JP2011105413A - ロール紙保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ロール紙の紙幅に応じて部品を交換する必要がなく、ロール紙の紙幅が異なっても、ロール紙の紙幅の中心を定位置に容易に且つ正確にセットすることができるロール紙保持装置を提供する。
【解決手段】 ロール紙5の左側半分を回転自在に収容する半円筒状の第1のケース8と、ロール紙5の右側半分を回転自在に収容する半円筒状の第2のケース9との間における隙間Sを、隙間調整部材11のスライド操作によってロール紙5の紙幅Wに応じて調整するように構成した。従って、第1のケース8と第2のケース9との両者の全長Lをロール紙5の紙幅Wに応じて調整することができる。このため、ロール紙5の紙幅Wに応じて部品を交換する必要がなく、ロール紙5の紙幅Wが異なっても、ロール紙5の紙幅Wの中心を定位置に容易に且つ正確にセットすることができる。
【選択図】 図3

Description

この発明は、プリンタに用いられるロール紙を回転自在に保持するロール紙保持装置に関する。
従来、プリンタのロール紙保持装置においては、特許文献1に記載されているように、ロール紙を回転自在に保持する際に、ロール紙の紙幅の中心を予め定められた定位置にセットするために、ロール紙の芯部に挿入する保持軸を備え、この保持軸の一端部にガイド板を設け、保持軸の他端部にスライドガイド板を設けた構成のものが知られている。
特開2006−315791号公報
この種のロール紙保持装置は、ロール紙の紙幅が狭いときに保持軸の一端部に設けられたガイド板とロール紙との間にスペーサを介在させた状態で、スライドガイド板をスライドさせて位置調整することにより、ロール紙の紙幅の中心を保持軸の定位置にセットし、またロール紙の紙幅が広いときには、スペーサを取り外して、スライドガイド板をスライドさせて位置調整することにより、ロール紙の紙幅の中心を保持軸の定位置にセットするように構成されている。
しかしながら、このような従来のロール紙保持装置では、ロール紙の紙幅の中心を保持軸の定位置にセットするために、別部品であるスペーサを用いてロール紙の紙幅を調整する構成であるから、ロール紙の紙幅に応じてスペーサを交換しなければならず、その交換作業が面倒で、部品点数が多くなるばかりか、別部品であるスペーサを紛失しないように管理しなければならないなどの問題がある。
この発明が解決しようとする課題は、ロール紙の紙幅に応じて部品を交換する必要がなく、ロール紙の紙幅が異なっても、ロール紙の紙幅の中心を定位置に容易に且つ正確にセットすることができるロール紙保持装置を提供することである。
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
請求項1に記載の発明は、ロール紙の片側を回転自在に収容する円弧状の第1のケースと、前記ロール紙の他方の片側を回転自在に収容する円弧状の第2のケースと、前記第1のケースと前記第2のケースとが、その両者の互いに接近する箇所に隙間をもって、前記ロール紙の紙幅方向に沿って並列に配置される円弧状の保持ケースと、前記第1のケースと前記第2のケースとの間における前記隙間に対応する箇所に配置され、前記隙間を前記ロール紙の紙幅に応じて調整操作する隙間調整部材と、を備えていることを特徴とするロール紙保持装置である。
請求項2に記載の発明は、前記隙間が、前記第1のケースと前記第2のケースとの両者の円弧方向に沿って一方側から他方側に向かうに従って徐々に広く形成されており、前記隙間調整部材は、前記隙間に沿ってスライド可能に配置され、そのスライド操作に応じて前記隙間の間隔を調整するスライド操作部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のロール紙保持装置である。
請求項3に記載の発明は、前記第1のケースと前記第2のケースとが互いに接近する両者の各端部における縁部に、その各端部の円弧方向に沿ってそれぞれガイドレール部が設けられており、前記隙間調整部材は、前記ガイドレール部に沿ってそれぞれ移動して、前記第1のケースと前記第2のケースとを接離方向に移動させるための一対のガイド部を備えていることを特徴とする請求項2に記載のロール紙保持装置である。
請求項4に記載の発明は、前記第1のケースと前記第2のケースとを互いに接近する方向に付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする請求項2に記載のロール紙保持装置である。
請求項5に記載の発明は、前記隙間調整部材が、前記隙間に対応する箇所の前記保持ケースに回転自在に設けられた回転体と、この回転体を回転操作する回転操作部と、この回転操作部の回転操作による前記回転体の回転動作に応じて前記第1のケースと前記第2のケースとにそれぞれ設けられた一対の突起部を接離方向に移動させるための一対のガイド部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のロール紙保持装置である。
請求項6に記載の発明は、前記隙間調整部材を前記保持ケースに対する任意の位置に位置規制する位置規制部を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のロール紙保持装置である。
この発明によれば、ロール紙の片側を回転自在に収容する円弧状の第1のケースと、ロール紙の他方の片側を回転自在に収容する円弧状の第2のケースとの間に位置する隙間を、隙間調整部材の調整操作によってロール紙の紙幅に応じて調整することにより、第1のケースと第2のケースとの両者の全長をロール紙の紙幅に応じて調整することができる。このため、ロール紙の紙幅に応じて部品を交換する必要がなく、ロール紙の紙幅が異なっても、ロール紙の紙幅の中心を定位置に容易に且つ正確にセットすることができる。
