JP4152416B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
そして、トナーを静電的に除去するクリーニング手段によって転写用部材表面に付着している所定極性の帯電トナーを静電気力で除去する。よって、逆極性トナーによる転写材の裏汚れを軽減できる。
また、静電気力を用いるため、例えばクリーニング用部材としてクリーニングブレードのような機械的な摺擦力やトナー堰き止め力といった機械的な力のみでクリーニングするものを用いる場合には比し、転写用部材表面やクレーニング用部材の機械的な損傷が少ない。よって、転写用部材表面やクレーニング用部材の機械的損傷による劣化、及び、この劣化に伴う部材交換作業負担を軽減できるという特有の効果を奏することができる。
また、吸着手段により転写用部材上の転写材に上記所定極性とは逆の極性の電荷を付与し、転写材を転写用部材に吸着させる。これにより、転写部での転写材搬送を安定させ、像担持体と転写材との相対位置ずれによる転写不良を軽減する。
更に、転写材が転写用部材に存在しない期間に、付与する電荷の極性を切り替え可能に構成した吸着手段の付与電荷極性を、所定極性にして作動させて、転写用部材表面のトナーを所定極性チャージアップする。このように、吸着手段を上記トナーチャージアップ手段として兼用することにより、部品点数やコストの軽減あるいは装置の小型化を図ることができる。
ここで、この請求項1では、吸着手段が転写材に接触配置した回転可能な電極ローラを用いるものであるため、転写用部材表面に付着している所定極性の帯電トナーが電極ローラ表面に転移するおそれがある。この転移は、配置設定(例えば転写材が介在しない状態で電極ローラと転写用部材とが互いに接触する配置設定)や互いの電位状態の設定により、転写材が介在しない時期に転写用部材表面と直接対向することにより生じる。このような電極ローラ表面への所定極性の帯電トナーの転移が生じると、この転移した所定極性の帯電トナーが、その後に電極ローラに接触する転写材の表面に転移して転写材の表面のトナー汚れを生じてしまう。
そこで、この請求項1の発明においては、上記転写材供給手段で該転写用部材に転写材が供給されるとき、該転写材供給手段からの転写材が該電極ローラとの接触部に到達する前に、付与電荷の極性を切り替え可能に構成した吸着手段に上記所定極性の電荷を電極ローラに付与する動作を行わせる。この電荷付与で電極ローラに付着している所定極性の帯電トナーを電極ローラから転写用部材に転移させて、電極ローラをクリーニングする。これにより、その後に電極ローラに接触する転写材の表面のトナー汚れを軽減する。
また、請求項1の発明においては、所定極性の電荷を該電極ローラに付与する動作を該吸着手段に行わせた後、上記転写材供給手段からの転写材が該電極ローラとの接触部に到達するときから、該電極ローラの一回転分の時間以上前に、上記吸着手段で印加する電荷を上記所定の極性から上記所定の極性とは逆極性へ切り替える。
そして、上記所定極性の電荷を付与する動作を、該電極ローラの1回転以上の時間行わせるので、転写材供給手段からの転写材が電極ローラとの接触部に到達する前に、電極ローラの全周について上記クリーニングを行うことができる。
しかも、上記クリーニング用電界形成手段は、所定極性の帯電トナークリーニング用部材側に吸引するものであるため、上記電極ローラのクリーニングに伴って電極ローラから転写用部材に転移した所定極性のトナーを良好に転写用部材からクリーニングすることができる。
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のカラーレーザプリンタ(以下「レーザプリンタ」という)に適用した実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係るレーザプリンタの概略構成図である。このレーザプリンタは、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成部1Y、1M、1C、1K(以下、各符号の添字Y、M、C、Kは、それぞれイエロー、マゼンダ、シアン、黒用の部材であることを示す)を有する。これらは、転写材としての転写紙の移動方向(図中の矢印A方向)に沿って、上流側から上述の順に配置されている。各トナー像形成部1Y、1M、1C、1Kはそれぞれ、像担持体としての感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kを有する感光体ユニットと、現像ユニットとを備えている。各感光体ユニット内の感光体ドラムの回転軸は互いに平行であり、また転写紙移動方向に所定のピッチの間隔をおいた位置に設定されている。
図3において、トナー像形成部1Yは、前述のように感光体ユニット10Y及び現像ユニット20Yを備えている。
感光体ユニット10Yは、感光体ドラム11Yのほか、該感光体ドラム表面に潤滑剤を塗布するブラシローラ12Y、該感光体ドラム表面をクリーニングする揺動可能なカウンタブレード13Y、該感光体ドラム表面を一様帯電する非接触型の帯電ローラ15Y等を備えている。各感光体ユニットの感光体ドラムとしては、表面に有機感光体(OPC)層を有する直径が30mmの感光体ドラムを用いた。
