JP2011107203A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
像担持体のクリーニング時における転写ローラー表面の汚染の防止を図る画像形成方法、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】
本発明に係る画像形成方法は、周面に凹部605を有し、回転により像担持体40と当接もしくは離間する転写ローラー61と像担持体40とを転写材を介して当接することにより、像担持体40に担持された像を転写材に転写し、転写材に像を転写した後、転写ローラー61の回転により転写ローラー61と像担持体40とを離間させ、転写ローラー61と像担持体40とが離間した状態で転写ローラー61を停止し、転写ローラー61が停止した後、像担持体40を移動させてクリーニング部材80で像担持体40をクリーニングすることを特徴としている。
【選択図】図18

Description

本発明は、現像装置によって現像されたトナー像を記録紙などの転写材に転写し、さらに転写材上のトナー像を定着することで画像形成する画像形成方法及び画像形成装置に関する。
液体溶媒中に固体成分からなるトナーを分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する湿式画像形成装置が種々提案されている。この湿式画像形成装置に用いられる現像剤は、シリコンオイルや鉱物油、食用油等からなる電気絶縁性を有し高粘度の有機溶剤(キャリア液)中に固形分(トナー粒子)を懸濁させたものであり、このトナー粒子は、粒子径が1μm前後と極めて微細である。このような微細なトナー粒子を使用することにより、湿式画像形成装置では、粒子径が7μm程度の粉体トナー粒子を使用する乾式画像形成装置に比べて高画質化が可能である。
このような液体現像剤を用いた画像形成装置としては、例えば、特許文献1には、光伝導面12を持ったドラム10上に、レーザスキャナなどの画像装置16により静電潜像を形成した後、当該静電潜像を帯電されたトナー粒子とキャリア液を含む液トナーにて現像し、現像された像を基材44上に印刷する画像装置について記載されている。
この画像装置では、中間転写部材40と押印ローラー42にて形成された転写部に基材44を通過させ、現像された像を基材44上に中間転写部材40上の像を転写させているが、特に、押印ローラー42上にはグリッパ76が装架されており、押印ローラー42に送られてきた基材44の前端部を把持し、中間転写部材40上の像の転写後に基材44を開放することで基材44に転写する像の位置決めが行われている。
特表2000−508280号公報
このように特許文献1に記載されている画像装置では、押印ローラー42上に装架されているグリッパ76にて基材44の位置決めを行うものであるが、特許文献1の図1、図2Aなどから見てとれるように、このグリッパ76は、押印ローラー42の表層に設けられたものであって、中間転写部材40と押圧ローラー42の回転を阻害しないよう小型で単純な機構のものを利用することが考えられる程度に留まるものである。
また、特許文献1に記載されている画像装置において、紙詰まりなどを原因として画像装置が停止した場合、基材に転写前であって、中間転写部材40の表面に残留する液トナーをクリーニングする必要がある。しかしながら、この画像装置では中間転写部材40と押圧ローラー42が常時、接触した状態とされているため、中間転写部材40の表面に残留する液トナーにより押圧ローラー42の表面を汚染してしまう。押圧ローラー42表面の汚染は、その後、押圧ローラー42にて搬送される基材を汚す原因となり、画像品質にも関わる問題となる。
前述の課題を解決するために、本発明に係る画像形成方法は、周面に凹部を有し、回転
により像担持体と当接もしくは離間する転写ローラーと前記像担持体とを転写材を介して当接することにより、前記像担持体に担持された像を前記転写材に転写し、前記転写材に前記像を転写した後、前記転写ローラーの回転により前記転写ローラーと前記像担持体とを離間させ、前記転写ローラーと前記像担持体とが離間した状態で前記転写ローラーを停止し、前記転写ローラーが停止した後、前記像担持体を移動させてクリーニング部材で前記像担持体をクリーニングすることを特徴とするものである。
さらに、本発明に係る画像形成方法は、前記像担持体をクリーニングした後、前記像担持体に前記像を転写する潜像担持体に潜像を形成し、前記潜像担持体に前記潜像の形成を開始した後、前記転写ローラーを回転させることとしている。
さらに、本発明に係る画像形成方法において、前記像担持体は、ローラーに巻き掛けられた像担持体ベルト、もしくは像担持体ドラムとするものである。
また、本発明に係る画像形成装置は、像を担持する像担持体と、周面に凹部を有し、回転により前記像担持体と当接または離間する転写ローラーと、前記像担持体をクリーニングするクリーニング部材と、回転により前記転写ローラーを前記像担持体と離間した位置で停止させるとともに、前記転写ローラーが回転を停止している時に前記像担持体を移動させて前記クリーニング部材で前記像担持体をクリーニングさせる制御部と、を有することを特徴とする画像形成装置。
さらに、本発明に係る画像形成装置は、前記転写ローラーの回転位置を検出する回転位置検出部を有し、前記制御部は、前記回転位置検出部の検出結果に基づいて、前記転写ローラーの回転を停止することとしている。
さらに、本発明に係る画像形成装置は、前記クリーニング部材は、前記像担持体と当接してバイアスが印加されるクリーニングローラーと、前記クリーニングローラーに塗布液を塗布する塗布部材と、を有することとしている。
さらに、本発明に係る画像形成装置は、前記凹部に転写材を把持する把持部を有することとしている。
以上、本発明の画像形成方法および画像形成装置によれば、像担持体と転写ローラーとが当接した状態で、像担持体のクリーニングを開始させないことで、像担持体上に担持された現像剤で転写ローラーが汚染されることを防止することが可能となる。
さらに、転写部材をクリーニングするクリーニング部材として、像担持体にキャリア液を塗布してクリーニングする場合においても、像担持体と転写ローラーとを離間させた状態でクリーニングを行うため、クリーニングのために像担持体に塗布した液体現像剤により転写ローラーを汚染することを防止することが可能となる。
さらに、像担持体をクリーニング終了後、像担持体に像を転写させる潜像担持体に潜像の書き込みを開始し、潜像担持体に潜像の書き込みを開始した後、前記転写ローラーの回転を開始する構成を採用すれば、像担持体へ転写する前に、転写ローラーと像担持体とを接触させる機会を削減し、転写ローラーの汚染を抑制することが可能となる。
さらに、像担持体をクリーニングする際において、クリーニングローラーにバイアスを印加することで、効率よく転写部材に残留するトナーをクリーニングローラー側に誘引して回収することが可能となる。この像担持体クリーニング時におけるバイアスは、通常の印刷時におけるバイアスよりも絶対値で大きく設定することが好ましい。このようにする
ことで、通常印刷のときよりもトナー量が多いクリーニング時において、トナーの回収効率を高めることが可能となる。
