JP2011103273A - エネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置 - Google Patents

エネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置 Download PDF

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【課題】本発明はエネルギーフィルタを用いたEELSに関し、EELSスペクトル信号取得時のダイナミックレンジを向上させることができるエネルギーフィルタを用いたEELSを提供することを目的としている。
【解決手段】試料上のある領域に電子線を固定して照射する手段と、前記領域から出射した電子線を所定方向にエネルギー分散させてスペクトルを形成するエネルギーフィルタ8と、前記スペクトルを撮影する撮影手段10とを備えたエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置において、前記スペクトルを偏向させる偏向手段と、前記スペクトルをエネルギー分散方向に対して垂直方向に偏向させるための偏向信号を前記偏向手段に供給する信号発生器30とを更に備え、前記スペクトルを、エネルギー分散方向に対して垂直方向に偏向させながら前記撮影手段10で撮影するように構成する。
【選択図】図4

Description

本発明はエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置に関し、更に詳しくはエネルギー分解能を保ったまま、CCDのもつダイナミックレンジを向上させることができるエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置に関する。
試料上に電子ビームを照射し、透過した電子のエネルギー損失スペクトルを得る装置として電子エネルギー損失分光装置(EELS)が知られている。試料を照射した電子ビームは、試料に衝突することでエネルギー損失を受けて、エネルギーが減少して試料を透過してくる。この透過してきた電子のエネルギー損失は、試料の種類によって変化する。そこで、このエネルギー損失のスペクトルを得ることで、試料の構造を知ることができる。
このEELS装置は、通常は透過電子顕微鏡(TEM)に取り付けて使用される。図6はEELSとして用いられる透過電子顕微鏡の構成例を示す図である。図において、1は電子ビームを発生する電子銃、2は電子銃1から発生した電子ビームを集光するコンデンサレンズ、3はコンデンサレンズ2の後段に設けられた試料ホルダである。
4は試料ホルダ3に載置された試料を透過した電子ビームを集束する対物レンズ、5は対物レンズ4を通過した電子ビームを集束する中間レンズ、6は該中間レンズ5を通過した電子ビーム像を拡大する投影レンズ、7は電子ビーム像を観察する観察チャンバ、8は観察チャンバ7の電子ビームを受けてエネルギー損失スペクトルを得るアナライザ、9はアナライザ8を通過した電子ビームを集束するレンズシステム、10は電子ビーム像を電気信号に変換する検出器である。該検出器10としては、例えばCCDカメラが用いられる。
アナライザのエネルギー分散面における分散能力は、通常1ボルトあたり数μmにすぎない。ここで、エネルギー分散とは、1ボルトだけ違うエネルギーの電子をどれだけの大きさに分離するかを表す指標のことである。一方、スペクトル記録媒体の分解能は、1ピクセルあたり10乃至20μm前後であり、ピクセル数は数百乃至数千ピクセルである。
スペクトル記録媒体は、電子顕微鏡記録媒体と兼用しており、2次元のCCDカメラを用いるのが一般的である。CCDカメラ10にスペクトル画像を記録し、それを読み出してコンピュータに転送し、電子エネルギーの強度分布を解析することにより、試料情報を得ようとするのが、電子エネルギー損失分光である。
エネルギーフィルタによって生じたEELSスペクトルをCCDにて取得する際には、狭い領域にビームの強度が集中してCCDのダイナミックレンジを越えるのを防ぐため、照射側のビーム強度を下げる、エネルギーフィルタへの入射電子を絞りによって制限する等の措置が必要である。
しかしながら、CCDのダイナミックレンジは、フィルタやイメージングプレート等に比べてもともと小さいため、強いビーム強度、特にエネルギーロスのない(ゼロロス)電子のスペクトルと、弱い強度のスペクトルを同時に撮影するには不利である。そこで、CCDのダイナミックレンジを実効的に向上させるために、スペクトルを複数のフレームに分けて撮影し、そのソフトウェア上で積算処理する方法をとるのが一般的である。
