JP2011100798A - 回路基板 - Google Patents

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剛 武田
Hiromitsu Takashita
博光 高下
Hiroaki Fujiwara
弘明 藤原
Shingo Yoshioka
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【課題】絶縁層の回路溝内に設けられると共にビアに接続された電気回路の、伝送ロスを低減することができる回路基板を提供する。
【解決手段】回路基板は、絶縁層1と、この絶縁層1に設けられた電気回路2及びビア3とを備える。前記絶縁層1には回路溝4と、この回路溝4に連通する通孔5とが形成されている。前記電気回路2が前記回路溝4内に設けられていると共に、前記ビア3が前記通孔5内に設けられている。前記回路溝4の内面の表面粗さが、前記通孔5の内面の表面粗さよりも小さいことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁層、電気回路及びビアを備える回路基板に関する。
携帯電話機等の携帯情報端末機器;コンピュータ及びその周辺機器;各種情報家電製品、等の電気機器において、高機能化が急速に進行している。それに伴って、これら電気機器に搭載される回路基板には、電気回路2のさらなる高密度化が要求されている。このような電気回路2の高密度化の要求を満たすために、線幅及び線間隔(隣り合う電気回路2と電気回路2との間の部分の幅)のより狭い電気回路2の電気回路2を正確に形成できる方法が求められている。
このような回路基板を作製するにあたり、近年、半導体装置の製造などに利用されているCMP(Chemical Mechanical Polish)法(特許文献1参照)を利用して、絶縁層1の回路溝4内に電気回路2を形成することが検討されている。
図8に示す例では、まず図8(a)に示される裏面側に第一電気回路7が設けられている絶縁層1の表面側にレーザ加工を施すことで、図8(b)に示すように回路溝4を形成する。このとき、更に回路溝4の底部にレーザ加工を施すことで、回路溝4の底部から第一電気回路7の表面に至る通孔5を形成する。この通孔5の底部で露出する第一電気回路7の表面には、スミア11が残る。
次に、この絶縁層1の表面側をデスミア処理液で処理することで、図8(c)に示すように前記スミア11を除去する。このとき同時に絶縁層1の表面側を粗面化してめっき付着性を向上する。
次に、図8(d)に示すように、この絶縁層1の表面側に無電解めっき処理を施して無電解めっき膜10を形成する。次に、図8(e)に示すように、この無電解めっき膜10の上面に電解めっき処理を施してめっき層を堆積させる。これにより、通孔5内に堆積しためっき層によってビア3が形成されると共に、回路溝4内に堆積しためっき層によって第二電気回路2が形成される。また、めっき層は更に絶縁層1の表面全体を覆うように堆積する。
次に、図8(f)に示すように、CMP法により絶縁層1の表面側のめっき層を研磨して除去する。これにより絶縁層1の表面及び第二電気回路2の表面を外部に露出させる。
しかし、このようにして回路基板を作製すると、絶縁層1に設けられる第二電気回路2における伝送ロスが大きくなるという問題があることが明らかとなった。
特開2000−49162号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、絶縁層の回路溝内に設けられると共にビアに接続された電気回路の、伝送ロスを低減することができる回路基板を提供することを目的とする。
本発明者らが、従来技術における電気回路2の伝送ロスの発生の原因について検討したところ、通孔5内のスミア11をデスミア処理により除去する際に、同時に回路溝4の内面がデスミア処理液によって粗化されてしまうことが判明した。このため図9に示すように、回路基板において電気回路2と絶縁層1との界面が粗化され、その結果、電気回路2に伝送ロスが生じるものと考えられる。当該知見に基づき本発明者らは鋭意研究の結果、本発明の完成に至った。
本発明に係る回路基板は、絶縁層1と、この絶縁層1に設けられた電気回路2及びビア3とを備え、前記絶縁層1には回路溝4と、この回路溝4に連通する通孔5とが形成され、前記電気回路2が前記回路溝4内に設けられていると共に、前記ビア3が前記通孔5内に設けられ、前記回路溝4の内面の表面粗さが、前記通孔5の内面の表面粗さよりも小さいことを特徴とする。
本発明においては、前記通孔の内面の表面粗さと、回路溝の内面の表面粗さの比(通孔の内面の表面粗さ/回路溝の内面の表面粗さ)が1.05〜200の範囲であることが好ましい。
また、本発明においては、前記回路溝4の内面の、JIS B0601:2001で規定される表面粗さ(算術平均粗さ)Raが0.01〜0.5μmの範囲であることが好ましい。
また、本発明においては、前記通孔5の内面の、JIS B0601:2001で規定される表面粗さ(算術平均粗さ)Raが0.5〜2μmの範囲であることが好ましい。
本発明によれば、絶縁層の回路溝の内面の表面粗さを小さくすることで、回路溝と、この回路溝の内側の電気回路との界面が平滑化し、このため電気回路における伝送ロスを低減することができる。
本発明の実施の形態の一例を示す、回路基板の断面図である。 (a)乃至(e)は同上の回路基板の第一の製造法の工程を示す断面図である。 (a)乃至(d)は同上の第一の製造法の、図2に示される工程に続く工程を示す断面図である。 (a)乃至(e)は同上の回路基板の第二の製造法の工程を示す断面図である。 (a)乃至(d)は同上の第二の製造法の、図4に示される工程に続く工程を示す断面図である。 (a)乃至(d)は同上の回路基板の第三の製造法の工程を示す断面図である。 (a)乃至(d)は同上の第三の製造法の、図6に示される工程に続く工程を示す断面図である。 (a)乃至(f)は従来の回路基板の製造工程の一例を示す断面図である。 従来の回路基板の一例を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1に本発明に係る回路基板の構成の一例を示す。この回路基板は第一絶縁層6、第一電気回路7、絶縁層1(第二絶縁層1)、電気回路2(第二電気回路2)が、順次積層した構成を有している。
第一絶縁層6の上面は平坦に形成されており、この第一絶縁層6の上面上に第二電気回路2が積層して設けられている。第二絶縁層1は第一絶縁層6の上面上にこの第一絶縁層6と接するように積層されており、このため第一電気回路7は第二絶縁層1に埋設されている。第二絶縁層1の上面には回路溝4が形成されており、この回路溝4内に第二電気回路2が設けられている。また第二絶縁層1には第一電気回路7と第二電気回路2とを連通する通孔5が形成され、この通孔5内には第一電気回路7と第二電気回路2とを導通するビア3が設けられている。
この回路基板における、前記回路溝4の内面の表面粗さは、前記通孔5の内面の表面粗さよりも小さくなっている。このため、回路溝4の内面と、この回路溝4内に設けられている第二電気回路2との間の界面の平滑性が高くなり、これにより、第二電気回路2における伝送ロスが小さくなる。