画像形成装置の主要構成を示す図。 2次転写ローラーの斜視図。 2次転写ローラーの断面図。 2次転写ローラーの回転に伴う転写材搬送の様子を示す図。 2次転写ローラーの回転に伴う転写材搬送の様子を示す図。 2次転写ローラーの回転に伴う転写材搬送の様子を示す図。 2次転写ローラーの回転に伴う転写材搬送の様子を示す図。 2次転写ローラーの転写材把持部の動作を示す図。 2次転写ローラーの回転の様子を示す図。 2次転写ローラーの回転の様子を示す図。 クリーニング装置の主要構成を示す図。 塗布ローラーと滴下装置を軸方向と垂直な方向からみた模式図。 画像形成装置の制御を示すブロック図。 2次転写ローラーの離接処理を示すフロー図。 2次転写ローラーの位置修正処理のシーケンスを示す図。 2次転写ローラーが当接状態で停止した状態を示す図。 2次転写ローラーを離間させた状態を示す図。 2次転写ローラーの位置を修正した状態を示す図。 2次転写ローラーを近接させた状態を示す図。 クリーニング及び印刷開始シーケンスを示す図。 他の実施形態に係る画像処理装置の主要構成を示す図。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の主要構成を示した図である。画像形成装置の中央部に配置された像担持体又は転写媒体としての転写ベルト40に対し、現像部としての現像装置30Y、30M、30C、30Kは、画像形成装置の下方部に配置され、転写部としての2次転写部60、図示しない定着ユニットなどの構成は画像形成装置の上方部に配置されている。
潜像担持体としての感光体10Y、10M、10C、10Kの周辺は、トナーによる画像を形成するために、コロナ帯電器11Y、11M、11C、11K、LEDアレイなどの露光ユニット12Y、12M、12C、12K等を備えている。コロナ帯電器11Y、11M、11C、11Kにより、感光体10Y、10M、10C、10Kを一様に帯電させ、露光部としての露光ユニット12Y、12M、12C、12Kにより、入力された画像信号に基づいて露光を行い、帯電された感光体10Y、10M、10C、10K上に静電潜像を形成する。
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、概略、現像剤担持体としての現像ローラー20Y、20M、20C、20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31K、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y、31M、31C、31Kから現像ローラー20Y、20M、20C、20Kに塗布する塗布ローラーである現像剤供給部材としてのアニロックスローラー32Y、32M、32C、32K等を備え各色の液体現像剤により感光体10Y、10M、10C、10K上に形成された静電潜像を現像する。
1次転写部50Y、50M、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10K上に形成された像を、感光体10Y、10M、10C、10Kと1次転写バックアップローラー51Y、51M、51C、51Kとのニップ部を介して、転写ベルト40に転写する部分である。
転写ベルト40(本発明における「像担持体ベルト」)は、シームレスなゴム等の弾性部材で形成されたベルトであり、ベルト駆動ローラー41とテンションローラー42に張架され、1次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながらベルト駆動ローラー41により回転駆動される。1次転写部50Y、5OM、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を挟んで1次転写バックアップローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
テンションローラー42は、ベルト駆動ローラー41などと共に転写ベルト40を張架している。そして、転写ベルト40がテンションローラー42に張架されている箇所には、クリーニング装置80(本発明でいう「クリーニング部材」)が当接され、転写ベルト40上の残りトナ一、キャリアをクリーニングするようになっている。
2次転写ユニット60は、転写媒体にトナー像を転写させる手段としての2次転写ローラー61(本発明における「転写ローラー」)等を備えている。2次転写ローラー61は、転写ベルト40の移動方向に沿って移動するよう矢印で示す方向に回転する。また、2次転写ローラー61には、転写バイアスが印加されており、転写ニップで転写ベルト40のトナー像を転写材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の転写材(記録材ともいう)に転写する。また、2次転写ユニット60は、2次転写ローラー61をクリーニングする2次転写ローラークリーニングブレード62、ブレード支持部材63等を有する。
転写材搬送経路Lの2次転写部60の下流には、図示しない転写材搬送装置が配列されており、転写材を図示しない定着ユニットに搬送するようになっている。定着ユニットでは、用紙等の転写材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着させ定着させる。
画像形成装置に対する転写材は、給紙装置(不図示)によって供給される。このような給紙装置にセットされた転写材は、所定のタイミングにて一枚ごとに転写材搬送経路Lに送り出されるようになっている。転写材搬送経路Lでは、転写材搬送部としてのゲートローラー101、101'及び、転写材ガイド102によって転写材を2次転写位置まで搬
送し、転写ベルト40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を転写材に転写する。
2次転写された転写材は、上記のように、転写材搬送装置によって、さらに定着ユニットに搬送される。定着ユニットは、図示しない加熱ローラーと、この加熱ローラー側に所定の圧力で付勢された図示しない加圧ローラーとから構成されており、これらのニップ間)に転写材を挿通させ、転写材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着し定着させる。
ここで、現像装置30について説明するが、各色の感光体周辺部及び現像装置の構成は同様であるので、以下、イエロー(Y)の感光体周辺部及び現像装置30Yについて説明する。
感光体周辺部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って、コロナ帯電器11Yを基準として、露光ユニット12Y、現像装置30Yの現像ローラー20Y、第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y'、1次転写部50Y、感光
体10Yの電位を除電する不図示の除電器、感光体クリーニングブレード18Y、が配設されている。なお、画像形成プロセスは、コロナ帯電器11Yから感光体クリーニングブレード18Yの順に、より前段に配置される構成は、後段に配置される構成より上流にあるものと定義する。
感光体10Yは、外周面にアモルファスシリコン感光体などの感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、図1において、時計回りの方向に回転する。コロナ帯電器11Yは、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体10Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、感光体10Yの回転方向において、コロナ帯電器11Yより下流側、現像ローラー20Yとのニップ部より上流側に配置され、コロナ帯電器11Yによって帯電された感光体10Y上に光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。