上記現像ユニット20Yは、磁性キャリア及び所望の帯電極性(以下、正規極性という。)であるマイナスに帯電したトナーを含む二成分現像剤を使用している。そして、現像ケース21Yの感光体ドラム側の開口から一部露出するように配設された現像剤担持体としての現像ローラ22Yや、搬送スクリュウ23Y,24Y、現像ドクタ25Y、トナー濃度センサ(Tセンサ)26Y、粉体ポンプ27Y等を備えている。現像ケース21Y内に収容された現像剤は搬送スクリュウ23Y,24Yで撹拌搬送されることにより摩擦帯電される。そして、該現像剤の一部が現像ローラ22Yの表面に担持され、現像ドクタ25Yで層厚が規制された後、感光体ドラム11Yと対向する現像位置に搬送される。現像位置では、現像ローラ上の現像剤中のトナーにより感光体ドラム11Y上の静電潜像が現像される。現像ケース21Y内の現像剤のトナー濃度は上記トナー濃度センサ26Yで検知され、必要に応じて粉体ポンプ27Yによりトナーが補給される。
本実施形態においては、上記転写バイアス電源9Y、9M、9C、9Kとして、トナーの正規極性とは逆の極性であるプラスの極性の定電流電源が用いられる。このうち、転写紙搬送範囲で転写搬送ベルト60の移動方向最下流に位置する黒用の感光体9Kに対応する転写バイアス電源9Kは、例えばプラス15μAとプラス10μAで電流値切り替え可能に構成されている。各転写バイアス電源のオン・オフ及び黒用の転写バイアス電源9Kの電流値切り替えの制御も上記本体制御板により行われる。この本体制御板による制御についても後に詳述する。
図4(a)に示すカラーモード実行時には、スプリング604の付勢力に抗して転写サブユニット601の揺動端部の下面を押し上げる位置に、偏心カム603を回転させる。これにより、転写搬送ベルト60とすべての感光体ドラムとが接触し、各感光体ドラム上の各色のトナー像を転写搬送ベルト60上の転写紙に重ね合わせて転写できる状態となる。
図4(b)に示すモノクロモード実行時には、上記転写サブユニット601の揺動端部に対する押上げ力が解除される位置に、偏心カム603を回転させる。これにより、スプリング604の付勢力で転写サブユニット601の揺動端部が押し下げられ、転写搬送ベルト60とカラー用の感光体ドラム11Y、11M、11Cとが離間し、感光体ドラム11K上の黒色のトナー像のみを転写搬送ベルト60上の転写紙に転写できる状態となる。
また、本実施形態では、レーザプリンタの電源投入直後の初期動作時や適宜実行される転写搬送ベルト60のクリーニング動作時には、黒用の感光体ドラム11Kのみが転写搬送ベルト60と接触する図4(b)の状態をとる。
レーザプリンタの電源がONされると、感光体ドラム11Kの駆動モータがONされ感光体ドラム11Kが回転駆動するのと同時に、転写搬送ベルト60、クリーニングローラ71、及び吸着ローラ65の回転駆動も開始される。また、これと同期して、クリーニングローラ71にクリーニング用のプラス電圧が印加される。これにより、電源がONされてからしばらくの間は、転写搬送ベルト60に付着した正規極性(マイナス)帯電トナーのクリーニングが行われる。このとき、転写搬送ベルト上の正規極性(マイナス)帯電トナーをクリーニングローラ71に転移されやすくするために、吸着ローラ65には、転写材吸着用の電圧とは逆極性の負電圧が印加される。また、感光体ドラム11表面に付着している逆極性(プラス)に帯電しているトナーが転写搬送ベルト60表面に転移しにくくなるように、転写バイアス印加部材67には、画像形成動作における転写時の転写バイアスと同じプラス電圧が印加される。このプラス電圧は後述する転写時と同様にプラス15μAで定電流制御してもよいが、本実施形態では、転写紙が介在しない状態での転写バイアス印加による感光体上の電位履歴を少なくするため、弱めの転写電界にすべくマイナス10μAで定電流制御される。なお、転写バイアス印加部材68への電圧印加は、感光体ドラム11の駆動モータがONされてからT1だけ遅れて開始される。この遅れ時間T1は、感光体ドラム11Kの駆動モータの立ち上がりに要する時間である。
外部からのプリント開始信号が入力されると、まず、感光体ドラム11Kの駆動モータがONされ感光体ドラム11Kが回転駆動するのと同時に、転写搬送ベルト60、クリーニングローラ71、及び吸着ローラ65の回転駆動も開始される。また、これと同期して、クリーニングローラ71にクリーニング用の正電圧が印加されるとともに、吸着ローラ65に、上述したように転写搬送ベルト上のマイナス帯電トナーをクリーニングローラ71に転移されやすくするためのマイナス2KVの電圧が逆極性の電源65bから印加される。次に、帯電ローラ15Kへの電圧印加が、T1だけ遅れて開始される。この遅れ時間T1は、感光体ドラム11Kの駆動モータの立ち上がりに要する時間である。また、帯電ローラ15Kへ電圧が印加された後、転写バイアス印加部材67Kへの転写バイアス印加が、T2だけ遅れて開始される。この転写バイアスは、上記初期動作時と同様、転写紙が介在しない状態での転写バイアス印加による感光体上の電位履歴を少なくするため、弱めの転写電界にすべくマイナス10μAで定電流制御される。また、この遅れ時間T2は、感光体ドラム11Kの帯電領域が転写位置まで移動するのに要する時間である。
上記実施形態1では、転写用部材として転写搬送ベルト上に担持している転写紙に感光体ドラム上のトナー像を転写する画像形成装置に本発明を適用したものであるが、本発明は、いわゆる中間転写体上のトナー像を転写用部材上の転写紙に転写する画像形成装置にも適用できる。
