JP2011103202A - 光学部品、照明装置及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】少ない部品点数で優れた表示性能を達成可能とする。
【解決手段】本発明の光学部品10は、単層構造又は多層構造を有している光学部品であって、光透過材料M1乃至M3とこの光透過材料M1乃至M3中で分散した光反射性粒子Pとを含み、前記光学部品10をその一方の主面に垂直な方向から観察した場合に前記光反射性粒子Pは不均一に分布している。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の光学部品10は、単層構造又は多層構造を有している光学部品であって、光透過材料M1乃至M3とこの光透過材料M1乃至M3中で分散した光反射性粒子Pとを含み、前記光学部品10をその一方の主面に垂直な方向から観察した場合に前記光反射性粒子Pは不均一に分布している。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば表示装置又は照明装置に利用可能な光学技術に関する。
液晶表示パネルを含んだ表示装置は、例えば、パーソナルコンピュータ及び携帯電話などの携帯端末において使用されている。このような表示装置の多くは、液晶表示パネルを照明する照明方式として、バックライト方式を採用している。バックライト方式の表示装置では、液晶表示パネルの背面側にバックライトユニットと呼ばれる照明装置を設置し、このバックライトユニットが放射する光で液晶表示パネルの背面を照明する。
バックライトユニットは、直下型バックライトユニットと、エッジライト型バックライトユニットとに大別することができる。
直下型バックライトユニットは、例えば、光源とリフレクタと拡散板とを含んでいる。
光源は、例えば、冷陰極管又は発光ダイオードである。光源は、バックライトユニットを液晶表示パネルと組み合わせた場合に液晶表示パネルの背面と向き合うように配置されている。
リフレクタは、光源の後方に設置されている。リフレクタは、光源からの光を効率よく照明光として利用することを可能とする。
拡散板は、輝度ムラの発生を防止するために、例えば、表示画面を観察したときに光源の形状が知覚されるのを防止するために、光源の前方に設置されている。
エッジライト型バックライトユニットは、例えば、導光板と光源とリフレクタと反射フィルムと拡散フィルムとを含んでいる。
導光板は、例えば、透明材料からなる平板と、その一方の主面上に形成された光散乱層とを含んでいる。平板は、例えば、光透過性に優れたアクリル樹脂からなる。光散乱層は、例えば、二酸化チタン粉末と透明な接着剤との混合物をドット状に印刷することにより形成される。このような導光板は、このバックライトユニットを液晶表示パネルと組み合わせた場合に、光散乱層が平板を間に挟んで液晶表示パネルの背面と向き合うように設置される。
光源は、例えば、冷陰極管又は発光ダイオードである。光源は、導光板の一端面と向き合うように設置されている。光源が放射した光は、先の端面から導光板に入射し、導光板の一対の主面によって反射されながら導光板内を伝播する。導光板の液晶表示パネルと向き合った主面は、導光板内を伝播する光の一部を反射し、他の一部を透過させる。エッジライト型バックライトユニットでは、この透過光の少なくとも一部を照明光として利用する。
リフレクタは、光源を間に挟んで導光板の先の端面と向き合うように設置されている。リフレクタは、光源が放出した光を効率よく導光板に入射させるとともに、導光板から光源側に戻った光を再び導光板に入射させる。
反射フィルムは、導光板を間に挟んで液晶表示パネルと向き合うように設置されている。反射フィルムは、導光板が背面側に放出した光を、再び導光板に入射させる。
拡散フィルムは、導光板と液晶表示パネルとの間に設置されている。拡散フィルムは、輝度ムラの発生を防止する。
これら表示装置では、光利用効率を向上させて高輝度化を図るために、液晶表示パネルと拡散板又は拡散フィルムとの間に、例えば特許文献1に記載されているプリズムフィルムを設置することがある。プリズムフィルムは、一方の主面にプリズムアレイが設けられており、拡散フィルムが透過させた導光板からの光を集光させる機能を有している。
このプリズムフィルムを使用すると、広角側への光の射出を抑制し、低角側の輝度を向上させることができる。但し、プリズムフィルムを使用した場合、低角側の輝度が向上する反面で、サイドローブを生じる。また、プリズムフィルムを使用した場合、視野角が過度に制限されることがある。
サイドローブの発生及び過度な視野角の制限は、例えば、プリズムフィルムと液晶表示パネルとの間に光拡散フィルムを更に設置することによって抑制することができる。しかしながら、そのような光拡散フィルムを設置すると、部品点数が増加する。その結果、部品コストが増加するのに加え、表示装置の組立て作業が煩雑になる。
本発明の目的は、少ない部品点数で優れた表示性能を達成可能とすることにある。
本発明の第1側面によると、単層構造又は多層構造を有している光学部品であって、光透過材料とこの光透過材料中で分散した光反射性粒子とを含み、前記光学部品をその一方の主面に垂直な方向から観察した場合に前記光反射性粒子は不均一に分布している光学部品が提供される。
本発明の第2側面によると、第1側面に係る光学部品と、前記光学部品の前記主面を照明する光源とを具備した照明装置が提供される。
本発明の第3側面によると、第1側面に係る照明装置と、前記光学部品を間に挟んで前記光源と向き合った表示パネルとを具備した表示装置が提供される。
本発明によると、少ない部品点数で優れた表示性能を達成することが可能となる。
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一態様に係る光学部品を概略的に示す断面図である。
この光学部品10は、導光層11とレンズアレイ12とプリズムアレイ13とを含んだ多層構造を有している。