また現像装置30Yは、前記の液体現像剤を担持する現像ローラー20Yと、液体現像剤を現像ローラー20Yに塗布するための塗布ローラーであるアニロックスローラー32Yと、現像ローラー20Yに塗布する液体現像剤量を規制する規制ブレード33Yと、液体現像剤を撹件、搬送しつつアニロックスローラー32Yに供給するオーガ34Yと、現像ローラー20Yに担持された液体現像剤をコンパクション状態にするコンパクションコロナ発生器22Yと、現像ローラー20Yのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレード21Yと、キャリア内にトナーを概略重量比20%程度に分散した状態の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31Yとを有する。
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜2wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約20%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
以上、Y色の現像装置30Yについて詳細な説明を行ったが、他色の現像装置30M、30C、30Kについても同様の構成を有するものである。なお、各色Y、M、C、Kに対応する感光体20や現像装置30等の部材の配置順、数は、図1に示すものに限定されることはなく、任意に設定することが可能であって、単色にて構成されるものであってもよい。
次に、2次転写ローラー61の構成を説明する。図2は、本発明の実施形態に係る2次転写ローラー61を示す図であり、図3は、2次転写ローラー61の断面図である。図4〜図7は、2次転写ローラー61の回転に伴う転写材搬送の様子を示す図であり、図8は、2次転写ローラー61の回転に伴う転写材把持部610の動作の様子を示す図である。
図2及び図3において、601はローラー基材、602はローラー軸部、605は凹部、607は弾性部材、610は転写材把持部、611は把持部材、612は把持部材受け
部、640は転写材剥離部材、650は当接部材、701は第1カム、702は第1カムフォロワー、703は第1カムフォロワーアーム、704は第1回転軸、721は第2カム、722は第2カムフォロワー、723は第2カムフォロワーアーム、724は第2回転軸をそれぞれ示している。
2次転写ローラー61のローラー基材601両端部にはローラー軸部602が設けられており、このローラー軸部602を中心として回動自在に装置本体側に取り付けられるようになっている。また、ローラー基材601には、軸方向にわたる凹部605が設けられており、凹部605中には転写材把持部610が設けられている。この転写材把持部610は転写材を把持したり、解放したりするための機構である。
ローラー基材601の周面には転写材を支持する弾性部材607が設けられている。弾性部材607は、電気的抵抗成分を有する半導電弾性ゴム層で構成される部材であって、ローラー基材601に巻き付けられた状態で、その両端は凹部605内に固定される。図3には弾性部材607の固定の様子が示されている。弾性部材607の一端は、軸方向に延接されたプレート608aとともに、ネジなどの固定部材609aでローラー基材601に固定される。弾性部材607の他端も同様にプレート608bと固定部材609bにてローラー基材601にしっかりと固定される。なお、ローラー基材601に対する弾性部材607の固定は、これに限らず、他の方法を用いてもよい。
このように転写ローラー40の周囲に弾性部材607を巻き付けたことで、転写ローラー61と転写ベルト40によって形成される2次転写ニップの幅を広く確保し、転写効率を高めることが可能となる。また、この弾性部材607を固定する固定部を転写ローラー61の凹部605内に配設したことで、転写ローラー61の表面にて弾性部材607を固定する必要が無く、弾性部材607を容易に交換することが可能となっている。
また、2次転写ローラー61のローラー軸部602は、フレーム部材671に回転自在に支持されている。フレーム部材671は、装置本体に支持された回動支軸部670を中心に回転揺動するとともに、図示しない付勢部材にて、矢印で示す方向αに付勢される。この付勢部材の付勢力により、2次転写ローラー61は転写ベルト40を介してベルト駆動ローラー41に定荷重で当接する。
転写材把持部610は、概略、ローラー軸方向にわたって離散的に設けられる把持部材611及び把持部材受け部612とからなるペアと、当該ペアの間にローラー軸方向にわたって適宜配されている複数の転写材剥離部材640とから構成されている。全ての把持部材611は可動可能に構成されており、把持部材受け部612との間で転写材を挟持するように動作することで転写材を把持したり、把持部材受け部612との間の間隔をあけるように動作することで転写材を解放したりすることができるようになっている。また、全ての転写材剥離部材640は、把持部材611と把持部材受け部612とで把持していた転写材を、2次転写ローラー61側から離れる方向に押し出すように動作する。
各把持部材611は、第1回転軸704に固定され、第1回転軸704の回転に伴って開閉するように設けられている。この第1回転軸704の両端には、第1カムフォロワーアーム703によって支持された第1カムフォロワー702が取り付けられている。第1カムフォロワーアーム703は、図示しない弾性部材により、把持部材611が把持部材受け部612に着座する方向に常時付勢されている。第1カムフォロワー702は、第1カムフォロワーアーム703に対して回転可能に軸支されたローラーである。
各転写材剥離部材640は、第2回転軸724に固定され、第2回転軸724の回転に伴ってア開閉するように設けられている。この第2回転軸724の両端には、第2カムフ
ォロワーアーム723によって支持された第2カムフォロワー722が取り付けられている。第2カムフォロワーアーム723は、図示しない弾性部材により、転写材剥離部材640が凹部605内に引き込まれる方向に常時付勢されている。この第2カムフォロワー722は、第2カムフォロワーアーム723に対して回転可能に軸支されたローラーである。
以上、図2、図3を用いて2次転写ローラー61の主要構成について説明したが、次にこの2次転写ローラー61による転写材の搬送、並びに、転写材把持部610の動作について図4〜図8を用いて詳細に説明を行う。
図4〜図7は、2次転写ローラー61を側面からみた図であって、2次転写ローラー61の回転に伴う第1カムフォロワー702の移動の様子、並びに、転写材把持部610の動作状態を順次示した図である。また、図8は、模式的に示した転写把持部610の各構成を軸方向からみた図である。図8(A)、図8(B)、図8(C)、図8(D)に示す転写材把持部610の各状態は、図1の2次転写ローラー61にA、B、C、Dとしてマーキングした位置に、2次転写ローラー61の転写材把持部610がきたときに、転写材把持部610がとる動作状態を概略示しているものである。
