JP2011103219A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成を簡素化でき、しかも電気的短絡による出力損失及び燃料電池の損傷がなく、信頼性が高い燃料電池を提供すること。
【解決手段】この燃料電池1は、電池積層部11と、取付け座24a〜24dを備えた架台20と、下部締付板21と、上部締付板22と、下部締付板21の貫通孔から架台20側へ貫通した先端部が取付け座24a〜24dに固定され、下部締付板21及び上部締付板22間を加圧締付する締付スタッド23a〜23dと、下部締付板21と取付け座24a〜24dとの間に介在する絶縁カラー25a〜25dと、下部締付板21の貫通孔を含む領域に形成され、外縁部が貫通孔の外周よりも外側となるように下部締付板21の下面から下方に突出した下部突出部31と、リン酸液が貫通孔と絶縁カラー25a〜25dとの間の隙間から絶縁カラー25a〜25dの外周部に漏出することを阻止する漏出阻止構造とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学反応を利用して発電する燃料電池に関し、特にリン酸液などの電解液を含浸した電解質層を備える燃料電池に関する。
近年、CO2排出削減などの観点から、燃料ガス及び酸化剤ガスが持つ化学エネルギーを電気化学反応により直接電気エネルギーへ変換する燃料電池が脚光を浴びている。燃料電池は、発電で発生する電気及び発熱を共に利用するコージェネレーションシステムとしても利用でき、エネルギーの有効活用の観点からも注目を集めている。燃料電池は、使用される電解質の種類に応じて区分され、固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)、固体酸化形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)及びリン酸形燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)など種々タイプの実用化が検討されている。
これらの燃料電池の中でも、リン酸形燃料電池は、運転温度が150℃〜200℃程度と比較的低温であることから、特殊な耐熱材料を必要とせず、運転条件の変化にも柔軟に対応することができる。また、リン酸形燃料電池は、運転温度が適度に高いため、発電に伴う発熱を空調や温水の調整などに利用することができ、業務用や工業用のコージェネレーションシステムとして商用化されている。リン酸形燃料電池を用いたコージェネレーションシステムは、例えば、バイオマスガスシステムにおいて、消化槽で発生したメタンガスを発電に利用し、発電に伴って発生した熱エネルギーをバイオマスガスシステムの消化槽の保温に用いる用途や、LPガスを燃料とした災害時における非常電源としての用途など、更なる用途の拡大が期待されている。
リン酸形燃料電池としては、リン酸形燃料電池の単電池を複数積層した電池積層部と、当該電池積層部の積層方向の上面及び下面に配置され、電池積層部を締付する締付板と、電池積層部を固定する架台とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図9、図10を参照して、一般的なリン酸形燃料電池について説明する。図9は、一般的なリン酸形燃料電池の積層構造を示す図である。図9に示すように、リン酸形燃料電池の電池積層部11は、複数のリン酸形燃料電池の単電池12が積層されて構成される。各単電池12間は、セパレート板13a、13bによってそれぞれ遮蔽されている。各単電池12は、電解液としてのリン酸液を保持した電解質層14と、電解質層14の一方の面側に配置される燃料極15と、電解質層14の他方の面側に配置される酸化剤極16とを主に備える。燃料極15とセパレート板13aとの間には、燃料極15に燃料ガスを供給するガス流路(溝)が設けられた基材17aが配置されている。酸化剤極16と他方のセパレート板13bとの間には、酸化剤極16に酸化剤ガスを供給するガス流路(溝)が設けられた基材17bが配置されている。各単電池12を遮蔽するセパレート板13a、13bの間には、冷却水などの冷媒により電池積層部11内を冷却する冷却板18a、18bが配置されている。
図10は、一般的なリン酸形燃料電池の構造を示す断面模式図である。図10に示すように、電池積層部11の上面及び下面には、貫通孔を有する締付板91a、91bが配置されている。締付板91a、91bの貫通孔には、電池積層部11を締付する締付スタッド92が挿通されている。締付スタッド92の下端には、ナット94aが締結され、ナット94aと締付板91aとの間には、締付板91aと締付スタッド92との間を絶縁する絶縁カラー93aが介在している。一方、締付スタッド92の上端には、ナット94bが締結され、ナット94bと締付板91bとの間には、締付板91bと締付スタッド92との間を絶縁する絶縁カラー93bが介在している。このように、電池積層部11は、ナット94a、94bにより締付板91a、91bを介して加圧締付可能に構成され、各単電池12間の電気的な接続が確保されると共に、燃料ガス及び酸化剤ガスがシールされている。締付板91a、91bには、電池積層部11で発電された直流電流を出力する出力端子95a、95bが設けられている。電池積層部11は、締付板91bの下面に配置された絶縁支持碍子96を介して架台97に固定されている。
