JP2011103492A - 光電変換装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】i層に微結晶シリコンゲルマニウムを用いたpin型光電変換層を備えた光電変換装置及びその製造方法において、i層のゲルマニウム濃度の増加に伴う発電特性の低下を抑制する。
【解決手段】p型シリコン系半導体の層を製膜する工程、i型シリコン系半導体の層を製膜する工程、及びn型シリコン系半導体の層を製膜する工程によりpin接合を形成して光電変換層を形成する光電変換装置の製造方法であって、i型シリコン系半導体の層を製膜する工程が、微結晶シリコンゲルマニウムの層を100℃以上160℃以下の製膜温度でプラズマCVD法により製膜する工程である。
【選択図】図3

Description

本発明は、光電変換装置及びその製造方法に関するものであり、特に太陽電池として使用される光電変換装置及びその製造方法に関する。
太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池に用いられる光電変換装置としては、p型シリコン系半導体(p層)、i型シリコン系半導体(i層)及びn型シリコン系半導体(n層)の薄膜をプラズマCVD法等で製膜して形成したpin接合を有する光電変換層を備えた薄膜シリコン系光電変換装置が知られている。
上記i層は光吸収層としての機能を有する層である。微結晶シリコンゲルマニウム膜は微結晶シリコン膜に比べてバンドギャップが狭く、長波長光(赤外光)の吸収特性に優れることから、前記i層としてその開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−284619号公報
しかしながら、太陽電池の赤外光吸収を増加する目的でi層のゲルマニウム濃度を増加させると、i層内にp型寄りのエネルギー準位が発生し、その結果、受光面のp/i界面付近の電界が弱くなるため分光感度スペクトルにおける短波長感度が著しく低下するという問題があった。このため、微結晶シリコンゲルマニウムを光電変換層に用いる太陽電池は十分な発電効率が得られておらず、実用化に至っていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、光吸収層となるi層に微結晶シリコンゲルマニウムを用いたpin型光電変換層を備えた光電変換装置及びその製造方法において、i層のゲルマニウム濃度の増加に伴う発電特性の低下を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の第1の参考例に係る光電変換装置の製造方法は、p型シリコン系半導体の層を製膜する工程、i型シリコン系半導体の層を製膜する工程、及びn型シリコン系半導体の層を製膜する工程によりpin接合を形成して光電変換層を形成する光電変換装置の製造方法であって、前記i型シリコン系半導体の層を製膜する工程が、ゲルマニウムを50原子%以上含有する微結晶シリコンゲルマニウムの層を100℃以上250℃以下の製膜温度でプラズマCVD法により製膜する工程である光電変換装置の製造方法である。ここで製膜温度は基板温度で代表するものとする。
この光電変換装置の製造方法によれば、i型シリコン系半導体の層を製膜する工程を、ゲルマニウムを50原子%以上含有する微結晶シリコンゲルマニウムの層を100℃以上250℃以下の製膜温度でプラズマCVD法により製膜する工程としたことにより、50原子%以上という高いゲルマニウム濃度により微結晶シリコンに比べて長波長光の吸収特性を大きく向上すると共に、短波長感度の低下を防ぐことができる。
本発明の第1の態様に係る光電変換装置の製造方法は、p型シリコン系半導体の層を製膜する工程、i型シリコン系半導体の層を製膜する工程、及びn型シリコン系半導体の層を製膜する工程によりpin接合を形成して光電変換層を形成する光電変換装置の製造方法であって、前記i型シリコン系半導体の層を製膜する工程が、微結晶シリコンゲルマニウムの層を160℃以下の製膜温度でプラズマCVD法により製膜する工程である光電変換装置の製造方法である。
この光電変換装置の製造方法によれば、i型シリコン系半導体の層を製膜する工程を、微結晶シリコンゲルマニウムの層を160℃以下の製膜温度でプラズマCVD法により製膜する工程としたことにより、全ゲルマニウム濃度領域において短波長感度の低下を防ぐことができる。ここで全ゲルマニウム濃度領域とはゲルマニウム濃度1%以上99%以下の領域を示す。