この光学部品10は、導光層11とレンズアレイ12とプリズムアレイ13とを含んだ多層構造を有している。
導光層11は、略平坦な一対の主面を有している。導光層11は、その主面がレンズアレイ12及びプリズムアレイ13と向き合うように、それらの間に挟まれている。
レンズアレイ12は、一方の主面が導光層11と向き合い、他方の主面にレリーフ構造が設けられた層である。この層に設けられたレリーフ構造は、複数のレンズを構成している。これらレンズは、例えば、導光層11の主面に平行な第1方向に各々が延び、導光層11の先の主面に平行であり且つ第1方向と交差する第2方向に配列したシリンドリカルレンズである。或いは、これらレンズは、導光層11の主面に平行であり且つ互いに交差する第1及び第2方向に配列した半球レンズである。
プリズムアレイ13は、導光層11を間に挟んでレンズアレイ12と向き合っている。プリズムアレイ13は、一方の主面が導光層11と向き合い、他方の主面にレリーフ構造が設けられた層である。この層に設けられたレリーフ構造は、複数のプリズムを構成している。これらプリズムは、例えば、導光層11の主面に平行な第1方向に各側面が延び、導光層11の先の主面に平行であり且つ第1方向と交差する第2方向に配列した角柱、例えば三角柱である。或いは、これらプリズムは、導光層11の主面に平行な底面を有し、導光層11の主面に平行であり且つ互いに交差する第1及び第2方向に配列した角錐、例えば三角錐又は四角錐である。
プリズムアレイ13に設けるレリーフ構造は、例えば、十点平均粗さRzを200μm以下とし、算術平均粗さRaを3.0μm乃至1000μmの範囲内とする。また、各プリズムの頂角は例えば10°乃至140°とし、プリズムのピッチは例えば20乃至200μmとする。
導光層11、レンズアレイ12及びプリズムアレイ13の1つ又は2つは省略してもよい。或いは、光学部品10は、他の層を更に含んでいてもよい。即ち、光学部品10は、3層構造以外の多層構造を有していてもよく、単層構造を有していてもよい。
光学部品10は、光透過材料と、この光透過材料中で分散した光反射性粒子Pとを含んでいる。
光透過材料は、光透過材料M1乃至M3を含んでいる。材料M1と光反射性粒子Pの一部とは、導光層11を構成している。材料M2と光反射性粒子Pの他の一部とは、レンズアレイ12を構成している。材料M3と光反射性粒子Pの更に他の一部とは、プリズムアレイ13を構成している。
材料M1乃至M3は、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、フェノール樹脂及びメラミン樹脂等の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を硬化させてなる汎用プラスチックである。材料M1乃至M3として、ポリブチレンテレフタレート、ポリオキシメチル、ポリアミド及びポリフェニルサルフィド等のエンジニアプラスチックやスーパーエンジニアプラスチックを使用してもよい。
材料M1乃至M3は、同一であってもよい。或いは、材料M1乃至M3は、異なっていてもよい。或いは、材料M1乃至M3のうち2つのみが同一であり、これらは残りの1つとは異なっていてもよい。
材料M1乃至M3の各々は、単一の化合物で構成されていてもよく、混合物であってもよい。後者の場合、例えば、樹脂などの透明材料とその中で均一に分布した無機及び/又は有機フィラーとを含んだ混合物を使用することができる。フィラーは、真球状であってもよく、球以外の形状を有していてもよく、不定形であってもよい。
材料M1乃至M3の各々は、無色であってもよく、着色していてもよい。後者の場合、典型的には、上述した透明材料と染料及び顔料の少なくとも一方との混合物を使用する。
材料M1乃至M3の各々は、光透過性を有している。材料M1乃至M3の各々は、光散乱性を有していてもよく、光散乱性を有していなくてもよい。光散乱性は、例えば、上述した透明材料に、これとは屈折率が異なる透明粒子、例えば先の透明材料との屈折率の差が0.02以上である透明粒子を均一に分散させることにより付与することができる。この透明粒子は、例えば、上述したフィラー又はその一部であってもよく、透明材料中で均一に分布した気泡であってもよい。
光散乱性を付与するための透明粒子としては、無機粒子、有機粒子又はそれらの混合物を使用することができる。
無機粒子の材料としては、例えば、スメクタイト、カオリナイト及びタルクなどの粘土化合物、シリカ、酸化チタン、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化バリウム及び酸化ストロンチウムなどの無機酸化物、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、塩化バリウム、硫酸バリウム、硝酸バリウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、ガラス、又はこれらの2つ以上を含んだ混合物を使用することができる。
有機粒子の材料としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体若しくはその架橋体、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、これらの共重合体、又はこれらの2つ以上を含んだ混合物を使用することができる。
なお、光散乱性を付与するための透明粒子として気泡を利用する場合、例えば、透明樹脂と発泡剤とを含んだ層において発泡剤を発泡させることにより気泡を生じさせることができる。
光散乱性を付与するための透明粒子としては、典型的には、平均粒径が0.5乃至12μmの範囲内にあるものを使用する。例えば、平均粒径が2乃至6μmであるか又はそれよりも小さな透明粒子を使用する。平均粒径が小さすぎるか又は大きすぎる場合、十分な光拡散性を付与することができない。そのため、例えば、光学部品10をその端面側から又はレンズアレイ12側から照明したときにプリズムアレイ13が射出する光の極角に応じた強度分布を、光散乱を利用して調整することができない。