また試料上のある一点にビームを照射し、その位置からのエネルギースペクトルを取得するという、ごく一般的な実験において、特に照射位置を変えてスペクトルを取得し、そのスペクトルに現れる差異を観察する場合、試料位置を変えるたびに、異なるフレームでスペクトルを撮影する必要がある。
従来のこの種の装置としては、複数のスペクトルを一つの光電変換素子画像として記録する画像記録手段と、その後該画像記録手段からの画像を一括読み込みしてからピクセルの位置変換処理を行なって複数スペクトルに分割する画像処理手段を具備して、エネルギー損失分光を行なう装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2006−284482号公報(段落0022〜0030、図1)
前述したように、照射位置を変えるたびに、異なるフレームでスペクトルを撮影する必要があるため、スペクトルを比較する際のエネルギー軸の位置合わせを全フレームで行わなければならない。その際、試料上の照射位置を確認するために、スペクトルモード、像モードとよばれる光学系を切り替える必要があるため、光学系レンズのヒステリシスによってエネルギースペクトルが若干ずれた位置に結像されるおそれがある。特に、試料を構成する元素の電子状態の違いによるエネルギースペクトルのピーク/吸収端位置のズレを精度よく検出するためには、エネルギー軸の校正もまた精度よく行なうことが不可欠であり、この問題はデータ解析だけでなく、実験そのものを困難にしてしまう。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、EELSスペクトル信号取得時のダイナミックレンジを向上させ、一枚の画像に試料上の位置と対応したスペクトル群を記録することができるエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置を提供することを目的としている。
上記した課題を解決するために、本発明は以下のような構成をとっている。
(1)請求項1記載の発明は、試料上のある領域に電子線を固定して照射する手段と、前記領域から出射した電子線を所定方向にエネルギー分散させてスペクトルを形成するエネルギーフィルタと、前記スペクトルを撮影する撮影手段とを備えたエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置において、前記スペクトルを偏向させる偏向手段と、前記スペクトルをエネルギー分散方向に対して垂直方向に偏向させるための偏向信号を前記偏向手段に供給する信号発生器とを更に備え、前記スペクトルを、エネルギー分散方向に対して垂直方向に偏向させながら前記撮影手段で撮影するようにしたことを特徴とする。
(2)請求項2記載の発明は、前記偏向手段は前記エネルギーフィルタに内蔵されていることを特徴とする。
(3)請求項3記載の発明は、前記エネルギーフィルタは磁気偏向マグネットを有し、その磁気偏向マグネットの対極面内に静電偏向板を配置するか、若しくは対極面を含むポールの一部を電気的に絶縁することによって静電偏向板とし、その静電偏向板によって入射電子をエネルギー分散方向と垂直方向に偏向するようにしたことを特徴とする。
(4)請求項4記載の発明は、スペクトル撮影中に、前記静電偏向板よりなる静電偏向電極に鋸歯状波若しくは三角波の電気信号を与え、得られたスペクトルをエネルギー分散方向と垂直方向に偏向させ、撮影されたスペクトルの各ピクセルの強度信号をエネルギー分散方向と垂直方向に積算するようにしたことを特徴とする。
(5)請求項5記載の発明は、電子線を試料上でライン状にスキャンさせる手段と、前記電子線スキャンによって試料から出射した電子線を所定方向にエネルギー分散させてスペクトルを形成するエネルギーフィルタと、前記スペクトルを撮影する撮影手段とを備えたエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置において、前記スペクトルを偏向させる偏向手段と、前記電子線スキャンに同期して、前記スペクトルをエネルギー分散方向に対して垂直方向に偏向させるための偏向信号を前記偏向手段に供給する信号発生器とを更に備え、前記スペクトルを、エネルギー分散方向に対して垂直方向に偏向させながら前記撮影手段で撮影するようにしたことを特徴とする。
(6)請求項6記載の発明は、前記偏向手段は前記エネルギーフィルタに内蔵されていることを特徴とする。
(7)請求項7記載の発明は、前記エネルギーフィルタは磁気偏向マグネットを有し、その磁気偏向マグネットの対極面内に静電偏向板を配置するか、若しくは対極面を含むポールの一部を電気的に絶縁することによって静電偏向板とし、その静電偏向板によって入射電子をエネルギー分散方向と垂直方向に偏向するようにしたことを特徴とする。
