JP2006260957A - 電子線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フレーム数/secの小さいエリアセンサを用いても高速の画像取得を可能にする。
【解決手段】評価領域を複数の副視野に分割し、1次電子線を副視野に順次照射し、副視野毎に試料面の情報を含んだ2次電子を検出手段により検出することにより、評価領域の情報を得る電子線装置において、検出手段26は、エリアセンサCCD1〜CCD14と、エリアセンサの検出面に一端が結合されたオプティカルファイバ束25と、オプティカルファイバ束の他端に塗布され、副視野の2次電子線が結像されるシンチレータが形成されたFOPとからなる単位検出器24−1を複数備える。電磁偏向器により、電子線を照射する副視野が移る毎に、該副視野からの2次電子線を偏向して、単位検出器のFOP面上を移動させる。各単位検出器から、他の単位検出器の露光中に画像情報を取り出すことができるので、高速画像取得ができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子線装置に関し、より詳細には、最小線幅が0.2μm以内のパターンを有する半導体ウエハ等の試料を、1Gピクセル/秒以上の高速で評価することができるようにした電子線装置に関する。
光あるいは電子線の検出器として、800Mピクセル/秒程度の検出速度を有するTDI検出器が市販されている。また、一次元の線状画像の画像データをラインセンサを用いて取得する装置、及び2次元画像の画像データをCCDやCMOSイメージセンサ等のエリアセンサで取得する写像投影型電子線装置も提案されている。
上記した従来例における写像投影型電子線装置のCCD検出器として、640×480画素を100μsで露光可能な検出器がある。しかしながら、このCCDのフレーム数(1秒間に検出できる面数)に関する検出速度は、数フレーム/秒であり、露光最小時間100μsよりもはるかに遅いという問題がある。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、写像投影型の電子線装置において、フレーム数/secの小さいエリアセンサを用いても、ギガヘルツのオーダーの画像取得を行うことができるようにすることである。
上記した目的を達成するために、本発明は、試料面の評価領域を複数の副視野に分割し、一次電子線を偏向器で偏向させることにより電子線を各副視野に順次照射し、各副視野毎に試料面の情報を含んだ2次電子を検出手段により検出することにより、評価領域の情報を得るようにした電子線装置であって、
検出手段は、エリアセンサと、エリアセンサの検出面に一端が結合されたオプティカルファイバ束と、オプティカルファイバ束の他端に塗布され、副視野の2次電子線が結像されるシンチレータが形成されたFOPとからなる単位検出器を複数備え、
電子線装置は、電子線を照射する副視野が移る毎に、該副視野からの2次電子線を偏向して、検出手段を構成する複数の単位検出器のFOP面上を移動させる電磁偏向器を備えている
ことを特徴とする電子線装置を提供する。
上記した本発明に係る電子線装置はさらに、内部に軸対称電極を設けた電磁レンズを備え、該軸対称電極に印加する電圧を調整することにより、電子線の回転量を補正できるようにすることが好ましい。この電磁レンズは、それぞれの内部に軸対称電極が設けられた、電子線の回転方向が逆方向の2段の電磁レンズからなり、2段の電磁レンズそれぞれは、焦点距離と電子線回転量を独立に制御可能であることが好ましい。
また、上記した本発明に係る電子線装置において、1つのエリアセンサからの信号取り出しに要する時間をt、露光時間をt、電磁偏向器の整定時間をtとしたとき、単位検出器の個数が、t/(t+t)に近似する個数に設定されていることが好ましい。
さらに、上記した本発明に係る電子線装置において、1次電子線は、マルチ電子ビームであるか、または、複数の光軸を含み、1次光学系の複数の光軸は、複数のレンズギャップを有する磁極又は電極を有するレンズで構成されていることが好ましい。
さらにまた、上記した本発明に係る電子線装置において、試料は、電位が相違するパターンを含んでおり、評価領域の情報は、該電位の情報であることが好ましい。
本発明は上記したように構成されているので、写像投影型の電子光学系を備えた電子線装置において、フレーム数/secの小さいエリアセンサを用いても、ギガヘルツのオーダーの画像取得を行うことができる。
発明の実施の形態