材料M1乃至M3の各々において、光拡散性を付与するために透明粒子を使用する場合、その量は、例えば0.001乃至30質量%の範囲内とする。このような量で透明粒子を使用すると、高い光透過性を保ちつつ、或る程度の光拡散性を付与することができる。それ故、例えば、光学部品10をその端面側から又はレンズアレイ側から照明したときに、光学部品10の内部での光損失を抑制しつつ、高い正面輝度を達成できる。
光学部品10をその一方の主面に垂直な方向から観察した場合、粒子Pは不均一に分布している。典型的には、光反射性粒子Pは、光学部品10の周縁部の少なくとも一部において最も高い密度で存在している。例えば、先の主面に垂直な方向から観察した場合に光学部品10が互いに平行な一対の辺を有しているとすると、光反射性粒子Pは、典型的には、光学部品10の周縁部のうち先の一対の辺の少なくとも一方に沿った領域に偏在している。図1に示す例では、光学部品10は先の主面に垂直な方向から観察した場合に長方形状又は正方形状を有しており、光反射性粒子Pは、光学部品10の一辺に沿った領域に偏在している。
光反射性粒子Pは、導光層11、レンズアレイ12及びプリズムアレイ13の各々に存在している。そして、光反射性粒子Pが偏在している領域では、光反射性粒子Pは、レンズ及び/又はプリズムを各々が構成している凸部とその他の部分との双方に存在している。光反射性粒子Pは、導光層11、レンズアレイ12及びプリズムアレイ13の全てに存在していてもよく、それらの1つ又は2つにのみ存在していてもよい。
光反射性粒子Pは、光反射性を有している粒子である。光反射性粒子Pは、光学部品10に光散乱性を付与する。
光反射性粒子Pは、透明な粒子であってもよく、不透明な粒子であってもよく、透明な部分と不透明な部分とを含んだ粒子であってもよい。また、光反射性粒子Pは、複数の一次粒子が凝集してなる二次粒子を形成していてもよく、二次粒子を形成していなくてもよい。光反射性粒子Pが二次粒子を形成している場合、各二次粒子は、同一種の一次粒子によって構成されていてもよく、種類が異なる一次粒子によって構成されていてもよい。
光反射性粒子Pが透明な粒子である場合、光反射性粒子Pと先のプラスチックとの屈折率の差は、例えば0.02以上とする。屈折率の差を大きくすると、光散乱性を高める効果が大きくなる。
光反射性粒子Pとしては、例えば、上述した透明粒子を使用することができる。或いは、光反射性粒子Pとして、金属又は合金などの金属化合物からなる粒子を使用してもよい。
金属又は金属化合物からなる粒子は、強磁性体などの磁性体で構成されていてもよい。磁性体としては、例えば、亜鉛、鉄又は銀を使用することができる。
光反射性粒子Pとして、上述した透明粒子の表面全体を又はその表面の一部を金属又は合金などの金属化合物で被覆してなる複合粒子を使用してもよい。例えば、透明粒子の表面全体を又はその表面の一部を磁性体で被覆してなる複合粒子を使用してもよい。或いは、磁性体からなる粒子の表面全体を又はその表面の一部を透明誘電体などの透明な材料で被覆してなる複合粒子を使用してもよい。なお、粒子表面の磁性体又は透明な材料による被覆には、例えば、塗工又は蒸着を利用することができる。
光反射性粒子Pとしては、典型的には、一次粒子の平均粒径が0.5乃至12μmの範囲内にあるものを使用する。光反射性粒子Pが透明である場合には、例えば、一次粒子の平均粒径が2乃至6μmであるか又はそれよりも小さな粒子を使用する。光反射性粒子Pが不透明である場合には、例えば、一次粒子の平均粒径が1μm以下である粒子を使用する。この平均粒径が小さすぎるか又は大きすぎる場合、十分な光拡散性を付与することができない。そのため、例えば、光学部品10をその端面側から照明したときにプリズムアレイ13が射出する光の極角に応じた強度分布を、光散乱を利用して調整することができない。
光学部品10を構成している何れかの層において、光反射性粒子Pの量は、例えば0.001乃至30質量%の範囲内とする。このような量で光反射性粒子Pを使用すると、高い光透過性を保ちつつ、或る程度の光拡散性を付与することができる。それ故、例えば、光学部品10をその端面側から照明したときに、光学部品10の内部での光損失を抑制しつつ、高い正面輝度を達成できる。
光反射性粒子Pは、光学部品10の主面に対して垂直な断面を観察した場合に光反射性粒子Pが最も高密度に存在している領域において、光反射性粒子Pがその領域に占める面積の割合RHが、例えば10%乃至70%の範囲内となるように、典型的には20%乃至30%の範囲内となるように偏在させる。割合RHを過剰に小さくすると、光反射性粒子Pを偏在させた領域の光散乱能が不十分となることがある。割合RHが過剰に大きくすると、光反射性粒子Pを偏在させた領域の光散乱能が過剰に高くなり、この領域における光の損失が大きくなることがある。
また、光反射性粒子Pは、光学部品10の主面に対して垂直な断面を観察した場合に光反射性粒子Pが存在していないか又は最も低密度に存在している領域において、光反射性粒子Pがその領域に占める面積の割合RLが、例えば0乃至10%の範囲内となるように、典型的には0%乃至5%の範囲内となるように偏在させる。割合RLが過剰に小さくすると、光反射性粒子Pを偏在させていない領域の光散乱能が不十分となることがある。割合RLを過剰に大きくすると、光反射性粒子Pを偏在させていない領域の光散乱能が過剰に高くなり、この領域における光の損失が大きくなるとともに、光反射性粒子Pを偏在させた領域へ光を伝播させることが難しくなることがある。
そして、光反射性粒子Pは、割合RLと割合RHとの比RL/RHが、例えば0乃至1の範囲内となるように、典型的には0乃至0.16の範囲内となるように偏在させる。比RL/RHを過剰に大きくするか又は比RL/RHを過剰に小さくすると、この光学部品10を含んだ照明装置又は表示装置において輝度ムラが生じるのを抑制する効果が小さくなる。
