JP2011100799A - 回路基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】粒塊が均一かつ微細化された結晶で回路形成用溝内の金属導体を形成することができ、回路の信頼性が高い回路基板を提供する。
【解決手段】絶縁基材1の表面に回路形成用溝2を形成する。そしてこの回路形成用溝2内に、めっきにより形成された金属導体3を充填して、回路基板を形成する。この金属導体の結晶粒塊は平均差し渡し長さが10μm以下であって、金属導体3は粒塊が均一かつ微細化された結晶で形成される。
【選択図】図1
【解決手段】絶縁基材1の表面に回路形成用溝2を形成する。そしてこの回路形成用溝2内に、めっきにより形成された金属導体3を充填して、回路基板を形成する。この金属導体の結晶粒塊は平均差し渡し長さが10μm以下であって、金属導体3は粒塊が均一かつ微細化された結晶で形成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、各種の電子・電気機器に用いられる回路基板に関するものである。
電子・電気機器の高性能化を実現するために、回路を微細で且つ高密度に配線した回路基板が要望されている。このように微細で且つ高密度に回路を形成するために、絶縁基材の表面に溝をパターン形状に形成し、この溝内に金属導体を充填して回路を形成するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
このように、絶縁基材の溝に金属導体を充填して回路を形成することによって、微細且つ高密度であっても、回路の断線を防ぐことができると共に、隣り合う回路間の絶縁性を確保することができ、信頼性の高い回路を形成することができるものである。
図5はこのような、絶縁基材1の溝2に金属導体3を充填して回路4を設けることによって形成した回路基板の一例を示すものである。すなわち、まず図5(a)のように絶縁基材1の表面に回路形成用の溝2をパターン形状に形成し、この絶縁基材1の表面の全面に溝2の内部も含めて、無電解めっきのためのめっき触媒5を図5(b)のように塗布する。次に、無電解めっき浴に浸漬して無電解めっきを行なうことによって、めっき触媒5が付着した表面に無電解めっき膜6を形成することができる。無電解めっき膜6は図5(c)のように溝2の内部も含む絶縁基材1の表面の全面に形成される。無電解めっき膜6は薄い膜厚で形成されるものであり、このように無電解めっき膜6を形成した後に、無電解めっき膜6に直流電流を通電しながら、電解めっき浴に浸漬して電解めっきを行なうことによって、図5(d)のように無電解めっき膜6の表面に電解めっき層7を析出させる。溝2内でこのように無電解めっき膜6の表面に電解めっき層7を析出させることによって、無電解めっき膜6と電解めっき層7からなる金属導体3で溝2内を充填することができる。このとき、絶縁基材1の溝2以外の表面にも、無電解めっき膜6や電解めっき層7が形成されているので、上記のように電解めっき層7を形成した後、絶縁基材1の表面を研磨して、図5(e)のように、絶縁基材1の表面に露出する無電解めっき膜6や電解めっき層7を除去することによって、各溝2内に充填された金属導体3を独立させ、溝2内の金属導体3で回路4を形成することができるものである。
上記のように、無電解めっき及び電解めっきを行なって、溝2内に金属導体3を充填して回路4を形成することができる。しかし、図5の従来例にあって、溝2内に充填される金属導体3はその大部分が電気めっきによって形成されるものであり、このように電解めっきで形成された金属導体3は、その結晶粒塊が大きくて不均一になる(後述の図4参照)。そしてこのように結晶粒塊が大きく不均一であると、金属導体3の力学特性、熱特性、電気特性が低くなり、回路4の信頼性に問題が生じるものであった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、粒塊が均一かつ微細化された結晶で回路形成用溝内の金属導体を形成することができ、回路の信頼性が高い回路基板を提供することを目的とするものである。
本発明に係る回路基板は、絶縁基材1の表面に回路形成用溝2を形成すると共に、回路形成用溝2内にめっきにより形成された金属導体3を充填して成り、この金属導体3の結晶粒塊は平均差し渡し長さが10μm以下であることを特徴とするものである。
このように、回路形成用溝2内に充填される金属導体3は、その結晶粒塊の平均差し渡し長さが10μm以下であるので、均一かつ微細化された結晶粒塊で形成されるものであり、金属導体3の力学特性、熱特性、電気特性を高めることができるものである。