図4〜図7に示されるように、2次転写ローラー61の一端には、カム部材701が配設されている。このカム部材701は、装置本体に固定された部材であって、2次転写ローラー61の回転に関係なく常に同じ場所に位置している。2次転写ローラー61の他端にも、このカム部材701と2次転写ローラー61の軸方向と垂直な面に関して対称なカム部材701が配設されている。
カム部材701は、2次転写ローラー61の軸方向に所定の厚さの周面を有しており、2次転写ローラー61の回転に伴い、第1カムフォロワー702は、第1カムフォロワーアーム703によりこの周面に押圧された状態で移動する。転写材把持部610は、この第1カムフォロワー702の移動によってその開閉が制御される。
図4は、図1の2次転写ローラー61にAとしてマーキングした位置における状態を示した図である。この状態では、第1カムフォロワー702は、カム部材701の第1カム面711に位置している。この第1カム面711のプロファイルは、直線またはほぼ直線状に形成されるとともに、2次転写ローラー61の回転が進むにつれて、2次転写ローラー61の中心から連続して遠ざかるものとされている。第1カムフォロワー702がこの第1カム面711に位置する状態では、図8(A)に示されるように把持部材611は、把持部材受け部612に着座した位置に設定されている。
図5は、図4の状態から2次転写ローラー61の回転がさらに進んだ状態であって、第1カムフォロワー702が、2次転写ローラー61の中心から最も離間する第2カム面712に位置した状態を示している。第1カムフォロワー702の移動により、転写材把持部610の把持部材611は、把持部材受け部612に着座した状態から離間した状態へと変化し、ゲートローラー101、101'によって搬送される転写材の把持に備える。
図6は、図1の2次転写ローラー61にBとしてマーキングした位置における状態を示した図である。図8(B)には、この状態における転写材把持部610の拡大図が示されている。把持部材611が(a)方向に移動して、把持部材受け部612との間に所定空間を形成し、当該空間に進入する転写材Sを、把持部材611及び把持部材受け部612とで挟持する準備を行っている状態が示されている。
図7は、図6の状態から2次転写ローラー61の回転がさらに進んだ状態であって、第
1カムフォロワー702が、カム部材の第4カム面714に位置した状態を示している。カム部材701の周面は、第3カム面713から第4カム面714に移動するに従って、2次転写ローラー61の中心からの距離が小さくなるプロファイルに形成されており、第1カムフォロワー702が第4カム面714に位置する状態では、転写材把持部610は、図8(C)に示されるように、前記空間に進入した転写材Sを、把持部材611が(a')方向に移動して、把持部材受け部612との間で挟持した状態となる。
このとき、転写材把持部610でその一端を把持された転写材Sは、2次転写ローラー61の回転に伴い、2次転写ローラー61に巻きとられた状態となる。このように、転写材が2次転写ニップに進入する前段に転写材把持部610で転写材Sを把持・固定するので、トナー像が転写される転写材Sの位置決めを厳密に行うことができる。2次転写ローラー61の回転過程において、転写材把持部610が図1のCの範囲に位置するときには、図8(C)の状態が保たれる。
図8(D)は、図7(図8(C))の状態から2次転写ローラー61の回転がさらに進んだ状態を示している。カム部材701の周面を移動する第1カムフォロワー702により、把持部材611は、(a)方向に移動し、把持部材受け部612との間に所定空間を形成し転写材Sを解放する。さらに、転写材剥離部材640が(b)方向に移動して、2次転写ローラー61から遠ざかる方向に転写材Sを押し出す。この転写部材剥離部640は、第1カムフォロワー702と同様に、カム部材701の周面を移動する第2カムフォロワー722によって駆動されている。この動作状態は、2次転写ローラー61の回転過程において、転写材把持部610が図1のDの位置にきて、2次転写ニップを経てトナー像が転写された転写材Sを、次の転写材搬送プロセスに引き渡すときのものである。
このように転写材把持部610は、転写材Sを転写ベルト40と2次転写ローラー61との2次転写ニップ間に挿通する前に転写材Sを把持すると共に、転写ベルト40と2次転写ローラー61との2次転写ニップ間に挿通した後に把持した転写材Sを解放するように動作する。2次転写ニップを経た転写材Sは、転写材把持部610が図8(D)に示すように動作することによって、転写材Sを2次転写ローラー61から確実に分離し、次のプロセスに確実に導くことができるようになっている。
本実施形態では、転写材把持部610、転写材剥離部材640を、第1カムフォロワー702、第2カムフォロワー722、カム部材701などによるカム機構で駆動することで、2次転写ローラー61の回転に確実に連動させることが可能となっている。転写材把持部610、転写材剥離部材640の駆動は、このような形態に限らず、例えば、センサーによって検出された2次転写ローラー61の回転位置に基づいて、モーターなどの駆動手段で電気的に行われることとしてもよい。
次に、凹部605が設けられた2次転写ローラー61が、2次転写ニップで所定の圧力をかけつつ、2次転写ローラー61とベルト駆動ローラー41との間の位置を規制するための構造について説明する。図9、図10はいずれも本発明の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ユニット60の動作を説明する図である。いずれの図においても(A)は2次転写ユニット60を装置の側面側からみた図であり、(B)は2次転写ユニット60の模式的断面を示す図となっている。図9、図10において、650は当接部材、670は回動支軸部、671はフレーム部材、672は付勢部材、689はベルト駆動ローラー41のローラー軸部、690は支持部材をそれぞれ示している。
2次転写ユニット60において、2次転写ローラー61のローラー軸部602はその両端でフレーム部材671に回動自在に取り付けられている。また、フレーム部材671は回動支軸部670を中心として回動可能とされると共に、付勢部材672によって図中の
矢印の方向に付勢されるようになっている。このような構造によって、2次転写ローラー61はベルト駆動ローラー41側に付勢され、2次転写ローラー61とのベルト駆動ローラー41間における2次転写ニップに所定の圧力をかけることができるようになっている。そして、このような2次転写ニップにおける転写圧力、及び転写バイアスによって、転写ベルト40上のトナー粒子は2次転写ニップで効率的に転写材側に転写されるようになっている。
2次転写ローラー61のローラー軸部602の両端には、当接部材650がそれぞれ設けられている。そして、この当接部材650と対応するように、ベルト駆動ローラー41のローラー軸部689の両端には、支持部材690がそれぞれ設けられている。図9、図10の(B)に示すように、当接部材650と支持部材690とは、軸方向での位置が揃えられるようにして配設されている。
2次転写ユニット60は、各ローラーの回転動作に伴い、図9に示す状態→図10に示す状態→…を繰り返す。図9は、凹部605がベルト駆動ローラー41(或いは転写ベルト40)と対向していない状態を示している。このとき、付勢部材672からの付勢力は、2次転写ニップにかかるようになっており所定の転写圧が確保され、さらに2次転写ローラー61とベルト駆動ローラー41との間との間に適当な転写バイアスが印加されて、転写ベルト40上のトナー粒子は2次転写ニップで転写材側に転写される。この状態では、当接部材650と支持部材690とは完全に離間しており、これらによる位置規制は働いていない。