この発明を携帯端末機に適用した実施形態1を示した斜視図である。 図1の携帯端末機に搭載されたプリンタ部のプリンタカバーを取り外した状態を示した斜視図である。 図2のロール紙保持装置を示した拡大斜視図である。 図3のロール紙保持装置における保持ケースを示した拡大斜視図である。 図3のロール紙保持装置における第2のケースを裏面側から見た拡大斜視図である。 図3のロール紙保持装置における隙間調整部材を示した拡大斜視図である。 図3のA−A矢視における拡大断面図である。 この発明を携帯端末機に適用した実施形態2のロール紙保持装置を示した拡大斜視図である。 図8のロール紙保持装置における保持ケースを示した拡大斜視図である。 図8のB−B矢視における拡大断面図である。 図8のロール紙保持装置における第2のケースを裏面側から見た拡大斜視図である。 図8のロール紙保持装置における隙間調整部材を示した拡大斜視図である。 図8のC−C矢視における拡大断面図である。 この発明の実施形態1、2におけるロール紙保持装置の変形例を示した拡大斜視図である。 図14のロール紙保持装置における第2のケースを裏面側から見た拡大斜視図である。 図14のロール紙保持装置における隙間調整部材を示した拡大平面図である。 この発明を携帯端末機に適用した実施形態3のロール紙保持装置を示した拡大斜視図である。 図17のロール紙保持装置における保持ケースを示した拡大斜視図である。 図17のロール紙保持装置における第2のケースを裏面側から見た拡大斜視図である。 図17のロール紙保持装置における隙間調整部材を示した拡大平面図である。 図17のD−D矢視における拡大断面図である。 この発明の実施形態3におけるロール紙保持装置の変形例において隙間調整部材を示した拡大平面図である。 図22の変形例における保持ケースを示した拡大斜視図である。
(実施形態1)
以下、図1〜図7を参照して、この発明を携帯端末機に適用した実施形態1について説明する。
この携帯端末機は、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタント)であり、図1および図2に示すように、機器本体1を備えている。この機器本体1は、全体がほぼ長方形の箱状に形成されている。この機器本体1の上面には、入力表示部2とキー入力部3とが設けられており、この機器本体1の長手方向における一端部(図1では上端部)には、プリンタ部4が設けられている。
入力表示部2は、透明なタッチパネルの下に表示パネルを重ね合わせたものであり、透明なタッチパネルを通して表示パネルに表示された情報が見え、この状態で透明なタッチパネルをタッチペンでタッチ操作することにより、情報を入力するように構成されている。また、キー入力部3は、テンキー、決定キーなどの各種のキーを備え、この各種のキーをキー操作することにより、そのキー操作に応じた情報を入力するように構成されている。
プリンタ部4は、入力表示部2に表示された情報をキー入力部3のキー操作またはタッチペンによるタッチパネルのタッチ操作に応じてロール紙5(図3参照)に印刷するものであり、図1および図2に示すように、ロール紙5に情報を印刷する印字部6と、ロール紙5を保持するロール紙保持装置7とを備え、これらがプリンタカバー4aによって覆われた構成になっている。印字部6は、機器本体1の入力表示部2に表示された情報をロール紙5に順次印刷するように構成されている。ロール紙保持装置7は、ロール紙5を回転自在に保持して印字部6の印刷動作に応じて順次印字部6に送り込むように構成されている。
このロール紙保持装置7は、図3に示すように、ロール紙5の片側(図3では左側)を回転自在に収容する半円筒状の第1のケース8と、ロール紙5の他方の片側(図3では右側)を回転自在に収容する半円筒状の第2のケース9と、第1のケース8と第2のケース9とが、その両者の互いに接近する箇所に隙間Sをもって、ロール紙5の紙幅(W)方向に並列に配置される半円筒状の保持ケース10と、第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sに対応する保持ケース10に隙間Sをロール紙5の紙幅Wに応じて調整操作可能に配置された隙間調整部材11とを備えている。
この場合、保持ケース10は、図3および図4に示すように、半円筒状に形成され、その両端部に半円形状の側壁10aがそれぞれ形成されている。この保持ケース10の内面には、隙間調整部材11が挿入して円弧方向に沿って移動するためのスライド溝12が、第1のケース8と第2のケース9との間に位置する隙間Sに対応して帯状に設けられている。第1のケース8は、図3に示すように、半円筒状に形成され、その一端部(図3では左端部)に側壁8aが形成され、保持ケース10内の左側に配置されている。第2のケース9は、半円筒状に形成され、その一端部(図3では右端部)に側壁9aが形成され、保持ケース10内の右側に配置されている。
この第1のケース8と第2のケース9とは、図3に示すように、その両者が互いに接近する各端部8b、9bが、保持ケース10の中間部に設けられたスライド溝12に対応する状態で、配置されている。また、第1のケース8の端部8bと第2のケース9の端部9bとの間に設けられた隙間Sは、図3に示すように、保持ケース10のスライド溝12に対応した状態で、第1のケース8と第2のケース9との両者の円弧方向に沿って一方側(図3では手前の下辺側)から他方側(図3では上辺側)に向かうに従って徐々に広く形成されている。
この場合、第1のケース8と第2のケース9との各端部8b、9bにおける縁部の外周面には、図5に示すように、ガイドレール溝13(図5では第2のケース9側のガイドレール溝13のみを示す)がそれぞれ設けられている。このガイドレール溝13は、第1のケース8と第2のケース9との円弧方向における隙間Sの中間部から隙間Sが徐々に広がる方向(図5では上辺側)に向けて各端部8b、9bに沿って設けられている。
隙間調整部材11は、図6および図7に示すように、保持ケース10のスライド溝12内にスライド可能に配置される平板状の駒本体14と、この駒本体14上に設けられて隙間S内をスライドするスライド操作部15と、駒本体14上におけるスライド操作部15の両側に位置する箇所に設けられて第1のケース8と第2のケース9との各ガイドレール溝13内を移動する一対のガイド突起部16とを備えている。
この場合、スライド操作部15は、図6および図7に示すように、第1のケース8と第2のケース9との間に位置する隙間Sが徐々に狭くなる方向に向けて次第に細くなるほぼ楔形状に形成され、その両側面に第1のケース8と第2のケース9との各端部8b、9bが接触した状態で隙間S内をスライドするように構成されている。また、一対のガイド突起部16は、ガイドレール溝13の溝幅と同じ幅の細長い帯状の突条に形成され、スライド操作部15の両側面と平行に設けられている。
この一対のガイド突起部16は、図3および図7に示すように、ガイドレール溝13が第1のケース8と第2のケース9との円弧方向における隙間Sの中間部から隙間Sが徐々に広がる方向に向けて設けられていることにより、第1のケース8と第2のケース9との円弧方向における隙間Sの中間部と隙間Sの最も広い部分との間を移動するように構成されている。このため、隙間調整部材11は、第1のケース8と第2のケース9との円弧方向における隙間Sの中間部と隙間Sの最も広い部分との間を移動するように構成されている。