この第二電気回路2における伝送ロスを充分に小さくするためには、回路溝4の内面の表面粗さが0.01〜0.5μmの範囲であることが好ましく、0.05〜0.4μmの範囲であれば更に好ましい。このように回路溝4の内面の表面粗さが0.5μm以下、特に0.4μm以下であることで、回路溝4の内面と第二電気回路2との間の界面に平滑性が充分に高くなり、伝送ロスが著しく小さくなる。
また、通孔5の内面の表面粗さは0.5〜2μmの範囲であることが好ましく、0.5〜1.5μmの範囲であれば更に好ましい。この場合、通孔5の内面での、ビア3を構成する導体(めっき層)と第二絶縁層1との密着力が向上し、回路基板の信頼性向上につながる。
また、前記通孔5の内面の表面粗さと、回路溝4の内面の表面粗さの比(通孔5の内面の表面粗さ/回路溝4の内面の表面粗さ)が1.05〜200の範囲であることが好ましく、1.2〜50の範囲であれば更に好ましい。
このような回路基板は、適宜に方法で製造することができる。以下、この回路基板の製造法の例を示す。
[第一の製造法]
図2及び図3に、回路基板の第一の製造法を示す。この回路基板の第一の製造法について説明する。
第一絶縁層6は、回路基板の製造に用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、樹脂を含む樹脂基材等で形成される。
前記樹脂基材としては、回路基板、例えば、多層回路基板の製造に用いられうる各種有機基板が特に限定なく採用可能である。有機基板の具体例としては、従来から多層回路基板の製造に使用される、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、シアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂等からなる基板が挙げられる。
前記エポキシ樹脂としては、回路基板の製造に用いられうる各種有機基板を構成するエポキシ樹脂であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、アラルキルエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。さらに、難燃性を付与するために、臭素化又はリン変性した、上記エポキシ樹脂、窒素含有樹脂、シリコーン含有樹脂等も挙げられる。また、前記エポキシ樹脂及び樹脂としては、上記各エポキシ樹脂および樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記各樹脂で基材を構成する場合、一般的に、硬化させるために、硬化剤を含有させる。前記硬化剤としては、硬化剤として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ジシアンジアミド、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミノトリアジンノボラック系硬化剤、シアネート樹脂等が挙げられる。前記フェノール系硬化剤としては、例えば、ノボラック型、アラルキル型、テルペン型等が挙げられる。更に難燃性を付与するためリン変性したフェノール樹脂または、リン変性したシアネート樹脂等もあげられる。また、前記硬化剤としては、上記各硬化剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また特に限定されないが、レーザ加工により回路パターンを形成することから、100〜400nm波長領域でのレーザ光の吸収率が良い樹脂等用いることが好ましい。例えば、具体的には、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、前記第一絶縁層6は、フィラーを含有していてもよい。前記フィラーとしては、無機微粒子であっても、有機微粒子であってもよく、特に限定されない。フィラーを含有することで、レーザ加工部にフィラーが露出し、フィラーの凹凸によるめっきと樹脂との密着性をあげることが可能である。
前記無機微粒子を構成する材料としては、具体的には、例えば、酸化アルミニウム(Al)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、シリカ(SiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、酸化チタン(TiO)等の高誘電率充填材;ハードフェライト等の磁性充填材;水酸化マグネシウム(Mg(OH))、水酸化アルミニウム(Al(OH))、三酸化アンチモン(Sb)、五酸化アンチモン(Sb)、グアニジン塩、ホウ酸亜鉛、モリブテン化合物、スズ酸亜鉛等の無機系難燃剤;タルク(Mg(Si10)(OH))、硫酸バリウム(BaSO)、炭酸カルシウム(CaCO)、雲母等が挙げられる。前記無機微粒子としては、上記無機微粒子を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの無機微粒子は、熱伝導性、比誘電率、難燃性、粒度分布、色調の自由度等が高いことから、所望の機能を選択的に発揮させる場合には、適宜配合及び粒度設計を行って、容易に高充填化を行うことができる。また特に限定はされないが、第一絶縁層6の厚み以下の平均粒径のフィラーを用いるのが好ましく、更には0.01〜10μm、更に好ましくは、0.05μm〜5μmの平均粒径のフィラーを用いるのがよい。
また、前記無機微粒子は、前記第一絶縁層6中での分散性を高めるために、シランカップリング剤で表面処理してもよい。また、前記第一絶縁層6は、前記無機微粒子の、前記第一絶縁層6中での分散性を高めるために、シランカップリング剤を含有してもよい。前記シランカップリング剤としては、特に限定されない。具体的には、例えば、エポキシシラン系、メルカプトシラン系、アミノシラン系、ビニルシラン系、スチリルシラン系、メタクリロキシシラン系、アクリロキシシラン系、チタネート系等のシランカップリング剤等が挙げられる。前記シランカップリング剤としては、上記シランカップリング剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記第一絶縁層6は、前記無機微粒子の、前記第一絶縁層6中での分散性を高めるために、分散剤を含有してもよい。前記分散剤としては、特に限定されない。具体的には、例えば、アルキルエーテル系、ソルビタンエステル系、アルキルポリエーテルアミン系、高分子系等の分散剤等が挙げられる。前記分散剤としては、上記分散剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記有機微粒子としては、具体的には、例えば、ゴム微粒子等が挙げられる。
また、前記第一絶縁層6の形態としては、特に限定されない。具体的には、シート、フィルム、プリプレグ、及び三次元形状の成形体等が挙げられる。第一絶縁層6の厚みは、特に限定されない。具体的には、シート、フィルム、プリプレグの場合には、例えば、10〜500μmであることが好ましく、20〜200μm程度であることがより好ましい。また、第一絶縁層6としては、シリカ粒子等の無機微粒子を含有してもよい。
