JP2011106549A - 減衰力可変ダンパ - Google Patents
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Abstract
【目的】駆動伝達ケーブルを減衰力調整手段の軸部材へ着脱自在に取付ける。
【構成】シリンダ10と、この内部を摺動するピストン11が一端部に設けられたピストンロッド3と、ピストンによって区画されたシリンダ内の2室12・13を連通して減衰力を発生するオリフィス通路16と、ピストンロッド3の軸心部へ回転自在に支持され回転によって減衰力を調節するコントロールロッド4と、この一端へジョイント20を介して取付けられる駆動伝達ケーブル5とを備え、ジョイント20は、軸部21とこの軸部21を貫通してコントロールロッド4と同軸上に位置するケーブルガイド穴24とを備え、軸部21をピストンロッド3の軸端部に嵌合することにより、駆動伝達ケーブル5とコントロールロッド4を一体回転自在に連結するとともに、ジョイント20をピストンロッド3へ止めネジ28で着脱自在に結合する。
【選択図】図3
【構成】シリンダ10と、この内部を摺動するピストン11が一端部に設けられたピストンロッド3と、ピストンによって区画されたシリンダ内の2室12・13を連通して減衰力を発生するオリフィス通路16と、ピストンロッド3の軸心部へ回転自在に支持され回転によって減衰力を調節するコントロールロッド4と、この一端へジョイント20を介して取付けられる駆動伝達ケーブル5とを備え、ジョイント20は、軸部21とこの軸部21を貫通してコントロールロッド4と同軸上に位置するケーブルガイド穴24とを備え、軸部21をピストンロッド3の軸端部に嵌合することにより、駆動伝達ケーブル5とコントロールロッド4を一体回転自在に連結するとともに、ジョイント20をピストンロッド3へ止めネジ28で着脱自在に結合する。
【選択図】図3
Description
この発明は、自動車のサスペンション等に用いられる減衰力可変ダンパに係り、特に減衰力を調整するための調節軸を駆動伝達ケーブルで回転させる形式において、駆動伝達ケーブルを調節軸へ容易に結合・分離できるようにしたものに関する。
減衰力可変ダンパは公知であり、例えば、作動液が充填されたシリンダと、このシリンダ内を摺動するピストンと、このピストンが一端部に設けられたピストンロッドと、このピストンによって区画されたシリンダ内の2室を連通し作動液の移動によって減衰力を発生するようピストンに設けられた複数の開口面積が異なるオリフィス通路と、このオリフィス通路の一つを選択するディスク状の減衰力調整バルブと、この減衰力調整バルブを一端に取付けかつピストンロッドの軸心部に設けられた軸穴内へ回転自在に支持された軸部材とを備え、この軸部材を回転させることによって、一体に回転する減衰力調整バルブで一つのオリフィス通路を選択して減衰力を変化させるようにしたものがある(特許文献1参照)。
上記軸部材を回転させて減衰力を調整操作する場合、操作性や組付性等を考慮して駆動伝達ケーブルを介した軸部材で駆動することが考えられ、この場合は、駆動伝達ケーブルと軸部材を直接固着することが考えられる。
ところで、上記のように駆動伝達ケーブルと軸部材を直接固着する構造は、ダンパ組立工程の途中で駆動伝達ケーブルを組み付け、その後は駆動伝達ケーブルを取付けた状態で組立作業を続けることになり、駆動伝達ケーブルが邪魔になって生産性を低下させるおそれがあり、これを解消するため、例えば、性能確認測定設備等の生産設備に対する大幅な改修が必要になった。このため、駆動伝達ケーブルをダンパーの組立後に組込可能にすることが望まれていた。
また、組立後のメンテナンス時において、駆動伝達ケーブルの交換等、ケーブルについてメンテナンスする場合は、駆動伝達ケーブルだけを取り外すことができず、ダンパーの分解を要する大がかりなものになった。しかも、非分解式ダンパーの場合はこのような分解もできず、ダンパー自体の交換となって不経済であった。このため、駆動伝達ケーブルのみを取り外して交換等できるようメンテナンス性を向上させることが望まれていた。
さらに、駆動伝達ケーブルをピストンロッドの軸穴へ差し込んで軸部材の結合部を軸穴内へ配置させた場合は、ピストンロッドの軸端部から軸穴へ侵入する水や塵に対する効果的な防水・防塵構造が求められた。そのうえ、駆動伝達ケーブルのワイヤー部が露出させずに外観性を向上させることも求められた。
そこで、本願はこのような要請の実現を目的とする。
ところで、上記のように駆動伝達ケーブルと軸部材を直接固着する構造は、ダンパ組立工程の途中で駆動伝達ケーブルを組み付け、その後は駆動伝達ケーブルを取付けた状態で組立作業を続けることになり、駆動伝達ケーブルが邪魔になって生産性を低下させるおそれがあり、これを解消するため、例えば、性能確認測定設備等の生産設備に対する大幅な改修が必要になった。このため、駆動伝達ケーブルをダンパーの組立後に組込可能にすることが望まれていた。
また、組立後のメンテナンス時において、駆動伝達ケーブルの交換等、ケーブルについてメンテナンスする場合は、駆動伝達ケーブルだけを取り外すことができず、ダンパーの分解を要する大がかりなものになった。しかも、非分解式ダンパーの場合はこのような分解もできず、ダンパー自体の交換となって不経済であった。このため、駆動伝達ケーブルのみを取り外して交換等できるようメンテナンス性を向上させることが望まれていた。
さらに、駆動伝達ケーブルをピストンロッドの軸穴へ差し込んで軸部材の結合部を軸穴内へ配置させた場合は、ピストンロッドの軸端部から軸穴へ侵入する水や塵に対する効果的な防水・防塵構造が求められた。そのうえ、駆動伝達ケーブルのワイヤー部が露出させずに外観性を向上させることも求められた。
そこで、本願はこのような要請の実現を目的とする。
上記課題を解決するため減衰力可変ダンパに係る請求項1に記載した発明は、作動液が充填されたシリンダと、このシリンダ内を摺動するピストンと、このピストンが一端部に設けられたピストンロッドと、ピストンによって区画されたシリンダ内の2室を連通し作動液の移動によって減衰力を発生するオリフィス通路と、この減衰力を可変調節する減衰力調整手段と、この減衰力調整手段を一部をなしピストンロッドの軸心部に設けられた軸穴内へ回転自在に支持される調節軸と、この調節軸の一端へジョイント部材を介して取付けられる駆動伝達ケーブルとを備え、この駆動伝達ケーブルへ与えられた回転駆動力により調節軸を回転させることにより減衰力を調整するようにした減衰力可変ダンパにおいて、
前記ジョイント部材は、前記ピストンロッドの軸端部に嵌合する嵌合部と、この嵌合部を貫通して前記調節軸と同軸上に位置するケーブルガイド穴とを備え、