次に、図11を参照して、図9、図10に示すリン酸形燃料電池の電気的な接続について説明する。図11に示すように、電池積層部11は、各単電池12が直列に接続されて構成され、上部の出力端子95bが負極(−)側となり、下部の出力端子95aが正極(+)側となる。また、電池積層部11の中間部には、単電池12間の電位差が最小になるように、接地線98が接地検出リレー99を介してアース接続されている。接地検出リレー99は、接地線98を介して流れる地絡電流を検出することにより地絡の発生を検出し、一定の閾値を超えた場合には、安全ため、発電を停止するように構成されている。
次に、リン酸形燃料電池の発電動作について説明する。燃料ガス及び酸化ガスは、燃料ガス導入口及び酸化ガス導入口(不図示)を介して、電池積層部11に供給される。電池積層部11に供給された燃料ガスは、基材17aを介して燃料極15に供給される。燃料極15に供給された燃料ガスは、燃料極15の電解質層14側表面の電極触媒層で電気化学反応に供される。一方、電池積層部11に供給された酸化剤ガスは、基材17bを介して酸化剤極16へ供給される。酸化剤極16へ供給された酸化剤ガスは、酸化剤極16の電解質層14側表面の電極触媒層で電気化学反応に供される。以上のようにして、リン酸形燃料電池では、電解質層14を介して、燃料ガス、酸化剤ガス、リン酸溶液による電気化学反応が進行して発電動作が行われる。電池積層部11で発電された直流電流は、上下の締付板91a、91bの出力端子95a、95bにより取出され、直交変換装置(不図示)により、交流変換されて商用電力として使用される。
特開平4−259758号公報
ところで、燃料電池は、その用途拡大に伴い、設置場所の自由度の拡大やコストの低減などの観点から、構成の簡素化が望まれている。燃料電池の構成の簡素化の一例としては、図12に示すように、電池積層部11の架台97への設置構造を改良した例が検討されている。図12に示す例では、架台97の上面に設けられた取付け座100に電池積層部11を直接固定し、部品点数を削減している。
一方、リン酸形燃料電池は、燃料電池の運転に伴う温度変化のために、リン酸液が膨張してその一部が電解質層14から漏出する現象が発生する。このため、リン酸形燃料電池では、漏出したリン酸液に対する電池積層部11の電気的絶縁の確保及び構成部品の防食が必要となる。
図12に示すリン酸形燃料電池では、電池積層部11から漏出したリン酸液は、流路L3を伝って締付板91aの上面に滞留する。締付板91aの上面に滞留したリン酸液は、締付板91aの貫通孔と絶縁カラー93aとの間を介する流路L4及び締付板91aの外周を介する流路L5を伝って流下する。締付板91aの下面に流下したリン酸液は、絶縁カラー93aの側面を伝って取付け座100に流下する。このため、漏出したリン酸液により、絶縁カラー93aの沿面絶縁が破壊される現象が発生する。沿面絶縁が破壊された場合、出力端子95aと架台97との間で電気的に短絡することにより地絡検出リレー99に電流が流れるために発電停止し運転不能となる。
これに対し、リン酸液による電気的短絡を防ぐため、特許文献1記載の燃料電池では、下部の出力端子95aの電位をアースと同電位とすることにより、リン酸液の漏出により、電気的絶縁が破壊しても短絡電流が流れないように結線することが提案されている。
しかしながら、下部の出力端子95aの電位をアースと同電位とした場合、異常現象である燃料電池スタックの絶縁破壊を検出できず、そのまま運転維持されて燃料電池の出力損失が生じる品質上の問題がある。また、この場合には、中間電位で接地した場合と比較し、地絡箇所により大きな電流が流れ、燃料電池の損傷又は燃料電池が運転不能に陥る危険性があり、安全上でも問題があった。このように、燃料電池の構成の簡素化と燃料電池の信頼性の確保とを共に実現することは困難であった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、構成を簡素化でき、しかも電気的短絡による出力損失及び燃料電池の損傷がなく、信頼性が高い燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池は、リン酸液を含浸した電解質層と当該電解質層の両側に配置された一対の燃料極及び酸化剤極とを備える単電池が積層された電池積層部と、前記電池積層部を固定する取付け座を備えた架台と、前記電池積層部の積層方向の下面側に配置され、貫通孔を有する第1締付板と、前記第1締付板との間で前記電池積層部を挟むように、前記電池積層部の積層方向の上面側に配置された第2締付板と、前記第1締付板と前記第2締付板との間に張架され、前記第1締付板の貫通孔から前記架台側へ貫通した先端部が前記取付け座に固定され、前記第1及び第2締付板間を加圧締付けする締付棒と、前記第1締付板と前記取付け座との間に介在し、前記締付棒が貫通した絶縁部材と、前記第1締結板の下面において前記第1締結板の前記貫通孔を囲む領域に形成され、外縁部が前記貫通孔の外周よりも外側となるように下方に向けて突出した笠部と、前記第1締付板の上面に漏出した前記リン酸液が前記貫通孔と前記絶縁部材との間の隙間から前記絶縁部材の外周部に漏出することを阻止する漏出阻止構造と、を具備したことを特徴とする。