これにより、隙間調整部材11は、図3および図7に示すように、スライド操作部15を第1のケース8と第2のケース9との円弧方向における隙間Sの中間部と隙間Sの最も広い部分との間で、図3に示す矢印X1、X2方向にスライドさせると、これに伴って一対のガイド突起部16が第1のケース8と第2のケース9との各ガイドレール溝13に沿ってそれぞれ移動することにより、第1のケース8と第2のケース9との隙間Sが徐々に変化し、第1のケース8と第2のケース9とを互いに接離方向(図3の矢印Y1、Y2方向)に移動させるように構成されている。
次に、このロール紙保持装置7にロール紙5を収納する場合について説明する。
まず、紙幅Wの広いロール紙5を装着する場合について説明する。この場合には、図3に示すように、隙間調整部材11の駒本体14を第1のケース8と第2のケース9との円弧方向における隙間Sが狭くなる方向(図3の矢印X2方向)に向けて移動させる。このときには、第1のケース8と第2のケース9との間に位置する隙間Sから露出した駒本体14のスライド操作部15を、隙間Sに沿って第1のケース8と第2のケース9との円弧方向における隙間Sの中間部に向けて移動させる。
すると、駒本体15の一対のガイド突起部16が第1のケース8と第2のケース9との各ガイドレール溝13に沿ってそれぞれ図3の矢印X2方向に移動することにより、第1のケース8と第2のケース9との隙間Sが徐々に広くなると共に、第1のケース8と第2のケース9とが互いに離れる方向(図3の矢印Y2方向)に移動する。これにより、第1のケース8と第2のケース9とにおけるロール紙5の紙幅方向の全長Lが長くなり、紙幅Wの広いロール紙5を収容することができる。
この場合には、紙幅Wの広いロール紙5の紙幅(W)方向における中心を、保持ケース10の軸方向における中心である定位置に一致させた状態で、ロール紙5を第1のケース8と第2のケース9との両者の内部に収容することができる。このときには、第1のケース8と第2のケース9とは、図3に示すように、それぞれ半円筒状に形成されているので、第1のケース8と第2のケース9との両者に亘ってロール紙5を挿入するだけで、簡単にロール紙5をガタつくことなく、第1のケースと第2のケース9との内部に密接させて回転自在に収容することができる。
次に、紙幅Wの狭いロール紙5を装着する場合について説明する。この場合には、図3に示すように、隙間調整部材11の駒本体14を第1のケース8と第2のケース9との円弧方向における隙間Sが徐々に広くなる方向(図3の矢印X1方向)に向けて移動させる。このときにも、第1のケース8と第2のケース9との間に位置する隙間Sから露出した駒本体14のスライド操作部15を隙間Sに沿って隙間Sが徐々に広くなる方向に向けて移動させる。
すると、駒本体15の一対のガイド突起部16が第1のケース8と第2のケース9との各ガイドレール溝13に沿ってそれぞれ図3の矢印X1方向に移動することにより、第1のケース8と第2のケース9との隙間Sが徐々に狭くなると共に、第1のケース8と第2のケース9とが互いに接近する方向(図3の矢印Y1方向)に移動する。これにより、第1のケース8と第2のケース9とにおけるロール紙5の紙幅方向の全長Lが短くなり、紙幅Wの狭いロール紙5を収容することができる。
この場合にも、紙幅Wの狭いロール紙5の紙幅(W)方向における中心を、保持ケース10の軸方向における中心である定位置に一致させた状態で、ロール紙5を第1のケース8と第2のケース9との両者の内部に収容することができる。このときにも、第1のケース8と第2のケース9とは、図3に示すように、それぞれ半円筒状に形成されているので、第1のケース8と第2のケース9との両者に亘ってロール紙5を挿入するだけで、簡単にロール紙5をガタつくことなく、第1のケース8と第2のケース9との内部に密接させて回転自在に収容することができる。
このように、この携帯端末機のロール紙保持装置7によれば、ロール紙5の左側半分を回転自在に収容する半円筒状の第1のケース8と、ロール紙5の右側半分を回転自在に収容する半円筒状の第2のケース9との間に設けられた隙間Sを、隙間調整部材11のスライド操作によってロール紙5の紙幅Wに応じて調整することにより、第1のケース8と第2のケース9との両者の全長Lをロール紙5の紙幅Wに応じて調整することができる。
このため、ロール紙5の紙幅Wが異なっていても、ロール紙5の紙幅Wの中心を、保持ケース10の軸方向における中心である定位置に一致させた状態で容易に且つ正確にセットすることができると共に、構造が簡単で、コンパクトに構成することができる。また、ロール紙5の紙幅Wに応じてオプションとしての部品を用意して交換する必要がないため、部品点数が少なく、調整作業が容易にできるほか、オプションとしての部品やその部品管理が不要となり、且つその部品を紛失したりすることもないので、使い勝手の良いものを提供することができる。
この場合、第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sは、第1のケース8と第2のケース9との両者の円弧方向に沿って一方側(図3では中間部)から他方側(図3の上辺側)に向かうに従って徐々に広く形成されており、隙間調整部材11は、隙間Sに第1のケース8と第2のケース9との両者の円弧方向に沿ってスライド可能に配置されたスライド操作部15を備えているので、このスライド操作部15を隙間Sに沿って移動させることにより、その移動量に応じて隙間Sの間隔を正確に且つ微妙に調整することができる。
また、第1のケース8と第2のケース9とが互いに接近する両者の各縁部8b、9bには、その円弧方向に沿ってそれぞれガイドレール溝13が設けられており、隙間調整部材には、ガイドレール溝13に沿ってそれぞれ移動する一対のガイド突起部16が設けられているので、スライド操作部15を隙間Sに沿って移動させると、これに伴って一対のガイド突起部16が第1のケース8と第2のケース9との各ガイドレール溝13に沿って移動することにより、一対のガイド突起部16の移動に応じて第1のケース8と第2のケース9とを接離方向に確実に移動させることができる。