この第一絶縁層6の表面上に第一電気回路7を形成する。第一電気回路7は、サブトラクティブ法、アディティブ法等の従来から知られた電気回路形成方法により形成され得る。
図2(a)に示すように、第一絶縁層6の表面に第二絶縁層1を積層する。これにより、第一電気回路7が第二絶縁層1に埋設される。第二絶縁層1は、例えば第一絶縁層6と同様の各種有機基板で形成される。
また、第二絶縁層1は、第一絶縁層6の表面上に樹脂溶液を塗布した後、硬化させることにより形成してもよい。このような方法に用いられる樹脂溶液としては、従来から多層回路基板の製造に用いられているような、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂溶液が特に制限なく用いられ得る。
また、例えば、第一絶縁層6の表面に絶縁基材を重ね合わせ、加熱プレスすることにより第二絶縁層1を形成してもよい。絶縁基材としてプリプレグを用いる場合には、この加熱プレスにより硬化させることが好ましい。
次に、図2(b)に示すように、第二絶縁層1の表面に樹脂被膜8を形成する(被膜形成工程)。
前記樹脂被膜8は、被膜除去工程で除去可能なものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、有機溶剤やアルカリ溶液により容易に溶解しうる可溶型樹脂や、後述する所定の液体(膨潤液)で膨潤しうる樹脂からなる膨潤性樹脂被膜8等が挙げられる。これらの中では、正確な除去が容易である点から膨潤性樹脂被膜8が特に好ましい。また、前記膨潤性樹脂被膜8としては、例えば、前記液体(膨潤液)に対する膨潤度が50%以上であることが好ましい。なお、前記膨潤性樹脂被膜8には、前記液体(膨潤液)に対して実質的に溶解せず、膨潤により前記第二絶縁層1表面から容易に剥離するような樹脂被膜8だけではなく、前記液体(膨潤液)に対して膨潤し、さらに少なくとも一部が溶解し、その膨潤や溶解により前記第二絶縁層1表面から容易に剥離するような樹脂被膜8や、前記液体(膨潤液)に対して溶解し、その溶解により前記第二絶縁層1表面から容易に剥離するような樹脂被膜8も含まれる。
前記樹脂被膜8の形成方法としては、特に限定されない。具体的には、例えば、前記第二絶縁層1の表面に、樹脂被膜8を形成しうる液状材料を塗布した後、乾燥させる方法や、支持基板に前記液状材料を塗布した後、乾燥することにより形成される樹脂被膜8を第二絶縁層1の表面に転写する方法等が挙げられる。なお、液状材料を塗布する方法としては、特に限定されない。具体的には、例えば、従来から知られたスピンコート法やバーコータ法等が挙げられる。
前記樹脂被膜8の厚みとしては、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。一方、前記樹脂被膜8の厚みとしては、0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。前記樹脂被膜8の厚みが厚すぎる場合には、前記回路パターン形成工程におけるレーザ加工又は機械加工によって形成される回路溝4や貫通孔5等の回路パターン部の精度が低下する傾向がある。また、前記樹脂被膜8の厚みが薄すぎる場合は、均一な膜厚の樹脂被膜8を形成しにくくなる傾向がある。
次に、前記樹脂被膜8として好適な膨潤性樹脂被膜8を例に挙げて説明する。
前記膨潤性樹脂被膜8としては、膨潤液に対する膨潤度が50%以上である樹脂被膜8が好ましく用いられうる。さらに、膨潤液に対する膨潤度が100%以上である樹脂被膜8がより好ましい。なお、前記膨潤度が低すぎる場合には、前記被膜除去工程において膨潤性樹脂被膜8が剥離しにくくなる傾向がある。
前記膨潤性樹脂被膜8の形成方法は、特に限定されず、上述した樹脂被膜8の形成方法と同様の方法であればよい。具体的には、例えば、前記第二絶縁層1の表面に、膨潤性樹脂被膜8を形成しうる液状材料を塗布した後、乾燥させる方法や、支持基板に前記液状材料を塗布した後、乾燥することにより形成される膨潤性樹脂被膜8を第二絶縁層1の表面に転写する方法等が挙げられる。
前記膨潤性樹脂被膜8を形成しうる液状材料としては、例えば、エラストマーのサスペンジョン又はエマルション等が挙げられる。前記エラストマーの具体例としては、例えば、スチレン−ブタジエン系共重合体等のジエン系エラストマー、アクリル酸エステル系共重合体等のアクリル系エラストマー、及びポリエステル系エラストマー等が挙げられる。このようなエラストマーによれば、サスペンジョン又はエマルションとして分散されたエラストマー樹脂粒子の架橋度又はゲル化度等を調整することにより所望の膨潤度の膨潤性樹脂被膜8を容易に形成することができる。
また、前記膨潤性樹脂被膜8としては、特に、膨潤度が膨潤液のpHに依存して変化するような被膜であることが好ましい。このような被膜を用いた場合には、前記触媒被着工程における液性条件と、前記被膜除去工程における液性条件とを異なるものにすることにより、触媒被着工程におけるpHにおいては膨潤性樹脂被膜8は絶縁基材に対する高い密着力を維持し、被膜除去工程におけるpHにおいては容易に膨潤性樹脂被膜8を剥離させることができる。
さらに具体的には、例えば、前記触媒被着工程が、例えば、pH1〜3の範囲の酸性めっき触媒コロイド溶液(酸性触媒金属コロイド溶液)中で処理する工程を備え、前記被膜除去工程がpH12〜14の範囲のアルカリ性溶液中で膨潤性樹脂被膜8を膨潤させる工程を備える場合には、前記膨潤性樹脂被膜8は、前記酸性めっき触媒コロイド溶液に対する膨潤度が60%以下、さらには40%以下であり、前記アルカリ性溶液に対する膨潤度が50%以上、さらには100%以上、さらには500%以上であるような樹脂被膜8であることが好ましい。
このような膨潤性樹脂被膜8の例としては、所定量のカルボキシル基を有するエラストマーから形成されるシートや、プリント回路基板のパターニング用のドライフィルムレジスト(以下、DFRとも呼ぶ)等に用いられる光硬化性のアルカリ現像型のレジストを全面硬化して得られるシートや、熱硬化性やアルカリ現像型シート等が挙げられる。
カルボキシル基を有するエラストマーの具体例としては、カルボキシル基を有するモノマー単位を共重合成分として含有することにより、分子中にカルボキシル基を有する、スチレン−ブタジエン系共重合体等のジエン系エラストマー;アクリル酸エステル系共重合体等のアクリル系エラストマー;及びポリエステル系エラストマー等が挙げられる。このようなエラストマーによれば、サスペンジョン又はエマルションとして分散されたエラストマーの、酸当量,架橋度またはゲル化度等を調整することにより所望のアルカリ膨潤度を有する膨潤性樹脂被膜8を形成することができる。エラストマー中のカルボキシル基はアルカリ水溶液に対して膨潤性樹脂被膜8を膨潤させて、絶縁基材表面から膨潤性樹脂被膜8を剥離する作用をする。また、酸当量とは、1当量のカルボキシル基当たりのポリマー重量である。