また本発明において、回路形成用溝2内の金属導体3は無電解めっきで形成されていることを特徴とするものである。
このように無電解めっきで金属導体3を形成することによって、上記のように粒塊が均一かつ微細化された結晶で金属導体を形成することができるものである。
本発明によれば、回路形成用溝2内にめっきにより充填される金属導体3は、その結晶粒塊の平均差し渡し長さが10μm以下であるので、均一かつ微細化された結晶粒塊で形成されるものであり、金属導体3の力学特性、熱特性、電気特性を高めることができ、信頼性の高い回路4を形成することができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明において絶縁基材1としては、回路基板の製造に用いることができるものであれば、特に限定されることなく使用することができるが、具体的には、例えば、樹脂を含む樹脂基材等を挙げることができる。この樹脂としては、回路基板の製造に用いられる各種有機基板を構成する樹脂であれば、特に限定されることなく用いることができるものであり、具体的には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、シアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂等を挙げることができる。
上記のエポキシ樹脂としては、回路基板の製造に用いられる各種有機基板を構成するエポキシ樹脂であればよく、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、アラルキルエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等を挙げることができる。さらに、難燃性を付与するために、臭素化又はリン変性したエポキシ樹脂、窒素含有樹脂、シリコーン含有樹脂等も用いることができる。これらの各エポキシ樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記各樹脂で絶縁基材1を構成する場合、硬化剤を含有させるのが一般的である。硬化剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジシアンジアミド、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミノトリアジンノボラック系硬化剤、シアネート樹脂等を挙げることができる。このフェノール系硬化剤としては、例えば、ノボラック型、アラルキル型、テルペン型等を挙げることができる。更に難燃性を付与するため、リン変性したフェノール樹脂、リン変性したシアネート樹脂等を用いることもできる。これらの硬化剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また特に限定されるものではないが、レーザ加工により回路パターンを形成することから、100〜400nm波長領域でのレーザ光の吸収率が良い樹脂を用いることが好ましく、例えば、ポリイミド樹脂等を挙げることができる。
絶縁基材1には、フィラーを含有していてもよい。このフィラーは、無機微粒子であっても、有機微粒子であってもよく、特に限定されない。フィラーを含有することで、レーザ加工部にフィラーが露出し、フィラーの凹凸によるメッキと樹脂との密着をあげることが可能である。
無機微粒子を構成する材料としては、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、シリカ(SiO2)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、酸化チタン(TiO2)等の高誘電率充填材;ハードフェライト等の磁性充填材;水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、水酸化アルミニウム(Al(OH)2)、三酸化アンチモン(Sb2O3)、五酸化アンチモン(Sb2O5)、グアニジン塩、ホウ酸亜鉛、モリブテン化合物、スズ酸亜鉛等の無機系難燃剤;タルク(Mg3(Si4O10)(OH)2)、硫酸バリウム(BaSO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、雲母等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの無機微粒子は、熱伝導性、比誘電率、難燃性、粒度分布、色調の自由度等が高いので、所望の機能を選択的に発揮させる場合には、適宜配合及び粒度設計を行って、容易に高充填化を行なうことができる。また特に限定はされないが、表面に上記の樹脂の絶縁層を形成して絶縁基材1を作製する場合には、絶縁層の厚み以下の平均粒径のフィラーを用いるのが好ましく、特に0.01〜10μmの範囲、更に好ましくは0.05μm〜5μmの範囲の平均粒径のフィラーを用いるのがよい。
