JP2011105806A - タッチパネル用光硬化性樹脂組成物及びタッチパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】低粘度かつ高誘電率であり、基材との接着性及び硬化物の透明性に優れるタッチパネル用光硬化性樹脂組成物を提供する。また、該タッチパネル用光硬化性樹脂組成物を用いて製造されるタッチパネルを提供する。
【解決手段】真空注入方式によるタッチパネル用基材の接着に用いられる光硬化性樹脂組成物であって、カチオン重合性化合物と光カチオン重合開始剤とを含有し、前記カチオン重合性化合物は、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを15〜40重量%、及び、水素結合性官能基を有するエポキシ樹脂を10〜40重量%含有し、コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定した全体の粘度が5〜500mPa・sであるタッチパネル用光硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】真空注入方式によるタッチパネル用基材の接着に用いられる光硬化性樹脂組成物であって、カチオン重合性化合物と光カチオン重合開始剤とを含有し、前記カチオン重合性化合物は、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを15〜40重量%、及び、水素結合性官能基を有するエポキシ樹脂を10〜40重量%含有し、コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定した全体の粘度が5〜500mPa・sであるタッチパネル用光硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、低粘度かつ高誘電率であり、基材との接着性及び硬化物の透明性に優れるタッチパネル用光硬化性樹脂組成物に関する。また、本発明は、該タッチパネル用光硬化性樹脂組成物を用いて製造されるタッチパネルに関する。
近年、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ表面にタッチパネルの機能を設けた入力装置が広く利用されている。
タッチパネル用基材を接着する方法の一つとして、一対の基材を所定の間隔をおいて対向させ、その周囲をシール剤で封着してセルを形成し、シール剤で形成した枠の一部に設けられた注入口から、減圧下においてセル内に接着剤を注入した後、光の照射等によって接着剤を硬化させるという真空注入方式による方法が用いられている。
タッチパネル用基材を接着する方法の一つとして、一対の基材を所定の間隔をおいて対向させ、その周囲をシール剤で封着してセルを形成し、シール剤で形成した枠の一部に設けられた注入口から、減圧下においてセル内に接着剤を注入した後、光の照射等によって接着剤を硬化させるという真空注入方式による方法が用いられている。
タッチパネルに用いられる接着剤に含有される重合性化合物としては、基材との接着性及び硬化物の透明性に優れるものを用いることが必要である。更に、真空注入方式では、接着剤に揮発性の高い原料を用いると、目的の真空度に達するまでの時間が長くなったり、装置内を汚染したりするため、接着剤に含有される重合性化合物としては、通常、揮発性の低いカチオン重合性化合物が好適に用いられる。特許文献1には、カチオン重合性化合物として脂環式エポキシ化合物を含有し、基材との接着性及び硬化物の透明性に優れる光硬化性樹脂組成物が開示されている。
一方、静電容量の変化を検知することで指等の接触位置を検出する機能を有する静電容量方式のタッチパネルでは、基材との接着性や透明性に優れるだけでなく、反応速度を大きくして感度を向上させるために、より誘電率の高い接着剤が求められるが、特許文献1に開示されている光硬化性樹脂組成物では、充分な誘電率を有する接着剤を製造することはできなかった。
一方、静電容量の変化を検知することで指等の接触位置を検出する機能を有する静電容量方式のタッチパネルでは、基材との接着性や透明性に優れるだけでなく、反応速度を大きくして感度を向上させるために、より誘電率の高い接着剤が求められるが、特許文献1に開示されている光硬化性樹脂組成物では、充分な誘電率を有する接着剤を製造することはできなかった。
本発明は、低粘度かつ高誘電率であり、基材との接着性及び硬化物の透明性に優れるタッチパネル用光硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該タッチパネル用光硬化性樹脂組成物を用いて製造されるタッチパネルを提供することを目的とする。
本発明は、真空注入方式によるタッチパネル用基材の接着に用いられる光硬化性樹脂組成物であって、カチオン重合性化合物と光カチオン重合開始剤とを含有し、前記カチオン重合性化合物は、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを15〜40重量%、及び、水素結合性官能基を有するエポキシ樹脂を10〜40重量%含有し、コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定した全体の粘度が5〜500mPa・sであるタッチパネル用光硬化性樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、カチオン重合性化合物として、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン及び水素結合性官能基を有するエポキシ樹脂を特定量配合し、組成物全体の粘度を特定の範囲にすることにより、真空注入方式に適し、高誘電率であり、基材との接着性及び硬化物の透明性に優れる光硬化性樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物は、カチオン重合性化合物を含有する。
上記カチオン重合性化合物は、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを含有する。
上記カチオン重合性化合物は、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを含有する。