カルボキシル基を有するモノマー単位の具体例としては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、及びマレイン酸無水物等が挙げられる。
このようなカルボキシル基を有するエラストマー中のカルボキシル基の含有割合としては、酸当量で100〜2000、さらには100〜800であることが好ましい。酸当量が小さすぎる場合には、溶媒または他の組成物との相溶性が低下することにより、めっき前処理液に対する耐性が低下する傾向がある。また、酸当量が大きすぎる場合には、アルカリ水溶液に対する剥離性が低下する傾向がある。
また、エラストマーの分子量としては、1万〜100万、さらには、2万〜6万であることが好ましい。エラストマーの分子量が大きすぎる場合には剥離性が低下する傾向があり、小さすぎる場合には粘度が低下するために膨潤性樹脂被膜8の厚みを均一に維持することが困難になるとともに、めっき前処理液に対する耐性も悪化する傾向がある。
また、DFRとしては、所定量のカルボキシル基を含有する、アクリル系樹脂;エポキシ系樹脂;スチレン系樹脂;フェノール系樹脂;ウレタン系樹脂等を樹脂成分とし、光重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物のシートが用いられうる。このようなDFRの具体例としては、特開2000−231190号公報、特開2001−201851号公報、特開平11−212262号公報に開示されたような光重合性樹脂組成物のドライフィルムを全面硬化させて得られるシートや、アルカリ現像型のDFRとして市販されている、例えば、旭化成株式会社製のUFGシリーズ等が挙げられる。
さらに、その他の膨潤性樹脂被膜8の例としては、カルボキシル基を含有する、ロジンを主成分とする樹脂(例えば、吉川化工株式会社製の「NAZDAR229」)やフェノールを主成分とする樹脂(例えば、LEKTRACHEM社製「104F」)等が挙げられる。
膨潤性樹脂被膜8は、絶縁基材表面に樹脂のサスペンジョン又はエマルションを従来から知られたスピンコート法やバーコータ法等の塗布手段を用いて塗布した後、乾燥する方法や、支持基板に形成されたDFRを真空ラミネータ等を用いて絶縁基材表面に貼りあわせた後、全面硬化することにより容易に形成することができる。
また、前記樹脂被膜8としては、上記のものに加えて、以下のようなものが挙げられる。例えば、前記樹脂被膜8を構成するレジスト材料としては、以下のようなものが挙げられる。
前記樹脂被膜8を構成するレジスト材料に必要な特性としては、例えば、(1)後述の触媒被着工程で、樹脂被膜8が形成された絶縁基材を浸漬させる液体(めっき核付け薬液)に対する耐性が高いこと、(2)後述の被膜除去工程、例えば、樹脂被膜8が形成された絶縁基材をアルカリに浸漬させる工程によって、樹脂被膜8(レジスト)が容易に除去できること、(3)成膜性が高いこと、(4)ドライフィルム(DFR)化が容易なこと、(5)保存性が高いこと等が挙げられる。
めっき核付け薬液としては、後述するが、例えば、酸性Pd−Snコロイドキャタリストシステムの場合、全て酸性(pH1〜2)水溶液である。また、アルカリ性Pdイオンキャタリストシステムの場合は、触媒付与アクチベーターが弱アルカリ(pH8〜12)であり、それ以外は酸性である。以上のことから、めっき核付け薬液に対する耐性としては、pH1〜11、好ましくはpH1〜12に耐えることが必要である。なお、耐えうるとは、レジストを成膜したサンプルを薬液に浸漬した際、レジストの膨潤や溶解が充分に抑制され、レジストとしての役割を果たすことである。また、浸漬温度は、室温〜60℃、浸漬時間は、1〜10分間、レジスト膜厚は、1〜10μm程度が一般的であるが、これらに限定されない。
被膜除去工程に用いるアルカリ剥離の薬液としては、後述するが、例えば、NaOH水溶液や炭酸ナトリウム水溶液が一般的である。そのpHは、11〜14であり、好ましくはpH12から14でレジスト膜が簡単に除去できることが望ましい。NaOH水溶液濃度は、1〜10%程度、処理温度は、室温〜50℃、処理時間は、1〜10分間で、浸漬やスプレイ処理をすることが一般的であるが、これらに限定されない。
絶縁材料上にレジストを形成するため、成膜性も重要となる。はじき等がない均一性な膜形成が必要である。また、製造法の簡素化や材料ロスの低減等のためにドライフィルム化されるが、ハンドリング性を確保するためにフィルムの屈曲性が必要である。また絶縁材料上にドライフィルム化されたレジストをラミネーター(ロール、真空)で貼り付ける。貼り付けの温度は、室温〜160℃、圧力や時間は任意である。このように、貼り付け時に粘着性が求められる。そのために、ドライフィルム化されたレジストはゴミの付着防止も兼ねて、キャリアフィルム、カバーフィルムでサンドイッチされた3層構造にされることが一般的であるが、これらに限定されない。
保存性は、室温での保存できることがもっとも良いが、冷蔵、冷凍での保存ができることも必要である。このように低温時にドライフィルムの組成が分離したり、屈曲性が低下して割れたりしないようにすることが必要である。
また、前記樹脂被膜8としては、(a)分子中に重合性不飽和基を少なくとも1個有するカルボン酸又は酸無水物の少なくとも1種類以上の単量体と(b)前記(a)単量体と重合しうる少なくとも1種類以上の単量体を重合させることで得られる重合体樹脂又は前記重合体樹脂を含む樹脂組成物からなるものが挙げられる。
前記樹脂組成物としては、メイン樹脂として前記重合体樹脂を必須成分とし、オリゴマー、モノマー、フィラーやその他添加剤の少なくとも1種類を添加してもよい。メイン樹脂は熱可塑的性質を持ったリニア型のポリマーが良い。流動性、結晶性などをコントロールするためにグラフトさせて枝分かれさせることもある。その分子量としては、数平均分子量で1000〜500000程度であり、5000〜50000が好ましい。分子量が小さすぎると、膜の屈曲性やめっき核付け薬液耐性(耐酸性)が低下する傾向がある。また、分子量が大きすぎると、アルカリ剥離性やドライフィルムにした場合の貼り付け性が悪くなる傾向がある。さらに、めっき核付け薬液耐性向上やレーザ加工時の熱変形抑制、流動制御のために架橋点を導入してもよい。
メイン樹脂の組成としては、(a)分子中に重合性不飽和基を少なくとも1個有するカルボン酸または酸無水物の単量体と(b)(a)単量体と重合しうる単量体を重合させることで得られる。公知技術としては、例えば、特開平7−281437号公報、特開2000−231190号公報、及び特開2001−201851号公報に記載のもの等が挙げられる。