この構成によれば、燃料電池の発電動作に伴い、電池積層部から外部に漏出したリン酸液が絶縁部材の外周面に接触することなく滴下されるので、絶縁部材の沿面絶縁を保護することができる。これにより、燃料電池の電気的短絡による出力損失及び燃料電池本体の損傷を抑制することができ、信頼性が高い燃料電池を実現することができる。また、締付手段により電池積層部の加圧締付と電池積層部の固定とを共に行うことができるので、燃料電池の固定に用いる部品数を削減することができ、燃料電池の構成の簡素化及びコストの削減を実現できる。
また本発明は、上記燃料電池において、前記漏出阻止構造は、前記第1締付板の上面において前記貫通孔を囲む周縁部に、上方へ突出するように形成された突出部であることを特徴とする。
この構成によれば、第1締付板上面の突出部により、電池積層部から外部に漏出したリン酸液の貫通孔内への流入を抑制できるので、リン酸液の第1締付板の貫通孔と絶縁部材との間からの漏出を防止することができ、絶縁部材の沿面絶縁の破壊を抑制することができる。このため、燃料電池の電気的短絡を抑制でき、出力損失及び燃料電池本体の損傷を抑制することができる。
また本発明は、上記燃料電池において、前記漏出阻止構造は、前記第1締付板の貫通孔又は貫通孔近傍部位と対向する絶縁部材との間に設けられたOリングであることを特徴とする。
この構成によれば、貫通孔又は貫通孔近傍部位と対向する絶縁部材との間に設けられたOリングにより、電池積層部から外部に漏出したリン酸液の第1締付板の貫通孔と絶縁部材との間からの漏出を抑止できるので、絶縁部材の沿面絶縁の破壊を抑制することができる。このため、燃料電池の電気的短絡を抑制でき、出力損失及び燃料電池本体の損傷を抑制することができる。
また本発明は、上記燃料電池において、前記漏出阻止構造は、前記第1締付板の下面と前記絶縁部材との当接面に設けられた複数の溝であることを特徴とする。
この構成によれば、第1締付板の下面と絶縁部材との当接面に設けられた複数の溝により、電池積層部から外部に漏出したリン酸液の第1締付板の貫通孔と絶縁部材との間からの漏出を抑止できるので、絶縁部材の沿面絶縁の破壊を抑制することができる。このため、燃料電池の電気的短絡を抑制でき、出力損失及び燃料電池本体の損傷を抑制することができる。
また本発明は、上記燃料電池において、前記絶縁部材は、前記第1締付板の貫通孔の直径よりも径が小さい小径部先端が、前記貫通孔から前記第1締付板の上面側に突出しており、前記漏出阻止構造は、前記絶縁部材の小径部の突出部に断面V字形状のリップ部を有するVリングが嵌め込まれ、第1締付板の上面側に位置するリップ部を当該第1締付板の上面に加圧接触させたことを特徴とする。
この構成によれば、貫通孔から第1締付板の上面側に突出した絶縁部材の小径部の突出部に嵌め込まれ、リップ部が第1締付板の上面と加圧接触するVリングにより、電池積層部から外部に漏出したリン酸液の第1締付板の貫通孔内への流入を抑制できるので、絶縁部材の沿面絶縁の破壊を抑制することができる。このため、燃料電池の電気的短絡を抑制でき、出力損失及び燃料電池本体の損傷を抑制することができる。また、Vリングの取付け位置の調整により、リップ部と第1締付板との間の加圧接触を調整できるので、電解質液の第1締付板の貫通孔内への流入を効果的に抑制できる。
本発明によれば、構成を簡素化でき、しかも電気的短絡による出力損失及び燃料電池の損傷がなく、信頼性が高い燃料電池を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る燃料電池の模式的な斜視図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池の断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の部分断面拡大図である。 本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池の部分断面拡大図である。 本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池の他の一例の部分断面拡大図である。 本発明の第3の実施の形態に係る燃料電池の部分断面拡大図である。 本発明の第4の実施の形態に係る燃料電池の部分断面拡大図である。 