光学部品10は、紫外線吸収剤を更に含んでいてもよい。この場合、導光層11、レンズアレイ12及びプリズムアレイ13の全てが紫外線吸収剤を含んでいてもよく、それらの一部のみが紫外線吸収剤を含んでいてもよい。例えば、レンズアレイ12及びプリズムアレイ13の少なくとも一方のみが紫外線吸収剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤を使用すると、紫外線による光学部品10の劣化を抑制することができ、その長寿命化を達成できる。更に、この場合、光学部品10が射出する光は紫外線を殆ど含んでいないため、光学部品10と共に使用する他の部品の紫外線による劣化を抑制することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、4−t−ブチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸エステル系化合物、2−エトキシ−2'−エチルオキザリックアシッドビスアニリドなどのオキザリックアシッドアニリド系化合物、又はエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系を使用することができる。
この光学部品10は、様々な形態をとり得る。例えば、光学部品10は、フィルム、シート又はプレートであってもよい。
光学部品10の最大厚さは、例えば3000μm以下とする。なお、「最大厚さ」は、光学部品10の両主面が平坦である場合には、それら主面間の距離を意味する。また、光学部品10の両主面にレリーフ構造が設けられている場合には、「最大厚さ」は、光学部品10の一方の主面に設けられた凸部の先端と接し且つ先の主面に平行な平面と、他方の主面に設けられた凸部の先端と接し且つ先の主面に平行な平面との間の距離を意味する。そして、光学部品10の一方の主面にレリーフ構造が設けられ、他方の主面が平坦面である場合には、「最大厚さ」は、レリーフ構造が設けられた主面の凸部の先端と接し且つ先の主面に平行な平面と、平坦な他方の主面との間の距離を意味する。光学部品10の最大厚さが過剰に大きいと、光学部品10の内部での光の損失が大きくなる。
光学部品10に十分な剛性が要求される場合、具体的には、光学部品10が皺や撓みを生じないように十分な腰を有している必要がある場合、光学部品10の最小厚さは、例えば200μm以上とする。なお、「最小厚さ」は、光学部品10の両主面が平坦である場合には、それら主面間の距離を意味する。また、光学部品10の両主面にレリーフ構造が設けられている場合には、「最小厚さ」は、光学部品10の一方の主面に設けられた凹部の底と接し且つ先の主面に平行な平面と、他方の主面に設けられた凹部の底と接し且つ先の主面に平行な平面との間の距離を意味する。そして、光学部品10の一方の主面にレリーフ構造が設けられ、他方の主面が平坦面である場合には、「最小厚さ」は、レリーフ構造が設けられた主面の凹部の底と接し且つ先の主面に平行な平面と、平坦な他方の主面との間の距離を意味する。
光学部品10に高い剛性が要求される場合であって、これに多層構造を採用したときには、その一部の層にのみ高い剛性を有しているものを使用してもよく、全ての層に高い剛性を有しているものを使用してもよい。或いは、個々の層に剛性の低いものを使用していながらも、積層体としては高い剛性を有するような設計を採用してもよい。
次に、光学部品10の製造方法について、図2及び図3を参照しながら説明する。
図2は、図1に示す光学部品の製造に利用可能な製造装置の一例を概略的に示す図である。図3は、図2に示す製造装置の一部を拡大して示す断面図である。
図2は、図1に示す光学部品の製造に利用可能な製造装置の一例を概略的に示す図である。図3は、図2に示す製造装置の一部を拡大して示す断面図である。
図2及び図3に示す製造装置100は、光反射性粒子Pが磁性体を含んでいる場合に利用可能である。この製造装置100は、押出し成形機110と、連続ベルト120と、ロール130a乃至130c、140a、140b及び150と、加熱装置160と、電磁石170とを含んでいる。
押出し成形機110は、光学部品10の材料10’を、そのダイの出口から連続ベルト120上へと帯状に押し出す。ここでは、一例として、押出し成形機110は、フィードブロックダイやマニホールドダイなどの積層ダイを含んでおり、導光層11の材料とレンズアレイ12の材料とプリズムアレイ13の材料とを共押出しすることとする。
連続ベルト120の外側の面には、レリーフ構造が設けられている。連続ベルト120に設けられたレリーフ構造は、レンズアレイ12の凸部に対応した凹部からなる。連続ベルト120は、搬送ベルトとして使用するとともに、レンズアレイ12を形成するための版として使用する。
この版120は、例えば、以下の方法により得られる。まず、必要に応じてコロナ処理や易接着処理を施した光透過性基材に、紫外線硬化樹脂を塗布する。次いで、この塗膜に金型を押し当て、この状態で光透過性基材側から紫外線を照射して塗膜を硬化させる。その後、塗膜から金型を除去することにより版120を得る。なお、版120は、紫外線硬化樹脂の代わりに熱可塑性樹脂又は熱硬化樹脂を使用し、紫外線照射の代わりに加熱を行うことによっても得ることができる。この場合、版120の基材は光透過性である必要はない。
版120の基材の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート又はポリスチレンを使用することができる。
紫外線硬化樹脂としては、例えば、アクリル系又はエポシキ系の樹脂を使用することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸−スチレン共重合体又はアクリロニトリル−スチレン共重合体を使用できる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂又はエポキシ樹脂を使用できる。