このケーブルガイド穴へ前記駆動伝達ケーブルの一端部を通した状態で前記嵌合部を前記ピストンロッドの軸端部に嵌合することにより前記駆動伝達ケーブルと調節軸を一体回転自在に連結するとともに、
前記ジョイント部材をピストンロッドに対して抜け止め手段により着脱自在に抜け止めして結合したことを特徴とする。
前記ジョイント部材は、前記ピストンロッドの軸端部に嵌合する嵌合部と、この嵌合部を貫通して前記調節軸と同軸上に位置するケーブルガイド穴とを備え、
このケーブルガイド穴へ前記駆動伝達ケーブルの一端部を通した状態で前記嵌合部を前記ピストンロッドの軸端部に嵌合することにより前記駆動伝達ケーブルと調節軸を一体回転自在に連結するとともに、
前記ジョイント部材をピストンロッドに対して抜け止め手段により着脱自在に抜け止めして結合したことを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、上記請求項1において、前記ジョイント部材は前記嵌合部とこの嵌合部から径方向外方へ一体に突出するフランジ部とを備え、前記嵌合部は前記ピストンロッドの軸穴内へ嵌合し、前記フランジ部は前記ピストンロッドの軸端面へ当接するストッパをなすことを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、上記請求項1において、前記ジョイント部材は有底筒状をなし、筒状部分は前記ピストンロッドの軸端部へ外嵌する前記嵌合部をなし、底部は前記ピストンロッドの軸端面へ当接するストッパをなすことを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、上記請求項2又は3において、前記ジョイント部材は前記ピストンロッドの外方へ突出するとともに前記嵌合部のケーブルガイド穴と連続するケーブル通路を有する中空のケーブルカバーを一体に備え、前記駆動伝達ケーブルを前記ケーブルカバーの前記ケーブル通路へ通し、さらに前記嵌合部のケーブルガイド穴へ通すことを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、上記請求項1〜4のいずれかにおいて、前記抜け止め手段による結合は、前記ジョイント部材とピストンロッドとの間における係合であることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、上記請求項1〜5のいずれかにおいて、前記抜け止め手段は、前記ジョイント部材の嵌合部とピストンロッドとの間に設けられるクリック機構であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載した減衰力可変ダンパ。
請求項7に記載した発明は、上記請求項1〜4のいずれかにおいて、前記抜け止め手段による結合は、前記ジョイント部材とピストンロッドとの間におけるネジ結合であることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、ジョイント部材を介して駆動伝達ケーブルを調節軸の端部へ連結するとともに、ジョイント部材の嵌合部をピストンロッドの端部へ嵌合し、抜け止め手段により着脱自在に抜け止めして結合でき、しかも、嵌合部のケーブルガイド穴へ駆動伝達ケーブルの一端部を通しておくことによって、嵌合部とピストンロッドの連結と同時に調節軸と駆動伝達ケーブルを一体回転自在に連結できる。
したがって、駆動伝達ケーブルを除くダンパー本体を組立後に、駆動伝達ケーブルを組付できるので、生産性を損なうことなく生産設備の改修を不要にすることができる。
そのうえ、ケーブルガイド穴が調節軸と同軸上にあるから、駆動伝達ケーブルを調節軸と同軸上で連結でき、連結部に対する応力集中が低減されるので、耐久性も向上する。
また、メンテナンス時には駆動伝達ケーブルのみを着脱可能になり、ダンパーの分解をすることなくメンテナンスできるので、メンテナンス性が向上する。
したがって、駆動伝達ケーブルを除くダンパー本体を組立後に、駆動伝達ケーブルを組付できるので、生産性を損なうことなく生産設備の改修を不要にすることができる。
そのうえ、ケーブルガイド穴が調節軸と同軸上にあるから、駆動伝達ケーブルを調節軸と同軸上で連結でき、連結部に対する応力集中が低減されるので、耐久性も向上する。
また、メンテナンス時には駆動伝達ケーブルのみを着脱可能になり、ダンパーの分解をすることなくメンテナンスできるので、メンテナンス性が向上する。
請求項2に記載した発明によれば、ジョイント部材を嵌合部とフランジ部で構成し、嵌合部をピストンロッドの軸穴内へ嵌合することで嵌合部の周囲をピストンロッドの軸穴内周面へ当接固定し、同時にフランジ部がピストンロッドの軸端面へ当接することにより軸方向のストッパをなすので、ジョイント部材をピストンロッドへ確実に連結固定できる。
そのうえ、駆動伝達ケーブルと調節軸との同軸上における連結を維持できる。
そのうえ、駆動伝達ケーブルと調節軸との同軸上における連結を維持できる。
請求項3に記載した発明は、ジョイント部材が有底筒状をなし、筒状部分がピストンロッドの軸端部へ外嵌する嵌合部をなし、底部がピストンロッドの軸端面へ当接するストッパをなすので、ジョイント部材をピストンロッドの軸端部へ外嵌することにより、ピストンロッドへ容易かつ確実に連結固定できる。
そのうえ、駆動伝達ケーブルと調節軸との同軸上における連結を維持できる。
そのうえ、駆動伝達ケーブルと調節軸との同軸上における連結を維持できる。
請求項4に記載した発明によれば、ジョイント部材にピストンロッドの外方へ突出する中空のケーブルカバーを一体に設け、このケーブルカバーのケーブル通路へ駆動伝達ケーブルを通し、さらに連続する嵌合部のケーブルガイド穴へ通すことができる。このため、ケーブルカバーにより駆動伝達ケーブルの軸部材へ連結する端部周囲を覆うことができ、かつジョイント部材がピストンロッドの軸穴を塞ぐから、ピストンロッドの軸端部に対する効果的な防水・防塵構造が得られる。しかも、駆動伝達ケーブルのワイヤー部が露出させずに外観性を向上させることができる。
請求項5に記載した発明によれば、抜け止め手段による結合をジョイント部材とピストンロッドとの間における係合としたので、係合により簡単かつ迅速に駆動伝達ケーブルを着脱自在にすることができる。
請求項6に記載した発明によれば、抜け止め手段をジョイント部材の嵌合部とピストンロッドとの間に設けられるクリック機構とすることにより、さらに着脱作業を容易にすることができる。