本発明の第4の実施の形態に係る燃料電池の他の一例の部分断面拡大図である。 一般的な燃料電池の単電池の積層構造を示す図である。 一般的な燃料電池の模式的な断面図である。 一般的な燃料電池の模式的な回路図である。 構成を簡素化した燃料電池の部分断面拡大図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の説明では、図9〜図11に示したリン酸形燃料電池と同一構成の部分には、同一の符号を付して説明を省略し、本発明の実施の形態に係る燃料電池と一般的なリン酸形燃料電池との相違点を中心に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る燃料電池1の模式的な斜視図である。本実施の形態に係る燃料電池1は、リン酸形燃料電池の単電池12が複数積層された電池積層部11と、当該電池積層部11の下面に配置され、電池積層部11を固定する架台20とを主に備える。尚、図1においては、一つの単電池12のみ図示し、他の単電池12については符号を省略している。
電池積層部11は、複数の単電池12が上下方向に積層されて構成され、略矩形形状の上面及び下面を有する。電池積層部11の下面には、平面視において、電池積層部11の下面から4隅が突出するように略矩形形状の下部締付板21が配置されている。一方、電池積層部11の上面には、下部締付板21と対応した略矩形形状を有する上部締付板22が配置されている。電池積層部11の上下の面から突出した下部締付板21及び上部締付板22の4隅には、それぞれ対向する位置に貫通孔が設けられている。この対向する4隅の貫通孔には、円柱形状に形成され両端にらせん状のネジ山を有する4本の締付スタッド23a〜23dが挿通されている。
図2は、図1に示した燃料電池1の側面模式図である。図2に示すように、下部締付板21の下面側には、電池積層部11を固定する取付け座24aが設けられた架台20が配置されている。架台20は、取付け座24aが絶縁カラー25aを介して下部締付板21の貫通孔と重なるように配置される。下部締付板21の貫通孔に挿通された締付スタッド23aの下端は、絶縁カラー25aを貫通して架台20の取付け座24aから突出するように配置される。締付スタッド23aの下端には、取付け座24aと下部締付板21との間を締付するナット26aが締結されている。一方、上部締付板22に挿通された締付スタッド23aの上端には、絶縁カラー27aを介して上部締付板22と下部締付板21との間を締付するナット28aが締結されている。
すなわち、本実施の形態においては、下部締付板21と上部締付板22との間に張架される締付スタッド23aにより、下部締付板21及び上部締付板22を介した電池積層部11の加圧締付と電池積層部11の架台20への固定とを共に行うことにより、絶縁支持碍子などを用いることなく電池積層部11を直接架台20へ固定している。これにより、部品点数の削減が可能となり、燃料電池の構造を簡略化することができ、燃料電池1の小型化及びコスト削減が可能となる。下部締付板21及び上部締付板22には、それぞれ発電された直流電流を取り出す出力端子29a、29bが設けられている。尚、以上の説明では、締付スタッド23aを例に燃料電池1の架台20への固定について説明したが、他の締付スタッド23b〜23dも同様に構成されている。
図3は、図2に示した燃料電池1の断面図の部分拡大図である。尚、図3では、出力端子29aは省略している。図3に示すように、下部締付板21の貫通孔より小さい外径を有し、貫通孔内に挿入される小径部と、小径部より相対的に外径が大きく形成され、下部締付板21下面の開口端部と取付け座24aとの間に配置される大径部とを絶縁カラー25aは備える。絶縁カラー25aの外周面の大径部と小径部との間には、大径部と小径部の径の差に応じた段差が形成されている。この絶縁カラー25aの段差の上面が下部締付板21下面の貫通孔の開口端部と当接する当接面40aとなる。絶縁カラー25aの小径部は、下部締付板21の貫通孔と対向するように貫通孔内に沿って上方に延在され、上端が下部締付板21の上面から突出するように配置されている。
次に、本実施の形態に係る燃料電池1のリン酸液の漏出阻止構造について説明する。本実施の形態の形態に係る燃料電池1は、発電に伴って漏出したリン酸液が下部締付板21の貫通孔と絶縁カラー25aとの間からの漏出を抑制する漏出阻止構造としての上部突出部30を備える。上部突出部30は、下部締付板21上面の貫通孔を囲む周縁部に、下部締付板21の上面から上方に向かって突出するように形成されている。本実施の形態では、この上部突出部30により、下部締付板21の上面に滞留したリン酸液の下部締付板21の貫通孔内への流入を抑制し、下部締付板21の貫通孔と絶縁カラー25aとの間からのリン酸液の漏出を抑制している。