(8)請求項8記載の発明は、電子線を試料上でライン状にビームスキャンするに際し、ビームスキャンと同期して前記静電偏向板よりなる静電偏向電極に単調増加の電気信号を与えるようにしたことを特徴とする。
本発明は以下に示すような効果を有する。
(1)請求項1記載の発明によれば、撮影されたスペクトルはエネルギー分散方向と垂直方向に信号を蓄積するように構成したので、CCD検出信号が飽和することはなく、ダイナミックレンジを向上させることができる。
(2)請求項5記載の発明によれば、ビームスキャンと同期してスペクトルをエネルギー分散方向と垂直方向に偏向させながら撮影するようにしたので、一枚の画像に試料上の位置と対応したスペクトル群を記録することができる。
本発明装置の構成例を示す図である。 本発明の要部を示す図である。 セクターマグネットとその断面の構成図である。 本発明の第1の実施例の動作説明図である。 本発明の第2の実施例の動作説明図である。 EELSの構成例を示す図である。 セクターマグネットの他の例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本発明装置の構成例を示す図である。図6と同一のものは、同一の符号を付して示す。図において、1は電子ビームを発生する電子銃、2は電子銃1から発生した電子ビームを集束するコンデンサレンズ、3はコンデンサレンズ2の後段に設けられた試料ホルダである。
4は試料ホルダ3に載置された試料を透過した電子ビームを集束する対物レンズ、5は対物レンズ4を通過した電子ビームを集束する中間レンズ、8は中間レンズ5の後段に配置されたアナライザ(エネルギーフィルタ)、6は該アナライザ8を通過した電子ビーム像を拡大する投影レンズ、7は電子ビーム像を観察する観察チャンバ、10は電子ビーム像を電気信号に変換する光電変換素子群としてのCCDカメラ(撮影手段)である。エネルギーフィルタ8としては、例えばΩフィルタが用いられる。
12はCCDカメラ10の出力を受けて、スペクトル画像とエネルギー分散スペクトルを得る画像処理装置である。12aはCCDカメラ10で検出されたスペクトル画像である。11は該画像処理装置12及び前記アナライザ8と接続され、アナライザ8を制御すると共に、画像処理装置12を制御する制御装置である。該制御装置11としては、例えばコンピュータが用いられる。13は該制御装置11と接続されたメモリである。該メモリ13には、複数のスペクトルを一つのCCD画像として記憶するようになっている。
このように構成された装置において、エネルギーフィルタ8と、画像処理装置12と、制御装置11は、エネルギー分散方向と垂直方向にエネルギースペクトルを偏向する機能を応用して、電子エネルギー損失分光法の改良を可能にするものである。
図2は本発明の要部を示す構成図である。本発明は、エネルギーフィルタの磁気偏向マグネットにおいて、対極面を含むポールの一部を電気的に絶縁することによって静電偏向板とし、エネルギーフィルタの入射電子をエネルギー分散と垂直方向に偏向できる機能を有している。図の21と24がこのようにして得た静電偏向板である。22と23はマグネットである。図では、Ωフィルタ8の光軸を直線状に伸ばして示している。
図において、Sから入射した電子はΩフィルタ8によって所定方向(図3のX方向)にエネルギー分散し、エネルギー分散面S'においてエネルギースペクトルを形成する。エネルギースペクトルは、PL1,PL2等の投影レンズ6によってCCDカメラ10上に拡大投影され、観察・記録される。ここで、CCDカメラ10に記録する際は、通常の光学カメラと同様にシャッタが必要である。
図において、典型的なディメンジョンはl≒100mm、L≒100mmである。静電偏向板21,24に偏向機能を持たせる構成では、実質的に200mmの偏向板で、100mm先に遮蔽板(アパーチャ)25があることになる。
本発明では、対極面を含むポールの一部を電気的に絶縁することによって静電偏向板としている。図3はセクターマグネットとその断面の模式図である。(a)はセクターマグネットの平面図、(b)はそのA−A断面図、(c)は偏向の様子を示す図である。(b)において、21,24は電気的に絶縁された静電偏向板(偏向手段)である。この静電偏向板21と24間に信号発生器30から鋸歯状波又は三角波を印加する。
エネルギー分散面となるS'上、又はその前後に矩形の絞りを配置する。絞りはX方向(エネルギー分散方向)にスペクトルを遮蔽しない程度に十分長く、Y方向に偏向によって電子の経路を十分遮ることができる程度で、典型的には5〜10mm程度のサイズとする。これにより、CCDで撮影する際の高速静電シャッターとして機能させることも可能である。この場合、CCDカメラ10によりスペクトルを撮影・記録する際の動作を以下に説明する。
1)CCD露光を開始する。
2)露光終了し、CCD読み出しと同期して偏向板に矩形の静電圧が印加される。
