JP2011104116A - 生検装置 - Google Patents

生検装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011104116A
JP2011104116A JP2009262278A JP2009262278A JP2011104116A JP 2011104116 A JP2011104116 A JP 2011104116A JP 2009262278 A JP2009262278 A JP 2009262278A JP 2009262278 A JP2009262278 A JP 2009262278A JP 2011104116 A JP2011104116 A JP 2011104116A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biopsy needle
biopsy
unit
arrow
notch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009262278A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Sanbuichi
正人 三分一
Hajime Nakada
中田  肇
Yoshiyuki Monma
良行 門馬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2009262278A priority Critical patent/JP2011104116A/ja
Publication of JP2011104116A publication Critical patent/JP2011104116A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】放射線源や検査対象物との干渉を発生させることなく、生検針保持部に対する生検針装着部の取り付けを容易に行うことにより、取付作業の作業効率を向上する。
【解決手段】生検装置は、生検針64が装着された生検針装着部62と、生検針保持部60とを有し、生検針保持部60は、任意の角度に回転した状態で生検針装着部62が装着された後に、生検針装着部62と共に所望の角度に回転されるか、並びに/又は、生検針保持部60及び生検針装着部62の一方に凹部410が形成されると共に他方に凸部412が形成され、凹部410と凸部412とを嵌合させることにより生検針装着部62を装着する。
【選択図】図17

Description

本発明は、検査対象物の放射線画像を撮影する放射線画像撮影装置に組み込まれ、前記検査対象物の生検部位に生検針を刺入して該生検部位の組織の一部を採取する生検装置に関する。
従来より、病気の診断等のため、被写体の検査対象物中の生検部位の組織を採取して精密な検査を行うことを目的とした生検装置が開発されている。前記生検装置は、生検針が装着された生検針装着部と、該生検針装着部を保持する生検針保持部と、前記生検針保持部を移動させる生検針移動機構とを有する。そして、前記生検装置は、放射線を検査対象物に照射する放射線源と、前記検査対象物を透過した放射線を放射線画像に変換する放射線検出器とを有する放射線画像撮影装置に組み込まれる。
この場合、組織の採取は、例えば、下記のような工程に従って行われる。検査対象物に対する撮影前に前記生検針移動機構及び前記生検針保持部を前記放射線画像撮影装置に組込み、前記生検針保持部を前記放射線源と前記放射線検出器との間、より詳しくは、前記放射線源と前記検査対象物との間に配置する。次に、互いに異なる方向に配置された前記放射線源から前記検査対象物に対して放射線を照射するステレオ撮影を行うことにより複数枚の放射線画像を取得し、取得した前記各放射線画像に基づいて前記生検部位の三次元位置を特定する。次に、特定した前記三次元位置に基づいて前記生検部位にまで生検針を移動させることにより、該生検部位における組織の一部を採取する。
なお、上記の工程において、前記生検針が装着された前記生検針装着部の前記生検針装着部への取付作業は、例えば、前記生検針移動機構及び前記生検針保持部を前記放射線画像撮影装置に組み込む際に併せて行うか、あるいは、ステレオ撮影後に行う。
しかしながら、前記生検針保持部は、前記放射線源と前記検査対象物との間に配置されているので、前記生検針装着部を前記生検針保持部に取り付ける際に、前記生検針装着部及び/又は前記生検針と、前記放射線源及び前記検査対象物とが干渉し、前記生検針装着部の前記生検針保持部への取り付けが困難となる。この場合、前記干渉を回避するために、取付作業中、前記放射線源を前記生検針装着部及び前記生検針と干渉しないような位置にまで移動させることも可能ではあるが、取付作業後に前記放射線源を元の位置に戻す必要があるので、当該取付作業が煩雑なものとなる。
なお、上述した生検針保持部に対する生検針装着部の取り付けについては、例えば、特許文献1〜4に開示されている。
米国特許第5213100号公報 米国特許第7322990号公報 特開2007−330504号公報 特開2009−523508号公報
このように、従来の生検装置では、放射線源や検査対象物との干渉によって、放射線源と検査対象物との間に配置された生検針保持部に対する生検針装着部の取付作業が困難となるため、当該取付作業の作業効率が低下するという問題があった。
本発明は、前記の課題に鑑みなされたものであり、放射線源や検査対象物との干渉を発生させることなく、生検針保持部に対する生検針装着部の取り付けを容易に行うことにより、当該取付作業の作業効率を向上することが可能となる生検装置を提供することを目的とする。
本発明に係る生検装置は、
放射線源から検査対象物に放射線を照射し、前記検査対象物を透過した前記放射線を放射線検出器で検出して放射線画像に変換する放射線画像撮影装置に組み込まれ、前記検査対象物の生検部位に生検針を刺入することにより、前記生検部位の組織の一部を採取する生検装置であって、
前記生検装置は、前記生検針が装着された生検針装着部と、前記放射線源と前記放射線検出器との間に配置され且つ前記生検針装着部を保持可能な生検針保持部と、前記生検針保持部を移動させる生検針移動機構とを有し、
前記生検針保持部は、
前記生検針移動機構により任意の角度に回転された状態で前記生検針装着部を装着した後に、装着した前記生検針装着部と共に前記生検針移動機構により所望の角度に回転されるか、
並びに/又は、前記生検針保持部及び前記生検針装着部の一方に凹部が形成されると共に他方に凸部が形成され、前記凹部と前記凸部とを嵌合させることにより前記生検針装着部を装着することを特徴としている。
この構成によれば、前記生検針保持部を回転させて任意の角度からの前記生検針装着部の取り付けを可能とするか、及び/又は、前記生検針保持部及び前記生検針装着部の一方に形成された前記凹部と、他方に形成された前記凸部とを嵌合させることで前記生検針保持部に対して前記生検針装着部を取り付け可能とすることにより、前記放射線源や前記検査対象物との干渉を気にすること無く、前記生検針保持部に前記生検針装着部を取り付けることが可能となる。これにより、取付作業の際に前記放射線源を移動させる等の余計な作業が不要となる。
従って、本発明によれば、前記放射線源や前記検査対象物との干渉を発生させることなく、前記生検針保持部に対する前記生検針装着部の取り付けを容易に行うことが可能となるので、当該取付作業の作業効率を向上させることができる。
ここで、前記検査対象物は、被写体の乳房であり、前記放射線画像撮影装置は、前記放射線検出器を収容し且つ前記乳房を保持する撮影台と、前記生検針を貫通させるための開口が設けられ且つ前記放射線源側から前記撮影台に指向して変位することにより前記乳房を圧迫する圧迫板とをさらに有するマンモグラフィ装置であり、前記生検針保持部は、前記放射線源と前記圧迫板との間における前記被写体の胸壁の前方に配置されている。
これにより、前記乳房及び前記胸壁を含めた前記被写体や前記放射線源との干渉を発生させることなく、前記生検針保持部に対する前記生検針装着部の取付作業を遂行することができる。
この場合、前記凹部が溝、切欠又は穴であり、前記凸部が前記溝、前記切欠又は前記穴に嵌合する突起部であれば、前記生検針保持部に対して前記生検針装着部を容易に取り付けることが可能となる。
ここで、前記生検針保持部を回転させて任意の角度から前記生検針装着部を取付可能とする本発明の構成について説明する。
この場合、前記溝、前記切欠又は前記穴と前記突起部とを嵌合させることにより前記生検針装着部が前記生検針保持部に装着されたときに、前記生検針移動機構は、装着後の前記生検針装着部及び前記生検針保持部を前記生検針が前記開口に指向する角度にまで回転させる。
これにより、前記生検針を前記検査対象物に刺入させることが可能な状態となる。
また、前記胸壁の幅方向に沿って前記生検針装着部を前記生検針保持部に接近させることにより前記溝又は前記切欠と前記突起部とを嵌合させる場合には、前記溝又は前記切欠は、前記幅方向に沿って形成され、前記生検針装着部は、前記生検針を前記幅方向に沿わせた状態で、前記生検針保持部に接近して前記溝又は前記切欠と前記突起部とを嵌合させればよい。
また、前記圧迫板による前記乳房の圧迫方向に沿って前記生検針装着部を前記生検針保持部に接近させることにより前記溝又は前記切欠と前記突起部とを嵌合させる場合には、前記溝又は前記切欠は、前記圧迫方向に沿って形成され、前記生検針装着部は、前記圧迫方向と前記生検針とを交差させた状態で、前記生検針保持部に接近して前記溝又は前記切欠と前記突起部とを嵌合させればよい。
あるいは、前記胸壁側から前記生検針保持部に向かって前記生検針装着部を接近させることにより前記穴と前記突起部とを嵌合させる場合に、前記穴は、前記生検針装着部の接近方向に沿って形成され、前記生検針装着部は、前記圧迫板による前記乳房の圧迫方向と前記生検針とを交差させた状態で、前記生検針保持部に接近して前記穴と前記突起部とを嵌合させてもよい。
いずれの場合であっても、取付作業の効率を向上させることができる。
次に、凹部と凸部とを嵌合させることで前記生検針保持部に対して前記生検針装着部を取付可能とする本発明の構成について説明する。
具体的に、前記胸壁の幅方向に沿って前記生検針装着部を前記生検針保持部に接近させることにより前記溝又は前記切欠と前記突起部とを嵌合させる場合には、前記溝又は前記切欠は、前記幅方向に沿って形成され、前記生検針装着部は、前記圧迫板による前記乳房の圧迫方向で且つ前記開口に指向する方向に前記生検針を沿わせた状態で、前記生検針保持部に接近して前記溝又は前記切欠と前記突起部とを嵌合させればよい。
また、前記圧迫板による前記乳房の圧迫方向に沿って前記生検針装着部を前記生検針保持部に接近させることにより前記溝又は前記切欠と前記突起部とを嵌合させる場合には、前記溝又は前記切欠は、前記圧迫方向に沿って形成され、前記生検針装着部は、前記圧迫方向で且つ前記開口に指向する方向に前記生検針を沿わせた状態で、前記生検針保持部に接近して前記溝又は前記切欠と前記突起部とを嵌合させればよい。
あるいは、前記胸壁側から前記生検針保持部に向かって前記生検針装着部を接近させることにより前記穴と前記突起部とを嵌合させる場合には、前記穴は、前記生検針装着部の接近方向に沿って形成され、前記生検針装着部は、前記圧迫板による前記乳房の圧迫方向で且つ前記開口に指向する方向に前記生検針を沿わせた状態で、前記生検針保持部に接近して前記穴と前記突起部とを嵌合させてもよい。
いずれの場合であっても、取付作業の効率を向上させることができる。