尚、上部突出部30は、下部締付板21の上面において、リン酸液の貫通孔内への流入を抑制できる位置に設けられていればよく、必ずしも下部締付板21の貫通孔の開口端部に対応した形状でなくともよい。例えば、下部締付板21の貫通孔の開口部と同芯円状に形成されていてもよく、下部締付板21の開口部の周囲に、略矩形形状に形成されていてもよい。また、上部突出部30の形状は、リン酸液の貫通孔内への流入を抑制できる形状であれば特に限定されない。また、上部突出部の30の形状は、下部締付板21上面の主面に対して、高さ方向において所定の割合で傾斜が形成されていればよく、完全な階段形状を必要とするものではない。
下部締付板21の下面には、下部締付板21の上面から流下するリン酸液を、絶縁カラー25aとの接触を避けるように下方に滴下する笠部としての下部突出部31が設けられている。下部突出部31は、下部締付板21の貫通孔を囲む領域に設けられ、下部締付板21の下面から下方に向かって突出するように設けられている。また、下部突出部31は、リン酸液の絶縁カラー25aへの付着を回避できるように、下部突出部31の外縁部が絶縁カラー25aの大径部の外周面と所定の間隔を取るように離間して設けられている。本実施の形態では、この下部突出部31により、下部締付板21の上面から下部締付板21の側面を伝って流下するリン酸液を誘導し、絶縁カラー25aと接触することなく滴下する。これにより、漏出したリン酸液の絶縁カラー25aの外周面に接触を抑制することができるので、燃料電池1の沿面絶縁の破壊を防止できる。
尚、下部突出部31の形状は、リン酸液の絶縁カラー25aへの接触を回避できるように誘導できる形状であれば、特に限定されない。例えば、下部突出部31の形状は、下部締付板21下面に対して、少なくとも下方に突出していればよく、完全な階段形状を必要とするものではない。また、下部突出部31は、絶縁カラー25aと接触せずにリン酸液を滴下できれば絶縁カラー25aの外周縁部に形成されていなくともよく、絶縁カラー25a〜25dの外側を囲むように、略矩形形状に形成されていてもよい。
次に、本実施の形態に係る燃料電池1におけるリン酸液の流路について説明する。電池積層部11から漏出したリン酸液は、流路L1を伝って、電池積層部11の側面から下部締付板21の上面に向けて流下する。下部締付板21の上面に流下したリン酸液は、下部締付板21上面を下部締付板21の端部へ向けて流れる。ここで、下部締付板21の上面には、上部突出部30が設けられているので、下部締付板21の貫通孔へ流入せずに、下部締付板21の端部から流路L2を伝って、下部締付板21の下面側に向けて流下する。
下部締付板21の下面側に流下したリン酸液は、下部締付板21下面の下部突出部31の先端に向けて流下し、所定の液量のリン酸液が溜まった後に、重力に従って、絶縁カラー25aに接触することなく滴下する。ここで、下部突出部31がない場合、リン酸液の一部は、下部締付板21の下面を伝って絶縁カラー25aの側面から流下し、絶縁カラー25aの沿面絶縁が破壊される。これに対し、本実施の形態では、下部締付板21下面に下部突出部31が設けられているので、リン酸液が下部突出部31の先端部に誘導されて絶縁カラー25aへの接触を回避することができ、燃料電池1の沿面絶縁の破壊を防止することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、下部締付板21にリン酸液の漏出阻止構造としての上部突出部30とリン酸液を滴下する下部突出部31とを設けることにより、絶縁カラー25aへのリン酸液の接触を回避することができるので、燃料電池1の沿面絶縁の破壊を防止することができる。これにより、電気的短絡による出力電圧の低下及び燃料電池の損傷を抑制することができ、長期間に亘って安定して運転可能な信頼性の高い燃料電池を実現できる。また、締付けスタッド23a〜23dにより、電池積層部11の締付けによるガスシールと電池積層部11の架台20への固定とを共に行うことができるので、構成部品を削減することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図4、図5を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る燃料電池2は、リン酸液の漏出阻止構造として、Oリング32を用いたものである。以下の説明においては、燃料電池1との相違点を中心に説明し、燃料電池1と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図4は、本実施の形態に係る燃料電池2の下部締付板21の貫通孔及び締付スタッド23aの拡大断面図である。図4に示すように、本実施の形態では、下部締付板21の上面を平面構造としている。下部締付板21の貫通孔の内周面には、内周面の周方向に延在する矩形形状の溝が形成され、この溝の中に弾性部材としてのOリング32が配置されている。Oリング32は、下部締付板21の内周面と絶縁カラー25aの小径部の外周面との間をシールするように配置されている。