(a)の一例として、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステル、アクリル酸ブチル等が挙げられ、単独、もしくは2種類以上を組み合わせても良い。(b)の例としては、非酸性で分子中に重合性不飽和基を一個有するものが一般的であるが、その限りではない。めっき工程での耐性、硬化膜の可とう性等の種々の特性を保持するように選ばれる。具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert.−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート類等が挙げられる。また、酢酸ビニル等のビニルアルコールのエステル類や(メタ)アクリロニトリル、スチレンまたは重合可能なスチレン誘導体等が挙げられる。また、上記の重合性不飽和基を分子中に一個有するカルボン酸または酸無水物のみの重合によっても得ることができる。さらには、3次元架橋できるように、重合体に用いる単量体に複数の不飽和基を持つ単量体を選定する、分子骨格にエポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基、ビニル基などの反応性官能基を導入することができる。樹脂中にカルボキシル基が含まれる場合、樹脂中に含まれるカルボキシル基の量は、酸当量で100〜2000が良く、100〜800が好ましい。ここで酸当量とはその中に1当量のカルボキシル基を有するポリマーの重量をいう。その酸当量が低すぎる場合、溶媒または他の組成物との相溶性の低下やめっき前処理液耐性が低下する傾向がある。また、酸当量が高すぎる場合、剥離性が低下する傾向がある。また、(a)単量体の組成比率は、5〜70重量%である。
モノマーやオリゴマーとしては、めっき核付け薬液への耐性やアルカリで容易に除去できるようなものであれば何でも良い。またドライフィルム(DFR)の貼り付け性を向上させるために粘着性付与材として可塑剤的に用いることが考えられる。さらに各種耐性をあげるために架橋剤を添加する。具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert.−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート類等が挙げられる。また、酢酸ビニル等のビニルアルコールのエステル類や(メタ)アクリロニトリル、スチレンまたは重合可能なスチレン誘導体等も挙げられる。また、上記の重合性不飽和基を分子中に一個有するカルボン酸または酸無水物のみの重合によっても得ることが出来る。さらに、多官能性不飽和化合物を含んでも良い。上記のモノマーもしくはモノマーを反応させたオリゴマーのいずれでも良い。上記のモノマー以外に他の光重合性モノマーを二種類以上含むことも可能である。このモノマーの例としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、またポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、ウレタン基を含有する多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、上記のモノマーもしくはモノマーを反応させたオリゴマーのいずれでも良い。
さらに、フィラーを含有してもよい。フィラーは特に限定されないが、具体的には、例えば、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ、酸化亜鉛、タルク、マイカ、ガラス、チタン酸カリウム、ワラストナイト、硫酸マグネシウム、ホウ酸アルミニウム、有機フィラー等が挙げられる。またレジストの厚みは、一般的に1〜10μmと薄いため、フィラーサイズも小さいものが好ましい。平均粒径が小さく、粗粒をカットしたものを用いることが良いが、分散時に砕いたり、ろ過で粗粒を除去することもできる。
その他の添加剤としては、例えば、光重合性樹脂(光重合開始剤)、重合禁止剤、着色剤(染料、顔料、発色系顔料)、熱重合開始剤、エポキシやウレタンなどの架橋剤等が挙げられる。
本発明のプリント板加工プロセスでは、例えば、レーザ加工が用いられる場合があるが、レーザ加工の場合、レジスト材料にレーザによるアブレーション性を付与することが必要である。レーザ加工機は、例えば、炭酸ガスレーザやエキシマレーザ、UV−YAGレーザなどが選定される。これらのレーザ加工機は、種々の固有の波長を持っており、この波長に対して吸収率の高い材料にすることで、生産性を向上させることができる。そのなかでもUV−YAGレーザは微細加工に適しており、レーザ波長は3倍高調波355nm、4倍高調波266nmであるため、レジスト材料としては、これらの波長に対して、吸収率が50%以上になることが望ましい。
次に、図2(c)に示すように、樹脂被膜8を部分的に除去すると共にこの除去した部分において更に第二絶縁層1の表面から樹脂を除去することで、第二絶縁層1に回路溝4を形成する(回路溝形成工程)。
この回路溝4の形成方法としては、特に限定されない。具体的には、例えば、前記樹脂被膜8が形成された第二絶縁層1に、前記樹脂被膜8の外表面側から、レーザ加工、及びダイシング加工等の切削加工や型押加工等の機械加工等を施すことにより、所望の形状及び深さの回路溝4を形成する方法等が挙げられる。高精度の微細な電気回路2を形成する場合には、レーザ加工を用いることが好ましい。レーザ加工によれば、レーザの出力等を変化させることにより、切削深さ等を自由に調整することができる。また、型押加工としては、例えば、ナノインプリントの分野において用いられるような微細樹脂型による型押加工が好ましく用いられうる。
この工程により、前記回路溝4の形状及び深さ及び位置等の回路パターンの形状が規定される。この回路溝形成工程で形成される回路溝4の幅は特に限定されない。なお、レーザ加工を用いた場合には、線幅20μm以下のような微細な電気回路2も容易に形成できる。また、回路溝4の深さは、電気回路2と第二絶縁層1とに段差をなくした場合には、本実施形態で形成する電気回路2の深さとなる。
このように回路溝4を形成する際には、この回路溝4の内面の表面粗さRaが好ましくは0.01〜0.5μmの範囲となるように、加工条件を設定する。
次に、図2(d)に示すように,回路溝4及び樹脂被膜8の外表面にめっき触媒又はその前駆体9を被着させる(触媒被着工程)。このような触媒被着処理により、回路溝4の内面、及びレーザ加工されていない樹脂被膜8の表面全体にめっき触媒又はその前駆体9を被着させることができる。
前記めっき触媒又はその前駆体9は、めっき処理工程において無電解めっきにより無電解めっき膜10を形成したい部分にのみ無電解めっき膜10を形成させるために付与される触媒である。めっき触媒としては、無電解めっき用の触媒として知られたものであれば特に限定なく用いられうる。また、予めめっき触媒の前駆体を被着させ、樹脂被膜8の除去後にめっき触媒を生成させてもよい。めっき触媒の具体例としては、例えば、金属パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)等、または、これらを生成させるような前駆体等が挙げられる。
めっき触媒又はその前駆体9を被着させる方法としては、例えば、pH1〜3の酸性条件下で処理される酸性Pd−Snコロイド溶液で処理した後、酸溶液で処理するような方法等が挙げられる。具体的には、例えば、次のような方法が挙げられる。