押出し成形法、射出成形法又は熱プレス成形法を利用すると、単層構造の版120を得ることができる。そのような版120の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチル酸メチル、シクロオレフィンポリマー及びアクリルニトリルスチレン共重合体などの汎用プラスチック、又は、ポリブチレンテレフタレート、ポリオキシメチル、ポリアミド及びポリフェニルサルフィドなどのエンジニアプラスチック若しくはスーパーエンジニアプラスチックを使用することができる。
ロール130a乃至130cは、連続ベルト120の内側に配置されている。ロール130a乃至130cの1つ、例えばロール130bは駆動ローラであり、他の2つは案内ローラである。ロール130a乃至130cは、連続ベルト120を、図2において時計回りに回転させる。
ロール140a及び140bは、連続ベルト120と押出し成形機110が連続ベルト120上に吐出した材料10’とを間に挟んで向き合うように配置されている。ロール140a及び140bは、例えば双方が弾性体からなる。或いは、ロール140aは非弾性体からなり、ロール140bは弾性体からなる。ロール140aの外側の面には、レリーフ構造が設けられている。このレリーフ構造は、プリズムアレイ13の凸部に対応した凹部からなる。他方、ロール140bの外側の面は滑面である。
ロール140aは、プリズムアレイ13を形成するための版として使用する。この版140aは、版120について説明したのと同様の方法により製造することができる。
搬送ロール150は、連続ベルト120の近傍に設置されている。搬送ロール150は、連続ベルト120から材料10’を剥がすと共に、この材料10’を搬送する。
加熱装置160は、ロール130aとロール140a及び140bとの間に設置されている。加熱装置160は、容器160aとヒータ160bとを含んでいる。容器160aは、ロール130aとロール140a及び140bとの間で連続ベルト120を取り囲むように設置されている。ヒータ160bは、容器160aの内部で連続ベルト120上の材料10’を加熱するように構成されている。加熱装置160は、連続ベルト120上の材料10’がロール140aに到達するまで、それを適度な溶融状態乃至半溶融状態に保つ。ヒータ160bは、抵抗加熱又は誘導加熱を使用するものであってもよく、熱媒体を循環させるものであってもよい。
電磁石170は、押出し成形機110のダイの出口近傍から加熱装置160の出口近傍まで、材料10’の流れに沿うように設置されている。加熱装置160の位置で材料10’の流れに対して垂直な断面を観察した場合、電磁石170は、図3に示すように、材料10’からなる帯状の層の一方の端面近傍に設置されている。
図2及び図3に示す装置100を用いた光学部品10の製造は、例えば、以下の方法により行う。
ロール130a乃至130cは、光学部品10を製造する期間全体に亘って、連続ベルト120を、図2において時計回りに回転させ続ける。押出し成形機110は、溶融状態にある材料10’を、そのダイの出口から回転している連続ベルト120上へと帯状に押し出す。連続ベルト120上へと押し出された材料10’は、連続ベルトの外側の面に設けられた凹部を埋め込む。なお、ここでは、一例として、材料10’は透明樹脂と光透過粒子Pとを含み、光透過粒子Pは磁性体を含んでいることとする。
連続ベルト120上の材料10’は、連続ベルト120の回転に伴い、加熱装置160内を通過する。加熱装置160は材料10’を溶融状態乃至半溶融状態に保ち、電磁石170は材料10’が含んでいる光反射性粒子Pに磁界を印加する。その結果、光反射性粒子Pは、材料10’からなる層内で電磁石170に向けて移動する。
加熱装置160内を通過した材料10’は、冷却されながらロール140a及び140b間を通過する。ロール140a及び140bは、連続ベルト120の右回転に応じて、それぞれ左回転及び右回転する。そして、ロール140aは、連続ベルト120上の材料10’に対し、ロール140bに向けて圧力を加える。これにより、ロール140aの表面に設けられたレリーフ構造が材料10’の表面に転写される。
ロール140a及び140b間を通過した材料10’は、更に冷却されて完全に固化し、ローラ130bの位置で連続ベルト120から剥離される。連続ベルト120から剥離された材料10’には、ロール140aの表面に設けられたレリーフ構造が一方の主面に転写されており、連続ベルト120の表面に設けられたレリーフ構造が他方の主面に転写されている。
その後、連続ベルト120から剥離した材料10’は、搬送ローラ150などによって搬送され、図示しない裁断装置によって裁断される。以上のようにして、図1を参照しながら説明した光学部品10を得る。
この方法では、磁界を利用して光反射性粒子Pを偏在させる。材料10’の位置における磁界の強さの最大値は、例えば750A/m乃至100000A/mの範囲内とする。
容器160aとしては、材料10’の流れ方向に沿った内部空間の寸法が、例えば3乃至254cmの範囲内にあるものを使用する。この寸法が小さい場合、光反射性粒子Pを偏在させることが難しい。この寸法が大きくすると、エネルギー消費が増大する。また、加熱装置160は、材料10’の急冷を防ぎ、その内部応力を緩和する。即ち、加熱装置160は、光学部品10に反りや撓みが生じるのを抑制する。加えて、加熱装置160は、連続ベルト120から樹脂10’へのレリーフ構造の転写と、ローラ140aから樹脂10’へのレリーフ構造の転写とに比較的大きな時間差を生じさせることができる。それ故、それらレリーフ構造の互いに対する相対位置を高い精度で制御することが容易である。先の寸法が小さい場合、これら効果を得ることも難しくなる。
なお、加熱装置160及び電磁石170を設けた場合、材料10’から静電気や空気が抜け易い。それ故、静電気や空気に起因して光学部品10にディンプルが発生するのを抑制できる。
加熱装置160の出口からロール140aがそのレリーフ構造を材料10’に転写する位置までの距離は、例えば10cm以下とする。この距離が長いと、材料10’が固化し、レリーフ構造の転写が難しくなる。