尚、本実施の形態では、Oリング32の配置は、下部締付板21の貫通孔の内周面に限定されず、例えば、下部締付板21下面の開口端部と絶縁カラー25aとの当接面40aに配置する構成としてもよい。図5に示す例では、絶縁カラー25aの当接面40aに締付スタッド23aを中心とした同芯円状の略矩形状の溝を形成し、この溝の中にOリング32を配置している。このようにOリング32を配置することにより、下部締付板21下面の開口端部と絶縁カラー25aとの間に生じる面圧によってリン酸液を水密シールできるので、燃料電池2の沿面絶縁の破壊を防止することができる。尚、Oリング32は、下部締付板21の貫通孔又は貫通孔近傍部位と、対向する絶縁部材との間に設けられていればよい。また、Oリング32が配置される溝は、下部締付板21側に形成されていてもよく、絶縁カラー25a側に形成されていてもよい。
Oリング32の材質としては、弾性力によりリン酸液を遮断でき、かつリン酸に対して耐腐食性があるものであれば特に限定されないが、フッ素ゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、などのゴム材料を用いることができる。これらの中でも、リン酸に対する耐腐食性が強いフッ素ゴムが特に好ましい。尚、Oリング32としては、市販のものを用いることができる。
次に、本実施の形態でのリン酸液の流路について説明する。本実施の形態では、下部締付板21の上面に流下したリン酸液は、下部締付板21の貫通孔内に流入する。ここで、下部締付板21の貫通孔内には、Oリング32が設けられているので、貫通孔内に流入したリン酸液は、Oリング32の弾性力によって貫通孔内で水密シールされる。このため、下部締付板21の貫通孔と絶縁カラー25aとの間からのリン酸液の漏出を抑止することができる。
このように、本実施の形態に係る燃料電池2によれば、電池積層部11の側面から流下したリン酸液は、滴下経路L1を伝わり下部締付板21の表面まで流下し、一旦は下部締付板21の貫通孔に流入する。貫通孔に流入したリン酸液は、下部締付板21の貫通孔内のOリング32によりシールされ、貫通孔を迂回して下部締付板21の外周を伝わり下部突出部31より滴下される。これにより、絶縁カラー25a外周面へのリン酸液の接触を回避できるので、燃料電池2の沿面絶縁の破壊を抑制することができる。
(第3の実施の形態)
次に、図6を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る燃料電池3は、リン酸液の漏出阻止構造として、絶縁カラー25aと下部締付板21の開口端部との当接面40aに複数の溝(以下、複数の溝をラビリンス・シール溝33ともいう)を設けたものである。以下の説明においては、燃料電池1との相違点を中心に説明し、燃料電池1と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図6は、本実施の形態に係る燃料電池3の下部締付板21の貫通孔及び締付スタッド23aの拡大断面図である。図6に示すように、本実施の形態に係る燃料電池3では、絶縁カラー25aの下部締付板21下面との当接面40aに、それぞれが独立した複数のV字溝によって構成されるラビリンス・シール溝33が形成されている。このラビリンス・シール溝33は、締付スタッド23aと同芯円状に形成されている。本実施の形態では、このラビリンス・シール溝33により、下部締付板21の貫通孔と絶縁カラー25aとの間からのリン酸液の漏出を抑止する。
尚、ラビリンス・シール溝33の形状としては、下部締付板21の貫通孔内部に流入したリン酸液をシールできる形状であればV形状に限定されず、U字形状、矩形形状の溝などを用いてもよい。また、本実施の形態では、ラビリンス・シール溝33が絶縁カラー25aに形成された例について説明したが、ラビリンス・シール溝33は、下部締付板21に形成してもよい。
次に、本実施の形態でのリン酸液の流路について説明する。本実施の形態では、電池積層部11の側面から滴下したリン酸液は、滴下経路L1を伝わり下部締付板21の上面を伝って、下部締付板21の貫通孔内に流入する。貫通孔内に流入したリン酸液は、下部締付板21の貫通孔内のラビリンス・シール溝33の内側の溝から外側の溝に向けて徐々に浸透する。ここで、リン酸液は粘性が高く、表面張力が大きいので、ラビリンス・シール溝33内でリン酸液の毛細管力によりシールされるラビリンス効果が発現する。このため、下部締付板21の貫通孔と絶縁カラー25aとの間からのリン酸液の漏出を抑止することができる。
このように、本実施の形態に係る燃料電池3によれば、電池積層部11の側面から流下したリン酸液は、滴下経路L1を伝わり下部締付板21の表面まで流下し、一旦は下部締付板21の貫通孔に流入する。下部締付板21の貫通孔内のラビリンス・シール溝33によりシールされ、貫通孔を迂回して下部締付板21の外周を伝わり下部突出部31より滴下される。これにより、絶縁カラー25a外周面へのリン酸液の接触を回避できるので、リン酸液による燃料電池3の沿面絶縁の破壊を抑制することができる。
