JP2011101927A - 研磨ブラシ用毛材および研磨ブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨加工時に発生する静電気を抑制して、ブラシ屑や研磨屑の付着による汚れを防止することができ、さらには耐久性に優れかつ持続的な研磨性能を発揮する研磨ブラシ用毛材および研磨ブラシを提供する。
【解決手段】砥材粒子含有熱可塑性樹脂組成物からなるモノフィラメント1の表面長手方向の少なくとも一部に、カーボンブラック粒子を5〜40重量%含有する導電性樹脂層2を設けてなり、前記モノフィラメント1と前記導電性樹脂層2の重量比率を70〜95:30〜5としたことを特徴とする研磨ブラシ用毛材。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼板などの金属部材または機械部品の表面研磨加工において、金属表面を研磨するために使用する研磨ブラシ用毛材の改良に関し、さらに詳しくは、研磨加工時に発生する静電気を抑制して、ブラシ屑や研磨屑の付着による汚れを防止することができ、さらには耐久性に優れかつ持続的な研磨性能を発揮する研磨ブラシ用毛材および研磨ブラシに関するものである。
従来、鋼板などの金属部材または機械部品の表面研磨加工においては、砥材粒子を含有する合成樹脂からなるモノフィラメントを毛材として植毛したロールブラシ、カップブラシ、筒状ブラシおよびホイルブラシなどを被処理物に押圧し、回転を付与することによって、金属部材の表面研磨、端面のバリ取り研磨、および仕上げ加工研磨を行っていた。
しかるに、これらの金属部材または機械部品の被研磨面は、平面だけでなく凹凸面などが存在していて被研磨面が複雑化していることから、研磨バリ取り加工の作業性が困難になっている。
また、研磨バリ取り加工中にはクーラント液を被研磨体表面に流しながら研磨を行っているが、近年では、クーラント液の廃液処理およびこのクーラント液が人体に及ぼす影響が懸念されていることからクーラント液の取り扱いが特に厳しくなっている。
こうした問題を解決するための手段としては、環境面においてクーラント液を使用しない乾式研磨方法が行われてきた。このような乾式研磨に使用する研磨ブラシ用毛材としては、被研磨体と研磨ブラシの摩擦熱により毛材が溶融、融着するのを防止することを目的に、毛材を構成する合成樹脂中に砥材粒子と共にフッ素樹脂を添加した研磨ブラシ用毛材(例えば、特許文献1参照)、および同じく砥材粒子と共にアジン系顔料を添加した研磨ブラシ用毛材(例えば、特許文献2参照)などが既に提案されている。
しかしながら、これら従来の研磨ブラシ用毛材は、通常の研磨ブラシ用毛材に比べて毛材同士の溶融、融着は改善されるものの、研磨加工時に毛材同志が強く擦れ合うために、ブラシ毛材が磨耗、折損したブラシ屑を発生するばかりか、被研磨体の研磨屑をも発生するため、このブラシ屑や研磨屑が静電気を帯びて被研磨体に付着してその表面を汚したりするばかりか、ブラシ毛材の研磨性能を持続的に発揮することができなくなるという問題が残されており、さらなる改善が強く要望されていた。
登録特許4189535号公報 登録特許3965471号公報
本発明の目的は、研磨加工時に発生する静電気を抑制して、ブラシ屑や研磨屑の付着による汚れを防止することができ、さらには耐久性に優れかつ持続的な研磨性能を発揮する研磨ブラシ用毛材および研磨ブラシを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、砥材粒子含有熱可塑性樹脂組成物からなるモノフィラメントの表面長手方向の少なくとも一部に、カーボンブラック粒子を5〜40重量%含有する導電性樹脂層を設けてなり、前記モノフィラメントと前記導電性樹脂層の重量比率を70〜95:30〜5としたことを特徴とする研磨ブラシ用毛材が提供される。
なお、本発明の研磨ブラシ用毛材においては、
前記導電性樹脂層は、カーボンブラック粒子を7〜15重量%含有すること、
前記モノフィラメントと導電性樹脂層が同系の熱可塑性樹脂からなること、
前記導電性樹脂層が、前記モノフィラメントの表面長手方向に条状で存在すること、および
前記導電性樹脂層が、前記モノフィラメントの表面長手方向に膜状で存在すること
が、いずれも好ましい条件として挙げられる。