請求項7に記載した発明によれば、抜け止め手段による結合をジョイント部材とピストンロッドとの間におけるネジ結合としたので、着脱容易な結合を簡単に実現できる。
以下、図面に基づいて一実施形態を説明する。なお、以下の説明において上下・左右とは図2におけるダンパ本体の図示状態を基準とする。また、内外とはダンパ本体の中心側を内方とする。
図1は4輪自動車の前輪に設けられる左右のストラットダンパ1を示す概略図である。左右のストラットダンパ1はそれぞれダンパ本体2と、その上端から上方へ突出するピストンロッド3の軸心部へ回転自在に支持されたコントロールロッド4に一端を連結された駆動伝達ケーブル5と、その他端が連結された減衰力アジャスタ6を備える。ダンパ本体2は前輪のサスペンションアームへ固定され、ピストンロッド3は車体側へ固定される。
図1は4輪自動車の前輪に設けられる左右のストラットダンパ1を示す概略図である。左右のストラットダンパ1はそれぞれダンパ本体2と、その上端から上方へ突出するピストンロッド3の軸心部へ回転自在に支持されたコントロールロッド4に一端を連結された駆動伝達ケーブル5と、その他端が連結された減衰力アジャスタ6を備える。ダンパ本体2は前輪のサスペンションアームへ固定され、ピストンロッド3は車体側へ固定される。
駆動伝達ケーブル5は長さ方向において自由に曲げることができるとともに、捩りに対する剛性が高く、一端を駆動手段で回転させることにより、その回転を他端へ高い伝達効率で従動側へ伝達して回転させることができる公知の部材である。
駆動伝達ケーブル5を用いると、駆動側と従動側との間を自由に曲げて連結できるので、駆動側及び従動側の部材並びに駆動伝達ケーブル5自体の配置が自由になり、これらの配置における自由度を高くすることができる。
駆動伝達ケーブル5を用いると、駆動側と従動側との間を自由に曲げて連結できるので、駆動側及び従動側の部材並びに駆動伝達ケーブル5自体の配置が自由になり、これらの配置における自由度を高くすることができる。
減衰力アジャスタ6は左右のストラットダンパ1の中間部に一つ設けられ、後述する調整方法により調整することにより、駆動伝達ケーブル5を介して左右のコントロールロッド4を同時に回転させると、左右のストラットダンパ1の減衰力を左右同時に同期して調整できるようになっている。
7は駆動伝達ケーブル5と減衰力アジャスタ6の結合に用いられるフィッティングソケット、8は手動調節用の調整ノブである。但し、モーター等による機械駆動を採用することは任意に可能である。
7は駆動伝達ケーブル5と減衰力アジャスタ6の結合に用いられるフィッティングソケット、8は手動調節用の調整ノブである。但し、モーター等による機械駆動を採用することは任意に可能である。
図2はダンパ本体2の構造を示す断面図である。ダンパ本体2は筒状のカバー9で覆われ、カバー9の底部に設けられた取付リング9aにより図示しないサスペンションアームへ連結される。カバー9の内部にはシリンダ10が設けられ、その内部には作動液が充填されるとともに、ピストンロッド3の先端に取付けられたピストン11がシリンダ10の内周面を摺動するようになっている。
シリンダ10内はピストン11により上側の第1液室12と下側の第2液室13とに区画され、ピストンロッド3の先端に設けられたオリフィス14を介して第1液室12と第2液室13が連通され、第1液室12と第2液室13の間を作動液が移動するとき、オリフィス14により減衰力が発生するようになっている。
ピストンロッド3の上下方向中間部外周側には段部3aが設けられ、この段部3aにより上方の太径部3bから下方(先端)側の細径部3cへ変化する段差状をなす。細径部3cにはピストン11が外嵌されて取付けられる。
ピストンロッド3の軸心部には、軸線C方向に貫通する軸穴3dが設けられ、この軸穴3d内にコントロールロッド4が挿入され、軸線Cを同軸として回転自在に支持されている。
軸穴3dのうちコントロールロッド4の先端側(図の下側)はコントロールロッド4の外径より大きな内径を有してピストンロッド3の軸線方向へ延びる液体通路3eをなす。
ピストンロッド3の先端には環状のオリフィス14がネジ込まれて軸線Cと同軸に取付けられている。
軸穴3dのうちコントロールロッド4の先端側(図の下側)はコントロールロッド4の外径より大きな内径を有してピストンロッド3の軸線方向へ延びる液体通路3eをなす。
ピストンロッド3の先端には環状のオリフィス14がネジ込まれて軸線Cと同軸に取付けられている。
オリフィス14の中心にはオリフィス穴14aが軸線C方向へ貫通形成され、このオリフィス穴14a内へコントロールロッド4の先端に形成されたニードル15が軸方向へ進退するようになっている。ニードル15は先細り状の円錐形状をなし、ニードル15とオリフィス14の間には減衰力発生用の絞り間隙であるオリフィス通路16が形成され、ニードル15の進退により、オリフィス通路16の通路断面積を大小に調整するようになっている。オリフィス通路16は液体通路3eと第2液室13を連通する。
段部3a近傍の太径部3bには軸直交方向に貫通する横孔3fが形成され、液体通路3e及び第1液室12と連通している。したがって、横孔3f・液体通路3e及びオリフィス通路16を介して第1液室12と第2液室13が連通することになり、ピストンロッド3とシリンダ10間における相対的な伸縮動作により第1液室12と第2液室13間を作動液が移動すると、オリフィス通路16にて減衰力が発生する。またニードル15を進退調整してオリフィス通路16の通路断面積を変化させると、これに応じて減衰力が変化する。
軸穴3dのうち、横孔3fの近傍かつ上方には雌ネジ3gが設けられ、ここにコントロールロッド4の外周部で横孔3fより上方となる位置に設けられた雄ネジ17とネジ結合するようになっている。
コントロールロッド4を軸線回りに回転させると、雌ネジ3gと雄ネジ17とのネジ結合によりコントロールロッド4が軸方向へ進退し、その結果、ニードル15がオリフィス14に対して進退して減衰力を調整するようになっている。
コントロールロッド4を軸線回りに回転させると、雌ネジ3gと雄ネジ17とのネジ結合によりコントロールロッド4が軸方向へ進退し、その結果、ニードル15がオリフィス14に対して進退して減衰力を調整するようになっている。
すなわち、コントロールロッド4を回転させてニードル15をオリフィス14内へ進めれば、先細り状の円錐形状をなすニードル15とオリフィス14の間隙であるオリフィス通路16の通路断面積が狭くなる。このため、作動液は、第2液室13−オリフィス通路16−液体通路3e−横孔3f−第1液室12間を移動し、このときオリフィス通路16で絞られてより大きな減衰力を発生する。反対にコントロールロッド4を逆転すれば減衰力を小さくすることができる。