上記カチオン重合性化合物全体における上記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの含有量の下限は15重量%、上限は40重量%である。上記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの含有量が15重量%未満であると、得られる光硬化性樹脂組成物の誘電率が不充分となる。上記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの含有量が40重量%を超えると、得られる光硬化性樹脂組成物を真空注入方式によるタッチパネルの製造に用いる際に、目的の真空度に達するまでの時間が長くなったり、装置内を汚染したりする。上記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの含有量の好ましい下限は20重量%、好ましい上限は35重量%である。
上記カチオン重合性化合物は、水素結合性官能基を有するエポキシ樹脂を含有する。
上記水素結合性官能基を有するエポキシ樹脂は、得られる光硬化性樹脂組成物を真空注入方式によるタッチパネルの製造に用いる際に、上記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが揮発するのを抑制する役割を有する。
上記水素結合性官能基を有するエポキシ樹脂は、得られる光硬化性樹脂組成物を真空注入方式によるタッチパネルの製造に用いる際に、上記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが揮発するのを抑制する役割を有する。
上記水素結合性官能基としては、水素結合性を有する官能基又は残基等であれば特に限定されず、例えば、OH基、NH2基、NHR基(Rは、芳香族又は脂肪族炭化水素、及びこれらの誘導体を表す)、COOH基、CONH2基、NHOH基等や、分子内にNHCO結合、NH結合、CONHCO結合、NH−NH結合等の残基を有する基等が挙げられる。
上記水素結合性官能基を有するエポキシ樹脂は特に限定されないが、シクロアルカン骨格を有することが好ましい。
上記水素結合性官能基を有し、かつ、シクロアルカン骨格を有するエポキシ樹脂は特に限定されず、構造中又は繰り返し単位内に1つ以上のシクロアルカン骨格を含有していればよいが、繰り返し単位内にシクロアルカン骨格を有する樹脂であることが好ましい。繰り返し単位内にシクロアルカン骨格を有する化合物である場合、繰り返し単位内にシクロアルカン骨格を1つだけ有する樹脂であってもよく、2以上有する化合物であってもよい。
上記水素結合性官能基を有し、かつ、シクロアルカン骨格を有するエポキシ樹脂は特に限定されず、構造中又は繰り返し単位内に1つ以上のシクロアルカン骨格を含有していればよいが、繰り返し単位内にシクロアルカン骨格を有する樹脂であることが好ましい。繰り返し単位内にシクロアルカン骨格を有する化合物である場合、繰り返し単位内にシクロアルカン骨格を1つだけ有する樹脂であってもよく、2以上有する化合物であってもよい。
上記水素結合性官能基を有し、かつ、シクロアルカン骨格を有するエポキシ樹脂は、上記構造を有するものであれば特に限定されないが、耐光性、耐熱性に優れるとともに、接着性にも優れることから、下記一般式(1)、(2)及び(3)からなる群より選択される少なくとも1つの構造を有するエポキシ樹脂を含有することが好ましい。
上記一般式(1)、(2)及び(3)において、nは1以上であることが好ましい。上記nが1以上であると、nが0の場合に比べて、得られる接着剤がより着色防止効果の高いものとなる。上記nが20を超えると、粘度が上昇しすぎたり、他の配合物との相溶性が悪くなったりすることがある。
また、上記一般式(1)で表される化合物において、上記R1及び上記R2は、水素、メチル基、又は、エチル基であることがより好ましい。上記R1及び上記R2が、水素、メチル基、又は、エチル基であることにより、得られる接着剤が優れた耐光性と耐湿性とを兼ね備えたものとなる。なかでも、上記R1及び上記R2は、メチル基であることが特に好ましい。
上記カチオン重合性化合物全体における上記水素結合性官能基を有するエポキシ樹脂の含有量の下限は10重量%、上限は40重量%である。上記水素結合性官能基を有するエポキシ樹脂の含有量が10重量%未満であると、得られる光硬化性樹脂組成物を真空注入方式によるタッチパネルの製造に用いる際に、目的の真空度に達するまでの時間が長くなったり、装置内を汚染したりする。上記水素結合性官能基を有するエポキシ樹脂の含有量が40重量%を超えると、得られる光硬化性樹脂組成物が粘度の高いものとなって真空注入性が悪くなったり、水酸基濃度が低くなって誘電率が低下したりする。上記水素結合性官能基を有するエポキシ樹脂の含有量の好ましい下限は15重量%、好ましい上限は35重量%である。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲内において、その他のカチオン重合性化合物を含有してもよい。
上記その他のカチオン重合性化合物は特に限定されず、上記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン以外のオキセタン化合物(以下、その他のオキセタン化合物ともいう)、芳香族環を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
上記その他のカチオン重合性化合物は特に限定されず、上記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン以外のオキセタン化合物(以下、その他のオキセタン化合物ともいう)、芳香族環を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
上記その他のオキセタン化合物は特に限定されず、例えば、フェノキシメチルオキセタン、3,3−ビス(メトキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン、3,3−ビス(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン等が挙げられる。これらのオキセタン化合物は単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
上記芳香族環を有するエポキシ樹脂は特に限定されず、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物は、誘電率をより高くすることを目的として、更に、重量平均分子量が2000以下のポリカーボネートジオール(以下、ポリオールともいう)を含有することが好ましい。
重量平均分子量が2000を超えるポリオールを含有すると、得られる光硬化性樹脂組成物の粘度が高くなって真空注入性が悪くなることがある。
なお、本明細書において、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
重量平均分子量が2000を超えるポリオールを含有すると、得られる光硬化性樹脂組成物の粘度が高くなって真空注入性が悪くなることがある。