また、本発明の研磨ブラシは、前記研磨ブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用したことを特徴とし、特にこの研磨用ブラシを金属鋼板の製造工程における金属鋼板表面の乾式研磨加工に使用した場合には、優れた効果を如何なく発揮することができる。
本発明によれば、以下に説明するとおり、研磨加工時に発生する静電気を抑制して、ブラシ屑や研磨屑の付着による汚れを防止することができ、さらには耐久性に優れかつ持続的な研磨性能を発揮する研磨ブラシ用毛材および研磨ブラシを得ることができる。
本発明の研磨ブラシ毛材の第1実施例を示す正面図(a)とそのA―A線断面図(b)。
同じく第2実施例を示す正面図(a)とそのA―A線断面図(b)。
以下、本発明の研磨ブラシ用および毛材研磨ブラシについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1および図2に示したように、本発明の研磨ブラシ用毛材は、砥材粒子含有熱可塑性樹脂組成物からなるモノフィラメント1の表面長手方向の少なくとも一部に、カーボンブラック粒子を5〜40重%含有する導電性樹脂層2を設けてなり、前記モノフィラメント1と前記導電性樹脂層2の重量比率を70〜95:30〜5としたことを特徴とする。
すなわち、砥材粒子含有モノフィラメント1の表面長手方向の少なくとも一部に、カーボンブラック粒子を5〜40重%含有する導電性樹脂層2を設けることにより毛材に静電気抑制効果を持たせたため、研磨加工時に発生する静電気を抑制して、ブラシ屑や研磨屑の付着による汚れを防止することができ、さらには耐久性に優れかつ持続的な研磨性能を発揮する研磨ブラシ用毛材および研磨ブラシを得ることができるのである。
なお、図1に示した第1実施例は、砥材粒子含有熱可塑性樹脂組成物からなるモノフィラメント1の表面長手方向6箇所に、条状の導電性樹脂層2を設けて形成されている。
図面では、モノフィラメント1の表面長手方向に6条の導電性樹脂層2を設けたものを例示したが、導電性樹脂層2は2条あるいは3条でもよく、条数に特に規制はない。
また、図2に示した第2実施例では、モノフィラメント1の表面長手方向全面に、膜状の導電性樹脂層2を設けて形成されている。
ここで、本発明の研磨ブラシ用毛材に使用される熱可塑性樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610(以下、N610という)、ナイロン612、ナイロン6/66共重合体、ナイロン6/12共重合体などのポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTという)、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリメチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂を使用することができる。
また、本発明で使用するポリアミド系樹脂は、その相対粘度が低いと溶融紡糸が不安定となる場合があるため、相対粘度が3.0以上であるものが好ましく、ポリエステル系樹脂の場合は、その固有粘度が低いと同じく溶融紡糸が不安定となる場合があるため、固有粘度が0.6以上であるものが好ましい。
なお、ポリアミド系樹脂の相対粘度は、濃度98%の硫酸25ccの中にポリアミド系樹脂0.25gを溶解し、この溶液を25℃の温度条件下でオストワルド粘度管を使用して測定したものであり、ポリエステル系樹脂の固有粘度は、濃度98.5%のオルトクロロフェノール25ml中にポリエステル系樹脂2.0gを溶解し、この溶液を25℃の温度条件下でオストワルド粘度管を使用して測定したものである。
本発明の砥材粒子含有熱可塑性樹脂組成物に使用される砥材粒子としては、酸化アルミナ、炭化ケイ素および人工ダイヤモンドなどが挙げられ、これらの粒度番手としては、研磨材粒度JIS R6001(1973)に規定される#36〜#3000、特に#60〜#2000の範囲のものが好ましく使用される。
そして、上記の砥材粒子の含有量は、熱可塑性樹脂組成物中に5〜40重量%の範囲にあることが必要であり、さらには10〜30重量%の範囲にあることがより好ましい。砥材粒子の含有量が上記範囲を下回る場合は、研磨力に欠けた研磨ブラシ用毛材となりやすく、逆に、含有量が上記範囲を上回る場合は、モノフィラメントの強度が低下し、折損耐久性に欠けた研磨ブラシ用毛材となりやすい。