図1は、本発明に係る写像投影型の電子線装置の第1の実施形態の電子光学系を示している。この実施形態において、LaBカソード1、ウエーネルト2、及びアノード3からなる電子銃から放出された電子線は、コンデンサレンズ3で集束されて成形レンズ9の手前にクロスオーバ像を形成する。このクロスオーバ像が形成される位置の手前には、成形用の開口が形成された開口板8が配置されており、該開口により、電子線は正方形等の矩形に成形される。矩形に成形された電子線は、成形レンズ9及び対物レンズ12により縮小され、試料14上に照射される。このとき、コンデンサレンズ3により形成されるクロスオーバ像は、成形レンズ9で集束されて対物レンズ12の主面に結像され、これにより、ケーラ照明条件が満足される。
そして、軸合わせコイル4により、コンデンサレンズ5の軸に電子線の軸が一致するように調整され、また、軸合わせコイル6及び7により、開口板8の開口と成形レンズ9の軸に電子線の軸が一致するように調整される。さらに、静電偏向器10及び11により、試料14上で矩形の電子線が、図2に示した矢印の方向に順次移動するように偏向されるとともに、E×B分離器17及び18の下方でも、1次電子線が2次電子線と異なる軌道となるように調整される。
対物レンズ12は、レンズギャップ13が試料14の側に形成されたレンズであり、軸上色収差が小さく、さらに、軸対称電極15に高電圧を印加することにより、軸上色収差がより低減される構成を有している。対物レンズ15の内部に配置された軸対称電極16には電圧が印加され、この電圧を調整することによって、試料14上の照射領域が光軸から遠い場合の、2次電子線により拡大レンズ19及び20の手前に形成される像の位置が修正される。すなわち、軸対称電極16に正の電圧を印加すると、電子線のエネルギが大きくなり、レンズ作用が小さくなる。このため、照射領域が光軸から離れている場合に、軸対称電極16に正の電圧を調整して印加することにより、照射領域が光軸に近い場合の結像位置とほぼ同一位置に、像を形成することができる。
ただし、光軸から遠い副視野を照射した場合、光軸近傍を照射した場合と比べて、2次電子線による像の回転量が僅かではあるが異なる。軸対称電極16では、フォーカスと回転量の両方を補正することができないので、拡大レンズ19及び20の内部に軸対称電極21及び22を設けている。そして、該電極に印加する電圧を調整することにより、どの副視野を照射しても、検出部26における像の姿勢が、該検出部を構成するFOPの配列と一致するように補正される。磁気レンズ19及び20は、像の回転方向が逆方向となるような磁場を発生するように設計される。例えば、軸対称電極21に正の電圧を印加し、軸対称電極22に負の電圧を印加すると、磁気レンズ19による回転量が減少し、また、印加する電圧を変化させることにより、回転量を制御することができる。このように、印加電圧の極性及びその値を調整することにより回転量を制御することができるので、コイル電流を調整することにより回転量を制御する場合に比べて、回転姿勢を容易かつ高速に調整することができる。
検出部26は、図3に示すように、シンチレータが塗布された14個のFOP(ファイバオプティカルプレート)24−1〜24−14からなるFOP24を備えており、一次光学系の走査に同期して偏向動作する静電偏向器23により、図2に示したような順番で、2次電子線が14個のFOPに順次結像される。14個のオプティカルファイバ束25が、14個のFOPと14個のCCD検出器(CCD1〜CCD14)との間を光学的に結合している。各オプティカルファイバ束は、640行×480列に固定されたオプティカルファイバで構成されており、各オプティカルファイバが1つの画素に対応し、その径が7.5μmφである。
このように、検出部26は、1つのFOP、1つのオプティカルファイバ束(m行×n列に配置されたオプティカルファイバ)、及び1つのCCD検出器の組み合わせを単位検出器とし、該単位検出器の複数をマトリックス状等に配列した構成を備えている。
ここで、単位検出器の個数とFOPの露光時間との関係を説明する。
FOP24−iは、例えば、最小露光時間が100μsで、検出速度が700フレーム/secである。700フレーム/secの検出速度の場合、サイクルタイムは1.43ms(=1/700)となる。
照射領域を移動させる偏向器10及び11も14個のFOPのいずれかを選択するための偏向器23も静電偏向器であるので、10μs程度の整定時間を容易に得ることができ、最小露光時間と偏向器の整定時間の合計は、110μs(=100μs+10μs)となる。
一方、CCDからデータを取り出す時間は、1.33ms(=1.43ms−100μs)である。