なお、本明細書において、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記ポリオールのうち市販されているものとしては、例えば、T4671、T4672、T4691、T4692、T6001、T6002、T5650J、T5651、T5652(いずれも、旭硝子ケミカルズ社製)、HBP−100(DIC社製)等が挙げられる。
上記ポリオールの水酸基価は特に限定されないが、好ましい下限は50mgKOH/g、好ましい上限は200mgKOH/gである。上記ポリオールの水酸基価が50mgKOH/g未満であると、光硬化性樹脂組成物の誘電率を高くする効果が充分に得られないことがある。上記ポリオールの水酸基価が200mgKOH/gを超えると、得られる光硬化性樹脂組成物が耐湿性や硬化性に劣るものとなることがある。上記ポリオールの水酸基価のより好ましい下限は80mgKOH/g、より好ましい上限は180mgKOH/gである。
上記ポリオールの含有量は特に限定されないが、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限は1重量部、好ましい上限は15重量部である。上記ポリオールの含有量が1重量部未満であると、誘電率をより高くする効果が充分に得られないことがある。上記ポリオールの含有量が15重量部を超えると、得られる光硬化性樹脂組成物が耐湿性や硬化性に劣るものとなることがある。上記ポリオールの含有量のより好ましい下限は2重量部、より好ましい上限は12重量部である。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物は、光カチオン重合開始剤を含有する。
上記光カチオン重合開始剤は、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであれば特に限定されず、イオン性光酸発生型であってもよいし、非イオン性光酸発生型であってもよい。
上記光カチオン重合開始剤は、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであれば特に限定されず、イオン性光酸発生型であってもよいし、非イオン性光酸発生型であってもよい。
上記光カチオン重合開始剤は特に限定されないが、下記一般式(4)で表されるオニウム塩が好適である。上記光カチオン重合開始剤として下記一般式(4)で表されるオニウム塩を用い、かつ、増感剤として後述する一般式(6)で表されるベンゾフェノン誘導体を用いることにより、得られる光硬化性樹脂組成物の光や熱による着色を抑制することができる。
式(4)中、R11及びR12は、水素、炭素数1〜20の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、又は、炭素数1〜20のカルボン酸アルキルエステル基を表す。上記R11及びR12は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式(4)中、X−は、PF6 −、AsF5 −、BF4 −、又は、下記一般式(5)で表されるボロン酸を表す。
式(4)中、X−は、PF6 −、AsF5 −、BF4 −、又は、下記一般式(5)で表されるボロン酸を表す。
なかでも、上記光カチオン重合開始剤は、得られる光硬化性樹脂組成物が透明性に優れ、液晶パネル等の基材の電極との界面で電極の酸化が発生しにくく、耐久性に優れるものとなるため、上記一般式(5)で表される嵩高いボロン酸を対アニオンとする塩からなるものが好適である。
上記光カチオン重合開始剤の含有量は特に限定されないが、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。上記光カチオン重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、カチオン重合が充分に進行しなかったり、得られる光硬化性樹脂組成物の硬化反応が遅くなりすぎたりすることがある。上記光カチオン重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、得られる光硬化性樹脂組成物の硬化反応が速くなりすぎて、作業性が低下したり、得られる光硬化性樹脂組成物が不均一な硬化物となったりすることがある。上記光カチオン重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.3重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物は、更に、シランカップリング剤を含有することが好ましい。上記シランカップリング剤は、本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物と液晶パネルや基板等の基材との接着性を向上させる役割を有する。
上記シランカップリング剤としては、具体的には例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシラン化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記シランカップリング剤の含有量は特に限定されないが、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。上記シランカップリング剤の含有量が0.1重量部未満であると、得られる光硬化性樹脂組成物の接着性を向上させる効果が充分に得られないことがある。上記シランカップリング剤の含有量が10重量部を超えると、余剰のシランカップリング剤がブリードアウトすることがある。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物は、下記一般式(6)で表されるベンゾフェノン誘導体からなる増感剤を含有することが好ましい。上記増感剤は、上記光カチオン重合開始剤の重合開始効率をより向上させて、本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物の硬化反応をより促進させる役割を有する。
式(6)中、R13及びR14は、水素、下記一般式(7−1)で表される置換基、又は、下記一般式(7−2)で表される置換基を表す。上記R13及びR14は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式(7−1)、(7−2)中、R15は、水素、炭素数1〜20の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、又は、炭素数1〜20のカルボン酸アルキルエステル基を表す。
上記一般式(6)表されるベンゾフェノン誘導体としては、具体的には例えば、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等が挙げられる。