本発明に使用される導電性樹脂層2は、好ましくはモノフィラメントと同系の熱可塑性樹脂中にカーボンブラックを含有するものである。このカーボンブラックとしては、高導電性を有するものであれば特に制限しないが、なかでもDBP給油量(9g法)が340ml/100g以上のファーネス系カーボンブラックの使用が望ましい。このようなファーネス系カーボンブラックとしては、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製“ケッチェンブラック”(商標)ECや“ケッチェンブラック”(商標)EC600JDが知られている。なおカーボンブラックとしては、DBP給油量が340ml/100g以下のアセチレンブラックも知られているが、これは上記“ケッチェンブラック”(商標)ECなどと比較して導電性が低く、アセチレンブラックの使用により満足する導電性を得るためには、例えば“ケッチェンブラック”(商標)ECの約3倍の添加量が必要になり、導電性樹脂層2の流動性が低下する傾向が招かれる。
本発明の導電性樹脂層2中のカーボンブラックの含有量は、導電性樹脂層2中の樹脂に対して4〜15重量%の範囲である。ここでカーボンブラックとして“ケッチェンブラック”(商標)ECを用いる場合の導電性樹脂層2中の含有量は7〜15重量%が好ましく、“ケッチェンブラック”(商標)EC600JDを用いる場合の導電性樹脂層2中の含有量は4〜8重量%が好ましい。カーボンブラックの含有量が上記範囲より多いと、樹脂の流動性が低下し、研磨ブラシ用毛材から導電性樹脂層2が脱落しやすくなったり、溶融紡糸が困難になったりするため好ましくない。また、カーボンブラックの含有量が上記範囲より少ないと、得られる研磨ブラシ用毛材の導電性が不十分となるため好ましくない。
導電性樹脂層2のカーボンブラックと熱可塑性樹脂の混合は、公知の方法、例えば2軸混練押し出し機やドウミキサーなどで加圧下に混練することによりマスターバッチを得ることができる。また、導電性樹脂層2に使用する樹脂は、砥粒粒子含有熱可塑性樹脂に使用する樹脂と同系の樹脂を使用することが好ましい。例えば、砥粒粒子含有熱可塑性樹脂がナイロン6の場合には、導電性樹脂層2の樹脂もナイロン6にすることで、より接着性に優れ、乾式研磨加工の際に導電性樹脂層2が剥離しにくくなることから、研磨毛材の耐久性が優れることとなる。逆に、砥粒粒子含有熱可塑性樹脂と導電性樹脂層2が異素材の場合には、両者の接着性が劣ることから、モノフィラメント1から導電性樹脂層2が剥離しやすいという好ましくない傾向が招かれることがある。
本発明の研磨ブラシ毛材において、砥粒粒子含有熱可塑性樹脂組成物からなるモノフィラメント1と、導電性樹脂層2との重量比率は、70〜95:30〜5の範囲にあることが好ましい。導電性樹脂層2が30重量%の範囲を超えると、モノフィラメント1の比率が少なくなり、研磨性が劣る傾向となるため好ましくない。また、導電性樹脂層2が5重量%未満では、導電性が劣り、静電気抑制効果が少なくなるため好ましくない。
また、上記したように、導電性樹脂層2は砥粒粒子含有熱可塑性樹脂組成物からなるモノフィラメント1の表面長手方向の一部にあればよく、その形態は1条でも、6条でもその条数は制限しないが、モノフィラメント1が研磨ブラシ用毛材の表面に露出している割合で研磨性能を調節することができ、より大きな研磨性能が必要な場合には、導電性樹脂層2の条数を減らすことができる。逆に条数を増やすことで研磨性能を抑制することができる。
次に、本発明の研磨ブラシ用毛材の製造方法について説明する。
まず、砥粒粒子含有熱可塑性樹脂とカーボンブラック含有導電性樹脂とを、2台の押し出し機を用いた複合紡糸機にそれぞれ供給し溶融混練した後、同一の口金孔の中央から砥材粒子含有熱可塑性樹脂、その外周から導電性樹脂の少なくとも1条を同時に押し出す。次に、押出された糸条を20℃の冷却浴で冷却固化した後、引き続き180℃の熱風雰囲気中で2.5倍〜4.0倍に延伸することでモノフィラメントが得られる。また、このモノフィラメント1を180℃〜240℃で弛緩熱セットしてもよい。
そして、得られたモノフィラメントは所望の長さにカットされ、研磨ブラシ用毛材として使用される。
ここで、研磨ブラシ用毛材の断面形状は、円形以外にも楕円形、三角形、矩形およびその他の異形にすることができ、特に限定はされない。