そして、上記の各発明において、前記生検装置は、前記生検針保持部に前記生検針装着部が保持されたときに、前記生検針装着部に装着された前記生検針を支持する生検針ガイド部をさらに有してもよい。
これにより、前記生検針(の先端部側)が規制されるので、前記生検部位にまで前記生検針の先端部を精度よく刺入させることが可能となる。
この場合、前記生検針ガイド部は、前記生検針が軸方向に貫通することにより該生検針の側部を把持する第1のリング部材を有し、前記第1のリング部材には、前記生検針の側部が該第1のリング部材に進入可能な第1の開口が設けられている。
これにより、前記生検針の先端部側を容易に規制することができる。
また、前記生検針ガイド部は、前記第1のリング部材と同軸に配置され、前記第1の開口と略同じ大きさの第2の開口が設けられた第2のリング部材を有し、前記第1の開口及び前記第2の開口を介して前記生検針の側部が前記第1のリング部材及び前記第2のリング部材に進入したときに、前記第1のリング部材に対して前記第2のリング部材を回転させることにより、平面視で、前記第1の開口及び前記第2の開口が閉じられるようにしてもよい。
これにより、前記生検針の先端部側を規制している最中に、前記先端部側が前記生検針ガイド部から外れることを阻止することができる。
本発明によれば、放射線源や検査対象物との干渉を発生させることなく、生検針保持部に対する生検針装着部の取付を容易に行うことが可能となり、取付作業の作業効率を向上させることができる。
本実施形態に係るバイオプシ装置を組み込んだマンモグラフィ装置の斜視図である。 図1のマンモグラフィ装置の一部側面図である。 図1及び図2の生検針移動機構の斜視図である。 図3の生検針移動機構の内部構成の一部を示す側面図である。 図3の生検針移動機構の内部構成の一部を示す側面図である。 図3の生検針移動機構の内部構成の一部を示す分解斜視図である。 図3の生検針移動機構の内部構成の一部を示す平面図である。 図3の生検針移動機構の内部構成の一部を示す分解斜視図である。 図8の一部内部構成を拡大した分解斜視図である。 図3の生検針移動機構の内部構成の一部を示す平面図である。 スカウト撮影を模式的に示す正面図である。 ステレオ撮影を模式的に示す正面図である。 図13A及び図13Bは、従来の斜め穿刺における問題点についての説明図であり、図13Cは、従来の垂直穿刺における問題点についての説明図である。 図1〜図3の生検針移動機構による垂直穿刺を説明するための側面図である。 図1〜図3の生検針移動機構による斜め穿刺を説明するための側面図である。 図16A〜図16Cは、図15の斜め穿刺の説明図である。 生検針保持部に対する生検針装着部の取付作業を説明するための斜視図である。 図17の取付作業により取り付けられた生検針装着部及び生検針保持部の側面図である。 生検針ガイド部をさらに設けた生検針保持部及び生検針装着部の側面図である。 図20A及び図20Bは、生検針ガイド部のリング部材による生検針の規制を説明するための平面図である。 図21A及び図21Bは、生検針ガイド部のリング部材による生検針の規制を説明するための平面図である。 本実施形態に係るバイオプシ装置を組み込んだマンモグラフィ装置のブロック図である。 バイオプシ装置及びマンモグラフィ装置の動作を説明するためのフローチャートである。 図24A及び図24Bは、生検針保持部に対する生検針装着部の取付作業を説明するための正面図である。 図25A及び図25Bは、生検針保持部に対する生検針装着部の取付作業を説明するための正面図である。 図26A〜図26Cは、生検針保持部に対する生検針装着部の取付作業を説明するための正面図である。 図27A〜図27Cは、生検針保持部に対する生検針装着部の取付作業を説明するための正面図である。 図28A及び図28Bは、生検針保持部に対する生検針装着部の取付作業を説明するための斜視図である。
本発明に係る生検装置の好適な実施形態を、図1〜図28Bを参照しながら説明する。
先ず、本実施形態に係るバイオプシ装置(生検装置)10を組み込んだマンモグラフィ装置(放射線画像撮影装置)12の基本的な構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。
このマンモグラフィ装置12は、基本的には、立設状態に設置される基台14と、該基台14の略中央部に配設された旋回軸16の先端部に固定されるアーム部材18と、被検体(被写体)20の検査対象物としてのマンモ22に対して放射線24を照射する放射線源26を収容し、アーム部材18の一端部に固定される放射線源収容部28と、マンモ22を透過した放射線24を検出する固体検出器(放射線検出器)30が収容され、アーム部材18の他端部に固定される撮影台32と、撮影台32に対してマンモ22を圧迫して保持する圧迫板34とを備える。また、撮影台32の上面におけるアーム部材18側には、マンモ22の生検部位36から必要な組織を採取するバイオプシハンド部38が配置されている。
なお、図1及び図2では、座位の体勢にある被検体20のマンモ22を圧迫板34及び撮影台32により圧迫固定した状態において、マンモ22に対する放射線24の照射と、生検部位36に対する組織の採取とが行われる場合を図示している。また、基台14には、被検体20の撮影部位等の撮影条件や被検体20のID情報等を表示すると共に、必要に応じてこれらの情報を設定可能な表示操作部40が配設される。
放射線源収容部28及び撮影台32を連結するアーム部材18は、旋回軸16を中心として旋回することで、被検体20のマンモ22に対する方向が調整可能に構成される。また、放射線源収容部28は、ヒンジ部42を介してアーム部材18に連結されており、矢印φ方向に撮影台32とは独立に旋回可能に構成される。
アーム部材18には、被検体20が対向する矢印Y方向の側部(正面側)に矢印Z方向に沿って溝部44が設けられ、一方で、矢印X方向の両側部には、被検体20が把持するための取手部46a、46bがそれぞれ設けられている。溝部44には、矢印Y方向に延在する圧迫板取付部材48の基端部が挿入され、該基端部は、溝部44内の図示しない取付部と嵌合している。また、圧迫板取付部材48の先端部は、矢印Z方向に屈曲してU字型の圧迫板接続部材50に連結され、圧迫板接続部材50の先端部は、圧迫板34のアーム部材18側に連結されている。
従って、圧迫板取付部材48の基端部が前記取付部と嵌合することにより、圧迫板34は、放射線源収容部28と撮影台32との間の所定高さに配設されると共に、前記取付部が溝部44に沿って矢印Z方向に変位することにより、該取付部と一体的に矢印Z方向に変位可能である。また、圧迫板34における被検体20の胸壁52側には、バイオプシハンド部38を用いた組織採取のための開口部54が設けられる。
バイオプシハンド部38は、撮影台32のアーム部材18側に載置された生検針移動機構56と、生検針移動機構56の動作により三軸方向(矢印X方向、矢印Y方向及び矢印Z方向)に沿って移動し、及び/又は、マンモ22に向かって傾く矢印θ方向に沿って回動することが可能な生検針64とを有する。
この場合、生検針移動機構56から矢印Y方向に沿って進退可能なロッド58a、58bの先端に取付部材400が取り付けられ、取付部材400にはモータ402及びロータリーエンコーダ406が固定されている。さらに、モータ402の回転軸404にはプレート状の生検針保持部60が取り付けられ、この生検針保持部60に取付部61を介して生検針装着部62が取り付けられ、生検針装着部62に生検針64が装着されている。
なお、生検針64が回動する矢印θ方向は、図2に示すように、Y−Z平面に沿った回動方向であり、一方で、放射線源26を収容する放射線源収容部28が回動する矢印φ方向は、図1に示すように、X−Z平面に沿った回動方向である。従って、生検針64が回動する回転平面としての矢印θ方向に沿ったY−Z平面と、放射線源収容部28(放射線源26)が回動する回転平面としての矢印φ方向に沿ったX−Z平面とは、互いに交差(直交)している。
また、前述したU字型の圧迫板接続部材50の先端部と圧迫板34とが連結されることで、X−Z平面に沿った圧迫板接続部材50と圧迫板34とによる開口が形成される(図1参照)。従って、撮影台32上に配置された生検針移動機構56は、前記開口を介してロッド58a、58b、取付部材400、モータ402、ロータリーエンコーダ406、回転軸404及び生検針保持部60を被検体20の胸壁52に向かって進退させることになる。
この場合、生検針64が装着された生検針装着部62は、生検針保持部60が前記開口と胸壁52との間の所定位置に配置されたときに、医師又は技師により取付部61を介して生検針保持部60に取り付けられる。
あるいは、生検針移動機構56をマンモグラフィ装置12に組み込む前、あるいは、組み込んだ際に、生検針保持部60に取付部61を介して生検針装着部62を取り付けておくことも可能である。この場合、生検針装着部62及び生検針64は、生検針移動機構56の駆動作用下に前記開口を通過して胸壁52側に進行することになる。
なお、生検針保持部60に対する生検針装着部62の取付部61の取付構造や、医師又は技師による生検針保持部60への生検針装着部62の取付部61の取付作業については、後述する。
生検針64は、マンモ22の病変部位(例えば、石灰化部分)としての生検部位36の組織(石灰化組織)を吸引して採取する採取部66を有する。生検針64の採取部66は、生検針移動機構56によって、生検針保持部60、取付部61、生検針装着部62及び生検針64を一体的に圧迫板34の面に沿ったX−Y平面内で移動させると共に矢印Z方向に移動させ、及び/又は、矢印θ方向に回動させることにより、生検部位36の近傍に配置することができる。
次に、生検針移動機構56の構成について、図3〜図10を参照しながら説明する。
先ず、生検針移動機構56の外観について、図2及び図3を参照しながら説明する。生検針移動機構56は、被検体20からアーム部材18側を視たときに、Z軸を中心として、左右対称の構造となっている。
すなわち、生検針移動機構56は、ベース67を介して撮影台32に載置され、アーム部材18側の背面には、アーム部材18に当接可能な位置決め部材(取付部)68a、68bと、該位置決め部材68a、68bからアーム部材18側に延在するロッド(取付部)70a、70bとが矢印Y方向に沿って設けられている。これにより、生検針移動機構56のベース67を撮影台32に接触させた状態で、ロッド70a、70bをアーム部材18の図示しない凹部に挿入することにより、アーム部材18と位置決め68a、68bとが当接し、この結果、マンモグラフィ装置12における図1及び図2に示す位置に生検針移動機構56が位置決め固定される。
生検針移動機構56の背面側(アーム部材18側)には、位置決め部材68a、68b及びベース67に連結される背面部材72が立設され、背面部材72の矢印X方向の両側部には、矢印Y方向に向かって一部分が湾曲した湾曲部材74a、74bが設けられている。なお、背面部材72の上面における被検体20側は、矢印θ方向に沿って湾曲している。
また、背面部材72の被検体20側には、レバー76が固定され、且つ、矢印θ方向に回動可能な回動ユニット(回動部)78が配置されている。また、回動ユニット78の矢印X方向の両側部には、矢印Y方向に向かって一部分が湾曲した湾曲部材80a、80bが設けられている。さらに、回動ユニット78の矢印Y方向側には、矢印Z方向に移動可能な移動ユニット(移動部)82が設けられている。
移動ユニット82の矢印Y方向側には、被検体20に向かって突出すると共に、矢印X方向に沿って形成された溝84に沿い、ロッド58a、58b、取付部材400、モータ402、ロータリーエンコーダ406、回転軸404、生検針保持部60、取付部61、生検針装着部62及び生検針64を一体的に矢印X方向に移動させるための移動ユニット(移動部)86が設けられている。