このような電子線装置において、FOP24−1を100μs露光した後、該FOP24−1にオプティカルファイバ束を介して接続されたCCD1からデータを取り出し始める。そして、偏向器を駆動整定しかつFOP24−1の露光後(すなわち、前段のFOPの露光終了から110μs後)に、同様にして、FOP24−2、24−3、・・・、FOP24−14と順次露光し、また、各FOPiの露光後(100μs後)に対応するCCDiからデータを取り出し始める。このとき、CCD1からデータの取り出しを開始した後に、再度FOP24−1の露光を開始するまでに、110μs×13=1.43msかかることになる。したがって、再度FOP24−1の露光を開始するまでの時間1.43ms後には、CCD1からデータの取り出しは終了しているので、新しい像の取得を開始することができる。
以上から明らかなように、各CCDiから信号取り出しに要する時間をt、露光時間をt、静電偏向器の整定時間をtとしたとき、単位検出器の個数を、t/(t+t)より大きい個数に設定することにより、最適な速度でデータを取得することができる。
なお、ステージの移動方向は、図2のy軸方向であり、この方向にステージを移動させつつ、x軸方向及び−x軸方向に交互に照射領域を移動させる。これにより、図2の矢印に沿って照射領域を移動させることができる。y軸方向には、ステージの動きに追尾してビームを偏向し、フレームの端の副視野を照射した後、ステージの移動と逆の方向に1視野分の偏向が行われる。
また、各FOP24−iは、7.5μmφのオプティカルファイバを640列×480行に配列固定し、その表面を研磨した後に、シンチレータを塗布することによって構成されている。オプティカルファイバは、入射端及び出射端でのファイバの配列が保有されているので、オプティカルファイバを光信号が送られている間に像が歪むことがない。試料での画素寸法が50nmの場合、電子光学系で試料を拡大させる必要があるが、倍率は7500nm/50nm=150倍であるため、対物レンズで10倍、拡大レンズで15倍を得ればよいので、拡大レンズを2段レンズ(拡大レンズ19及び20)として構成することができる。
なお、上記した100μsで480×640の画素を露光すると、ピクセル周波数は、480×640/(100×10−6)=3.072GHzとなる。したがって、高速の画像取得を行うことができる。
上記したように、第1の実施形態の電子線装置は、検出面に複数の受光部を設け、それぞれ独立したCCD検出器に導き、1つのCCD検出器からパターンデータを取りだしている間に他のCCDを露光することができるので、フレーム数/secの小さいCCDを用いても、ギガヘルツクラスの画像取得を行うことができる。
また、軸対称電極に印加する電圧を調整することにより、電子ビームの回転姿勢を高速で補正することができる。
図4は、本発明に係る第2の実施形態の電子線装置における電子光学系を示す説明図である。この実施形態の電子線装置において、電子銃(不図示)からの電子線により形成されるクロスオーバ位置41から放出される電子線をコンデンサレンズ44で集束し、マルチ開口が形成されたマルチ開口板47の手前にクロスオーバ像を形成する。該クロスオーバ像が形成された位置から発散された電子線をマルチ開口板47に照射することによって、マルチ電子ビームを形成し、NA開口50にクロスオーバを形成する。そして、縮小レンズ51を介して対物レンズ56の主面に拡大像を形成する。
このとき、マルチ開口板47のマルチ開口を通過した電子線は、例えば10行×10列のマルチ電子ビームとなり、縮小レンズ51と対物レンズとで縮小され、試料57上に照射される。また、コンデンサレンズ48は、複合レンズであり、2つのコイル電流を制御することによってビームの回転を制御することができる。縮小レンズ51の内部には、ダイナミックフォーカス用の軸対称電極52が設けられており、マルチ電子ビームの走査によって生じたビームの姿勢変化をダイナミックに補正することができる。
1次光学系の軸(垂直方向)は、E×B分離器55から試料57までの軸と平行であるが、水平方向にオフセットされており、軸合わせ偏向器53により、E×B分離器55の方向に電子線を偏向することにより、軸あわせを行う。一実施例では、水平方向のオフセット量16mmが6°に相当するように、軸合わせ偏向器53とE×B分離器55との位置が設定される。E×B分離器55では、静電偏向器により図面の右方向に6°偏向し、そして、電磁偏向器により左に12°偏向する。これにより、電子線は、E×B分離器55から垂直方向に進む。この分離器55を電磁偏向器のみで構成してもよい。
試料57上の走査は、偏向器53とE×B分離器55の静電偏向器に、三角波とのこぎり波とを重畳して行う。三角波はx軸方向の走査に使用され、のこぎり波はy軸方向にステージの動きに追尾してビームを連続移動させたり視野端でステップ移動させるために使用される。