図7は、ベルト状の中間転写ベルト201を用いたレーザプリンタにおけるベルト装置としての中間転写ユニット200の一構成例を示している。このレーザプリンタにおいて、中間転写ベルト201は、複数の支持ローラ202〜205で掛け回され図中矢印方向に回転駆動されている。各トナー像形成部の感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上の形成されたトナー像は、中間転写ベルト201を挟んで各感光体ドラムに対向するように設けられた1次転写ローラ206Y、206M、206C、206K及び1次転写バイアス用電源209Y、209M、209C、209Kで形成された1次転写電界により、中間転写ベルト201上に順次転写される。そして、この中間転写ベルト201上のカラー画像は、4色目の黒のトナー像形成部の近傍に設けられた2次転写部において、転写搬送ベルト60上に担持されている転写紙100に一括して2次転写される。この転写搬送ベルト60は実施形態1のプリンタにおける転写搬送ベルト60と同様に、バイアスクリーニング方式のクリーニング装置70を採用し、また、吸着ローラ65を用いている。対応する部材には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態においても、1次転写バイアスや2次転写バイアスの少なくとも一方を非転写時期に正規極性のトナーと逆の極性にバイアスすれば、それぞれ転写元の部材(一次転写にあっては感光体11、二次転写にあっては中間転写ベルト201)上に付着している逆極性トナーが転写先側の部材(一次転写にあっては中間転写ベルト201、二次転写にあっては転写搬送ベルト60)に転移して汚れることを軽減できる。また、図示の例のように、転写先側の部材のクリーニング装置としてバイアスクリーニング方式のものを用いている場合に、このバイアスクリーニング方式ではクリーニングしにくい、逆極性トナーが上記転写元の部材から転移するのを抑制でき、好適である。
そして、吸着ローラ65をチャージアップ手段として兼用したり、吸着ローラ65に転写紙対向以前から吸着用電源65aからの電圧印加を開始したり、複数の感光体ドラムのうち最下流の感光体ドラムについての転写バイアスのみ非転写時に転写バイアスを印加したりすれば、実施形態1と同様の利点が生じる。
6 転写ユニット
9 転写バイアス電源
10 感光体ユニット
11 感光体ドラム
20 現像ユニット
60 転写搬送ベルト
61〜64 支持ローラ
70 クリーニング装置
71 クリーニングローラ
73 対向ローラ
75 クリーニングバイアス電源
100 転写紙
200 中間転写ユニット
201 中間転写ベルト
202〜205 支持ローラ
210 クリーニング装置
211 クリーニングローラ
213 対向ローラ
Claims (4)
- 所定極性の帯電トナーからなるトナー像が形成される像担持体と、該像担持体に対向する転写部を含む無端経路にそって表面が移動し該転写部で該像担持体に転写材を対向させる転写用部材と、該転写部に上記所定極性のトナーを該像担持体から該転写用部材側に移動させる向きの電界を形成する転写電界形成手段とを有する画像形成装置において、
上記転写用部材上のトナーを静電的に除去するクリーニング手段と、
上記転写用部材表面に付着しているトナーに上記所定極性の電荷を付与してチャージアップさせるトナーチャージアップ手段と、
上記転写用部材上の転写材に上記所定極性とは逆の極性の電荷を付与して該転写用部材に該転写材を吸着させる吸着手段とを設け、
該吸着手段で付与する電荷の極性を切り替え可能に構成し、該吸着手段を該トナーチャージアップ手段として兼用し、
上記転写用部材に転写材を供給する転写材供給手段を設け、
上記吸着手段は、上記転写用部材上に供給された転写材に接触する回転可能な電極ローラを介し上記所定極性とは逆の極性の電荷を付与して該転写用部材に該転写材を吸着させるように構成し、
上記転写材供給手段で該転写用部材に転写材が供給されるとき、該転写材供給手段からの転写材が該電極ローラとの接触部に到達する前に、上記所定極性の電荷を該電極ローラに付与する動作を該吸着手段に行わせ、
その後、上記転写材供給手段からの転写材が該電極ローラとの接触部に到達するときから、該電極ローラの一回転分の時間以上前に、上記吸着手段で印加する電荷を上記所定の極性から上記所定の極性とは逆極性へ切り替えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記所定極性の電荷を上記電極ローラに付与する動作を、該電極ローラの1回転以上の時間行わせることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2の画像形成装置において、
上記転写用部材の表面に対向するクリーニング用部材と、該クリーニング用部材と該転写用部材との間に上記所定極性の帯電トナーを該クリーニング用部材側に吸引するクリーニング用電界を形成するクリーニング用電界形成手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2又は3の画像形成装置において、
上記像担持体がトナー像が形成された他の像担持体からトナー像が転写される中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
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