このように、コントロールロッド4を正・逆いずれ側へ回転させてニードル15を進退させることでオリフィス通路16の通路断面積を変化させて減衰力を調整するようにした減衰力可変のダンパ自体は公知であるが、1つの減衰力アジャスタ6を調整するだけで複数のストラットダンパ1における減衰力をそれぞれ同期させて同時に調整できるようにした点で、操作性を大きく向上させることができる。また、コントロールロッド4への駆動力伝達機構を簡素化でき、部品点数を削減してコストダウンが可能になる。
図3は駆動伝達ケーブル5の両端における結合構造を示す断面図、図4は駆動伝達ケーブル5とコントロールロッド4の連結部におけるジョイント構造を示す分解断面図である。
図3に示すように、駆動伝達ケーブル5の一端はジョイント20によりコントロールロッド4と着脱自在に取付けられている。また他端にはフィッティングソケット7が設けられ、ワンタッチ式に減衰力アジャスタ6のドライブシャフト(後述)と着脱自在に結合するようになっている。
図3に示すように、駆動伝達ケーブル5の一端はジョイント20によりコントロールロッド4と着脱自在に取付けられている。また他端にはフィッティングソケット7が設けられ、ワンタッチ式に減衰力アジャスタ6のドライブシャフト(後述)と着脱自在に結合するようになっている。
駆動伝達ケーブル5は合成樹脂等のアウターチューブ30とその中に通される鋼線等からなる剛体でかつ曲げが自在のインナーワイヤ31からなり、インナーワイヤ31はアウターチューブ30によって被覆されている。ジョイント20側となるインナーワイヤ31の先端は断面円の対向2辺を平行に切り欠いた状態の2面幅形状もしくは6角形等の多角形をなす非円形断面とした結合端32をなす。
ジョイント20は図4にも示すように、金属等を鋳造等で形成した剛性の高い部材であり、ピストンロッド3の軸端に形成された軸穴3d内へ密に嵌合する軸部21と、その周囲から径方向外方へ張り出してコントロールロッド4の軸端面3h上へ重なるフランジ22と、このフランジ22の中心から一体にコントロールロッド4の軸線方向へ延出し、上端側が横を向くように曲がる曲管状のケーブルカバー23を一体に有する。なお、ジョイント20は金属に代えて剛性の高い樹脂製であっても良い。
軸部21の中心はインナーワイヤ31を通し、結合端32を含むインナーワイヤ31の端部を軸線C上に保持するためのケーブルガイド穴24をなす。ケーブルガイド穴24は軸穴3dと同軸をなし、軸線Cの上に重なっている。軸部21の外周部は一部が細径部21aをなしている。
ケーブルカバー23はパイプ状をなし、長さ方向に貫通する中空部はインナーワイヤ31を通し、曲げた状態に保持するためのケーブル通路23aをなす。ケーブル通路23aとケーブルガイド穴24はフランジ22において連通かつ連続している。なお、ケーブルカバー23は軸部21と別体に形成してから軸部21へ結合してもよい。このときケーブルカバー23側にもフランジ2と重なるフランジを一体に形成し、これら両フランジを結合してケーブルカバー23と軸部21とを一体化してもよい。
ジョイント20のケーブルガイド穴24にはインナーワイヤ31が通され、その下端となる結合端32は軸部21の下端から下方へ突出し、別体に形成されたジョイントピース25の上端に形成された連結穴26へ嵌合される。連結穴26も結合端32を嵌合する非円形断面の穴をなし、インナーワイヤ31を抜き差し自在とするが、インナーワイヤ31がその軸線回りに回転するとき、一体に回転するよう回り止めされて結合する。
ジョイントピース25は軸穴3d内へ回転自在に挿入され、その下端にも連結穴27が設けられ、コントロールロッド4の上端に形成された結合突起18が嵌合する。連結穴27と結合突起18は互いに回り止めされて嵌合する非円形断面となっている。したがって、インナーワイヤ31が回転すると、軸部21に回転自在に支持された結合端32が回転し、さらにジョイントピース25を介してコントロールロッド4が一体に回転する。
ジョイント20の軸部21は軸穴3d内へ嵌合されると、細径部21aに対応するピストンロッド3の軸端部側面に設けられた横穴28から止めネジ29が挿入され、その先端が軸穴3d内へ突出して細径部21aへ入ることにより、抜け止めされる。
したがって、予め駆動伝達ケーブル5の一端を取付けたジョイント20及びジョイントピース25を軸穴3d内へ入れて止めネジ29を取付ければ、駆動伝達ケーブル5をコントロールロッド4に抜け止め状態で簡単に連結でき、逆に止めネジ29を抜き取ればジョイント20を軸穴3dから抜き取ることにより、駆動伝達ケーブル5をコントロールロッド4と容易に分離できる。このため、ストラットダンパ1を分解せずに駆動伝達ケーブル5を着脱可能となり、組立性及びメンテナンス性が向上する。
また、軸部21はピストンロッド3に対して嵌合により確実に固定され、かつ軸部21の外周部がピストンロッド3の軸穴3d内面に密接し、さらにフランジ22がピストンロッド3の軸端3hに当接することで、軸部21がピストンロッド3に対して傾かない。
このため、駆動伝達ケーブル5が軸線Cと交差する方向からジョイント20へ通され、回転駆動力を曲げながらジョイント20へ伝達するものであっても、駆動伝達ケーブル5の回転に伴う応力をジョイント20からピストンロッド3側へ良好に分散させることができ、耐久性が向上する。
このため、駆動伝達ケーブル5が軸線Cと交差する方向からジョイント20へ通され、回転駆動力を曲げながらジョイント20へ伝達するものであっても、駆動伝達ケーブル5の回転に伴う応力をジョイント20からピストンロッド3側へ良好に分散させることができ、耐久性が向上する。
さらに、軸部21のケーブルガイド穴24は軸線Cに沿うので、結合端32を軸線C上にて常時コントロールロッド4と一直線上で連結して回転力をコントロールロッド4へ伝達するから、結合端32とコントロールロッド4との連結部におけるこじりが少なくなる。しかも、ジョイントピース25を介して連結し、ジョイントピース25の連結穴26、27における連結は、溶接等による固着と異なり軸線C方向にて遊びのある嵌合であるから、やはり連結部における応力集中を低減でき、これによっても耐久性が向上する。
また、ジョイント20と同じ剛性材料からなるケーブルカバー23を長さ方向にて略90°曲げることにより、駆動伝達ケーブル5のインナーワイヤ31を略直角に曲げてコントロールロッド4へ連結できる。しかも、ケーブルカバー23は剛体であるから、駆動伝達ケーブル5の回転を確実にコントロールロッド4へ伝達する。ケーブルカバー23の曲げ程度は、減衰力アジャスタ6とストラットダンパ1の配置並びにストラットダンパ1の傾斜程度に応じて自由に設定でき、鋳造等により容易に形成できる。