本発明の第2の参考例に係る光電変換装置は、p型シリコン系半導体の層、i型シリコン系半導体の層及びn型シリコン系半導体の層を積層したpin接合を有する光電変換層を備えた光電変換装置であって、前記i型シリコン系半導体の層が、ゲルマニウムを50原子%以上含有し、100℃以上250℃以下の製膜温度でプラズマCVD法により製膜された微結晶シリコンゲルマニウムの層である光電変換装置である。
この光電変換装置は、i型シリコン系半導体の層を、ゲルマニウムを50原子%以上含有し、100℃以上250℃以下の製膜温度でプラズマCVD法により製膜された微結晶シリコンゲルマニウムの層としたことにより、優れた長波長光の吸収特性を有すると共に、短波長感度の低下が抑えられている。
前記第2の参考例に係る光電変換装置は、前記光電変換層と異なる光の吸収帯を有する他の光電変換層をさらに積層した2接合型または3接合型からなる光電変換装置とすることができる。この場合、優れた長波長感度を有する微結晶シリコンゲルニウム層をi層とする光電変換層をボトム層(2接合型においては光入射側から2層目の光電変換層、3接合型においては光入射側から3層目の光電変換層)として用いることで高効率の多接合光電変換層を形成する事が出来る。
本発明の第2の態様に係る光電変換装置は、p型シリコン系半導体の層、i型シリコン系半導体の層及びn型シリコン系半導体の層を積層したpin接合を有する光電変換層を備えた光電変換装置であって、前記i型シリコン系半導体の層が、100℃以上160℃以下の製膜温度でプラズマCVD法により製膜された微結晶シリコンゲルマニウムの層である光電変換装置である。
この光電変換装置は、i型シリコン系半導体の層を、100℃以上160℃以下の製膜温度でプラズマCVD法により製膜された微結晶シリコンゲルマニウムの層としたことにより、微結晶シリコンゲルマニウム中のゲルマニウム濃度に関わらず、優れた長波長光の吸収特性を有する。
前記第2の態様に係る光電変換装置は、前記光電変換層と異なる光の吸収帯を有する他の光電変換層をさらに積層した2接合型および3接合型からなる光電変換装置とすることができる。この場合、優れた長波長感度を有する微結晶シリコンゲルニウム層をi層とする光電変換層をボトム層(2接合型においては光入射側から2層目の光電変換層、3接合型においては光入射側から3層目の光電変換層)として用いることで高効率の多接合光電変換層を形成する事が出来る。
本発明によれば、光吸収層となるi層に微結晶シリコンゲルマニウムを用いたpin型光電変換層を備えた光電変換装置及びその製造方法において、i層のゲルマニウム濃度の増加に伴う発電特性の低下を抑制することができる。
実施形態の太陽電池を示す概略部分断面図である。 微結晶シリコンゲルマニウム薄膜の伝導タイプ及びキャリア濃度のゲルマニウム濃度依存性を示したグラフである。 型からp型へ遷移するゲルマニウム濃度閾値の製膜温度依存性を示したグラフである。 微結晶シリコンゲルマニウムからなるi層を含むpin接合型太陽電池における、量子効率スペクトルのi層伝導タイプ依存性を示したグラフである。 微結晶シリコンゲルマニウムからなるi層を含むpin接合型太陽電池における、発電効率の製膜温度依存性を示したグラフである。
以下に、本発明の光電変換装置及びその製造方法にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下、光電変換装置として太陽電池を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されない。
本実施形態では、真性半導体からなるi層の上下に、p型不純物を添加した半導体からなるp層と、n型不純物を添加した半導体からなるn層とを形成してなる光電変換層を単一の光電変換層として有する、いわゆるシングル型の太陽電池の場合について説明する。本実施形態では基板面入射型pin構造の太陽電池について述べているが、本技術はnip構造そして膜面入射型の太陽電池についても同様な効果が見込める。また、上記光電変換層とは異なる光の吸収帯を有する他の光電変換層をさらに積層した、計2層の光電変換層を含むタンデム型太陽電池や、計3層の光電変換層を含むトリプル型太陽電池等の多接合型太陽電池についても同様な効果が見込める。
図1は、本発明の実施形態の太陽電池を示す概略部分断面図である。この光電変換装置は、基板1と、第1透明電極2と、光電変換層3と、第2透明電極9と、裏面電極10とを具備する。
基板1は、光電変換層3や各電極が製膜される透明な絶縁基板である。基板1は、薄板状の白板ガラスに例示される。第1透明電極2は、光電変換装置における太陽光の入射側の電極であり、酸化錫(SnO)や酸化亜鉛(ZnO)のような透明導電酸化物体に例示される。