すなわち、このロール紙保持装置7では、隙間調整部材11を第1のケース8と第2のケース9との隙間Sが徐々に狭くなる方向(図3の矢印X2方向)に向けて移動させると、スライド操作部15と一対のガイド突起部16とによって第1のケース8と第2のケース9とを互いに離れる方向(図3の矢印Y2方向)に移動させて、第1のケース8と第2のケース9との隙間Sを徐々に押し広げるので、第1のケース8と第2のケース9との全長Lを長くことができ、これにより紙幅Wの広いロール紙5を収容することができる。
また、隙間調整部材11を第1のケース8と第2のケース9との隙間Sが徐々に広くなる方向(図3の矢印X1方向)に向けて移動させると、スライド操作部15と一対のガイド突起部16とによって第1のケース8と第2のケース9とを互いに接近する方向(図3の矢印Y1方向)に移動させて、第1のケース8と第2のケース9との隙間Sを徐々に狭くするので、第1のケース8と第2のケース9とにおけるロール紙5の紙幅方向の全長Lを短くことができ、これにより紙幅Wの狭いロール紙5を収容することができる。
この場合、ロール紙5の紙幅Wが、例えば82.55mmと80mmとの2種類で、両者の差が2.55mmと少なく、片側のみの差が1.275mmであっても、隙間調整部材11を第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sに沿ってスライドさせるだけで、簡単に且つ正確に第1のケース8と第2のケース9との両者の全長Lをロール紙5の紙幅Wに応じて調整することができ、これによりロール紙5の紙幅Wが僅かに異なっていても、ロール紙5の紙幅Wの中心を、保持ケース10の軸方向における中心である定位置に一致させた状態で容易に且つ正確にセットすることができる。
なお、上述した実施形態では、隙間調整部材11の駒本体14に一対のガイド突起部16を設け、第1のケース8と第2のケース9との各端部8b、9bにおける縁部にガイドレール溝13をそれぞれ設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば隙間調整部材11の駒本体14に一対のガイド溝を設け、第1のケース8と第2のケース9との各端部8b、9bにおける縁部にガイドレール突起部をそれぞれ設けた構成であっても良い。
(実施形態2)
次に、図8〜図13を参照して、この発明を携帯端末機のロール紙保持装置に適用した実施形態2について説明する。なお、図1〜図7に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この携帯端末機のロール紙保持装置20は、第1のケース8と第2のケース9とを互いに接近する方向に付勢する一対のばね部材21を備えた構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
この場合、保持ケース10は、実施形態1と同様、第1のケース8と第2のケース9とが、その両者の互いに接近する箇所に隙間Sをもって、ロール紙5の紙幅(W)方向に並列に配置される半円筒状に形成されている。また、この保持ケース10の両端部には、半円形状の側壁10aがそれぞれ形成されているが、この保持ケース10の内面における中間部、つまり第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sに対応する箇所には、実施形態1のスライド溝12が設けられていない。
また、この保持ケース10の両側に位置する各側壁10aの内面には、図9および図10に示すように、ばね部材21を収納するばね収納部10bがそれぞれ設けられている。このばね部材21は、図10に示すように、板ばねであり、その一端部(図10では上端部)が保持ケース10のばね収納部10b内に固定され、他端部(図10では下端部)が保持ケース10のばね収納部10b内から弾力的に突出するように構成されている。
これにより、一対のばね部材21は、図8および図10に示すように、第1のケース8の側壁8aにおける外面の中央部と、第2のケース9の側壁98aにおける外面の中央部とを、それぞれ弾力的に押圧して、第1のケース8と第2のケース9とを互いに接近する方向(図8の矢印Y1方向)に付勢するように構成されている。この場合にも、第1のケース8の端部8bと第2のケース9の端部9bとの間には、図8に示すように、隙間調整部材22のスライド操作部15がスライドする隙間Sが設けられている。
この隙間Sも、実施形態1と同様、第1のケース8と第2のケース9との両者の円弧方向に沿って一方側(図8では手前の下辺側)から他方側(図8では上辺側)に向かうに従って徐々に広くなるように形成されている。この場合、第1のケース8と第2のケース9とにおける各端部8b、9bの外周面には、図11に示すように、スライド溝23(図11では第2のケース9側のスライド溝23のみを示す)がそれぞれ設けられている。このスライド溝23は、第1のケース8と第2のケース9との円弧方向における隙間Sの中間部から隙間Sが徐々に広がる方向に向けて各端部8b、9bに沿って設けられている。
隙間調整部材22は、図12および図13に示すように、第1のケース8と第2のケース9とに設けられたスライド溝23内に移動可能に配置される平板状の駒本体24と、この駒本体24上に設けられて隙間S内に挿入するスライド操作部15とを備えている。このスライド操作部15は、実施形態1と同様、第1のケース8と第2のケース9との間に位置する隙間Sが徐々に狭くなる方向に向けて次第に細くなるほぼ楔形状に形成され、その両側面に第1のケース8と第2のケース9とにおける各端部8b、9bが弾接した状態で隙間S内をスライドするように構成されている。
また、駒本体24は、図12および図13に示すように、その両端部が第1のケース8と第2のケース9とにそれぞれ設けられたスライド溝23内に配置された状態で、駒本体24の下面が保持ケース10の内面にスライド可能に押さえられている。この駒本体24は、スライド溝23が第1のケース8と第2のケース9との円弧方向における隙間Sの中間部から隙間Sが徐々に広がる方向に向けて設けられていることにより、第1のケース8と第2のケース9との円弧方向における隙間Sの中間部と隙間Sの最も広い部分との間を移動するように構成されている。
これにより、隙間調整部材22は、図8および図13に示すように、一対のばね部材21のばね力によって第1のケース8の縁部8bと第2のケース9の縁部9bとがスライド操作部15の両側面に押し付けられていることにより、スライド操作部15を第1のケース8と第2のケース9との円弧方向における隙間Sの中間部と隙間Sの最も広い部分との間でスライドさせると、これに伴って駒本体24の両端部が第1のケース8と第2のケース9との各スライド溝23に沿ってそれぞれ移動し、隙間Sを徐々に変化させて、第1のケース8と第2のケース9とが互いに接離する方向に移動するように構成されている。