なお、湾曲部材74a、74bには軸部88a、88bがそれぞれ取り付けられ、回動ユニット78の両側部にはハンドル90a、90bがそれぞれ取り付けられ、移動ユニット82の両側部にはハンドル92a、92b、94a、94bがそれぞれ取り付けられている。
生検針移動機構56の外観は、上記の通りであり、次に、その内部構成について、図4〜図10を参照しながら説明する。なお、図4〜図10は、説明の容易化のために、一部分のみ図示した分解図である。
先ず、生検針移動機構56の内部構成のうち、矢印θ方向への回動に関わる構成(回動ユニット78の内部構成)について、図4及び図5を参照しながら説明する。
図4に示すように、生検針移動機構56の内部には、ベース67及び背面部材72に連結する支持部材100が立設し、支持部材100の上面側に設けられた支持部材102には、ロッド等の軸部材104を介してL字状の回動部材106が軸支されている。この場合、レバー76は、回動ユニット78の上面110を貫通する連結部材108を介して回動部材106に連結されている。さらに、回動部材106の矢印Y方向側には、締結部材等の固定部材112、114を介してプレート116が固定されている。
なお、回動ユニット78の上面110は、矢印θ方向に沿って湾曲する一方で、該上面110に接触する背面部材72の上面118も矢印θ方向に沿って湾曲している。また、軸部材104にはロータリーエンコーダ(角度検出部)120が連結されている。さらに、軸部88a、88bの先端部は、湾曲部材74a、74b及び回動ユニット78を貫通して該回動ユニット78の内部にまで進入し、回動ユニット78の側部には、進入した軸部88a、88bの先端部に対応するように円弧状の溝122が形成されている。
前述したように、回動ユニット78には湾曲部材80a、80bや移動ユニット82が設けられ、移動ユニット82には移動ユニット86が設けられ、さらに、移動ユニット86は、ロッド58a、58b、取付部材400、モータ402、ロータリーエンコーダ406、回転軸404、生検針保持部60、取付部61、生検針装着部62及び生検針64を一体的に矢印X方向に移動させる。
従って、図4の状態において、医師又は技師がレバー76を矢印θ方向(図5参照)に引くと、回動部材106が軸部材104を中心として支持部材102に対して回動し、この結果、回動部材106に連結された連結部材108及びレバー76を含む回動ユニット78や、この回動ユニット78に設けられた湾曲部材80a、80b及び移動ユニット82や、移動ユニット82に設けられた移動ユニット86や、移動ユニット86に取り付けられたロッド58a、58b、取付部材400、モータ402、ロータリーエンコーダ406、回転軸404、生検針保持部60、取付部61、生検針装着部62及び生検針64が、矢印θ方向に沿って一体的に回動する。
この場合、溝122が矢印θ方向に対応するように円弧状に形成されているので、医師又は技師によるレバー76の操作に伴って、軸部88a、88bに対する溝122の相対的な位置関係が変化することにより、ベース67、背面部材72、支持部材100、102及び軸部88a、88b(ベース)以外の生検針移動機構56の構成要素を一体的に(全体的に)矢印θ方向に回動させることができる(図5参照)。
つまり、回動ユニット78に図4に図示された各構成要素を内包させ、あるいは、取り付けることにより、該回動ユニット78の矢印θ方向への回動に起因して、生検針移動機構56を全体的に矢印θ方向に回動させることが可能となる。
また、ロータリーエンコーダ120は、支持部材102に対する回動部材106の回動量を回動角度θとして検出し、検出した回動角度θを外部に出力する。
次に、生検針移動機構56の内部構成のうち、矢印Z方向への移動に関わる構成について、図6及び図7を参照しながら説明する。
プレート116(図5〜図7参照)の矢印Z方向側(ベース67側)には、取付板130を介してモータ132及びロータリーエンコーダ(変位量検出部)134が取り付けられている。モータ132の回転軸136に取り付けられたギヤ138は、両端部がハンドル90a、90bに連結されたロッド140に設けられたギヤ142と噛合している。
すなわち、ロッド140は、回動ユニット78の側部の内方に配置された軸受144a、144b及び回動ユニット78の側部を貫通してハンドル90a、90bに連結されている。また、ロッド140の軸受144a、144b側にはウォーム146a、146bがそれぞれ設けられている。この場合、プレート116におけるウォーム146a、146b近傍に形成された孔148a、148bにロッド150a、150bが貫通し、該ロッド150a、150bの一端部に形成されたウォームホイール152a、152bがウォーム146a、146bにそれぞれ噛合している。
さらに、プレート116から矢印Y方向に離間して、移動ユニット82内には、該プレート116と平行にプレート156が配置されている。プレート156には、矢印Z方向に沿ってラック158a、158bが設けられ、各ラック158a、158bは、ロッド150a、150bの他端部側に設けられたピニオン154a、154bと噛合している。
ここで、モータ132の駆動作用下に回転軸136が回転すると、ギヤ138、142を介してロッド140も回転する。ウォーム146a、146bに噛合するウォームホイール152a、152bは、ロッド140を中心とする回転(矢印X方向を中心とする回転)を、矢印Y方向を中心とした回転に変換してロッド150a、150bをそれぞれ回転させる。従って、ロッド150a、150bに設けられたピニオン154a、154bに噛合しているラック158a、158bは、ロッド150a、150bを中心とする回転を矢印Z方向に沿った直進運動に変換し、この結果、ラック158a、158bが配置されたプレート156は、矢印Z方向に移動することが可能となる。
この場合、プレート156は、図7及び図8に示すように、プレート156に配置されたモータ162、192の回転軸166、196、ギヤ168、170、174、198、202を介して、移動ユニット82の側部を矢印X方向に沿って貫通するロッド172、200に連結されている。また、プレート156は、図示しない取付部材を介して移動ユニット82に連結されている。さらに、前述したように、移動ユニット82に設けられた移動ユニット86は、ロッド58a、58b、取付部材400、モータ402、ロータリーエンコーダ406、回転軸404、生検針保持部60、取付部61、生検針装着部62及び生検針64を一体的に矢印X方向に移動させる。
従って、プレート156が矢印Z方向に移動することにより、移動ユニット82及び移動ユニット86や、ロッド58a、58b、取付部材400、モータ402、ロータリーエンコーダ406、回転軸404、生検針保持部60、取付部61、生検針装着部62及び生検針64も一体的に矢印Z方向に移動する。
つまり、移動ユニット82に図6〜図8に図示された各構成要素を内包させ、あるいは、取り付けることにより、該移動ユニット82の矢印Z方向への移動に起因して、移動ユニット82よりも生検針64側の各構成要素を一体的に矢印Z方向に移動(変位)させることが可能となる。
なお、ロッド140の両端部にはハンドル90a、90bが取り付けられているので、医師又は技師がハンドル90a、90bを回してロッド140を回転させることに起因して、プレート156や移動ユニット82を矢印Z方向に変位させることも可能である。
また、ロータリーエンコーダ134は、回転軸136の回転量を検出し、検出した回転量を外部に出力する。なお、回転軸136の回転に起因してプレート156や移動ユニット82が矢印Z方向に変位するので、前記回転量は、矢印Z方向に沿ったプレート156や移動ユニット82の変位量に応じた回転量とみなすことができる。
次に、生検針移動機構56の内部構成のうち、矢印X方向への移動に関わる構成について、図7〜図9を参照しながら説明する。
プレート156における図8の左側には、取付板160を介してモータ162及びロータリーエンコーダ164が取り付けられている。モータ162の回転軸166に取り付けられたギヤ168は、ギヤ170を介して、両端部がハンドル92a、92bに連結されたロッド172に設けられるギヤ174と噛合している。
すなわち、ロッド172は、移動ユニット82の側部の内方に配置された軸受176a、176b及び移動ユニット82の側部を貫通してハンドル92a、92bに連結されている。また、ロッド172におけるギヤ174と軸受176bとの間には、ねじ部178が形成され、ねじ部178に対してスライド部材180が摺動自在に取り付けられている。
ここで、モータ162の駆動作用下に回転軸166が回転すると、ギヤ168、170、174を介してロッド172も回転する。従って、ねじ部178に噛合するスライド部材180は、ロッド172を中心とした回転を矢印X方向への直進運動に変換して、該矢印X方向に沿って摺動する。
この場合、スライド部材180は、U字状の連結部材220の下端側に取り付けられ、上端側にはプレート238及び支持部材246a、246bを介してロッド58a、58bが支持されている(図10参照)。また、ロッド58a、58bは、矢印X方向に沿って形成された溝84を介して外部に延在している。従って、スライド部材180が矢印X方向に移動することにより、ロッド58a、58b、取付部材400、モータ402、ロータリーエンコーダ406、回転軸404、生検針保持部60、取付部61、生検針装着部62及び生検針64も溝84に沿って一体的に矢印X方向に移動する。
つまり、移動ユニット82に図7〜図10に図示された各構成要素を内包させ、あるいは、取り付けることにより、スライド部材180の矢印X方向への移動に起因して、連結部材220と生検針64との間に配置された各構成要素を一体的に矢印X方向に移動(変位)させることが可能となる。
なお、ロッド172の両端部にはハンドル92a、92bが取り付けられているので、医師又は技師がハンドル92a、92bを回してロッド172を回転させることに起因して、スライド部材180を矢印X方向に変位させることも可能である。
また、ロータリーエンコーダ164は、回転軸166の回転量を検出し、検出した回転量を外部に出力する。なお、回転軸166の回転に起因してスライド部材180が矢印X方向に変位するので、前記回転量は、矢印X方向に沿ったスライド部材180の変位量に応じた回転量とみなすことができる。
次に、生検針移動機構56の内部構成のうち、矢印Y方向への移動に関わる構成について、図7〜図10を参照しながら説明する。
プレート156における図8の右側には、取付板190を介してモータ192及びロータリーエンコーダ194が取り付けられている。モータ192の回転軸196に取り付けられたギヤ198は、両端部がハンドル94a、94bに連結されたロッド200に設けられたギヤ202と噛合している。
すなわち、ロッド200は、移動ユニット82の側部の内方に配置された軸受204a、204b及び移動ユニット82の側部を貫通してハンドル94a、94bに連結されている。また、ロッド200の中央部には、円筒状のスペーサ210を介してウォーム208が配置されている。
前述したように、スライド部材180は、矢印Z方向に延在する連結部材220の下端部に配置されている。具体的に、連結部材220の下端部には、ロッド172よりも低位置にプレート222が設けられ、プレート222上にスライド部材180が固定されている。また、スライド部材180の矢印X方向の側部は、連結部材220の下端部を構成する側板224a、224bに接触し、該側板224a、224bには、ロッド172を貫通させるための孔226a、226bが形成されている。