上記増感剤の含有量は特に限定されないが、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は3重量部である。上記増感剤の含有量が0.05重量部未満であると、増感効果が充分に得られないことがある。上記増感剤の含有量が3重量部を超えると、吸収が大きくなりすぎて深部まで光が伝わらないことがある。上記増感剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は1重量部である。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物は、硬化遅延剤を含有してもよい。上記硬化遅延剤を含有することにより、得られる光硬化性樹脂組成物のポットライフを長くすることができる。
上記硬化遅延剤は特に限定されず、例えば、ポリエーテル化合物等が挙げられる。
上記ポリエーテル化合物は特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、クラウンエーテル化合物等が挙げられる。なかでも、クラウンエーテル化合物が好適である。
上記ポリエーテル化合物は特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、クラウンエーテル化合物等が挙げられる。なかでも、クラウンエーテル化合物が好適である。
上記クラウンエーテル化合物は特に限定されず、例えば、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、24−クラウン−8、及び、下記一般式(8)で表される構造を有する化合物等が挙げられる。
式(8)中、R16〜R27は、少なくとも1つが炭素数1〜20のアルキル基を表す。また、上記アルキル基は、炭素数1〜20の直鎖状又は分枝状のアルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、及び、炭素数1〜20のカルボン酸アルキルエステル基からなる群より選択される1以上の官能基で置換されていてもよく、更に、隣接するRn及びRn+1(但し、nは、16〜26の偶数を表す)は、共同して環状アルキル骨格を形成していてもよい。
上記一般式(8)で表される構造を有する硬化遅延剤のなかでも、少なくとも1つのシクロヘキシル基を有するものが好適である。上記シクロヘキシル基を有することにより、クラウンエーテルの骨格が安定し、遅延効果が高まる。
上記シクロヘキシル基を有する上記一般式(8)で表される構造を有する硬化遅延剤としては、具体的には例えば、下記化学式(9)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
上記シクロヘキシル基を有する上記一般式(8)で表される構造を有する硬化遅延剤としては、具体的には例えば、下記化学式(9)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
上記化学式(9)で表される構造を有する化合物は、18−クラウン−6−エーテル分子の中央を通る線に対して線対称となる位置に2個のシクロヘキシル基を有するため、18−クラウン−6−エーテル分子の骨格に歪み等を生じさせることなく遅延効果が高くなると考えられる。
上記硬化遅延剤の含有量は特に限定されないが、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は5.0重量部である。上記硬化遅延剤の含有量が0.05重量部未満であると、得られる光硬化性樹脂組成物に遅延効果を充分に付与できないことがある。上記硬化遅延剤の含有量が5.0重量部を超えると、得られる光硬化性樹脂組成物を硬化させる際に発生するアウトガス等が多くなることがある。上記硬化遅延剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は3重量部である。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物は、更に、熱硬化剤を含有してもよい。
上記熱硬化剤を含有することで、本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物に熱硬化性を付与することができる。
上記熱硬化剤を含有することで、本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物に熱硬化性を付与することができる。
上記熱硬化剤は特に限定されず、例えば、ヒドラジド化合物、イミダゾール誘導体、酸無水物、ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、変性脂肪族ポリアミン、各種アミンとエポキシ樹脂との付加生成物等が挙げられる。
上記ヒドラジド化合物は特に限定されず、例えば、1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン]等が挙げられる。
上記イミダゾール誘導体は特に限定されず、例えば、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記酸無水物は特に限定されず、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコールービス(アンヒドロトリメリテート)等が挙げられる。
これらの熱硬化剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
上記ヒドラジド化合物は特に限定されず、例えば、1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン]等が挙げられる。
上記イミダゾール誘導体は特に限定されず、例えば、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記酸無水物は特に限定されず、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコールービス(アンヒドロトリメリテート)等が挙げられる。
これらの熱硬化剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されないが、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限は0.5重量部、好ましい上限は30重量部である。上記熱硬化剤の含有量が0.5重量部未満であると、得られる光硬化性樹脂組成物に充分な熱硬化性を付与できないことがある。上記熱硬化剤の含有量が30重量部を超えると、得られる光硬化性樹脂組成物の保存安定性が不充分となったり、得られる光硬化性樹脂組成物の硬化物の耐湿性が悪くなったりすることがある。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は15重量部である。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で充填剤を含有してもよい。