3)Ωフィルタを通過する電子はY方向に偏向され、S'に配置された絞りにより遮られることで、CCDカメラ10に対してシャッタとして機能する。
4)CCD読み出し終了と同期して偏向板の電圧印加を終える。1)〜4)までのプロセスは一回で終了することもあれば、100msec以下の時間スケールで変化するエネルギースペクトルを高速に、撮影・記録するために繰り返されることもある。
図4は本発明の第1の実施例の動作説明図である。TEMを用いたEELS装置において、図3に示す静電偏向板21,24に信号発生器30から、図4の(c)又は(d)に示すような掃引信号を印加する。(c)は三角波、(d)は鋸歯状波である。(a)は掃引しない時に得られるスペクトル画像でCCDの一部を用いて1個のスペクトル画像の表示が実現されている。これに対して(b)に示す画像は、スペクトル取得と同時に(c)又は(d)に示す掃引信号を静電偏向板21,24に印加することにより、CCDのほぼ全面に一様に露光したスペクトル画像が得られる。同一のスペクトルを掃引信号で偏向させることで、(b)に示すような同じスペクトルが複数(ここでは4個)分離して得られる。ここで、(c)、(d)の横軸は時間、縦軸は電圧である。
スペクトル撮影中に静電偏向電極21,24に図4に示した鋸歯状波又は三角波の電気信号(偏向信号)を与えることで、スペクトルをエネルギー分散方向と垂直方向に周期的に偏向させ、CCDカメラ10に受光した時に、狭い領域にビーム強度が集中してしまうことを防止することができる。また、撮影されたスペクトルは、図4(b)に示すように、エネルギー分散方向Xに対して垂直方向に伸びることになるが、その伸張自体はエネルギー分解能には影響しない。従って、エネルギー分散方向Xと垂直方向に、CCDの各ピクセルの強度信号を積算することで、エネルギーの分解能を保ったまま、CCDのもつダイナミックレンジを実効的に向上させることができる。
即ち、図4の(b)に示すスペクトル画像の電圧を例えば4個分加算することで、ダイナミックレンジの広がったスペクトル画像を得ることができる。どのスペクトル信号も飽和していなければ、CCD出力を加算しても飽和しないことになる。このような構成により、ダイナミックレンジを実効的に向上させることができる。
図5は本発明の第2の実施例の動作説明図である。この実施例も、スペクトルをエネルギー分散方向と垂直方向に偏向している。(a)は試料の状態を、(b)はCCDカメラ10上でのスペクトルを示している。先の第1の実施例では、電子銃1からの電子線をコンデンサレンズ2によって試料上に集束させ、試料移動又はスキャンコイル14を動作させて試料上の所望領域(試料上の1点)に電子線を固定照射している。そして、その時にエネルギーフィルタで形成されたスペクトルを、エネルギー分散方向Xに対して垂直方向に偏向させながらCCDカメラ10で記録(撮影)している(図4(b)などを参照)。一方、この場合、電子線が試料を照射する位置は(a)に示すように、予め決められた位置を移動するようにプログラムしておく。CCDカメラ10でのEELSスペクトルの取得を開始すると同時にプログラムされた照射を開始する。丸1〜丸5と照射位置が移動するのと連動して、前記偏向電極21,24に図5(c)に示すような単調増加の電気信号を与え、スペクトルをCCDカメラ10上の丸1〜丸5に対応するように掃引する。このようにして、一枚の画像に試料上の位置と対応したスペクトル群を記録することになる。
走査透過電子顕微鏡(STEM)、特にライン状にビームスキャンする観察手法を考える。ビームスキャンは図1のスキャンコイル14で行なう。この際、ビームスキャンと同期して静電偏向電極21,24に単調増加の電気信号を与えることで、一枚の画像に試料上の位置と対応したスペクトル群を記録することができる。
一枚の記録面に記録されることにより、各スペクトル間の原点すなわちエネルギー軸の位置合わせをする必要がなく、試料を構成する元素の電子状態の違いによるスペクトルのピーク/吸収端位置のズレを精度よく検出することができるようになる。特に、ラインスキャンを試料の界面をまたぐように行えば、界面でのEELS解析を容易に行なうことができる。このような動作は、CCDカメラ10の出力を入力する画像処理装置12と制御装置11間で行なう。
このように、本発明によれば、EELSスペクトル信号取得時のダイナミックレンジを向上させ、一枚の画像に試料上の位置と対応したスペクトル群を記録することができるエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置を提供することができ、実用上の効果が大きい。