一方、連結部材220の上端部には、側板224a、224bと対向するように側板228a、228bが設けられ、該側板228a、228bには、ロッド200が貫通する軸受230a、230bがそれぞれ取り付けられている。この場合、ウォーム208は、軸受230a、230b間に配置されている。
なお、スペーサ210は、スライド部材180の矢印X方向への変位に伴って連結部材220が矢印X方向に変位したときに、当該変位に起因した力を受け、ロッド200に沿って摺動可能である一方、ロッド200が回転したときには該ロッド200の回転をウォーム208に伝達する。
つまり、スペーサ210は、ロッド200が回転したときに、ロッド200の回転をウォーム208に伝達して該ウォーム208を回転させ、一方で、スライド部材180及び連結部材220が矢印X方向に移動したときに、該ウォーム208と共に矢印X方向に変位する。
ウォーム208は、矢印Z方向に延在するロッド234の一端部側に設けられたウォームホイール232と噛合する。ロッド234は、側板228a、228bの上部側を橋架するプレート238を貫通し、貫通したロッド234の他端部側にはギヤ236が形成されている。ギヤ236は、ギヤ240、242を介してロッド58bに形成されたラック部244と噛合している。また、ロッド58a、58bは、プレート238上に設けられた支持部材246a、246bを貫通し、且つ、溝84(図3参照)を通過して矢印Y方向に延在している。
ここで、モータ192の駆動作用下に回転軸196が回転すると、ギヤ198、202を介してロッド200も回転する。従って、ロッド200の軸方向を中心とした回転(矢印X方向を中心とした回転)は、スペーサ210を介してウォーム208に伝達される。ウォームホイール232は、ウォーム208の矢印X方向を中心とした回転を矢印Z方向を中心とした回転に変換して、ロッド234を回転させる。ロッド234の回転は、ギヤ236、240、242を介してラック部244に伝達され、ラック部244は、ロッド234の回転を矢印Y方向に沿った直進運動に変換してロッド58bを変位させる。この結果、ロッド58a、58b、取付部材400、モータ402、ロータリーエンコーダ406、回転軸404、生検針保持部60、取付部61、生検針装着部62及び生検針64も一体的に矢印Y方向に移動する。
つまり、移動ユニット82、86に図7〜図10に図示された各構成要素を内包させ、あるいは、取り付けることにより、ロッド200の回転に起因して、ロッド58a、58bから生検針64側の各構成要素を一体的に矢印Y方向に移動(変位)させることが可能となる。
なお、ロッド200の両端部にはハンドル94a、94bが取り付けられているので、医師又は技師がハンドル94a、94bを回してロッド200を回転させることに起因して、ラック部244を矢印Y方向に変位させることも可能である。
また、ロータリーエンコーダ194は、回転軸196の回転量を検出し、検出した回転量を外部に出力する。なお、回転軸196の回転に起因してラック部244部が矢印Y方向に変位するので、前記回転量は、矢印Y方向に沿ったラック部244の変位量に応じた回転量とみなすことができる。
以上が生検針移動機構56の構成に関する説明である。
なお、以下の説明では、特に断りが無い限り、生検針移動機構56による生検針64等の矢印X方向、矢印Y方向及び矢印Z方向への移動、並びに、生検針64等の矢印θ方向への回動は、基本的には、上記の図3〜図10に従って行われるものとする。
次に、マンモグラフィ装置12によるマンモ22の撮影方法(図11及び図12参照)と、撮影後に生検針移動機構56を動作させることにより行われるマンモ22への生検針64の刺入方法(図13A〜図16C参照)とについて説明する。
マンモグラフィ装置12では、固体検出器30の垂直軸(中心軸250a)に配置された放射線源26からマンモ22に対して放射線24aを照射するスカウト撮影(図11参照)、あるいは、中心軸250aに対して斜めに配置された放射線源26から中心軸250b、250cに沿いマンモ22に対して放射線24b、24cを照射するステレオ撮影(図12参照)が行われる。固体検出器30は、スカウト撮影又はステレオ撮影によりマンモ22を透過した放射線24a〜24cを検出して放射線画像に変換する。
なお、図11及び図12では、一例として、各中心軸250a〜250cが生検部位36を通る場合での放射線24a〜24cの照射を図示している。
図11のスカウト撮影において、固体検出器30に対する放射線源26の撮影角度φはφ=0°であり、このスカウト撮影での放射線源26の位置をA位置とする。また、図12のステレオ撮影において、所定の撮影角度を+φ1、−φ1(B位置、C位置)とする。この場合、マンモグラフィ装置12では、A位置、B位置及びC位置との間の放射線源26の移動を、ヒンジ部42(図1参照)を中心として放射線源収容部28を回動させることにより行う。
このような撮影を行った後に、生検針移動機構56の動作に起因したマンモ22への生検針64の刺入が行われる。
図13A〜図13Cは、従来の刺入における問題点を説明するための説明図である。なお、図13A〜図13Cにおいて、本実施形態における構成要素と対応する構成要素については、同じ参照符号を付けて説明する。
マンモ22に対して生検針64を刺入させる方法としては、マンモ22の圧迫方向(矢印Z方向)に対して生検針64を傾けた状態で該生検針64をマンモ22に刺入させる方法(図13A及び図13Bに示す斜め穿刺)と、前記圧迫方向に沿って生検針64をマンモ22に刺入させる方法(図13Cに示す垂直穿刺)とがあり、市場に流通している生検装置(従来の生検装置)は、斜め穿刺又は垂直穿刺のいずれか一方の方法に従って生検部位36の組織の採取を行っている。
しかしながら、斜め穿刺用の生検装置では、マンモ22に対して斜めに生検針64を刺入するので、垂直穿刺の場合と比較して、マンモ22の厚みに関わりなく、開口部54の外周部分が組織を採取することができない領域252、254となるおそれがある(図13A及び図13Bの斜線部分)。この領域252、254内の組織を採取するためには、マンモ22を圧迫状態から一旦開放した後に、平面視で、領域252、254が開口部54の中央部に来るように位置決めしてからマンモ22を再度圧迫し、斜め穿刺を改めて行う必要がある。従って、斜め穿刺の場合には、領域252、254に存在し且つ採取したい組織の数に応じて、マンモ22の位置決め→圧迫→撮影→斜め穿刺→組織の採取→開放の工程を繰り返し何度も行う必要があるので、被検体20を検査に拘束させる時間が長くなると共に、該被検体20に対する放射線24の被爆量が増大する。
なお、斜め穿刺の場合では、生検針64を斜めにした状態でマンモ22に該生検針64を刺入するので、比較的薄い厚みのマンモ22であっても、撮影台32側に存在する組織を採取することが可能である。
垂直穿刺用の生検装置では、比較的厚みのあるマンモ22中の生検部位36に対しては、組織の一部を採取することは可能であるが、一方で、比較的薄い厚みのマンモ22中の生検部位36に対しては、採取部66の位置を生検部位36に合わせたときに、生検針64の先端部が該マンモ22を突き抜けてしまうおそれがある(図13C参照)。従って、垂直穿刺では、薄い厚みのマンモ22中、撮影台32側に存在する組織を採取することが困難である。また、圧迫板34や撮影台32に沿った方向(平面方向)に広がって存在する組織についても迅速に採取することができない。
これに対して、本実施形態に係るバイオプシ装置10では、図14に示すように、生検針移動機構56は、比較的厚みのあるマンモ22に対しては、図3〜図10で説明した構成によって、三軸方向(矢印X方向、矢印Y方向及び矢印Z方向)に沿って生検針64を移動させる垂直穿刺を行うことにより生検部位36の組織を採取する。従って、図16A及び図16Bに示すように、比較的厚みのあるマンモ22において、領域252、254にまで生検針64の採取部66を移動させることが可能となる。
一方、図15に示すように、生検針移動機構56は、比較的薄い厚みのマンモ22に対しては、図3〜図10で説明した構成によって、矢印θ方向に沿って生検針64を回動させる斜め穿刺を行うことにより生検部位36の組織を採取する。従って、図16Cに示すように、比較的薄い厚みのマンモ22において、該マンモ22から生検針64が突き抜けることなく組織の採取を行うことが可能となる。
なお、斜め穿刺の場合には、垂直穿刺を併用して、生検針64等を三軸方向に移動させつつ、矢印θ方向に回動させてもよいことは勿論である。
次に、本実施形態に係るバイオプシ装置10の特徴的な機能である、生検針保持部60に対する生検針装着部62(の取付部61)の取付構造について、図17〜図21Bを参照しながら説明する。
図17に示すように、モータ402の回転軸404に取り付けられた生検針保持部60における矢印Y方向側の表面(取付部61に対向する表面)には、矢印X方向に沿って溝状の凹部410が形成され、該凹部410にはプランジャ414が取付部61に対して進退自在に設けられている。
一方、取付部61における生検針保持部60側の表面には、矢印X方向に沿って凹部410に対応する直線状の凸部412(突起部)が形成されると共に、凸部412には、プランジャ414に対向して凹部416が形成されている(図18参照)。
そのため、モータ402の駆動作用下に回転軸404を回転させて凹部410の長手方向を矢印X方向に一致させ、一方で、生検針64を下方に向けた状態において、図17の一点鎖線の矢印に示す方向(胸壁52の幅方向)に沿って凸部412を凹部410に挿入すると、凸部412と凹部410とが嵌合し、プランジャ414と凹部416とが対向する。この状態でプランジャ414が凹部416に進入すれば(図18参照)、生検針保持部60に対して取付部61及び生検針装着部62が固定されることになる。
なお、医師又は技師が取付部61と生検針保持部60との取付作業を行おうとする際に、凹部410と凸部412との位置関係が図17のようであれば、モータ402の駆動は不要であり、従って、医師又は技師は、一点鎖線の矢印に示す方向(胸壁52の幅方向)に沿って凸部412を凹部410に挿入すればよい。
図19〜図20Bは、取付部材400に支持部材418を介して生検針ガイド部420が支持されている場合を図示したものである。
生検針ガイド部420は、生検針保持部60に取付部61を取り付けたときの生検針装着部62の直下の位置に予め配置されたリング状の部材(第1のリング部材)であり、その側部には、孔426に連通する開口424が形成されている。開口424は、生検針64の側部が通過可能な程度の大きさとされている。また、生検針ガイド部420のリング部分の内方には、生検針64の側部に密着する程度の大きさに形成された円弧状の滅菌部材422が取り付けられている。
従って、取付部61の凸部412が生検針保持部60の凹部410と嵌合したときに、生検針64の側部が開口424を通過して孔426に進入し、この結果、生検針64の側部は、滅菌部材422によって把持される(図19及び図20B参照)。
図21A及び図21Bは、生検針ガイド部420の他の構成を図示したものである。
この場合、支持部材418の先端にリング部材(第1のリング部材)430が取り付けられ、このリング部材430の側部には、孔436に連通し且つ生検針64の側部が通過可能な開口434(第1の開口)が形成されている。また、リング部材430の内方には、生検針64の側部に密着する程度の大きさに形成された円弧状の滅菌部材438が設けられている。