上記充填剤は特に限定されず、例えば、無機フィラー、有機フィラー等が挙げられる。
上記無機フィラーは特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土等が挙げられる。
上記有機フィラーは特に限定されず、例えば、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等が挙げられる。
上記充填剤は特に限定されず、例えば、無機フィラー、有機フィラー等が挙げられる。
上記無機フィラーは特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土等が挙げられる。
上記有機フィラーは特に限定されず、例えば、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等が挙げられる。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物を製造する方法は特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、カチオン重合性化合物と、低蒸気圧無官能樹脂と、光カチオン重合開始剤と、必要に応じて添加する熱硬化剤、シランカップリング剤等の添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物は、コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定したときの粘度の下限が5mPa・s、上限が500mPa・sである。上記タッチパネル用光硬化性樹脂組成物の粘度が500mPa・sを超えると、真空注入に長時間を要する。上記タッチパネル用光硬化性樹脂組成物の粘度の好ましい下限は20mPa・s、好ましい上限は300mPa・sである。上記タッチパネル用光硬化性樹脂組成物の粘度のより好ましい下限は25mPa・s、より好ましい上限は200mPa・sである。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物の硬化物の厚さを300μmとしたときの可視光領域における光線透過率の好ましい下限は80%である。上記硬化物の光線透過率が80%未満であると、得られるタッチパネルが光学特性に劣るものとなることがある。
JIS K6253のタイプEに準拠して測定した、本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物の硬化物の硬度の好ましい下限は30、好ましい上限は70である。上記硬化物の硬度が30未満であると、強度が充分に得られないことがある。上記硬化物の硬度が70を超えると、得られるタッチパネルが耐衝撃性に劣るものとなることがある。上記硬化物の硬度のより好ましい下限は40、より好ましい上限は60である。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物を用いる真空注入方式によるタッチパネルの製造方法としては、一対の基材を所定の間隔をおいて対向させ、その周囲をシール剤で封着してセルを形成し、その一部に設けられた注入口からセル内に本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物を注入(図1)した後、光の照射等によって本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物を硬化させる工程を有する方法が挙げられる。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物を硬化させるために照射する光としては、300nm〜400nmの波長及び300〜3000mJ/cm2の積算光量の光が好適に用いられる。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物硬化させるための光を照射する光源は特に限定されず、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、エキシマレーザ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置等が挙げられる。これらの光源は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの光源は、上記光カチオン重合開始剤の吸収波長に合わせて適宜選択される。
上記光源の本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物への照射手順としては、例えば、各種光源の同時照射、時間差をおいての逐次照射、同時照射と逐次照射との組み合わせ照射等が挙げられ、いずれの照射手段を用いてもよい。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物の硬化に際しては、カチオン重合性化合物の光カチオン重合をより促進して、硬化時間をより短縮するために、光照射と同時に加熱を行ってもよい。上記加熱を行う場合の加熱温度は特に限定されないが、50〜100℃程度であることが好ましい。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物の硬化に際しては、カチオン重合性化合物の光カチオン重合をより促進して、硬化時間をより短縮するために、光照射と同時に加熱を行ってもよい。上記加熱を行う場合の加熱温度は特に限定されないが、50〜100℃程度であることが好ましい。
本発明のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物を用いて製造されるタッチパネルもまた、本発明の1つである。
本発明によれば、低粘度かつ高誘電率であり、基材との接着性及び硬化物の透明性に優れるタッチパネル用光硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該タッチパネル用光硬化性樹脂組成物を用いて製造されるタッチパネルを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