また無機微粒子は、絶縁基材1中での分散性を高めるために、シランカップリング剤で表面処理してもよい。あるいは絶縁基材1には、無機微粒子の絶縁基材1中での分散性を高めるために、シランカップリング剤を含有してもよい。このシランカップリング剤としては、例えば、エポキシシラン系、メルカプトシラン系、アミノシラン系、ビニルシラン系、スチリルシラン系、メタクリロキシシラン系、アクリロキシシラン系、チタネート系等のシランカップリング剤等を挙げることができる。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに絶縁基材1には、無機微粒子の絶縁基材1中での分散性を高めるために、分散剤を含有してもよい。この分散剤としては、例えば、アルキルエーテル系、ソルビタンエステル系、アルキルポリエーテルアミン系、高分子系等の分散剤等を挙げることができる。これらの分散剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、有機微粒子としては、具体的には、例えば、ゴム微粒子等を挙げることができる。
本発明において絶縁基材1の形態は、特に限定されないものであり、具体的には、シート、フィルム、プリプレグ、及び三次元形状の成形体等に形成することができる。また絶縁基材1の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、シート、フィルム、プリプレグの場合には、10〜200μmであることが好ましく、20〜100μm程度であることがより好ましい。
そしてまず、この絶縁基材1の表面に回路形成用の溝2を図1(a)のように形成する。この溝2は、絶縁基材1の表面に設ける回路パターンと同じパターン形状で形成されるものである。
この回路形成用溝2を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、絶縁基材1にレーザ加工、ダイシング加工等の切削加工や、型押加工等の機械加工等を施すことにより、所望のパターン形状、幅及び深さで溝加工する方法等を挙げることができる。高精度で微細な回路形成をする場合には、レーザ加工を用いることが好ましい。レーザ加工によれば、レーザの出力等を変化させることにより、切削深さ等を自由に調整することができる。また型押加工としては、例えば、ナノインプリントの分野において用いられるような微細樹脂型による型押加工を好ましく用いることができる。また回路形成用溝2の一部として、ビアホール等を形成するための貫通孔を形成してもよい。
絶縁基材1に溝2を形成するこの工程により、絶縁基材1に形成する回路4のパターン形状、幅、厚みが規定される。このように形成される溝2の幅は特に限定されないが、レーザ加工を用いた場合には、線幅20μm以下のような微細な幅で溝2を容易に形成することができる。また溝2の深さは回路4の厚みとなる。
上記のように絶縁基材1の表面に回路形成用の溝2を形成した後、この溝2を形成した側の絶縁基材1の表面にめっき触媒5を付着させる。めっき触媒5は図1(b)のように溝2の内周を含む絶縁基材1の全面に付着されるものである。
めっき触媒5は無電解めっきを行なう際に、めっき金属を析出させる核となるものである。めっき触媒5としては、無電解めっき用の触媒として知られたものであれば特に限定なく用いることができるものであり、まためっき触媒の前駆体を被着させて、めっき触媒を生成させるようにしてもよい。めっき触媒5の具体例としては、例えば、金属パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)等、または、これらを生成させるような前駆体を挙げることができる。