特に、リン酸形の燃料電池では、電解質として高濃度のリン酸液を用いるので、リン酸液の粘性が高くなる。このため、本実施の形態に係る燃料電池3では、下部締付板21の貫通孔内に内部に流入したリン酸液を、ラビリンス・シール溝33により、他の構成部材を用いることなく効果的にシールすることができる。
(第4の実施の形態)
次に、図7を参照して、本発明の第4の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る燃料電池4は、リン酸液の漏出阻止構造として、Vリング34を用いる。以下の説明においては、燃料電池1との相違点を中心に説明し、燃料電池1と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図7は、本実施の形態に係る燃料電池4の下部締付板21の貫通孔及び締付スタッド23aの拡大断面図である。図7に示すように、本実施の形態に係る燃料電池4は、絶縁カラー25aの小径部先端の外周に固定され、下部締付板21の上面の開口端部を加圧接触するVリング34を備える。Vリング34は、絶縁カラー25aの小径部先端の外周面に嵌合され、所定の張力を有する本体部34aと、本体部34aから延在し、弾性力を有するヒンジ部34bと、ヒンジ部34bから延在し、弾性力により下部締付板21の上面と加圧接触するリップ部34cとを備える。本実施の形態では、このVリング34により、下部締付板21の上面を加圧接触することにより、下部締付板21の貫通孔と絶縁カラー25aとの間からのリン酸液の漏出を抑止する。
Vリング34は弾性部材で構成され、その本体部34aは、下部締付板21の上面側に貫通孔より突出した絶縁カラー25aの上端側の外周に、固有の張力により嵌合されている。本体部34aから延在するヒンジ部34b及びリップ部34cは、本体部34aの設置位置と下部締付板21との間の距離に応じて、弾性力により下部締付板21の上面を加圧接触する。すなわち、本体部34aの設置位置を下部締付板21の上面近辺に設置した場合、ヒンジ部34b及びリップ部34cによる下部締付板21の上面の加圧接触を強くすることができる。これに対し、本体部34aの設置位置を下部締付板21より離して設置した場合、ヒンジ部34b及びリップ部34cによる加圧接触を弱くすることができる。このように、本実施の形態では、Vリング34により、下部締付板21の上面を加圧接触することにより、電池積層部11から流下し、下部締付板21を流れるリン酸液の下部締付板21の貫通孔への流入を抑制することができる。
尚、上述した例では、本体部34aが絶縁カラー25aの外周に嵌合される例について説明したが、Vリング34の配置は、リン酸液の貫通孔内への流入を抑制できるものであれば、特に限定されない。例えば、図8に示すように、形状が異なるVリング(オイルシール)を用いてもよい。図8に示す燃料電池5において、Vリング35は、本体部35aが下部締付板21の貫通孔の内周面に嵌合され、本体部35aから貫通構内にヒンジ部35bが延在している。ヒンジ部35bから延在するリップ部35cは、下部締付板21の貫通孔内の絶縁カラー25aの外周面に加圧接触している。尚、Vリング34、35は、上述したOリング32や、ラビリンス・シール溝33などと組み合わせて用いてもよい。
Vリング34としては、上述したOリング32と同様に、弾性力を有する材料であれば特に限定されず、各種材料を用いることができる。これらの材料の中でも、リン酸液に対する耐腐食性が高いフッ素ゴムが好ましい。また、Vリング34としては、例えば、モーター等の回転軸がハウジングを貫通する際にグリースを密封する、外部からのダスト流入を防止するなどの用途で使用される各種の市販のVリングを用いることができる。また、Vリング34としては、加圧接触性を向上する観点から、各種金属バネ等で補強されたVリングを用いることがより好ましい。
次に、本実施の形態でのリン酸液の流路について説明する。本実施の形態では、電池積層部11の側面から滴下したリン酸液は、流路L1を伝って、電池積層部11の側面から下部締付板21の上面に向けて流下する。下部締付板21の上面に流下したリン酸液は、下部締付板21上を下部締付板21の端部に向けて流れる。ここで、下部締付板21の開口端部は、Vリング34のリップ部34cにより、加圧接触されているので、リン酸液は貫通孔内に流入せずに下部締付板21の端部から流路L2を伝って下部締付板21の下面に流下する。このようにして、リン酸液の貫通孔内への流入を抑制できるので、リン酸液の貫通孔内からの漏出を抑制することができる。
このように、本実施の形態に係る燃料電池4によれば、Vリング34を用いることにより、リン酸液の貫通孔内への流入を抑制できるので、下部締付板21の貫通孔と絶縁カラー25aとの間からのリン酸液の漏出を抑止することができる。特に本実施の形態では、Vリング34を用いることにより、追加加工を行うことなく、容易にリン酸液の下部締付板21の貫通孔内への流入を抑制することができる。また、Vリング34としては、リン酸液に対する耐腐食性が高いフッ素系材料を含有するゴム材料を用いることもできるので、金属材料などを用いた場合と比較し、防食対策を必要とせずに長期間の使用においても、貫通孔内からのリン酸液の漏出を抑制できる耐久性が高い燃料電池を実現することができる。