次に、このロール紙保持装置7にロール紙5を収納する場合について説明する。
まず、紙幅Wの広いロール紙5を装着する場合について説明する。この場合には、図8に示すように、隙間調整部材22のスライド操作部15を第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sが狭くなる方向(図3に示した矢印X2方向)に向けて移動させる。このときには、一対のばね部材21のばね力によって第1のケース8の縁部8bと第2のケース9の縁部9bとがスライド操作部15の両側面に押し付けられている。
このため、スライド操作部15が第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sに沿って移動すると共に、駒本体24の両端部が第1のケース8と第2のケース9との各スライド溝23に沿って移動すると、スライド操作部15の両側面によって第1のケース8の端部8bと第2のケース9の端部9bとが一対のばね部材21のばね力に抗して互いに離れる方向(図8の矢印Y2方向)に押し広げられる。これにより、第1のケース8と第2のケース9との隙間Sが徐々に広くなると共に、第1のケース8と第2のケース9とが互いに離れる方向に移動する。これにより、第1のケース8と第2のケース9との全長Lが長くなり、紙幅Wの広いロール紙5を収容することができる。
この場合には、紙幅Wの広いロール紙5の紙幅(W)方向における中心を、保持ケース10の軸方向における中心である定位置に一致させた状態で、ロール紙5を第1のケース8と第2のケース9との両者の内部に収容することができる。このときにも、第1のケース8と第2のケース9とは、図8に示すように、それぞれ半円筒状に形成されているので、第1のケース8と第2のケース9との両者に亘ってロール紙5を挿入するだけで、簡単にロール紙5をガタつくことなく、第1のケースと第2のケース9との内部に密接させて回転自在に収容することができる。
次に、紙幅Wの狭いロール紙5を装着する場合について説明する。この場合には、図8に示すように、隙間調整部材22のスライド操作部15を第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sが徐々に広くなる方向(図3に示した矢印X1方向)に向けて移動させる。このときにも、一対のばね部材21のばね力によって第1のケース8の縁部8bと第2のケース9の縁部9bとがスライド操作部15の両側面に押し付けられている。
このため、スライド操作部15が第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sに沿って移動すると共に、駒本体24の両端部が第1のケース8と第2のケース9との各スライド溝23に沿って移動する際に、第1のケース8の端部8bと第2のケース9の端部9bとが一対のばね部材21のばね力によってスライド操作部15の両側面に押し付けられながら、スライド操作部15がスライドする。これにより、第1のケース8と第2のケース9との隙間Sが徐々に狭くなると共に、第1のケース8と第2のケース9とが互いに接近する方向(図8の矢印Y1方向)に移動し、第1のケース8と第2のケース9との全長Lが短くなり、紙幅Wの狭いロール紙5を収容することができる。
この場合にも、紙幅Wの狭いロール紙5の紙幅(W)方向における中心を、保持ケース10の軸方向における中心である定位置に一致させた状態で、ロール紙5を第1のケース8と第2のケース9との両者の内部に収容することができる。このときにも、第1のケース8と第2のケース9とは、図8に示すように、それぞれ半円筒状に形成されているので、第1のケース8と第2のケース9との両者に亘ってロール紙5を挿入するだけで、簡単にロール紙5をガタつくことなく、第1のケース8と第2のケース9との内部に密接させて回転自在に収容することができる。
このように、この携帯端末機のロール紙保持装置20によれば、実施形態1と同様、第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sを、隙間調整部材22のスライド操作によってロール紙5の紙幅Wに応じて調整することにより、第1のケース8と第2のケース9との両者の全長Lをロール紙5の紙幅Wに応じて調整することができる。
このため、ロール紙5の紙幅Wが異なっていても、実施形態1と同様、ロール紙5の紙幅Wの中心を、保持ケース10の軸方向における中心である定位置に一致させた状態で容易に且つ正確にセットすることができると共に、構造が簡単で、コンパクトに構成することができる。また、ロール紙5の紙幅Wに応じてオプションとしての部品を用意して交換する必要がないため、部品点数が少なく、調整作業が容易にできるほか、オプションとしての部品やその部品管理が不要となり、且つその部品を紛失したりすることもないので、使い勝手の良いものを提供することができる。
この場合、第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sは、第1のケース8と第2のケース9との両者の円弧方向に沿って一方側から他方側に向かうに従って徐々に広く形成されており、隙間調整部材22は、隙間Sに第1のケース8と第2のケース9との両者の円弧方向に沿ってスライド可能に配置されたスライド操作部15を備えているので、実施形態1と同様、スライド操作部15を隙間Sに沿って移動させることにより、その移動量に応じて隙間Sの間隔を正確に且つ微妙に調整することができる。
また、このロール紙保持装置20では、保持ケース10の両側に位置する各側壁10aの内面にそれぞればね部材21を設け、このばね部材21によって第1のケース8と第2のケース9とが互いに接近する方向に付勢されているので、隙間調整部材23にスライド操作部15のみを設け、このスライド操作部15を第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sに挿入させて、スライド操作部15を隙間Sに沿って移動させる構成であるから、隙間調整部材23の構造が簡単で、第1のケース8と第2のケース9とを接離方向に正確に移動させることができる。
すなわち、このロール紙保持装置20では、隙間調整部材23を第1のケース8と第2のケース9との隙間Sが徐々に狭くなる方向に向けて移動させると、一対のばね部材21のばね力に抗して第1のケース8と第2のケース9との隙間Sがスライド操作部15によって徐々に押し広げられるので、第1のケース8と第2のケース9とが互いに離れる方向に移動し、第1のケース8と第2のケース9との全長Lを長くことができ、これにより紙幅Wの広いロール紙5を収容することができる。
