JP2011106362A - 内燃機関のオイルの希釈度合いの判定方法 - Google Patents

内燃機関のオイルの希釈度合いの判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関に用いられているオイルの燃料による希釈の度合いを精度良く判定することが可能な判定方法を提供する。
【解決手段】内燃機関の低温始動時、吸気バルブの開きタイミングをTDCよりも遅らせ、そのときの空燃比を実測する。そして、実測された空燃比(実A/F)と燃料によるオイルの希釈が無いという前提で予測された空燃比(計算A/F)との差分を計算する。オイルが燃料により希釈されている場合、吸気バルブの開きタイミングを遅らせると、燃焼室壁に付着したオイルからの燃料の気化が促進され、気化した燃料量に応じて実A/Fと計算A/Fとの間の差分は大きくなる。そこで、その差分の大きさに基づいて燃料によるオイルの希釈の度合いを判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関に用いられているオイルの燃料による希釈の度合いを判定する方法に関する。
内燃機関、特に、筒内噴射式の内燃機関においては、冷間始動時のように内燃機関の温度が低い場合、シリンダ壁面への燃料の付着がおこりやすい。付着した燃料は、ピストンが上下運動するのに伴ってシリンダ壁面からオイルパン側にかき落とされる。その結果、内燃機関のオイル(潤滑油)に燃料が混入し、オイルがより粘度の低い燃料によって希釈されることとなる。希釈されたオイルがオイルパンから内燃機関の摺動部や油圧機構等に供給されると、摺動部の焼き付きや油圧低下等の不具合が発生する可能性がある。また、内燃機関の温度が上昇した場合には、オイルに混合している燃料が揮発してブローバイガスとなり、空燃比制御に悪影響を与えるおそれがある。
そこで、従来、オイル希釈を抑制する技術や、オイルの希釈度合いを判定する技術等、オイル希釈に着目した種々の技術が提案されている。以下に列挙する特許文献には、そのような技術の一例が記載されている。
特開2008−298001号公報 特開2008−297987号公報 特開2009−036079号公報 特開2007−285239号公報
上記特許文献1に記載の技術では、燃料によるオイル希釈は内燃機関が冷間時に発生しやすいという理由で、オイルの希釈度合いの判定を冷間時に実施している。内燃機関に求められる性能、例えばエミッション性能を良好に保つためには、オイルの希釈度合いに応じて内燃機関を制御することが望ましい。したがって、オイルの希釈度合いの判定は、内燃機関の始動後速やかに行なうことが好ましい。
しかしながら、冷間時のようにオイルの希釈が進行している状況ではオイルの希釈度合いを精確に判定することはできない。上記特許文献1に記載の技術では、冷間時にオイルの希釈度合いを判定するようにしているものの、その判定精度の悪化を防ぐための対策、具体的には、オイルの希釈を抑制するための対策は採られていない。このことは従来提案されている何れの技術にも当てはまることであり、何れの技術もオイル希釈を抑制しつつオイルの希釈度合いを判定することができるようにはなっていなかった。
本発明は上述のような課題を解決するためになされたものであり、内燃機関に用いられているオイルの燃料による希釈の度合いを精度良く判定することが可能な判定方法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、第1の発明は、内燃機関に用いられているオイルの燃料による希釈の度合いを判定する方法に関する発明であって、
内燃機関の運転時、吸気バルブの開きタイミングをTDCよりも遅らせ、そのときの空燃比を実測するステップと、
実測された空燃比と燃料によるオイルの希釈が無いという前提で予測された空燃比との差分を計算するステップと、
その差分の大きさに基づいて燃料によるオイルの希釈の度合いを判定するステップと、
を備えることを特徴としている。
また、第2の発明は、内燃機関に用いられているオイルの燃料による希釈の度合いを判定する方法に関する発明であって、
内燃機関の運転時、吸気バルブの開きタイミングをTDCよりも遅い第1のタイミングに設定し、そのときの空燃比(以下、第1実測空燃比)を実測するステップと、
吸気バルブの開きタイミングをTDCよりも遅く且つ前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングに変更し、そのときの空燃比(以下、第2実測空燃比)を実測するステップと、
前記の第1実測空燃比と第2実測空燃比との差分を計算するステップと、
その差分の大きさに基づいて燃料によるオイルの希釈の度合いを判定するステップと、
を備えることを特徴としている。