試料57上に電子線が照射されると、試料57上の照射点から放出された2次電子は、対物レンズ56を通過し、E×B分離器55で18°偏向されて2次光学系に進む。2次光学系では、拡大レンズ58によってビーム間隔が拡大され、複数の検出器からなる検出部60において電子線が検出される。静電偏向器59には、1次光学系における電子線の走査と同期する走査信号が印加され、これにより、同一の電子ビームにより生じる2次電子線が常に同一の検出器に入射される。
図5は、図4の電子線装置に採用可能な検出器60の構成を示しており、該検出器60は、4〜16μmφのオプティカルファイバ25−iを8行8列に固定して形成されたFOPiで真空窓を形成し、その真空側にシンチレータを塗布した面93を有し、Oリングの当たり面92で真空封止をしている。FOPiの大気側の64本のオプティカルファイバ25−iは、それぞれ独立しており、8行×8列のPMTの受光面の対応するものに接続される。各PMT受光面は、面積が各オプティカルファイバの面積よりも大きいので、オプティカルファイバを受光面に接近させて、隣接する受光面にオプティカルファイバの光が混入されないようにするだけでよい。なお、PMTを用いる代わりに、光電管等の任意の光電変換素子を用いることもできる。
図6は、図4に示した第2の実施形態の電子線装置における、試料57上のマルチ電子ビームの照射配置関係を示している。図6に示すように、この実施形態においては、64本の電子線が8行×8列のマトリックスに配置されており、隣接する照射位置の間隔(ビーム間隔)は403nmである。また、該マトリックスはx−y直交座標に対してsin−1(1/8)回転されている。
このような照射配置となる64本の電子線を、同時にx軸方向に所定の走査幅だけ走査し、次に、y軸方向にラスタ幅(この例では、50nm)の60倍ステップ移動させた後、−x軸方向に走査幅だけ走査し、そして、y軸方向に再度ステップ移動させる。このような走査を反復実行する。
ところで、複数の画素に相当する領域に面積ビームを照射し、試料に電子線を入射させずに全反射させて(ミラー電子)、試料のポテンシャル像すなわち電位分布を表す画像を得る反射型写像顕微鏡が提案されている。しかしながら、上記した反射型写像顕微鏡においては、1次電子ビームを試料面から離れた位置から反射させると、試料面の情報が含まれていない反射ビームとなってしまう。逆に、試料面に近すぎる位置から反射させると、試料面上の凹凸等で電子ビームが不規則に反射されてしまい、反射像が乱れてしまう。したがって、試料上のパターンの電位情報を有効に取り出すことができないという問題がある。
この問題を回避するために、本発明は、全反射ではなく部分的に試料に入射電子が吸収される装置を提供する。
図7を参照して、本発明の電子線装置が、上記した反射型写像顕微鏡の問題点を如何に回避しているかを、詳細に説明する。図7において、(A)は、周期的なラインアンドスペースパターンにおいて、1つおきのラインのパターン1が+1.1Vの電位を有し、残りのラインのパターン2が−1.1Vの電位を有している状態を示している。(A)において、参照番号3及び4はそれぞれ、+1.1Vの等電位面及び0Vの等電位面である。
このような状態で、電子線をパターンに照射した場合について説明する。このとき、電子のランディングエネルギは、0Vの電位のパターンへの入射時に0eVとし、電子線のエネルギ幅はLaB6電子銃によるものであって2eVとする。
集束された電子線5をパターン1に照射すると、該パターン1は+1.1Vの電位であるから、入射した電子は殆どすべて吸収され反射電子が少ない。すなわち、平均より1eV小さいエネルギをもつ電子であっても、パターン1に到達しても0.1eVのエネルギを有しているため、そのままパターン1に吸収される。そのため、放出される2次電子は小さく、得られる信号レベルはほぼ0である。
−1.1Vの電位のパターン2に電子線が照射されと、平均より+1eV小さいエネルギの電子6は、+1.1Vの等電位面3に到達した時点で速度が0になり、逆方向に加速されることにより反射される。平均エネルギの電子7は、0Vの等電位面に到達した時点で速度が0になり、反射される。平均エネルギよりも+1eV大きいエネルギの電子8は、パターン2に入射する前に反射され、反射される電子の量は最大となる。
従って、(A)に示したパターンを電子線で走査した場合に得られる信号波形は、(B)に示すようになる。