光電変換層3は、光を電気に変換する層である。光電変換層3は、前述の通り、p層と、i層と、n層とを備える(各層についての図示は省略する)。p層は、p型不純物をドープされた半導体層である。p層は、p型微結晶シリコンに例示される。i層は、不純物を積極的にドープしない半導体層である。i層は、微結晶シリコンゲルマニウムを主として含有する層である。n層は、n型不純物をドープされた半導体層である。n層は、n型微結晶シリコンに例示される。
前述の通り、i層は不純物を積極的にドープしない真性半導体からなる層であるが、実際には真性半導体であってもそのエネルギー準位はp型半導体またはn型半導体のエネルギー準位のいずれかの方に寄っている。p型寄りの真性半導体は「弱いp型」もしくは「p型」、n型寄りの真性半導体は「弱いn型」もしくは「n型」と呼ばれている。
微結晶シリコンからなる真性半導体は、元々n型の特徴を示す。しかし、シリコンにゲルマニウムを添加した組成を有する微結晶シリコンゲルマニウムの真性半導体薄膜に関して、電気伝導特性のゲルマニウム濃度依存性を調べた結果、高ゲルマニウム組成領域では電子が多いn型から正孔が多いp型へ伝導タイプが遷移することを見出した。すなわち、微結晶シリコンゲルマニウムではゲルマニウム濃度が増加するとp型準位が生成することが明らかとなった。ゲルマニウム濃度が50%を超える微結晶シリコンゲルマニウムでは強いp型を示すために、p/i層界面で電界強度の低下によると思われる短波長感度の顕著な低下が見られる。また、正孔がキャリアとなることによる全波長域での収集効率低下が見られ、セル効率の低下の原因となっている。
図2は、微結晶シリコンゲルマニウム薄膜の伝導タイプ及びキャリア濃度のゲルマニウム濃度依存性を示したグラフである。横軸は微結晶シリコンゲルマニウム薄膜中のゲルマニウム濃度(x;原子%)を表し、縦軸は1cm中のキャリア個数を示している。グラフ中、白抜きのプロットはp型の伝導タイプを示し、黒塗りのプロットはn型の伝導タイプを示している。このグラフには、100℃、200℃、275℃及び350℃の製膜温度でプラズマCVD法により製膜した際の結果を比較して示してある。グラフ中の各製膜温度における結果を示した線において、矢印はn型からp型に遷移したゲルマニウム濃度を示している。なお、100℃の製膜温度ではn型からp型への遷移は生じなかった。
さらに、微結晶シリコンゲルマニウムの電気伝導特性は製膜温度に強く依存し、n型からp型へ遷移するゲルマニウム濃度閾値を製膜温度により制御できることを見いだした。
図3は、n型からp型へ遷移するゲルマニウム濃度閾値の製膜温度依存性を示したグラフである。横軸は製膜温度(T;単位:℃)を示し、縦軸はゲルマニウム濃度(x;原子%)を示している。
図3のグラフより、製膜温度が高温になるほど、p型となるゲルマニウム濃度の領域が広がることが分かる。また、製膜温度が低温の場合は、p型に遷移しにくいことが分かる。
次に、微結晶シリコンゲルマニウムからなるi層を含むpin接合を有する光電変換層を備えた太陽電池に関して、キャリア収集特性のi層伝導タイプ依存性を調べた。
図4は、微結晶シリコンゲルマニウム(ゲルマニウム濃度30原子%)からなるi層を含むpin接合型太陽電池における、量子効率スペクトルのi層伝導タイプ依存性を示したグラフである。横軸は入射光の波長(単位:nm)を示し、縦軸は量子効率を示している。
微結晶シリコンゲルマニウムをi層に用いたpin接合型太陽電池において、光生成キャリアの収集特性はi層のキャリア濃度に強く依存するが、図4のグラフから、同じキャリア濃度でもi層の伝導タイプをn型とする方がp型とする場合に比べてキャリア収集特性が優れていることがわかった。
次に、微結晶シリコンゲルマニウムからなるi層を含むpin接合を有する光電変換層を備えた太陽電池に関して、発電効率の製膜温度存性を調べた。
図5は、微結晶シリコンゲルマニウム(ゲルマニウム濃度(x)20原子%及び40原子%)からなるi層を含むpin接合型太陽電池における、発電効率の製膜温度依存性を示したグラフである。横軸はプラズマCVD法によるi層の製膜温度(T;単位:℃)を示し、縦軸は製膜温度200℃における発電効率(η(200℃))を1として表した各製膜温度(T)における発電効率(η(T))の相対値を示している。
図5の発電効率はAM1.5、100mW/cmに調整したソーラーシミュレーターを用いて室温25℃にて計測した。
図5のグラフより、伝導タイプがn型であっても、高ゲルマニウム組成領域では高温の製膜温度領域において変換効率が減少する傾向にあることが分かる。これは、高ゲルマニウム組成領域では、製膜温度が高いと膜中水素が低下し、これにより欠陥が増加して発電特性が低下するためと考えられる。従って、高ゲルマニウム濃度を有するi層を製膜する場合はできるだけ製膜温度を低温化し、i層の膜中水素を積極的に増やすことが望ましいことが分かった。