加熱装置160の入口から出口までの区間における材料10’の最高温度と、加熱装置160の入口における材料10’の温度との差は、例えば5℃以下とする。この温度差が大きいと、連続ベルト120上での材料10’の垂れを生じ易くなる。
また、加熱装置160の入口における材料10’の温度と、加熱装置160の入口から出口までの区間における材料10’の最低温度との差は、例えば5℃以下とする。この温度差が大きいと、材料10’の内部応力を緩和する効果が小さくなる。
加熱装置160の入口から出口までの区間における連続ベルト120の勾配は、例えば、水平面に対する傾斜角が45°以下の上り勾配又は下り勾配とする。この傾斜角が大きいと、重力の作用によって材料10’が連続ベルト120上で移動し、その結果、材料10’の内部応力が増加する。
材料10’の温度が連続ベルト120との接触によって低下するのを防止するべく、材料10’が供給される前の連続ベルト120を加熱するための装置を設けてもよい。即ち、材料10’との接触に先立って、連続ベルト120を、押出し成形機110が吐出した直後の材料10’の温度とほぼ等しい温度に加熱しておいてもよい。この加熱は、例えば、ブロアを用いて連続ベルト120に熱風を吹き付けること、又は、ロール130aとしてヒータを内蔵したロールを使用し、このロールから連続ベルト120に熱伝導させることにより行う。
ロール140a及び140bが連続ベルト120と材料10’とに及ぼす圧力は、例えば、0.1乃至30kgf/cmの範囲内とする。この圧力が過剰に高い場合又は低すぎる場合、ロール140aのレリーフ構造を高い形状精度で材料10’へと転写することが難しい。
光反射性粒子Pが磁性体を含んでいる場合、光学部品10は他の方法で製造することも可能である。例えば、図2及び図3に示す装置100において、材料10’の流れ方向に沿って延びた電磁石170の代わりに、材料10’の近傍で連続ベルト120に対する相対的な速度がゼロとなるように移動する1つ以上の磁石を設けてもよい。こうすると、光反射性粒子Pが偏在している領域の形状及び配置の自由度が高くなる。
ここでは、光反射性粒子Pが磁性体を含んでいる場合に利用可能な製造方法について説明したが、以下の方法は、光反射性粒子Pが磁性体を含んでいるか否かに拘らず利用することができる。
即ち、図2及び図3に示す装置100において、電磁石170を省略し、加熱装置160の上流側で連続ベルト120に向けて光反射性粒子Pを供給する供給装置を設ける。そして、光反射性粒子Pを省略したこと以外は材料10’と同様の材料を押出し成形機から帯状に押出し、供給装置から、連続ベルト120上の材料の一部に光反射性粒子Pを供給する。ここでは、光反射性粒子Pのみを供給してもよく、溶融した樹脂と光反射性粒子Pとの混合物を供給してもよい。次いで、必要に応じて、例えば超音波振動を利用して、光反射性粒子Pを連続ベルト120上の材料内で適度に分散させる。その後、ローラ140aのレリーフ構造を連続ベルト120上の材料に転写し、硬化した材料を裁断する。以上のようにして、光学部品10を得る。
次に、図1に示す光学部品10を含んだ表示装置について説明する。
図4は、図1に示す光学部品を含んだ表示装置の一例を概略的に示す断面図である。
図4は、図1に示す光学部品を含んだ表示装置の一例を概略的に示す断面図である。
図4に示す表示装置1は、透過型液晶表示装置である。この表示装置1は、表示パネル2と照明装置3とを含んでいる。
表示パネル2は、液晶パネル20と一対の偏光板30とを含んでいる。液晶パネル20は、例えば、一対のガラス基板と、それらの間に挟持された液晶層とを含んでいる。偏光板30は、液晶パネル20の前面及び背面にそれぞれ貼り付けられている。
なお、「前面」は観察者側の面であり、「背面」はその裏面である。また、「前方」は背面側から前面側への方向であり、「後方」は前面側から背面側への方向である。
表示パネル2は、複数の画素を含んでいる。各画素は、これに書き込まれる映像信号に応じて透過率が変化する。表示パネル2は、例えば、その背面を白色光で一様に照明した状態で画素の透過率を制御することにより、任意の画像を表示する。
照明装置3は、表示パネル2の背面側に設置されたエッジライト型バックライトユニットである。照明装置3は、直下型バックライトユニットであってもよい。
図4に示す照明装置3は、図1に示す光学部品10と、光源40と、リフレクタ50と、レンズシート60と、拡散シート70と、集光シート80と、拡散シート90とを含んでいる。
光学部品10は、そのプリズムアレイ13が表示パネル2の背面と向き合うように設置されている。
光源40は、光学部品10の端面のうち光反射性粒子Pが偏在している領域とは反対側の端面を照明するように設置されている。光学部品10と光源40との間の距離は、例えば20mm以下とする。
光源40としては、例えば、線光源を用いることができる。線光源としては、例えば、蛍光灯又は冷陰極管を使用することができる。
光源40として、点光源を用いてもよい。点光源としては、例えば、発光ダイオードを使用することができる。この場合、例えば、発光色が赤色、緑色及び青色の発光ダイオードを使用し、それらが放射する光を、導光板や光拡散層を利用して混色させることによって白色の照明光を得ることができる。
或いは、光源40として、面光源を使用してもよい。面光源としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子を使用することができる。
リフレクタ50は、光学部品10を間に挟んで表示パネル2と向き合っている。リフレクタ50bは、樋形状を有している。リフレクタ50は、他の形状を有していてもよい。
レンズシート60、拡散シート70、集光シート80及び拡散シート90は、光学部品10と表示パネル2との間に、光学部品10側から表示パネル2側へ向けてこの順に設置されている。拡散シート90の代わりに、偏光分離シートを使用してもよい。また、レンズシート60、拡散シート70、集光シート80及び拡散シート90の1つ以上を省略してもよい。例えば、それらの全てを省略してもよく、それらの1つ以外を全て省略してもよい。