第3の発明は、前記第1又は第2の発明において、
アルコールを含む燃料が用いられている場合に、燃料中のアルコール濃度に応じて燃料によるオイルの希釈度合いの判定基準を補正するステップ、
をさらに備えることを特徴としている。
第4の発明は、前記第1乃至第3の何れか1つの発明において、
前記の内燃機関のオイルの希釈度合いの判定は、内燃機関の低温始動時に実施されることを特徴としている。
内燃機関の運転時、吸気バルブの開きタイミングをTDCよりも遅らせたならば、新気の導入がない状況で燃焼室内の負圧を増大させることができる。新気の導入がなければ燃焼室内は高温に保たれ、同時に、ピストンの降下に伴って燃焼室内の負圧は増大する。このように燃焼室内が高温且つ高負圧になることの相乗効果によって、シリンダ壁面に付着したオイルからの燃料の気化が促進され、シリンダ壁面に新たに付着する燃料によってオイルが希釈されることは抑制される。
このときオイル中から気化する燃料の量は、燃料によるオイルの希釈率が高いほど多くなる。また、吸気バルブの開きタイミングが遅くなるほど、高温高負圧にさらされるシリンダ壁面の面積が増大することから、オイル中から気化する燃料の量は多くなる。オイル中から気化した燃料の量は燃焼室から排出される排気ガスの空燃比に反映され、気化した燃料の量が多いほど、排気ガスの空燃比はリッチになる。
第1の発明では、空燃比が実測され、その実測値と燃料によるオイルの希釈が無いという前提で予測された空燃比との差分が求められ、その差分の大きさから燃料によるオイルの希釈の度合いが判定される。前述のように、シリンダ壁面への燃料の新たな付着によるオイル希釈は抑制されているので、第1の発明によれば内燃機関に用いられているオイルの燃料による希釈の度合いを精度良く精確に判定することができる。
第2の発明では、吸気バルブの開きタイミングをTDCよりも遅い第1のタイミングに設定したときの空燃比と、吸気バルブの開きタイミングをTDCよりも遅く且つ前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングに変更したときの空燃比とがそれぞれ実測され、それら実測値の差分が求められ、その差分の大きさから燃料によるオイルの希釈の度合いが判定される。前述のように、シリンダ壁面への燃料の新たな付着によるオイル希釈は抑制されているので、第2の発明によれば内燃機関に用いられているオイルの燃料による希釈の度合いを精度良く精確に判定することができる。
第3の発明によれば、アルコールを含む燃料が用いられている場合においても、内燃機関に用いられているオイルの燃料による希釈の度合いを精度良く判定することができる。
第4の発明によれば、精度の良い判定結果を内燃機関の始動後直ぐに得ることができるので、オイルの希釈度合いに応じた制御を遅滞なく開始することが可能になる。
本発明が適用される内燃機関の概略構成図である。 本発明の実施の形態1のオイル希釈判定の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2のオイル希釈判定の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2のオイル希釈判定の処理手順を示すフローチャートである。 図3及び図4のフローチャートの実行結果を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2のオイル希釈判定において空燃比からオイル希釈率を求めるためのマップの一例である。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1について図1及び図2を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態1が適用される内燃機関の概略構成を示す図である。本実施形態にかかる内燃機関は、火花点火式の4ストロークエンジンであり、図示していないが複数の気筒を有している。本実施形態にかかる内燃機関は、その内部にピストン8が配置されたシリンダブロック6と、シリンダブロック6に組み付けられたシリンダヘッド4を備えている。ピストン8の上面からシリンダヘッド4までの空間が各気筒の燃焼室10を形成している。
本実施形態にかかる内燃機関は、燃焼室10内に燃料を直接噴射することができる筒内噴射式の内燃機関である。このため、燃料を噴射するインジェクタ20は、その噴射口が燃焼室10内を臨むようにシリンダヘッド4に取り付けられている。
シリンダブロック6には、内燃機関の冷却水温に応じた信号を出力する水温センサ46が取り付けられている。水温センサ46によって計られる水温は、内燃機関の代表温度として用いられる。また、クランクシャフト34の回転に連動して信号を出力するクランク角センサ48が取り付けられている。クランク角センサ48の信号によって内燃機関の回転速度が計測される。