なお、図3(b)に示したセクターマグネットの代わりに、図7に示すようなセクターマグネットを用いてもよい。この図7は、図3(b)のA−A断面図である。図7のセクターマグネットにおいては、対極面31,32内に、即ち対極ギャップ33内に静電偏向板34,35を設けている。これらの静電偏向板34,35はマグネットに対して絶縁されており、その他の構成は図3の構成と同じである。この図7の構成においても、上述した電気信号が静電偏向板34,35に与えられる。
1 電子銃
2 コンデンサレンズ
3 試料ホルダ
4 対物レンズ
5 中間レンズ
6 投影レンズ
7 観察チャンバ
8 アナライザ(エネルギーフィルタ)
10 CCDカメラ
11 制御装置
12 画像処理装置
13 メモリ
14 スキャンコイル

Claims (8)

  1. 試料上のある領域に電子線を固定して照射する手段と、前記領域から出射した電子線を所定方向にエネルギー分散させてスペクトルを形成するエネルギーフィルタと、前記スペクトルを撮影する撮影手段とを備えたエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置において、
    前記スペクトルを偏向させる偏向手段と、
    前記スペクトルをエネルギー分散方向に対して垂直方向に偏向させるための偏向信号を前記偏向手段に供給する信号発生器とを更に備え、
    前記スペクトルを、エネルギー分散方向に対して垂直方向に偏向させながら前記撮影手段で撮影するようにした
    ことを特徴とするエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置。
  2. 前記偏向手段は前記エネルギーフィルタに内蔵されていることを特徴とする請求項1記載のエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置。
  3. 前記エネルギーフィルタは磁気偏向マグネットを有し、その磁気偏向マグネットの対極面内に静電偏向板を配置するか、若しくは対極面を含むポールの一部を電気的に絶縁することによって静電偏向板とし、その静電偏向板によって入射電子をエネルギー分散方向と垂直方向に偏向するようにしたことを特徴とする請求項2記載のエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置。
  4. スペクトル撮影中に、前記静電偏向板よりなる静電偏向電極に鋸歯状波若しくは三角波の電気信号を与え、得られたスペクトルをエネルギー分散方向と垂直方向に偏向させ、撮影されたスペクトルの各ピクセルの強度信号をエネルギー分散方向と垂直方向に積算するようにしたことを特徴とする請求項3記載のエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置。
  5. 電子線を試料上でライン状にスキャンさせる手段と、前記電子線スキャンによって試料から出射した電子線を所定方向にエネルギー分散させてスペクトルを形成するエネルギーフィルタと、前記スペクトルを撮影する撮影手段とを備えたエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置において、
    前記スペクトルを偏向させる偏向手段と、
    前記電子線スキャンに同期して、前記スペクトルをエネルギー分散方向に対して垂直方向に偏向させるための偏向信号を前記偏向手段に供給する信号発生器とを更に備え、
    前記スペクトルを、エネルギー分散方向に対して垂直方向に偏向させながら前記撮影手段で撮影するようにした
    ことを特徴とするエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置。
  6. 前記偏向手段は前記エネルギーフィルタに内蔵されていることを特徴とする請求項5記載のエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置。
  7. 前記エネルギーフィルタは磁気偏向マグネットを有し、その磁気偏向マグネットの対極面内に静電偏向板を配置するか、若しくは対極面を含むポールの一部を電気的に絶縁することによって静電偏向板とし、その静電偏向板によって入射電子をエネルギー分散方向と垂直方向に偏向するようにしたことを特徴とする請求項6記載のエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置。
  8. 電子線を試料上でライン状にビームスキャンするに際し、ビームスキャンと同期して前記静電偏向板よりなる静電偏向電極に単調増加の電気信号を与えるようにしたことを特徴とする請求項7記載のエネルギーフィルタを用いた電子エネルギー損失分光装置。
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