図10は、凹部605がベルト駆動ローラー41(或いは転写ベルト40)と対向したときの状態が示されている。このとき、当接部材650の当接面663(当接領域C3)は支持部材690と当接した状態となり、付勢部材672によって付勢された2次転写ローラー61の付勢圧力は、支持部材690が受けて、2次転写ローラー61とベルト駆動ローラー41との間の距離、位置関係が保持される。
以上の本実施形態によれば、2次転写ローラー61は、ベルト駆動ローラー41側に付勢されているが、2次転写ローラー61の軸部には当接部材650を有し、ベルト駆動ローラー41の軸部に支持部材690を配設した構造であるため、凹部605が転写ベルトと対向しているとき、すなわち、凹部605と転写ベルト40とが接触していないときには、2次転写ローラー61とベルト駆動ローラー41との間の位置関係を保持することが可能となる。
次に、転写ベルト40表面上をクリーニングするクリーニング装置80についてより詳細に説明する。図11は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられるクリーニング装置の概要を示す図である。図11において、81はクリーニングローラー、811はクリーニングローラークリーニングブレード、82は転写部材クリーニングブレード、83は塗布ローラー、831はスポンジ外周部、85はならしローラー、88はタンク、881はタンク受け部、882はタンク貯留部をそれぞれ示している。
クリーニングローラー81は、転写ベルト40を挟んだ形で、テンションローラー42と対向配置されており、転写ベルト40に当接し転写ベルト40の表面をクリーニングする。このクリーニングローラー81は、基材に導電性のウレタンゴムが用いられ、その表層は、表面の粗さを軽減するため導電性のウレタンコートが施されている。
このクリーニングローラー81には、バイアス印加部86によってバイアス電圧が印加されている。本実施形態では、クリーニングローラー81にマイナスの所定電圧をかけるとともに、テンションローラー42をアースすることで、クリーニングローラー81とテ
ンションローラー42間には電界が形成されている。プラス側に帯電したトナー粒子は、この電界によってクリーニングローラー81側に誘引されることとなり、クリーニングローラー81では、転写ベルト40上のトナー粒子を効率よく回収することができる。
さらに本実施形態のバイアス印加部86は、クリーニングローラー81に印加するバイアスを制御部による制御にて変更することが可能となっており、クリーニングすべき転写ベルト40上のトナー粒子の状態、量などに応じて適宜変更することが可能となっている。より具体的には、バイアス印加部86にてクリーニングローラー81に印加するバイアスの絶対値を大きく設定することで、テンションローラー42とクリーニングローラー81との間に形成する電界を大きくして、トナーの回収効率を高めることが可能となる。
クリーニングローラークリーニングブレード811は、クリーニングローラー81の表面に当接するウレタンゴム等からなるゴム部を有する弾性ブレードであり、クリーニングローラー81に当接し、クリーニングローラー81上のトナー粒子とキャリア液とを掻き落としてクリーニングする。クリーニングローラークリーニングブレード811で掻き落とされる回収物1は、後述する転写ベルトクリーニングブレード82で回収する回収物2と比べ、トナー粒子を多く含んだものとなる。
クリーニングローラークリーニングブレード602で掻き落とされた回収物1は、タンク88のタンク受け部881に落下し、最終的にはタンク貯留部882に貯まるようになっている。
転写ベルトクリーニングブレード82は、転写ベルト40を挟んだ形で、テンションローラー42と対向配置される。転写ベルトクリーニングブレード82は、転写ベルト40表面に当接するウレタンゴム等からなるゴム部を有する弾性ブレードなどで構成され、クリーニングローラー81でクリーニングされた転写ベルト40上に残留するキャリア液を掻き落とすようにしてクリーニングする。転写ベルトクリーニングブレード82で掻き落とされた回収物2は、回収物1と同様、タンク88のタンク受け部881に落下し、タンク貯留部882に貯められる。
塗布ローラー83(本発明でいう「塗布部材」)はクリーニングローラー81にキャリア液を塗布するローラーであり、本実施形態ではその外周部にはスポンジ部材(スポンジ外周部831)が配されている。塗布ローラー83によってキャリア液を塗布されたクリーニングローラー81は湿りを帯び、転写ベルト40(テンションローラー42)との間のニップ部ではキャリア液が十分に介在された状態となる。このような状態で、クリーニングローラー81には、液体現像剤中のトナー粒子を誘引するようなバイアス電圧が印加されるので、良好なクリーニング性を得ることが可能となる。
上記の塗布ローラー604にキャリア液を滴下して供給する構成が滴下装置84であり、その下部にはキャリア液を排出するノズル841が設けられている。図12は塗布ローラー83、滴下装置84及びならしローラー85をローラー軸方向と垂直な方向からみた模式図である。滴下装置84のノズル841は、軸方向に略均等の間隔で設けられており、その直下部分の塗布ローラー83にキャリア液を供給するようになっている。
キャリア液の供給を受けた塗布ローラー83は図11に示すように反時計周りで回転して、ならしローラー85に向かい、このならしローラー85でそのスポンジ外周部831が押圧されることによって、スポンジ外周部831中のキャリア液が塗布ローラー83の軸方向に行き渡る。
次に本発明に係る画像形成装置の制御について説明する。図13は、本発明の実施形態
に係る画像形成装置における制御ブロックの概略を示す図である。図13において、150は主制御部、160は2次転写ローラー制御部、161は2次転写ローラー離接制御部、162はベルト駆動ローラー制御部、163はクリーニング装置制御部、900は位置検出部、901は被検出部材、891aはスリット、902はセンサー、903はセンサー支持部材をそれぞれ示している。
主制御部150は、本発明に係る画像形成装置の各制御を行うためのメインコントローラである。このような主制御部150としては、CPUやRAM、ROM等を備える汎用の情報処理装置を用い、入力された所定情報に基づいて所定ブロックへの命令を出力する動作を前記CPUに実行させるプログラムを予め前記ROMに記憶させることによって実現することが可能である。
ベルト駆動ローラー制御部162は、主制御部150からの制御命令に基づき、ベルト駆動ローラー41の回転開始、停止、そして、回転周速の制御などを行い、ベルト駆動ローラー162に巻掛けられた転写ベルト40の移動に関する制御を行う。
2次転写ローラー制御部160は、主制御部150からの制御命令に基づき、2次転写ローラー61の回転開始、停止、そして、回転周速の制御などを行う。本実施形態では、転写材把持部160は、第1カム701、第1カムフォロワー714などの構成により2次転写ローラー61の回転に伴い開閉するようになっているが、転写材把持部160を電気的に駆動する場合には、転写材把持部材160は、この2次転写ローラー制御部160によって制御され、転写材を把持するタイミング、或いは、転写材を解放するタイミングを自在に変更することが可能となる。