光学部品10と表示パネル2との間の距離は、例えば40mm以下とする。この距離を長くすると、表示装置1が厚くなる。
この表示装置1では、光源40が放射した光の一部は、光源40と向き合った端面から光学部材10に入射する。光源40が放射した光の他の一部は、リフレクタ50によって反射された後に、光源40と向き合った端面又は背面から光学部材10に入射する。先の端面から光学部材10に入射した光は、反対側の端面に向けて伝播する過程で、一部は光反射性粒子Pなどによって散乱され、他の一部は光学部材10の背面からリフレクタ50に向けて射出され、更に他の一部は光学部材10の前面から表示パネル2に向けて射出される。光学部材10の背面からリフレクタ50に向けて射出された光は、リフレクタ50によって反射されて、光学部材10に再度入射する。
光学部材10が前方に射出する光は、レンズシート60、拡散シート70、集光シート80及び拡散シート90を順次透過し、表示パネル2の背面を照明する。表示パネル2は、この照明光を利用して画像を表示する。
この表示装置1で使用している光学部品10では、光反射性粒子Pは、光源40と向き合った端面とは反対側の端面近傍に偏在している。それ故、光源40と向き合った端面から光学部品10に入射した光は、光源40により近い領域で過剰に散乱されることなしに、光反射性粒子Pが偏在している領域へと到達する。そして、光反射性粒子Pが偏在している領域は、他の領域と比較してより高い光散乱能を有している。従って、画面のうち光源40側の部分が他の部分と比較して過剰に明るくなるのを防止でき、輝度ムラが生じるのを抑制することが可能である。
このように、光源40に対する光学部品10の配置を考慮したうえで、光学部品10をその一方の主面に垂直な方向から観察した場合に光反射性粒子Pが特定の位置に偏在するように光反射性粒子Pを分布させると、比較的少ない部品点数で輝度ムラが生じるのを抑制することができる。それ故、部品コストを低く抑えるとともに、表示装置1の組立て作業を簡略化することができる。即ち、少ない部品点数で優れた表示性能を達成することが可能となる。
この表示装置1では、光学部品10は、レンズアレイ12及びプリズムアレイ13の少なくとも一方を含んでいることが好ましい。リフレクタ50やレンズシート60が反射した光を、光学部品10に効率よく入射させることができる。従って、光の損失を抑制し、光源40が放射した光を高い効率で表示に利用することができる。また、レンズアレイ12及びプリズムアレイ13は視野角の設定に利用でき、これらの少なくとも一方を設けると、輝度ムラをより効果的に抑制することができる。
また、プリズムアレイ13を省略した場合、光学部品10とレンズシート60などの他の層とを重ねると、ニュートンリングなどの干渉縞を生じる可能性がある。これに対し、プリズムアレイ13を設けた場合、光学部品10とレンズシート60などの他の層とを重ねたとしても、プリズムを構成している凸部が光学部品10とレンズシート60などの他の層との間に隙間を形成するため、ニュートンリングなどの干渉縞は生じない。
この表示装置1では、光反射性粒子Pが一辺に沿った領域に偏在した光学部品10を使用している。そのような光学部品10を使用する代わりに、互いに対辺の関係にある2つの辺に沿った領域に光反射性粒子Pが偏在した光学部品を使用してもよい。即ち、光学部品10のうち光源40側の領域にも光反射性粒子Pを偏在させてもよい。
また、この表示装置1では、エッジライト型バックライトユニット3を使用しているが、その代わりに直下型バックライトユニットを使用することができる。この場合、光学部品10において、光反射性粒子Pを偏在させる領域の光源に対する相対的な位置を適宜設定すれば、少ない部品点数で優れた表示性能を達成することができる。例えば、複数の光源を使用する場合には、光反射性粒子Pを偏在させる領域を、それら光源と向き合うように配置することにより、少ない部品点数で優れた表示性能を達成することができる。
ここでは、光学部品10を透過型液晶表示装置において使用する例を説明したが、光学部品10は、他の表示装置において使用することも可能である。例えば、この光学部品10は、半透過型液晶表示装置において使用してもよい。或いは、液晶パネル20を含んだ表示パネル2の代わりに、他の表示パネルを使用してもよい。例えば、光透過性の着色パターンによって静止画像を表示する表示パネルを使用してもよい。
また、光学部品10は、表示パネルを照明するためのバックライトユニットにおいて使用可能であるだけでなく、他の照明装置において使用することも可能である。例えば、光学部品10は、屋内照明用の照明装置において使用してもよい。或いは、光学部品10は、投射スクリーン上に投射される光の輝度向上や太陽電池の光制御に利用してもよい。
以下、本発明の実施例を説明する。
<光学部品の製造>
図2及び図3を参照しながら説明した装置100を用いて、図1を参照しながら説明した光学部品10を製造した。
<光学部品の製造>
図2及び図3を参照しながら説明した装置100を用いて、図1を参照しながら説明した光学部品10を製造した。
材料10’としては、100質量部のポリカーボネート樹脂(PC)と、0.005質量部の酸化鉄粉末と、20質量部のポリメタクリル酸メチル樹脂フィラーとを含んだ混合物を使用した。この混合物は、260℃で溶融させて、押出し成形機110のダイから吐出させた。
版120は、ポリエチレンテレフタレートシートに紫外線硬化樹脂を塗布し、塗膜に金型を押し当て、この状態でポリエチレンテレフタレートシート側から紫外線を照射して塗膜を硬化させ、硬化後の塗膜から金型を除去することにより形成した。この金型としては、50μmのピッチでシリンドリカルを配列してなるレンズアレイに対応した凸部が設けられたものを使用した。押出し成形機110が吐出した材料10’が冷却されるのを防ぐべく、版120は、加熱装置160の上流で260℃に加熱した。また、版120の移動速度は、2m/分に設定した。