めっき触媒(その前駆体を含む)5を被着させる方法としては、例えば、pH1〜3の酸性条件下で処理される酸性Pd−Snコロイド溶液で処理した後、酸溶液で処理するような方法を挙げることができる。具体的には、例えば、次のような方法を挙げることができ。まず、回路形成用溝2が形成された絶縁基材1の表面に付着している油分等を界面活性剤の溶液(クリーナー・コンディショナー)中で所定の時間湯洗する。次に、必要に応じて、過硫酸ナトリウム−硫酸系のソフトエッチング剤でソフトエッチング処理する。そして、pH1〜2の硫酸水溶液や塩酸水溶液等の酸性溶液中でさらに酸洗する。次に、濃度0.1%程度の塩化第一錫水溶液等を主成分とするプリディップ液に浸漬して絶縁基材1の表面に塩化物イオンを吸着させるプリディップ処理を行う。その後、塩化第一錫と塩化パラジウムを含む、pH1〜3の酸性Pd−Snコロイド等の酸性めっき触媒コロイド溶液にさらに浸漬することによりPd及びSnを凝集させて吸着させる。そして、吸着した塩化第一錫と塩化パラジウムとの間で、酸化還元反応(SnCl2+PdCl2→SnCl4+Pd↓)を起こさせる。これにより、めっき触媒である金属パラジウムが析出する。
なお、酸性めっき触媒コロイド溶液としては、公知の酸性Pd−Snコロイドキャタリスト溶液等が使用でき、酸性めっき触媒コロイド溶液を用いた市販のめっきプロセスを用いてもよい。このようなプロセスは、例えば、ローム・アンド・ハース電子材料株式会社からシステム化されて販売されている。
上記のように回路形成用溝2の内周面も含めて絶縁基材1の表面にめっき触媒5を付着させた後、無電解めっき処理を行なう。無電解めっき処理の方法としては、めっき触媒5が被着された絶縁基材1を無電解めっき液に浸漬して、めっき触媒5が被着された部分に無電解めっき金属を析出させる方法等を用いることができる。
無電解めっきに用いる金属としては、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)等を挙げることができるが、これらの中でも、Cuを主成分とするめっきが導電性に優れている点から好ましい。また、Niを含む場合には、耐食性や、はんだとの密着性に優れる点から好ましい。
そしてこの無電解めっきによって、図1(c)に示すように、薄い無電解めっき膜6を形成することができる。この無電解めっき膜6は、めっき触媒5が被着している溝2内を含めた絶縁基材1の全面に形成される。またこの無電解めっき膜6は無電解めっきの基礎となる厚みの薄い膜でよく、例えば、0.1〜1.0μm程度の厚みに形成されるものである。
次に、無電解めっき膜6を形成したこの絶縁基材1を、例えば液温を高めてめっき速度を向上させた無電解めっき液に浸漬し、無電解めっきを継続する。このように無電解めっきを継続して行なうことによって、図1(d)に示すように、無電解めっき膜6の上に無電解めっき金属を析出させて無電解めっき層8を積層し、この無電気めっき層8で溝2内を埋めることができるものであり、無電解めっき膜6と無電解めっき層8からなる金属導体3で溝2内を充填することができるものである。
このように無電解めっき層8で溝2内が埋められるまで無電解めっきの処理を行なう。このとき、無電解めっき膜6は溝2の内周以外の絶縁基材1の表面にも形成されており、絶縁基材1の表面にも無電解めっき層8が積層されることになる。そこで、絶縁基材1の表面を研磨加工することによって、絶縁基材1の表面に露出する無電解めっき膜6及び無電解めっき層8を除去する。この研磨は、特に限定されるものではないが、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)で行なうことができる。CMPは化学研磨液を流しながら研磨パッドで絶縁基材1の表面を研磨する方法である。このようにCMPを行なう前に、絶縁基材1の表面に突出する無電解めっき膜6及び無電解めっき層8をエッチング液で大まかに溶解除去しておいてもよい。
上記のように絶縁基材1の表面の無電解めっき膜6及び無電解めっき層8を除去することによって、図1(e)に示すように、各溝2内に充填されている、無電解めっき膜6と無電解めっき層8からなる金属導体3は、各溝2ごとに独立することになり、この各溝2に充填された金属導体3で回路4を形成することができるものである。回路4を形成するこの金属導体3は、研磨によって、その表面が絶縁基材1の表面と面一になっている。そしてこの回路4を形成する金属導体3は、上記のように無電解めっきで形成されているので、金属導体3は粒塊が均一かつ微細化された結晶で形成されるものであり(後述の図3参照)、金属導体3の力学特性、熱特性、電気特性を高めることができ、信頼性の高い回路4を形成することができるものである。