また、研磨ブラシ用毛材の平均直径は、0.2〜3.0mm、特に0.4〜2.0mmの範囲のものが好ましく使用される。研磨ブラシ用毛材の平均直径が上記範囲を下回る場合は、毛腰が弱くなるために研磨力に欠けた研磨ブラシ用毛材となりやすく、逆に、上記範囲を上回る場合は、毛腰が強くなるために剛直な研磨ブラシ用毛材となりやすく、例えば、ディスクブラシを作成するに際しては、ディスク板に対して折り曲げ植毛が困難となりやすい。
一方、本発明の研磨ブラシは、上記研磨ブラシ用毛材を使用し、公知の製造方法で得られたものであり、その形状としては、例えば、カップブラシやチャンネルブラシやディスクロールブラシなど様々な研磨ブラシが挙げられ、これらの研磨ブラシの毛材を把持する部分に導電性金属を使用することにより、この研磨ブラシの性能をより一層有効に発揮させることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の構成および効果をさらに説明する。
なお、以下の実施例における砥粒脱落率および屈曲疲労性の評価は下記に記載の方法で行った。
[導電性能]
東亜電波工業(株)製、極超絶縁計SM−10型を使用して測定した。モノフィラメント試料5cmの両端を、電気抵抗の極めて低いクリンプ(電極)で十分把持し、印加して糸の抵抗値を測定し、次の計算式により体積固有抵抗値を求めた。なお、測定時の周囲条件は温度20±3℃、湿度65±4%とした。
体積固有抵抗値(Ω・cm)=測定抵抗値(Ω)×糸の断面積(cm)/電極間距離(cm)
なお、体積固有抵抗値は小さいほうが好ましい。
[研磨量とブラシ毛材の汚れ性]
モノフィラメントを、内径45mm、外径70mm、毛丈30mmに植毛したカップ状ブラシを、ハンドグラインダーに取り付け、50Nの圧力で、12000rpmで回転させながら、真鍮金属板に接触させて、30分間研磨作業を行い削り取られた真鍮金属の重量を測定して研磨量とした。
また、被研磨体の汚れ性は、研磨量を測定した真鍮金属板とカップ状ブラシ毛材に付着した研磨屑およびブラシ屑の付着量を目視により次の基準で評価した。
○;少ない。
△;普通。
×;多い。
[実施例1〜3]
相対粘度が3.8のN610樹脂(東レ(株)製M2041)77重量%と、シランカップリング剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製SH6020)を0.2重量%被覆処理した粒度番手#100の炭化ケイ素砥材粒子(昭和電工社製)23重量%との混合物(以下、砥材粒子含有熱可塑性樹脂と略称する。)と、相対粘度が2.7のN610樹脂(東レ(株)製M2001)にケッチェン・ブラック・インターナショナル社製“ケッチェンブラック”(商標)EC15重量%を予めマスターバッチにした導電性樹脂とを、2台の押し出し機を用いた複合紡糸機にそれぞれ供給し、260℃の温度で溶融混練した後、同一の口金孔の中央から砥材粒子含有熱可塑性樹脂を、またその外周の6箇所(以下、6条と略称する。)から導電性樹脂を、それぞれ表1に示した重量比率で同時に押し出し、次に押出された糸条を20℃の冷却浴で冷却固化した後、引き続き180℃の熱風雰囲気中で3.2倍に延伸することにより、図1に示した態様からなる直径0.8mmのモノフィラメントを得た。
そして、得られたモノフィラメントをカットし、内径45mm、外径70mm、毛丈30mmに植毛した金属カップ状ブラシの作製に使用した。モノフィラメントおよびカップ状ブラシの各評価結果を表1に併せて示す。
[実施例4]
実施例1において、同一の口金孔の中央から砥材粒子含有熱可塑性樹脂組成物を押し出し、導電性樹脂をその外周全面に押し出すことにより、図2に示した態様の二重芯鞘構造に変更した以外は、同様にしてモノフィラメントを得た。
そして、得られたモノフィラメントを植毛してカップ状ブラシを加工し、モノフィラメントおよびカップ状ブラシの各評価結果を表1に併せて示す。
[比較例1]
相対粘度が3.8のN610樹脂(東レ(株)製M2041)77重量%と、シランカップリング剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製SH6020)を0.2重量%被覆処理した粒度番手#100の炭化ケイ素砥材粒子(昭和電工社製)23重量%との混合物をエクストルダー型紡糸機に供給し、260℃の温度で溶融混練した後、口金孔から押し出し、次に押出された糸条を20℃の冷却浴で冷却固化した後、引き続き180℃の熱風雰囲気中で3.2倍に延伸することにより、直径0.8mmのモノフィラメントを得た。