23bはケーブルカバー23の出口部分におけるケーブル通路24の拡大部であり、ここにアウターチューブ30の端部が嵌合される。このようにアウターチューブ30の端部をケーブルカバー23の端部内側へ嵌合接続すると、アウターチューブ30から延出するインナーワイヤ31は、ケーブルカバー23との接続部にてむき出しに露出されることはなく、その結果、外観性を向上させることができる。
また、インナーワイヤ31とジョイントピース25やコントロールロッド4との連結部等においても、ジョイント20及びピストンロッド3の内側になって、これらで隠されるので、やはり連結部がむき出しに露出されることはなく、その結果、外観性を向上させることができる。
19は防水・防塵用のオーリングであり、細径部21aの周囲でフランジ22側の基部に取付けられ、軸部21を軸穴3dへ嵌合するとき、フランジ22と細径部21aで囲まれた軸穴3dの端部を密にシールし、軸穴3d内へ水や塵埃が侵入することを防止して、回転部のスムーズな動作維持や金属製のインナーワイヤ31に対する耐腐食性向上を図ることができる。
また、図3における4aはコントロールロッド4の軸端部外周に設けられたオーリングであり、ピストンロッド3とコントロールロッド4間の軸穴3dをシールしている。
また、図3における4aはコントロールロッド4の軸端部外周に設けられたオーリングであり、ピストンロッド3とコントロールロッド4間の軸穴3dをシールしている。
図3に示すように、インナーワイヤ31のうちフィッティングソケット7側の端部は太径の端部33をなし、インナーワイヤ31の一般径に対して段差34をなしている。外周面は6角断面の回り止め用非円形形状をなし、先端35は先すぼまり状の円錐台状をなす。
フィッティングソケット7は有底筒状で合成樹脂等の弾性に富む材料により形成され、底部36に設けられた貫通穴36aから端部33に連続するインナーワイヤ31が貫通して延出し、端部33は底部36と側壁37に囲まれた空間内に位置し、段差34が底部36に当接している。
フィッティングソケット7は有底筒状で合成樹脂等の弾性に富む材料により形成され、底部36に設けられた貫通穴36aから端部33に連続するインナーワイヤ31が貫通して延出し、端部33は底部36と側壁37に囲まれた空間内に位置し、段差34が底部36に当接している。
側壁37には開放端に達するスリット38が形成され、側壁37の弾性変形を容易にしている。開放端には内方へ突出する係合部39が形成されている。
フィッティングソケット7に対する駆動伝達ケーブル5の取付は、アウターチューブ30を被せない状態のインナーワイヤ31を、結合端32側から貫通穴36aへ通し、端部33の段差34を底部36へ当接させれば容易に行うことができる。
端部33及びフィッティングソケット7は減衰力アジャスタ6へワンタッチ結合されるが、詳細については後述する。
フィッティングソケット7に対する駆動伝達ケーブル5の取付は、アウターチューブ30を被せない状態のインナーワイヤ31を、結合端32側から貫通穴36aへ通し、端部33の段差34を底部36へ当接させれば容易に行うことができる。
端部33及びフィッティングソケット7は減衰力アジャスタ6へワンタッチ結合されるが、詳細については後述する。
図5はジョイント20の別形態を示し、Aに組付け状態、Bに組付後の状態を示す。
この例におけるジョイント20は図4のジョイント20とほぼ同様の構造をなすが、止めネジ29を省略し、代わりに軸部21に径方向外方へ突出する係合突起21bを形成したものである。軸部21にはケーブルガイド穴24の中心方向へ弾性変形を容易にするためのスリット等が設けられている。また、横穴28は係合突起21bが係合できる大きさ及び位置に設けられ、軸穴3dに臨む部分は球面状の係合凹部28aになっている。この他の構成は図4と変わらない。
この例におけるジョイント20は図4のジョイント20とほぼ同様の構造をなすが、止めネジ29を省略し、代わりに軸部21に径方向外方へ突出する係合突起21bを形成したものである。軸部21にはケーブルガイド穴24の中心方向へ弾性変形を容易にするためのスリット等が設けられている。また、横穴28は係合突起21bが係合できる大きさ及び位置に設けられ、軸穴3dに臨む部分は球面状の係合凹部28aになっている。この他の構成は図4と変わらない。
Aに示すように、軸穴3d内へジョイントピース25を入れ、さらにその上からジョイント20の軸部21を軸穴3d内へ嵌合すると、係合突起21bが内方へ弾性変形しつつ軸穴3d内へ入り、横穴28の位置で外方へ広がって係合凹部28a内へ係合して抜け止め状態になり、駆動伝達ケーブル5がコントロールロッド4と連結される。
一方、この状態から駆動伝達ケーブル5を分離するには、横穴28へピン29aを差し込んで係合突起21bを内方へ押し込むことにより、係合突起21bを係合凹部28aから離脱させる。するとジョイント20を軸穴3dから抜き出すことができるので、駆動伝達ケーブル5は迅速にコントロールロッド4と分離できる。
したがって、この構造によれば、駆動伝達ケーブル5のコントロールロッド4に対する結合がほぼワンタッチ状になり、取付部品(止めネジ29)を不要とする迅速な作業が可能になる。
したがって、この構造によれば、駆動伝達ケーブル5のコントロールロッド4に対する結合がほぼワンタッチ状になり、取付部品(止めネジ29)を不要とする迅速な作業が可能になる。
図6はジョイント20に関するさらに別の形態であり、図5同様にAに組付け状態、Bに組付後の状態を示す。この例では軸部21部分にボール21c及びスプリング21dからなるクリック機構が設けられている。横穴28及び係合凹部28aはボール21cに対応する位置に設けられ、係合凹部28aへボール21cが係合するようになっている。
そこで、駆動伝達ケーブル5をコントロールロッド4に連結するため、ジョイントピース25、及びこれに続いてジョイント20の軸部21を軸穴3d内へ挿入すると、ボール21cはスプリング21dを軸心方向へ圧縮することによりスムーズに軸穴3d内へ入り、横穴28の場所でスプリング21dの弾力により径方向外方へ突出して係合凹部28a内へ嵌合する。これによりジョイント20は抜け止め状態になり、ワンタッチでコントロールロッド4と連結される。
この分離は、図5と同様にピン29aでボール21cを軸心方向へ押し込むことによる。但し、本例ではスプリング21dを用いることにより、前例よりも軸穴3d内へ挿入するときの抵抗を少なくし、係合凹部28aとの係合を解くためボール21cを押し込むときの力を軽くすることができるので、着脱作業をさらに容易にすることができる。