以上の知見から、本発明の第1の参考実施形態に係る太陽電池の製造方法は、p層(p型シリコン系半導体の層)を製膜する工程、i層(i型シリコン系半導体の層)を製膜する工程、及びn層(n型シリコン系半導体の層)を製膜する工程によりpin接合を形成して光電変換層を形成する太陽電池の製造方法であって、前記i層を製膜する工程が、ゲルマニウムを50原子%以上含有する微結晶シリコンゲルマニウムの層を100℃以上250℃以下の製膜温度でプラズマCVD法により製膜する工程である、太陽電池の製造方法とした。
また、この太陽電池は、p層、i層及びn層を積層したpin接合を有する光電変換層を備えた太陽電池であって、前記i層が、ゲルマニウムを50原子%以上含有し、100℃以上250℃以下の製膜温度でプラズマCVD法により製膜された微結晶シリコンゲルマニウムの層である、太陽電池となる。
第1の参考実施形態においては、i層の製膜温度を250℃以下とすることにより、ゲルマニウム濃度50原子%以上の微結晶シリコンゲルマニウムをi層に用いた場合でも、n型からp型への遷移を抑制し、キャリア収集特性を向上させることができ、太陽電池の発電効率の低下を抑えることができる。この製膜温度の上限は、200℃がより好ましく、160℃がさらに好ましい。
一方、i層の製膜温度を極度に低温化すると膜質が悪くなり光伝導度が低下してしまうので、却って太陽電池の発電効率が低下してしまう。このため、n型伝導を示す範囲で製膜温度を適正化する必要がある。従って、本参考実施形態において、i層の製膜温度の下限は100℃とした。この製膜温度の下限は、100℃がより好ましく、120℃がさらに好ましい。
本参考実施形態においては、i層の形成する微結晶シリコンゲルマニウム中のゲルマニウム濃度を50原子%以上とすることにより、長波長光(赤外光)の吸収特性を向上することができる。ゲルマニウムを高濃度化することで、薄膜でも大きい赤外吸収が得られるため太陽電池の生産性が向上する。したがってゲルマニウム濃度の下限値は55原子%とすることが好ましく、60原子%がより好ましい。しかし、ゲルマニウムを添加するとバンドギャップが縮小し、太陽電池の開放電圧が低下する問題がある。特にゲルマニウム濃度80原子%以上ではバンドギャップが急速に低下するため、ゲルマニウム濃度の上限値は80原子%とすることが好ましく、70原子%がより好ましい。
本発明の第1の実施形態に係る太陽電池の製造方法は、p層(p型シリコン系半導体の層)を製膜する工程、i層(i型シリコン系半導体の層)を製膜する工程、及びn層(n型シリコン系半導体の層)を製膜する工程によりpin接合を形成して光電変換層を形成する太陽電池の製造方法であって、前記i層を製膜する工程が、微結晶シリコンゲルマニウムの層を160℃以下の製膜温度でプラズマCVD法により製膜する工程である、太陽電池の製造方法とした。
また、この太陽電池は、p層、i層及びn層を積層したpin接合を有する光電変換層を備えた太陽電池であって、前記i層が、160℃以下の製膜温度でプラズマCVD法により製膜された微結晶シリコンゲルマニウムの層である、太陽電池となる。
第1の実施形態においては、i層の製膜温度を160℃以下とすることにより、微結晶シリコンゲルマニウムをi層に用いた場合に、全ゲルマニウム濃度領域においてn型からp型への遷移を抑制し、キャリア収集特性を向上させることができ、太陽電池の発電効率の低下を抑えることができる。この製膜温度の上限は、150℃がより好ましく、140℃がさらに好ましい。
一方、i層の製膜温度を極度に低温化すると膜質が悪くなり光伝導度が低下してしまうので、却って太陽電池の発電効率が低下してしまう。このため、製膜温度を適正化する必要がある。従って、本実施形態において、i層の製膜温度の下限は100℃とすることができ、より好ましくは110℃、さらに好ましくは120℃とすることができる。
本実施形態においては、i層の形成する微結晶シリコンゲルマニウム中のゲルマニウム濃度は特に限定されないが、その下限値は、ゲルマニウムを含まない微結晶シリコンに比べて赤外感度の増加が顕著に出現する20原子%とすることが好ましく、30原子%がさらに好ましい。しかし、ゲルマニウムを添加するとバンドギャップが縮小し、太陽電池の開放電圧が低下する問題がある。特にゲルマニウム濃度80原子%以上ではバンドギャップが急速に低下するため、ゲルマニウム濃度の上限値は80原子%とすることが好ましく、70原子%がより好ましい。
〔実施例〕