ここで、金属導体3の結晶粒塊の大きさは、平均差し渡し長さが10μm以下に設定されるものであり、5μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることがさらに好ましい。結晶粒塊の平均差し渡し長さは小さいほど好ましく、下限は設定されない。結晶粒塊の平均差し渡し長さがこのように小さいことによって、金属導体3の結晶粒塊は均一かつ微細化されたものに形成されるものであり、金属導体3の力学特性、熱特性、電気特性を高めることができるものである。この平均差し渡し長さは、後述の図3や図4のように得られるSIM画像上の任意の箇所に、100μmの長さの直線を引き、この100μmの直線上に配置される各結晶粒塊について、100μmの直線上に沿った長さを測定し、この各結晶粒塊の長さの測定値の平均値をいうものである。つまり、100μmの直線上に配置される結晶粒塊の数を求め、100μmをこの結晶粒塊の数で割った値として、結晶粒塊の平均差し渡し長さを求めることができる。
図2は本発明の他の実施の形態を示すものである。上記の図1の実施の形態では、めっき触媒5を図1(b)のように形成した後、図1(c)のように薄い無電解めっき膜6を形成し、この無電解めっき膜6の上に無電解めっき層8を形成するようにしたが、図2の実施の形態では、図2(a)のように溝2内も含めて絶縁基材1の表面にめっき触媒5を付着させた後、絶縁基材1を無電解めっき液に継続して浸漬することによって、図2(b)のように、薄い無電解めっき膜6を形成することなく、無電解めっき層8だけで溝2内を埋めて充填し、無電解めっき層8だけで溝2内に金属導体3を充填するようにしてある。この場合も無電解めっき層8は溝2内だけでなく、絶縁基材1の表面にも形成されるので、絶縁基材1の表面に露出する無電解めっき層8を研磨して除去することによって、図2(c)のように各溝2に充填された金属導体3で回路4を形成することができるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
絶縁基材1として、厚み100μmのエポキシ樹脂基材(パナソニック電工(株)製のR1766)を用いた。そしてこの絶縁基材1の表面にレーザ加工により、幅20μm、深さ30μmの略長方形断面の溝2を形成する加工を行なった(図1(a)参照)。なお、レーザ加工にはUV−YAGレーザを備えたESI社製のMODEL5330を用いた。
絶縁基材1として、厚み100μmのエポキシ樹脂基材(パナソニック電工(株)製のR1766)を用いた。そしてこの絶縁基材1の表面にレーザ加工により、幅20μm、深さ30μmの略長方形断面の溝2を形成する加工を行なった(図1(a)参照)。なお、レーザ加工にはUV−YAGレーザを備えたESI社製のMODEL5330を用いた。
そして、この溝2を形成した絶縁基材1を、クリーナーコンディショナー(界面活性剤溶液、pH<1:ローム&ハース電子材料(株)製C/N3320)中に38℃の条件で5分間浸漬して、クリーナーコンディショナー処理し、その後、50℃の湯で1分間水洗した。次に、PD404(シプレイ・ファーイースト(株)製、pH<1)を用いて、38℃、1分の条件でプリディップ工程を行ない、水洗した。そして、塩化第一錫と塩化パラジウムを含むpH1の酸性Pd−Snコロイド溶液(CAT44、シプレイ・ファーイースト(株)製)に38℃の条件3分間浸漬することにより、無電解銅めっきの核となるパラジウムをスズ−パラジウムコロイドの状態で絶縁基材1に吸着させるキャタリスト処理を行ない、水洗した。次に、pH<1のアクセラレータ薬液(ACC19E、シプレイ・ファーイースト(株)製)に38℃の条件で7分間浸漬することにより、めっき触媒5としてパラジウム核を発生させるアクセレータ処理を行なった(図1(b)参照)。
この後、このようにめっき触媒5を付着した絶縁基材1を、無電解銅めっき液(CM328A,CM328L、CM328C、シプレイ・ファーイースト(株)製)に、38℃の条件で15分間浸漬させることによって無電解銅めっき処理を行ない、膜厚 μmの無電解銅めっき膜6を析出させた(図1(c)参照)。次いで、60℃で15分間乾燥し、180℃で60分間加熱してアニールした。
次に、上記のように電解銅めっき膜6を形成した絶縁基材1を酸性クリーナーで、40℃、5分の条件で洗浄し、40℃の湯で1分間水洗した。次いで硫酸系エッチング処理液を用い、25℃で0.5分間処理してマイクロエッチングを行ない、水洗した。さらに25℃で1分間、酸洗処理し、水洗した。