各気筒の燃焼室10には吸気通路30と排気通路32が接続されている。燃焼室10と吸気通路30の接続部にはその連通状態を制御する吸気バルブ12が設けられ、燃焼室10と排気通路32との接続部にはその連通状態を制御する排気バルブ14が設けられている。これら2つのバルブのうち少なくとも吸気バルブ12には、その開閉タイミングを変更することができるバルブタイミング可変機構18が備えられている。
吸気通路30の上流端の付近には、吸気通路30内に取り込まれる空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ42が配置されている。エアフローメータ42の下流には、電子制御式のスロットル24が配置されている。このスロットル24にはその開度に応じた信号を出力するスロットル開度センサ26が取り付けられている。一方、排気通路32には、排気ガスの空燃比に応じた信号を出力する空燃比センサ44が配置されている。
本実施形態にかかる内燃機関は、その制御装置としてECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40の出力側には前述のスロットル24、インジェクタ20、バルブタイミング可変機構18等の種々のアクチュエータが接続されている。ECU40の入力側には、前述の水温センサ46、エアフローメータ42、スロットル開度センサ26、クランク角センサ48、空燃比センサ44等の種々のセンサ類が接続されている。ECU40は、各センサの出力に基づき、所定の制御プログラムにしたがって各アクチュエータの動作を制御している。
ECU40が有する機能の1つに、燃料によるオイルの希釈の度合いを判定し、その判定結果を内燃機関の制御に反映させる機能がある。オイル希釈度に基づいた内燃機関の制御に関しては、従来提案されているように様々な制御が考えられる。しかし、本実施の形態においては、オイル希釈度に基づいた内燃機関の制御の内容には特に限定は無い。ここでは、本実施の形態の一つの特徴であるオイル希釈判定の方法についてのみ説明する。
図2は、ECU40によって実施されるオイル希釈判定の処理手順を示すフローチャートである。本フローチャートによるオイル希釈判定は、内燃機関の低温始動(冷間始動)の度に行なわれる。最初のステップS100では、今回の始動が低温始動であるかどうか判定される。また、始動後、未だオイル希釈判定が済んでいないかどうかも判定される。そして、今回の始動が低温始動であり、且つ、オイル希釈判定が未だ済んでいない場合にのみステップS100の判定結果は肯定(Yes)になり、次のステップS102の処理が行われる。なお、低温始動かどうかは、水温センサ46によって計測される内燃機関の温度が所定温度以下かどうかによって判断される。
ステップS102では、吸気バルブ12の遅開き運転(IN弁遅開き運転)が行なわれているか判定される。IN弁遅開き運転とは、バルブタイミング可変機構18によって吸気バルブ12の開きタイミングをTDCよりも遅らせて運転する運転方法である。この運転方法は、内燃機関の低温始動時、オイル希釈判定に係るプログラムとは別のプログラムによってECU40により実施される。吸気バルブ12の開きタイミングをTDCよりも遅らせることで、開弁時点における燃焼室10内の負圧を大きくし、燃焼室10内に吸入される空気の流速を増大させることができる。吸気流速の増大は燃焼室10内の空気の乱れを促進し、インジェクタ20から噴射される燃料の燃焼性を向上させる。つまり、低温始動時にIN弁遅開き運転を行なうことで、低温始動時の課題である燃焼性を改善することができるのである。
また、吸気バルブ12の開きタイミングがTDCよりも遅らされると、新気が導入されない状況でピストン8は降下していくことになる。新気の導入がなければ燃焼室10内は高温に保たれ、同時に、ピストン8の降下に伴って燃焼室10内の負圧は増大していく。このように燃焼室10内が高温且つ高負圧になることの相乗効果によって、シリンダ壁面に付着したオイルからの燃料の気化が促進される。その結果、燃料が気化し難くシリンダ壁面に付着しやすい低温始動時であっても、シリンダ壁面への新たな燃料付着によるオイルの希釈は抑制されることになる。つまり、本実施の形態では、さらなるオイル希釈を抑制しながらのオイル希釈判定を可能にすべく、IN弁遅開き運転に合わせてオイル希釈判定を実施する。したがって、IN弁遅開き運転が行われている場合のみステップS102の判定結果は肯定(Yes)になり、次のステップS104の処理が行われる。