カチオン重合性化合物として、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(宇部興産社製、「ETERNACOLL EHO」)20重量部、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、「エピコートYL8000」)20重量部、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(東亞合成社製、「アロンオキセタンOXT−212」)35重量部、及び、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(東亞合成社製、「アロンオキセタンOXT−221」)25重量部と、光カチオン重合開始剤(ローディア社製、「RP2074」)1重量部と、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、「KBM−403」)1重量部と、増感剤として4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド(日本化薬社製、「KAYACURE BMS」)0.1重量部とを混合し、80℃に加熱した後、ホモディスパー型攪拌混合機(プライミクス社製、「ホモディスパーL型」)を用い、攪拌速度3000rpmで均一に攪拌混合して、光硬化性樹脂組成物を作製した。
カチオン重合性化合物として、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(宇部興産社製、「ETERNACOLL EHO」)20重量部、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、「エピコートYL8000」)20重量部、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(東亞合成社製、「アロンオキセタンOXT−212」)35重量部、及び、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(東亞合成社製、「アロンオキセタンOXT−221」)25重量部と、光カチオン重合開始剤(ローディア社製、「RP2074」)1重量部と、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、「KBM−403」)1重量部と、増感剤として4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド(日本化薬社製、「KAYACURE BMS」)0.1重量部とを混合し、80℃に加熱した後、ホモディスパー型攪拌混合機(プライミクス社製、「ホモディスパーL型」)を用い、攪拌速度3000rpmで均一に攪拌混合して、光硬化性樹脂組成物を作製した。
(実施例2)
3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を60重量部に変更し、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を60重量部に変更し、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
(実施例3)
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの配合量を15重量部、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を45重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの配合量を15重量部、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を45重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
(実施例4)
水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合量を30重量部、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を15重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合量を30重量部、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を15重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
(実施例5)
3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンを配合せず、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を60重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンを配合せず、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を60重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
(実施例6)
3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンの配合量を60重量部に変更し、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンの配合量を60重量部に変更し、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
(実施例7)
3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を20重量部に変更し、更に、ポリカーボネートジオールとしてT5650J(旭化成ケミカルズ社製、重量平均分子量800、水酸基価140mgKOH/g)5重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を20重量部に変更し、更に、ポリカーボネートジオールとしてT5650J(旭化成ケミカルズ社製、重量平均分子量800、水酸基価140mgKOH/g)5重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
(比較例1)