2次転写ローラー離接制御部161は、2次転写ローラー61とベルト駆動ローラー41の軸間距離を可変するための機構を制御する。2次転写ローラー61と転写ベルト40とを当接させたままクリーニング装置89による転写ベルト40のクリーニングを行うと、転写ベルト40上に残留する液体現像剤により、2次転写ローラー61を汚す恐れがある。この2次転写ローラー離接制御部161は、このような問題の解消を図るため設けられたものであって、機構を駆動して2次転写ローラー61とベルト駆動ローラー40の軸間距離を可変する。なお、手動にてこの軸間距離を可変する場合には、この2次転写ローラー離接制御部161を省略することも可能である。
位置検出部900は、2次転写ローラー61の回転位置を検出するために配設された部材であって、2次転写ローラー61の回転基準位置を検出し、主制御部150に対して位置検出信号を出力する。本実施形態では、被検出部材901、スリット901a、センサー902、センサー支持部材903を有して構成されている。
被検出部材901は、2次転写ローラー61のローラー軸部602に固定され、2次転写ローラー61と一緒に回転する円形状の部材である。センサー901は、画像形成装置本体側に固定され、2次転写ローラー61と一緒に回転しないように配設されている。センサー901は、発光部と受光部は、被検出部材901を挟んで対峙する位置に配設されている。
被検出部材901に設けられたスリット891aは、2次転写ローラー61の回転に伴って発光部と受光部の間を通過するように構成され、スリット901a通過時においては受光部が発光部からの放射光を受光するON状態となり、非通過時においては受光部はOFF状態となる。本実施形態では、このような光学系を利用した位置検出部900が出力する位置検出信号により、2次転写ローラー61の基準位置を検出することが可能となる。基準位置の検出はこのような形態に限ることなく、機械的な検出手段を利用するなど適
宜な形態を採用することが可能である。
クリーニング装置制御部163は、転写ベルト40をクリーニングするために配設されたクリーニング装置80を制御する手段であって、具体的には、塗布ローラー83、クリーニングローラー81の回転駆動、滴下装置84のノズル841から滴下するキャリア液の滴下量、バイアス印加部86に対するバイアス量などの制御を行う。特に、本実施形態では、クリーニング時にバイアス印加部86に付加するバイアスの絶対値を、通常の印刷時よりも大きく設定することで、転写ベルト40上に残留するトナーを効率的に回収するように制御している。
次に、図14、図15を参照しつつ、本発明の実施形態に係る2次転写ローラーの離接処理について説明を行う。図14は、本発明の実施形態に係る2次転写ローラーの離接処理を示すフロー図であり、図15は、2次転写ローラーの位置修正処理のシーケンスを示す図である。
S101にて画像形成装置の電源が投入された状態となり、S102にて印刷開始信号によって印刷が開始されると、2次転写ローラー61を含む各種ローラーが駆動される。S103では、開始された印刷の状態を監視し、印刷停止状態となった場合に次の処理へと進む。この印刷停止状態とは、印刷を通常終了した状態の他、転写材が搬送路途中で詰まってしまった、いわゆる紙詰まりの状態や、停電や電源スイッチの操作によって電源供給が途切れた場合など、各種条件によるものを含むものである。
S103で印刷が停止されたことが判断されると、S104にて、位置検出部900による2次転写ローラー61の回転位置が検出され、S105にて当該回転位置が適正位置にあるか否かが判断される。この適正位置とは、2次転写ローラー61と転写ベルト40が当接していない、2次転写ローラー61の回転位置をいうものであり、ちょうど凹部605がベルト駆動ローラー41に対向する位置に相当している。2次転写ローラー61が適正位置にあるか否かは、センサー902にて直接検出される、例えば、センサー902がスリット901aを検出したときとしてもよいし、位置検出部900が出力する2次転写ローラー61の回転基準位置と、2次転写ローラー61の回転量に基づいて間接的に検出されるものであってもよい。
S105にて2次転写ローラー61が適正位置でないと判断された場合には、S106〜S108の処理にて2次転写ローラー61が適正位置となる制御が実行される。まず、S106にて、2次転写ローラー61を当接している転写ベルト40から離間させる、すなわち、2次転写ローラー61と転写ベルト40が巻掛けられたベルト駆動ローラー41の軸間距離が広げられる。
次に、S107では、2次転写ローラー61を回転させて適正位置となるように位置修正処理が実行される。図15は、この位置修正処理のシーケンスを示した図であって、位置検出部900からの位置検出信号と、2次転写ローラー61の駆動の様子が示されている。本実施形態では、位置検出部900にて直接、適正位置を検出する構成となっており、位置検出部900から位置検出信号が出力されている状態が2次転写ローラー61の適正位置である。この場合、位置検出部900から位置検出信号が出力されるまで2次転写ローラー61を回転駆動させ、2次転写ローラー61を適正位置に導く。位置検出部900から出力される位置検出信号が、2次転写ローラー61の適宜な基準位置を示す場合には、基準位置から所定量回転させることで適正位置に導くことが可能となる。
S108では、適正位置に導かれた2次転写ローラー61を、転写ベルト40に対して近接させる、すなわち、2次転写ローラー61とベルト駆動ローラー41の軸間距離を狭
くする処理が実行される。このような状態で2次転写ローラー61は次に開始される印刷に備えることが可能となる。
S109では、次の印刷に備え、クリーニング装置80による転写ベルト40のクリーニングが実行される。転写ベルト40を1回転させれば転写ベルト40全周をクリーニングすることができるが、ジャム処理時において、転写材に転写される前であって転写ベルト40上に残留する像をクリーニングする場合には、当該像がクリーニング装置80でクリーニングされる分だけ転写ベルト40を回転させて行うこととしてもよい。なお、このクリーニング処理では、クリーニング期間中の少なくとも1部の期間において、クリーニングローラー81に印加するバイアスの絶対値を大きく設定することが好ましい。このようなバイアス設定により転写ベルト40に残留するトナーを効率よく回収することが可能となる。
一方、S105にて2次転写ローラー61が適正位置にある、すなわち、2次転写ローラー61と転写ベルト40が離間した状態にあると判断された場合には、S102にて再度、印刷が開始されるまで待機する。本実施形態では、このようにS105にて2次転写ローラー61が適正位置にあるか否かの判断を行うこととしているが、この判断を行わず一律にS106〜S107の処理を行い、処理を簡略化することとしてもよい。
以上、本実施形態では、2次転写ローラー61と転写ベルト40が当接して停止した場合には、2次転写ローラー61と転写ベルト40とを離間させて転写ベルト40のクリーニングが行われる。このような構成によれば、2次転写ローラー61が転写ベルト40と当接し続けた状態となることを避け、転写ベルト40のクリーニング時に2次転写ベルト61が汚染されることを防止することが可能となる。