ステップS104では、空燃比センサ44によって排気ガスの空燃比が実測される。以下、この実測された空燃比を実A/Fと呼ぶ。また、ステップS104では、燃料によるオイルの希釈が無いという前提で予測される空燃比が計算される。この予測空燃比は、インジェクタ20から噴射される燃料量、エアフローメータ42により計測される吸気流量、スロットル開度センサ26により計測されるスロットル開度、クランク角センサ48により計測されるエンジン回転数、吸気バルブ12のバルブタイミング等の情報を用いて計算することができる。以下、この計算された予測空燃比を計算A/Fという。
IN弁遅開き運転の実施によってシリンダ壁面のオイル中から気化する燃料の量は、燃料によるオイルの希釈率が高いほど多くなる。そして、オイル中から気化した燃料の量は燃焼室10から排出される排気ガスの空燃比に反映され、気化した燃料の量が多いほど、排気ガスの空燃比はリッチになる。したがって、計算A/Fと実A/Fとの差分を求めることで、その差分の大きさから燃料によるオイルの希釈の度合いを精度良く判定することができる。
具体的には、ステップS104では、計算A/Fと実A/Fとの差分が基準値αよりも大きいかどうか判定される。αは正の値であり、任意に設定することができる。例えば、αは固定値でもよいし、内燃機関の運転状態に応じて、或いは、前回のオイル交換からの走行距離や時間に応じて変わる変数であってもよい。計算A/Fの値はオイルの希釈の度合いに左右されないのに対し、オイルの希釈の度合いが大きいほど実A/Fの値は小さくなる(リッチになる)ことから、計算A/Fと実A/Fとの差分が基準値αを超えたかどどうかで、オイルの希釈の度合いが大きいかどうかを判定することができる。
つまり、ステップS104の判定結果が肯定(Yes)であれば、ステップS106に進んで、オイルの希釈の度合いは“大きい”という判定が下される。一方、ステップS104の判定結果が否定(No)であれば、ステップS108に進んで、オイルの希釈の度合いは“小さい”という判定が下される。こうして下されたオイル希釈判定の判定結果は、前述のように、オイル希釈度に基づいた内燃機関の制御に反映されることになる。
以上述べたように、本実施の形態によれば、シリンダ壁面への新たな燃料付着によるオイル希釈を抑制しながらの判定が可能であるので、内燃機関に用いられているオイルの燃料による希釈の度合いを精度良く判定することができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2について図1、図3乃至図6を用いて説明する。
本実施の形態のオイル希釈判定は、実施の形態1と同様、図1に示す構成の内燃機関に適用することができる。図3及び図4のフローチャートは、本実施の形態のオイル希釈判定の処理手順を示したものであって、ECU40によって実施される。これらのフローチャートによるオイル希釈判定は、内燃機関の低温始動の度に行なわれる。以下、図3のフローチャートから順に説明する。
図3のフローチャートでは、その最初のステップS200において、今回の始動が低温始動であるかどうか判定される。また、始動後、未だオイル希釈判定が済んでいないかどうかも判定される。そして、今回の始動が低温始動であり、且つ、オイル希釈判定が未だ済んでいない場合にのみステップS200の判定結果は肯定(Yes)になり、次のステップS202の処理が行われる。
ステップS202では、オイル希釈判定にかかるプログラムとは別のプログラムによってIN弁遅開き運転が行なわれているか判定される。このIN弁遅開き運転では、吸気バルブ12の開きタイミングはTDCよりも遅い所定のタイミング(以下、ベースタイミングと呼ぶ)に設定される。IN弁遅開き運転が行われている場合のみステップS202の判定結果は肯定(Yes)になり、次のステップS204の処理が行われる。
ステップS204では、計算A/Fと実A/Fとの差分が基準値βよりも大きいかどうか判定される。実A/Fは、空燃比センサ44によって実測された排気ガスの空燃比であり、計算A/Fは燃料によるオイルの希釈が無いという前提で予測された空燃比である。βは任意の設定が可能な正の値であるが、実施の形態1にて用いられる基準値αよりは小さい値であるのが好ましい。ここでは、計算A/Fと実A/Fとの間にズレがあるかどうか、すなわち、燃料によるオイルの希釈が認められるかどうかさえ分かればよいからである。オイルの希釈の度合いの詳細な判定は、図4のフローチャートに示す処理に委ねられる。
ステップS204の判定結果が肯定(Yes)であれば、ステップS206に進んでフラグXF01Lの値が1にされる。フラグXF01Lの値は通常はゼロであり、1になるのはステップS204の判定結果が肯定になってから、図4のフローチャートに示す処理が完了するまでの間に限られる。
図4のフローチャートでは、その最初のステップS300において、フラグXF01Lの値が1かどうか判定される。フラグXF01Lの値が1の場合にのみステップS300の判定結果は肯定(Yes)になり、次のステップS302の処理が行われる。