さらに、リング部材430における支持部材418側は、軸部440を介してレバー432を軸支しており、該レバー432の軸部440側には、リング部材430と同じ径を有する円弧状部材442(第2のリング部材)が連接されている。この場合、円弧状部材442における開口部分(第2の開口)は、リング部材430の開口434よりも大きい(図21A参照)。
従って、取付部61の凸部412が生検針保持部60の凹部410と嵌合したときに、生検針64の側部が開口434を通過して孔436に進入し、該生検針64の側部は、滅菌部材438によって把持される。そして、生検針64が滅菌部材438によって把持された状態において、医師又は技師が図21Bに示す矢印方向にレバー432を操作すると、軸部440を中心にレバー432が回動するので、レバー432に連接された円弧状部材442は、平面視で、リング部材430に沿って回動し、開口434を閉じることが可能となる。
図22は、マンモグラフィ装置12の構成ブロック図である。
マンモグラフィ装置12は、撮影条件設定部260、放射線源駆動制御部262、生検針位置情報算出部264、圧迫板駆動制御部266、圧迫板位置情報算出部268、検出器制御部270、画像情報記憶部272、CAD(Computer Aided Diagnosis)処理部274、表示部276、生検部位選択部278、生検部位位置情報算出部280及び移動量算出部282をさらに有する。
ここで、マンモグラフィ装置12のうち、前述したバイオプシハンド部38と、開口部54、生検針位置情報算出部264、生検部位選択部278、生検部位位置情報算出部280及び移動量算出部282との構成要素によりバイオプシ装置10が構成される。すなわち、マンモグラフィ装置12にこれらの構成要素を有するバイオプシ装置10を組み込むことにより、生検部位36の組織の一部を採取することが可能となる。
撮影条件設定部260は、管電流、管電圧、放射線24の照射線量、照射時間、スカウト撮影及びステレオ撮影の撮影方法(図11及び図12に示す撮影方法)、撮影順序等の撮影条件を設定する。放射線源駆動制御部262は、前記撮影条件に従って放射線源26を駆動制御する。
生検針移動機構56により生検針64等を所定位置に移動及び/又は回動させたときに、各ロータリーエンコーダ120、134、164、194がそれぞれ検出した各回転量は、生検針位置情報算出部264に出力される。
圧迫板駆動制御部266は、圧迫板34を矢印Z方向に移動させる。検出器制御部270は、固体検出器30を制御して、該固体検出器30で放射線24から変換された放射線画像を画像情報記憶部272に記憶する。図11のスカウト撮影の場合には1つの撮影角度での1枚の放射線画像が画像情報記憶部272に記憶され、ステレオ撮影の場合には2つの撮影角度(ステレオ角度)での2枚の放射線画像が画像情報記憶部272に記憶される。なお、画像情報記憶部272に放射線画像を記憶する際に、撮影条件設定部260に設定された撮影条件を共に記憶してもよいことは勿論である。
CAD処理部274は、画像情報記憶部272に記憶された放射線画像に対する画像処理を行って表示部276及び表示操作部40に表示させる。
生検部位選択部278は、マウス等のポインティングデバイスであり、表示部276及び/又は表示操作部40の表示内容(ステレオ撮影により得られた2枚の放射線画像)を視た医師又は技師は、前記ポインティングデバイスを用いて、2枚の放射線画像中の(複数の)生検部位36の中から、組織を採取したい生検部位36を選択することが可能である。なお、生検部位選択部278による生検部位36の選択では、2枚の放射線画像の一方の画像中の生検部位36を選択すると共に、該一方の画像中の生検部位36に対応する他方の画像中の生検部位36も選択する。
生検部位位置情報算出部280は、生検部位選択部278により選択された2枚の放射線画像中の生検部位36の位置に基づいて、該生検部位36の三次元位置を算出する。なお、生検部位36の三次元位置については、ステレオ撮影における公知の三次元位置の算出方法に基づき算出することが可能である。
生検針位置情報算出部264は、生検部位36の組織の一部を採取する場合に、各ロータリーエンコーダ120、134、164、194からの各回転量に基づいて、組織を採取する前の生検針64の先端部の三次元位置を算出する。
生検針移動機構56が全体的に矢印θ方向に回動しておらず、三軸方向にのみ生検針64等を移動させている場合、生検針位置情報算出部264は、三軸方向の変位量に応じた各ロータリーエンコーダ134、164、194からの各回転量に基づいて、生検針64の先端部の三次元位置を算出する。
一方、生検針移動機構56が全体的に矢印θ方向に回動することにより、ロータリーエンコーダ120が生検針位置情報算出部264に回転量を出力してきた場合に、生検針位置情報算出部264は、先ず、矢印θ方向への回動がないときの生検針64の先端部の三次元位置を算出し、次に、ロータリーエンコーダ120からの回転量に基づいて、矢印θ方向に生検針64を回動させたときの該生検針64の先端部の三次元位置を算出する。
具体的に、回動前(回動角度θがX−Z平面に沿った図4及び図14に示すθ=0°の状態)の生検針64の先端部の三次元位置を(X1、Y1、Z1)とし、回動後(図5及び図15に示す回動角度θの状態)の生検針64の先端部の三次元位置を(X2、Y2、Z2)とした場合、生検針64の矢印θ方向への回動は、Y−Z平面に沿った回動であり、従って、X方向への回動は発生しないので、X1=X2となる。従って、Y2及びZ2は、X1、Z1及び回動角度θを用いると、下記の(1)式及び(2)式で表わされる。
Y2=Y1×cosθ−Z1×sinθ (1)
Z2=Y1×sinθ+Z1×cosθ (2)
すなわち、生検針位置情報算出部264は、公知の二次元の座標変換(生検針64が回動するY−Z平面における座標変換)に基づく(1)式及び(2)式を用いて、回動前の生検針64の先端部の三次元位置(X1、Y1、Z1)から、回動後の生検針64の先端部の三次元位置(X2、Y2、Z2)を求める。
圧迫板位置情報算出部268は、圧迫板駆動制御部266によって移動する圧迫板34の撮影台32に対する位置を算出する。圧迫板34は、撮影台32に対してマンモ22を圧迫して保持するので、圧迫板34の位置情報は、圧迫時のマンモ22の厚み情報を示していることになる。
移動量算出部282は、生検部位位置情報算出部280により算出された生検部位36の三次元位置と、生検針位置情報算出部264により算出された生検針64の先端部の三次元位置と、圧迫板位置情報算出部268が算出した圧迫板34の位置(マンモ22の厚み)とに基づいて、斜め穿刺又は垂直穿刺のいずれの方法により生検針64をマンモ22に刺入すべきかを決定すると共に、決定した穿刺方法を実施するときの生検部位36に対する生検針64の移動量を算出する。
具体的に、矢印θ方向への生検針64の回動がない場合(図4及び図14参照)、移動量算出部282は、生検部位位置情報算出部280が算出した生検部位36の三次元位置(Xt、Yt、Zt)と、生検針位置情報算出部264が算出した生検針64の先端部の三次元位置(X1、Y1、Z1)との差(ΔX1、ΔY1、ΔZ1)=(Xt−X1、Yt−Y1、Zt−Z1)を、生検針64の移動量(ΔX1、ΔY1、ΔZ1)として算出する。
一方、矢印θ方向に生検針64が回動した場合(図5及び図15参照)、移動量算出部282は、先ず、生検部位位置情報算出部280が算出した生検部位36の三次元位置(Xt、Yt、Zt)と、生検針位置情報算出部264が算出した、回動後の生検針64の先端部の三次元位置(X2、Y2、Z2)との差(ΔX2、ΔY2、ΔZ2)=(Xt−X2、Yt−Y2、Zt−Z2)を算出する。
この場合、(ΔX2、ΔY2、ΔZ2)は、X−Y−Z座標系で視たときの、生検部位36に対する、回動後の生検針64の移動量を表わしている。また、前述したようにX1=X2であることから、ΔX1=ΔX2となる。
そこで、移動量算出部282は、X−Y−Z座標系を回動角度θだけ回動させたX´−Y´−Z´座標系(図示せず)で視たときの、生検部位36に対する、回動後の生検針64の移動量(ΔX´、ΔY´、ΔZ´)を求める。
すなわち、前述したように、生検針64の矢印θ方向への回動は、Y−Z平面に沿った回動であり、X方向への回動は発生しないので、ΔX1=ΔX2=ΔX´となる。従って、ΔY´及びΔZ´は、ΔY2、ΔZ2及び回動角度θを用いると、下記の(3)式及び(4)式で表わされる。
ΔY´=ΔY2×cosθ−ΔZ2×sinθ (3)
ΔZ´=ΔY2×sinθ+ΔZ2×cosθ (4)
つまり、移動量算出部282は、公知の二次元の座標変換(生検針64が回動するY−Z平面における座標変換)に基づく(3)式及び(4)式を用いて、回動後の生検針64の移動量を求める。
これにより、生検針移動機構56は、移動量算出部282が決定した穿刺方法(斜め穿刺又は垂直穿刺)及び算出した生検針64の移動量に従って、該生検針64を移動させ、組織の採取を行わせることができる。
また、生検針移動機構56が生検針64を移動させ、及び/又は、回動させている最中においても、各ロータリーエンコーダ120、134、164、194は、回転量を検出して生検針位置情報算出部264に出力することが可能である。この場合、生検針位置情報算出部264は、各回転量に基づいて、現時点での生検針64の先端部の三次元位置(実際の三次元位置)を算出する。従って、移動量算出部282は、生検針移動機構56に指示した移動量と、生検針位置情報算出部264が算出した現時点での三次元位置(実際の三次元位置)に基づく実際の移動量とを比較して、これらの移動量の差が許容範囲外であれば、生検針移動機構56が指示に従って生検針64を移動させていないことを示す判断結果(警告)を表示部276や表示操作部40を介して医師や技師に通知する。
本実施形態に係るバイオプシ装置10及びマンモグラフィ装置12の構成は、上述した通りであり、次に、該バイオプシ装置10及びマンモグラフィ装置12の動作について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
撮影に先立ち、撮影条件設定部260(図22参照)に、マンモ22に応じた管電流、管電圧、放射線24の照射線量、照射時間、撮影方法、撮影順序等の撮影条件が設定される。また、マンモグラフィ装置12にバイオプシハンド部38を組み込んで撮影台32上に位置決め固定する。
そして、ステップS1において、医師又は技師は、被検体20のマンモ22のポジショニングを行う。すなわち、マンモ22を撮影台32の所定位置(開口部54に対向する位置)に配置した後、圧迫板駆動制御部266により圧迫板34を撮影台32に向かって矢印Z方向に移動させ、マンモ22を圧迫してポジショニングを行う。
これにより、マンモ22は、撮影台32及び圧迫板34により圧迫固定される。圧迫板位置情報算出部268は、圧迫板34の撮影台32に対する位置情報を算出して移動量算出部282及び生検針移動機構56に出力する。
生検針移動機構56(図3〜図10参照)は、圧迫板位置情報算出部268からの圧迫板34の位置情報の入力があれば、マンモ22が圧迫されたものと判断し、各モータ132、162、192を駆動させる。この結果、生検針装着部62が未装着の生検針保持部60は、各モータ132、162、192の駆動に起因したロッド58a、58bの矢印Y方向への変位によって、圧迫板接続部材50と圧迫板34との間に形成された開口を通過し、胸壁52側の所定位置にまで進行する。生検針保持部60が前記位置にまで進行したときに、医師又は技師は、生検針64が装着された生検針装着部62の取付部61を生検針保持部60に取り付ける。