次に減衰力アジャスタ6について詳細を説明する。図7は減衰力アジャスタ6の外観斜視図、図8はその平面視図、図9は減衰力アジャスタ6の分解図である。図10は図8の10−10線断面図、図11は図1の11−11線断面図である。以下はこれらの図を参照しつつ図9を中心にして説明する。
減衰力アジャスタ6は、カバー40、スライダ41、ドライブシャフト42、ブラケット43、ガイドピン44、調整ノブ8、サークリップ45を備える。調整ノブ8はドライブシャフト42と一体回転可能に結合されており、調整ノブ8を回転することで後述するように減衰力を調整できる。
減衰力アジャスタ6は、カバー40、スライダ41、ドライブシャフト42、ブラケット43、ガイドピン44、調整ノブ8、サークリップ45を備える。調整ノブ8はドライブシャフト42と一体回転可能に結合されており、調整ノブ8を回転することで後述するように減衰力を調整できる。
カバー40は金属製の略U字状横断面をなす部材であり、頂部に設定表示窓46が設けられ、側面47にはシャフト穴48が貫通形成されている。なお、側面47と対向する部分は開放されている。また、下方も開放されている。このカバー40をブラケット43に被せて適宜手段でブラケット43へ着自在に結合することで、後述するスライダ41やドライブシャフト42の調整機構部が覆われる。
スライダ41はカラー状をなし、軸穴50の内周面に雌ネジ51が形成されている。軸方向から端面を示す図9の拡大部Aに示すように、外周面の対向部に平行なガイド溝52が設けられておりこの溝にガイドピン44が入り込むことにより、スライダ41が回り止めされて取付軸線L方向へ進退移動自在になっている。なおガイド溝52に代えて2面幅形状に形成して回り止め構造としてもよい。
外周面の上面には調整段数表示53が形成されている。図8の拡大部に示すように、調整段数表示53として減衰力の大きさに対応した段数目盛りを複数設けてあり、例えば、中立(MID)の状態から図の左方へスライダ41が移動すれば次第に減衰力が増加し、やがて最大(MAX)になる。逆に、中立(MID)の状態から図の右方へスライダ41が移動すれば次第に減衰力が減少し、やがて最小(MIN)になる。そこで、調整ノブ8を回転させて減衰力を調整したとき、所望の減衰力段数になっているか否かを表示窓46を通して迅速に確認できる。
ドライブシャフト42は軸方向中央部に太径部60が設けられ、その外周部に雄ネジ61が形成されている。太径部60はスライダ41の軸穴50内へ嵌合し、雄ネジ61はスライダ41の雌ネジ51とネジ結合する。
太径部60を挟んで左右には細径の結合軸62,63が一体かつ同軸で反対方向へ突出し、一方の結合軸62の先端外周にはフィッティング溝64が形成され、他方の結合軸63の外周にはサークリップ溝65及びその外方にフィッティング溝64が形成されている。
結合軸62はカバー40のシャフト穴48を貫通して回転自在に支持され、フィッティング溝64はカバー40の側面47外方へ突出して、ここでフィッティングソケット7と結合する。
結合軸62はカバー40のシャフト穴48を貫通して回転自在に支持され、フィッティング溝64はカバー40の側面47外方へ突出して、ここでフィッティングソケット7と結合する。
他方の結合軸63はブラケット43に支持される。ブラケット43は金属製の略L字状をなす部材であり、略水平の底部70とこれから略直角に屈曲して上方へ延出する起立壁71を一体に形成してあり、底部70には複数の取付穴72が設けられ、ここで図示しない車体へボルト等で締結固定される。
起立壁71には結合軸63が貫通する軸穴73が設けられ、その左右にガイドピン穴74が一体で設けられている。結合軸63は軸穴73を貫通することにより起立壁71に回転自在に支持され、起立壁71から外方へ突出した位置にサークリップ溝65及びフィッティング溝64が形成されている。
起立壁71に関する図9中の拡大部Bは起立壁71の背面を示し、軸穴73の中心Cに対する同心円C1上にガイドピン穴74が位置し、これより半径の小さい同心円C2上にクリック凹部75が設けられる。C2はクリックの軌跡円である。C3はC2より大きな半径の同心円であり、ダミークリックの軌跡円である。C2,C3はいずれもガイドピン穴74より内側に形成され、ガイドピン穴74と重ならないようになっている。
一対のガイドピン穴74にはそれぞれ一対のガイドピン44の一方が挿入される。結合軸63は調整ノブ8の中心に設けられた貫通穴80を貫通し、フィッティング溝64及びサークリップ溝65が外方へ突出する。サークリップ溝65にはサークリップ45を取付けることにより、結合軸63と調整ノブ8が抜け止めされて結合する。結合軸63と調整ノブ8を一体回転可能に回り止めして結合することは適宜結合手段による。この状態で調整ノブ8がガイドピン44の頭部44aを押さえることによりガイドピン44を抜け止めする。
調整ノブ8の起立壁71に対面する内面には1つのクリック穴81と2個のダミー穴82が設けられ、それぞれにボール83とスプリング84が嵌合される。
クリック穴81はクリック凹部75に対応する同心円C2上にあり、ボール83がクリック凹部75へ嵌合することにより係合する(図10の拡大部B参照)。この係合は調整ノブ8が1回転する毎に行われる。すなわち、調整ノブ8の1回転で1クリックすることになり、この1回転で進退するスライダ41の量が調整段数表示53の1目盛りとなる。
クリック穴81はクリック凹部75に対応する同心円C2上にあり、ボール83がクリック凹部75へ嵌合することにより係合する(図10の拡大部B参照)。この係合は調整ノブ8が1回転する毎に行われる。すなわち、調整ノブ8の1回転で1クリックすることになり、この1回転で進退するスライダ41の量が調整段数表示53の1目盛りとなる。
クリック穴81と2個のダミー穴82はそれぞれ周方向等間隔、すなわち120°間隔で形成されるが、ダミー穴82はC3上に位置し、クリック凹部75と係合せず、かつガイドピン穴74とも係合しない。ダミー穴82に設けられるボール83とスプリング84は、クリック穴81の設けたクリック機構による調整ノブ8の倒れを防ぐために設けられている。
結合軸63の先端に設けられているフィッティング溝64には右側のフィッティングソケット7がワンタッチ取付される。図9中の拡大部のDはフィッティングソケット7の拡大斜視図、Eは組付軸線Lと平行にX矢示方向から示す図である。