以下、上記実施形態による太陽電池の製造例について説明するが、本発明はこれに限定されない。
A.太陽電池の構造
以下の層構成を有する太陽電池を製造した:
ガラス基板/TCO(GZO)/AR層(TiO/GZO)/p層(微結晶Si)/i層(微結晶SiGe)/n層(微結晶Si)/裏面電極(GZO/Ag/GZO)。
但し、「TCO」は透明導電性酸化物、「GZO」はガリウム添加酸化亜鉛、「AR層」は反射防止層の略称である。
B.製膜条件
B−1.光電変換層の製膜条件
以下の条件でプラズマCVD法によりp層、n層及びi層を製膜した。
(p層)
圧力:0.5Torr
パワー:200mW/cm
ガス流量:SiH:4.5sccm、B:0.015sccm、H:450sccm
製膜温度:180℃
電極−基板間距離:15mm
膜厚:35nm
(i層)
圧力:1.5Torr
パワー:200mW/cm
ガス流量:SiH:0−5.4sccm、GeH:0.28sccm、H:360sccm
製膜温度:200℃
電極−基板間距離:10mm
膜厚:1000nm
膜厚は500nm以上1500nm以下であることが望ましく、実施例では1000nmを用いた結果を示す。
(n層)
圧力:0.5Torr
パワー:200mW/cm
ガス流量:SiH:3sccm、PH:0.04sccm、H:400sccm
製膜温度:200℃
電極−基板間距離:20mm
膜厚:40nm
B−2.電極等の形成条件
GZO(TCO):
1.1mm厚のガラス基板上に厚さ1μmのGZOを基板温度300℃でマグネトロンスパッタ(6インチ径、DC電力400W)により製膜した。
真空チャンバーから取り出した後、塩酸水溶液によりGZO膜を厚さ0.2μm以上0.3μm以下までエッチングし、シート抵抗を10Ω/sq.以上15Ω/sq.以下とした。
この化学エッチングにより、GZO膜表面には凹凸形状ができ、C光源のもとで測定されるヘイズ率は約35%であった。
AR層:
テクスチャ形成したGZO膜付き基板を再び真空スパッタリングチャンバーに設置し、基板温度300℃に加熱した。
Ar100sccm、圧力15mTorrで、TiOターゲットに高周波電力(500W、13.56MHz)を供給し、厚さ40nmの酸化チタン層を形成した。
TiOの製膜終了後、圧力を5mTorrまで下げ、GZOのターゲットに直流電力(400W)を印加し、厚さ10nmのGZO層を形成した。
裏面電極:
マグネトロンスパッタ真空装置に設置し、室温でGZO層20nm、Ag層200nm、GZO層20nmを順に積層した。
最裏面のZnO層はプラズマ素子分離の際にマスクとして用いた。
電極パターニング、アニーリング:
試料を真空装置から取り出した後、裏面電極のパターニングにより面積0.25cmの太陽電池を16個得た。その後、150℃のポストアニーリングを4時間おこなった。
1 基板
2 第1透明電極
3 光電変換層
9 第2透明電極
10 裏面電極

Claims (3)

  1. p型シリコン系半導体の層を製膜する工程、
    i型シリコン系半導体の層を製膜する工程、及び
    n型シリコン系半導体の層を製膜する工程
    によりpin接合を形成して光電変換層を形成する光電変換装置の製造方法であって、
    前記i型シリコン系半導体の層を製膜する工程が、微結晶シリコンゲルマニウムの層を100℃以上160℃以下の製膜温度でプラズマCVD法により製膜する工程である光電変換装置の製造方法。
  2. p型シリコン系半導体の層、i型シリコン系半導体の層及びn型シリコン系半導体の層を積層したpin接合を有する光電変換層を備えた光電変換装置であって、
    前記i型シリコン系半導体の層が、100℃以上160℃以下の製膜温度でプラズマCVD法により製膜された微結晶シリコンゲルマニウムの層である光電変換装置。
  3. 前記光電変換層と異なる光の吸収帯を有する他の光電変換層をさらに積層した2接合型または3接合型からなる請求項2に記載の光電変換装置。
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JPN6013035362; T. Matsui et al: 'Influence of alloy composition on carrier transport and solar cell properties of hydrogenated microc' Applied Physics Letters vol.89, 2006, pp.142115-1 - 142115-3 *

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