はじめに、回路溝4及び通孔5が形成された第二絶縁層1の表面に付着している油分等を界面活性剤の溶液(クリーナー・コンディショナー)中で所定の時間湯洗する。次に、必要に応じて、過硫酸ナトリウム−硫酸系のソフトエッチング剤でソフトエッチング処理する。そして、pH1〜2の硫酸水溶液や塩酸水溶液等の酸性溶液中でさらに酸洗する。次に、濃度0.1%程度の塩化第一錫水溶液等を主成分とするプリディップ液に浸漬して第二絶縁層1の表面に塩化物イオンを吸着させるプリディップ処理を行う。その後、塩化第一錫と塩化パラジウムを含む、pH1〜3の酸性Pd−Snコロイド等の酸性めっき触媒コロイド溶液にさらに浸漬することによりPd及びSnを凝集させて吸着させる。そして、吸着した塩化第一錫と塩化パラジウムとの間で、酸化還元反応(SnCl+PdCl→SnCl+Pd↓)を起こさせる。これにより、めっき触媒である金属パラジウムが析出する。
なお、酸性めっき触媒コロイド溶液としては、公知の酸性Pd−Snコロイドキャタリスト溶液等が使用でき、酸性めっき触媒コロイド溶液を用いた市販のめっきプロセスを用いてもよい。このようなプロセスは、例えば、ローム・アンド・ハース電子材料株式会社からシステム化されて販売されている。
このような触媒被着処理によって、前記回路溝4の内面、前記通孔5の内壁表面、及び前記樹脂被膜8の表面にめっき触媒又はその前駆体9を被着させることができる。
次に、図2(e)に示すように、樹脂被膜8を所定の液体で膨潤又は溶解させることにより除去する(被膜除去工程)。この工程によれば、レーザ加工により形成された回路溝4の内面にめっき触媒又はその前駆体9を残留させ、それ以外の樹脂被膜8の表面に付着されためっき触媒又はその前駆体9を除去することができる。
前記樹脂被膜8を除去する方法は、特に限定されない。具体的な方法としては、例えば、所定の溶液(膨潤液)で前記樹脂被膜8を膨潤させた後に、前記第二絶縁層1から前記樹脂被膜8を剥離させる方法、所定の溶液(膨潤液)で前記樹脂被膜8を膨潤させ、さらに一部を溶解させた後に、前記第二絶縁層1から前記樹脂被膜8を剥離させる方法、及び所定の溶液(膨潤液)で前記樹脂被膜8を溶解させて除去する方法等が挙げられる。前記膨潤液としては、前記樹脂被膜8を膨潤させることができるものであれば、特に限定されない。また、前記膨潤又は溶解は、前記樹脂被膜8で被覆された前記第二絶縁層1を前記膨潤液に所定時間浸漬させること等によって行う。そして、その浸漬中に超音波照射することにより除去効率を高めてもよい。なお、膨潤させて剥離するときには、軽い力で引き剥がしてもよい。
また、前記樹脂被膜8として、前記膨潤性樹脂被膜8を用いる場合について、説明する。
前記膨潤性樹脂被膜8を膨潤させる液体(膨潤液)としては、前記第二絶縁層1、及び前記めっき触媒又はその前駆体9を実質的に分解又は溶解させることなく、前記膨潤性樹脂被膜8を膨潤又は溶解させることができる液体であれば特に限定なく用いられうる。また、前記膨潤性樹脂被膜8を容易に剥離される程度に膨潤させうる液体が好ましい。このような膨潤液は、膨潤性樹脂被膜8の種類や厚みにより適宜選択されうる。具体的には、例えば、膨潤性樹脂被膜8がジエン系エラストマー、アクリル系エラストマー、及びポリエステル系エラストマーのようなエラストマーや、(a)分子中に重合性不飽和基を少なくとも1個有するカルボン酸又は酸無水物の少なくとも1種類以上の単量体と(b)前記(a)単量体と重合しうる少なくとも1種類以上の単量体を重合させることで得られる重合体樹脂又は前記重合体樹脂を含む樹脂組成物、カルボキシル基含有アクリル系樹脂から形成されている場合には、例えば、1〜10%程度の濃度の水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液が好ましく用いられる。
なお、触媒被着工程において上述したような酸性条件で処理するめっきプロセスを用いた場合には、膨潤性樹脂被膜8が、酸性条件下においては膨潤度が60%以下であり、アルカリ性条件下では膨潤度が50%以上であるような、例えば、ジエン系エラストマー、アクリル系エラストマー、及びポリエステル系エラストマーのようなエラストマー、(a)分子中に重合性不飽和基を少なくとも1個有するカルボン酸又は酸無水物の少なくとも1種類以上の単量体と(b)前記(a)単量体と重合しうる少なくとも1種類以上の単量体を重合させることで得られる重合体樹脂又は前記重合体樹脂を含む樹脂組成物、カルボキシル基含有アクリル系樹脂から形成されていることが好ましい。このような膨潤性樹脂被膜8は、pH12〜14であるようなアルカリ水溶液、例えば、1〜10%程度の濃度の水酸化ナトリウム水溶液等により容易に膨潤し、剥離する。なお、剥離性を高めるために、浸漬中に超音波照射してもよい。また、必要に応じて軽い力で引き剥がすことにより剥離してもよい。
膨潤性樹脂被膜8を膨潤させる方法としては、膨潤液に、膨潤性樹脂被膜8で被覆された第二絶縁層1を所定の時間浸漬する方法が挙げられる。また、剥離性を高めるために、浸漬中に超音波照射することが特に好ましい。なお、膨潤のみにより剥離しない場合には、必要に応じて軽い力で引き剥がしてもよい。
次に、図3(a)に示すように、めっき触媒又はその前駆体9が残留している回路溝4の内面に無電解めっき処理を施して、無電解めっき膜10を形成する(めっき処理工程)。この工程により、回路溝4の内面に無電解めっき膜10が析出する。
前記無電解めっき処理の方法としては、部分的にめっき触媒又はその前駆体9が被着された第二絶縁層1を無電解めっき液に浸漬して、めっき触媒又はその前駆体9が被着された部分のみに無電解めっき膜10(めっき層)を析出させるような方法等が用いられうる。
無電解めっきに用いられる金属としては、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)等が挙げられる。これらの中では、Cuを主成分とするめっきが導電性に優れている点から好ましい。また、この金属がNiを含む場合には、耐食性や、はんだとの密着性に優れる点から好ましい。
無電解めっき膜10の膜厚は、特に限定されない。具体的には、例えば、0.1〜10μm、さらには1〜5μm程度であることが好ましい。
めっき処理工程により、第二絶縁層1の表面のめっき触媒又はその前駆体9が残留する部分のみに無電解めっき膜10が析出する。そのために、電気回路2を形成したい部分のみに正確に無電解めっき膜10を形成することができる。一方、電気回路2を形成していない部分に対する無電解めっき膜10の析出を抑制することができる。従って、狭いピッチ間隔で線幅が狭いような微細な電気回路2を複数本形成するような場合でも、隣接する電気回路2間に不要なめっき膜が残らない。そのために、短絡の発生やマイグレーションの発生を抑制することができる。
次に、図3(b)に示すように、第二絶縁層1に、回路溝4の底面から第一電気回路7の表面に至る通孔5を、レーザ加工等によって形成する。このとき、通孔5の底部で露出する第一電気回路7の表面には、スミア11が残る。