この場合、例えば、生検針保持部60及び取付部61が図17に示す構成であれば、モータ402の駆動作用下に回転軸404を回転させて凹部410の長手方向を矢印X方向に一致させ、次に、医師又は技師は、生検針64を下方に向けた状態で一点鎖線の矢印に示す方向に沿って凸部412を凹部410に挿入し、凸部412と凹部410とを嵌合させる。凸部412と凹部410とが嵌合し、且つ、プランジャ414と凹部416とが対向した時点で、プランジャ414が凹部416に前進することで(図18参照)、生検針保持部60に対して取付部61が固定される。
なお、モータ402やプランジャ414の駆動は、例えば、取付部61を含めた生検針保持部60の構造に係る情報を前記撮影条件と共に撮影条件設定部260に予め登録しておき、生検針移動機構56が生検針保持部60を前記位置にまで進行させたときに、前記情報を参照してモータ402を駆動させればよい。この場合、モータ402にはロータリーエンコーダ406が取り付けられているので、生検針移動機構56は、ロータリーエンコーダ406の回転量と、前記情報とを参照しながら、凹部410の長手方向が矢印X方向に一致するまで、モータ402を駆動させればよい。
また、プランジャ414の駆動についても、例えば、凹部410に図示しない圧力センサを配置しておき、圧力センサが凹部410及び凸部412の嵌合によって受けた圧力を検出したときに、プランジャ414が駆動すればよい。
なお、ステップS1において、各ロータリーエンコーダ134、164、194は、前記位置にまで生検針保持部60が移動したときの回転軸136、166、196の回転量をそれぞれ検出して生検針位置情報算出部264に出力する。従って、生検針装着部62の取付部61が生検針保持部60に取り付けられた時点で、生検針位置情報算出部264は、前記各回転量に基づいて、生検針64の三次元位置を算出することが可能となる。
このようにして、撮影準備が完了した後に、マンモグラフィ装置12は、放射線源26を駆動して、マンモ22に対するスカウト撮影を行う(ステップS2)。
この場合、ヒンジ部42(図1参照)を中心として放射線源収容部28を回動させて放射線源26がA位置(図11参照)に移動された後に、医師又は技師が図示しない曝射スイッチを投入すると、放射線源駆動制御部262は、撮影条件設定部260からのスカウト撮影の撮影条件に従って、A位置(0°)に配置された放射線源26を駆動制御する。
これにより、放射線源26から出力された放射線24aは、マンモ22に照射され、マンモ22を透過した放射線24aは、固体検出器30によって放射線画像として検出される。検出器制御部270は、固体検出器30を制御して1枚の放射線画像を取得し、取得した1枚の放射線画像と前記撮影条件とを共に画像情報記憶部272に一旦記憶させる。CAD処理部274は、画像情報記憶部272に記憶された放射線画像に対する画像処理を行って表示部276及び表示操作部40に表示させる。これにより、生検部位36を含むマンモ22が放射線画像の撮影範囲内に入っていることを確認することができる。
次のステップS3において、放射線源26を再度駆動し、マンモ22のステレオ撮影を行う。
この場合も、マンモグラフィ装置12は、ヒンジ部42(図1参照)を中心として放射線源収容部28を回動させ、例えば、図12に示すB位置に放射線源26を配置する。次に、医師又は技師が曝射スイッチを投入すると、放射線源駆動制御部262は、撮影条件設定部260からのステレオ撮影の撮影条件に従って、B位置(+φ1)に配置された放射線源26を駆動制御する。
これにより、B位置の放射線源26から出力された放射線24bは、マンモ22に照射され、マンモ22を透過した放射線24bは、固体検出器30によって1枚目の放射線画像として検出される。検出器制御部270は、固体検出器30を制御して1枚の放射線画像を取得し、取得した1枚目の放射線画像を前記撮影条件と共に画像情報記憶部272に一旦記憶させる。
B位置での1枚目の放射線画像の撮影が完了した時点で、マンモグラフィ装置12は、今度は、図12のC位置に放射線源26を移動させ、上述したB位置での撮影と同様にして、C位置での2枚目の放射線画像の撮影を実行する。
C位置での撮影により2枚目の放射線画像が取得され、取得した2枚目の放射線画像が撮影条件と共に画像情報記憶部272に一旦記憶させた後に、CAD処理部274は、画像情報記憶部272に記憶された2枚の放射線画像に対する画像処理を行って表示部276及び表示操作部40に表示させる。
次のステップS4において、医師又は技師は、表示部276又は表示操作部40の表示内容を視て、マウス等のポインティングデバイスである生検部位選択部278を用い、表示部276及び/又は表示操作部40に表示された2枚の放射線画像から、(複数の)生検部位36のうち、組織を採取したい生検部位36を選択する。これにより、生検部位位置情報算出部280は、選択された生検部位36の三次元位置を算出し、算出した三次元位置を表示部276及び表示操作部40に表示させる。
次のステップS5において、医師又は技師は、マンモ22に生検針64を刺入する前にマンモ22に対する消毒及び局所麻酔を行う。
ステップS5の局所麻酔によって生検部位36の位置が移動する場合があるので、ステップS6においてステレオ撮影を再度行う。
次のステップS7において、マンモ22表面における生検針64の刺入位置をメスで切開し、その後、切開位置に生検針64を刺入する。
この場合、ステップS6のステレオ撮影により得られた2枚の放射線画像を表示部276及び表示操作部40に表示させ、医師又は技師は、表示部276又は表示操作部40の表示内容を視て、生検部位選択部278を用い、表示部276及び/又は表示操作部40に表示された2枚の放射線画像から、組織を採取したい生検部位36を再度選択する。これにより、生検部位位置情報算出部280は、選択された生検部位36の三次元位置を再度算出する。
一方、生検針位置情報算出部264は、ステップS1において、既に生検針64の現時点での先端部の三次元位置を算出しているので、算出した三次元位置を移動量算出部282に出力する。
移動量算出部282は、生検部位位置情報算出部280により算出された生検部位36の三次元位置と、生検針位置情報算出部264により算出された生検針64の先端部の三次元位置と、圧迫板位置情報算出部268が算出した圧迫板34の位置とに基づいて、前記所定位置までの生検針64の移動量を算出し、算出した前記移動量を生検針移動機構56に出力する。これにより、生検針移動機構56は、移動量算出部282が算出した生検針64の移動量に従って、生検針64の先端部を前記所定位置にまで移動させる。
次のステップS8において、生検部位36に対して生検針64の刺入方向が一致しているか否かを確認するために、ステップS6と同様のステレオ撮影を再度行う。
ステップS8でのステレオ撮影により得られた2枚の放射線画像が表示部276及び表示操作部40に表示されたときに、医師又は技師は、生検部位選択部278を操作して、ステップS4、S7と同様に、2枚の放射線画像中、組織を採取したい生検部位36を再度選択する。生検部位位置情報算出部280は、選択された生検部位36の三次元位置を算出し、算出した三次元位置を表示部276及び表示操作部40に再度表示させると共に、移動量算出部282に出力する。
ステップS9において、各ロータリーエンコーダ120、134、164、194は、前記所定位置にまでの移動による回転量をそれぞれ検出して生検針位置情報算出部264に出力し、生検針位置情報算出部264は、各回転量に基づいて生検針64の先端部の三次元位置を算出し、算出した三次元位置を移動量算出部282に出力する。移動量算出部282は、生検部位36の三次元位置と、生検針位置情報算出部264で算出された生検針64の先端部の三次元位置と、圧迫板位置情報算出部268で算出された圧迫板34の位置情報とに基づいて、生検針64の穿刺方法を決定すると共に、生検部位36に対する生検針64の移動量を算出し、前記穿刺方法及び前記移動量を生検針移動機構56に出力する。
これにより、生検針移動機構56は、移動量算出部282が決定した穿刺方法(斜め穿刺又は垂直穿刺)及び算出した移動量に従って、生検針64の採取部66を生検部位36にまで移動させることができる。
ステップS10において、生検部位36の位置と採取部66の位置及び方向とが一致しているか否かを確認するために、ステップS6、S8と同様のステレオ撮影を再度行う。
ステップS10でのステレオ撮影により得られた2枚の放射線画像が表示部276及び表示操作部40に表示されたときに、医師又は技師は、生検部位36の位置と採取部66の位置及び方向とが一致しているか否かを容易に確認することができる。
次のステップS11において、生検針64による生検部位36に対する吸引処理が開始され、組織が採取される。その後、ステップS12において、採取した組織は、図示しない検査装置により検査される(例えば、前記組織の石灰化の有無の検査)。
次に、ステップS13において、生検部位36中の組織が採取されたことを確認するために、ステップS6、S8、S10と同様のステレオ撮影を行う。
ステップS13でのステレオ撮影により得られた2枚の放射線画像が表示部276及び表示操作部40に表示されたときに、医師又は技師は、生検部位36中の組織が採取されているか否かを容易に確認することができる。
その後、生検針移動機構56は、生検針64をステップS9における移動方向とは逆方向に移動させることにより、生検針64がマンモ22から抜き取られ、作業が終了する(ステップS14)。
なお、生検部位36の組織を全て採取した場合には、後日、生検部位36の位置を確認しようとしたときに分からない場合がある。そこで、このような場合には、ステップS14に先立ち、生検針64の採取部66を介して生検部位36にステンレス製のマーカを挿入し(ステップS15)、その後、マーカが挿入されたことを確認するために、ステップS2と同様のスカウト撮影を行う(ステップS16)。これにより、表示部276及び表示操作部40には、前記スカウト撮影により得られた1枚の放射線画像が表示されて、医師又は技師は、生検部位36中にマーカが挿入されたことを容易に確認することができる。マーカの挿入を確認した後に、ステップS14の処理が行われる。
以上説明したように、本実施形態に係るバイオプシ装置10及び該バイオプシ装置10を組み込んだマンモグラフィ装置12によれば、生検部位36に対する生検針64の移動量に基づいて、三軸方向(矢印X方向、矢印Y方向及び矢印Z方向)に沿って生検針64を移動させ、及び/又は、マンモ22に向かって傾くように矢印θ方向に生検針64を回動させることにより、マンモ22の厚みに応じた適切な穿刺方法により生検部位36の組織を採取することが可能となる。
すなわち、比較的厚みのあるマンモ22については、生検針64を三軸方向に沿って生検針64を移動させる穿刺方法(垂直穿刺)により生検部位36の組織を採取すればよい。一方、比較的薄い厚みのマンモ22については、マンモ22に向かって生検針64を傾けるように回動させる穿刺方法(斜め穿刺)により生検部位36の組織を採取すればよい。
このように、垂直穿刺及び斜め穿刺の利点を活かしながら生検針64を移動させ、及び/又は、回動させて生検部位36の組織の採取を行うので、マンモ22の厚みに関わりなく、該組織の採取を確実に且つ効率よく行うことが可能となる。また、マンモ22の状況に応じて垂直穿刺又は斜め穿刺を使い分けることにより、組織を採取できない領域252、254が発生することを回避することができる。
なお、垂直穿刺の利点としては、穿刺方向が圧迫方向と同じ方向(矢印Z方向)であるため、ステップS9により生検針64の採取部66を生検部位36にまで移動させたときに(ピアス時に)、採取部66と生検部位36との位置ずれを抑制することができると共に、平面視で、開口部54内の全領域を穿刺可能領域とすることができることにある。また、生検部位36までの移動距離(穿刺深さ)を最小限にすることも可能である。