次に、(C)に示すように、平坦な基板ではなく凹凸があるが基板上のラインアンドスペースを電子線で走査した場合について、説明する。凹凸以外の条件は、(A)の場合と同様であり、したがって、(A)に関連して説明したように、電子はそのエネルギに依存して反射する。
すなわち、平均より1eV低いエネルギの電子6は、+1.1Vの等電位面3を少し過ぎた時点で速度が0になり、逆方向に反射される。平均エネルギの電子7は、0Vの等電位面4から反射される。平均より1eV大きいエネルギの電子8は、パターン2に入射される直前に反射される。
しかしながら、(C)に示すように、凹凸がある場合には等電位面3及び4が規則的ではないため、パターン1及び2の周辺部に電子線が照射された場合、電子は垂直方向に反射せずに等電位面への入射角に応じて反射するために散乱が生じる。このため、2次電子が検出器に到達しない確率が高くなり、信号強度が低くなるので、得られる信号波形は(D)で表されるようになる。
また、入射する電子のエネルギ幅が2eV以上の場合には、+1.1Vのパターン1に照射された電子の一部が入射しないで反射され、ゼロレベルに対応する信号レベルがオフセットされてしまう。さらに、−1.1Vのパターン2に照射された電子の一部も該パターンに入射するので、1レベルに対応する信号レベルを低下させる。従って、信号の振幅が小さくなる。
さらにまた、評価したいパターンの電位差が図1に示した例の電位差よりも小さい場合にも、信号の振幅が小さくなる。
このような場合には、FE電子銃やTFE又はショットキーカソード電子銃を用いればよい。これは、TFE等の電子銃は、放出エネルギ幅が小さいため、小さい電位差で入射電子が反射されたり吸収されたりするからである。
従来の入射電子を全反射させる電子線装置においては、電子銃のカソード電位Vcと試料の電位Vsとの関係をVc>Vsと設定している。例えば、Vc=−4kV、Vs=−4.01kVである。
一方、本発明の電子線装置においては、Vc=Vs−(エネルギ幅)/2と設定し、これにより、平均的なエネルギの電子の試料表面でのランディングエネルギをほぼゼロとすることができる。
また、2eVのエネルギ幅の電子ビームを入射させた場合、試料上に2V程度の差の電位パターンがないと、該電位パターンを表す信号波形を得ることができないが、0.6eV程度のエネルギ幅の電子ビームを入射させた場合には、試料上の電位差が0.6V程度であっても電位パターンを表す信号波形を得ることができる。
上記した第2の実施形態においては、50nmの画素寸法に対してビーム間隔が403nmであるため、図7に関連して説明したような反射ビームの散乱が多少生じても、効率よく検出することができる。また、電位コントラスト像を高スループットで得ることができる。
図8は、本発明に係る第3の実施形態の電子線装置における電子光学系を示している。この実施形態においては、例えば3行×3列のマトリックス状に配置された複数のカソード61を用いた電子銃を用いている。また、各電子銃からマルチ電子ビームを放出できるようにしている。なお、カソード61は複数であるが、電子銃を構成するウエーネルト62及びアノード63は一体的構造であり、1枚の板に複数の光軸に一致する位置に穴が開けられている。軸合わせ偏向器64は、各々、1枚のセラミック基板に光軸に相当する位置に穴を設け、8極(偏向電極)を絶縁分離する溝を形成し、絶縁に必要な部分を除いて、NiPの無電解メッキ及び金属メッキを行うことによって、絶縁を保持しつつ電極が形成される。
コンデンサレンズ65、縮小レンズ66、及び対物レンズ67はそれぞれ、2枚の板に光軸に相当する位置に穴が形成され、周囲にリブ構造にするための円筒構造を有し、その円筒構造の内部にレンズ励磁用のコイルが設けられている。周囲のリブ構造により、たわみを無視できる程度に小さくすることができる。対物レンズ67は、レンズギャップが試料70の側に形成されており、これにより、軸上色収差を小さくすることができる。
E×B分離器68は、x偏向用コイルとy偏向用コイルとの組み合わせで構成してもよく、また、x及びy軸方向の一方の偏向用に永久磁石を用いてもよい。
マルチ開口板63及びNA開口板72は各々、1枚の金属板にマルチ開口を設けることによって形成されるが、これらもまた、たわみを防止するためにリブ構造に形成される。
マルチ電子ビームの走査により発生する像面湾曲収差を補正するため、軸対称電極を対物レンズ67の内部に設けてもよく、また、走査によって生じた回転歪みを補正するため、軸対称電極を縮小レンズ66の内部に設けてもよい。これら軸対称電極へ印加する電圧を調整することにより、それぞれの回転を修正する。
