のGaN層、33 第2のGaN層、35 第3のGaN層、36 第4のGaN層、37 AlGaN層、 51 Si基板、52 多重バッファ層、53 GaN層、54 AlN層、55 Al0.3Ga0.7N層、56 Al0.35Ga0.6Gd0.05N層、57 Al0.3Ga0.7N層、58 ソース電極、59 ゲート電極、510 ドレイン電極。

Claims (5)

  1. ヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造に用いるためのヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板であって、
    基板と、
    前記基板の一部の表面上に設けられた成長抑制層と、
    前記基板上および前記成長抑制層上に設けられたIII族窒化物半導体層と、を備え、
    前記成長抑制層の上面から前記III族窒化物半導体層の上面までの前記III族窒化物半導体層の厚さがリセスエッチング深さとほぼ同じであることを特徴とする、ヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板。
  2. 前記成長抑制層が、シリコン酸化物およびシリコン窒化物の少なくとも一方を含有することを特徴とする、請求項1に記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板。
  3. 前記基板の表面上において、前記成長抑制層が閉じた形状に形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ用基板。
  4. 基板の表面上へのIII族窒化物半導体層の成長を抑制するための成長抑制層を前記基板の一部の表面上に形成する工程と、
    前記成長抑制層が形成された前記基板の表面上に前記成長抑制層を埋めるようにIII族窒化物半導体層を積層する工程と、
    前記III族窒化物半導体層の表面上にソース電極およびドレイン電極をそれぞれ形成する工程と、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極がそれぞれ形成されていない前記III族窒化物半導体層の表面から厚さ方向に前記III族窒化物半導体層をプラズマエッチングにより除去して前記成長抑制層の一部を露出させる工程と、
    前記プラズマエッチング後の前記III族窒化物半導体層の一部の表面上にゲート電極を形成する工程と、を含む、ヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法。
  5. 基板と、
    基板の一部の表面上に設けられた成長抑制層と、
    前記基板の他の一部の表面上に設けられたIII族窒化物半導体層と、を備え、
    前記III族窒化物半導体層の表面上にソース電極、ドレイン電極およびゲート電極がそれぞれ形成されており、
    前記成長抑制層が、平面視において、前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記ゲート電極が形成されている領域の外周を取り囲んでいることを特徴とする、ヘテロ接合電界効果型トランジスタ。
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