次に、通孔5の内面にデスミア処理を施すことで、図3(c)に示すように前記スミア11を除去する。前記デスミア処理は、特に限定されず、公知のデスミア処理を用いておこなうことができる。具体的には、例えば、過マンガン酸溶液等に浸漬する処理等が挙げられる。
このデスミア処理によって、通孔5の内面の樹脂が粗されて、この通孔5の内面の表面粗さが大きくなるが、回路溝4の内面は無電解めっき膜10によって覆われているため、回路溝4の内面はデスミア処理液によって荒らされることはない。このため、回路溝4の内面の表面粗さは、通孔5の内面の表面粗さよりも小さくなる。
デスミア処理後、図3(d)に示すように、回路溝4の内面及び通孔5の内面に無電解めっき処理を施す。このとき、回路溝4の内面に存在する無電解めっき膜10、及び通孔5の底部で露出する第一電気回路7がめっき核として作用して、回路溝4の内側及び通孔5の内側でめっき層が成長する。これにより、回路溝4の内側に第二電気回路2が形成されると共に、通孔5の内側に第二電気回路2と第一電気回路7とを導通するビア3が形成される。また、第一電気回路7に電圧を印加しながら電解めっき処理を施してもよい。この場合、通孔5の底部に露出する第一電気回路7の表面からめっき層が堆積して、このめっき層が通孔5内及び回路溝4内に充填され、第二電気回路2及びビア3が形成される。
このような工程を経て、図1に示す回路基板10が作製される。これにより、ビルドアップ法により、電気回路2幅や電気回路2間隔が狭い第二電気回路2を積層する場合でも、短絡やマイグレーションの発生が抑制された第二電気回路2が形成される。
[第二の製造法]
図4及び図5に、回路基板の第二の製造法を示す。この回路基板の第二の製造法について説明する。尚、第一の製造法と共通する事項については詳細を省略する。
まず、第一の製造法と同様にして、図4(a)に示すように、第一絶縁層6に第一電気回路7を設け、更に第二絶縁層1を設ける。
次に、図4(b)に示すように、第二絶縁層1にレーザ加工等を施すことで、第二絶縁層1の表面から第一電気回路7の表面に至る通孔5を形成する。このとき、通孔5の底部で露出する第一電気回路7の表面には、スミア11が残る。
次に、図4(c)に示すように、通孔5の内面にデスミア処理を施すことで前記スミア11を除去する。このデスミア処理によって、通孔5の内面の樹脂が荒らされて、この通孔5の内面の表面粗さが大きくなる。
デスミア処理後、図4(d)に示すように、通孔5の内面に無電解めっき処理を施す。このとき、通孔5の底部で露出する第一電気回路7がめっき核として作用して、通孔5の内側でめっき層が成長する。これにより、通孔5の内側にビア3が形成される。また、第一電気回路7に電圧を印加しながら電解めっき処理を施してもよい。この場合、通孔5の底部に露出する第一電気回路7の表面からめっき層が堆積して、このめっき層が通孔5内に充填され、ビア3が形成される。
次に、図4(e)に示すように、第二絶縁層1の表面上に樹脂被膜8を形成する(被膜形成工程)。
次に、図5(a)に示すように、樹脂被膜8を部分的に除去すると共にこの除去した部分において更に第二絶縁層1の表面から樹脂を除去することで、第二絶縁層1に回路溝4を形成する(回路溝形成工程)。このように通孔5内にデスミア処理を施した後に回路溝4を形成するため、回路溝4の内面の表面粗さは、通孔5の内面の表面粗さよりも小さくなる。このとき回路溝4の一部が、前記通孔5と重なるようにし、通孔5の上部が回路溝4と一体になるようにする。
このように回路溝4を形成する際には、この回路溝4の内面の表面粗さRaが好ましくは0.01〜0.5μmの範囲となるように、加工条件を設定する。
次に、図5(b)に示すように、回路溝4及び樹脂被膜8の外表面にめっき触媒又はその前駆体9を被着させる(触媒被着工程)。
次に、図5(c)に示すように、樹脂被膜8を所定の液体で膨潤又は溶解させることにより除去する(被膜除去工程)。この工程によれば、レーザ加工により形成された回路溝4の内面にめっき触媒又はその前駆体9を残留させ、それ以外の樹脂被膜8の表面に付着されためっき触媒又はその前駆体9を除去することができる。
次に、図5(d)に示すように、めっき触媒又はその前駆体9が残留している回路溝4の内面に無電解めっき処理を施すことで、回路溝4の内側でめっき層を成長させ、第二電気回路2を形成する。
これにより、回路溝4内に第二電気回路2が設けられると共にこの第二電気回路2と第一電気回路7とがビア3によって導通され、図1に示す回路基板10が作製される。
[第三の製造法]
図6及び図7に、回路基板の第三の製造法を示す。この回路基板の第三の製造法について説明する。尚、第一の製造法と共通する事項については詳細を省略する。
まず第一の製造法と同様にして、図6(a)に示すように、第一絶縁層6に第一電気回路7を設け、更に第二絶縁層1を設ける。
この第二絶縁層1に、図6(b)に示すように、樹脂被膜8を設けることなく、第二絶縁層1の表面から樹脂を除去することで、第二絶縁層1に回路溝4を形成する(回路溝形成工程)。
このように回路溝4を形成する際には、この回路溝4の内面の表面粗さが好ましくは0.01〜0.5μmの範囲となるように、加工条件を設定する。
次に、図6(c)に示すように,回路溝4の内面を含む第二絶縁層1の外表面にめっき触媒又はその前駆体9を被着させる(触媒被着工程)。このような触媒被着処理により、回路溝4の内面、及びレーザ加工されていない第二絶縁層1の表面全体にめっき触媒又はその前駆体9を被着させることができる。
次に、図6(d)に示すように、めっき触媒又はその前駆体9が被着している回路溝4の内面を含む第二絶縁層1の外表面に無電解めっき処理を施して、無電解めっき膜10を形成する(めっき処理工程)。この工程により、回路溝4の内面を含む第二絶縁層1の外表面に無電解めっき膜10が析出する。
次に、図7(a)に示すように、第二絶縁層1に、回路溝4の底面から第一電気回路7の表面に至る通孔5を、レーザ加工等によって形成する。このとき、通孔5の底部で露出する第一電気回路7の表面には、スミア11が残る。
次に、図7(b)に示すように、通孔5の内面にデスミア処理を施すことで前記スミア11を除去する。このデスミア処理によって、通孔5の内面の樹脂が荒らされて、この通孔5の内面の表面粗さが大きくなるが、回路溝4の内面は無電解めっき膜10によって覆われているため、回路溝4の内面はデスミア処理液によって荒らされることはない。このため、回路溝4の内面の表面粗さは、通孔5の内面の表面粗さよりも小さくなる。
デスミア処理後、図7(c)に示すように、第二絶縁層1の外表面側に無電解めっき処理を施す。このとき、無電解めっき膜10、及び通孔5の底部で露出する第一電気回路7がめっき核として作用して、回路溝4の内側及び通孔5の内側、及び第二絶縁層1の表面でめっき層が成長する。これにより、回路溝4の内側に第二電気回路2が形成されると共に、通孔5の内側に第二電気回路2と第一電気回路7とを導通するビア3が形成され、更に第二絶縁層1の表面でめっき層が成長する。また、第一電気回路7及び無電解めっき膜10に電圧を印加しながら電解めっき処理を施してめっき層を成長させてもよい。