一方、斜め穿刺の利点としては、生検部位36に対して採取部66が最適な位置となるように生検針64を穿刺することが可能であると共に、薄い厚みのマンモ22であっても、採取部66が生検部位36にまで確実に至るように生検針64を穿刺することができることにある。
さらに、本実施形態では、生検針64を回動させたときに、生検針64の回動角度θ(回動量)に基づき、回動後の生検針64の先端部の三次元位置を算出する。すなわち、生検針位置情報算出部264は、(1)式及び(2)式に基づいて、回動後の生検針64の三次元位置を容易に求めることができる。そのため、生検針位置情報算出部264は、回動がない場合での三次元位置の算出に係るアルゴリズムと、回動がある場合での三次元位置の算出に係るアルゴリズムとの双方を有する必要はなく、回動がない場合の三次元位置の算出に係るアルゴリズムのみ有していればよい。従って、生検針位置情報算出部264における三次元位置の算出に係る計算負荷や記憶容量が軽減される。この結果、三次元位置の算出時間を短縮化することが可能となると共に、バイオプシ装置10の低コスト化も実現することができる。
また、移動量算出部282は、(3)式及び(4)式に基づいて、回動後の生検針64の先端部から生検部位36までの移動量を容易に求めることができる。
このように、本実施形態では、マンモ22の厚みに関わりなく、生検部位36の組織の採取を確実に且つ効率よく行うことができるので、組織の採取にかかる時間の短縮化や被検体20に対する放射線24の被爆量の抑制が可能となる。
ここで、生検針移動機構56は、図3〜図10に示すように、X方向、Y方向及びZ方向に生検針64、生検針装着部62、取付部61及び生検針保持部60を移動させることが可能であると共に、θ方向に沿って生検針64、生検針装着部62、取付部61及び生検針保持部60を回動させることが可能である。また、各ロータリーエンコーダ120、134、164、194により、各方向の変位量や回動角度に応じた軸部材104及び回転軸136、166、196の各回転量が検出されて、生検針位置情報算出部264に出力されることになる。生検針位置情報算出部264は、各ロータリーエンコーダ134、164、194からの各回転量に基づいて、回動前の生検針64の先端部の三次元位置を算出し、一方で、ロータリーエンコーダ120からの回転量に基づいて、回動後の生検針64の先端部の三次元位置を算出する。
これにより、生検針64、生検針保持部60、取付部61及び生検針装着部62の回動や三軸方向に沿った移動を確実に且つ効率よく行わせることが可能になると共に、回動量及び三軸方向への各変位量に応じた回転量を確実に検出して、生検針位置情報算出部264に出力することが可能となる。従って、生検針位置情報算出部264では、生検針64の三次元位置を精度良く算出することが可能となる。
また、生検針移動機構56は、ベース67等に対して該生検針移動機構56が略全体的に回動することにより、生検針保持部60等を回動させるので、生検針保持部60の軽量化を含めたバイオプシ装置10の小型化及び軽量化を図ることができる。
また、移動量算出部282は、生検針移動機構56に出力した移動量に基づいて、生検針移動機構56が生検針保持部60等を移動させ、及び/又は、回動させているか否かを監視することも可能である。この場合、移動量算出部282は、生検針保持部60等の実際の移動量を算出して、出力した移動量と実際の移動量との差が許容範囲外であれば、その判断結果を表示部276や表示操作部40を介して医師又は技師に通知する。
これにより、移動量算出部282から出力された移動量に従って生検針移動機構56が生検針64を移動させているか否かを容易に把握することができるので、医師又は技師は、判断結果(警告)が通知されたときに、バイオプシ装置10を停止させる等の処置を迅速に行うことが可能となる。
また、生検針移動機構56は、マンモグラフィ装置12に該生検針移動機構56を着脱自在に取り付けるためのロッド70a、70bを備えているので、既存のマンモグラフィ装置にバイオプシ装置10を容易に組み込むことが可能となる。
そして、放射線源26の回動方向と生検針64の回動方向とに関し、放射線源26は、被検体20の胸壁52の幅方向(矢印X方向)に沿い且つ圧迫方向(矢印Z方向)に沿った回転平面(X−Z平面)に沿って移動し、移動した位置においてマンモ22に対し放射線24を照射する。一方、生検針64等は、圧迫方向に沿い且つ放射線源26の回転平面に交差する他の回転平面(Y−Z平面)に沿って回動する。
このように、放射線源26の移動方向と、生検針64の回動方向とを、異なる回転平面とすることにより、上述した各効果を容易に得ることが可能となる。
しかも、本実施形態では、モータ402の駆動により回転軸404に連結された生検針保持部60を回転させて(図24A及び図24B参照)、生検針保持部60に対して生検針装着部62の取付部61を取付可能な角度にまで回転させた状態で、生検針保持部60に設けられた凹部410と取付部61に設けられた凸部412とを嵌合させることにより、生検針保持部60に対して生検針装着部62の取付部61を取り付ける。
これにより、医師又は技師は、放射線源収容部28(放射線源26)や被検体20の胸壁52やマンモ22、さらには、圧迫板34との干渉を気にすること無く、生検針保持部60に生検針装着部62の取付部61を取り付けることが可能となる。これにより、取付作業の際に放射線源収容部28を移動させる等の余計な作業が不要となる。
従って、本実施形態によれば、放射線源収容部28、被検体20及び圧迫板34との干渉を発生させることなく、生検針保持部60に対する生検針装着部62の取付部61の取り付けを容易に行うことが可能となるので、当該取付作業の作業効率を向上させることができる。
また、図17〜図19においては、凹部410が溝であり、凸部412が前記溝に嵌合する突起部であったが、凹部410及び凸部412は、嵌合して生検針保持部60に対して取付部61が取り付けられるような形状であればよい。従って、図17〜図19の例に限定されることはなく、凹部410が切欠や穴であり、凸部412が切欠又は穴に嵌合する突起部であってよい。
さらに、本実施形態では、図17〜図19の例に限定されることはなく、生検針保持部60及び取付部61のうち、いずれか一方に凹部410が設けられ、他方に凸部412が設けられていればよい。
要は、凹部410及び凸部412が嵌合可能な構造であればよい。
従って、本実施形態によれば、このような嵌合可能な構造を採用することにより、生検針保持部60に対して取付部61を容易に取り付けることが可能となる。
なお、上記の説明では、モータ402による回転軸404の回転によって生検針保持部60を回転させる場合について説明したが、医師又は技師による取付作業の際、凹部410及び凸部412の各長手方向が一致する場合には、モータ402の駆動は不要であり、従って、医師又は技師は、凹部410と凸部412とをそのまま嵌合させればよい。
また、本実施形態では、生検針保持部60に対して生検針装着部62が取り付けられたときに、生検針ガイド部420が生検針装着部62に装着された生検針64の側部を支持するので、生検針64(の先端部側)を規制することができ、この結果、生検部位36にまで生検針64の先端部を精度よく刺入させることが可能となる。
この場合、生検針64の側部は、開口424、434を通過して生検針ガイド部420の孔426、436に進入するので、生検針64の先端部側を容易に規制することができる。
また、生検針64の側部が開口434を通過して孔436に進入し、生検針64の側部が滅菌部材438によって把持されたときに、医師又は技師によるレバー432の操作に起因して円弧状部材442が開口434を閉じることにより、生検針64の先端部側を規制している最中に、該先端部側が生検針ガイド部420から外れることを阻止することができる。
さらに、滅菌部材422、438によって生検針64の側部を把持するので、マンモ22への生検針64の刺入の際、滅菌部材422、438により滅菌された生検針64を刺入させることができる。
なお、本実施形態は、上述の説明に限定されることはなく、図25A〜図28Bに示す構成に変更することも可能である。
図25A及び図25Bは、取付部61において、上下方向(矢印Z方向)に沿って凸部412が形成されている場合を図示したものである。
この場合、モータ402(図17参照)は、回転軸404を回転させて生検針保持部60を90°回転させ、溝状の凹部410と直線状の凸部412との長手方向を一致させる(図25B参照)。これにより、一点鎖線の矢印に従って凸部412を凹部410に挿入すると、凸部412と凹部410とが嵌合して、プランジャ414と凹部416とが対向するので、プランジャ414が凹部416に進入すれば、生検針保持部60に対して取付部61及び生検針装着部62が固定される。
図26A〜図26Cは、生検針64及び生検針装着部62を左右方向(矢印X方向)に沿わせた状態で、生検針保持部60に対して取付部61を取り付ける場合を図示したものである。
この場合、取付部61側の凸部412及び生検針保持部60側の凹部410は、共に上下方向(矢印Z方向)に延在している(図26A参照)。従って、医師又は技師は、一点鎖線の矢印に従って凸部412を凹部410に挿入する。凸部412と凹部410とが嵌合して、プランジャ414と凹部416とが対向すると、プランジャ414が凹部416に進入し、生検針保持部60に対して取付部61及び生検針装着部62が固定される(図26B参照)。
この状態において、モータ402(図17参照)は、生検針64の先端部が下方に向くように回転軸404を回転させて生検針保持部60、取付部61及び生検針装着部62を回転させる。これにより、生検針64の先端部が圧迫板34の開口部54(図1参照)に指向するように配置される(図26C参照)。
図27A〜図27Cは、生検針64及び生検針装着部62が斜めに配置されている状態で、生検針保持部60に対して取付部61を取り付ける場合を図示したものである。
この場合、取付部61側の凸部412及び生検針保持部60側の凹部410は、共に斜め方向に延在している(図27A参照)。従って、医師又は技師は、一点鎖線の矢印に従って凸部412を凹部410に挿入する。凸部412と凹部410とが嵌合して、プランジャ414と凹部416とが対向すると、プランジャ414が凹部416に進入し、生検針保持部60に対して取付部61及び生検針装着部62が固定される(図27B参照)。
この状態において、モータ402(図17参照)は、生検針64の先端部が下方に向くように回転軸404を回転させて生検針保持部60、取付部61及び生検針装着部62を回転させる。これにより、生検針64の先端部が圧迫板34の開口部54(図1参照)に指向するように配置される(図27C参照)。
図25A〜図27Cのいずれの例であっても、生検針保持部60に対して取付部61を取り付けることが可能である。すなわち、本実施形態では、どの方向(角度)からでも取付部61を生検針保持部60に取り付けることが可能であるため、放射線源26等の位置関係に対応して、干渉が発生しないような方向から取り付ければよく、効率よく取付作業を遂行することができる。
図28A及び図28Bは、生検針保持部60に大きさの異なる凸部450、452が形成され、一方で、取付部61に凸部450、452に対向して凹部454、458が形成される場合を図示したものである。