また、本実施形態によれば、画像形成装置の停止時に、2次転写ローラー61が転写ベルト40と当接し続けた状態となることを避け、2次転写ローラー61、転写ベルト40の表面が摩耗、劣化することを防ぐことが可能となる。
例えば、2次転写ローラー61と転写ベルト40間の2次転写ニップに液体現像剤が付着したまま放置されると、乾燥した液体現像剤が2次転写ローラー61と転写ベルト40両者に固着し、印刷を開始したときに両者の表面を傷つけてしまう恐れがあるが、本実施形態によれば、2次転写ローラー61と転写ベルト40とを離間させた状態を停止状態とすることが可能となり、両者の表面を保護することが可能となる。弾性体で構成された転写ベルト40においては、2次転写ローラー61から受ける当接負荷が軽減されるため、転写ベルト40の長寿命化を図ることも可能となる。
そして、本実施形態では、2次転写ローラー61を一旦離間させ、適正位置となるように位置修正処理を行った上で、近接させるようにしているため、2次転写ローラー61と転写ベルト40の表面を摺擦することがなく、両者の表面に負担をかけることがない。そして、適正位置となった状態で転写ベルト40に近接した2次転写ローラー61は、例えば、図6のような状態で次に開始される印刷に速やかに備えることが可能となる。
なお、2次転写ローラー61の離間処理(S106)、位置修正処理(S107)、並びに、近接処理(S108)は、自動、手動のどちらで行われるものでもよい。手動で行う場合には、表示器などの告知手段によりユーザーに次に行う操作を促すようにするとよい。特に、位置修正処理では、2次転写ローラー61を手動で回転したときに、適正位置となったことをユーザーに告知することで、速やかに適正位置となるように修正することが可能となる。
次に、図16〜図19を参照しつつ、2次転写ローラー61を離間、近接させる離接機構について詳細に説明を行う。図16は、2次転写ローラーが転写ベルトと当接状態で停止した状態を示す図であり、図17は、2次転写ローラーを離間させた状態を示す図であり、図18は、2次転写ローラーの位置を修正した状態を示す図であり、図19は、2次転写ローラーを近接させた状態を示す図である。
図16に示されるように、本実施形態における2次転写ローラー61の離接機構は、2次転写ローラー61を軸支するフレーム部材671の端面に当離接する軸間距離調整部674にて構成されている。この軸間距離調整部674は、回動軸674aを中心として回動可能に構成されたカム機構であって、回転位置によってフレーム部材671を押し上げることが可能である。図16は、2次転写ローラー61が転写ベルト40と当接した状態で停止した場合を示している。2次転写ローラー61と転写ベルト40が巻掛けられたベルト駆動ローラー41との軸間距離はL1となっている。この場合、回動軸674aを中心として軸間距離調整部674を矢印で示す方向に回転させることで、フレーム部材671が押し上げられる。この処理は、図14で説明した2次転写ローラー61の離間処理(S106)に対応するものである。
図17は、軸間距離調整部674にてフレーム部材671が押し上げられ、2次転写ローラー61が転写ベルト40から離間した状態が示されている。2次転写ローラー61とベルト駆動ローラー41の軸間距離は、図16のL1からL2(L1<L2)に変更されている。この離間した状態で2次転写ローラー61を適正位置となるように回転させる。この処理は、図14で説明した2次転写ローラー61の位置修正処理(S107)に対応している。
本実施形態では、図に示すように、通常の印刷時とは逆方向の反時計回りの方向に2次転写ローラー61を回転させている。このような回転方向とすることで、転写材詰まりが生じた際には転写材の除去を容易に行うことが可能となる。特に、転写材把持部610が転写材を把持してい状態で停止した場合には、2次転写ローラー61を逆方向に回転させることで転写材を解放させることが可能となるため、転写材の除去が容易となる。
図18は、2次転写ローラー61が適正位置となるように位置修正処理が行われた後の様子を示した図である。2次転写ローラー61の凹部605は、ベルト駆動ローラー51と対向した状態となっている。この状態から再び軸間距離調整部674を矢印の方向に回転させ、2次転写ローラー61を転写ベルト40に近接させる。この処理は、図14で説明した2次転写ローラー61の近接処理(S108)に対応している。
図19は、2次転写ローラー61を近接した後の状態を示した図であり、この図に示されるように2次転写ローラー61の弾性部材607と転写ベルト40とは離間した状態とされている。また、2次転写ローラー61と転写ベルト40との軸間距離は、図16に示した元のL1とされており、次に開始される印刷に速やかに対応することが可能となっている。
以上、本実施形態によれば、2次転写ローラー61と転写ベルト40とを確実に離間させた状態とすることが可能となり、両者の表面の保護を図ることが可能となる。また、2次転写ローラー61と転写ベルト40とを近接させることで、次に開始される印刷に速やかに対応することが可能となる。なお、2次転写ローラー61の離接機構は、このようなフレーム部材671を押し上げるような軸間距離調整部674に限らず、適宜形態のものを採用することとしてもよい。
図20は、本発明の実施形態に係るクリーニング及び印刷開始シーケンスを示す図であ
る。ちょうど、図14で説明したフロー図におけるS109からS102に係る処理に対応するシーケンスとなっている。
時刻t2〜時刻t5では、転写ベルト40を回転させながら転写ベルト40のクリーニングが実行される。この実行期間中、バイアス印加部86にてクリーニングローラー81に印加するバイアス絶対値はV1に設定される。このバイアス絶対値V1は、通常印刷時におけるバイアス絶対値V1よりも大きく設定されている。このようなバイアス設定により、転写ベルト40上に残留するトナーの回収効率を高めることが可能となっている。また、このクリーニング実行期間中には転写ベルト40と2次転写ローラー61とは離間した状態とされているため、転写ベルト40上のトナー像で2次転写ローラー61が汚染されることもない。
クリーニング動作終了後、印刷開始信号が入力(時刻t6)されると、まず、転写ベルト40、感光体10の駆動が開始されて印刷に備える。この段階ではまだ露光ユニット12による感光体10への潜像書き込み、並びに2次転写ローラー61の回転駆動は開始されていない。本実施形態では、このような状態で、再度、クリーニングローラー81に印加するバイアス絶対値をV1(時刻t8〜t12の期間)に設定し、転写ベルト40と感光体10が形成する転写ニップに残留するトナーをクリーニング装置90にて取り除くこととしている。
次に、時刻t9にて露光ユニット12による感光体10への潜像書き込み開始信号が発せられる。この時刻t9は、転写ベルト40と感光体10間に残留するトナーが印刷に影響しないタイミングとされている。潜像書き込み信号が発せられた後、時刻t11にて2次転写ローラー61の駆動が開始される。このように本実施形態では、感光体10に潜像の書き込みを開始した後、2次転写ローラー61を回転させることとしており、転写材への像の転写前に2次転写ローラー61を転写ベルト40と接触させる機会を削減し、2次転写ローラー61の汚染を抑制することが可能となっている。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図21は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。先の実施形態と同様の符号が付されている構成については同様の構成を示しているので詳細な説明を割愛する。先の実施形態では、像担持体として転写ベルト40を用いたのに対し、本実施形態では、像担持体として転写ローラー96(本発明における「像担持体ドラム」)を用いた点において異なっている。また、転写ローラー96には、左記の実施形態で転写ベルト40をクリーニングしたものと同様のクリーニング装置80が、2次転写ニップの下流側に配設されている。