この後、無電解めっき液(CM328A,CM328L、CM328C、シプレイ・ファーイースト(株)製)に、70℃の条件で300分間浸漬させることによって無電解銅めっき処理を行ない、膜厚35μmの無電解銅めっき層8を析出させ、溝2内をこの無電解めっき層8で完全に埋めるようにした(図1(d)。次いで、60℃で15分間乾燥した。
次に、絶縁基材1の表面をCMP法により研磨して、溝2内に充填された無電解銅めっき膜6及び無電解銅めっき層8を除いて、絶縁基材1の表面に露出する無電解銅めっき膜6及び無電解銅めっき層8を除去した(図1(e))。このようにして、溝2内に充填された無電解銅めっき膜6及び無電解銅めっき層8からなる金属導体3によって回路4を形成した、回路基板を得た。
回路4を形成する金属導体3はこのように無電解銅めっきによって形成されているものであり、金属導体3の結晶をSIM(Scaning Ion Microscope:走査イオン顕微鏡)で観察したところ、図3に示すように、結晶粒塊は均一で且つ微細化されたものであった。そして図3のSIM画像に基づいて、既述の方法で測定した結晶粒塊の平均差し渡し長さは4μmであった。
(比較例1)
実施例1と同様にして、絶縁基材1の表面に溝2を加工し(図5(a)参照)、また実施例1と同じ条件で処理して、絶縁基材1の表面にめっき触媒5を形成した(図5(b)参照)。さらに実施例1と同じ条件で処理して、絶縁基材1の表面に無電解銅めっき膜6を形成した(図5(c)参照)。
実施例1と同様にして、絶縁基材1の表面に溝2を加工し(図5(a)参照)、また実施例1と同じ条件で処理して、絶縁基材1の表面にめっき触媒5を形成した(図5(b)参照)。さらに実施例1と同じ条件で処理して、絶縁基材1の表面に無電解銅めっき膜6を形成した(図5(c)参照)。
このように絶縁基材1に無電解銅めっき膜6を形成した後、酸性クリーナーで、40℃、1分の条件で洗浄し、40℃の湯で1分間水洗した。次いで25℃で1分間、酸洗処理し、水洗した。
この後、無電解銅めっき膜6に電流密度1A/dm2の直流電流を通電して、電解銅めっき液(上村工業社製「EVF−UF」)に、25℃の条件で90分間浸漬させることによって電解銅めっき処理を行ない、膜厚35μmの電解銅めっき層7を析出させ、溝2内をこの電解銅めっき層7で完全に埋めるようにした(図5(d))。次いで、60℃で15分間乾燥した。
次に、絶縁基材1の表面をCMP法により研磨して、溝2内に充填された無電解銅めっき膜6及び電解銅めっき層7を除いて、絶縁基材1の表面に露出する無電解銅めっき膜6及び電解銅めっき層7を除去した(図5(e))。このようにして、溝2内に充填された無電解銅めっき膜6及び無電解銅めっき層7からなる金属導体3によって回路4を形成した、回路基板を得た。
回路4を形成する金属導体3はこのように電解銅めっきによって形成されているものであり、金属導体3の結晶をSIMで観察したところ、図4に示すように、結晶粒塊が大きく、不均一なものであった。そして図4のSIM画像に基づいて、既述の方法で測定した結晶粒塊の平均差し渡し長さは12μmであった。
1 絶縁基材
2 回路形成用溝
3 金属導体
4 回路
2 回路形成用溝
3 金属導体
4 回路
Claims (2)
- 絶縁基材の表面に回路形成用溝を形成すると共に、回路形成用溝内にめっきにより形成された金属導体を充填して成り、この金属導体の結晶粒塊は平均差し渡し長さが10μm以下であることを特徴とする回路基板。
- 回路形成用溝内の金属導体は無電解めっきで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
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JP2007088288A (ja) * | 2005-09-22 | 2007-04-05 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 回路基板、その製造方法及び多層回路基板 |
JP2009081211A (ja) * | 2007-09-25 | 2009-04-16 | Panasonic Electric Works Co Ltd | めっき核入り絶縁樹脂組成物及びプリント配線板の製造方法 |
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2009
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