電子線の照射により試料70から放出された電子は、対物レンズ67を通過後、E×B分離器68により図の右方向に偏向されて2次光学系に入る。E×B分離器68の後段には拡大レンズ69が設けられており、該レンズにより、2次電子線の相互の間隔が拡大されて検出器71において検出される。
試料70上の走査は、軸合わせ偏向器64とE×B分離器68の静電偏向器の両方により実行される。そして、1次電子線の走査に同期して、2次電子線が静電偏向器74により偏向される。
検出器71として、図4に示した構成の検出器を用いている。
図9の(A)は、図8に示した電子線装置を用いて、試料上でのビームの配置(符号70)と2次電子光学系で拡大された2次電子像(丸印)との関係を示したものである。図9に示したように、各光軸に3行3列の電子ビームが配置され、拡大光学系で拡大され、それぞれが丸印で示した寸法に拡大されて、検出器71で相互干渉がなく検出される。また、図9の(B)は、電子線装置の基準となる座標(x−y直交座標)とビーム配列の姿勢との関係を示している。
上記説明した本発明に係る第1〜第3の実施形態の電子線装置を、半導体デバイスの製造過程での欠陥等の検査及び評価装置として使用することにより、検査及び評価を高スループット及び高精度で行うことができるので、半導体デバイスそのものの製造を高スループット及び高精度で行うことができる。
本発明に係る第1の実施形態の電子線装置における電子光学系を示す説明図である。 図1に示した電子線装置における走査順を説明するための図である。 図1に示した電子線装置における検出部の構成を示す図である。 本発明に係る第2の実施形態の電子線装置における電子光学系を示す説明図である。 図4に示した電子線装置に用いられる検出部の構成を示す図である。 図4に示した電子線装置におけるマルチ電子ビームの配列及びその走査を説明するための図である。 従来例の電子線装置による電位分布検出おける問題点を説明するための説明図である。 本発明に係る第3の実施形態の電子線装置における電子光学系を示す説明図である。 図8に示した電子線装置における、試料上のビームの配置と2次光学系で拡大された2次電子像との関係を示す説明図である。

Claims (7)

  1. 試料面の評価領域を複数の副視野に分割し、1次電子線を偏向器で偏向させることにより電子線を各副視野に順次照射し、各副視野毎に試料面の情報を含んだ2次電子を検出手段により検出することにより、評価領域の情報を得るようにした電子線装置において、
    検出手段は、エリアセンサと、エリアセンサの検出面に一端が結合されたオプティカルファイバ束と、オプティカルファイバ束の他端に塗布され、副視野の2次電子線が結像されるシンチレータが形成されたFOPとからなる単位検出器を複数備え、
    電子線装置は、電子線を照射する副視野が移る毎に、該副視野からの2次電子線を偏向して、検出手段を構成する複数の単位検出器のFOP面上を移動させる電磁偏向器を備えている
    ことを特徴とする電子線装置。
  2. 請求項1記載の電子線装置において、該装置はさらに、内部に軸対称電極を設けた電磁レンズを備え、該軸対称電極に印加する電圧を調整することにより、電子線の回転量を補正できるようにしたことを特徴とする電子線装置。
  3. 請求項2記載の電子線装置において、電磁レンズは、それぞれの内部に軸対称電極が設けられた、電子線の回転方向が逆方向の2段の電磁レンズからなり、2段の電磁レンズそれぞれは、焦点距離と電子線回転量を独立に制御可能であることを特徴とする電子装置。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の電子線装置において、1つのエリアセンサからの信号取り出しに要する時間をt、露光時間をt、電磁偏向器の整定時間をtとしたとき、単位検出器の個数が、t/(t+t)に近似する個数に設定されていることを特徴とする電子線装置。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の電子線装置において、1次電子線は、マルチ電子ビームであることを特徴とする電子線装置。
  6. 請求項1〜4いずれかに記載の電子線装置において、光軸を複数含み、1次光学系の複数の光軸は、複数のレンズギャップを有する磁極又は電極を有するレンズで構成されていることを特徴とする電子線装置。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載の電子線装置において、試料は、電位が相違するパターンを含んでおり、評価領域の情報は、該電位の情報であることを特徴とする電子線装置。
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