転写ローラー96上には、現像装置30Y、30M、30C、30Kによってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像が形成される。2次転写ローラー61は、不図示の機構により転写ローラー96側に付勢されており、転写ローラー96と2次転写ローラー61とのニップ部に所定の圧力が得られるようになっている。また、図示はしていないが、この2次転写ローラー61にも、先の実施形態と同様の離接機構が備えられており、2次転写ローラー61と転写ローラー96が当接したまま転写ローラー96のクリーニングが行われることを防ぐことが可能となっている。
先の実施形態と同様に、2次転写ローラー61の端部にはそれぞれ当接部材650が設けられ、転写ローラー96の端部には支持部材690がそれぞれ設けられている。2次転写ローラー61の凹部605が転写ローラー96側に対向したとき、すなわち、2次転写ローラー61の周面が転写ローラー96から離間したときには、当接部材650と支持部材690が当接することで、2次転写ローラー61と転写ローラー96との間の位置関係
を保持することが可能となる。
このように転写部材としてローラー(転写ローラー96)を採用した実施形態においても、先に紹介した転写ベルト40を採用した実施形態と同様の効果が得られることは容易に推測することが可能である。
なお、本明細書においては、種々の実施の形態について説明したが、それぞれの実施の形態の構成を適宜組み合わせて構成された実施形態も本発明の範疇となるものである。
10Y、10M、10C、10K…感光体(像担持体)、11Y、11M、11C、11K…コロナ帯電器、12Y、12M、12C、12K…露光ユニット、13Y、13M、13C、13K…第1感光体スクイーズローラー、13Y'、13M'、13C'、13
K'…第2感光体スクイーズローラー、14Y、14Y'、14M、14M'、14C、1
4C'、14K、14K'…感光体スクイーズローラークリーニングブレード、18Y、18M、18C、18K…感光体クリーニングブレード、20Y、20M、20C、20K…現像ローラー、21Y、21M、21C、21K…現像ローラークリーニングブレード、22Y、22M、22C、22K…コンパクションコロナ発生器、30Y、30M、30C、30K…現像装置、31Y、31M、31C、31K…現像剤容器、32Y、32M、32C、32K…アニロックスローラー、33Y、33M、33C、33K…規制ブレード、34Y、34M、34C、34K…オーガ(供給ローラー)、40…転写ベルト、41…ベルト駆動ローラー、42…テンションローラー、50Y、50M、50C、50K…1次転写部、51Y、51M、51C、51K…1次転写バックアップローラー、60…2次転写ユニット、61…2次転写ローラー、62…2次転写ローラークリーニングブレード、63…ブレード支持部材、64…2次転写ユニット回収貯留部、96…転写ローラー、101…ゲートローラー、102…転写材ガイド、 150…主制御部、16
0…2次転写ローラー制御部、161…2次転写ローラー離接制御部、162…ベルト駆動ローラー制御部、 601…ローラー基材、602…ローラー軸部、605…凹部、6
07…弾性部材、608…プレート、609…固定部材、610…転写材把持部、611…把持部材、612…把持部材受け部、640…転写材剥離部材、650…当接部材、670…回動支軸部、671…フレーム部材、672…付勢部材、674…軸間距離調整部、674a…回動軸、689…ローラー軸部、690…支持部材、 701…カム部材、
702…第1カムフォロワー、703…第1カムフォロワーアーム、704…第1回転軸、711…第1カム面、712…第2カム面、713…第3カム面、714…第4カム面、722…第2カムフォロワー、723…第2カムフォロワーアーム、724…第2回転軸、 80…クリーニング装置、84…滴下装置、841…ノズル、83…塗布ローラー
、85…ならしローラー、831…スポンジ外周部、811…クリーニングローラークリーニングブレード、82…転写部材クリーニングブレード、86…バイアス印加部、88…タンク、881…タンク受け部、882…タンク貯留部、 900…位置検出部、90
1…被検出部材、901a…スリット、902…センサー、903…センサー支持部材

Claims (7)

  1. 周面に凹部を有し、回転により像担持体と当接もしくは離間する転写ローラーと前記像担持体とを転写材を介して当接することにより、前記像担持体に担持された像を前記転写材に転写し、
    前記転写材に前記像を転写した後、前記転写ローラーの回転により前記転写ローラーと前記像担持体とを離間させ、
    前記転写ローラーと前記像担持体とが離間した状態で前記転写ローラーを停止し、
    前記転写ローラーが停止した後、前記像担持体を移動させてクリーニング部材で前記像担持体をクリーニングすることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記像担持体をクリーニングした後、前記像担持体に前記像を転写する潜像担持体に潜像を形成し、
    前記潜像担持体に前記潜像の形成を開始した後、前記転写ローラーを回転させる請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記像担持体は、ローラーに巻き掛けられた像担持体ベルト、もしくは像担持体ドラムである請求項1または請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 像を担持する像担持体と、
    周面に凹部を有し、回転により前記像担持体と当接または離間する転写ローラーと、
    前記像担持体をクリーニングするクリーニング部材と、
    回転により前記転写ローラーを前記像担持体と離間した位置で停止させるとともに、前記転写ローラーが回転を停止している時に前記像担持体を移動させて前記クリーニング部材で前記像担持体をクリーニングさせる制御部と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記転写ローラーの回転位置を検出する回転位置検出部を有し、
    前記制御部は、前記回転位置検出部の検出結果に基づいて、前記転写ローラーの回転を停止する請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記クリーニング部材は、前記像担持体と当接してバイアスが印加されるクリーニングローラーと、前記クリーニングローラーに塗布液を塗布する塗布部材と、を有する請求項4または請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記凹部に転写材を把持する把持部を有する請求項4から請求項6の何れか1項に記載の画像形成装置。
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