ステップS302では、IN弁遅開き運転における吸気バルブ12の開きタイミングが数段階に変更される。まず、最初の段階として、前述のベースタイミングよりもさらに遅い第1のタイミング(以下、タイミングAと呼ぶ)に吸気バルブ12の開きタイミングが変更される。そして、所定期間が経過した後、次の段階として、タイミングAよりもさらに遅い第2のタイミング(以下、タイミングBと呼ぶ)に吸気バルブ12の開きタイミングが変更される。ただし、タイミングBはBDCを超えることはない。そして、さらに所定期間が経過した後、吸気バルブ12の開きタイミングは再びIN弁遅開き運転時のベースタイミングに戻される。なお、吸気バルブ12の開きタイミングをタイミングAに保持する期間、及び、タイミングBに保持する期間は、それぞれ、吸気バルブ12の開きタイミングの変更に伴う空燃比の変化が収まるのに十分な期間に設定されている。
ピストン8がTDCを超えてから吸気バルブ12が開くまでの間は、燃焼室10の内部は高温且つ高負圧の状態になる。このため、吸気バルブ12の開きタイミングが遅くなるほど、高温高負圧にさらされるシリンダ壁面の面積が増大することになり、シリンダ壁面に付着したオイル中から気化する燃料の量は多くなる。オイル中から気化した燃料の量は燃焼室10から排出される排気ガスの空燃比に反映され、気化した燃料の量が多いほど、排気ガスの空燃比はリッチになる。したがって、吸気バルブ12の開きタイミングがタイミングAのときの第1の実測空燃比(以下、A/F_Aと呼ぶ)と、タイミングBに変更された後の第2の実測空燃比(以下、A/F_Bと呼ぶ)とを比較した場合には、より遅い開きタイミングBに対応するA/F_Bのほうがよりリッチな値を示す。そして、シリンダ壁面のオイル中から気化する燃料の量は、燃料によるオイルの希釈率が高いほど多くなることから、オイルの希釈率が高いほどA/F_AとA/F_Bとの差分(以下、ΔAFと呼ぶ)は大きくなる。したがって、A/F_AとA/F_Bを取得してΔAFを求めることで、ΔAFの大きさから燃料によるオイルの希釈の度合いを詳細に判定することが可能となる。
そこで、ステップS304では、吸気バルブ12の開きタイミングがタイミングAに保持されている期間内にA/F_Aが取り込まれる。続くステップS306では、吸気バルブ12の開きタイミングがタイミングBに保持されている期間内にA/F_Bが取り込まれる。そして、ステップS308では、A/F_AとA/F_Bとの差分であるΔAFが算出される。
以上説明したステップS308までの実行結果をタイムチャートで示したのが図5である。図5の上段にはフラグXF01Lの時間変化が示されている。図5の中段には、吸気バルブ12の開きタイミング(図ではIN弁開きタイミングと表記)の時間変化が示されている。そして、図5の下段には、空燃比(図ではA/Fと表記)の時間変化が示されている。図5では、IN弁遅開き運転中の計算A/Fと実A/Fとの差分が基準値βよりも大きく、時点tにおいてフラグXF01Lが0から1に切り替わった場合について示している。この場合、時点tにおいて吸気バルブ12の開きタイミングはIN弁遅開き運転のベースタイミング(VT)からタイミングA(VT)に切り替えられる。そして、その間のA/F_Aが取り込まれた後、時点tにおいて吸気バルブ12の開きタイミングはタイミングA(VT)からより遅いタイミングB(VT)に切り替えられる。そして、その間のA/F_Bが取り込まれてΔAFが算出された後、時点tにおいて吸気バルブ12の開きタイミングは再びベースタイミング(VT)に戻される。
最後のステップS310では、ステップS308で算出されたΔAFの値に基づいて、燃料によるオイルの希釈の度合い、より詳しくは、具体的なオイル希釈率の値が求められる。その処理には図6に示すようなマップが用いられる。このマップではΔAFの値がオイル希釈率に関連付けられている。マップにおけるΔAFとオイル希釈率との関係は実験結果に基づいて決定される。図6に示す例では、ΔA/Fがある値を超えるまでは、誤差を考慮してオイル希釈率はゼロとされ、ΔA/Fがある値を超えてからは、ΔA/Fの増大に比例してオイル希釈率も増大するような関係に設定されている。このようなマップにΔAFの値を照らし合わせることで、現時点での燃料によるオイルの希釈率を精度良く判定することができる。こうして得られたオイル希釈率の値は、前述のように、オイル希釈度に基づいた内燃機関の制御に反映されることになる。
以上述べたように、本実施の形態によれば、シリンダ壁面への新たな燃料付着によるオイル希釈を抑制しながらの判定が可能であるので、内燃機関に用いられているオイルの燃料による希釈の度合いを、具体的なオイル希釈率の値によって精確に判定することができる。
その他.