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの配合量を15重量部、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合量を50重量部、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を15重量部に変更し、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの配合量を15重量部、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合量を50重量部、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を15重量部に変更し、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
(比較例2)
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの配合量を60重量部、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合量を25重量部、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を15重量部に変更し、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの配合量を60重量部、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合量を25重量部、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を15重量部に変更し、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
(比較例3)
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを配合せず、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合量を25重量部、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンの配合量を50重量部、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を15重量部に変更し、更に、ポリカーボネートジオールとしてT5650J(旭化成ケミカルズ社製、重量平均分子量800、水酸基価140mgKOH/g)10重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを配合せず、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合量を25重量部、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンの配合量を50重量部、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を15重量部に変更し、更に、ポリカーボネートジオールとしてT5650J(旭化成ケミカルズ社製、重量平均分子量800、水酸基価140mgKOH/g)10重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
(比較例4)
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの配合量を15重量部、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合量を95重量部、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を15重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの配合量を15重量部、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合量を95重量部、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンの配合量を15重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を作製した。
(評価)
実施例及び比較例で得られた光硬化性樹脂組成物について、以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
実施例及び比較例で得られた光硬化性樹脂組成物について、以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
(1)粘度
コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で得られたタッチパネル用光硬化性樹脂組成物の粘度を測定した。
コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で得られたタッチパネル用光硬化性樹脂組成物の粘度を測定した。
(2)真空注入性
50mm×50mmのガラス板(厚さ0.7mm)に熱硬化性のシール剤(STRUCT BOND XN−21−S(三井化学社製)にスペーサ粒子としてミクロパールSP−206(積水化学工業社製、粒子径6μm)を2重量%配合したもの)を用いて注入口を有する40mm×40mmの四角形の枠を描画し、もう一枚のガラス板を貼り合せた後に150℃で3時間加熱し、シール剤を硬化させた。真空槽に実施例及び比較例で得られた光硬化性樹脂組成物と貼り合せたガラス板とを入れて約1Paに減圧し、貼り合せたガラス板の封入口と光硬化性樹脂組成物を触れさせ、常圧に戻し、ガラス板内に光硬化性樹脂組成物が完全に充填されるまでの時間を測定し、以下の基準で真空注入性を評価した。
○:光硬化性樹脂組成物が完全に充填されるまでの時間が10分未満
△:光硬化性樹脂組成物が完全に充填されるまでの時間が10分以上20分未満
×:光硬化性樹脂組成物が完全に充填されるまでの時間が20分以上
50mm×50mmのガラス板(厚さ0.7mm)に熱硬化性のシール剤(STRUCT BOND XN−21−S(三井化学社製)にスペーサ粒子としてミクロパールSP−206(積水化学工業社製、粒子径6μm)を2重量%配合したもの)を用いて注入口を有する40mm×40mmの四角形の枠を描画し、もう一枚のガラス板を貼り合せた後に150℃で3時間加熱し、シール剤を硬化させた。真空槽に実施例及び比較例で得られた光硬化性樹脂組成物と貼り合せたガラス板とを入れて約1Paに減圧し、貼り合せたガラス板の封入口と光硬化性樹脂組成物を触れさせ、常圧に戻し、ガラス板内に光硬化性樹脂組成物が完全に充填されるまでの時間を測定し、以下の基準で真空注入性を評価した。
○:光硬化性樹脂組成物が完全に充填されるまでの時間が10分未満
△:光硬化性樹脂組成物が完全に充填されるまでの時間が10分以上20分未満