図10及び11に示すように、ドライブシャフト42の軸心には軸方向の貫通穴66が形成され、この貫通穴66は6角穴となっている。一方、端部33も6角形状をしているので、フィッティングソケット7を結合軸62及び結合軸63の各軸端に軸方向から被せると、先細り状の先端35によりスムーズに端部33は貫通穴66の両端へ嵌合し、6角穴の貫通穴66に6角断面の端部33が回り止め状態で結合される。
同時に側壁37はスリット38により弾性変形容易になっており、かつ結合軸62及び結合軸63の各軸端が先細り状のテーパーになっているので、係合部39が結合軸62及び結合軸63の各軸端へスムーズに乗り上げることができ、その後フィッティング溝64へ係合し、抜け止め状態となる。図10の拡大部Aは係合部39とフィッティング溝64との係合状態を示す拡大断面図である。
したがって、フィッティングソケット7は減衰力アジャスタ6の結合軸62及び結合軸63に対してそれぞれワンタッチで駆動伝達ケーブル5とドライブシャフト42が一体回転可能かつ抜け止め状態で結合することになる。
また、分離する場合は、フィッティングソケット7を結合軸62及び結合軸63から強く引き離すように力を加えるだけでやはりワンタッチ式に分離できる。
また、分離する場合は、フィッティングソケット7を結合軸62及び結合軸63から強く引き離すように力を加えるだけでやはりワンタッチ式に分離できる。
再び、図10,11の組立状態において、ドライブシャフト42の結合軸62はカバー40の側面47に支持され、結合軸63はブラケット43の起立壁71に支持され、かつ調整ノブ8と結合軸63は一体に回転する。調整ノブ8を回転させると、結合軸62と結合軸63が同時に同方向へ回転し、各駆動伝達ケーブル5を同方向へ回転させる。
そこで、図1に示す左右のストラットダンパ1のコントロールロッド4とピストンロッド3との間におけるネジ部(雄ネジ17,雌ネジ3g)を逆ネジにしておけば、同時に同じだけの減衰力が得られるように同期調整可能になる。
そこで、図1に示す左右のストラットダンパ1のコントロールロッド4とピストンロッド3との間におけるネジ部(雄ネジ17,雌ネジ3g)を逆ネジにしておけば、同時に同じだけの減衰力が得られるように同期調整可能になる。
また、スライダ41はドライブシャフト42の太径部60上に形成された雄ネジ61とネジ結合しているので、太径部60が正逆回転することにより、その回転方向及び回転量に応じて進退移動する。
このとき図11に示すように、平行な一対のガイドピン44によって回り止めされているので、ドライブシャフト42の軸線方向へ平行移動する。このため、スライダ41の上面に形成された調整段数表示53に平行に軸方向へ移動し、その位置を設定表示窓46から確認できる。
このとき図11に示すように、平行な一対のガイドピン44によって回り止めされているので、ドライブシャフト42の軸線方向へ平行移動する。このため、スライダ41の上面に形成された調整段数表示53に平行に軸方向へ移動し、その位置を設定表示窓46から確認できる。
なお、本願発明は上記の各実施例に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。
図12はこのような応用例を示すものである。図12のAは、図4の構造において、軸部21を軸穴3dの内部へネジ結合した例である。軸部21の外周には雄ネジ90が設けられ、軸穴3dの内周には雌ネジ91が設けられている。したがって、軸部21を軸穴3dの端部へ入れて雄ネジ90を雌ネジ91に結合させ、フランジ22がピストンロッド3の軸端面3hへ当接するまでネジ込めば、ジョイント20を容易かつ確実にピストンロッド3へ抜け止め状態で取付けることができる。92はフランジ22とピストンロッド3の軸端面の間に介在されるシールであり、防水・防塵機能を有する。
図12はこのような応用例を示すものである。図12のAは、図4の構造において、軸部21を軸穴3dの内部へネジ結合した例である。軸部21の外周には雄ネジ90が設けられ、軸穴3dの内周には雌ネジ91が設けられている。したがって、軸部21を軸穴3dの端部へ入れて雄ネジ90を雌ネジ91に結合させ、フランジ22がピストンロッド3の軸端面3hへ当接するまでネジ込めば、ジョイント20を容易かつ確実にピストンロッド3へ抜け止め状態で取付けることができる。92はフランジ22とピストンロッド3の軸端面の間に介在されるシールであり、防水・防塵機能を有する。
図12のBはジョイント20をキャップ状にしたものであり、フィッティングソケット7に類似した構造の金属製で有底筒状をなし、筒状部100はピストンロッド3の軸端外周へ外嵌されるようになっており、本願における嵌合部に相当する。筒状部100の開口部に臨む先端部101は端面から軸方向へ切り込まれたスリット(図9のD・Eに示すスリット38参照)により弾性変形容易になっており、先端部内側には係合突起102が形成されている。この係合突起102は図中の拡大部に示すように、ピストンロッド3の軸端部外周に形成された環状の係合溝103へ係脱する。なおこの拡大部には係合突起102と係合溝103を分離した状態で示してある。
そこで、このジョイント20をピストンロッド3の軸端部外周に被せると、係合突起102が係合溝103へ係合することによりピストンロッド3へワンタッチで抜け止め結合され、このとき同時にインナーワイヤ31の結合端32がジョイントピース25へ係合し、このジョイントピース25を介してコントロールロッド4と一体回転自在に連結することは図4〜6の各例と同じである。
ジョイント20の底部104は防水・防塵機能を有するO−リング105を介してピストンロッド3の軸端面3hへ当接し、ストッパ機能を有する。
ジョイント20の底部104は防水・防塵機能を有するO−リング105を介してピストンロッド3の軸端面3hへ当接し、ストッパ機能を有する。
この底部104の中心部には上下へ延出するパイプ状部が一体に形成され、上方へ突出する部分はケーブルカバー部106をなし、その内側にケーブル通路106aが形成されている。下方へ突出する部分はジョイントガイド107をなし、その内側にケーブルガイド穴107aが形成されている。ケーブルガイド穴107aはコントロールロッド4と同軸上に位置し、コントロールロッド4とインナーワイヤ31の結合端32を同軸上で連結する。
ケーブルガイド穴107aとケーブル通路106aは連通しており、インナーワイヤ31の結合端32側部分はケーブルカバー部106及びジョイントガイド107で外側を覆われ、インナーワイヤ31を外観させない。またインナーワイヤ31及びその結合端32とコントロールロッド4との結合部は筒状部100及び底部104によって覆われ外観されない。底部104はケーブルカバー部106を一体に有することにより、ストッパ兼カバー部をなしている。