この場合、医師又は技師は、凸部450と凹部454、凸部452と凹部458が互いに同じ大きさ(径)であることを確認した後に、一点鎖線の矢印の方向に沿って、凸部450と凹部454、凸部452と凹部458をそれぞれ嵌合させる。凸部450と凹部454、凸部452と凹部458がそれぞれ嵌合して、プランジャ414と凹部416とが対向すると、プランジャ414が凹部416に進入し、生検針保持部60に対して取付部61及び生検針装着部62が固定される(図28B参照)。
この場合でも、取付作業の容易化を図ることができると共に、凸部450と凸部452、凹部454と凹部458が互いに異なる大きさであるため、医師又は技師が生検針保持部60に対して取付部61を間違えて取り付けることを確実に防止することができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。
10…バイオプシ装置
12…マンモグラフィ装置
20…被検体
22…マンモ
24、24a〜24c…放射線
26…放射線源
32…撮影台
34…圧迫板
36…生検部位
38…バイオプシハンド部
56…生検針移動機構
60…生検針保持部
61…取付部
62…生検針装着部
64…生検針
402…モータ
404…回転軸
406…ロータリーエンコーダ
410、416…凹部
412…凸部
414…プランジャ
420…生検針ガイド部

Claims (13)

  1. 放射線源から検査対象物に放射線を照射し、前記検査対象物を透過した前記放射線を放射線検出器で検出して放射線画像に変換する放射線画像撮影装置に組み込まれ、前記検査対象物の生検部位に生検針を刺入することにより、前記生検部位の組織の一部を採取する生検装置であって、
    前記生検装置は、前記生検針が装着された生検針装着部と、前記放射線源と前記放射線検出器との間に配置され且つ前記生検針装着部を保持可能な生検針保持部と、前記生検針保持部を移動させる生検針移動機構とを有し、
    前記生検針保持部は、
    前記生検針移動機構により任意の角度に回転された状態で前記生検針装着部を装着した後に、装着した前記生検針装着部と共に前記生検針移動機構により所望の角度に回転されるか、
    並びに/又は、前記生検針保持部及び前記生検針装着部の一方に凹部が形成されると共に他方に凸部が形成され、前記凹部と前記凸部とを嵌合させることにより前記生検針装着部を装着することを特徴とする生検装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記検査対象物は、被写体の乳房であり、
    前記放射線画像撮影装置は、前記放射線検出器を収容し且つ前記乳房を保持する撮影台と、前記生検針を貫通させるための開口が設けられ且つ前記放射線源側から前記撮影台に指向して変位することにより前記乳房を圧迫する圧迫板とをさらに有するマンモグラフィ装置であり、
    前記生検針保持部は、前記放射線源と前記圧迫板との間における前記被写体の胸壁の前方に配置されていることを特徴とする生検装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    前記凹部は、溝、切欠又は穴であり、前記凸部は、前記溝、前記切欠又は前記穴に嵌合する突起部であることを特徴とする生検装置。
  4. 請求項3記載の装置において、
    前記溝、前記切欠又は前記穴と前記突起部とを嵌合させることにより前記生検針装着部が前記生検針保持部に装着されたときに、前記生検針移動機構は、装着後の前記生検針装着部及び前記生検針保持部を前記生検針が前記開口に指向する角度にまで回転させることを特徴とする生検装置。
  5. 請求項4記載の装置において、
    前記胸壁の幅方向に沿って前記生検針装着部を前記生検針保持部に接近させることにより前記溝又は前記切欠と前記突起部とを嵌合させる場合に、
    前記溝又は前記切欠は、前記幅方向に沿って形成され、
    前記生検針装着部は、前記生検針を前記幅方向に沿わせた状態で、前記生検針保持部に接近して前記溝又は前記切欠と前記突起部とを嵌合させることを特徴とする生検装置。
  6. 請求項4記載の装置において、
    前記圧迫板による前記乳房の圧迫方向に沿って前記生検針装着部を前記生検針保持部に接近させることにより前記溝又は前記切欠と前記突起部とを嵌合させる場合に、
    前記溝又は前記切欠は、前記圧迫方向に沿って形成され、
    前記生検針装着部は、前記圧迫方向と前記生検針とを交差させた状態で、前記生検針保持部に接近して前記溝又は前記切欠と前記突起部とを嵌合させることを特徴とする生検装置。
  7. 請求項4記載の装置において、
    前記胸壁側から前記生検針保持部に向かって前記生検針装着部を接近させることにより前記穴と前記突起部とを嵌合させる場合に、
    前記穴は、前記生検針装着部の接近方向に沿って形成され、
    前記生検針装着部は、前記圧迫板による前記乳房の圧迫方向と前記生検針とを交差させた状態で、前記生検針保持部に接近して前記穴と前記突起部とを嵌合させることを特徴とする生検装置。
  8. 請求項3記載の装置において、
    前記胸壁の幅方向に沿って前記生検針装着部を前記生検針保持部に接近させることにより前記溝又は前記切欠と前記突起部とを嵌合させる場合に、
    前記溝又は前記切欠は、前記幅方向に沿って形成され、
    前記生検針装着部は、前記圧迫板による前記乳房の圧迫方向で且つ前記開口に指向する方向に前記生検針を沿わせた状態で、前記生検針保持部に接近して前記溝又は前記切欠と前記突起部とを嵌合させることを特徴とする生検装置。
  9. 請求項3記載の装置において、
    前記圧迫板による前記乳房の圧迫方向に沿って前記生検針装着部を前記生検針保持部に接近させることにより前記溝又は前記切欠と前記突起部とを嵌合させる場合に、
    前記溝又は前記切欠は、前記圧迫方向に沿って形成され、
    前記生検針装着部は、前記圧迫方向で且つ前記開口に指向する方向に前記生検針を沿わせた状態で、前記生検針保持部に接近して前記溝又は前記切欠と前記突起部とを嵌合させることを特徴とする生検装置。
  10. 請求項3記載の装置において、
    前記胸壁側から前記生検針保持部に向かって前記生検針装着部を接近させることにより前記穴と前記突起部とを嵌合させる場合に、
    前記穴は、前記生検針装着部の接近方向に沿って形成され、
    前記生検針装着部は、前記圧迫板による前記乳房の圧迫方向で且つ前記開口に指向する方向に前記生検針を沿わせた状態で、前記生検針保持部に接近して前記穴と前記突起部とを嵌合させることを特徴とする生検装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置において、
    前記生検針保持部に前記生検針装着部が保持されたときに、前記生検針装着部に装着された前記生検針を支持する生検針ガイド部をさらに有することを特徴とする生検装置。
  12. 請求項11記載の装置において、
    前記生検針ガイド部は、前記生検針が軸方向に貫通することにより該生検針の側部を把持する第1のリング部材を有し、
    前記第1のリング部材には、前記生検針の側部が該第1のリング部材に進入可能な第1の開口が設けられていることを特徴とする生検装置。
  13. 請求項12記載の装置において、
    前記生検針ガイド部は、前記第1のリング部材と同軸に配置され、前記第1の開口と略同じ大きさの第2の開口が設けられた第2のリング部材を有し、
    前記第1の開口及び前記第2の開口を介して前記生検針の側部が前記第1のリング部材及び前記第2のリング部材に進入したときに、前記第1のリング部材に対して前記第2のリング部材を回転させることにより、平面視で、前記第1の開口及び前記第2の開口が閉じられることを特徴とする生検装置。
JP2009262278A 2009-11-17 2009-11-17 生検装置 Withdrawn JP2011104116A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009262278A JP2011104116A (ja) 2009-11-17 2009-11-17 生検装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009262278A JP2011104116A (ja) 2009-11-17 2009-11-17 生検装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011104116A true JP2011104116A (ja) 2011-06-02

Family

ID=44228326

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009262278A Withdrawn JP2011104116A (ja) 2009-11-17 2009-11-17 生検装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011104116A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5825753B2 (ja) 生検装置
JP5507181B2 (ja) 放射線画像撮影装置及び放射線画像撮影装置の動作方法
JP5373450B2 (ja) 生検装置及び生検装置の動作方法
JP5355271B2 (ja) 放射線画像撮影装置
JP5650467B2 (ja) 放射線画像撮影システム
US20080045833A1 (en) Breast biopsy and needle localization using tomosynthesis systems
CN108135563A (zh) 光和阴影引导的针定位系统和方法
EP2366333A1 (en) Medical imaging device comprising radiographic acquisition means and guide means for ultrasound probe
JP2012245329A (ja) 画像処理装置、放射線画像撮影システム、画像処理プログラム、及び画像処理方法
JP4773295B2 (ja) 骨密度測定装置
JP5481141B2 (ja) 放射線画像撮影装置、放射線画像撮影方法及び位置算出方法
EP2322096B1 (en) Image display apparatus and recording medium
JP2010167129A (ja) X線撮像装置
EP4014877A1 (en) Vision-guided biopsy system and method for mammography
JP2011104116A (ja) 生検装置
EP1972277A1 (en) Method for positioning an object to be analysed for a computed tomography scanner
JP5743684B2 (ja) 放射線画像撮像装置及び放射線画像撮像装置の作動方法
JP5638466B2 (ja) 画像生成装置、放射線画像撮影システム、画像生成プログラム、及び画像生成方法
JP2012029779A (ja) 放射線画像撮影システム及びそれを用いた生検方法
JP2024048178A (ja) 保護カバー及び生検ユニット
JP2012228439A (ja) 放射線画像撮影装置
JP2011152366A (ja) 放射線画像撮影装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20130205