以上、本発明の実施の形態1,2について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
実施の形態1,2では、内燃機関の低温始動時にオイル希釈判定を行なっているが、温度に関係なく内燃機関の始動時には必ず実施するのでもよい。また、走行距離や時間によってオイル希釈判定を行なうかどうかを決定するのでもよい。例えば、一定の走行距離に達する度、次回の始動時にオイル希釈判定を行なうのでもよい。
また、実施の形態1,2において、ガソリン等の炭化水素燃料だけでなくアルコール含有燃料も使用可能な内燃機関を用いてもよい。ただし、一般にアルコール含有燃料におけるアルコールの濃度にはばらつきがあるので、アルコール含有燃料が用いられるのであれば、燃料のアルコール濃度に応じて燃料によるオイルの希釈度合いの判定基準を補正することが望ましい。アルコールは低温域での揮発性が低いため、燃料のアルコール濃度が高い場合には、アルコール濃度が低い場合に比較して、IN弁遅開き運転中にシリンダ壁面の付着オイルから気化する燃料の量は少ない。このため、アルコール濃度が高い燃料と低い燃料とで同一の判定基準を用いたのでは、燃料によるオイルの希釈度合いを正確に判定することができない。
具体的には、実施の形態1のオイル希釈判定において燃料のアルコール濃度を考慮するのであれば、ステップS104の判定基準である基準値αをアルコール濃度に応じて補正すればよい。より具体的には、アルコール濃度が高い場合は、アルコール濃度が低い場合よりも基準値αの値を小さくすればよい。
また、実施の形態2のオイル希釈判定において燃料のアルコール濃度を考慮するのであれば、図6に示すマップのΔA/Fとオイル希釈率との関係をアルコール濃度に応じて補正すればよい。より具体的には、アルコール濃度が高い場合は、アルコール濃度が低い場合よりも同ΔA/Fに対応するオイル希釈率の値を大きくすればよい。
なお、燃料のアルコール濃度を得る方法には限定はなく、従来用いられている方法を採用することもできる。例えば、空燃比フィードバック制御におけるフィードバック補正量や学習値からアルコール濃度を得ることもできるし、センサによって燃料タンク中或いは燃料パイプ中の燃料のアルコール濃度を計測することもできる。
8 ピストン
10 燃焼室
12 吸気バルブ
14 排気バルブ
18 バルブタイミング可変機構
20 インジェクタ
40 ECU
44 空燃比センサ
46 水温センサ

Claims (4)

  1. 内燃機関に用いられているオイルの燃料による希釈の度合いを判定する方法であって、
    内燃機関の運転時、吸気バルブの開きタイミングをTDCよりも遅らせ、そのときの空燃比を実測するステップと、
    実測された空燃比と燃料によるオイルの希釈が無いという前提で予測された空燃比との差分を計算するステップと、
    その差分の大きさに基づいて燃料によるオイルの希釈の度合いを判定するステップと、
    を備えることを特徴とする内燃機関のオイルの希釈度合いの判定方法。
  2. 内燃機関に用いられているオイルの燃料による希釈の度合いを判定する方法であって、
    内燃機関の運転時、吸気バルブの開きタイミングをTDCよりも遅い第1のタイミングに設定し、そのときの空燃比(以下、第1実測空燃比)を実測するステップと、
    吸気バルブの開きタイミングをTDCよりも遅く且つ前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングに変更し、そのときの空燃比(以下、第2実測空燃比)を実測するステップと、
    前記の第1実測空燃比と第2実測空燃比との差分を計算するステップと、
    その差分の大きさに基づいて燃料によるオイルの希釈の度合いを判定するステップと、
    を備えることを特徴とする内燃機関のオイルの希釈度合いの判定方法。
  3. アルコールを含む燃料が用いられている場合に、燃料中のアルコール濃度に応じて燃料によるオイルの希釈度合いの判定基準を補正するステップ、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のオイルの希釈度合いの判定方法。
  4. 前記の内燃機関のオイルの希釈度合いの判定は、内燃機関の低温始動時に実施されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の内燃機関のオイルの希釈度合いの判定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10065625B2 (en) 2015-07-06 2018-09-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control apparatus and control method for hybrid vehicle

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