また、隙間調整部材23のスライド操作部15を第1のケース8と第2のケース9との隙間Sが徐々に広くなる方向に向けて移動させると、一対のばね部材21のばね力によって第1のケース8の縁部8bと第2のケース9の縁部9bとがスライド操作部15の両側面に押し付けられるので、スライド操作部15のスライドに伴って第1のケース8と第2のケース9とを互いに接近する方向に移動させて、第1のケース8と第2のケース9との隙間Sを徐々に狭くすることができ、第1のケース8と第2のケース9とにおけるロール紙5の紙幅方向の全長Lを短くことができ、これにより紙幅Wの狭いロール紙5を収容することができる。
この場合においても、ロール紙5の紙幅Wが、例えば82.55mmと80mmとの2種類で、両者の差が2.55mmと少なく、片側のみの差が1.275mmであっても、隙間調整部材23を第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sに沿ってスライドさせるだけで、簡単に且つ正確に第1のケース8と第2のケース9との両者の全長Lをロール紙5の紙幅Wに応じて調整することができ、これによりロール紙5の紙幅Wが僅かに異なっていても、ロール紙5の紙幅Wの中心を、保持ケース10の軸方向における中心である定位置に一致させた状態で容易に且つ正確にセットすることができる。
なお、上述した実施形態2では、保持ケース10の両側に位置する各側壁10aの内面に一対のばね部材21を設けた場合について述べたが、これに限らず、第1のケース8の側壁8aの外面と第2のケース9の側壁9aの外面とに一対のばね部材21を設け、この一対のばね部材21で保持ケース10の両側に位置する各側面10aを弾力的に押すように構成しても良い。また、ばね部材21は、板ばねである必要はなく、コイルばねであっても良い。
また、上述した実施形態2およびその変形例では、保持ケース10の両側に位置する各側壁10aと第1、第2の各ケース8、9の各側壁8a、9aとの間にそれぞればね部材21を設けた場合について述べたが、これに限らず、第1のケース8と第2のケース9とにその両者を互いに引き寄せるためのばね部材を設けた構成でも良い。この場合には、保持ケース10の内面に、ばね部材を逃がすためのばね逃がし凹部またはばね逃がし孔を設ければ良い。
さらに、上述した実施形態1、2およびその変形例では、隙間調整部材11、22のスライド操作部15が第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sに沿ってスライドするだけの構成である場合について述べたが、これに限らず、例えば図14〜図16に示す変形例のロール紙保持装置30のように、隙間調整部材31を保持ケース10に対する任意の位置に位置規制するように構成しても良い。
この場合、図14〜図16では、実施形態2のロール紙保持装置20の構造に適用した場合を示している。この変形例のロール紙保持装置30は、隙間調整部材31のスライド操作部15の両側面に一対の弾性突起部32を設け、第1のケース8と第2のケース9とが互いに対向する各端部8b、9bに弾性突起部32が係脱可能に係合する多数の係合凹部33を隙間Sに沿って設けた構成になっている。
このようなロール紙保持装置30によれば、隙間調整部材31のスライド操作部15を隙間Sに沿ってスライドさせると、一対の弾性突起部32が第1のケース8と第2のケース9との各端部8b、9bに設けられた多数の係合凹部33のいずれかに順次係脱可能に係合するので、隙間調整部材31を保持ケース10に対する任意の位置に位置規制することができ、これにより第1のケース8と第2のケース9との全長Lを所望する長さに安定させて保持することができる。
(実施形態3)
次に、図17〜図21を参照して、この発明を携帯端末機のロール紙保持装置に適用した実施形態3について説明する。この場合にも、図1〜図7に示された実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明する。
このロール紙保持装置40は、図17に示すように、第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sに対応する箇所の保持ケース10に隙間調整部材41を回転自在に設けた構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
すなわち、保持ケース10の内面におけるほぼ中央部には、図17および図18に示すように、隙間調整部材41を収容する円形状の収納凹部42が、第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sに対応して設けられている。また、第1のケース8と第2のケース9とが互いに対向する各端部8b、9bは、図17に示すように、円弧方向に沿って互いに平行に形成されている。
これにより、第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sは、図17に示すように、第1のケース8と第2のケース9との各円弧方向に沿って一定の間隔に形成されている。また、第1のケース8と第2のケース9とが互いに対向する各端部8b、9bにおける外周面には、図19に示すように、一対の突起ピン43が、第1のケース8と第2のケース9との各円弧方向におけるほぼ中間部に位置して設けられている。
隙間調整部材41は、図17、図20および図21に示すように、保持ケース10の収納凹部42内に回転自在に配置される回転駒本体44と、この回転駒本体44の中心部に設けられた回転操作部45と、回転駒本体44に設けられて第1のケース8と第2のケース9との一対の突起ピン43を回転操作部45の回転操作に応じて接離方向に移動させるための一対のガイド溝46とを備えている。
この場合、回転操作部45は、図17、図20および図21に示すように、回転駒本体44と共に保持ケース10の収納凹部42内に回転自在に配置された状態で、第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sに対応し、第1のケース8と第2のケース9との内側に露出するように構成されている。また、この回転操作部45は、ドライバーなどの工具が挿入する操作溝45aが設けられ、この操作溝45aに工具を挿入して回すことにより、回転駒本体44を回転させるように構成されている。