次に、図7(d)に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polish)法により第二絶縁層1の表面側のめっき層を研磨して除去する。これにより第二絶縁層1の表面及び第二電気回路2の表面を外部に露出させる。このような工程を経て、図1に示すような回路基板10が作製される。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
第一絶縁層6として厚み100μmのエポキシ樹脂基材(パナソニック電工株式会社製のR1766)を用い、この第一絶縁層6の一面上に、サブトラクティブ法により銅からなる厚み20μm、幅50μmの第一電気回路7を形成した。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製の「850S」)と、硬化剤としてのジシアンジアミド(日本カーバイド工業株式会社製の「DICY」)と、硬化促進剤としての2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製の「2E4MZ」)と、無機フィラーとしての球状の溶融シリカ(電気化学工業株式会社製の「FB1SDX」平均粒径1.7μm)、と、シランカップリング剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の「A−187」)と、溶剤としてのメチルエチルケトン(MEK)及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)とを含む樹脂組成物からなる厚み100μmのシートを、前記第一絶縁層6の第一電気回路7が設けられた面上に載置し、さらに、この樹脂組成物からなるシートの外表面にPETフィルム(東洋紡績株式会社製の「TN100」)を載置し、この積層体を、0.4Pa、100℃で、1分間、加圧加熱成形し貼り合わせした後、さらに、175℃で90分間加熱硬化した後に、PETフィルムを剥離することにより、第二絶縁層1を積層した。
この第二絶縁層1の表面にスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)で2μm厚の樹脂被膜8を形成した。なお、樹脂被膜8の形成は、前記エポキシ樹脂基材の主面に、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)のメチルエチルケトン(MEK)サスペンジョン(日本ゼオン株式会社製、酸当量600、粒子径200nm、固形分15%)を塗布し、80℃で30分間乾燥することにより行った。
そして、樹脂被膜8が設けられた第二絶縁層1に対して、レーザ加工により幅20μm、深さ30μmの略長方形断面の回路溝4を形成した。なお、レーザ加工にはUV−YAGレーザを備えたESI社製のMODEL5330を用いた。
このように形成された回路溝4の内面の表面粗さRaは0.2μmであった。
次に、溝形成された第二絶縁層1の外表面をクリーナーコンディショナー(界面活性剤溶液、pH<1:ローム&ハース電子材料株式会社製C/N3320)中に浸漬し、その後、水洗した。そして、過硫酸ナトリウム−硫酸系のpH<1のソフトエッチング剤でソフトエッチング処理した。そして、PD404(シプレイ・ファーイースト株式会社製、pH<1)を用いてプリディップ工程を行った。そして、塩化第一錫と塩化パラジウムを含むpH1の酸性Pd−Snコロイド溶液(CAT44、シプレイ・ファーイースト株式会社製)に浸漬することにより、無電解銅めっきの核となるパラジウムをスズ−パラジウムコロイドの状態で回路溝4の内面及び樹脂被膜8の表面に吸着させた。次に、pH<1のアクセラレータ薬液(ACC19E、シプレイ・ファーイースト株式会社製)に浸漬することにより、パラジウム核を発生させた。
次に、第二絶縁層1の外表面を、pH14の5%水酸化ナトリウム水溶液中に超音波処理しながら10分間浸漬した。これにより、表面の樹脂被膜8は膨潤し、きれいに剥離された。このとき、第二絶縁層1の表面に樹脂被膜8の断片等が残っていなかった。
次に、第二絶縁層1を無電解めっき液(CM328A,CM328L、CM328C、シプレイ・ファーイースト株式会社製)に浸漬させて無電解銅めっき処理を行った。無電解銅めっき処理により、厚み3〜5μmの無電解銅めっき膜が析出した。無電解銅めっき処理された第二絶縁層1をSEM(走査型顕微鏡)により観察したところ、回路溝4の内面のみに、正確に無電解めっき膜10が形成されていた。
次に、回路溝4の底部にレーザ加工を施すことで、この回路溝4の底部から第一電気回路7の表面に至る直径50μmの通孔5を形成した。
次にデスミア溶液(スウェリングディップセキュリガントP、コンセントレートコンパクトCP アトテック社製)により、膨潤80℃5分、エッチング80℃10分の条件でデスミア処理を施した。
デスミア処理後の通孔5の内面の表面粗さは1.4μmであった。
次に、第二絶縁層1を無電解めっき液(CM328A,CM328L、CM328C、シプレイ・ファーイースト株式会社製)に浸漬させて無電解銅めっき処理を行った。無電解銅めっき処理により、通孔5内及び回路溝4内にめっき層が堆積し、ビア3及び第二電気回路2が形成された。
このようにして得られた回路基板における第二電気回路2の伝送ロスをネットワークアナライザー(アジエント社製8753E)により測定した。また、この実施例1において回路溝4の内面をデスミア処理により粗化して得られた回路基板についても、同様に第二電気回路2の伝送ロスを測定した。その結果、その結果、実施例1では、第二絶縁層1に形成した回路溝4の内面をデスミア処理により粗化した回路基板よりも伝送ロスが低減されることが確認された。
1 絶縁層(第二絶縁層)
2 電気回路(第二電気回路)
3 ビア
4 回路溝
5 通孔

Claims (4)

  1. 絶縁層と、この絶縁層に設けられた電気回路及びビアとを備え、前記絶縁層には回路溝と、この回路溝に連通する通孔とが形成され、前記電気回路が前記回路溝内に設けられていると共に、前記ビアが前記通孔内に設けられ、前記回路溝の内面の表面粗さが、前記通孔の内面の表面粗さよりも小さいことを特徴とする回路基板。
  2. 前記通孔の内面の表面粗さと、回路溝の内面の表面粗さの比(通孔の内面の表面粗さ/回路溝の内面の表面粗さ)が1.05〜200の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
  3. 前記回路溝の内面の、JIS B0601:2001で規定される表面粗さRaが0.01〜0.5μmの範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の回路基板。
  4. 前記通孔の内面の、JIS B0601:2001で規定される表面粗さRaが0.5〜2μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の回路基板。
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