図12のCは上記キャップ状のジョイント20をピストンロッド3の軸端部外周に被せ、ジョイント20の筒状部100の側面に形成されたスリット110とこれに対応してピストンロッド3の軸端部外周に形成された溝111にピストンロッド3の軸直交方向からクリップ112を差し込んで抜け止め固定した例である。図12のDはピストンロッド3の軸方向から連結状態を略示したものであり、スリット110及び溝111はそれぞれジョイント20の筒状部100及びピストンロッド3の外形円に対して弦状に横切って形成され、クリップ112は例えば、略U字状をなして平行する一対の脚部113がそれぞれスリット110及び溝111へ係合するようになっている。
このようにすれば、クリップ112により迅速かつ容易に着脱自在の結合を行うことができる。なお図示のクリップ112は一例であり、他にもC形クリップなど適宜形状のものを利用できる。また、軸部21を軸穴3dの内部へ嵌合する形式のものにも適用できる。
さらに、図示を省略するが、図12のB及びCに示すようなキャップ状のジョイント20の場合、ピストンロッド3の軸端部から軸方向へ突出する係合爪を設けておき、これに対応する底部104に係合穴を貫通形成しておけば、ジョイント20をピストンロッド3の軸端部外周に被せることにより、係合爪が底部104の係合穴に軸方向で係合して、抜け止め状態で結合することができる。
また、図4の止めネジによる結合及び図6のクリック機構による結合は、それぞれ上記キャップ状をなしてピストンロッド3の軸端部へ外嵌する形式のもにも適用できる。逆に、図12のCに示すクリップによる結合は、図3〜6に示す軸部21を軸穴3dの内部へ嵌合する形式のものにも適用できる。
さらに、図3〜6に示す軸部21を軸穴3dの内部へ嵌合する形式のフランジ22又は図12のB、Cにおける底部104をピストンロッド3の軸端面に対して軸方向からネジ止めすることもできる。
また、減衰力可変手段は、上記実施形態に述べたニードル式の他、従来例のような回転バルブや液体通路内で回転するロータリバルブ等を備えた回転式のものでもよい。
また、減衰力可変手段は、上記実施形態に述べたニードル式の他、従来例のような回転バルブや液体通路内で回転するロータリバルブ等を備えた回転式のものでもよい。
1:ストラットダンパ、2:ダンパ本体、3:ピストンロッド、4:コントロールロッド、5:駆動伝達ケーブル、6:減衰力アジャスタ、7:フィッティングソケット、8:調整ノブ、10:シリンダ、14:オリフィス、15:ニードル、16:オリフィス通路、20:ジョイント、21:軸部、22:フランジ、23:ケーブルカバー、24:ケーブルガイド穴、27:連結穴、28:横穴、29:止めネジ
Claims (7)
- 作動液が充填されたシリンダと、このシリンダ内を摺動するピストンと、このピストンが一端部に設けられたピストンロッドと、ピストンによって区画されたシリンダ内の2室を連通し作動液の移動によって減衰力を発生するオリフィス通路と、この減衰力を可変調節する減衰力調整手段と、この減衰力調整手段を一部をなしピストンロッドの軸心部に設けられた軸穴内へ回転自在に支持される調節軸と、この調節軸の一端へジョイント部材を介して取付けられる駆動伝達ケーブルとを備え、この駆動伝達ケーブルへ与えられた回転駆動力により調節軸を回転させることにより減衰力を調整するようにした減衰力可変ダンパにおいて、
前記ジョイント部材は、前記ピストンロッドの軸端部に嵌合する嵌合部と、この嵌合部を貫通して前記調節軸と同軸上に位置するケーブルガイド穴とを備え、
このケーブルガイド穴へ前記駆動伝達ケーブルの一端部を通した状態で前記嵌合部を前記ピストンロッドの軸端部に嵌合することにより前記駆動伝達ケーブルと調節軸を一体回転自在に連結するとともに、
前記ジョイント部材をピストンロッドに対して抜け止め手段により着脱自在に抜け止めして結合したことを特徴とする減衰力可変ダンパ。 - 前記ジョイント部材は前記嵌合部とこの嵌合部から径方向外方へ一体に突出するフランジ部とを備え、前記嵌合部は前記ピストンロッドの軸穴内へ嵌合し、前記フランジ部は前記ピストンロッドの軸端面へ当接するストッパをなすことを特徴とする請求項1に記載した減衰力可変ダンパ。
- 前記ジョイント部材は有底筒状をなし、筒状部分は前記ピストンロッドの軸端部へ外嵌する前記
嵌合部をなし、底部は前記ピストンロッドの軸端面へ当接するストッパをなすことを特徴とする請求項1に記載した減衰力可変ダンパ。 - 前記ジョイント部材は前記ピストンロッドの外方へ突出するとともに前記嵌合部のケーブルガイド穴と連続するケーブル通路を有する中空のケーブルカバーを一体に備え、前記駆動伝達ケーブルを前記ケーブルカバーの前記ケーブル通路へ通し、さらに前記嵌合部のケーブルガイド穴へ通すことを特徴とする請求項2又は3に記載した減衰力可変ダンパ。
- 前記抜け止め手段による結合は、前記ジョイント部材とピストンロッドとの間における係合であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載した減衰力可変ダンパ。
- 前記抜け止め手段は、前記ジョイント部材の嵌合部とピストンロッドとの間に設けられるクリック機構であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載した減衰力可変ダンパ。
- 前記抜け止め手段による結合は、前記ジョイント部材とピストンロッドとの間におけるネジ結合であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載した減衰力可変ダンパ。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020029254A (ja) * | 2018-08-20 | 2020-02-27 | ハーレー−ダビッドソン・モーター・カンパニー・グループ・エルエルシー | 二重液圧タンク調整器 |
-
2009
- 2009-11-16 JP JP2009261377A patent/JP2011106549A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020029254A (ja) * | 2018-08-20 | 2020-02-27 | ハーレー−ダビッドソン・モーター・カンパニー・グループ・エルエルシー | 二重液圧タンク調整器 |
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