さらに、本実施の形態では、Vリング34の本体部34aの設置位置を調整することにより、下部締付板21との加圧接触によりリップ部34cが押し込まれる深さ(ストローク)を調整できるので、燃料電池4の運転に伴う温度変化による影響を軽減できる。例えば、燃料電池4は、停止時には常温となり、運転時には150℃から200℃程度となる。このように、燃料電池は、運転時と停止時との温度差が大きいので、熱膨張係数の異なる材料で構成された下部締付板21と絶縁カラー25aとの間に緩みが生じる現象が発生する。例えば、絶縁カラー25aとしてフッ素樹脂を使用し、下部締付板21に鉄を用いた場合、絶縁カラー25aの熱膨張係数は、下部締付板21の熱膨張係数の12倍程度となり大きく異なる。本実施の形態では、Vリング34を用いることにより、弾性材料で構成されたVリング34自体の変形及び本体部34aの位置の調整によるリップ部34cのストロークの調整により、燃料電池4の停止時、運転時による温度変化の影響を低減できるので、長期間使用時においても信頼性が高い燃料電池を実現することができる。
本発明は上記実施の形態に限定されず種々変更して実施することが可能である。また、上記実施の形態で説明した数値、寸法、材質については特に制限はない。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
本発明は、例えば工業用、業務用に用いられる燃料電池、または、災害時に用いられる各種非常電源用の燃料電池に適用可能である。
1〜5 燃料電池
11 電池積層部
12 単電池
13a、13b セパレート板
14 電解質層
15 燃料極
16 酸化剤極
17a、17b 基材
18a、18b 冷却板
20 発電装置架台
21 下部締付板
22 上部締付板
23a〜23d 締付スタッド
24a〜24d 取付け座
25a〜25d、27a〜27d 絶縁カラー
26a〜26d、28a〜28d ナット
29a、29b 出力端子
30 上部突部
31 下部突部
32 Oリング
33 ラビリンス・シール溝
34、35 Vリング
34a、35a 本体部
34b、35b ヒンジ部
34c、35c リップ部

Claims (5)

  1. リン酸液を含浸した電解質層と当該電解質層の両側に配置された一対の燃料極及び酸化剤極とを備える単電池が積層された電池積層部と、
    前記電池積層部を固定する取付け座を備えた架台と、
    前記電池積層部の積層方向の下面側に配置され、貫通孔を有する第1締付板と、
    前記第1締付板との間で前記電池積層部を挟むように、前記電池積層部の積層方向の上面側に配置された第2締付板と、
    前記第1締付板と前記第2締付板との間に張架され、前記第1締付板の貫通孔から前記架台側へ貫通した先端部が前記取付け座に固定され、前記第1及び第2締付板間を加圧締付けする締付棒と、
    前記第1締付板と前記取付け座との間に介在し、前記締付棒が貫通した絶縁部材と、
    前記第1締結板の下面において前記第1締結板の前記貫通孔を囲む領域に形成され、外縁部が前記貫通孔の外周よりも外側となるように下方に向けて突出した笠部と、
    前記第1締付板の上面に漏出した前記リン酸液が前記貫通孔と前記絶縁部材との間の隙間から前記絶縁部材の外周部に漏出することを阻止する漏出阻止構造と、
    を具備したことを特徴とする燃料電池。
  2. 前記漏出阻止構造は、前記第1締付板の上面において前記貫通孔を囲む周縁部に、上方へ突出するように形成された突出部であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記漏出阻止構造は、前記第1締付板の貫通孔又は貫通孔近傍部位と対向する絶縁部材との間に設けられたOリングであることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  4. 前記漏出阻止構造は、前記第1締付板の下面と前記絶縁部材との当接面に設けられた複数の溝であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  5. 前記絶縁部材は、前記第1締付板の貫通孔の直径よりも径が小さい小径部先端が、前記貫通孔から前記第1締付板の上面側に突出しており、前記漏出阻止構造は、前記絶縁部材の小径部の突出部に断面V字形状のリップ部を有するVリングが嵌め込まれ、第1締付板の上面側に位置するリップ部を当該第1締付板の上面に加圧接触させたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
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