一対のガイド溝46は、図20に示すように、回転駒本体44における回転操作部45の外周部から回転駒本体44の外周部に向けて湾曲して形成された螺旋状または楕円状に形成されている。また、この一対のガイド溝46は、回転駒本体44に点対称に形成され、第1のケース8の突起ピン43と第2のケース9の突起ピン43とが点対称な状態で移動可能に挿入されるように構成されている。
これにより、隙間調整部材41は、図17、図20および図21に示すように、一対の突起ピン43が一対のガイド溝46における回転操作部45に接近する各端部46aに位置している状態のときに、第1のケース8と第2のケース9とを最も接近させて、隙間Sの間隔を狭くし、また一対の突起ピン43が一対のガイド溝46における回転駒本体44の外周部に接近している位置のときに、第1のケース8と第2のケース9とを最も離して、隙間Sの間隔を広くするように構成されている。
すなわち、この隙間調整部材41は、図17、図20および図21に示すように、回転駒本体44が回転すると、一対の突起ピン43が一対のガイド溝46に沿って相対的に移動しながら回転操作部45に対して接離する方向(図17の矢印Y1、Y2方向)に移動し、第1のケース8と第2のケース9とを接離させて、隙間Sを徐々に変化させるように構成されている。
次に、このロール紙保持装置40にロール紙5を収納する場合について説明する。
まず、紙幅Wの広いロール紙5を装着する場合について説明する。この場合には、図17および図20に示すように、隙間調整部材41の回転操作部45を時計回り(図20の矢印Z1方向)に回転させる。すると、回転駒本体44の回転に伴って一対のガイド溝46が回転操作部45を中心に時計回り(図20の矢印Z1方向)に回転移動する。
このときに、第1のケース8と第2のケース9とに設けられた一対の突起ピン43が一対のガイド溝46に沿って相対的に移動しながら回転操作部45から離れる方向に移動する。これにより、第1のケース8と第2のケース9とが互いに離れる方向(図17の矢印Y2方向)に移動して、第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sが徐々に押し広げられる。このため、第1のケース8と第2のケース9との全長Lが長くなり、紙幅Wの広いロール紙5を収容することができる。
この場合には、紙幅Wの広いロール紙5の紙幅(W)方向における中心を、保持ケース10の軸方向における中心である定位置に一致させた状態で、ロール紙5を第1のケース8と第2のケース9との両者の内部に収容することができる。このときには、第1のケース8と第2のケース9とは、図17に示すように、それぞれ半円筒状に形成されているので、第1のケース8と第2のケース9との両者に亘ってロール紙5を挿入するだけで、簡単にロール紙5をガタつくことなく、第1のケースと第2のケース9との内部に密接させて回転自在に収容することができる。
次に、紙幅Wの狭いロール紙5を装着する場合について説明する。この場合には、図17に示すように、隙間調整部材41の回転操作部45を反時計回りに回転させる。すると、回転駒本体44の回転に伴って一対のガイド溝46が回転操作部45を中心に反時計回り(図20の矢印Z2方向)に回転移動し、これに伴って第1のケース8と第2のケース9とに設けられた一対の突起ピン43が一対のガイド溝46に沿って回転操作部45に接近する方向に移動する。
これにより、第1のケース8と第2のケース9とが互いに接近する方向(図17の矢印Y1方向)に移動し、第1のケース8と第2のケース9との隙間Sが徐々に狭くなる。このため、第1のケース8と第2のケース9との全長Lが短くなり、紙幅Wの狭いロール紙5を良好に収容することができる。この場合にも、紙幅Wの狭いロール紙5の紙幅(W)方向における中心を、保持ケース10の軸方向における中心である定位置に一致させた状態で、ロール紙5を第1のケース8と第2のケース9との両者の内部に収容することができる。
このときにも、第1のケース8と第2のケース9とは、図17に示すように、それぞれ半円筒状に形成されているので、第1のケース8と第2のケース9との両者に亘ってロール紙5を挿入するだけで、簡単にロール紙5をガタつくことなく、第1のケース8と第2のケース9との内部に密接させて回転自在に収容することができる。
このように、このロール紙保持装置40によれば、第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sを、隙間調整部材41の回転操作によってロール紙5の紙幅Wに応じて調整することにより、実施形態1、2と同様、第1のケース8と第2のケース9との両者の全長Lをロール紙5の紙幅Wに応じて調整することができる。
このため、ロール紙5の紙幅Wが異なっていても、ロール紙5の紙幅Wの中心を、保持ケース10の軸方向における中心である定位置に一致させた状態で容易に且つ正確にセットすることができると共に、構造が簡単で、コンパクトに構成することができる。また、ロール紙5の紙幅Wに応じてオプションとしての部品を用意して交換する必要がないため、部品点数が少なく、調整作業が容易にできるほか、オプションとしての部品やその部品管理が不要となり、且つその部品を紛失したりすることもないので、使い勝手の良いものを提供することができる。
この場合、隙間調整部材41は、第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sに対応する箇所の保持ケース10に回転自在に設けられた回転駒本体44と、この回転駒本体44を回転操作する回転操作部45と、この回転操作部45の回転操作による回転駒本体44の回転動作に応じて第1のケース8と第2のケース9とにそれぞれ設けられた一対の突起ピン43を接離方向に移動させるための一対のガイド溝46とを備えているので、回転操作部45によって回転駒本体44を回転させるだけで、第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sを正確に且つ微妙に調整することができる。
すなわち、このロール紙保持装置40では、回転操作部45によって回転駒本体44を回転させると、この回転に伴って一対のガイド溝46が回転移動すると共に、この一対のガイド溝46に沿って一対の突起ピン43が相対的に移動することにより、一対の突起ピン43を接離方向に移動させることができる。これにより、第1のケース8と第2のケース9との間の隙間Sを調整することができると共に、第1のケース8と第2のケース9との両者の全長Lをロール紙5の紙幅Wに応じて確実に調整することができる。