×:光硬化性樹脂組成物が完全に充填されるまでの時間が20分以上
(3)透明性
(2)と同様にして光硬化性樹脂組成物を充填したガラス板に、1500mJ/cm2の紫外線を照射し、室温で1時間保持して光硬化性樹脂組成物を硬化させ、実施例及び比較例に係るサンプルを作製した。得られたサンプルを目視し、透明な場合を「○」、不透明な場合を「×」として透明性を評価した。
(2)と同様にして光硬化性樹脂組成物を充填したガラス板に、1500mJ/cm2の紫外線を照射し、室温で1時間保持して光硬化性樹脂組成物を硬化させ、実施例及び比較例に係るサンプルを作製した。得られたサンプルを目視し、透明な場合を「○」、不透明な場合を「×」として透明性を評価した。
(4)初期光線透過率
(3)と同様にして作製した実施例及び比較例に係るサンプルを用いて、分光光度計(日立製作所社製、U−3000、条件300〜800nm)を用いて、波長405nmの吸光度を測定し、初期の光線透過率を算出した。
(3)と同様にして作製した実施例及び比較例に係るサンプルを用いて、分光光度計(日立製作所社製、U−3000、条件300〜800nm)を用いて、波長405nmの吸光度を測定し、初期の光線透過率を算出した。
(5)加熱後光線透過率
(3)と同様にして作製した実施例及び比較例に係るサンプルを、85℃に設定されたオーブン(エスペック社製、「パーフェクトオーブン PH−201」)にて1000時間加熱した。その後、分光光度計(日立製作所社製、「U−3000」)を用いて、波長405nmの各サンプルの吸光度を測定し、耐熱性試験後の光線透過率を算出した。
(3)と同様にして作製した実施例及び比較例に係るサンプルを、85℃に設定されたオーブン(エスペック社製、「パーフェクトオーブン PH−201」)にて1000時間加熱した。その後、分光光度計(日立製作所社製、「U−3000」)を用いて、波長405nmの各サンプルの吸光度を測定し、耐熱性試験後の光線透過率を算出した。
(6)紫外線照射後光線透過率
耐光性ウエザロメーター(スガ試験機社製、「スーパーキセノンウェザーメーター SX75」)を用いて、(3)と同様にして作製した実施例及び比較例に係るサンプルに対して、耐光性試験を1000時間行った。その後、分光光度計(日立製作所社製、「U−3000」)を用いて、波長405nmの各サンプルの吸光度を測定し、耐光性試験後の光線透過率を算出した。
耐光性ウエザロメーター(スガ試験機社製、「スーパーキセノンウェザーメーター SX75」)を用いて、(3)と同様にして作製した実施例及び比較例に係るサンプルに対して、耐光性試験を1000時間行った。その後、分光光度計(日立製作所社製、「U−3000」)を用いて、波長405nmの各サンプルの吸光度を測定し、耐光性試験後の光線透過率を算出した。
(7)誘電率
1260型インピーダンスアナライザ、1296型誘電率測定インターフェイス(いずれも、ソーラトロン社製)を用いて実施例及び比較例で得られた光硬化性樹脂組成物の誘電率を測定した。誘電率が2.5以上であれば、静電容量方式のタッチパネルに好適に用いることができる。
1260型インピーダンスアナライザ、1296型誘電率測定インターフェイス(いずれも、ソーラトロン社製)を用いて実施例及び比較例で得られた光硬化性樹脂組成物の誘電率を測定した。誘電率が2.5以上であれば、静電容量方式のタッチパネルに好適に用いることができる。
(8)揮発性
真空槽内に実施例及び比較例で得られた光硬化性樹脂組成物を入れ、約1Paに減圧して重量損失を測定し、以下の基準で揮発性を評価した。
○:光硬化性樹脂組成物の重量損失が5重量%未満
△:光硬化性樹脂組成物の重量損失が5重量%以上、10重量%未満
×:光硬化性樹脂組成物の重量損失が10重量%以上
真空槽内に実施例及び比較例で得られた光硬化性樹脂組成物を入れ、約1Paに減圧して重量損失を測定し、以下の基準で揮発性を評価した。
○:光硬化性樹脂組成物の重量損失が5重量%未満
△:光硬化性樹脂組成物の重量損失が5重量%以上、10重量%未満
×:光硬化性樹脂組成物の重量損失が10重量%以上
本発明によれば、低粘度かつ高誘電率であり、基材との接着性及び硬化物の透明性に優れるタッチパネル用光硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該タッチパネル用光硬化性樹脂組成物を用いて製造されるタッチパネルを提供することができる。
1 基材
2 光硬化性樹脂組成物
3 シール剤
2 光硬化性樹脂組成物
3 シール剤
Claims (4)
- 真空注入方式によるタッチパネル用基材の接着に用いられる光硬化性樹脂組成物であって、
カチオン重合性化合物と光カチオン重合開始剤とを含有し、
前記カチオン重合性化合物は、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを15〜40重量%、及び、水素結合性官能基を有するエポキシ樹脂を10〜40重量%含有し、
コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定した全体の粘度が5〜500mPa・sである
ことを特徴とするタッチパネル用光硬化性樹脂組成物。 - 重量平均分子量が2000以下のポリカーボネートジオールを含有することを特徴とする請求項1記載のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物。
- 水素結合性官能基を有するエポキシ樹脂は、シクロアルカン骨格を有することを特徴とする請求項1又は2記載のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物。
- 請求項1、2又は3記載のタッチパネル用光硬化性樹脂組成物を用いて製造されることを特徴とするタッチパネル。
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JP2019189844A (ja) * | 2018-04-20 | 2019-10-31 | 積水化学工業株式会社 | 電子デバイス用光硬化性樹脂組成物 |
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2009
- 2009-11-13 JP JP2009260022A patent/JP2011105806A/ja active Pending
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JP2019189844A (ja) * | 2018-04-20 | 2019-10-31 | 積水化学工業株式会社 | 電子デバイス用光硬化性樹脂組成物 |
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