そして、得られたモノフィラメントをカットし、内径45mm、外径70mm、毛丈30mmに植毛した金属カップ状ブラシの作製に使用した。モノフィラメントおよびカップ状ブラシの各評価結果を表1に併せて示す。
[比較例2]
比較例1において、N610樹脂を固有粘度が1.5のPBT樹脂(東レ(株)製1500S)77重量%に変更した以外は、同様にして同じモノフィラメントを得た。
そして、得られたモノフィラメントをカットし、内径45mm、外径70mm、毛丈30mmに植毛した金属カップ状ブラシの作製に使用した。モノフィラメントおよびカップ状ブラシの各評価結果を表1に併せて示す。
[比較例3]
実施例1において、砥材粒子含有熱可塑性樹脂組成物と導電性樹脂との重量比率を60:40に変更した以外は、同様にして溶融紡糸したが、口金孔から押し出された糸状が不安定で延伸することが困難であった。また、口金孔の汚れが早く安定した溶融紡糸ができなかった。
Figure 2011101927
表1の結果から明らかなように、本発明の条件を満たす研磨ブラシ用毛材(実施例1〜4)は、研磨ブラシ用毛材を構成する砥材粒子含有熱可塑性樹脂組成物からなるモノフィラメントの表面長手方向の一部に導電性樹脂層を設けたものであることから、研磨加工時に静電気の発生がなく、ブラシ毛材の汚れがないばかりか、高い研磨性を有したものであった。これに対し、本発明の条件を満たさない研磨ブラシ用毛材(比較例1〜2)は、砥材粒子含有熱可塑性樹脂組成物からなるモノフィラメントの表面手方向に導電性樹脂層がないため、静電気の抑制効果がなく、毛材の汚れが激しいものであった。また、導電樹脂層の重量比率が高い研磨ブラシ用毛材(比較例3)は、延伸が困難なばかりか、口金孔の汚れにより安定した溶融紡糸ができないものであった。
以上説明したように、本発明の研磨ブラシ用毛材は、研磨加工時に発生する静電気を抑制して、ブラシ屑や研磨屑の付着による汚れを防止することができ、さらには耐久性に優れかつ持続的な研磨性能を発揮することから、カップブラシやチャンネルブラシやディスクロールブラシなど様々な研磨ブラシの性能向上、特にクーラント液を使用しない乾式研磨加工への適用にとって極めて有効であるといえる。
1 砥材粒子含有熱可塑性樹脂モノフィラメント
2 導電性樹脂層

Claims (6)

  1. 砥材粒子含有熱可塑性樹脂組成物からなるモノフィラメントの表面長手方向の少なくとも一部に、カーボンブラック粒子を5〜40重%含有する導電性樹脂層を設けてなり、前記モノフィラメントと前記導電性樹脂層の重量比率を70〜95:30〜5としたことを特徴とする研磨ブラシ用毛材。
  2. 前記導電性樹脂層は、カーボンブラック粒子を7〜15重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の研磨ブラシ用毛材。
  3. 前記モノフィラメントと導電性樹脂層が同系の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1または2に記載の研磨ブラシ用毛材。
  4. 前記導電性樹脂層が、前記モノフィラメントの表面長手方向に条状で存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨用ブラシ毛材。
  5. 前記導電性樹脂層が、前記モノフィラメントの表面長手方向に膜状で存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨用ブラシ毛材。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の研磨用ブラシ毛材を毛材の少なくとも一部に使用したことを特徴とする研磨ブラシ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017170080A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 優一郎 新崎 ブラシ毛素材及びブラシ

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