この場合、隙間調整部材41の回転操作部45を第1のケース8と第2のケース9との隙間Sが徐々に狭くなる反時計回り(図20の矢印Z2方向)に回転させると、一対のガイド溝46が同方向(図20の矢印Z2方向)に回転移動して、一対の突起ピン43を互いに接近する方向に移動させるので、第1のケース8と第2のケース9との隙間Sが徐々に狭くなり、第1のケース8と第2のケース9とが互いに接近する方向(図17の矢印Y1方向)に移動し、第1のケース8と第2のケース9との全長Lを短くことができ、これにより紙幅Wの狭いロール紙5を収容することができる。
また、隙間調整部材41の回転操作部45を第1のケース8と第2のケース9との隙間Sが徐々に広くなる時計回り(図20の矢印Z1方向)に回転させると、一対のガイド溝46が同方向(図20の矢印Z1方向)に回転移動して、一対の突起ピン43を互いに離れる方向に移動させるので、第1のケース8と第2のケース9との隙間Sが徐々に押し広げられることになり、第1のケース8と第2のケース9とが互いに離れる方向(図17の矢印Y2方向)に移動し、第1のケース8と第2のケース9との全長Lを長くことができ、これにより紙幅Wの広いロール紙5を収容することができる。
この場合にも、ロール紙5の紙幅Wが、例えば82.55mmと80mmとの2種類で、両者の差が2.55mmと少なく、片側のみの差が1.275mmであっても、隙間調整部材41を回転させるだけで、簡単に且つ正確に第1のケース8と第2のケース9との両者の全長Lをロール紙5の紙幅Wに応じて調整することができ、これによりロール紙5の紙幅Wが僅かに異なっていても、ロール紙5の紙幅Wの中心を、保持ケース10の軸方向における中心である定位置に一致させた状態で容易に且つ正確にセットすることができる。
なお、上述した実施形態3では、隙間調整部材41の回転駒本体44が保持ケース10の収納凹部42内に回転自在に配置されただけの構成である場合について述べたが、これに限らず、例えば図22および図23に示すロール紙保持装置50の変形例のように、隙間調整部材41の回転駒本体44を保持ケース10に対する任意の位置に位置規制するように構成しても良い。すなわち、この変形例のロール紙保持装置50は、回転駒本体44の外周面の所定箇所に弾性突起部51を設け、保持ケース10の収納凹部42の内周面に弾性突起部51が係脱可能に係合する複数の係合凹部53を円弧方向に沿って設けた構成になっている。
このようなロール紙保持装置50によれば、隙間調整部材41の回転駒本体44が回転操作部45によって回転する際に、弾性突起部51が収納凹部42の複数の係合凹部52のいずれかに順次係脱可能に係合するので、回転駒本体44を保持ケース10に対する任意の位置に位置規制することができ、これにより第1のケース8と第2のケース9との全長Lを所望する長さに安定させて保持することができる。
また、上述した実施形態1〜3およびその各変形例では、プリンタ部を備えた携帯端末機に適用した場合について述べたが、必ずしも携帯端末機である必要はなく、例えば電子レジスタなどのプリンタを備えた電子機器に広く適用することができる。
1 機器本体
4 プリンタ部
5 ロール紙
6 印字部
7、20、30、40、50 ロール紙保持装置
8 第1のケース
8a 第1のケースの側壁
8b 第1のケースの端部
9 第2のケース
9a 第2のケースの側壁
9b 第2のケースの端部
10 保持ケース
11、22、31、41 隙間調整部材
13 ガイドレール溝
14 駒本体
15 スライド操作部
16 ガイド突起部
21 ばね部材
32、51 弾性突起部
33、52 係合凹部
42 収納凹部
43 突起ピン
44 回転駒本体
45 回転操作部
46 ガイド溝
S 第1、第2の各ケースの間の隙間
W ロール紙の紙幅
L 第1のケースと第2のケースとの両者の全長

Claims (6)

  1. ロール紙の片側を回転自在に収容する円弧状の第1のケースと、
    前記ロール紙の他方の片側を回転自在に収容する円弧状の第2のケースと、
    前記第1のケースと前記第2のケースとが、その両者の互いに接近する箇所に隙間をもって、前記ロール紙の紙幅方向に沿って並列に配置される円弧状の保持ケースと、
    前記第1のケースと前記第2のケースとの間における前記隙間に対応する箇所に配置され、前記隙間を前記ロール紙の紙幅に応じて調整操作する隙間調整部材と、
    を備えていることを特徴とするロール紙保持装置。
  2. 前記隙間は、前記第1のケースと前記第2のケースとの両者の円弧方向に沿って一方側から他方側に向かうに従って徐々に広く形成されており、
    前記隙間調整部材は、前記隙間に沿ってスライド可能に配置され、そのスライド操作に応じて前記隙間の間隔を調整するスライド操作部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のロール紙保持装置。
  3. 前記第1のケースと前記第2のケースとが互いに接近する両者の各端部における縁部には、その各端部の円弧方向に沿ってそれぞれガイドレール部が設けられており、前記隙間調整部材は、前記ガイドレール部に沿ってそれぞれ移動して、前記第1のケースと前記第2のケースとを接離方向に移動させるための一対のガイド部を備えていることを特徴とする請求項2に記載のロール紙保持装置。
  4. 前記第1のケースと前記第2のケースとを互いに接近する方向に付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする請求項2に記載のロール紙保持装置。
  5. 前記隙間調整部材は、前記隙間に対応する箇所の前記保持ケースに回転自在に設けられた回転体と、この回転体を回転操作する回転操作部と、この回転操作部の回転操作による前記回転体の回転動作に応じて前記第1のケースと前記第2のケースとにそれぞれ設けられた一対の突起部を接離方向に移動させるための一対のガイド部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のロール紙保持装置。
  6. 前記隙間調整部材を前記保持ケースに対する任意の位置に位置規制する位置規制部を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のロール紙保持装置。

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