容器160aとしては、厚さが3mmのステンレス板からなり、幅が1200mm、高さが30mm、流れ方向の長さが1200mmの内部空間を有しているものを使用した。ヒータ160bとしては、電熱線を使用した。容器160aの内部空間は、ヒータ160bによって260℃に維持した。
電磁石170には、120Vの電圧で電流を流した。材料10’の位置における磁界の強さの最大値は7500A/mであった。
版140aは、金属ロールの外側表面に切削加工を施し、この表面にクロム鍍金処理を更に施すことによって形成した。切削加工によって形成した凹部のピッチは75μmとした。ロール140a及び140bが連続ベルト120と材料10’とに及ぼす圧力は、0.95kgf/cmとした。
ロール140aからレリーフ構造を転写した材料10’は、37型の表示装置において使用するべく、材料10’の流れ方向に対して直交する方向に裁断した。
以上のようにして、図1に示す光学部品10を得た。なお、この光学部品10では、その一辺に沿って酸化鉄粒子が偏在していた。
<表示装置の製造>
上述した方法により得られた光学部品10を用いて、図4を参照しながら説明した表示装置1を製造した。光学部品10は、酸化鉄粒子が偏在している領域と隣接した端面の反対側に位置した端面が光源40と向き合うように設置した。また、ここでは、レンズシート60、拡散シート70、集光シート80及び拡散シート90は省略した。
上述した方法により得られた光学部品10を用いて、図4を参照しながら説明した表示装置1を製造した。光学部品10は、酸化鉄粒子が偏在している領域と隣接した端面の反対側に位置した端面が光源40と向き合うように設置した。また、ここでは、レンズシート60、拡散シート70、集光シート80及び拡散シート90は省略した。
また、比較のために、光学部品10の代わりに一般的な導光板を含んでいること以外は図4を参照しながら説明したのと同様の表示装置を製造した。
<性能評価>
上述した方法により製造した表示装置の各々に白色画像を表示させて、それらの画質を調べた。その結果、図1に示す光学部品10を用いた表示装置1は、一般的な導光板を使用した表示装置と比較して、部品点数が少ないにも拘らず、輝度ムラが抑制されていた。また、一般的な導光板を使用した表示装置ではモアレが発生したのに対し、図1に示す光学部品10を用いた表示装置1ではモアレの発生は確認できなかった。
上述した方法により製造した表示装置の各々に白色画像を表示させて、それらの画質を調べた。その結果、図1に示す光学部品10を用いた表示装置1は、一般的な導光板を使用した表示装置と比較して、部品点数が少ないにも拘らず、輝度ムラが抑制されていた。また、一般的な導光板を使用した表示装置ではモアレが発生したのに対し、図1に示す光学部品10を用いた表示装置1ではモアレの発生は確認できなかった。
1…表示装置、2…表示パネル、3…照明装置、10…光学部品、11…導光層、12…レンズアレイ、13…プリズムアレイ、20…液晶パネル、30…偏光板、40…光源、50…リフレクタ、60…レンズシート、70…拡散シート、80…集光シート、90…拡散シート、100…製造装置、110…押出し成形機、120…連続ベルト、130a…ロール、130b…ロール、130c…ロール、140a…ロール、140b…ロール、150…ロール、160…加熱装置、160a…容器、160b…ヒータ、170…電磁石、M1…光透過材料、M2…光透過材料、M3…光透過材料、P…光反射性粒子。
Claims (8)
- 単層構造又は多層構造を有している光学部品であって、光透過材料とこの光透過材料中で分散した光反射性粒子とを含み、前記光学部品をその一方の主面に垂直な方向から観察した場合に前記光反射性粒子は不均一に分布している光学部品。
- 前記光反射性粒子は前記光学部品の周縁部の少なくとも一部において最も高い密度で存在している請求項1に記載の光学部品。
- 前記光学部品を前記主面に垂直な方向から観察した場合に前記光学部品は互いに平行な一対の辺を有し、前記光反射性粒子は、前記光学部品の周縁部のうち前記一対の辺の少なくとも一方に沿った領域に偏在している請求項2に記載の光学部品。
- 前記主面にはレンズ又はプリズムを各々が構成している複数の凸部が設けられており、前記光反射性粒子が偏在している前記領域では、前記光反射性粒子は前記凸部とその他の部分との双方に存在している請求項3に記載の光学部品。
- 前記光反射性粒子は磁性体を含んだ請求項1乃至4の何れか1項に記載の光学部品。
- 前記光反射性粒子は、前記磁性体を少なくとも部分的に被覆した透明誘電体を更に含んだ請求項5に記載の光学部品。
- 請求項1乃至6の何れか1項に記載の光学部品と、
前記光学部品の前記主面を照明する光源と
を具備した照明装置。 - 請求項7に記載の照明装置と、前記光学部品を間に挟んで前記光源と向き合った表示パネルとを具備した表示装置。
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JP2009257245A JP2011103202A (ja) | 2009-11-10 | 2009-11-10 | 光学部品、照明装置及び表示装置 |
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CN103424931A (zh) * | 2013-08-06 | 2013-12-04 | 宁波市能捷电子有限公司 | 一种背光模组 |
JP2018101524A (ja) * | 2016-12-20 | 2018-06-28 | 大日本印刷株式会社 | 導光板の製造方法、導光板、面光源装置、表示装置 |
-
2009
- 2009-11-10 JP JP2009257245A patent/JP2011103202A/ja not_active Withdrawn
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